JP2002138036A - 薬物放出制御システム - Google Patents

薬物放出制御システム

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JP2002138036A
JP2002138036A JP2001304184A JP2001304184A JP2002138036A JP 2002138036 A JP2002138036 A JP 2002138036A JP 2001304184 A JP2001304184 A JP 2001304184A JP 2001304184 A JP2001304184 A JP 2001304184A JP 2002138036 A JP2002138036 A JP 2002138036A
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drug
nanospheres
control system
release control
retina
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JP2001304184A
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Yuichiro Ogura
祐一郎 小椋
Noriyuki Kuno
紀之 久納
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬物の放出速度・持続時間の適切な制御が可
能で、薬物の種類に制約がない網膜または硝子体への適
用が可能な薬物放出制御システムを提供する。 【解決手段】 薬物放出制御システムは、ナノサイズの
合成生体分解性高分子で形成された微粒子内に薬物を均
一に含有させたナノスフェアーからなり、これを用いる
ことにより、薬物をターゲット部位である網膜または硝
子体に効率よく送達することが可能となる。合成生体分
解性高分子は、好ましくはポリ乳酸または乳酸−グリコ
ール酸共重合体である。薬物は好ましくは微粒子内にマ
トリックス型として含有されている。ナノスフェアーの
平均粒子径が好ましくは50〜200nmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、網膜または硝子体
への薬物放出制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】網膜、硝子体等の内眼部における疾患に
は難治性疾患が多く、その効果的な治療法の開発が望ま
れている。眼疾患に対しては、薬物を点眼投与により治
療するのがもっとも一般的であるが、網膜、硝子体等の
内眼部へは薬物がほとんど移行しない。このことが、内
眼部における疾患の治療をより困難にしている。全身投
与された薬物の眼内移行は血液−眼関門により制限され
るため、有効濃度になるほど薬物を移行させることは困
難である。
【0003】そこで、薬物を直接内眼部に投与する方法
が試みられ、例えば、薬物を含有させたリポソームやマ
イクロスフェアーを硝子体等の内眼部へ投与する技術が
報告されている。ところが、リポソームは薬物の放出制
御が容易ではなく、またマイクロスフェアーでは粒子径
が大きいので硝子体内における均一な分散性や透明性の
維持に問題があり、より粒子径の小さいナノスフェアー
やナノカプセルに薬物を含有させ、硝子体投与する研究
がなされている。例えば、直径1μm以下の球状粒子を
含む医薬キャリアーシステム(特表平6−50836
9)やナノカプセルを含有する眼病用製剤の硝子体への
投与(特開平4−221322)についての報告がなさ
れている。しかしながら、特表平6−508369記載
のものは、バイオ接着性重合体をキャリアーとし、薬物
をその重合体に吸着させるもので、薬物の放出速度・持
続時間の適切な制御効果は満足できるものではなく、特
開平4−221322記載のものは、脂質特性を有する
中心コアを含むナノカプセルに関するもので、脂溶性薬
物にしか適用できず、また薬物の放出速度・持続時間の
適切な制御効果も満足できるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、薬物の放出速
度・持続時間の適切な制御が可能で、薬物の種類に制約
がない網膜または硝子体への適用が可能な薬物放出制御
システムの開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この薬物
放出制御システムとしてナノスフェアーを用いることに
着目した。
【0006】そこで、先ずナノスフェアーの素材につい
て研究した結果、合成生体分解性高分子を用いると、薬
物の放出と共に、または薬物放出後、キャリアーが速や
かに分解・吸収され、実際の医療に適切なナノスフェア
ーが得られることを見出した。また、この合成生体分解
性高分子を用いることにより、薬物をマトリックス型と
して含有させることができ、微粒子内における薬物の均
一な分散を可能にし、さらにそのキャリアーの分解に基
づき薬物の放出速度・持続時間を適切に制御することが
可能になることを見出した。
【0007】次に、ナノスフェアーを形成する微粒子の
粒子径について研究した結果、ナノサイズの微粒子を用
いることにより、網膜または硝子体内における微粒子の
均一な分散性が確保できることを見出した。さらに、硝
子体内に投与されたナノスフェアーは、ナノスフェアー
に薬物を含有した状態で網膜内に取り込まれ、その粒子
径が小さいほど、網膜または硝子体に長期間残存し、特
に、粒子径が200nm以下のナノスフェアーを選択す
ると、網膜内に長期間残存することにより、網膜内での
薬物濃度の持続性向上がより好適に達成されることを見
出した。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、ナノサイズの合成生体
分解性高分子で形成された微粒子内に薬物を均一に含有
させたナノスフェアーを網膜または硝子体に投与するこ
とを特徴とする薬物放出制御システムに関するものであ
って、1)ナノサイズの微粒子を用いることにより、硝
子体内における微粒子の均一な分散性を確保し、2)合
成生体分解性高分子で該微粒子を形成することにより、
薬物の放出と共に、または薬物放出後速やかにキャリア
ーが分解・吸収されるように設計され、3)その微粒子
内に薬物をマトリックス型として含有させることによ
り、微粒子内における薬物の均一な分散を可能にしつ
つ、網膜または硝子体での薬物の放出速度・持続時間を
適切に制御できるものである。
【0009】また、本発明の薬物放出制御システムは、
ナノサイズの合成生体分解性高分子で形成された微粒子
内に薬物を均一に含有させたナノスフェアーからなり、
これを薬物をターゲット部位である網膜または硝子体に
投与することにより、薬物を網膜または硝子体に効率よ
く送達することが可能となる。
【0010】本発明において、ナノスフェアーを形成す
る合成生体分解性高分子の種類については特に制限はな
いが、具体的例を挙げると、ポリ乳酸、乳酸−グリコー
ル酸共重合体、ポリアンハイドライド(Polyanh
ydride)、ポリオルソエステル(Poly(or
tho ester))、ポリイプシロンカプロラクト
ン(Poly ε−caprolactone)、ポリ
アルキルシアノアクリレート(Polyalkyl c
yanoacrylate)、ポリハイドロキシアルカ
ノエート(Polyhydroxyalkanoat
e)、ポリフォスフォエステル(Polyphosph
oester)等の生体分解性高分子が挙げられる。好
ましい例は、ポリ乳酸または乳酸−グリコール酸共重合
体である。尚、上記の乳酸単位成分としては、L体、D
体またはDL体を用いることができる。
【0011】また、これらの合成生体分解性高分子の分
子量については、特に制限はなく、ナノスフェアーに含
有させる薬物の種類、薬物の必要有効濃度、薬物の放出
期間などにより適宜選択できる。
【0012】本発明におけるナノスフェアーを形成する
微粒子の粒子径としてはナノサイズのものが用いられる
が、網膜内への長時間残留が求められる場合、平均粒子
径は200nm以下に設定するのがより好ましい。その
下限については特に制限はないが、あまり小さすぎると
製造上の制約もあって50nm以上に設定するのが好ま
しい。尚、本発明における平均粒子径は光散乱法により
測定した。
【0013】本発明の薬物放出制御システムは、網膜や
硝子体の種々の疾患の治療または予防のために用いられ
る。具体的疾患としては、種々の原因による内眼部炎
症、ウイルスや細菌の感染症、新生血管や網膜細胞の増
殖変化を伴った増殖性硝子体網膜症、種々の原因による
網膜出血、網膜剥離、網膜芽細胞種などが挙げられる。
ナノスフェアーに含有させる薬物については特に制限は
なく、対象疾患に適した薬物を選択することができる。
例えば、内眼部手術に伴う炎症の場合には、ベタメタゾ
ン等の抗炎症剤が、自己免疫性ブドウ膜炎の場合には、
シクロスポリン等の免疫抑制剤が、ウイルス性感染症の
場合にはガンシクロビル等の抗ウィルス剤が、術後感染
症の場合にはオフロキサシン等の抗菌剤が、増殖性硝子
体網膜症の場合にはドキソルビシン、カルムスチン等が
用いられる。無論これらの薬物は塩酸塩等の塩やリン酸
エステル等のエステルの形となっていても良い。
【0014】また、ナノスフェアーに含有する薬物量は
薬物の種類、薬物の必要有効濃度、薬物の放出期間、症
状等に応じて適宜増減すればよい。通常は、薬物はナノ
スフェアーの0.01〜10重量%、好ましくは、0.
1〜5重量%であるが、薬物の含有量は徐放効果と治療
に必要な量とのバランスを考慮し決めることが出来る。
【0015】本発明に用いるナノスフェアーは公知の界
面沈着法や界面反応法を用いて製造することができる。
より詳しく説明すると、界面沈着法である液中乾燥法
(J.Control.Release,2,343−
352(1985)、J.Controlled.Re
lease,36,1095−1103(1988))
等を、界面反応法である界面重合法(Int.J.Ph
erm.,28,125−132(1986))、自己
乳化溶媒拡散法(J.Control.Releas
e,25,89−98(1993))等を用いて製造す
ることができ、これらの製造法よりナノスフェアーの粒
子径や含有する薬物の種類、性質や含有量などを考慮
し、適当な製造法を適宜選択すればよい。
【0016】ナノスフェアーの具体的な製造例として、
薬物として抗炎症剤であるベタメタゾンを含有し、キャ
リアーとして乳酸−グリコール酸共重合体を用いたナノ
スフェアーの製造例を後述の実施例に示した。
【0017】本発明の効果は、後述の硝子体内薬物濃度
測定試験の項で詳細に説明するが、薬物の例としてベタ
メタゾンを用い、硝子体内の薬物濃度の経時的変化を測
定すると共に、その半減期を計算したところ、合成生体
分解性高分子をキャリアーとして用いると、粒子径が少
し大きくても経時的に薬物のほぼ直線的な放出が可能と
なるが、粒子径がナノサイズになると半減期が長くな
り、硝子体内での薬物濃度の持続性が達成されることを
見出した。
【0018】また、本発明では合成生体分解性高分子を
用いるので、薬物の放出と共にまたは薬物の放出後速や
かにキャリアーが分解・吸収され、その分解速度を合成
生体分解性高分子の分子量等によりコントロールできる
ので、薬物の放出速度を目的に応じてコントロールする
ことができる。
【0019】さらに、本発明では実施例で示すように、
キャリアーである合成生体分解性高分子と薬物とを適切
な溶媒に溶解してナノスフェアーを製造するので、微粒
子内に薬物をマトリックス型に含有させることができ、
微粒子内における薬物の均一な分散性を確保することが
できる。
【0020】適切な粒子径の選択については、蛍光色素
を含有したポリスチレン製ナノスフェアーを用いて、各
種粒子径における内眼部での残存性を試験することによ
り検討した。また、その組織学的評価を行ったところ、
ナノスフェアーの粒子径が小さくなるほど、長期間内眼
部に存在し、その粒子径が200nm以下のナノスフェ
アーが、より好適に網膜内部に取り込まれることを見出
した。この試験結果は、ナノスフェアーの粒子径をコン
トロールすることで、網膜または硝子体での薬効の持続
性をコントロールできるだけでなく、薬物を含有した状
態でナノスフェアーを網膜内部に取り込ませることがで
きることを示し、網膜内において長期間にわたり薬剤放
出制御が可能であることも示している。
【0021】さらに、本発明のシステムを用いると、タ
ーゲット部位である網膜または硝子体に効率よく薬物を
送達できるので、薬物の配合量が低減でき、副作用の軽
減効果も期待できる。
【0022】本発明の薬物放出制御システムに使用する
ナノスフェアーは、注射、輸液等の硝子体に導入可能な
各種方法で投与される。この製剤は、汎用される製剤調
製技術を用いて調製できる。例えば注射剤は、薬物含有
ナノスフェアーをBSS(Balanced Salt
Solution)溶液に分散させることで調製でき
る。具体的調製例は実施例の項で説明する。
【0023】これらの実施例は本発明の理解を助けるた
めのものであって、発明の範囲を限定するものではな
い。
【0024】
【実施例】1.薬物含有ナノスフェアーの製造方法: 本発明の薬物放出制御システムに使用できるナノスフェ
アーの具体的製造例を以下に示す。なお、本方法は、自
己乳化溶媒拡散法(J.Control.Releas
e,25,89−98(1993))に準じた製造法で
ある。
【0025】製造例:ベタメタゾン含有乳酸−グリコー
ル酸共重合体ナノスフェアーの製造 ベタメタゾン(10mg)および重量平均分子量700
00、共重合比50/50の乳酸−グリコール酸共重合
体(100mg)をジクロロメタン(0.5mL)に溶
解する。これにアセトン(10mL)を加え十分混和す
る。この溶液をポリビニルアルコール水溶液(2w/v
%,50mL)中に攪拌しながら滴下する。減圧下2時
間攪拌し、メンブランフィルター(孔径1μm)を使用
し、ろ過する。ろ液を1時間、超遠心分離(15600
0×g)し、ナノスフェアーを沈殿させる。得られるナ
ノスフェアーに精製水を適量加え、再分散させ、再度超
遠心分離を行うことにより、ナノスフェアーを洗浄す
る。この洗浄操作を2回繰り返す。最終的に得られる沈
殿物を精製水(10mL)に再分散し、凍結乾燥するこ
とで、ベタメタゾン含有乳酸−グリコール酸共重合体ナ
ノスフェアー(103mg)を得る。得られるナノスフ
ェアーの平均粒子径は100nm(光散乱法により測
定)。
【0026】使用するアセトン量を増減することによ
り、50nm、200nm、500nm等の種々の粒子
径のものを得ることができる。
【0027】以下、特記なき限り、上記製造例で得られ
たナノスフェアーをベタメタゾン含有ナノスフェアーと
略記する。
【0028】上記と同様の方法にて、シクロスポリン、
ガンシクロビル、塩酸ドキソルビシン、カルムスチン等
の薬物を用いたナノスフェアーを製造できる。
【0029】2.製剤調製例 以下に注射液の調製例を示す。
【0030】ベタメタゾン含有ナノスフェアー粉末(5
0mg)をBSS(1mL)に再分散させ、注射液とし
た。
【0031】3.硝子体内薬物濃度測定試験 上記製造例で製造したベタメタゾン含有ナノスフェアー
(粒子径100nm)および比較例として粒子径1μ
m、10μmのベタメタゾン含有ナノスフェアー(粒子
径が1μm以上の場合、通常マイクロスフェアーと称す
るが、ここでは便宜上ナノスフェアーとした。以下特記
なき限り同じ。)を用い、以下の方法に従ってベタメタ
ゾンの硝子体内濃度を測定した。
【0032】1)塩酸ケタミン水溶液(50mg/m
L)と塩酸キシラジン水溶液(50mg/mL)の7:
3混合溶液を有色家ウサギに筋肉内投与し麻酔した。
【0033】2)両眼にトロピカミド(0.5%)/塩
酸フェニレフリン(0.5%)点眼液を点眼し散瞳させ
た。
【0034】3)両眼に塩酸オキシブプロカイン(0.
5%)点眼液で眼表面麻酔した。
【0035】4)眼毛様体扁平部より27G針の注射器
を用い、手術顕微鏡観察下、有色家兎の硝子体中央部
に、一眼当たりベタメタゾン量が50μgとなるように
ベタメタゾン含有ナノスフェアーを注入した。
【0036】5)経時的(3日後、1週間後、2週間
後、4週間後)に屠殺し眼球摘出後、硝子体を回収し、
硝子体内のベタメタゾン濃度を高速液体クロマトで測定
し、ベタメタゾン濃度の半減期を計算した。
【0037】尚、粒子径が1μmおよび10μmのベタ
メタゾン含有ナノスフェアーは下記の方法に従い調製し
た。
【0038】ベタメタゾン(10mg)および重量平均
分子量70000、共重合比50/50の乳酸−グリコ
ール酸共重合体(100mg)をジクロロメタン(0.
5mL)に溶解する。これにアセトン(7.5mL)を
加え十分混和する。この溶液をポリビニルアルコール水
溶液(2w/v%,50mL)中に攪拌しながら滴下す
る。減圧下2時間攪拌し、メンブランフィルター(孔径
1μm)を使用し、液をろ過する。ろ取物に精製水を適
量加え、これを再分散させ、遠心分離を行うことにより
洗浄する。この洗浄操作を2回繰り返す。最終的に得ら
れる沈殿物を精製水(10mL)に再分散し、凍結乾燥
することで、平均粒子径1μmのベタメタゾン含有マイ
クロスフェアーを得る。
【0039】上記方法においてアセトン量を6mLに変
え、フィルターの孔径を変えることにより平均粒子径1
0μmのベタメタゾン含有マイクロスフェアーを得る。
【0040】(結果および考察)結果は全て4眼の平均
値で示した。ベタメタゾン濃度の半減期は、粒子径10
0nmのナノスフェアーを用いた場合は848時間、1
μmの場合は565時間、10μmの場合は113時間
であった。
【0041】薬物の経時的濃度推移の結果を図1に示
す。
【0042】図1に示されるように、各ナノスフェアー
において、時間経過に対しほぼ直線的な薬物の放出が認
められ、合成生体分解性高分子を用いることにより薬物
の好適な放出制御と共に長期間に亘る持続的な放出も可
能となることが明らかとなった。また、図1および半減
期計算の結果から、粒子径をナノサイズにすると薬物濃
度が長期間高く維持できることが明らかとなった。
【0043】4.眼内残存性試験 市販の、ポリスチレンをキャリアーとし蛍光色素(フル
オレセイン)を含有したナノスフェアー(Polysc
iences,Inc製、商品名Fluoresbri
te)を用い、以下の実験を行った。
【0044】ナノスフェアー懸濁液の調製:2.5%蛍
光色素(極大励起波長:458nm,極大蛍光波長:5
40nm)含有ポリスチレンナノスフェアー(粒子径5
0nm)懸濁液を滅菌精製水を用い200倍希釈し、フ
ルオレセインナトリウム水溶液(10.0μg/mL)
と同等の蛍光強度とした。
【0045】また、ナノスフェアーの粒子径が50n
m、100nm、200nm、2μmおよび20μmの
懸濁液についても同様に調製した。フルオレセインナト
リウム水溶液(10.0μg/mL)を対照溶液とし
た。
【0046】投与方法及び測定方法: 1)塩酸ケタミン水溶液(50mg/mL)と塩酸キシ
ラジン水溶液(50mg/mL)の7:3混合溶液を有
色家ウサギに筋肉内投与し麻酔した。
【0047】2)両眼にトロピカミド(0.5%)/塩
酸フェニレフリン(0.5%)点眼液を点眼し散瞳させ
た。
【0048】3)両眼に塩酸オキシブプロカイン(0.
5%)点眼液で眼表面麻酔した。
【0049】4)眼毛様体扁平部より30G針の注射器
を用い、片眼に粒子径50nmのナノスフェアー懸濁液
(0.1mL)を、もう一方の眼に対照溶液を硝子体中
央部に投与した。
【0050】5)硝子体内投与1、3、7、14、2
1、28日後に硝子体フルオロメトリー装置を用いて、
経時的に硝子体内蛍光強度を測定し、半減期を算出し
た。
【0051】尚、硝子体内蛍光強度を測定する前に、
1)と2)の操作を行った。
【0052】また、粒子径100nm、200nm、2
μmおよび20μmのナノスフェアー懸濁液を用い、
1)から5)と同じ操作を行った。
【0053】組織学的評価: 1)上記ナノスフェアー投与2ヶ月後にネンブタール注
射液(5mL)を耳静脈内投与し麻酔致死させた。
【0054】2)網膜凍結切片を作成した。
【0055】3)蛍光顕微鏡により切片を観察/写真撮
影した。
【0056】(結果および考察)各粒子径のナノスフェ
アーの硝子体内における半減期を表1に示した。また、
200nmのナノスフェアーが網膜内部に取り込まれて
いることを示す蛍光顕微鏡写真を図2に示した。
【0057】
【表1】
【0058】表1は、ナノスフェアーの粒子径が小さい
ほど、薬物は長期間眼内に残存することを示している。
また、図1より粒子径200nmのナノスフェアーが網
膜内に取り込まれていることが確認された。尚、粒子径
がナノサイズより大きいナノスフェアーでは取り込みが
ほとんど見られなかった。
【0059】すなわち、ナノスフェアーの粒子径をコン
トロールすることにより、網膜または硝子体での薬効の
持続性を格段に向上させることができる。特に、ナノス
フェアー粒子径を200nm以下とすることで、ナノス
フェアーを網膜内部に取り込ませることで、網膜内部か
ら長期間にわたり薬剤放出制御が可能であることが期待
できる。
【0060】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、網膜また
は硝子体における薬効の持続性を向上させた治療方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベタメタゾン含有ナノスフェアーの硝子体内に
おける経時的濃度変化を示す図である。
【図2】200nmのナノスフェアーが網膜内部に取り
込まれていることを示す蛍光顕微鏡写真である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/10 A61P 31/10 31/12 31/12 37/06 37/06 Fターム(参考) 4C076 AA65 BB24 CC04 CC07 CC31 CC35 EE24 EE48 FF31 FF32 FF33 FF34 FF68

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナノサイズの合成生体分解性高分子で形成
    された微粒子内に薬物を均一に含有させたナノスフェア
    ーを網膜または硝子体に投与することを特徴とする薬物
    放出制御システム。
  2. 【請求項2】合成生体分解性高分子が、ポリ乳酸または
    乳酸−グリコール酸共重合体である請求項1記載の薬物
    放出制御システム。
  3. 【請求項3】薬物が微粒子内にマトリックス型として含
    有されている請求項1記載の薬物放出制御システム。
  4. 【請求項4】ナノスフェアーの平均粒子径が50〜20
    0nmである請求項1記載の薬物放出制御システム。
  5. 【請求項5】ナノスフェアーに含有させる薬物が網膜も
    しくは硝子体疾患の治療または予防のための薬物である
    請求項1記載の薬物放出制御システム。
  6. 【請求項6】薬物が抗炎症剤、免疫抑制剤、抗ウイルス
    剤、抗菌剤または抗真菌剤である請求項5記載の薬物放
    出制御システム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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