JP2002187807A - 赤潮防除剤 - Google Patents

赤潮防除剤

Info

Publication number
JP2002187807A
JP2002187807A JP2000404433A JP2000404433A JP2002187807A JP 2002187807 A JP2002187807 A JP 2002187807A JP 2000404433 A JP2000404433 A JP 2000404433A JP 2000404433 A JP2000404433 A JP 2000404433A JP 2002187807 A JP2002187807 A JP 2002187807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
red tide
shell
organisms
sediment
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000404433A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadako Ueda
貞子 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GREEN CULTURE KK
Original Assignee
GREEN CULTURE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GREEN CULTURE KK filed Critical GREEN CULTURE KK
Priority to JP2000404433A priority Critical patent/JP2002187807A/ja
Publication of JP2002187807A publication Critical patent/JP2002187807A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】赤潮に緊急対応を叶えることが出来、赤潮生物
防除後の水質・底質対策が容易であり、しかも安全性に
問題のない赤潮防除剤を提供する。 【解決手段】赤潮防除剤は、石灰質や珪酸等からなる各
種ネクトン、プランクトン、藻類、海藻等が埋没して堆
積し、腐植溶性を帯びた結晶体である貝化石を、有効成
分とするものであり、この赤潮防除剤を赤潮生物が存在
している水中に散布すると、赤潮生物を吸着乃至凝集
し、且つ赤潮生物の細胞を破壊する。一方、赤潮防除剤
としての貝化石は、養殖漁場及びその周辺における水質
及び底質の環境保全のために散布するものであるから、
赤潮発生時に、緊急対応が出来、安全性に問題なく、赤
潮生物防除後の水質・底質に何ら支障がないばかりか、
逆に水質・底質の環境保全に資することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、淡水域及び海水域
並びにこれらの境界域における赤潮を防除するための赤
潮防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】水産業の中で重要な位置を占める魚介類
養殖は、淡水域では湖沼、海水域においては風波を避け
るため、海水域における内湾や入江のように閉鎖性の強
い水域で行われることが多い。このような水域では水の
交換が悪いため、陸上からの有機汚染物質や養殖魚介類
の排泄物や残餌などによる直接的な水質汚染となり易
く、水温の上昇と共に、赤潮が発生する虞がある。ひと
たび赤潮が発生すれば、その水域にある養殖漁場におい
て、養殖魚介類の大量へい死を引き起こし、甚大な被害
を被る。このため、赤潮の防除対策として、水質・底質
の改善や赤潮からの緊急避難を目的とする間接的な対策
と、赤潮生物を駆除する直接的な対策と、がある。
【0003】間接的な対策は、水質汚濁防止の行政的処
置、ヘドロ除去や粘土、石灰、牡蠣殻散布などによる底
質の改善、大型海藻による窒素・リンの除去による水質
改善、モイストペレットなどの養殖餌料による自家汚染
防止、緊急避難としての生け簀の移動、一時的な餌止め
などがある。
【0004】直接的な対策は、赤潮回収船による赤潮の
直接回収、化学薬品や超音波などの物理化学的処理によ
る赤潮生物の殺減、薬剤や粘土を用いた凝集・沈降回収
法、水中に存在する細菌やウイルスなどの微生物からな
る生物農薬による殺藻などがある。
【0005】間接的な対策のうち、水質汚濁防止の行政
的処置、底質の改善、大型海藻による水質改善、モイス
トペレットなどによる自家汚染防止などは、継続して行
う必要がある。しかし、現に発生している赤潮に対して
は、対策とはならないから、生け簀の移動、一時的な餌
止めなどの間接的な対策や、直接的な対策が重要とな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の間接的な対策の
生け簀の移動、一時的な餌止めは、赤潮の発見が早く、
時間的な余裕がある場合に有効であるが、時間的な余裕
がないと、養殖魚介類の大量へい死を免れず、甚大な被
害を被ることになる。直接的な対策のうち赤潮回収船に
よる赤潮の直接回収は、その赤潮回収船の建造にかかる
莫大な費用と、迅速な対応をするために多数の建造が必
要となり、その管理費用も多額になるし、赤潮生物の回
収後の処理・処分などの水質対策が困難である。また、
物理化学的処理も赤潮生物の殺減後の水質対策が困難で
あり、薬剤や粘土を用いた凝集・沈降回収法について
も、赤潮生物を凝集・沈降した後の薬剤や粘土による水
質・底質対策が困難である。
【0007】生物農薬による殺藻方法による赤潮対策
は、最近注目されている技術である。すなわち、生物農
薬における細菌やウイルスは、現に水中に存在している
微生物を使用するから、既に存在する生態系の中で機能
しており、これらの微生物と宿主との関係を拡大利用し
たものであるし、更に、微生物の宿主特異性は極めて高
く、他の植物プランクトンに及ぼす影響は非常に少ない
とされる。しかしながら、既に存在する生態系であると
しても、緊急性を有する殺藻である限り、既に存在する
生態系では考えられない異常な密度とする必要があり、
その異常な密度自体が通常の生態系ではないことにな
る。更に、微生物自体の変異性をどう予想するか、とい
う厄介な問題がある。また、魚介類など他の生態系の構
成生物に対して及ぼす微生物の影響については不明であ
り、未だ安全性についてクリアーしていない。
【0008】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたもので、緊急対応を叶えることが出来、赤潮生物防
除後の水質・底質対策が容易であり、しかも安全性に問
題のない赤潮防除剤を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、長年貝化石
の組成、特性について調査研究を続け、同時に、魚介類
の養殖、養殖漁場及びその周辺における水質及び底質の
環境保全、赤潮発生状況及びその対策についても、調査
研究を続けてきた。その結果、貝化石には吸着作用、凝
集作用が強くあり、それらの作用を利用して赤潮生物を
吸着・凝集し、防除出来ないかについて、鋭意研究をす
ることになった。その成果として、赤潮生物が存在して
いる水中に貝化石を添加すると、赤潮生物を吸着乃至凝
集し、且つ赤潮生物の細胞を破壊していることが認めら
れ、しかも貝化石は、養殖漁場及びその周辺における水
質及び底質の環境保全のために、すでに大量に散布され
ている状況から、赤潮発生時に、緊急対応が出来、安全
性に問題なく、赤潮生物防除後の水質・底質に何ら支障
がないばかりか、逆に水質・底質の環境保全に資するこ
とになる、という貝化石の有する新たな側面を見い出
し、本発明に到達したのである。
【0010】すなわち、請求項1の発明は、石灰質や珪
酸等からなる各種ネクトン、プランクトン、藻類、海藻
等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体である貝
化石を、有効成分とすることを特徴とする赤潮防除剤で
ある。
【0011】本発明の赤潮防除剤は、貝化石を有効成分
とするから、貝化石単独あるいは貝化石に後の詳述する
他の物を添加したものにより、構成される。本発明は、
すでに水質改良剤、底質改善剤あるいは餌料添加物とし
ての効果、実績が積み重ねられている貝化石の利用分野
における、新たな側面を利用したものである。本発明に
使用される貝化石は、考古学名では有孔虫化石、地質学
名では石灰質砂岩であり、日本では富山県、石川県能登
半島、岐阜県高山市、北海道、山口県、徳島県、福島
県、鹿児島県に産するが、産地による限定がない。以下
に順次説明する特性を有する貝化石であれば、いかなる
産地の貝化石であっても良い。その主な産地における貝
化石の分析値は、表1のとおりである。
【0012】本発明の貝化石は、より具体的には、富山
県内の数カ所の採掘場において採掘された試料について
の下記定量分析表(表2)によるものと、これらの採掘
場から採掘された表2に示す成分の貝化石の類似品と、
である。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】なお、上記富山県において採掘されている
貝化石は、日本の他の地域で採掘される貝化石の成分構
成と、分子集合形態が大きく異なり、特に珪素もある程
度含有するが、カルシウムの含有率、すなわち、炭酸カ
ルシウムの含有率が非常に高いことが特徴となってい
る。
【0016】前記腐植溶性は、つぎのとおり定義され
る。まず、腐植とは、動植物や微生物の遺体が土壌中で
酸素の乏しい状態で生物群集により分解され、ポリフェ
ノール類、キノン類、アミノ化合物が生成され、さら
に、これらの物質は、酵素、微生物の酸化酵素、無機イ
オン、粘土鉱物などの触媒作用により重縮合され、土壌
固有の暗色無定形コロイド状高分子化合物に、変化する
ことである。したがって、腐植溶性とは、動植物や微生
物の遺体が土壌中で分解、重縮合されて生成された物質
が可溶性を示すこと、である。そして、腐植溶性を帯び
た結晶体とは、動植物や微生物の遺体が数百万年に及ぶ
地球規模の変遷を経て、姿かたちを変えたものである。
【0017】また、この貝化石は、生体より分泌された
アラゴライト形の結晶構造をとり、一定の有効径を持つ
小孔が無数に有り、これら無数の小孔には結晶水を含む
ものも、含まないものもあり、様々である。これら結晶
水を含まない小孔は、活性炭と同様に吸着性能を有し、
被吸着物質の種類によっては活性炭の数十倍の能力を示
す場合がある。
【0018】赤潮とは、淡水、海水中で主に植物プラン
クトンからなる微小な生物(以下、赤潮生物と言う)が
異常に増殖して、そのために、淡水、海水の色が変わる
現象を総称したもの、である。そして、赤潮の数量的な
基準は、比較的大型の鞭毛藻(30μm程度)の場合で
水1mlあたり1000細胞以上であり、植物プランク
トンの生物量の指標となるクロロフィルa濃度で50μ
g/l以上が一応の目安となる。
【0019】赤潮生物は、全世界で約200種あると言
われているが、この赤潮防除剤は、吸着・凝集作用を利
用するものであるから、それらすべてに有効であると、
想定される。赤潮生物は、渦鞭毛藻、珪藻、緑藻、黄金
色藻、クリプト藻、藍藻、ユーグレナ藻、プラシノ藻、
ハブト藻、ラフィド藻に属する藻類であり、これらの藻
が赤潮の原因藻である。
【0020】日本において、魚介類をへい死させる有害
の赤潮生物は、例示すれば、ギムノディニウム・ミキモ
トイ、ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマ、ゴニオラ
ックス・ポリグラマ、シャットネラ・アンティカ、シャ
ットネラ・マリーナ、ヘテロシグマ・アカシオ、ノクチ
ルカ・シンチランス、スケレトネマ、プロロセントラ
ム、メンデニウム、コクロディニウム・ポリクリコイデ
スなどである。
【0021】この貝化石を有効成分とする赤潮防除剤の
使用形態は、粉体のまま赤潮の発生している海水域(な
お、以下の説明は海水域についてであるが、淡水域の場
合も同様である。)に散布、あるいは海水に懸濁させて
から、その懸濁液を赤潮海水域に散布する。その散布量
は赤潮海水域の海面が白濁する程度である。具体的には
現に赤潮が発生している海水に対して、濃度0.1〜6
g/lの範囲内となるように散布する。0.1g/l未
満の濃度ではあまり効果が期待出来ず、6g/lを越え
る場合はコストに見合う効果が期待しずらい。好ましく
は、濃度1.0〜5g/lの範囲である。
【0022】赤潮防除剤としての貝化石の粒径は、あま
り大きすぎると直ぐに沈降してしまい、赤潮生物に対し
て吸着・凝集作用を発揮することができなくなり、あま
り細かすぎると赤潮生物を吸着・凝集しても赤潮生物を
沈降させることが出来なくなるし、粉砕コストも上昇す
る。したがって、貝化石の粒径は少なくとも0.1μm
以上2mm以下であるのが望ましい。この範囲の粒度分
布内であれば、赤潮生物に対して吸着・凝集作用を発揮
出来、赤潮生物を沈降させることが出来る。
【0023】そして、赤潮防除剤としての貝化石の作用
は、以下のように考えられる。赤潮生物含有の海水に貝
化石の微粒子が散布されると、微粒子であるため沈降速
度が遅くなるから海水中での滞留時間が長くなり、赤潮
生物は浮遊性であるから互いに接触する機会が増える状
態になっている。貝化石の界面におけるCa、Mg、A
l、Feなど金属元素が陽イオン化し、これに対する赤
潮生物は細胞膜表面付近にマイナス電気を持つから、互
いに吸着し合い赤潮生物は自重が増し沈降を始める。こ
の際、赤潮生物の種類により更に凝集して大きな凝集体
を形成する場合があり、極めて沈降速度が増す。この陽
イオン化した金属元素に由来する吸着・凝集により、赤
潮生物の細胞は破壊されている。すなわち、赤潮生物は
死滅している。
【0024】請求項2の発明は、アルカリ土類金属の炭
酸塩を有効成分とすることを特徴とする赤潮防除剤であ
る。
【0025】前記アルカリ土類金属の炭酸塩は、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウムを主体とし、他のアルカリ
土類金属のベリリウム(Be)、ストロンチウム(S
r)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)の炭酸塩も
赤潮防除剤として有効であると、想定される。ただし、
コスト面で上記の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムに
対抗できない。赤潮防除剤としてのアルカリ土類金属の
炭酸塩の作用は、貝化石の場合と同様と考えられる。す
なわち、貝化石の最も含有量の多い物質はカルシウムの
炭酸塩であり、マグネシウムの炭酸塩もかなり多いから
である。したがって、その使用形態も、同様に炭酸カル
シウムあるいは炭酸マグネシウムを粉体のまま赤潮の発
生している海水域に散布、あるいは海水に懸濁させてか
ら、その懸濁液を赤潮海水域に散布する。その散布量も
赤潮海水域の海面が白濁する程度であり、特級試薬用の
炭酸カルシウムあるいは炭酸マグネシウムでは貝化石よ
り少なくても良いが、粗製の炭酸カルシウムや炭酸マグ
ネシウムでは貝化石とほぼ同様である。ただし、単体の
炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを使用した場合は、
赤潮生物を吸着・凝集し沈降させたあと、その沈殿物の
海底生物に及ぼす影響が懸念されるから、散布量は限定
され使用回数も制限されたものとなる。
【0026】請求項3の発明は、アルカリ土類金属の珪
酸塩を有効成分とすることを特徴とする赤潮防除剤であ
る。
【0027】前記アルカリ土類金属の珪酸塩は、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウムを主体とし、他のアルカリ
土類金属のベリリウム(Be)、ストロンチウム(S
r)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)の珪酸塩も
赤潮防除剤として有効であると、想定される。ただし、
コスト面で上記の珪酸カルシウム、珪酸マグネシウムに
対抗できない。赤潮防除剤としてのアルカリ土類金属の
珪酸塩の作用は、貝化石の場合と同様である。すなわ
ち、貝化石中に多く含まれるカルシウムは炭酸塩以外に
珪酸塩となっているし、マグネシウムも珪酸塩となって
いるからである。したがって、その使用形態も、貝化石
や上記したアルカリ土類金属の炭酸塩と同様に、珪酸カ
ルシウムあるいは珪酸マグネシウムを粉体のまま赤潮の
発生している海水域に散布、あるいは海水に懸濁させて
から、その懸濁液を赤潮海水域に散布する。その散布量
や吸着・凝集後の沈殿物に対する懸念も炭酸カルシウム
や炭酸マグネシウムとほぼ同様である。
【0028】請求項4の発明は、請求項1記載の貝化石
と請求項2記載のアルカリ土類金属の炭酸塩とを含有す
ることを特徴とする赤潮防除剤である。
【0029】貝化石は、すでに述べたように、水質改良
剤あるいは底質改善剤として海水域に多量に投与され、
海底に沈殿しても、海底生物に影響を及ぼすことが無い
ことが実証されている。一方、アルカリ土類金属の炭酸
塩、例えば、炭酸カルシウムあるいは炭酸マグネシウム
単体を赤潮海水域に散布した場合、吸着・凝集後の沈殿
物の海底生物に及ぼす影響が懸念されている。しかしな
がら、貝化石の成分中には炭酸カルシウムあるいは炭酸
マグネシウムが含まれているから、その成分比率を極端
に上げない程度の炭酸カルシウムあるいは炭酸マグネシ
ウム単体の添加であれば、海底生物に影響を及ぼすこと
が無い、と言える。したがって、貝化石に対して、炭酸
カルシウムあるいは炭酸マグネシウム単体の添加量を、
最大1:1から1:0.1の範囲であれば、海底生物に
影響を及ぼすことが無く、しかも炭酸カルシウムあるい
は炭酸マグネシウム単体添加の場合の効果を享受出来
る。
【0030】なお、貝化石とアルカリ土類金属の炭酸塩
とを含有した赤潮防除剤の使用形態、粒径及び作用は、
上記した貝化石の場合と同様であるから、その説明を省
略する。
【0031】請求項5の発明は、請求項1記載の貝化石
と請求項3記載のアルカリ土類金属の珪酸塩とを含有す
ることを特徴とする赤潮防除剤である。
【0032】貝化石は、海底に沈殿しても、海底生物に
影響を及ぼすことが無いことが実証されている。一方、
アルカリ土類金属の珪酸塩、例えば、珪酸カルシウムあ
るいは珪酸マグネシウム単体を赤潮海水域に散布した場
合、吸着・凝集後の沈殿物の海底生物に及ぼす影響が懸
念される。しかしながら、貝化石の成分中には珪酸カル
シウムあるいは珪酸マグネシウムが含まれているから、
その成分比率を極端に上げない程度の珪酸カルシウムあ
るいは珪酸マグネシウム単体の添加であれば、海底生物
に影響を及ぼすことが無い、と言える。したがって、貝
化石に対して、珪酸カルシウムあるいは珪酸マグネシウ
ム単体の添加量を、最大1:1から1:0.1の範囲で
あれば、海底生物に影響を及ぼすことが無く、しかも珪
酸カルシウムあるいは珪酸マグネシウム単体添加の場合
の効果を享受出来る。なお、貝化石とアルカリ土類金属
の珪酸塩とを含有した赤潮防除剤の使用形態、粒径及び
作用は、上記した貝化石の場合と同様であるから、その
説明を省略する。
【0033】請求項6の発明は、前記貝化石は、石灰質
や珪酸等からなる各種ネクトン、プランクトン、藻類、
海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体を1
50°C〜300°Cの範囲内で加熱処理して結晶水を
除去し賦活化させた熱処理貝化石である赤潮防除剤であ
る。
【0034】前記貝化石を150°C〜300°Cの範
囲内で加熱処理する意味は、小孔に含まれている結晶水
を除去し、電気的な吸着以外の吸着性能を高めると共
に、加熱処理により貝化石に付着している雑菌を死滅さ
せるためである。したがって、この熱処理貝化石を主成
分とすることは、小孔に含まれている結晶水を除去した
分、電気的な吸着以外の吸着性能が高まり、さらに、雑
菌を死滅させているから赤潮防除剤として、より安全性
の高いものになる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様につい
て詳述する。まず、上記構成になる赤潮防除剤の種々の
効果を確認するための調査及び試験を行ったので、その
状況を説明する。和歌山県田辺湾古賀浦にて採取した赤
潮海水を2リットルのガラスシリンダー2本に入れ、一
方のガラスシリンダーに貝化石の粉末を水に入れ懸濁状
としたものを静かに添加し、他方のガラスシリンダーを
無添加として観察した。貝化石添加のガラスシリンダー
の上部は徐々に透明になり、その透明部分が時間の経過
と共に下部に広がる様子が観察された。また、和歌山県
浦神湾にて採取した赤潮海水についても、同様なことが
観察された。更に、和歌山県田辺湾古賀浦及び富山県新
湊市にて採取したプランクトンについても、上記の赤潮
海水と同様な観察を行ったところ、やはり同じようなこ
とが観察された。したがって、貝化石は、赤潮を構成す
る生物並びに通常海水域に浮遊するプランクトンを吸着
し凝集し、吸着・凝集したプランクトンは沈降すること
が、定性的に確認された。この結果を踏まえて、以下の
ような実施例及び比較例を試みた。
【0036】〔実施例1〕赤潮生物として海産クロレラ
培養を下記の要領で培養し、この海産クロレラ培養水3
リットルを10cm角×50cm高さ(5リットル)の
プラスチック筒に入れ、海産クロレラ培養水1リットル
に粒径0.1μm以上で2mm以下の貝化石を1g添加
し、10分間スターラーで攪拌後プラスチック筒に入
れ、さらに、全体が均一となるように上下に攪拌をして
貝化石の散布量を0.25g/lとしたのち、遮光し静
置して沈降させた。24時間後に沈降液100mlを採
取して、直径47mmのガラス繊維フィルター(Wha
tman GF/C)を用いてザートリウス6連ろ過器
にてろ過し、クロロフィル−a量を測定した。同様にし
て、貝化石2g、3g、4g、5gをそれぞれ添加し
て、貝化石の散布量を0.5g/l、0.75g/l、
1.0g/l、1.25g/lとした場合の24時間後
の各沈降液100mlを採取して、各クロロフィル−a
量を測定した。なお、クロロフィル−a量を海産クロレ
ラ量の指標とした。 1.海産クロレラの培養方法 海産クロレラは、人工ろ過海水に硫安・尿素・過リン酸
石灰と Provazoliの海水補強栄養剤(PE
S)を加えたものを培地とした(表3に示す)。培養条
件は自然光と蛍光灯とを光源として10時間明、14時
間暗とし、培養容器として5リットル三角フラスコを2
個用い、上記の通り用意した3リットルの培地に対して
移植量を100mlとなるように移植し、通気培養を行
った。植え継ぎは5日ごとに行った。 2.クロロフィル−a量の測定方法 測定液を所定量採取後、攪拌などにより均一化して一定
量を上記したガラス繊維フィルターを用いて吸引ろ過す
る。ガラス繊維フィルターをザートリウス6連ろ過器か
ら取り外し、遮光した状態でデシケータ内で乾燥させ
る。乾燥したガラス繊維フィルターを細かく刻んだの
ち、遠心管に入れ90%アセトン溶液を10ml加え、
氷で冷却しながら、10分間超音波をかけて植物色素を
アセトン溶液に抽出する。その後、遠心管を3000r
pmで回転させ、10分間遠心分離して、上澄み液を直
ちに100mlのシリンダーにとり、アセトン抽出液量
を測定する。アセトン溶液を対照として、アセトン抽出
液5mlに対して1規定塩酸を2滴加え、3分間放置し
たのち、同じ波長で吸光度を求める。クロロフィル−a
量はLorenzen法によった。 クロロフィルa(μg/l)=26.7(E665−E
665a)×v/V E665 ;665nmの吸光度から750nmの吸光
度を引いた値 E665a;塩酸添加後の抽出液について得た同上の値 v;抽出液の量(ml) V;測定液の量(l) 〔比較例1〕貝化石を添加していない海産クロレラ培養
水について、実施例1と同様にして24時間沈降させ、
プラスチック筒最下部から沈降液100mlを採取し
て、実施例1と同様にクロロフィル−a量を測定した。
上記実施例1と比較例1との結果を表4に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表4によれば、粒径0.1μm以上で2m
m以下の貝化石を0.25g/l添加した沈降液の濃度
が、比較例1に比べて約2倍の濃度になり、最低0.1
g/l添加すれば、海産クロレラを吸着・凝集して、沈
降させ得ることが想定できる。また、貝化石を添加して
いない比較例1では沈降状態が認められなかった。これ
は、比較例1でのプラスチック筒最下部から採取した沈
降液100mlのクロロフィル−a量と、沈降試験に供
する前の海産クロレラ培養水のクロロフィル−a量との
間に差がなかったことからも、実証された。
【0040】〔実施例2〕海産クロレラの細胞密度が
4.2×10cells/ml(細胞密度は、Bur
ker−Turk血球計算版(1mm)法により計数
した。)の海産クロレラ培養水3リットルを10cm角
×50cm高さ(5リットル)のプラスチック筒に入
れ、海産クロレラ培養水1リットルに粒径0.1μm以
上で2mm以下の貝化石を1g添加し、10分間スター
ラーで攪拌後プラスチック筒に入れ、さらに、全体が均
一となるように上下に攪拌をして貝化石の散布量を0.
25g/lとしたのち、遮光し静置して沈降させた。3
0分間後に沈降液100mlを採取して、実施例1と同
様にしてクロロフィル−a量を測定した。同様にして、
貝化石の散布量を0.5g/l、0.75g/l、1.
0g/l、1.25g/l、1.5g/l、1.75g
/l、2.0g/l、2.25g/l、2.5g/l、
3.0g/l、3.5g/l、4.0g/l、4.75
g/l、5.25g/l、5.5g/l、5.75g/
l、6.5g/lとそれぞれした場合の30分間後の各
沈降液100mlを採取して、各クロロフィル−a量を
測定した。実施例2の結果を表5に示し、さらに、表6
に貝化石の散布量を1.5g/l、2.0g/l、2.
5g/l、4.0g/l、4.75g/l、5.25g
/l、5.5g/l、5.75g/lとした場合の海産
クロレラの除去率(%)を算出した。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】表5によれば、貝化石の散布量が6.5g
/lで最大となり、それ以上ではほぼ一定となった。ま
た、表6によれば、貝化石の散布量が5.0g/l前後
で、30分間という短時間で海産クロレラの除去率が8
0%以上となった。なお、海産クロレラは、通常現れる
赤潮生物と比べて細胞がかなり小型であり、沈降しずら
い点を考慮すると、貝化石の散布量が5.0g/lとい
うのは、最大散布量を示す。したがって、1/2、1/
3程度の散布量で通常現れる赤潮生物を30分間で除去
率が80%以上となるものと、想定される。
【0044】〔実施例3〕海産クロレラ培養水3リット
ルを10cm角×50cm高さ(5リットル)のプラス
チック筒に入れ、海産クロレラ培養水1リットルに炭酸
カルシウム(CaCO)の特級試薬を0.2g添加
し、10分間スターラーで攪拌後プラスチック筒に入
れ、さらに、全体が均一となるように上下に攪拌をして
炭酸カルシウムの散布量を0.05g/lとしたのち、
遮光し静置して沈降させた。48時間後に沈降液100
mlを採取して、実施例1と同様にしてクロロフィル−
a量を測定した。同様にして、炭酸カルシウム0.4
g、0.6g、0.8g、1gをそれぞれ添加して、炭
酸カルシウムの散布量を0.1g/l、0.15g/
l、0.2g/l、0.25g/lとした場合の48時
間後の各沈降液100mlを採取して、各クロロフィル
−a量を測定した。 〔比較例2〕炭酸カルシウムを添加していない海産クロ
レラ培養水について、実施例3と同様にして48時間沈
降させ、プラスチック筒最下部から沈降液100mlを
採取して、実施例1と同様にクロロフィル−a量を測定
した。上記実施例3と比較例2との結果を表7に示す。
【0045】〔実施例4〕海産クロレラ培養水3リット
ルを10cm角×50cm高さ(5リットル)のプラス
チック筒に入れ、海産クロレラ培養水1リットルに珪酸
カルシウム(CaSiO)の特級試薬を0.2g添加
し、10分間スターラーで攪拌後プラスチック筒に入
れ、さらに、全体が均一となるように上下に攪拌をして
珪酸カルシウムの散布量を0.05g/lとしたのち、
遮光し静置して沈降させた。48時間後に沈降液100
mlを採取して、実施例1と同様にしてクロロフィル−
a量を測定した。同様にして、珪酸カルシウム0.4
g、0.6g、0.8g、1gをそれぞれ添加して、珪
酸カルシウムの散布量を0.1g/l、0.15g/
l、0.2g/l、0.25g/lとした場合の48時
間後の各沈降液100mlを採取して、各クロロフィル
−a量を測定した。 〔比較例3〕珪酸カルシウムを添加していない海産クロ
レラ培養水について、実施例4と同様にして48時間沈
降させ、プラスチック筒最下部から沈降液100mlを
採取して、実施例1と同様にクロロフィル−a量を測定
した。上記実施例4と比較例3との結果を表8に示す。
【0046】〔実施例5〕海産クロレラ培養水3リット
ルを10cm角×50cm高さ(5リットル)のプラス
チック筒に入れ、海産クロレラ培養水1リットルに炭酸
マグネシウム(MgCO)の特級試薬を0.2g添加
し、10分間スターラーで攪拌後プラスチック筒に入
れ、さらに、全体が均一となるように上下に攪拌をして
炭酸マグネシウムの散布量を0.05g/lとしたの
ち、遮光し静置して沈降させた。48時間後に沈降液1
00mlを採取して、実施例1と同様にしてクロロフィ
ル−a量を測定した。同様にして、炭酸マグネシウム
0.4g、0.6g、0.8g、1gをそれぞれ添加し
て、炭酸マグネシウムの散布量を0.1g/l、0.1
5g/l、0.2g/l、0.25g/lとした場合の
48時間後の各沈降液100mlを採取して、各クロロ
フィル−a量を測定した。 〔比較例4〕炭酸マグネシウムを添加していない海産ク
ロレラ培養水について、実施例5と同様にして48時間
沈降させ、プラスチック筒最下部から沈降液100ml
を採取して、実施例1と同様にクロロフィル−a量を測
定した。上記実施例5と比較例4との結果を表9に示
す。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】表7によれば、炭酸カルシウムの特級試薬
の散布量を0.05g/lとして48時間沈降の場合
で、沈降液のクロロフィル−a量は、比較例2に比べて
約1.7倍の濃度になった。また、炭酸カルシウムを添
加していない比較例2では沈降状態が認められなかっ
た。これは、比較例2のプラスチック筒最下部から採取
した沈降液100mlのクロロフィル−a量と、沈降試
験に供する前の海産クロレラ培養水のクロロフィル−a
量との間に差がなかったことからも、実証された。
【0051】表8によれば、珪酸カルシウムの特級試薬
の散布量を0.05g/lとして48時間沈降の場合
で、沈降液のクロロフィル−a量は、比較例3に比べて
約3.0倍の濃度になった。また、珪酸カルシウムを添
加していない比較例3では沈降状態が認められなかっ
た。これは、比較例3のプラスチック筒最下部から採取
した沈降液100mlのクロロフィル−a量と、沈降試
験に供する前の海産クロレラ培養水のクロロフィル−a
量との間に差がなかったことからも、実証された。
【0052】表9によれば、炭酸マグネシウムの特級試
薬の散布量を0.05g/lとして48時間沈降の場合
で、沈降液のクロロフィル−a量は、比較例4に比べて
約1.4倍の濃度になった。また、炭酸マグネシウムを
添加していない比較例4では沈降状態が認められなかっ
た。これは、比較例4のプラスチック筒最下部から採取
した沈降液100mlのクロロフィル−a量と、沈降試
験に供する前の海産クロレラ培養水のクロロフィル−a
量との間に差がなかったことからも、実証された。
【0053】なお、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム及
び炭酸マグネシウムは、いずれも貝化石に比べて、散布
量が1/3〜1/5の量でほぼ同じ沈降効果を得ている
が、これはいずれも特級試薬での結果であり、現実的に
利用可能なものではない。しかし、他の成分の影響を排
除した形での炭酸カルシウム、珪酸カルシウム及び炭酸
マグネシウムによる海産クロレラ培養水の沈降状況を調
査する意味から、特級試薬による試験とした。したがっ
て、炭酸カルシウムの特級試薬に代えて石灰岩の粉末、
珪酸カルシウムの特級試薬に代えて珪酸塩鉱物の粉末、
炭酸マグネシウムの特級試薬に代えて菱苦土鉱の粉末に
よる散布となり、これらの場合における沈降効果ではな
いことに、留意する必要がある。しかし、これらは、既
に述べたように、赤潮生物に模した海産クロレラを吸着
・凝集、沈降後の沈降物の底生生物への影響が懸念さ
れ、現状では使用が難しい。
【0054】〔実施例6〕海産クロレラ培養水3リット
ルを10cm角×50cm高さ(5リットル)のプラス
チック筒に入れ、海産クロレラ培養水1リットルに貝化
石2g、炭酸カルシウム(CaCO)の特級試薬を
0.4g添加し、10分間スターラーで攪拌後プラスチ
ック筒に入れ、さらに、全体が均一となるように上下に
攪拌をして貝化石の散布量を0.5g/l、炭酸カルシ
ウムの散布量を0.1g/lとし、混合散布量を0.6
g/lとしたのち、遮光し静置して沈降させた。48時
間後に沈降液100mlを採取して、実施例1と同様に
してクロロフィル−a量を測定した。上記の結果を表1
0に示す。
【0055】
【表10】
【0056】表10によれば、炭酸カルシウム単独散布
量の0.25g/lの場合に近い沈降液濃度が得られ、
さらに、貝化石単独散布量の1.25g/lの場合に近
い沈降液濃度が得られた。したがって、炭酸カルシウム
の散布量は、貝化石の散布量の1/5であるから、貝化
石中に含有する炭酸カルシウム量が2割ほど増えたのと
ほぼ同様に考えられるので、赤潮生物に模した海産クロ
レラを吸着・凝集、沈降後の沈降物の底生生物への影響
が払拭され、現状で使用可能であると考えられる。炭酸
カルシウム以外の珪酸カルシウム及び炭酸マグネシウム
も、同様の傾向と考えられるので、使用可能である。
【0057】〔実施例7〕赤潮生物として、Skele
tonema costatum、Coscinodi
scus waillesii、Chattonell
a antiqua、Heterosigma aka
shiwo、Gymnodinium mikimot
oiの5種類を選択し、これら5種類の赤潮プランクト
ンは兵庫県立水産試験場から培養株の分与を受けたもの
である。Skeletonemacostatum、C
oscinodiscus waillesii、Ch
attonella antiqua、Heteros
igma akashiwoの4種類には、MP1培地
を用い、Gymnodinium mikimotoi
は、PII培地を用い培養条件は表11に示す通りと
し、5日間培養とした。なお、MP1はその培養液の組
成を表12の通りとし、これを121°C、15分間の
設定で、オートクレーブし、自然放冷後、表12−7)
を0.22μmのろ過滅菌用フィルター(ミリポア製)
を用いて添加し、作成した。PIIは、その培養液の組
成を表3に示した通りである。得られた5種類のSke
letonema costatum、Coscino
discus waillesii、Chattone
lla antiqua、Heterosigma a
kashiwo、Gymnodinium mikim
otoiの各赤潮プランクトン培養液100mlに実施
例1で用いた貝化石を0.2gづつ添加し(濃度2g/
l)、1分間攪拌し、10分間静置して吸着・凝集さ
せ、各沈降液を2mlづつ採取する。内径8mm×高さ
1200mmのガラス管を5本用意し、各ガラス管中に
予め人工海水を充填しておき、5本のガラス管の上端開
口から上記の2mlの各沈降液を注ぎ入れ、貝化石を吸
着・凝集させた各赤潮プランクトンが1m沈降するのに
要した時間を測定する。その結果を表13に示す。
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】
【表13】
【0061】表13によれば、吸着・凝集させた各赤潮
プランクトンは、4〜8分/mの沈降速度であり、凝集
した赤潮プランクトンや元々大きい赤潮プランクトンは
8分/mの沈降速度に近いことが実証された。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の赤潮防除
剤によれば、以下のような効果が期待できる。請求項1
の発明は、赤潮生物含有の海水に貝化石の微粒子が散布
されると、微粒子であるため沈降速度が遅くなるから海
水中での滞留時間が長くなり、赤潮生物は浮遊性である
から互いに接触する機会が増える状態になり、貝化石の
界面におけるCa、Mg、Al、Feなど金属元素が陽
イオン化し、これに対する赤潮生物は細胞膜表面付近に
マイナス電気を持つから、互いに吸着し合い赤潮生物は
自重が増し沈降を始める。この際、赤潮生物の種類によ
り更に凝集して大きな凝集体を形成する場合があり、極
めて沈降速度が増してくる。この陽イオン化した金属元
素に由来する吸着・凝集により、赤潮生物の細胞は破壊
されている。すなわち、赤潮生物は死滅している。した
がって、緊急対応を叶えることが出来、赤潮生物防除後
の水質・底質対策が容易であり、しかも安全性に問題の
ない赤潮防除剤を得ることができる効果がある。
【0063】請求項2の発明は、上記効果に加えて、貝
化石が無い場合や不足している場合に、アルカリ土類金
属の炭酸塩を緊急避難的に使用でき、上質品であれば添
加量も少なくてすみ、赤潮生物防除後の水質・底質対策
もその分行い易い。
【0064】請求項3の発明は、上記効果に加えて、請
求項2の発明と同様に、貝化石が無い場合や不足してい
る場合に、アルカリ土類金属の珪酸塩を緊急避難的に使
用でき、上質品であれば添加量も少なくてすみ、赤潮生
物防除後の水質・底質対策もその分行い易い。
【0065】請求項4の発明は、上記効果に加えて、貝
化石の有する水質改良剤あるいは底質改善剤としての効
果により、アルカリ土類金属の炭酸塩が有する顕著な赤
潮生物防除効果を利用しても、アルカリ土類金属の炭酸
塩による赤潮生物の吸着・凝集後の沈殿物の海底生物に
及ぼす影響を緩和かつ排除出来、貝化石及びアルカリ土
類金属の炭酸塩の双方が有する良い面を共に利用でき
る。
【0066】請求項5の発明は、上記効果に加えて、貝
化石の有する水質改良剤あるいは底質改善剤としての効
果により、アルカリ土類金属の珪酸塩が有する顕著な赤
潮生物防除効果を利用しても、アルカリ土類金属の珪酸
塩による赤潮生物の吸着・凝集後の沈殿物の海底生物に
及ぼす影響を緩和かつ排除出来、貝化石及びアルカリ土
類金属の珪酸塩の双方が有する良い面を共に利用でき
る。
【0067】請求項6の発明は、上記効果に加えて、貝
化石は150°C〜300°Cの範囲内で加熱処理され
ているから、小孔に含まれている結晶水が除去されてお
り、電気的な吸着以外の吸着性能が高まると共に、加熱
処理により貝化石に付着している雑菌が死滅している。
したがって、この熱処理貝化石を赤潮生物防除に使用す
ることは、小孔に含まれている結晶水を除去した分、電
気的な吸着以外の吸着性能が高まり、さらに、雑菌を死
滅させているから、より安全性の高いものになる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、プ
    ランクトン、藻類、海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性
    を帯びた結晶体である貝化石を、有効成分とすることを
    特徴とする赤潮防除剤。
  2. 【請求項2】アルカリ土類金属の炭酸塩を有効成分とす
    ることを特徴とする赤潮防除剤。
  3. 【請求項3】アルカリ土類金属の珪酸塩を有効成分とす
    ることを特徴とする赤潮防除剤。
  4. 【請求項4】請求項1記載の貝化石と請求項2記載のア
    ルカリ土類金属の炭酸塩とを含有することを特徴とする
    赤潮防除剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載の貝化石と請求項3記載のア
    ルカリ土類金属の珪酸塩とを含有することを特徴とする
    赤潮防除剤。
  6. 【請求項6】前記貝化石は、石灰質や珪酸等からなる各
    種ネクトン、プランクトン、藻類、海藻等が埋没して堆
    積し、腐植溶性を帯びた結晶体を150°C〜300°
    Cの範囲内で加熱処理して結晶水を除去し賦活化させた
    熱処理貝化石である請求項1、4又は5記載の赤潮防除
    剤。
JP2000404433A 2000-12-20 2000-12-20 赤潮防除剤 Pending JP2002187807A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000404433A JP2002187807A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 赤潮防除剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000404433A JP2002187807A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 赤潮防除剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002187807A true JP2002187807A (ja) 2002-07-05

Family

ID=18868390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000404433A Pending JP2002187807A (ja) 2000-12-20 2000-12-20 赤潮防除剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002187807A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101742789B1 (ko) 2015-12-31 2017-06-27 (주)동양화학 꼬막 패각과 황토로 구성된 구제물질을 활용한 조류 농도에 따른 적조 및 녹조 구제 방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6283011A (ja) * 1985-10-07 1987-04-16 Agency Of Ind Science & Technol 沈降剤
JPH01210095A (ja) * 1988-02-19 1989-08-23 Y K F:Kk 赤潮沈澱法
JPH04148631A (ja) * 1990-10-12 1992-05-21 Yoshinori Aoki 赤潮の発生および増殖防止方法
JPH1015538A (ja) * 1996-07-05 1998-01-20 Green Karuchiyaa:Kk 底質及び水質改良材並びにそれを利用した底棲動物増殖法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6283011A (ja) * 1985-10-07 1987-04-16 Agency Of Ind Science & Technol 沈降剤
JPH01210095A (ja) * 1988-02-19 1989-08-23 Y K F:Kk 赤潮沈澱法
JPH04148631A (ja) * 1990-10-12 1992-05-21 Yoshinori Aoki 赤潮の発生および増殖防止方法
JPH1015538A (ja) * 1996-07-05 1998-01-20 Green Karuchiyaa:Kk 底質及び水質改良材並びにそれを利用した底棲動物増殖法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101742789B1 (ko) 2015-12-31 2017-06-27 (주)동양화학 꼬막 패각과 황토로 구성된 구제물질을 활용한 조류 농도에 따른 적조 및 녹조 구제 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Van den Berg et al. Clear water associated with a dense Chara vegetation in the shallow and turbid Lake Veluwemeer, The Netherlands
US5500131A (en) Compositions and methods for water treatment
CN101333022B (zh) 矿物水质生态改良剂
Lu et al. Effects of modified clay flocculation on major nutrients and diatom aggregation during Skeletonema costatum blooms in the laboratory
Vaughan The results of investigations of the ecology of the Floridian and Bahaman shoal-water corals
CN1241841C (zh) 用湖泊沉积物治理水华和底泥二次污染的技术
Simon et al. Comparison of anaerobic and aerobic biodegradation of mineralized skeletal structures in marine and estuarine conditions
Harper et al. A bacteriological investigation to elucidate the feeding biology of Nais variabilis (Oligochaeta: Naididae)
Mdaini et al. Seasonal trace metal contents in sediments and in the polychaete annelid Marphysa sanguinea (Montagu, 1813) in Tunis Lagoon
JP2002187807A (ja) 赤潮防除剤
Netpae et al. Water quality and heavy metal monitoring in water, sediments, and tissues of Corbicula sp. From Bung Boraphet Reservoir, Thailand
Haghseresht A revolution in phosphorous removal
JPS5814987A (ja) 淡水,海水性プランクトン類の殺菌,凝集,沈澱法
Oxberry et al. Potential toxicity of taconite tailings to aquatic life in Lake Superior
KR20120138484A (ko) 패류 종묘 생산용 배양 기질
Gopi Potential of Cyanobacterium Spirulina platensis for Eutrophic Water Restoration
Chen et al. Application of Microscope in the Study of Aquatic Environment.
JP4101603B2 (ja) アオコの沈降除去方法
CN110692650B (zh) 蓝细菌的发生预防或去除用组合物及用此去除蓝细菌的方法
KR20040083614A (ko) 황토와 생분해성 소포로리피드를 함유하는 적조 구제제
NASSAR et al. Effects of iron-ore particles on propagule release, growth and photosynthetic performance of Sargassum vulgare C. Agardh (Phaeophyta, Fucales)
McDonnell A seasonal study of the surface biota of the Dubh Lochan
KR20080092091A (ko) 수질개선방법
MADHUSUDANA et al. Heavy metals occurrence in the tissues of marine prawn Penaeus monodon (Fabricius 1798) and water along the coastline of Tamil Nadu (Chennai)
KR20060103311A (ko) 적조제거를 위한 혼합 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110712