JP2002058736A - 骨充填用組成物、骨充填用医療用具及び骨充填用キット - Google Patents

骨充填用組成物、骨充填用医療用具及び骨充填用キット

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JP2002058736A
JP2002058736A JP2000247841A JP2000247841A JP2002058736A JP 2002058736 A JP2002058736 A JP 2002058736A JP 2000247841 A JP2000247841 A JP 2000247841A JP 2000247841 A JP2000247841 A JP 2000247841A JP 2002058736 A JP2002058736 A JP 2002058736A
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bone filling
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filling
hyaluronic acid
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Takaaki Tanaka
孝昭 田中
Masaaki Chiyazono
昌明 茶薗
Katsuyuki Fujii
克之 藤井
Akio Hamai
昭夫 浜井
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Seikagaku Corp
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Seikagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 骨欠損部の隙間部分に簡易且つ密に充填
することができる新たな骨充填組成物を提供する。 【解決手段】 25℃で粘度が110Pa・s以上であ
るヒアルロン酸又はその薬理学的に許容されうる塩の
2.0〜5.5%(w/w)水性溶液を含み、且つ、そ
の水溶液の弾性率が400Pa以上であるヒアルロン酸
と不溶性のα−リン酸3カルシウム、β−リン酸3カル
シウム及びハイドロキシアパタイトからなる群から選択
される1以上の骨充填材を混合して骨充填組成物とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は骨疾患の骨欠損部の
処置を目的として、その欠損部に充填して使用する骨充
填組成物に関する。また、本発明は更に、上記目的に使
用する骨充填用医療用具及び骨充填組成物を調製するた
めの骨充填用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、骨折、骨移植、骨腫瘍の病巣部掻
爬、関節の骨部手術などの骨欠損を伴う疾病の治療には
α-リン酸3カルシウム(α-TCP)、β-リン酸3カルシウ
ム(β-TCP)、ハイドロキシアパタイトなどのブロック
体が骨欠損部充填材として使用されてきている。
【0003】しかし、これらのブロック体を骨欠損部や
骨修復部の形状に完全に一致させ、欠損部に間隙なく充
填を行うことは困難である。市販のブロック体で充填し
た場合には、その周辺にどうしても間隙が生じてしまう
問題があった。そのような間隙は骨の正常で早い修復の
ためには妨げとなっていた。そこで、欠損部充填には、
このような間隙が生じないように治療現場でそれぞれの
欠損部の形状に極力合致するように上記ブロック体を慎
重に削り出して充填用ブロックを作成し、これをはめ込
むことにより対処したり、また、市販のブロック体をそ
のまま用いる場合は、ブロック体充填後に生じた間隙に
別のブロック体を適度に破砕した物又は顆粒状に作成し
た充填材をこの欠損部間隙に充填することによって対処
してきた。また、小さな骨欠損部の充填には、ブロック
体の破砕物や顆粒状骨充填材だけを充填することもしば
しば用いられてきた。しかし、このような破砕物や顆粒
状充填材を欠損部やブロック体充填後に生じた間隙の充
填に使用するときには、操作性及び治癒効果の面から充
填材のみを単独で使用することはほとんどなく、一般的
に、患者自身の前記欠損部以外の部位から必要量の自家
骨を採取し、これを破砕して、ブロック体破砕物や顆粒
状充填材と混合し、欠損部へ充填する方法が取られてい
る。この場合には自家骨破砕物が顆粒状充填材のキャリ
ア−としての機能を果たしていた。患者の患部以外から
骨を採取し自家骨破砕物を準備することは、患者への手
術箇所が治療すべき欠損部位と骨採取部の2箇所となっ
てしまう点、治療現場で自家骨破砕物を作成しなければ
ならない点など患者自身にとっても、手術をする者にと
っても大きな負担となっていること、及び自家骨を採取
して欠損した部分にも骨充填の必要が生じてしまうとい
う問題があった。
【0004】一方、骨折や骨欠損への充填に使用可能な
公知の組成物としては、溶解性リン酸塩とヒアルロン酸
を含有する硬化性のセメント材が例示される(特開平10
-17349号、WO99/177109等)。しかし、セメント材は充
填後固化することを目的としていることから、補填・固
化後の充填部位には破骨細胞や骨芽細胞の浸潤は殆ど見
られず、よって、充填部位が自家骨に再生置換されるこ
とは難しいとされている。上記セメント材の成分として
ヒアルロン酸が使用される場合では、隙間への充填時に
は流動性がある方が操作性の上からも好ましいとされて
おり、ヒアルロン酸の高濃度な添加では極度に流動性が
低下するため、ヒアルロン酸の濃度は2%以下が好ましい
とされている。これは、セメント材においては充填時に
流動し易くても充填後に固化することにより充填箇所か
らのセメント材の漏出が生じず、問題とならないためで
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】骨欠損部位が狭かった
り、複雑な形状であっても、自家骨破砕物を準備するこ
となく、目的部位に簡易な操作でより密に充填する事が
可能であり、目的部位により安定して滞留すると共に、
破骨細胞及び骨芽細胞の進入を妨げないで自家骨への早
期置換を可能とする骨充填用組成物及び顆粒状骨充填材
のための自家骨破砕物に代わる有用なキャリア−の開発
が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは骨
欠損部充填や骨折部の修復において自家骨破砕物を必要
としないで、充填箇所に密な充填が容易で骨再生に必要
とされる期間にわたって安定して滞留すると共に、破骨
細胞及び骨芽細胞の進入を妨げず、自家骨の再生を促す
組成物を得るべく鋭意検討した結果、特定濃度及び特定
粘度を有するヒアルロン酸の水性溶液を含む高粘性の骨
充填用組成物が、骨欠損部へ簡易な操作で間隙なく密に
充填でき、且つ骨再生に必要とされる期間十分な滞留性
を保持するとともに破骨細胞及び骨芽細胞の進入の阻害
を行わないこと、及びそのような骨充填用組成物が自家
骨へ早期に置換し、優れた骨再生を示すことを見い出
し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)骨充填材とヒアルロン酸又はその薬理学的に許容
されうる塩とを含む粘弾性且つ流動性の骨充填用組成物
であって、25℃で粘度が110Pa・s以上であるヒアルロン
酸又はその薬理学的に許容されうる塩の2.0〜5.5%(w/
w)水性溶液を含み、且つ、前記骨充填材は前記水性溶
液に不溶性のものであることを特徴とする骨充填組成
物。 (2)前記ヒアルロン酸又はその薬理学的に許容されう
る塩の水性溶液の貯蔵弾性率が、ストレス制御式レオメ
ーターによるアクリル製フラットプレート(直径4cm)
を使用したオシレーション(Oscillation)法によっ
て、25℃、レオメーターの回転コーンと底面の距離 800
μm、トルク20Pa、10Hzの条件下で測定した際に、400Pa
以上であることを特徴とする(1)記載の骨充填組成
物。 (3)骨充填材がα-リン酸3カルシウム、β-リン酸3カ
ルシウム及びハイドロキシアパタイトからなる群から選
択される1以上の骨充填材である(1)又は(2)記載
の骨充填用組成物。 (4)骨充填材が粉体状又は顆粒状であることを特徴と
する(1)乃至(3)いずれか記載の骨充填用組成物。 (5)骨充填材の粒径が5mm以下であることを特徴とす
る(1)乃至(4)のいずれか記載の骨充填用組成物。 (6)骨充填材の粒径が25μm〜1mmであることを特徴と
する(5)記載の骨充填用組成物。 (7)更に、骨形成促進物質を含むことを特徴とする
(1)乃至(6)いずれか記載の骨充填用組成物。 (8)骨形成促進物質が、副甲状腺ホルモン、カルシト
ニン、ビタミンA類、活性型ビタミンD、繊維芽細胞増殖
因子、インシュリン様成長因子、形質転換増殖因子、血
小板由来増殖因子、骨形成因子、及びエナメルマトリッ
クス由来タンパク質からなる群から選択される1以上の
骨形成促進物質である(7)記載の骨充填用組成物。 (9)(1)乃至(8)いずれか記載の骨充填用組成物
が、送出器具に充填された骨充填用医療用具。 (10)ヒアルロン酸又はその薬理学的に許容されうる
塩の2.0〜5.5%(w/w)水性溶液、および前記水性溶液に
不溶性の骨充填材を含む骨補填用キット。 (11)骨充填材の粒径が5mm以下であることを特徴と
する(10)記載の骨充填用キット。 (12)骨充填材の粒径が25μm〜1mmであることを特徴
とする(11)記載の骨充填用キット。 (13)更に送出器具を含む(10)乃至(12)いず
れか記載の骨充填用キット。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態により本
発明を詳説する。 (1)本発明組成物 本発明組成物は、骨充填材とヒアルロン酸又はその薬理
学的に許容されうる塩とを含む粘弾性且つ流動性の骨充
填用組成物であって、25℃で粘度が110Pa・s以上である
ヒアルロン酸又はその薬理学的に許容されうる塩の2.0
〜5.5%(w/w)水性溶液を含み、且つ、前記骨充填材は
前記水性溶液に不溶性のものであることを特徴とする骨
充填組成物である。
【0009】本発明組成物における骨充填材とは、α-
リン酸3カルシウム(α-TCP)、β-リン酸3カルシウム
(β-TCP)、ハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシ
ウム塩類又はリン酸マグネシウム塩類等があげられる。
骨破砕物は、自家骨の破砕物であれば患者への負担がか
かり、また他の動物等由来の骨破砕物は様々な感染症の
危険性も伴うため骨充填材として使用することは好まし
くない。上記骨充填材としては特に人工物であるα-リ
ン酸3カルシウム(α-TCP)、β-リン酸3カルシウム
(β-TCP)、及びハイドロキシアパタイト等のリン酸カ
ルシウム塩類又はリン酸マグネシウム塩類等が好まし
い。これらの人工物は骨の欠損部に充填することにより
数日から数年の間に充填された部位の骨と置換し、自家
骨に再生されて一体となるもの、及び殆ど吸収されず一
定の形状を保って骨の代用物となるものの双方を含み、
いずれも担体としてのヒアルロン酸又はその薬理学的に
許容されうる塩の水性溶液に対して不溶性の物質であ
る。前者としては例えばα-TCP、β-TCPなどが挙げら
れ、後者としては例えばハイドロキシアパタイトなどが
挙げられる。その中でも特にα-TCP、及びβ-TCPが好ま
しく、破骨細胞による貪食作用と周辺の骨芽細胞の活動
を活発化させ、早期に自家骨への置換再生が行われるた
めβ-TCPが特に好ましい。
【0010】α-TCP、β-TCP又はハイドロキシアパタイ
トを骨充填材として用いる場合は、これらの純度が高け
れば高いほど好ましく、具体的には80%以上、より好ま
しくは90%以上、95%以上であることがもっとも好まし
い。また、骨充填材は顆粒状又は粉末状であることが好
ましく、粒径5mm以下であることがより好ましく、粒径3
mm以下であることが更に好ましく、注射針を用いて本発
明組成物を骨欠損部に充填する場合には特に粒径25μm
〜1mmであることが最も好ましい。上記の種々の観点か
ら、本発明における最適の骨充填材は粒径5mm以下、よ
り好ましくは粒径3mm以下の粉末状又は顆粒状のβ-TCP
である。
【0011】本発明組成物におけるヒアルロン酸は、そ
の由来、分子量、極限粘度等は特に特定されないが、本
発明組成物の粘弾性が、その作用効果に影響を及ぼすの
で、その粘弾性が適切となるようにヒアルロン酸の分子
量、極限粘度、及びヒアルロン酸水性溶液中のヒアルロ
ン酸濃度を選択すべきである。上記を考慮してヒアルロ
ン酸の極限粘度(dl/g)は約10〜50(重量平均分子量約
50万〜300万)であることが好ましく、約12〜42(重量
平均分子量約60万〜280万)であることが更に好まし
い。また、ヒアルロン酸は鉄により低分子化が促進され
ることが知られている。本発明組成物におけるヒアルロ
ン酸も、本発明組成物の保存安定性の観点から、低い鉄
含量であることが推奨され、その含量は原子吸光分析
(JIS生化学試薬通則K0121)による測定で100ppm未満で
あることが好ましく、50ppm以下であることがより好ま
しく、20ppm以下であることが最も好ましい。更に、ヒ
アルロン酸にタンパク質及び核酸が混入することで、炎
症性を呈することがあるため、ヒアルロン酸はタンパク
質及び核酸の混入が共に低いことが好ましい。具体的に
はタンパク質含量はローリー法(Lowry, O.C. et al, J
Biol. Chem., 193, 265(1951))による測定で0.2%以下
であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ま
しい。核酸は0.05%以下であることが好ましく、0.02%以
下であることが更に好ましい。
【0012】本発明組成物におけるヒアルロン酸は薬理
学的に許容されうる塩の形態で用いることが好ましい。
具体的にはアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩
等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウ
ム塩等)などが挙げられ、特にアルカリ金属塩が好まし
く、その中でもナトリウム塩が最も好ましいが、特にこ
れに限定はされない。以下、「ヒアルロン酸」の語はヒ
アルロン酸の薬理学的に許容されうる塩も包含する用語
として使用する。
【0013】上記ヒアルロン酸の水性溶液中のヒアルロ
ン酸の濃度は2.0〜5.5%(w/w)であり、2.5〜5.0%(w/w)で
あることが好ましく、3.0〜4.0%(w/w)であることが最も
好ましい。前記水性溶液の溶媒は、水性溶媒であって、
その例として水、薬理学的に許容されうる塩類、酸、有
機溶媒等を含む水溶液が挙げられる。具体的には蒸留
水、生理食塩水、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS)など
が挙げられ、その中でも特にPBSが好ましい。また、ヒ
アルロン酸の安定性及び本発明組成物の自家骨への置換
再生効果の観点から、本発明におけるヒアルロン酸水性
溶液のpHは5.5〜8.0であることが好ましく、特に6.0〜
7.5であることが好ましく、浸透圧比は0.8〜1.3、更に
0.9〜1.2であることが好ましい。更に、上記ヒアルロン
酸の水性溶液中のエンドトキシン量はエンドトキシン試
験法(日本工業規格(JIS)生化学試薬通則K8008 4.3)に
よる測定で0.25EU/g溶液以下であることが好ましく、0.
1EU/g溶液以下であることがさらに好ましい。これらの
ヒアルロン酸水性溶液は、投与部位における本発明組成
物の滞留性と、破骨細胞及び骨芽細胞の進入を妨げない
性質との双方を保有させるためには、下記の性質を有す
ることが特に好ましい。
【0014】貯蔵弾性率 0.1Hz:30Pa以上(50Pa以上であることが好ましい) 1Hz:150Pa以上(200Pa以上であることがことが好まし
い) 10Hz:400Pa以上(500Pa以上であることがことが好まし
い) (注) ストレス制御式レオメーターによるアクリル製フ
ラットプレート(直径4cm)を使用したオシレーション
法によって、25℃、レオメーターの回転コーンと底面の
距離 800μm、トルク20Paの条件下で測定 粘度 110Pa・s以上(150Pa・s以上であることが好ましく、170P
a・s以上であることがさらに好ましい) (注)E型回転粘度計、25℃、3°コーンを使用して測定
【0015】上述の範囲よりも粘性及び弾性率の低いヒ
アルロン酸は、骨充填組成物として骨内に充填した際
に、患部からの骨出血などにより組成物が流出、拡散
し、目的の効果を果たさないため、本発明組成物に使用
するのには適さない。例えば1%のヒアルロン酸溶液(約
10Pa・s)を用いて作成した組成物では、ヒアルロン酸溶
液と骨充填材が分離してしまい、目的の形態での使用が
不可能である。また、上述と同様の物性のコラーゲン溶
液又はゼラチン溶液を用いることも考えられるが、コラ
ーゲンやゼラチンはタンパク質であることから抗原性を
示すことがあり、特に高濃度での使用では炎症性が危惧
され、本発明組成物として使用するには適さない。
【0016】本発明組成物中には、上述のヒアルロン酸
水性溶液が20%〜80%(w/w)含まれることが好ま
しく、35%〜65%(w/w)含まれていることがより
好ましい。また本発明組成物中における骨充填材の組成
物中の割合は、80%〜20%(w/w)含まれることが
好ましく、より好ましくは65%〜35%(w/w)含ま
れていることが好ましい。
【0017】本発明組成物は、従来のセメント材とは異
なり、充填後に硬化させることを目的としているもので
はないため、硬化して密な構造となり破骨細胞や骨芽細
胞の浸潤が困難となるセメント材に比して、これらの細
胞が容易に浸潤する粗な構造を有し、自家骨への置換再
生がより効率よく起こる。更に、セメント材の使用の場
合は、セメントが徐々に固化することから、治療現場で
はセメント材を準備して使用するまでの時間的制約があ
るが、本発明の骨充填組成物には使用に際してのそのよ
うな時間的制約はない。
【0018】また、本発明組成物には、更に骨形成促進
物質を含ませることが可能である。骨形成促進物質とし
ては、骨の成長、再生、修復を促進する因子であれば、
いずれも使用することが可能であり、例えばホルモン類
(副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、エストロゲ
ンなど)、ビタミン類(ビタミンA類(レチノイン酸、レ
チノールなど)、活性型ビタミンD(カルシフェロール、
エルゴカルシフェロ−ル等)、ビタミンC(アスコルビン
酸等))、成長因子類(繊維芽細胞増殖因子(aFGF、bFGF
等)、上皮増殖因子(EGF、TGF-α等)、インシュリン様成
長因子(IGF)、形質転換増殖因子(TGF)、血小板由来増殖
因子(PDGF)、骨形成因子(BMP)、エナメルマトリックス
由来タンパク質(エナメルマトリックスタンパク質であ
るアメロゲニン、エナメリンなど:特開平2−4202
2号)等)等が挙げられる。骨形成促進物質としてエナ
メルマトリックス由来タンパク質を使用した場合には、
歯科領域での歯槽骨の維持・再生などに適用できる。上
述の例示以外にも例えばプロスタグランジン類、サイト
カイン類なども骨形成を間接的に促進する作用が知られ
ており、そのような物質を使用することも可能である。
また、必要に応じて、骨形成促進物質として適量の骨基
質成分(例えばコラーゲン、フィブロネクチン、オステ
オネクチン、オステオカルシン、トロンボスポンジン、
ヒアルロン酸以外のグリコサミノグリカン等)を本発明
組成物に添加しても良い。上述の各骨形成促進物質は組
織などから抽出することによって得られる天然物でも、
遺伝子工学的、合成的に調製される人工物でもいずれで
あっても使用することができる。本発明組成物中に上記
物質等を0.001mg/g組成物〜10mg/g組成物程度存在さ
せ、本発明組成物を調製することが可能である。
【0019】また、必要に応じて破骨細胞、骨芽細胞、
軟骨細胞など骨形成に関わる細胞を本組成物に含ませる
こともできる。更には、感染防止を目的として本組成物
に各種抗生物質(カナマイシン、ベカナマイシン、アミ
カシン、ゲンタマイシン、ミクロノマイシン、クロラム
フェニコール、コリスチン、ポリミキシンB等)、抗ウ
イルス剤(アシクロビル、イドクスウリジン、5-ブロモ
ビニルアラビノフラノシルウラシル、アデニンアラビノ
シド、ポリIC等)や抗炎症剤などの薬剤を含ませても良
い。
【0020】(2)本発明医療用具 本発明医療用具は、骨充填用組成物が、送出器具に充填
された骨充填用医療用具である。
【0021】本発明における骨充填用組成物は上述した
とおりである。本発明における送出器具とは、例えば注
射器、チューブなどが挙げられ、本発明組成物を送出
し、目的部位に充填可能な形態の器具である限り、いず
れであっても使用することが可能である。具体的には、
例えば、シリンジ(ここでシリンジとは注射筒、ピスト
ン、ガスケット、及びプランジャーロッドからなる注射
用具を指す)、チューブ及び、必要に応じてルアーチッ
プ、注射針(例えば13〜18ゲージ、但し骨充填材の粒径
により、他のゲージでもよい)、カテーテルなどが挙げ
られる。送出器具としてシリンジと注射針を使用する態
様においては、特に注射針の中を本発明組成物が通過で
きるよう、本発明組成物中に含まれる骨充填材は粒径3m
m以下であることが好ましいが、本発明組成物がシリン
ジから注射針を通り送出されうる限度において粒径は上
記以上であっても良い。シリンジを用いる態様の場合
は、先端にキャップを付したシリンダ筒に粒径3mm以下
の骨充填材を含む本発明骨充填用組成物を充填し、シリ
ンダ筒の基端部から挿入されたガスケットにより本発明
組成物が封止され、使用時に注射針(例えば13〜18ゲー
ジ:この場合は上記骨充填材の粒径は25μm〜1mmが好ま
しい)やカテーテルを装着し、プランジャーロッドによ
ってガスケットを先端方向に押し出すことによって目的
部位に本発明組成物を注入する態様が挙げられる。
【0022】(3)本発明キット 本発明キットは、ヒアルロン酸の2.0〜5.5%(w/w)水性
溶液、および前記水性溶液に不溶性の骨充填材を含み、
用時に該水性溶液と該骨充填材を均一に混合し、前記本
発明組成物とするためのキットである。
【0023】本発明キットに含まれるヒアルロン酸の水
性溶液、並びに該水性溶液に不溶性の骨充填材は(1)
本発明組成物に記載したものと同様である。本発明キッ
トには、更に本発明組成物の使用時に、目的部位へ本発
明組成物を送り込むための送出器具が添付されていても
よく、更に使用直前に上述の水性溶液に上述の骨充填材
を懸濁、混合するための容器、器具等を包含してもよ
い。更に、本発明キットは、上述した骨形成促進物質を
含ませることも可能である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はその目的を越えない限り、本実施例
に何ら制限されるものではない。
【0025】実施例1 体重約3kg前後の家兎の大腿骨顆部海綿骨部に直径約4m
m、長さ約12mmの円柱状の骨孔を作成し、同部に顆粒状
(粒径250〜500μm)のβ-TCP(オリンパス光学工業株
式会社製)2gと、2.5%又は3.5%ヒアルロン酸ナトリウム
(生化学工業株式会社製:重量分子量120万)のPBS溶液
(以下「ヒアルロン酸PBS溶液」と記載する )2mLとを
混合した組成物を調製した。使用したヒアルロン酸ナト
リウムの水溶液のpH、浸透圧比、含水率、極限粘度、粘
度、エンドトキシン含量を表1、貯蔵弾性率を表2に示
す。
【0026】
【表1】表1 注:Et*:エンドトキシン試験法(日本工業規格(JIS)生
化学試薬通則K8008 4.3)によるエンドトキシン量(EU/
g溶液)
【0027】
【表2】表2
【0028】測定条件: 機器:CSL型ストレス制御式レオメーター(Carri Med社
製) 測定法:オシレーション法 Measuring System:アクリル製フラットプレート(直径
4cm)使用 レオメーターの回転コーンと底面の距離 800μm トルク 20Pa 温度:25℃
【0029】上述の2.5%及び3.5%ヒアルロン酸PBS溶液
を使用して調製した組成物を、それぞれ1mLのシリンジ
に注入し、14ゲージの注射針を装着し、上述の骨孔に約
0.2mLずつ注入し、直径約4mm、厚さ約2mmのβ-TCPブロ
ックで骨孔入口部を閉鎖した(試験群1,2)。対照と
して、骨孔に直径約4mmの円柱状のβ-TCPブロック(気
孔率75%、気孔径200μm:オリンパス光学工業株式会社
製)を充填した群(対照1)、β-TCPの顆粒を充填した
群(対照2:β-TCPブロック(オリンパス光学工業株式
会社製)で骨孔入口部を閉鎖した)を設けた。
【0030】術後、2,4,6及び8週の時点で家兎を安楽死
させ、大腿骨顆部海綿骨を摘出し、脱灰標本を作製し、
組織学的検索を行った。また、上記大腿骨顆部海綿骨の
非脱灰標本を用いて、骨孔内におけるβ-TCPの吸収量な
らびに新生骨量の面積率を測定した。その結果、2.5%、
及び3.5%のヒアルロン酸PBS溶液を含む本発明組成物を
充填した群(試験群1,2)及び対照1では、いずれも
術後2週間で、β-TCPの周囲に破骨細胞が出現し、β-T
CPが吸収されている像が観察されると共に、β-TCPを取
り囲むように旺盛な幼若骨梁が形成され、その周囲には
骨芽細胞が層状に存在していた。対照2は、β-TCPの周
囲に若干の破骨細胞が出現はしていたが、β-TCPの吸収
はさほど進んでおらず、骨芽細胞もほとんど観察されな
かった。
【0031】本発明の試験群1及び2では、術後4週で
新生骨量はピークとなり、その後は減少したが、骨梁の
幅は増大し、術後8週では周囲の骨梁との境界は不明瞭
となった。一方、対照2においてはβ-TCPは経時的に吸
収され、術後8週でほぼ完全に消失していた。
【0032】実施例2 本発明組成物(β-TCP粉末(粒径100μm)500mgと実施
例1記載のものと同一の3.5%ヒアルロン酸PBS溶液1mLを
混合して調製)をガラス製シリンジ(3mL)に充填した
骨充填用医療用具を製造した。
【0033】実施例3 下記構成の骨充填用キットを製造した。 本発明キット1 1.2.5%ヒアルロン酸PBS溶液(実施例1記載のものと同
一)1mL入りバイアル1 2.β-TCP粉末(粒径約100μm)500mg入りバイアル 1 3.練合用容器及び練合用硝子棒 1セット 4.ガラス製シリンジ(3mL) 1本 5.注射針(14ゲージ) 1本
【0034】本発明キット2 1.3.5%ヒアルロン酸PBS溶液(実施例1記載のものと同
一)1mL入りバイアル1 2.β-TCP粉末(粒径250μm)1000mg入りバイアル 1 3.組換えbFGF凍結乾燥物(50μg)入りバイアル 1 4.練合用容器及び練合用硝子棒 1セット 5.ガラス製シリンジ(3mL) 1本 6.注射針(16ゲージ) 1本
【0035】
【発明の効果】本発明により、骨欠損部の隙間部分に簡
易且つ密に充填することができ、自家骨に早期に置換し
て骨再生を促進する新規骨充填組成物が提供される。

Claims (13)

    【整理番号】 J200001400 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨充填材とヒアルロン酸又はその薬理学
    的に許容されうる塩とを含む粘弾性且つ流動性の骨充填
    用組成物であって、25℃で粘度が110Pa・s以上であるヒ
    アルロン酸又はその薬理学的に許容されうる塩の2.0〜
    5.5%(w/w)水性溶液を含み、且つ、前記骨充填材は前
    記水性溶液に不溶性のものであることを特徴とする骨充
    填組成物。
  2. 【請求項2】 前記ヒアルロン酸又はその薬理学的に許
    容されうる塩の水性溶液の貯蔵弾性率が、ストレス制御
    式レオメーターによるアクリル製フラットプレート(直
    径4cm)を使用したオシレーション(Oscillation)法に
    よって、25℃、レオメーターの回転コーンと底面の距離
    800μm、トルク20Pa、10Hzの条件下で測定した際に、4
    00Pa以上であることを特徴とする請求項1記載の骨充填
    組成物。
  3. 【請求項3】 骨充填材がα-リン酸3カルシウム、β-
    リン酸3カルシウム、及びハイドロキシアパタイトから
    なる群から選択される1以上の骨充填材である請求項1
    又は2記載の骨充填用組成物。
  4. 【請求項4】 骨充填材が粉体状又は顆粒状であること
    を特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の骨充填
    用組成物。
  5. 【請求項5】 骨充填材の粒径が5mm以下であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の骨充填
    用組成物。
  6. 【請求項6】 骨充填材の粒径が25μm〜1mmであること
    を特徴とする請求項5記載の骨充填用組成物。
  7. 【請求項7】 更に、骨形成促進物質を含むことを特徴
    とする請求項1乃至6いずれか一項記載の骨充填用組成
    物。
  8. 【請求項8】 骨形成促進物質が、副甲状腺ホルモン、
    カルシトニン、ビタミンA類、活性型ビタミンD、繊維芽
    細胞増殖因子、インシュリン様成長因子、形質転換増殖
    因子、血小板由来増殖因子、骨形成因子、及びエナメル
    マトリックス由来タンパク質からなる群から選択される
    1以上の骨形成促進物質である請求項7記載の骨充填用
    組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8いずれか一項記載の骨充
    填用組成物が、送出器具に充填された骨充填用医療用
    具。
  10. 【請求項10】 ヒアルロン酸又はその薬理学的に許容
    されうる塩の2.0〜5.5%(w/w)水性溶液、および前記水
    性溶液に不溶性の骨充填材を含む骨補填用キット。
  11. 【請求項11】 骨充填材の粒径が5mm以下であること
    を特徴とする請求項10記載の骨充填用キット。
  12. 【請求項12】 骨充填材の粒径が25μm〜1mmであるこ
    とを特徴とする請求項11記載の骨充填用キット。
  13. 【請求項13】 更に送出器具を含む請求項10乃至1
    2いずれか一項記載の骨充填用キット。
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