JP2002105652A - 真空処理装置および真空処理方法 - Google Patents

真空処理装置および真空処理方法

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JP2002105652A
JP2002105652A JP2000302503A JP2000302503A JP2002105652A JP 2002105652 A JP2002105652 A JP 2002105652A JP 2000302503 A JP2000302503 A JP 2000302503A JP 2000302503 A JP2000302503 A JP 2000302503A JP 2002105652 A JP2002105652 A JP 2002105652A
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substrate
vacuum processing
base
reaction vessel
processing apparatus
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JP2000302503A
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English (en)
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Takashi Otsuka
崇志 大塚
Toshiyasu Shirasago
寿康 白砂
Kazuyoshi Akiyama
和敬 秋山
Kazuto Hosoi
一人 細井
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波電力を供給し、プラズマを発生させて
行う基体102の真空処理において、均一な真空処理特
性が得られるようにする。 【解決手段】 円筒状の基体102は、ホルダー母体1
04の外周に嵌められ、その上方にホルダーキャップ1
03が嵌められた状態で、真空処理される。ホルダーキ
ャップ103には、半径方向に突出しているつば105
が設けられている。これにより、高周波電力によって基
体102およびホルダーキャップ103の外周面近傍に
生じる高周波電界の、ホルダーキャップ103端部での
反射波の、基体102までの伝播距離を延長することが
でき、基体102上に定在波が明確に生じないようにし
て、真空処理特性を均一にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体デバイス、電
子写真用感光体、画像入力用ラインセンサー、撮影デバ
イス、光起電力デバイスなどの形成において用いられ
る、高周波電力によって生起されたプラズマを用いた堆
積膜形成、エッチングなどを行う真空処理方法およびそ
のための真空処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光
体、画像入力用ラインセンサー、撮影デバイス、光起電
力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、光学素
子などの形成に用いる真空処理方法として、プラズマC
VD法、イオンプレーティング法、プラズマエッチング
法など、高周波電力によって生起されたプラズマを用い
る方法が多数知られており、そのための装置も実用に付
されている。
【0003】例えばプラズマCVD法、すなわち、原料
ガスを高周波グロー放電により分解し堆積させて基板上
に薄膜状の堆積膜を形成する方法は、好適な堆積膜形成
手段として実用化されており、例えば電子写真用水素化
アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記
する)堆積膜の形成などに利用され、そのための装置も
各種提案されている。
【0004】なかでも、近年、VHF帯の高周波電力を
用いるVHFプラズマCVD(以後「VHF−PCV
D」と略記する)法が注目を浴びており、これを用いた
各種堆積膜形成の開発も積極的に進められている。これ
はVHF−PCVD法では膜堆積速度が速く、また高品
質な堆積膜が得られるため、製品の低コスト化、高品質
化を同時に達成することができる方法として期待されて
いるためである。例えば特開平6−287760号公報
にはa−Si系電子写真用光受容部材の形成に用いるこ
とが可能な装置および方法が開示されている。
【0005】このような従来の堆積膜形成装置の一例の
模式図を図5に示す。図5(a)は縦断面図、図5
(b)は図5(a)のA−A’線に沿って切断した横断
面図である。この堆積膜形成装置は、内部を減圧可能な
反応容器501を有している。反応容器501の側面に
は排気管514が一体的に形成され、排気管514の他
端は不図示の排気装置に接続されている。
【0006】反応容器501の底面の中央部には、減速
ギア508を介してモータ509に接続されている筒状
の回転軸507が設けられている。回転軸507には、
堆積膜が形成される円筒状の基体502が、円筒状のホ
ルダー母体504の外周に嵌められ、その上方にホルダ
ーキャップ503が嵌められて保持された状態で設置さ
れている。このようにして基体502は、反応容器50
1の中心部に配置され、モータ509を駆動することに
よって、その母線方向中心軸のまわりを自転するように
なっている。回転軸507およびホルダー母体504の
内側中心部には、基体502を加熱する発熱体506が
設けられている。
【0007】基体502の周りには、堆積膜の構成物と
なる原料ガスを反応容器501内に供給する原料ガス供
給管513が、基体502を取り囲むように同一円周上
に等間隔で4本配置されている。プラズマを発生させる
VHF周波数帯などの高周波電力を反応容器501内に
供給するカソード電極510も、同様に基体502を取
り囲むように同一円周上に等間隔で4本配置されてい
る。カソード電極510はマッチングボックス511を
介して高周波電源512に接続されている。基体502
は回転軸507を通してアース電位に維持されており、
高周波電力が供給された際に、カソード電極510に対
するアノード電極として機能する。
【0008】このような装置を用いた堆積膜形成は概略
以下のような手順により行なうことができる。まず、反
応容器501内に基体502を設置し、不図示の排気装
置により排気管514を通して反応容器501内を排気
する。続いて、発熱体506により基体502を200
℃〜300℃程度の所定の温度に加熱し、その温度を維
持するように制御する。
【0009】基体502が所定の温度となったところ
で、原料ガスを原料ガス供給管513を介して反応容器
501内に導入する。原料ガスの流量が設定流量とな
り、また反応容器501内の圧力が安定したのを確認し
た後、高周波電源512よりマッチングボックス511
を経てカソード電極510へ所定のVHF周波数帯など
の高周波電力を供給する。これにより、反応容器501
内にグロー放電が生起され、原料ガスは励起解離されて
基体502上に堆積され、堆積膜が形成される。所望の
膜厚の堆積膜形成が行なわれた後、高周波電力の供給を
止め、続いて原料ガスの供給を停止して堆積膜の形成を
終える。同様の操作を複数回繰り返すことによって、所
望の多層構造の素子、例えば電子写真用感光体の光受容
層が形成される。
【0010】堆積膜形成中、基体502を回転軸507
を介してモータ509によって所定の速度で回転させる
ことにより、基体502の表面全周に亘って均一な堆積
膜が形成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の方
法および装置を用いることにより、良好な堆積膜形成、
すなわち真空処理を行うことができる。しかしながら、
このような真空処理方法および真空処理装置を用いて製
造された製品に対する市場の要求レベルは日々高まって
おり、この要求に応えるべく、より高品質の製品を低コ
ストで生産可能な真空処理方法および真空処理装置が求
められるようになってきている。
【0012】例えば、プラズマCVD法およびプラズマ
CVD装置を用いた電子写真用感光体形成の場合、近年
普及が目覚しいデジタル電子写真装置やカラー電子写真
装置においては、文字原稿のみならず、写真、絵、デザ
イン画などのコピーも頻繁に行われるようになってきて
いる。このため、コピー画像の濃度むら低減に対する要
求レベルは非常に高まっており、これに対応可能な電子
写真装置を提供することが急務となっている。
【0013】このようなコピー画像の濃度むら低減へ向
けての技術的検討は、さまざまな面から行われている
が、その中でも電子写真用感光体の特性の均一性を向上
させることは不可避の課題である。この課題解決のた
め、真空処理特性の均一性をさらに向上させることがで
きる電子写真用感光体形成装置および電子写真用感光体
形成方法の実現が強く求められている。
【0014】このような真空処理特性の均一性向上に対
する要求は、前述した電子写真用感光体のように、製品
個々が大きな面積を有している場合に限ったものではな
く、製品個々の面積が比較的小さい場合においても、例
えば生産コストを低減するという観点から強く求められ
ている。これは、生産性を向上させるために複数の被処
理物を同時に真空処理する場合、真空処理特性が不均一
であると、同一ロット内に配置したとしても被処理物ご
とに処理特性が異なってしまい、一部の被処理物で要求
レベルの処理特性が得られない場合があり、生産時の良
品率が低下してしまうためである。
【0015】このように、真空処理特性の均一性を向上
させることができる真空処理装置および真空処理方法
は、製品の特性向上のみならず、生産コストの低減とい
う観点からも強く求められている。
【0016】本発明はこのような課題を解決することを
目的とするものである。すなわち、本発明の目的は、高
周波電力によって生起されたプラズマを用いて基体上に
真空処理を施す真空処理装置および真空処理方法におい
て、真空処理特性の均一性を向上させることによって、
製品品質を向上させ、また良品率を向上させて生産コス
トを低減することができる真空処理装置および真空処理
方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討を行った結果、基体上に生じる高周
波電界の定在波が処理特性の不均一性を生じる一因とな
っていることを見出した。
【0018】そして、堆積膜形成時に基体に接触した状
態になる補助基体に、導電性を有するつば状の突き出し
部分を配置することで基体上の定在波の位相を調整する
ことができ、このようにすることが真空処理特性の均一
性を向上させることに対して極めて効果的であるとの知
見を得て、本発明を完成させるに至った。
【0019】すなわち、本発明による真空処理装置は、
内部を減圧可能であり、内部に基体が配置される反応容
器と、反応容器内を減圧する排気手段と、反応容器内に
高周波電力を供給する高周波電力供給手段とを有し、高
周波電力により生起されたプラズマを用いて基体の処理
面上に真空処理を施す真空処理装置において、導電性を
有する材料からなり、基体の処理面を少なくとも一方向
に延長するように基体に接続される部分を有する補助基
体を有し、補助基体が、基体の処理面を延長するように
接続された部分から、外側へ突出するように形成されて
いる突き出し部を有することを特徴とする。
【0020】この構成によれば、高周波電力によって基
体の処理面および補助基体の処理面に接続された面の近
傍に生じる高周波電界が、補助基体の端部で反射されて
生じる反射波の、その端部からの伝播距離を、突き出し
部を設けることによって延長することができる。反射波
は伝播されるにしたがって減衰していくので、伝播距離
を延長することで、反射波が基体に達するまでの間によ
り大きく減衰されるようにでき、基体上に高周波電界の
定在波が明確に生じないようにして、定在波による真空
処理特性への影響を著しく減少させ、真空処理特性の均
一性を向上させることが可能となる。
【0021】基体上に高周波電界の定在波が生じること
によって真空処理特性が不均一になる影響は、高周波電
界が反射されて反射波が発生する端部から近い位置の、
高周波電界定在波の節部分で比較的大きく生じる。そこ
で、この節部分が補助基体上に生じるようにすること
で、定在波による真空処理特性への影響を特に大きく減
少させることができる。これは、突き出し部の大きさや
数などを調整することによって実現できる。
【0022】本発明による真空処理装置においては、円
筒状の基体が好適に用いられ、この場合、補助基体に基
体の少なくとも片側の軸方向端部を延長するように接続
される部分を設け、突き出し部を半径方向外側に突出す
るつば状の形状とすることができる。
【0023】本発明の真空処理装置において、突き出し
部の突き出した長さをプラズマのシース長より長くすれ
ば、反射波が突き出し部の表面に沿った屈曲した伝播経
路を通るようにでき、反射波の伝播距離を効果的に延長
することができる。
【0024】また、突き出し部は複数設けることがで
き、この場合、突き出し部間の間隔を、プラズマのシー
ス長を2倍した距離より長くすれば、高周波電界が、突
き出し部の頂部から頂部へ伝播することなく、複数の突
き出し部の表面に沿った屈曲した伝播経路を通るように
でき、反射波の伝播距離を効果的に延長することができ
る。
【0025】本発明を適用しない場合に、基体上に高周
波電界の定在波が生じ、それによる真空処理特性への影
響が大きく生じるのは、供給する高周波電力の周波数が
50MHz以上450MHz以下の場合である。そこ
で、本発明は、この周波数の高周波電力を用いて処理を
行う真空処理装置に、特に好適に適用できる。
【0026】本発明を適用しない場合には、高周波電界
定在波による真空処理特性への影響は、基体として導電
性を有するものを用いた場合に、定在波がその処理面上
に生じるために比較的大きなものとなる。したがって、
本発明は、導電性を有する基体を処理する真空処理装置
において、特に効果的である。この場合、基体の端部で
反射波が生じて定在波が生じないように、基体の処理面
近傍に生じる高周波電界が、補助基体の、処理面に接続
される面に連続的に伝播されるように基体と補助基体と
が接続されるようにすることが望ましい。
【0027】本発明は、特に、反応容器内に原料ガスを
導入する原料ガス導入手段をさらに有し、高周波電力に
よって原料ガスを励起解離させ、基体上に堆積させて堆
積膜を形成する装置に好適に適用できる。すなわち、こ
のような装置に本発明を適用することにより、形成され
る膜の特性を非常に均一にする作用を得ることができ
る。そしてさらに、本発明は、膜質が大面積に亘って均
一であることが要求される、堆積膜を積層して形成され
る電子写真用感光体を製造する真空処理装置に好適に適
用できる。すなわち、このような装置に本発明を適用す
ることにより、優れた特性を有する電子写真用感光体を
製造可能な装置とすることができる。
【0028】本発明による真空処理方法は、内部を減圧
可能な反応容器内に基体を配置する工程と、反応容器内
を排気して減圧する工程と、反応容器内に高周波電力を
供給してプラズマを発生させる工程とを有し、プラズマ
を用いて基体の処理面上に真空処理を施す真空処理方法
において、導電性を有する材料からなり、外側に突出す
るように形成されている突き出し部を有する突き出し部
形成面を備えた補助基体を、突き出し部形成面が基体の
処理面を少なくとも一方向に延長するように基体に接続
した状態で真空処理を行うことを特徴とする。
【0029】そして特に、プラズマ発生工程において、
高周波電力によって基体の処理面および補助基体の処理
面に接続された部分の近傍に生じる高周波電界の定在波
の、補助基体の端部に一番近い節部分を補助基体上に位
置させるようにすることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0031】図1,2に、本実施形態の、例えば電子写
真用感光体形成を行うことができる堆積膜形成装置の模
式図を示す。図1は、堆積膜が形成される基体102
と、それを保持する補助基体であるホルダー母体104
およびホルダーキャップ103の断面図を示している。
図2は、堆積膜形成装置全体の断面図を示しており、図
2(a)は縦断面図、図2(b)は図2(a)のA−A’
線に沿って切断した横断面図である。
【0032】この堆積膜形成装置は、内部を減圧可能な
反応容器201を有している。反応容器201の側部に
は、不図示の排気装置に接続された排気口214が設け
られている。反応容器201の底部の中央部には、減速
ギア208を介してモータ209に接続された筒状の回
転軸207が設けられている。回転軸207上には、円
筒状のホルダー母体104の外周に嵌め込まれ、上方に
ホルダーキャップ103が嵌められて、これらの補助基
体に保持されている円筒状の基体102が設置されてい
る。基体102はホルダー母体104およびホルダーキ
ャップ103と接触してこれらと導通状態にある。ホル
ダーキャップ103は、円筒状の部分と、その部分から
半径方向に外側に延びる、図2に示す例では3つの円板
状のつば(突き出し部)105とが一体的に形成されて
構成されている。回転軸207およびホルダー母体10
4の内側中央部には、基体102を加熱する発熱体20
6が設けられている。
【0033】反応容器201内にはさらに、原料ガスを
供給するための原料ガス供給管213、プラズマを生起
させる高周波電力を供給するための高周波電極210が
設けられている。高周波電極210は、各高周波電極2
10からの導線が途中で合流された後、マッチングボッ
クス211を介して高周波電源212に接続されてい
る。
【0034】このような堆積膜形成装置を用いた電子写
真用感光体の形成は、以下のようにして行うことができ
る。まず、ホルダー母体104に、最初に基体102
を、次いでホルダーキャップ103を嵌め込んで、補助
基体と基体102とを図1に示すように組み合わせる。
そして、ホルダー母体104上に載置された基体102
を反応容器201内に設置し、不図示の排気装置(例え
ば真空ポンプ)により排気口214から反応容器201
内を排気する。続いて、発熱体206により基体102
を200℃〜300℃程度の所定の温度に加熱し、この
温度に維持するように制御する。基体102が所定の温
度となったところで、原料ガス供給管213を介して、
原料ガスを反応容器201内に導入する。原料ガスの流
量が設定流量となり、また、反応容器201内の圧力が
安定したのを確認した後、高周波電源212よりマッチ
ングボックス211を経て高周波電極210へ所定の高
周波電力を供給する。これにより、反応容器201内に
高周波電力が供給されて反応容器201内にグロー放電
が生起され、原料ガスが励起解離されて基体102上に
堆積され、堆積膜が形成される。
【0035】このようにして所望の膜厚の堆積膜の形成
が行なわれた後、高周波電力の供給を止め、続いて原料
ガスの供給を停止して一層分の堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層
構造の光受容層を形成する。堆積膜形成中、基体102
を回転軸207を介してモータ209により所定の速度
で回転させることにより、円筒状の基体102の表面全
周に亘って均一な堆積膜を形成することができる。
【0036】図3,4に、この堆積膜形成装置の変形例
を示す。同図において、図1,2と同様の部分について
は、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0037】図3に示す変形例では、ホルダーキャップ
103上だけではなく、ホルダー母体304の、ホルダ
ーキャップ103が嵌め込まれるのとは反対側の端部に
もつば305が設けられている。なお、同図に示す例で
は、発熱体306、回転軸307の構成も、図1,2に
示すものとは異なっているが、基本的な機能は変わらな
い。回転軸307は、ホルダー母体304の上端まで延
び、この部分で補助基体に接続されている。また、発熱
体306は、回転軸307の周囲を取り巻く筒状に形成
されている。
【0038】図4に示す変形例では、ホルダー母体40
4と、つば405を有するホルダーキャップ403とか
らなる補助基体に保持された基体402を複数設置でき
るようになっている。すなわち、回転軸407、減速ギ
ア408、モータ409が、反応容器201の中心部に
設けられた原料ガス供給管413の周りに複数設けられ
ており、各回転軸407に基体402を設置できるよう
になっている。高周波電極410は、これらの基体40
2を取り囲む円周上に複数配置されている。
【0039】本実施形態の堆積膜形成装置は、補助基体
の端部につば105,305,405が設けられている
ことに特徴がある。このようなつば105,305,4
05を設けることで、これが無い場合には基体102上
に位置する可能性がある高周波電界の定在波の節部分
を、端部に向けて移動させることができる。これによ
り、特に大きな特性の落ち込みを生じさせる原因となる
と考えられる、端部の比較的近くに位置する定在波の節
部分を、基体102上から補助基体上へと移動させるこ
とができる。以下にこのことについてより詳細に説明す
る。
【0040】図1,2に示す堆積膜形成装置のような真
空処理装置においては、供給された高周波電力によっ
て、反応容器201内に配置された導電性を有する部材
の表面に生じるシースに沿って伝播される高周波電界が
生起される場合があり、導電性部材上に定在波が生じる
場合があることが知られている。このような定在波は、
真空処理特性を不均一にすることがある。
【0041】高周波電界の定在波に起因して真空処理特
性が不均一となることについては、従来、高周波電極2
10上に生じる定在波について検討され、その対策が種
々提案されてきた。例えば、特開平10−168575
号公報には、高周波電極210の両端の静電容量を調節
することで、高周波電極210上の高周波電界定在波を
調整し、堆積膜特性の均一性を向上させることが可能で
あることが開示されている。このような高周波電極21
0上の高周波電界定在波を調整する手段および方法によ
り、真空処理特性の均一性の向上が図られてきたが、さ
らなる均一性を求める場合、このような手段のみでは限
界がある。本発明者らは、その一因が基体102上に生
じる高周波電界定在波にあることを見出し、この定在波
の位相を調整することで真空処理特性のさらなる均一性
向上を実現可能であることを見出したものである。
【0042】従来、基体およびその基体に組み合わされ
た補助基体は、一般的には直流的に定電位、多くの場合
アース電位に維持できるように、反応容器などの定電位
部に導通状態にされている。このため、基体および補助
基体上には直流的な電界は生じない。しかしながら、基
体および補助基体そのものやその導通部分にはインピー
ダンスがあるため、基体および補助基体上には高周波電
界が生じ得る状態となっている。そして、このインピー
ダンスのうちのインダクタンス成分は高周波の周波数に
比例するため、周波数が高くなるほど基体および補助基
体上に高周波電界が生じ易い。
【0043】そこで比較的高い周波数の高周波電力を用
いる場合、反応容器内に供給された高周波電力は、反応
容器内の空間を伝播して基体および補助基体上に伝達さ
れ、基体および補助基体上に高周波電界を生じさせる。
基体および補助基体上に生じた高周波電界は、基体およ
び補助基体が導電性を有する場合、基体および補助基体
上に生じるシース中で伝播され、基体および補助基体の
端部において反射されて反射波が生じる。この反射波と
基体および補助基体端部到達前の高周波電界(入射波)
との干渉により、基体および補助基体上に高周波電界の
定在波が生じる。
【0044】基体および補助基体上に高周波電界の定在
波が生じると、定在波の節部分では電界が弱まり、腹部
分では電界が強まる。この電界の強弱によって、基体お
よび補助基体近傍のプラズマ特性に影響が現われ、その
結果、真空処理特性に不均一性が生じてしまう。本発明
者らの検討によれば、その影響は、基体および補助基体
上に入射するイオンエネルギーに特に顕著に現れる。す
なわち、基体および補助基体上の定在波の節部分では入
射イオンエネルギーが低く、腹部分では入射イオンエネ
ルギーが高い。このため、真空処理特性が入射イオンエ
ネルギーに対して大きな依存性を持つ場合、特にその不
均一性は顕著となってしまう。
【0045】そして、高周波電界定在波の真空処理特性
への影響は、反射端から近い節部分で特に顕著に現れ
る。これは、反射端から離れた位置においては、反応容
器内の空間への放射などによって反射波が減衰すること
で、定在波の影響が小さくなるためと考えられている。
したがって、このような基体および補助基体上に生じる
高周波電界定在波に起因する真空処理特性の不均一性を
改善する上では、特に反射端から近い位置での、高周波
電界定在波の節部分の影響を減少させることが極めて有
効である。
【0046】そこで本発明では、基体102の端部に接
触して配置する補助基体(ホルダーキャップ103やホ
ルダー母体104)に、導電性を有する材料からなるつ
ば105を設けている。すなわち、このような構成とす
ることで、補助基体上での高周波電界の伝播距離を伸ば
し、真空処理特性への影響が顕著に現れる部分である、
反射端から近い位置で生じる電界定在波の節部分を、基
体102の外側、すなわち補助基体上へと移動させるこ
とが容易に可能である。これにより、実際に電子写真感
光体などの製品となる基体102の真空処理特性は均一
化される。製品からは分離される補助基体において電界
定在波の節部分が存在しても製品製造上は何の問題もな
い。また、反射端から基体102までの間の伝播距離が
長くなることにより、その伝播過程での反射波の減衰量
が大きくなり、基体102上での高周波電界定在波の影
響を全体的に減少させることが可能である。
【0047】補助基体上での高周波電界の伝播距離を伸
ばす方法としては、単純に補助基体の長さを長くするこ
とも考えられるが、本実施形態の方法によれば、補助基
体の長さを長くしそれに伴って反応容器201自体のサ
イズを延長するなどの大きな変更をする必要が無い。ま
た、放電空間の増大によるガス利用効率の低下などのデ
メリットも無い。そこで本実施形態のような方法によれ
ば、多種の真空処理装置について、大きな変更をした
り、効率を低下させたりすることなく、高周波電界定在
波の影響を減ずる事が可能である。
【0048】本発明における高周波電界定在波の節部分
の移動量は、補助基体端部からの表面に沿った距離の、
つば105を設けたことによる延長量に実質的に比例す
る。しかし、つば105の突き出し量A(図1参照)が
ある大きさより小さくなると、高周波電界定在波の節部
分の移動量が著しく小さくなってしまう。これは、高周
波電界が、基体105の周辺に生じる、プラズマのシー
スと呼ばれる厚みのある層に沿って伝播するため、つば
105がこのシースの厚み(シース長)を超えてこの層
を遮るような形で配置されることで、高周波電界がつば
105の表面に沿って屈曲して伝播されるようになり、
伝播距離を延長する効果が十分に発揮されるためと考え
られる。
【0049】つば105の突き出し量Aが大きいと、高
周波電界定在波の節部分の移動量が大きくなるため好ま
しい。しかし、突き出し量Aを大きくし過ぎて、つば1
05の先端が、隣接する高周波電極210や原料ガス供
給管213、放電空間を形成する反応容器201の壁面
などと近づき過ぎると、高周波電界の伝播にそれらの影
響が現れる事が考えられる。また、補助基体のセッティ
ングの作業性も下がる。そこで、突き出し量Aは必要十
分な距離を取れる適当な長さにすることが好ましい。
【0050】つば105を複数設ける場合、つば105
間の配置間隔B(図1参照)が短いと、定在波の移動量
が小さくなる場合がある。これは、高周波電界がプラズ
マのシースに沿って伝播するため、突き出し量Aを小さ
くした場合と同様に高周波電界がつば105の表面に沿
って伝播せずに、つば105の先端から先端へと伝わっ
てしまうためであると考えられる。このため、つば10
5は、隣接するつば105のシースが接しない距離を置
いて、すなわち、つば105間の配置間隔Bがシース長
の2倍より長くなるように配置することが好ましい。
【0051】このようなつば105の具体的構成につい
ては特に制限はなく、高周波電界がその表面に実質的に
沿って連続的に伝播するような構成であればよい。基本
的にはその表面が導電性を有していればよく、構成材料
としては、例えば、Al・Cr・Mo・Au・In・N
b・Te・V・Ti・Pt・Pd・Feなどの金属や、
これらの合金、例えばステンレスなどを用いることがで
きる。
【0052】同様に、つば105を設ける補助基体は、
基体102に対して基体102を軸方向に延長する位置
に、高周波電界が基体102から実質的に連続的に伝播
されるように組み合わされるものであればよく、その形
状は特に限定されない。補助基体の構成材料について
は、つば102と同様の導電性の金属、合金などを用い
ることができる。
【0053】補助基体は、真空処理、例えば堆積膜形成
に、洗浄などのプロセスを経て繰り返し用いられること
などから、つば105には、ある程度の強度を有するよ
うに、ある程度の厚みがある事が好ましい。つば105
は必ずしも板状でなくてもよく、テーパーがついている
などしてもよく、またつば105の付け根や先端部など
を曲面としてもよい。
【0054】真空処理特性への影響が、円筒状の基体1
02のどちらか片方の端部側でより顕著に見られる場合
は、つば105をその端部に配置することが好ましい。
両方の端部付近で定在波の影響が見られる場合などは、
図3に示すように両方の端部につば105,305を配
置してもよい。装置の構成、特に基体102の支持部の
構成により、基体102上に伝播する高周波電界の状態
が異なり、影響の大きい定在波を生じる反射端になる端
部が異なるため、どの端部につば105,305を設け
るかは、装置毎に適宜決定すればよい。
【0055】つば105の数に関しては、その数が多い
ほど高周波電界の伝播距離を長く延長することができ、
定在波の節部分をより大きく移動させる事ができるため
好ましい。しかし、反射端から最初に現れる定在波の節
部分が、基体102上にではなく補助基体上に現れるよ
うにすることで、処理特性を均一化する効果が比較的大
きく現れるため、つば105を必ずしも多数設ける必要
はない。つば105の数は、製品の膜特性をどの程度均
一にする必要があるか、真空処理特性をどの程度均一に
する必要があるかに応じて適宜決定すればよい。
【0056】本実施形態の真空処理装置では、プラズマ
を生起するために用いられる高周波電力の周波数が50
MHz以上、450MHz以下の場合にその真空処理特
性の均一化の効果を特に顕著に得ることができる。50
MHz以下で本発明による特性均一化の効果が比較的微
小であるのは、高周波電力の波長が長いため、基体10
2上に明確な高周波電界定在波の節部分および腹部分が
生じず、基体102上の高周波電界定在波が真空処理特
性の均一性におよぼす影響が小さいためではないかと推
察される。また、450MHz以上で本発明による特性
均一化の効果が比較的微小であるのは、原料ガスの分解
効率が高く、反応容器201中での電力吸収率が大きい
ため、基体102上に生じた高周波電界が基体102、
または基体102に組み合わされた補助基体の端部に到
達してそこで反射波を生じる前に、その多くが減衰して
しまい、基体102上に顕著な高周波電界定在波が生じ
ないためではないかと推察される。
【0057】また、本実施形態の真空処理装置では、導
電性を有する基体102を処理する場合に、その真空処
理特性の均一化の効果をより顕著に得ることができる。
基体102が導電性を有する場合、高周波電界は基体1
02表面上を伝播するため、高周波電界定在波は基体1
02表面に生じる。一方、基体102が非導電性の材料
からなる場合、高周波電界は、例えば基体102裏に配
置されるホルダー母体104などの導電性部材上を伝播
し、高周波電界定在波はこの導電性部材上に生じる。こ
のため、基体102が導電性を有する場合には、高周波
電界定在波がプラズマに接した部分に生じるため、本発
明を適用しなければ、プラズマへの影響が顕著に現れ、
真空処理特性の不均一性がより顕著となる。非導電性の
基体102を処理する場合でも本実施形態による真空処
理特性の均一化の効果は現れるが、導電性を有する基体
102を処理する場合に本実施形態を適用した場合に、
その効果はより顕著なものとなる。
【0058】また、本実施形態は、電子写真用感光体形
成装置および電子写真用感光体形成方法に対して適用し
た場合に特に好ましい効果が得られる。本発明者らの検
討によれば、これまで述べてきたような補助基体上、ま
たは補助基体および基体102上の高周波電界定在波
は、単に作製された感光体の電気的、光学的特性に不均
一性をもたらすだけでなく、その節部分の位置で堆積膜
中に多数の構造欠陥を生じさせる。この構造欠陥は反応
容器201中のダスト、例えば反応容器201の壁に付
着した膜が剥れて生じた膜破片が核となって生じるもの
である。このような構造欠陥が高周波定在波の節部分で
多発する原因については定かではないが、節部分では、
近接するプラズマのフローティング電位が他の領域とは
異なったものとなり、その結果、節部分でのダストの電
位あるいはチャージアップ量が、基体上に吸着しやすい
状況をもたらすものになるのではないかと推察される。
【0059】このような構造欠陥が形成された電子写真
用感光体を用いた場合には、電子写真画像上に、本来の
形成画像には無い白点、あるいは黒点が生じてしまい、
画像品質が著しく低下する。その原因となる、高周波定
在波の節部分の、基体102上への発生を抑制し、構造
欠陥を低減可能な本実施形態は、電子写真用感光体形成
装置、電子写真用感光体形成方法に適用することで、特
に好ましい効果を奏することができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明による、さらに具体的な実施例
について説明するが、本発明はこれらの実施例によりな
んら制限されるものではない。
【0061】(実施例1)図2に示す構成の装置を用
い、基体102として、直径80mm、長さ358mm
の円筒状アルミニウムシリンダーを用い、高周波電源2
12の発振周波数を105MHzとして、表1に示す条
件で堆積膜形成を行い、電子写真用感光体を作製した。
【0062】
【表1】
【0063】補助基体としては、図1に示す、ホルダー
キャップ103がつば105を有する構成のものを用
い、ホルダー母体104、ホルダーキャップ103とも
にアルミニウム製とした。ホルダーキャップ103とし
ては、つば105の突き出し量A、つば105の間隔B
(図1参照)、つば105の個数を変えたものを5種類
使用した。
【0064】高周波電極210は直径20mmのステン
レス製円柱であり、その外部をアルミナ製パイプにより
覆った構造のものを用いた。このような高周波電極21
0を、基体102を取り囲むように同一円周上に等間隔
で4本配置した。高周波電極210の先端には高周波電
極210上に形成される高周波電界定在波比を低減する
ために、30pFのコンデンサ(不図示)を設けた。原
料ガス供給管213は、内径10mm、外径13mm
の、端部が封止されたアルミナ製パイプに、原料ガスを
供給可能なように、直径1.2mmのガス噴出口を開口
した構造のものを用いた。このようなガス供給管213
を、基体102を取り囲むように同一円周上に等間隔で
4本、高周波電極210に対して周方向に45度ずらし
た位置に配置した。原料ガス供給管213の表面は、ブ
ラスト加工により、表面粗さを、2.5mmを基準長と
する十点平均粗さRzが20μmとなるようにした。
【0065】感光体作製手順は概略以下の通りとした。
まず、ホルダー母体104およびホルダーキャップ10
3に保持された基体102を反応容器201内の回転軸
207上に設置した。その後、不図示の排気装置により
排気口214を通して反応容器201内を排気した。続
いて、回転軸207を介して基体102をモータ209
により10rpmの速度で回転させた。さらにガス供給
管213より反応容器201内に500mL/min
(normal)のArを供給した後、不図示の圧力調
整バルブを調整して反応容器201内の圧力を70Pa
に維持しながら発熱体206により基体102を250
度に加熱・制御し、その状態を2時間維持した。
【0066】次に、Arの供給を停止し、反応容器20
1内を不図示の排気装置により排気口214を通して排
気した後、ガス供給管213を介して、表1に示した電
荷注入阻止層形成に用いる原料ガスを導入した。
【0067】原料ガスの流量が設定流量となり、また、
反応容器201内の圧力が安定したのを確認した後、高
周波電源212の出力値を表1に示した電力に設定し、
マッチングボックス211を介して高周波電極210へ
高周波電力を供給した。こうして、高周波電極210よ
り反応容器201内に放射された高周波電力によって、
原料ガスを励起解離させ、基体102上に堆積させて電
荷注入阻止層を形成した。堆積膜の膜圧が所定の膜厚に
なった後、高周波電力の供給を止め、続いて原料ガスの
供給を停止して電荷注入阻止層の形成を終えた。同様の
操作を複数回繰り返すことによって、光導電層、表面層
を順次形成した。
【0068】(比較例1)次に、実施例1の堆積膜形成
について比較評価を行うために実施した比較例1につい
て説明する。本比較例においては、図5に示す、補助基
体につばを設けていない構成の装置を用い、その他の条
件については実施例1と同様にして、表1に示す条件で
電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作
製した。
【0069】(実施例1の評価)実施例1、比較例1で
作製されたA−Si感光体をテスト用のキヤノン社製の
複写機NP−6750(商品名)に設置し、いわゆる
「白ぽち」、「画像濃度むら」について以下の評価法に
より評価して、感光体の特性評価を行なった。 「白ぽち」キヤノン社製中間調チャートFY9−904
2(商品名)を原稿台に置き、コピーを行って得られた
コピー画像の、同一面積内にある直径0.1mm以上の
白点の数を数え、その数により評価した。すなわち、数
値が小さいほど良好である。この際、形成画像を、使用
したA−Si感光体の軸方向に8つの評価領域に等分
し、それぞれの領域について評価した。 「画像濃度むら」まず、現像器位置での暗部電位が一定
値となるよう主帯電器の電流を調整した後、原稿に反射
濃度0.01以下の所定の白紙を用い、現像器位置での
明部電位が所定の値となるよう像露光光量を調整した。
次いでキヤノン社製中間調チャートFY9−9042を
原稿台に置き、コピーを行って得られたコピー画像上の
全領域における反射濃度の最高値と最低値の差により評
価した。すなわち、数値が小さいほど良好である。
【0070】評価結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】なお、表2において、評価結果は比較例1
を基準とし、その結果との比較で、比較例1に対する実
施例1の良化(白ぽちの数の減少率、反射濃度の差の縮
小率)が30%以上を◎、10%以上30%未満を◎〜
○、10%未満を○、悪化を△で表記してある。また、
「白ぽち」については、比較した結果を評価領域毎に示
した。〜は感光体を軸方向に等分した各領域を示
す。つば105が設けられた方の端部に近い領域がで
ある。
【0073】また、Aはつば105の突き出し量、Bは
つば105の間隔、Lはつば105を設けることで延長
された表面距離の全長である。例(1)〜例(5)は、
このA,B,Lおよびつば105の数の異なる補助基体
を用いた場合についての結果を示している。
【0074】例(3)と例(4)について、「白ぽ
ち」、「画像濃度むら」いずれの項目においても実施例
1と比較例1との間に大きな良化が認められた。特に
「白ぽち」に関して〜の領域での良化が目立った。
【0075】例(2)と例(5)については、実施例1
と比較例1との間に明確な良化が認められた。例(2)
においては、つば105による表面距離の総延長量Lが
比較的短く、本実施例の装置構成においては高周波電界
定在波の節部分の移動が小さかったと考えられる。例
(5)については、つば105による表面距離の総延長
量Lは十分長いものの、つば105の間隔Bが比較的短
く、プラズマのシース長の2倍より小さいために、高周
波電界定在波の節部分を移動させる効果が比較的小さく
なったと考えられる。
【0076】例(1)については、つば105の突き出
し量Aがプラズマのシース長よりも小さいために、つば
105による表面距離の総延長量Lが同じである例
(2)と比較しても小さな効果しか得られなかったと考
えられる。
【0077】以上から、本発明によって、「白ぽち」、
「画像濃度むら」を低減する効果が得られることが確認
された。また、実施例1で作製された電子写真用感光体
を用いて形成された電子写真画像は、画像流れなどもな
い極めて良好な画像であった。
【0078】(実施例2)本実施例においては、図3に
示す、ホルダーキャップ103に加えホルダー母体30
4にもつば305を形成した堆積膜形成装置を用いた。
その他の構成については、実施例1と同様にして電子写
真用感光体を作製した。ホルダーキャップ103には、
突き出し量Aが30mm、つば105の間隔Bが30m
mのつば105を3個所設けたものを使用した。ホルダ
ー母体304には、ホルダーキャップ103と同様に、
突き出し量Aが30mm、つば305の間隔が30mm
のつば305を3個所設けたものを使用した。
【0079】(比較例2)次に、実施例2の堆積膜形成
について比較評価を行うために実施した比較例2につい
て説明する。本比較例においては、ホルダーキャップお
よびホルダー母体につばの無い補助基体を使用した以外
は、実施例2と同様にして、表1に示す条件で電荷注入
阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。
【0080】(実施例2の評価)実施例2で作製された
a−Si感光体と、比較例2で作製されたa−Si感光
体とを、テスト用のキヤノン社製の複写機NP−675
0(商品名)に設置し、感光体の特性評価を行った。評
価は実施例1で行った評価と同様に、「白ぽち」、「画
像濃度むら」について評価し、評価結果は、比較例2の
結果を基準として、実施例1と同様にしてその変化を評
価した。なお、「白ぽち」については、感光体全領域に
ついて比較評価した。評価結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】表3の結果から判るように、「白ぽち」、
「画像濃度むら」いずれの項目においても実施例2では
比較例2対して明確な良化が認められた。このことか
ら、本発明によれば、「白ぽち」、「画像濃度むら」を
低減する効果が得られることが確認された。また、実施
例2で作製された電子写真用感光体を用いて形成された
電子写真画像は、画像流れなどもない極めて良好なもの
であった。
【0083】(実施例3)本実施例においては、図4に
示す真空処理装置を用いて、反応容器201内に6つの
基体406を配置して真空処理を行った。6つの全ての
基体402について、突き出し量Aが30mm、つば4
03の間隔が30mmのつば403を3個所設けたホル
ダーキャップ403を使用した。
【0084】高周波電極410としては、実施例1と同
じ構成のものを、基体402の配置円の外側に、同一円
周上に等間隔で6本配置した。原料ガス供給管413と
しては、端部が封止されたアルミナ製パイプに直径1.
2mmのガス噴出口設けた構成のものを、反応容器20
1の中央に1本配置した。その他の構成や、感光体作製
手順は実施例1と同様にして、表4に示す条件で電子写
真用感光体を作製した。
【0085】
【表4】
【0086】(比較例3)次に、実施例3の堆積膜形成
について比較評価を行うために実施した比較例3につい
て説明する。本比較例においては、つばのないホルダー
キャップを使用した以外は実施例3と同様にして、表4
に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からな
る感光体を作製した。
【0087】(実施例3の評価)実施例3で作製された
a−Si感光体と、比較例3で作製されたa−Si感光
体とを、テスト用のキヤノン社製の複写機NP−675
0(商品名)に設置し、感光体の特性評価を行った。評
価は実施例1で行った評価と同様に、「白ぽち」、「画
像濃度むら」について評価し、評価結果は、比較例3の
結果を基準として、実施例1と同様にしてその変化を示
した。なお、「白ぽち」については、感光体全領域につ
いて比較評価した。評価結果を表5に示す。
【0088】
【表5】
【0089】表5の結果から判るように、「白ぽち」、
「画像濃度むら」いずれの項目においても実施例3では
比較例3に対して明確な良化が認められた。このことか
ら、本発明によれば、「白ぽち」、「画像濃度むら」を
低減する効果が得られることが確認された。また、実施
例4で作製された電子写真用感光体を用いて形成された
電子写真画像は、画像流れなどもない極めて良好なもの
であった。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
周波電力によって生起されたプラズマを用いて基体上に
真空処理を施す真空処理装置、真空処理方法において、
基体の端部を延長するように基体に接続される部分を有
する補助基体に、その端部から基体の処理面に向って延
びる面に、該面から突出するように突き出し部を設ける
ことにより、基体上に生じる高周波電界定在波の位相を
変化させ、真空処理特性の均一性を向上させることがで
きる。これにより、製品品質を向上させることができ、
また1つの反応容器内で複数の製品を製造する場合の良
品率を向上させて生産コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理装置において用いられる、基
体と補助基体の模式的な断面図である。
【図2】本発明の実施形態の真空処理装置の一例を示し
た模式的な断面図である。
【図3】図2の変形例の真空処理装置を示した模式的な
断面図である。
【図4】図2の他の変形例の真空処理装置を示した模式
的な断面図である。
【図5】従来の真空処理装置の一例を示した模式的な断
面図である。
【符号の説明】
201、501 反応容器 102、302、402、502 基体 103、303、403、503 ホルダーキャップ 104、304、404、504 ホルダー母体 105、205、405 つば 206、405、506 発熱体 207、407、507 回転軸 208、408、508 減速ギア 209、409、509 モーター 210、410、510 高周波電極 211、511 マッチングボックス 212、512 高周波電源 213、413、513 原料ガス供給管 214、514 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 和敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 細井 一人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 EA24 4K030 AA06 AA09 AA17 BA30 BB12 CA02 FA03 JA18 KA05 KA45 LA17 5F045 AA08 AB04 AC01 AD06 AD07 AE19 BB08 CA16 DP25 DP28 EB02 EB03 EH04 EH15 EH19 EM02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を減圧可能であり、内部に基体が配
    置される反応容器と、該反応容器内を減圧する排気手段
    と、前記反応容器内に高周波電力を供給する高周波電力
    供給手段とを有し、前記高周波電力により生起されたプ
    ラズマを用いて前記基体の処理面上に真空処理を施す真
    空処理装置において、 導電性を有する材料からなり、前記基体の前記処理面を
    少なくとも一方向に延長するように前記基体に接続され
    る部分を有する補助基体を有し、該補助基体が、前記基
    体の前記処理面を延長するように接続された部分から、
    外側へ突出するように形成されている突き出し部を有す
    ることを特徴とする真空処理装置。
  2. 【請求項2】 円筒状の前記基体の外周面上に処理を施
    す真空処理装置であって、前記補助基体が、前記基体の
    少なくとも片側の軸方向端部を延長するように接続され
    る部分を有し、前記突き出し部が、半径方向外側に突出
    するつば状の形状である、請求項1に記載の真空処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記突き出し部の突き出した長さが、プ
    ラズマのシース長より長いことを特徴とする、請求項1
    または2に記載の真空処理装置。
  4. 【請求項4】 前記突き出し部が複数設けられており、
    該突き出し部間の間隔が、プラズマのシース長を2倍し
    た距離より長いことを特徴とする、請求項1から3のい
    ずれか1項に記載の真空処理装置。
  5. 【請求項5】 前記高周波電力の周波数が50MHz以
    上450MHz以下であることを特徴とする、請求項1
    から4のいずれか1項に記載の真空処理装置。
  6. 【請求項6】 導電性を有する材料からなる前記基体の
    処理を行う真空処理装置であって、前記高周波電力によ
    って、前記基体の前記処理面近傍に生じる高周波電界
    が、前記補助基体の前記処理面に接続される面に連続的
    に伝播されるように前記基体と前記補助基体とが接続さ
    れる、請求項1から5のいずれか1項に記載の真空処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前記反応容器内に原料ガスを導入する原
    料ガス導入手段をさらに有し、前記高周波電力によって
    原料ガスを励起解離させ、前記基体上に堆積させて堆積
    膜を形成する、請求項1から6のいずれか1項に記載の
    真空処理装置。
  8. 【請求項8】 前記堆積膜が積層された電子写真用感光
    体を製造する、請求項7に記載の真空処理装置。
  9. 【請求項9】 内部を減圧可能な反応容器内に基体を配
    置する工程と、前記反応容器内を排気して減圧する工程
    と、前記反応容器内に高周波電力を供給してプラズマを
    発生させる工程とを有し、前記プラズマを用いて前記基
    体の処理面上に真空処理を施す真空処理方法において、 導電性を有する材料からなり、外側に突出するように形
    成されている突き出し部を有する突き出し部形成面を備
    えた補助基体を、前記突き出し部形成面が前記基体の前
    記処理面を少なくとも一方向に延長するように前記基体
    に接続した状態で真空処理を行うことを特徴とする真空
    処理方法。
  10. 【請求項10】 前記プラズマ発生工程において、前記
    高周波電力によって前記基体の前記処理面および前記補
    助基体の前記処理面に接続された部分の近傍に生じる高
    周波電界の定在波の、前記補助基体の端部に一番近い節
    部分を前記補助基体上に位置させる、請求項9に記載の
    真空処理方法。
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