JP2002154875A - 高温加熱金属成型体支持部材の製造方法 - Google Patents

高温加熱金属成型体支持部材の製造方法

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JP2002154875A
JP2002154875A JP2000344746A JP2000344746A JP2002154875A JP 2002154875 A JP2002154875 A JP 2002154875A JP 2000344746 A JP2000344746 A JP 2000344746A JP 2000344746 A JP2000344746 A JP 2000344746A JP 2002154875 A JP2002154875 A JP 2002154875A
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carbon material
mass
graphitizable carbon
thermosetting resin
carbon
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Masanori Kobayashi
正則 小林
Yoshio Sagi
良夫 鷺
Tamio Haga
民雄 芳賀
Tatsuo Kobayashi
辰男 小林
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Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 800℃以上という高温に加熱される高温加
熱金属成型体の支持に好適に用いられる均質な非黒鉛質
炭素材製の支持部材(例えば粉末冶金用金属粉末成型体
下敷板)を効率的に製造する。 【解決手段】 微細難黒鉛化性炭素材料を、熱硬化性樹
脂で被覆後に加圧成型し、成型体を焼成することによ
り、見掛密度が0.9〜1.5g/ml、灰分が0.5
%未満である非黒鉛質炭素材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温で加熱される
金属成型体の支持に用いられる非黒鉛質炭素材からなる
支持部材の製造方法に関する。
【0002】電子部品用ガラス封着における金属シェル
リング用治具(例えば特開平5−319929号公報)
あるいは粉末冶金において金属粉末成型体を還元性ある
いは非酸化性雰囲気中で焼結するに際して金属粉末成型
体を支持する下敷板(セッター)(例えば特開平8−1
98685号公報)等として、軽量性ならびに熱伝導性
にも優れた炭素系材料からなる支持部材が用いられてい
る。これら高温加熱金属成型体の炭素系支持部材には、
800℃以上の高温への加熱と冷却サイクルに耐える耐
熱衝撃性に加えて、高温加熱金属成型体への浸炭現象
(炭素の固体金属への拡散浸透による移行現象)を起さ
ないことが重要な特性として要求される。このような要
求は、金属成型体として鉄(Fe)系金属(Fe単体あ
るいは、Feを主体とするFeとニッケル(Ni)、コ
バルト(Co)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)
等の黒鉛化促進元素等あるいは他の元素との合金を含
む)を用いる場合に、特に強い。炭素(C)は重要なF
eとの合金元素であるが、予期せぬ浸炭は、金属製品に
おける目標組成からの局所的ずれを起し、もとより避け
るべきであり、また重度の浸炭は金属製品と支持部材と
の接触個所における焼付(すなわち両者の廃物化)につ
ながる。
【0003】例えば、Fe系金属粉末成型体の還元性雰
囲気中での焼結に際して、炭素下敷板を用いる場合の浸
炭は、以下のようなメカニズムで進行する。
【0004】すなわちFe系金属粉末成型体を構成する
Feは一部酸化物となっており、焼結時に還元性雰囲気
を与える水素で、下式(1)の反応により還元される: Fe23+3H2 →2Fe+3H2O ・・・(1) ここで発生した水蒸気は、炭素下敷板のCと反応して下
式(2)の反応により水性ガスを生ずる: C+H2O →CO+H2 ・・・(2) この水性ガスは、雰囲気の窒素と混合され、炭素含有F
e系合金の製造のためのガス浸炭に用いられる弱浸炭性
搬送ガスと同様な組成となり、Fe系金属粉末成型体の
表面で活性化炭素(C)を生じて製品中に拡散浸透す
る。この反応は次式(3)、(4)で表される。ここ
で、右への反応が浸炭反応、左への反応は脱炭反応であ
る: 2CO⇔〔C〕+CO2 ・・・(3) CO+H2 ⇔〔C〕+H2O ・・・(4) さらに、発生する二酸化炭素は、下式(5)に従い、炭
素下敷板中のCと反応して一酸化炭素を生じる。発生す
る水蒸気は炭素下敷板中のCでさらに(2)式を進行さ
せるため、炭素下敷板と焼結金属体の界面では継続して
反応が進み、製品中への活性化炭素〔C〕の拡散浸透は
継続する: CO2+C→2CO ・・・(5) このように、製品中へのガス浸炭作用が継続すると、製
品の表面にFe3Cが増大して製品品質を著しく低下さ
せる。また、Feよりも炭素との親和力の小さい黒鉛化
促進元素であるNi、Co、Al、Siが含有される場
合には、Fe3Cを不安定にさせることで、黒鉛の析出
を伴い、熱膨張率の違いから製品に割れを生ずることも
ある。
【0005】さらに、継続的に(2)〜(5)式の反応
が進行すると、焼結金属体が炭素下敷板と焼き付けを起
こす場合もある。
【0006】上記浸炭現象を防止するための提案もいく
つかなされている。
【0007】例えば、Feより炭素との親和力の強い元
素として、Ti、Nb、V、Ta、W、Mo、Cr、M
n等が知られており、炭素下敷板の表面にこれら元素の
炭化物の皮膜を形成すれば浸炭現象は防止可能である。
しかし、上記のような金属の炭化物皮膜を形成するため
には、プラズマ溶射法等の高価な処理法が必要なだけで
なく、形成された皮膜と、基材炭素下敷板との熱膨張率
の違いのため、高温への加熱−冷却サイクルの繰り返し
により、皮膜の剥離が起る。
【0008】その他、炭素下敷板の表面にセラミック層
を形成して浸炭を防止するいくつかの方法も提案されて
いる。例えばクロム酸を塗布後に焼成して、酸化クロム
皮膜を形成する方法(特開平2−212385号公
報)、セラミック粉末を主体とする抄造シートを加熱圧
着する方法(特開平8−198685号公報)、酸化イ
ットリウム(Y23)をプラズマスプレーする方法(特
開2000−509102号公報)などである。しか
し、これら皮膜はいずれも、基材炭素板との熱膨張率差
により、高温への加熱−冷却サイクルの繰り返しに耐え
得るものではなく、限られた寿命を示すのみである。
【0009】他方、上記浸炭現象において主要な(2)
式の反応は、炭素下敷板を構成する炭素材が黒鉛質であ
る場合に促進され、黒鉛質材料と比べて化学的に安定な
非晶質炭素材においては抑制されることが知られてい
る。従って、熱硬化性樹脂を出発原料とした炭素化物で
あるガラス状炭素(非晶質炭素)の板状成形体(例えば
特開平10−67559号公報の方法により製造)を用
いることも提案されており、浸炭防止に効果があること
も実証されている。しかし、このガラス状炭素板は、熱
硬化性樹脂液を樹脂フィルム間に注入成形し、取り出し
たフィルムを加熱硬化し、更に黒鉛板間に挾持した後、
炭素化に伴う熱収縮を緩やかなものとするため極めて徐
々に炭素化を進めて得られるものである。従って、高価
なものとならざるを得ず、また衝撃に弱く、熱衝撃によ
る破損のおそれもあり、更に製造工程からしても寸法や
形状に制限があるという難点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来材料
の問題点に鑑み、本発明は800℃以上という高温に加
熱される金属成型体の支持に好適に用いられ且つ均質な
非黒鉛質炭素材製の支持部材の効率的な製造方法を提供
することを主要な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上述の目的の達成のためには、熱硬化性樹脂で被覆
した微細難黒鉛化性炭素材料の成型体を焼成して炭素材
を形成することが好ましいことが見出された。より詳し
くは、本発明の高温加熱金属成型体支持部材の製造方法
は、微細難黒鉛化性炭素材料を、熱硬化性樹脂で被覆後
に加圧成型し、成型体を焼成することにより、見掛密度
が0.9〜1.5g/ml、灰分が0.5%未満である
非黒鉛質炭素材とすることを特徴とするものである。
【0012】本発明において、微細難黒鉛化性炭素材料
を被覆する熱硬化性樹脂は、微細難黒鉛化性炭素材料の
加圧成型を助け、自身は焼成により非晶質(非黒鉛質)
炭素に炭素化されて、微細難黒鉛化性炭素材料と一体化
されて全体として均質な非黒鉛質炭素材からなる支持部
材を与える効果を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いる微細難黒鉛化性炭
素材料は、難黒鉛化性炭素材料の、繊維状あるいは粒状
(球状を含む)の微細化物であり、繊維状の微細化物は
数平均繊維径が7〜30μm、数平均繊維長が0.09
〜0.5mmのものが好ましい。また、粒状(球状を含
む)の微細化物は粒径の平均(質量平均径)が150μ
m〜2mmのものが好ましく、特に0.3〜1mmのも
のが好ましい。炭素材料の難黒鉛化性は、黒鉛化温度で
の炭素化に際し、大きな炭素結晶子成長が起らないこと
で判定され、ここでは、2800℃、10時間での炭素
化後の、炭素結晶子厚さ(Lc002)が300Å以
下、特に100Å以下、の炭素材料が好ましく用いられ
る。
【0014】本発明では、石油系ピッチを前駆体とし、
その微細化物を酸化雰囲気で不融化したものを用いるこ
とが好ましい。不融化は、難黒鉛化性炭素材料の炭素化
中における溶融を防止するためだけでなく、微細難黒鉛
化性炭素材料の難黒鉛化性を担保し、また被覆熱硬化性
樹脂の付着性を改善するために好ましい多孔性を微細難
黒鉛化性炭素材料に付与する上でも好ましい。
【0015】微細難黒鉛化性炭素材料は、前駆体の不融
化処理を受けた結果として、5〜30質量%の酸素含有
率を示すことが好ましい。酸素含有率が5%未満である
と、焼成時に加圧成型体の発泡が起り目的形状が得られ
ないことがある。また、高温焼成の際に結晶化度が上
り、目的の非黒鉛質炭素材を得るのが困難になる。他
方、酸素含有率が30質量%を超えると、焼成の際に発
生する水分量が多くなり、炭素と水性ガス反応を起して
酸化消耗を加速させる問題がある。同様な理由により、
800℃での固定炭素分が70質量%以上であることが
好ましい。特に酸素含有率が5〜10質量%の範囲の炭
素材料は、焼成に際し、良好な自己焼結性を示し、緻密
な構造で強度が格段に向上した非黒鉛質炭素材(支持部
材)を与えるので好ましい。
【0016】本発明で、特に好ましく用いられる微細難
黒鉛化性炭素材料としては、例えば以下のようにして得
られた多孔質ピッチ系炭素材料が挙げられる。すなわ
ち、石油ピッチに対し、添加剤として沸点200℃以上
の2乃至3環の芳香族化合物又はその混合物を加えて加
熱して溶融混合した後、成形しピッチ成形体を得る。次
にピッチに対し低溶解度を有しかつ添加剤に対して高溶
解度を有する溶剤で、ピッチ成形体から添加剤を抽出除
去し、得られた多孔性ピッチを酸化して不融化物を得
る。不融化後あるいはその前のいずれかの段階で微細化
を行い、微細難黒鉛化性炭素材料を得る。
【0017】上記した芳香族添加剤は、例えばナフタレ
ン、メチルナフタレン、フェニルナフタレン、ベンジル
ナフタレン、メチルアントラセン、フェナンスレン、ビ
フェニル等の1種又は2種以上の混合物から選択され
る。ピッチに対する添加量は、ピッチ100重量部に対
し30〜70重量部の範囲が好ましい。
【0018】ピッチと添加剤の混合は、均一な混合を達
成するため、加熱し溶融状態で行う。ピッチと添加剤の
混合物は、添加剤を混合物から容易に抽出できるように
するため、粒径1mm以下の粒子に成形することが好ま
しい。成形は溶融状態で行ってもよく、また混合物を冷
却後粉砕する等の方法によってもよい。
【0019】ピッチと添加剤の混合物から添加剤を抽出
除去するための溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ナフサ、ケロシン
等の脂肪族炭化水素主体の混合物、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール
類等が好適である。
【0020】このような溶剤でピッチと添加剤の混合物
成形体から添加剤を抽出することによって、成形体の形
状を維持したまま、添加剤を成形体から除去することが
できる。この際に成形体中に添加剤の抜け穴が形成さ
れ、均一な多孔性を有するピッチ成形体が得られるもの
と推定される。
【0021】次に、かくして得られた多孔性を示すピッ
チ成形体を酸化(不融化)する。酸化は、好ましくは常
温から400℃までの温度で行なう。酸化剤としては、
2、O3、SO3、NO2、これらを空気、窒素等で希釈
した混合ガス、または空気等の酸化性気体、あるいは硫
酸、硝酸、過酸化水素水等の酸化性液体を用いることが
できる。
【0022】多孔性ピッチの酸化は、酸化剤として空気
又は空気と他のガス例えば燃焼ガス等との混合ガスのよ
うな酸素を含むガスを用いて、120℃〜300℃で行
なうことが簡便であり、経済的にも有利である。
【0023】上記のようにして得られた多孔質ピッチ系
炭素材料は、開放細孔を有することが特徴的であり、例
えば水銀圧入法により求めた直径3〜100nmの開放
細孔が0.02〜0.1ml/gの比容積を示すものが
好適に用いられる。
【0024】本発明においては、上記したような微細不
融化炭素材料、その炭素化物(例えば非酸化性雰囲気中
で900〜1500℃の温度での焼成化物)、あるいは
これらの混合物を、微細難黒鉛化性炭素材料として好適
に用いることができる。特に微細不融化炭素材料単独、
あるいはこれを主たる成分とするその炭素化物との混合
物、が好ましく用いられる。
【0025】次いで、上記のようにして得られた微細難
黒鉛化性炭素材料を、熱硬化性樹脂で被覆して、圧縮成
型原材料を得る。熱硬化性樹脂による被覆は、微細難黒
鉛化性炭素材料に欠ける常温での結着性を付与し、所定
の形状への圧縮成型性を付与し、焼成時に自身は微細難
黒鉛化性炭素材料間の空隙を埋めて炭素化され、微細難
黒鉛化性炭素材料の炭素化物と一体の非黒鉛質炭素材を
与えるために用いられる。この場合、微細難黒鉛化性炭
素材料90〜60質量部に対し、熱硬化性樹脂を10〜
40質量部(炭素材料との合計量が100質量部)とな
る割合で被覆することが好ましい。熱硬化性樹脂が10
質量部未満では所定の効果を充分に得ることが困難であ
り、40質量部を超えると、焼成の際に発生する揮発分
が多くなり、成型体が発泡するため、所定の形状の非黒
鉛質炭素材を得ることが困難となる。熱硬化性樹脂は、
焼成に際し、非黒鉛質炭素への炭素化率が高く、微細難
黒鉛化性炭素材料の炭素化物と良好なC/Cコンポジッ
トを形成しやすいため、熱可塑性樹脂より好ましく用い
られる。微細難黒鉛化性炭素材料の炭素化物と、熱硬化
性樹脂の炭素化物は、同様な非黒鉛質構造を与えるた
め、焼成後に熱膨張率を含めて全体として均質な耐熱衝
撃性の良好な非黒鉛質炭素材を与える。熱硬化性樹脂
は、少なくとも一部が液状であることが好ましく、例え
ばフェノール樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂(前駆体)等が挙げられる。なかで
もフェノール樹脂が好ましく、特に微細難黒鉛化性炭素
材料に、まずレゾール型の液状フェノール樹脂を表面コ
ーティングしたのち、ノボラック型の固体フェノール樹
脂を付着する形態で用いることが好ましい。液状フェノ
ール樹脂と、固体フェノール樹脂とは、重量比で1:
0.5〜1:3の比で用いることが好ましい。
【0026】次いで、熱硬化性樹脂で被覆した微細難黒
鉛化性炭素材料を圧縮成型して成型体を得る。本発明の
非黒鉛質炭素材支持部材の製造方法においては、原材料
として用いる被覆微細難黒鉛化性炭素材料が、全体とし
て粒状に近く、圧縮成形において基本的には任意の形状
付与が可能なことが特徴である。これは、前記特開平1
0−67559号公報に記載の方法によるガラス状炭素
材の製造方法に対する重要な利点と解される。従って、
圧縮成型においては、平型により平板成型体を得ること
はもちろん、予め彫刻を施した型を用いることで、凹凸
や山形状を一体成型により賦与できる。例えば、本発明
の支持部材を、粉末冶金用の金属粉末成型体の下敷板と
して用いる場合、凹凸は、金属粉末成型体が小さい場合
に、金属粉末成型体同士が接触しないために好ましく、
山形状は、金属粉末成型体と炭素下敷板との接触面積を
低減するために好ましい。金属粉末成型体が接触したま
ま焼結すると、接触部が溶融する際に合一してしまう問
題が生じる。また、接触面積を低減することで、炭素下
敷板と金属との炭化反応面積を低減することで、金属焼
結用下敷板の寿命を向上させることが可能となる。
【0027】圧縮成型は、一般に被覆した微細難黒鉛化
性炭素材料からなる原材料を型に充填して、型にかかる
面圧が投影断面積で5から100MPaになるように加
圧することにより行われる。面圧が5MPa未満である
と、成型後の成型体の強度が低いことで、焼成炉中に移
送する際に破損し易い。また、100MPaを超過する
と成型体の見掛け密度が上昇して、焼成時に焼成割れを
起こす問題を生じる。成型用の型は、成型時の面圧によ
り材質を選定する必要があり、成型面圧が50MPa未
満であればカーボン型を用いることが可能であるが、5
0MPa以上の場合には、金属の型を用いることが好ま
しい。
【0028】成型する場合に熱源を用いる熱間成型の場
合は、熱を受けた場合に熱硬化性樹脂が可塑化して難黒
鉛性炭素の空隙を埋めながらバインダーとして働く。さ
らに熱を加える事で硬化して成型体となる。特に、難黒
鉛化性炭素の表面に熱硬化性樹脂を被覆した場合には、
成型圧力による難黒鉛化性炭素の破壊を防止でき、難黒
鉛化性炭素の形状を維持した状態で空隙だけを埋められ
ることにある。従って、熱を加えない冷間成型と比較し
て、熱硬化性樹脂の可塑化を促進できる、例えば60〜
170℃での、熱間成型は本発明にとって有効である。
【0029】次に、圧縮成型体を、不活性ないしは非酸
化性雰囲気中で焼成して、焼成体を得る。微細難黒鉛化
性炭素材料及び熱硬化性樹脂は、炭素化の過程で水素や
メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、水等を放出して炭素
化する。この場合の焼成温度としては1000℃から2
000℃が好ましく、さらに好ましくは1200℃から
1500℃である。難黒鉛化性炭素材料の場合は、15
00℃を超えても、3000℃までは、大きな構造変化
を受けないためである。また、必要に応じて2000℃
以上の高純度処理やハロゲン処理を行ない、含有不純物
の純化処理を行なうことにより、灰分を例えば200p
pm以下に低減することも好ましい。この脱灰処理は、
原材料の純度が低い場合に有効である。特に、低い焼成
温度で含有不純物が残留する場合、金属粉末成型体を焼
結する際に含有不純物との反応することにより、製品品
質が低下してしまう。しかし、脱灰(純化)処理を行な
うことで、このような反応を抑制できるほかに、金属焼
結用下敷板に対する含有不純物の触媒作用による劣化を
未然に防止できる効果もある。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
更に具体的に説明する。以下の例を含めて、本明細書中
に記載する物性値は、以下の方法により求めた値に基づ
く。
【0031】(1)酸素含有率 試料炭素材料を、0.1mm程度に粉砕後、115℃±
2℃で1時間乾燥して得られた粉末試料の約2mgにつ
いて、Yanaco社製「MT−5」を用いて測定す
る。 (2)固定炭素分 JIS K2425「クレオソート油、加工タール、タ
ールピッチ試験方法」に記載の固定炭素分定量方法に従
い、800℃での固定炭素分を測定する。 (3)灰分 JIS K2425「クレオソート油、加工タール、タ
ールピッチ試験方法」に記載のタールピッチの灰分定量
方法に従い測定する。 (4)平均粒径 JIS K1474「活性炭試験方法」記載の質量平均
粒径を測定する。 (5)開放細孔比容積 細孔径が3〜100nmの範囲の開放細孔比容積(ml
/g)を水銀圧入法により測定する。
【0032】(実施例1)微細難黒鉛化性炭素材料とし
て平均粒径が0.62mmの球状不融化石油系ピッチ粒
子(呉羽化学工業(株)製「KH−1B」;酸素含有率
=7.1%、固定炭素分=72.1%、開放細孔比容積
=約0.05ml/g)80質量部の表面を、レゾール
型液状フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製「レジト
ップPL−4804」)8質量部で濡らした後、ノボラ
ック型固体フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製「P
G−2411」;平均粒径=20〜80μm)を付着さ
せて、原材料とした。該原材料を、170℃に加熱した
平金型中に充填し、初温60℃から昇温させて、内温1
50℃以上において10分間、投影断面積当り5MPa
の加圧により成型して、約7mm厚の平板状圧縮成型体
を得た。次いで、該成型体を黒鉛ルツボ内に平置きし、
該ルツボとともに焼成炉内に配置して、真空置換後、窒
素気流中、1500℃で1時間焼成して寸法420mm
×250mm×6mmの金属焼結用下敷板を得た。該下
敷板は、見掛密度が1.42g/mlであり、灰分は
0.04質量%であった。
【0033】この金属焼結用下敷板上に、それぞれ10
0MPaの圧力で圧縮成型した直径20mm×厚み5m
mの円板状であり、鉄99質量%+黒鉛1質量%の混合
粉末からなる金属粉末成型体1および鉄97質量%+黒
鉛1質量%+ニッケル2質量%の混合粉末からなる金属
粉末成型体2を載置し、1120℃のアンモニア改質ガ
ス(H2:30容量%、N2:70容量%)中で1時間保
持して、焼結した後、該焼結体および炭素下敷板の表面
を目視観察して、浸炭(焼結体表面の肌あれあるいは変
色)の有無を測定した。結果は、下記の基準により評価
した。 A:浸炭は認められない。 B:焼結体および炭素下敷板の少なくとも一方に浸炭が
認められる。 C:焼結体に顕著な浸炭が認められ、また炭素下敷板と
の焼付きを起している。
【0034】次いで、上記1120℃での焼結試験によ
り問題のない炭素下敷板試料については、1150℃お
よび1180℃のアンモニア改質ガス(H2:60容量
%、N2:40容量%)中で1時間の同様の焼結試験を
行い、浸炭の有無を判定した。
【0035】その結果、上記炭素下敷板はいずれの焼結
試験後においても、浸炭を示さず、満足な金属焼結用下
敷板であることが認められた。試験およびその結果の概
要を、以下の実施例および比較例とまとめて後記表1に
記す。
【0036】(実施例2)球状不融化石油系ピッチ粒子
(呉羽化学工業(株)製「KH−1B」)90質量部
を、レゾール型液状フェノール樹脂(群栄化学工業
(株)製「レジトップPL−4804」)4質量部およ
びノボラック型固体フェノール樹脂(群栄化学工業
(株)製「PG−2411」)6質量部で実施例1と同
様にして処理した原材料を用いて、実施例1と同様に炭
素下敷板を得、金属粉末成型体1および金属粉末成型体
2の焼結を行ない、浸炭状況の判定を行った。
【0037】(実施例3)球状不融化石油系ピッチ粒子
(呉羽化学工業(株)製「KH−1B」)60質量部
を、レゾール型液状フェノール樹脂(群栄化学工業
(株)製「レジトップPL−4804」)16質量部お
よびノボラック型固体フェノール樹脂(群栄化学工業
(株)製「PG−2411」)24質量部で実施例1と
同様にして処理した原材料を用いて、実施例1と同様
に、炭素下敷板を得、金属粉末成型体1および金属粉末
成型体2の焼結を行い、浸炭状況の判定を行った。
【0038】(比較例1)市販黒鉛押出材((株)エス
イーシー社製「PS−G12」)から切り出した寸法が
420mm×250mm×6mmの黒鉛シートを下敷板
として用いて、実施例1と同様に、金属粉末成型体1お
よび金属粉末成型体2の焼結を行ない、浸炭状況の判定
を行った。
【0039】(比較例2)球状不融化石油系ピッチ粒子
(呉羽化学工業(株)製「KH−1B」)99.2質量
部に、20.5%水溶性アクリル樹脂水溶液(中央理化
工業(株)製41%アクリル樹脂水溶液の2倍希釈液)
0.8質量部を塗布した原材料を、10MPaの圧力で
圧縮成型して得た成型体を、実施例1と同様な条件で焼
して下敷板を得、これを用いて実施例1と同様に、金属
粉末成型体1および金属粉末成型体2の焼結を行ない、
浸炭状況の判定を行なった。
【0040】(比較例3)平均粒径が9μmの粒状不融
化石油系ピッチ粒子(呉羽化学工業(株)製「KH−1
P」=「KH−1B」の粉砕品)80質量部と、熱硬化
性樹脂としての平均粒径が20〜80μmの粒状ノボラ
ック型フェノール樹脂(カシュー樹脂工業(株)製「カ
シューNo.05」)20質量部とを常温、常圧下で、
ヘンシェルミキサーにより混合して得た原材料を用いる
以外は、実施例1と同様に下敷板を得、金属粉末成型体
1および金属粉末成型体2の焼結を行い、浸炭状況の判
定を行った。その結果、金属粉末成型体1の1180℃
での焼結において浸炭が認められた。これは、粒状ノボ
ラック型固体フェノール樹脂としては、20質量%で
は、微細難黒鉛化性炭素材料の空隙を埋めるには、不充
分であったためと考えられる。
【0041】(参考例)球状不融化石油系ピッチ粒子
(呉羽化学工業(株)製「KH−1B」)94.5質量
部を、レゾール型液状フェノール樹脂(群栄化学工業
(株)製「レジトップPL−4804」)1.8質量部
およびノボラック型固体フェノール樹脂(群栄化学工業
(株)製「PG−2411」)2.7質量部で実施例1
と同様にして処理した原材料を用いて、実施例1と同様
に、炭素下敷板を得、金属粉末成型体1および金属粉末
成型体2の焼結を行い、浸炭状況の判定を行なった。金
属粉末成型体1に対しては1150℃まで浸炭しない
が、金属性成型体2では1150℃で浸炭を起した。こ
れは、熱硬化性樹脂量が少ないため、難黒鉛化性炭素の
表層部のみにコーティングされて成型は出来るが、内部
に空隙が多く存在するために酸化消耗が加速して進んだ
と考えられる。
【0042】上記例の概要をまとめて、下表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、浸炭を起しにくい高温
加熱金属成型体支持用の均質な非黒鉛質炭素材を効率よ
く製造することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳賀 民雄 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦工場内 (72)発明者 小林 辰男 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦工場内 Fターム(参考) 4G032 AA09 AA13 AA14 AA52 BA01 GA06 GA12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細難黒鉛化性炭素材料を、熱硬化性樹
    脂で被覆後に加圧成型し、成型体を焼成することによ
    り、見掛密度が0.9〜1.5g/ml、灰分が0.5
    %未満である非黒鉛質炭素材とすることを特徴とする高
    温加熱金属成型体支持部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 微細難黒鉛化性炭素材料が、石油ピッチ
    成形体微細化物の不融化物、その炭素化物、又はこれら
    の混合物である請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 微細難黒鉛化性炭素材料が、酸素含有率
    が5〜30質量%の難黒鉛化性炭素材料粒子である請求
    項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 微細難黒鉛化性炭素材料が、酸素含有率
    が5〜10質量%の難黒鉛化性炭素材料粒子である請求
    項1または2の製造方法。
  5. 【請求項5】 難黒鉛化性炭素材料粒子の平均粒径が
    0.3〜1mmである請求項3または4の製造方法。
  6. 【請求項6】 微細難黒鉛化性炭素材料が、800℃の
    固定炭素分が70質量%以上の炭素材料である請求項1
    〜5のいずれかの製造方法。
  7. 【請求項7】 60〜90質量部の微細難黒鉛化性炭素
    材料を、10〜40質量部の熱硬化性樹脂(微細難黒鉛
    化性炭素材料との合計で100質量部)で被覆後に、加
    圧成型する請求項1〜6のいずれかの製造方法。
  8. 【請求項8】 加圧成型に際し、成型体に表面凹凸を付
    与する請求項1〜7のいずれかの製造方法。
  9. 【請求項9】 焼成過程において脱灰処理を行い灰分が
    200ppm以下の非黒鉛質炭素材とする請求項1〜8
    のいずれかの製造方法。
  10. 【請求項10】 熱硬化性樹脂が液状熱硬化性樹脂であ
    る請求項1〜9のいずれかの製造方法。
  11. 【請求項11】 微細難黒鉛化性炭素材料を液状熱硬化
    性樹脂で被覆後に、更に固体熱硬化性樹脂を付着させて
    から加圧成型する請求項10の製造方法。
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US7989066B2 (en) 2003-06-18 2011-08-02 Kureha Corporation Support member for high-temperature heat-treated metal molding object and process for production thereof

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