JP2002252010A - 燃料電池用水素供給装置 - Google Patents

燃料電池用水素供給装置

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JP2002252010A
JP2002252010A JP2001048575A JP2001048575A JP2002252010A JP 2002252010 A JP2002252010 A JP 2002252010A JP 2001048575 A JP2001048575 A JP 2001048575A JP 2001048575 A JP2001048575 A JP 2001048575A JP 2002252010 A JP2002252010 A JP 2002252010A
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Takeaki Shimada
毅昭 島田
Takahiro Kuriiwa
貴寛 栗岩
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芳雄 縫谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵タンクと水素タンクを併設した燃料
電池用水素供給装置において、低温始動時に水素吸蔵合
金を迅速に加熱できるようにする。 【解決手段】 水素供給装置は、燃料電池7の燃料であ
る水素を吸放出可能な水素吸蔵合金を収納した水素吸蔵
タンク1と、水素を圧縮状態で貯蔵可能な水素タンク1
9と、水素吸蔵タンク1を空気を介して間接的に加熱す
る熱交換チューブ5と、水素吸蔵タンク1と水素タンク
19を並列的に燃料電池7に接続するとともに水素吸蔵
タンク1と水素タンクとを接続可能にする水素供給管
9,13,17とを備えて構成される。低温始動時に
は、水素タンク19から燃料電池7に水素を供給すると
ともに、水素タンク19から水素吸蔵タンク1に水素を
供給して水素吸蔵合金を加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池へ燃料
としての水素を供給する燃料電池用水素供給装置に関す
るものであり、特に、水素吸蔵合金を収納した水素吸蔵
タンクと水素を圧縮貯蔵可能な水素タンクを併設した燃
料電池用水素供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の移動体に搭載した燃料
電池に水素を供給する水素供給装置には、予め水素を吸
蔵させておいた水素吸蔵合金から水素を放出させて燃料
電池に供給するようにしたものがある(特開2000−
88196号公報等)。
【0003】この水素吸蔵合金においては、水素の吸蔵
・放出に熱の出入りを伴い、水素を吸蔵させる時には水
素吸蔵合金から熱を除去してやらなければならず、水素
を放出させる時には水素吸蔵合金に熱を供給してやらな
ければならない。ここで、水素放出に必要な熱量は、水
素吸蔵合金の熱容量により賄われるため、外部から熱を
加えない限り水素放出によって水素吸蔵合金の温度が低
下し、放出圧力が低下するので、水素を放出することが
できなくなる。
【0004】そこで、水素吸蔵合金から水素を安定して
放出することができるように、燃料電池の発電時に生じ
る熱を回収してこの廃熱で水素吸蔵合金を加熱し、水素
吸蔵合金の温度を低下させないようにするシステムが考
えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このシステムでは、低
温始動時の場合、燃料電池が運転されていないので燃料
電池の廃熱で水素吸蔵合金を加熱することができず、別
の加熱手段で水素吸蔵合金を加熱する必要がある。この
ときの加熱手段として従来は電気ヒータやベルチェ素子
などの電気−熱変換素子が用いられており、バッテリー
に貯蔵した電力を使用してこれら電気−熱変換素子を作
動し水素吸蔵合金を加熱している。
【0006】しかしながら、電気ヒータやベルチェ素子
などの電気−熱変換素子を用いた場合には、次のような
問題が生じる。電気−熱変換素子を作動するための電力
は、水素を変換して製造しバッテリーに貯蔵されたもの
であるため、全体的な水素利用の効率が低下する。加熱
用機器(即ち、電気−熱変換素子)が必要となり、シス
テム全体の体積および重量が増大するため、車両等の移
動体に搭載するのに不利になる。電気−熱変換素子自身
を加熱するために熱量および時間が必要であり、効率が
悪いとともに、水素吸蔵合金の加熱が迅速にできない。
【0007】そこで、この発明は、水素吸蔵合金の水素
吸蔵時の発熱を利用して水素吸蔵合金自身を加熱するこ
とにより、水素吸蔵合金の早期加熱を図ることができる
燃料電池用水素供給装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明に係る燃料電池用水素供給
装置は、燃料電池(例えば、後述する実施の形態におけ
る燃料電池7)の燃料である水素を吸放出可能な水素吸
蔵合金を収納した水素吸蔵タンク(例えば、後述する実
施の形態における水素吸蔵タンク1)と、水素を圧縮状
態で貯蔵可能な水素タンク(例えば、後述する実施の形
態における水素タンク19)と、前記水素吸蔵合金から
水素を放出させるために前記水素吸蔵タンクを加熱する
加熱手段(例えば、後述する実施の形態におけるダクト
3と熱交換チューブ5)と、前記水素吸蔵タンクと前記
水素タンクを並列的に前記燃料電池に接続するとともに
前記水素吸蔵タンクと前記水素タンクとを接続可能にす
る水素流路(例えば、後述する実施の形態における水素
供給管9,13,17)と、を備え、前記加熱手段が前
記水素吸蔵タンクの要求する熱量を賄えないときには、
前記水素タンクから燃料電池に水素を供給するととも
に、前記水素タンクから前記水素吸蔵タンクに水素を供
給し前記水素吸蔵合金に水素を吸蔵させることを特徴と
する。
【0009】このように構成することにより、前記加熱
手段が前記水素吸蔵タンクの要求する熱量を賄えないと
きには、燃料電池の運転に必要な水素は前記水素タンク
から燃料電池に供給される。そして、これと同時に水素
タンクから水素吸蔵タンクに水素が供給されるので、水
素吸蔵タンクに収納された水素吸蔵合金が水素を吸蔵し
て発熱し、水素吸蔵合金を迅速に加熱することが可能と
なる。
【0010】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載の発明において、前記加熱手段が前記水素吸蔵タンク
の要求する熱量を賄えないときに前記水素タンクから放
出される水素の放出量は、前記水素吸蔵タンクの水素吸
蔵合金に吸蔵させる水素の量と、前記燃料電池が要求す
る水素の量の和であることを特徴とする。このように構
成することにより、燃料電池の適正な運転を確保しなが
ら、水素吸蔵合金を迅速に加熱することが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る燃料電池用
水素供給装置の一実施の形態を図1から図3の図面を参
照して説明する。図1は水素供給装置を備えた自動車用
燃料電池システムの構成図である。ダクト3内の下流部
位には、内部に水素吸蔵合金を収納した水素吸蔵タンク
1が設置されている。水素吸蔵タンク1はステンレス製
で、この実施の形態では耐圧3MPaで設計されてお
り、外周面に多数のフィン1aを備えている。水素吸蔵
タンク1に収納されている水素吸蔵合金は特に限定され
ないが、この実施の形態ではBCC系の水素吸蔵合金が
用いられており、図2に示すような解離圧特性を有して
いる。この水素吸蔵合金では、水素吸蔵タンク1の耐圧
である3MPaの解離圧に対応する温度は120゜Cで
ある。
【0012】ダクト3の内部であって水素吸蔵タンク1
よりも上流側には熱交換チューブ5が設けられている。
この熱交換チューブ5は、ダクト3の外部に設置された
燃料電池(図1ではFCスタックと記す)7の冷却水回
路(図示せず)に接続されていて、燃料電池7の冷却水
が循環するようになっている。燃料電池7は固体高分子
膜型燃料電池であって、水素と空気中の酸素とを電気化
学反応させて電気を発生させるタイプのものであり、前
記冷却水は燃料電池7が発電時に発生する熱を除去する
ためのものである。燃料電池7を冷却することによって
加熱された冷却水が熱交換チューブ5に導入され、熱交
換チューブ5を通過する際にダクト3を流れる空気と熱
交換し、これにより冷却水は冷却され再び燃料電池7の
冷却水回路に戻るようになっている。つまり、熱交換チ
ューブ5は燃料電池7の冷却ラジエータと言うことがで
きる。そして、冷却水と熱交換して加熱された空気はダ
クト3を水素吸蔵タンク1へと流れ、水素吸蔵タンク1
を加熱する。この第1の実施の形態においてダクト3と
熱交換チューブ5は、空気を熱媒体とする加熱手段を構
成する。
【0013】水素吸蔵タンク1内において水素吸蔵合金
から放出された水素は、水素供給管9、切り替え弁V
1、水素供給管13を介して燃料電池7に供給されるよ
うになっている。水素供給管13には流量計15が設け
られており、水素供給管9には調圧器27が設けられて
いる。調圧器27は、後述するように水素タンク19か
ら水素吸蔵タンク1に水素を供給するときに水素の圧力
を減圧するものであり、この実施の形態では、調圧器2
7の設定圧は水素吸蔵タンク1の耐圧である3MPaに
設定されている。
【0014】また、水素吸蔵タンク1は、水素供給管
9、切り替え弁V1、水素供給管17を介して、ダクト
3の外部に設置された水素タンク19に接続可能にされ
ている。水素タンク19は、低温のため水素吸蔵合金か
ら水素を放出できず、若しくは、水素吸蔵合金から水素
を放出すると温度低下により直ぐに放出不能になるため
水素吸蔵タンク1から燃料電池7に水素を供給できない
時に、水素タンク19内の水素を燃料電池7および水素
吸蔵タンク1に供給するためのものである。この水素タ
ンク19は水素吸蔵タンク1よりも高圧で水素を圧縮し
て貯蔵可能になっており、この実施の形態では、水素タ
ンク19の耐圧は25MPaに設定されている。なお、
この実施の形態において水素供給管9,13,17は水
素流路を構成する。
【0015】切り替え弁V1は水素の流路を三つのパタ
ーンに切り替え可能にするものであり、第1のパターン
では水素供給管9と水素供給管13を連通して水素供給
管17を閉塞し、第2のパターンでは総ての水素供給管
9,13,17を連通し、第3のパターンでは総ての水
素供給管9,13,17を閉塞するようになっている。
この切り替え弁V1の駆動部(図示せず)は燃料電池用
電子制御ユニット(以下、ECUと略す)37に電気的
に接続されており、ECU37からの指令に基づいて切
り替え弁V1は流路パターンを切り替えるようになって
いる。
【0016】一方、ダクト3において水素吸蔵タンク1
と熱交換チューブ5との間には、合流ダクト21が連結
されており、この合流ダクト21には、外気を導入可能
な外気ダクト23と、図示しないクーラーで冷却された
冷気を導入可能な冷気ダクト25が接続されている。
【0017】ダクト3内において水素吸蔵タンク1の下
流にはファン29が設けられており、ファン29の駆動
モータ(図示せず)はECU37に電気的に接続されて
いて、ECU37からの指令に基づいてON/OFF動
作するようになっている。
【0018】また、ダクト3内において、合流ダクト2
1との合流点と熱交換チューブ5との間には流量制御弁
V2が設けられている。また、外気ダクト23,冷気ダ
クト25にもそれぞれ流量制御弁V3,V4が設けられて
いる。これら流量制御弁V2〜V4の弁体を駆動する駆動
部(図示せず)はECU37に電気的に接続されてお
り、ECU37からの指令値に応じて弁体の開度調整が
行われるようになっている。
【0019】水素供給管9,水素供給管17には圧力セ
ンサP1,P2が設けられており、これら圧力センサP
1,P2は検出圧力に応じた出力信号をECU37に出力
する。
【0020】ダクト3内において、熱交換チューブ5と
流量制御弁V2との間、および、合流ダクト21との合
流点と水素吸蔵タンク1との間には、温度センサTC
2,TC3が設けられている。また、外気ダクト23、冷
気ダクト25にも温度センサTC5,TC4が設けられて
いる。さらに、水素吸蔵タンク1内には、内部に収容さ
れている水素吸蔵合金の温度を検出するための温度セン
サTC1が設けられ、熱交換チューブ5の上流側には、
熱交換チューブ5に供給される冷却水の温度を検出する
ための温度センサTC6が設けられている。これら温度
センサTC1〜TC6は検出温度に応じた出力信号をEC
U37に出力する。
【0021】このように構成された燃料電池の水素供給
装置においては、通常運転時には、切り替え弁V1によ
り水素供給管9と水素供給管13を連通して水素供給管
17を閉塞し、水素吸蔵タンク1内の水素吸蔵合金から
放出した水素を燃料電池7に供給して発電する。そし
て、水素吸蔵タンク1内の水素吸蔵合金が水素を放出す
る際に水素吸蔵合金に奪われる熱を補うために、ファン
29によってダクト3内に導入した外気を、熱交換チュ
ーブ5を流れる燃料電池7の冷却水と熱交換することに
より加熱し、加熱された外気を水素吸蔵タンク1の周囲
に流すことにより、外気の熱をフィン1aから吸熱させ
て水素吸蔵タンク1を加熱する。
【0022】ここで、水素吸蔵タンク1を加熱する熱量
は、加熱媒体の温度から水素吸蔵タンク1の温度を引い
た温度差に加熱媒体の流量を乗じた積に比例し、水素吸
蔵タンク1から奪われる熱量は、水素吸蔵タンク1から
放出される水素量に比例する。前記加熱媒体は、熱交換
チューブ5を流れる冷却水、あるいは、水素吸蔵タンク
1に送気される空気、とすることができる。
【0023】また、燃料電池7への水素の安定供給を図
るために、水素吸蔵タンク1内を所定の一定圧力となる
ように制御するが、そのために、水素吸蔵合金の温度、
換言すれば水素吸蔵タンク1内の温度が、前記一定圧力
を解離圧としたときに対応する温度となるように制御す
る。
【0024】そして、この水素供給装置における水素吸
蔵タンク1の前記温度制御では、外気ダクト23から導
入される外気と、冷気ダクト25から導入される冷気
と、ダクト3の上流端から導入され熱交換チューブ5で
加熱された外気(以下、加熱外気と称し、外気ダクト2
3から導入される外気と区別する)とを所定流量比で混
合することにより、水素吸蔵タンク1を所定温度に制御
するのに必要な熱量を水素吸蔵タンク1に供給するよう
にしている。
【0025】詳述すると、ECU37は、温度センサT
C1の出力信号に基づき算出された水素吸蔵合金の温度
と、圧力センサP1の出力信号に基づき算出された放出
水素圧力と、流量計15の出力信号に基づいて算出され
た水素供給量から、水素吸蔵タンク1に供給すべき空気
の温度(以下、目標空気温度という)を算出し、また、
温度センサTC2,TC4,TC5の出力信号に基づい
て、加熱外気の温度、冷気ダクト25から導入された冷
気の温度、外気ダクト23から導入された外気の温度を
算出し、温度センサTC3で検出される空気温度が前記
目標空気温度になるように加熱外気、外気、冷気の流量
比を算出し、その流量比となるように流量制御弁V2,
V3,V4の弁開度を算出し、それぞれの弁開度に対応す
る出力信号を流量制御弁V2,V3,V4の駆動部に出力す
る。
【0026】ところで、燃料電池7の始動時には燃料電
池7が運転されていないので、上述した通常運転時のよ
うに燃料電池7の廃熱を利用して水素吸蔵タンク1を加
熱することができない。そのため、始動時の温度条件に
よっては、水素吸蔵合金から水素を全く放出することが
できなかったり、あるいは、水素放出可能であっても水
素吸蔵合金から水素を放出すると水素吸蔵合金が直ぐに
放出限界温度を下回って放出不能になるため、水素吸蔵
タンク1から燃料電池7に水素を供給できない場合があ
る。
【0027】この水素供給装置では、このように水素吸
蔵タンク1に対する加熱手段である熱交換チューブ5で
は水素吸蔵タンク1が要求する熱量を賄えない時(例え
ば、低温始動時)には、水素タンク19の水素を直接に
燃料電池7へ供給して、燃料電池7に要求される量の水
素を安定供給し燃料電池7を適正に運転すると同時に、
水素タンク19の水素を水素吸蔵タンク1に供給して水
素吸蔵合金に水素を吸蔵させ、水素吸蔵合金を発熱させ
て、水素吸蔵合金自身および水素吸蔵タンク1を加熱す
る。これにより、燃料電池7の運転により冷却水が暖め
られると同時に、水素吸蔵タンク1への水素供給により
水素吸蔵合金自身および水素吸蔵タンク1が極めて迅速
に加熱されることとなる。なお、水素タンク19から放
出される水素の放出量は、水素吸蔵タンク1の水素吸蔵
合金に吸蔵させる水素の量と、燃料電池7が要求する水
素の量の和とする。
【0028】また、水素タンク19内の圧力を水素吸蔵
タンク1の耐圧(3MPa)よりも大きくしておけば、
水素タンク19から水素吸蔵タンク1に供給される水素
の圧力は調圧器27により3MPaに減圧されて供給さ
れることとなり、したがって、水素吸蔵合金を3MPa
の解離圧に対応する温度、すなわち120゜Cまで加熱
することができる。
【0029】水素タンク19から燃料電池7および水素
吸蔵タンク1への水素供給は、燃料電池7の運転により
冷却水温度が上昇するとともに、水素吸蔵合金の水素吸
蔵により水素吸蔵タンク1の温度が上昇して、水素吸蔵
合金から放出された水素を水素吸蔵タンク1から燃料電
池7に供給しても水素吸蔵タンク1が要求する熱量を熱
交換チューブ5で賄えるようになるまで継続し、賄える
ようになった時に燃料電池7への水素供給源を水素タン
ク19から水素吸蔵タンク1に切り替えて前述した通常
運転状態にする。
【0030】このようにすると、従来のように電気ヒー
ター等の電気−熱変換素子を用いて水素吸蔵タンク1を
加熱したときと比較して、極めて迅速に水素吸蔵合金を
加熱することができ、水素タンク19から水素吸蔵タン
ク1の水素供給源の切り替えを早めることができる。そ
の結果、水素タンク19から燃料電池7への水素供給量
を減らすことができ、水素タンク19の容量を減少させ
ることができる。
【0031】また、水素吸蔵合金を加熱するために水素
タンク19から水素吸蔵タンク1に供給された水素は水
素吸蔵合金に吸蔵され、水素吸蔵合金の加熱後に水素吸
蔵合金から放出されて燃料電池7の燃料として供給され
ることになるので、水素吸蔵合金の加熱のために実質的
に水素の化学エネルギーを消費しないで済む。したがっ
て、水素を有効に利用することができる。
【0032】次に、図3の図面を参照して、低温始動時
における燃料電池への水素供給処理を説明する。なお、
図3のフローチャートでは、水素吸蔵タンクをMHタン
クと表記し、燃料電池をFCスタックと表記している。
また、この実施の形態では、熱交換チューブ5に供給さ
れる冷却水の温度が所定温度t1(例えば、60゜C)
に満たないときを、熱交換チューブ5では水素吸蔵タン
ク1が要求する熱量を賄えない時と判定することとし
た。
【0033】燃料電池7は、イグニッションスイッチの
ON信号により始動開始となり、ECU37は、温度セ
ンサTC6の出力信号に基づき熱交換チューブ5に供給
される冷却水の温度を検出し(ステップS101)、冷
却水温度が所定温度t1よりも大きいか否か判定する
(ステップS102)。
【0034】ステップS102において否定判定した場
合には、ステップS103に進み、切り替え弁V2を開
き、切り替え弁V3,V4を閉じる。これにより、外気ダ
クト23からの外気の導入と冷気ダクト25からの冷気
の導入が阻止され、ダクト3の空気の流通だけが可能と
なる。ただし、この時点ではファン29が運転されてい
ないので、ダクト3に外気が流れることはない。
【0035】次に、ステップS104に進み、切り替え
弁V1を、総ての水素供給管9,13,17が連通する
ように作動し、水素タンク19の水素を燃料電池7に供
給するとともに水素吸蔵タンク1に供給し、同時に、燃
料電池7を運転開始して発電する。これにより、水素タ
ンク19の水素が調圧器27によって3MPaに減圧さ
れて水素吸蔵タンク1に供給され、水素吸蔵タンク1内
の水素吸蔵合金が水素を吸蔵して発熱する。また、燃料
電池7の運転により冷却水が加熱され、冷却水温度が上
昇する。
【0036】そして、再びステップS101に戻って冷
却水温度を検出し、ステップS102で肯定判定するま
で、ステップS101からステップS104の処理を繰
り返す。冷却水温度が所定温度t1を越え、ステップS
102で肯定判定した場合には、ステップS105に進
み、ファン29を回転して外気をダクト3に取り込み、
熱交換チューブ5を通過する際に加熱された外気(加熱
外気)を水素吸蔵タンク1に流し、この加熱外気で水素
吸蔵タンク1を加熱する。
【0037】次に、ステップS106に進み、切り替え
弁V1を、水素供給管9と水素供給管13とを連通して
水素供給管17を閉塞するように作動し、水素タンク1
9から水素吸蔵タンク1への水素の供給を停止するとと
もに、燃料電池7への水素の供給源を水素タンク19か
ら水素吸蔵タンク1に切り替えて、水素吸蔵タンク1の
水素吸蔵合金から放出された水素を燃料電池7に供給す
る。これにより始動終了となり、この後は通常時の運転
制御となる。
【0038】〔他の実施の形態〕尚、この発明は前述し
た実施の形態に限られるものではない。例えば、この実
施の形態では、熱交換チューブ5に供給される冷却水の
温度が所定温度T1を越えないときを、水素吸蔵タンク
1が要求する熱量を熱交換チューブ5で賄えないと判定
しているが、この所定温度t1は60゜Cに限るもので
はない。また、判定基準は冷却水温度に限るものではな
く、これに代えて、例えば、水素吸蔵タンク1に送気さ
れる空気の温度(実施の形態における温度センサTC3
で検出される空気温度)に基づいて判定することもでき
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明するように、請求項1に記載し
た発明によれば、前記加熱手段が前記水素吸蔵タンクの
要求する熱量を賄えないときには、水素吸蔵タンクに収
納された水素吸蔵合金が、水素タンクから供給される水
素を吸蔵して発熱し、水素吸蔵合金を迅速に加熱するこ
とができるので、水素タンクから水素吸蔵タンクへの水
素供給源の切り替えを早めることができるという優れた
効果が奏される。
【0040】また、水素吸蔵合金を迅速に加熱すること
ができるので、水素吸蔵合金が加熱されるまでの間の燃
料電池への水素供給源となる水素タンクの容量を小さく
することができる。また、水素吸蔵合金を加熱するため
に水素タンクから水素吸蔵タンクに供給された水素は水
素吸蔵合金に吸蔵され、水素吸蔵合金の加熱後に水素吸
蔵合金から放出されて燃料電池の燃料として供給される
ことになるので、水素吸蔵合金の加熱のために実質的に
水素の化学エネルギーを消費しないで済み、水素吸蔵合
金を効率的に加熱することができる。
【0041】請求項2に記載した発明によれば、燃料電
池の適正な運転を確保しながら、水素吸蔵合金を迅速に
加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る一実施の形態の水素供給装置
を備えた自動車用燃料電池のシステム構成図である。
【図2】 前記実施の形態における低温始動時の水素供
給処理のフローチャートである。
【図3】 水素吸蔵合金の解離圧特性図の一例である。
【符号の説明】
1 水素吸蔵タンク 3 ダクト(加熱手段) 5 熱交換チューブ(加熱手段) 7 燃料電池 9,13,17 水素供給管(水素流路) 19 水素タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 縫谷 芳雄 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H027 AA06 BA13 BA14 CC06 KK01 KK41 MM01 MM09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池の燃料である水素を吸放出可能
    な水素吸蔵合金を収納した水素吸蔵タンクと、 水素を圧縮状態で貯蔵可能な水素タンクと、 前記水素吸蔵合金から水素を放出させるために前記水素
    吸蔵タンクを加熱する加熱手段と、 前記水素吸蔵タンクと前記水素タンクを並列的に前記燃
    料電池に接続するとともに前記水素吸蔵タンクと前記水
    素タンクとを接続可能にする水素流路と、 を備え、前記加熱手段が前記水素吸蔵タンクの要求する
    熱量を賄えないときには、前記水素タンクから燃料電池
    に水素を供給するとともに、前記水素タンクから前記水
    素吸蔵タンクに水素を供給し前記水素吸蔵合金に水素を
    吸蔵させることを特徴とする燃料電池用水素供給装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段が前記水素吸蔵タンクの要
    求する熱量を賄えないときに前記水素タンクから放出さ
    れる水素の放出量は、前記水素吸蔵タンクの水素吸蔵合
    金に吸蔵させる水素の量と、前記燃料電池が要求する水
    素の量の和であることを特徴とする請求項1に記載の燃
    料電池用水素供給装置。
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