JP2002252015A - 燃料電池用水素供給装置 - Google Patents

燃料電池用水素供給装置

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JP2002252015A
JP2002252015A JP2001048576A JP2001048576A JP2002252015A JP 2002252015 A JP2002252015 A JP 2002252015A JP 2001048576 A JP2001048576 A JP 2001048576A JP 2001048576 A JP2001048576 A JP 2001048576A JP 2002252015 A JP2002252015 A JP 2002252015A
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storage tank
fuel cell
heat
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JP2001048576A
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Takeaki Shimada
毅昭 島田
Takahiro Kuriiwa
貴寛 栗岩
Yoshio Nuitani
芳雄 縫谷
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵タンクと水素タンクを併設した燃料
電池用水素供給装置において、低温始動時に水素吸蔵合
金を迅速に加熱できるようにする。 【解決手段】 水素供給装置は、水素を吸放出可能な水
素吸蔵合金を収納した水素吸蔵タンク1と、水素吸蔵タ
ンク1を収容し且つ熱媒体としての外気が流通するダク
ト3と、ダクト3を通過する外気を加熱する熱交換チュ
ーブ5と、水素を圧縮状態で貯蔵可能な水素タンク19
と、水素吸蔵タンク1の外周面に添設されて触媒燃焼器
を構成する酸化触媒2と、を備える。前記加熱外気の熱
量が水素吸蔵タンク1の要求する熱量に満たないときに
は、水素タンク19から放出された水素をダクト3に供
給し酸化触媒で触媒燃焼させて水素吸蔵タンク1を加熱
し、これと同時に、水素タンク19の水素を燃料電池7
に供給し発電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池へ燃料
としての水素を供給する燃料電池用水素供給装置に関す
るものであり、特に、水素供給源として水素吸蔵合金を
収納した水素吸蔵タンクを備える燃料電池用水素供給装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の移動体に搭載した燃料
電池に水素を供給する水素供給装置には、予め水素を吸
蔵させておいた水素吸蔵合金から水素を放出させて燃料
電池に供給するようにしたものがある(特開2000−
88196号公報等)。
【0003】この水素吸蔵合金においては、水素の吸蔵
・放出に熱の出入りを伴い、水素を吸蔵させる時には水
素吸蔵合金から熱を除去してやらなければならず、水素
を放出させる時には水素吸蔵合金に熱を供給してやらな
ければならない。ここで、水素放出に必要な熱量は、水
素吸蔵合金の熱容量により賄われるため、外部から熱を
加えない限り水素放出によって水素吸蔵合金の温度が低
下し、放出圧力が低下するので、水素を放出することが
できなくなる。
【0004】そこで、水素吸蔵合金から水素を安定して
放出することができるように、燃料電池の発電時に生じ
る熱を回収してこの廃熱で水素吸蔵合金を加熱し、水素
吸蔵合金の温度を低下させないようにするシステムが考
えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このシステムでは、低
温始動時の場合、燃料電池が運転されていないので燃料
電池の廃熱で水素吸蔵合金を加熱することができず、別
の加熱手段で水素吸蔵合金を加熱する必要がある。この
ときの加熱手段として従来は電気ヒータやベルチェ素子
などの電気−熱変換素子が用いられており、バッテリー
に貯蔵した電力を使用してこれら電気−熱変換素子を作
動し水素吸蔵合金を加熱している。
【0006】しかしながら、電気ヒータやベルチェ素子
などの電気−熱変換素子を用いた場合には、次のような
問題が生じる。電気−熱変換素子を作動するための電力
は、水素を変換して製造しバッテリーに貯蔵されたもの
であるため、全体的な水素利用の効率が低下する。加熱
用機器(即ち、電気−熱変換素子)が必要となり、シス
テム全体の体積および重量が増大するため、車両等の移
動体に搭載するのに不利になる。電気−熱変換素子自身
を加熱するために熱量および時間が必要であり、効率が
悪いとともに、水素吸蔵合金の加熱が迅速にできない。
【0007】そこで、この発明は、水素を燃焼した燃焼
熱で水素吸蔵合金を加熱することにより、水素吸蔵合金
の早期加熱を図ることができる燃料電池用水素供給装置
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明に係る燃料電池用水素供給
装置は、水素を吸放出可能な水素吸蔵合金を収納した水
素吸蔵タンク(例えば、後述する第1の実施の形態にお
ける水素吸蔵タンク1、および、第1の実施の形態にお
ける水素吸蔵タンク51)と、前記水素吸蔵合金から水
素を放出させるために前記燃料電池の廃熱によって前記
水素吸蔵タンクを加熱する第1加熱手段(例えば、後述
する第1の実施の形態におけるダクト3と熱交換チュー
ブ5、および、第2の実施の形態における熱交換チュー
ブ55)と、を備え、前記水素吸蔵タンクの水素を前記
燃料電池(例えば、後述する第1の実施の形態における
燃料電池7、および、第2の実施の形態における燃料電
池57)に燃料として供給する燃料電池用水素供給装置
において、前記第1加熱手段の熱媒体の熱量が前記水素
吸蔵タンクの要求する熱量に満たないときに水素を燃焼
して前記水素吸蔵タンクを加熱する第2加熱手段(例え
ば、後述する第1の実施の形態における酸化触媒2、お
よび、第2の実施の形態における酸化触媒52)、を備
えることを特徴とする。
【0009】このように構成することにより、第1加熱
手段の熱媒体の熱量が水素吸蔵タンクの要求する熱量に
満たないときには、水素を燃焼させたときの燃焼熱によ
って水素吸蔵タンクを迅速に加熱することができ、水素
吸蔵タンクに収納された水素吸蔵合金を迅速に加熱する
ことが可能となる。
【0010】また、燃料電池の運転により第1加熱手段
の熱媒体が加熱されるので、第1加熱手段の熱媒体の熱
量を水素吸蔵タンクの要求する熱量まで早期に増大させ
ることが可能となる。さらに、燃料電池の廃熱を有効利
用することができる。
【0011】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載した発明において、前記燃料電池の水素供給源として
前記水素吸蔵タンクとは別に水素を圧縮状態で貯蔵可能
な水素タンク(例えば、後述する第1の実施の形態にお
ける水素タンク19)を備え、前記第1加熱手段の熱媒
体の熱量が前記水素吸蔵タンクの要求する熱量に満たな
いときには、前記水素タンクから放出された水素を前記
第2加熱手段に供給するとともに前記燃料電池に供給す
ることを特徴とする。
【0012】このように構成することにより、第1加熱
手段の熱媒体の熱量が水素吸蔵タンクの要求する熱量に
満たないときには、水素タンクから燃料電池に供給され
る水素によって燃料電池を運転すると同時に、水素タン
クから第2加熱手段に供給される水素を燃焼させて水素
吸蔵タンクを加熱し水素吸蔵合金を加熱することが可能
となる。
【0013】請求項3に記載した発明は、燃料電池(例
えば、後述する第1の実施の形態における燃料電池7)
の水素供給源としての水素を吸放出可能な水素吸蔵合金
を収納した水素吸蔵タンク(例えば、後述する第1の実
施の形態における水素吸蔵タンク1)と、前記水素吸蔵
合金から水素を放出させるために前記燃料電池の廃熱に
よって加熱された空気を熱媒体として前記水素吸蔵タン
クを加熱する第1加熱手段(例えば、後述する第1の実
施の形態におけるダクト3と熱交換チューブ5)と、前
記第1加熱手段の熱媒体である加熱された空気の熱量が
前記水素吸蔵タンクの要求する熱量に満たないときに、
前記水素吸蔵タンクを加熱するために、前記加熱された
空気に水素を供給されて触媒燃焼させる第2加熱手段
(例えば、後述する第1の実施の形態における酸化触媒
2)と、を備えたことを特徴とする。
【0014】このように構成することにより、第1加熱
手段の加熱空気の熱量が水素吸蔵タンクの要求する熱量
に満たないときには、水素吸蔵タンクは第1加熱手段の
加熱空気の熱に加えて、第2加熱手段での触媒燃焼によ
る生じた燃焼熱で加熱されることとなるので、水素吸蔵
タンクをより迅速に加熱することができ、水素吸蔵タン
クに収納された水素吸蔵合金をより迅速に加熱すること
が可能となる。また、燃料電池の運転により第1加熱手
段の加熱空気が加熱されるので、該加熱空気の熱量を水
素吸蔵タンクの要求する熱量まで早期に増大させること
が可能となる。さらに、燃料電池の廃熱を有効利用する
ことができる。また、第1加熱手段の熱媒体を空気とし
たことにより、装置構成を簡素化でき、重量低減が可能
となる。
【0015】請求項4に記載した発明は、請求項3に記
載した発明において、前記第2加熱手段は、前記水素吸
蔵タンクの外表面に触媒を担持して構成されていること
を特徴とする。このように構成することにより、水素吸
蔵タンクを担体として利用しているので、触媒燃焼器の
専有スペースを実質的に不要にすることができ、装置の
小型軽量化が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る燃料電池用
水素供給装置の実施の形態を図1から図4の図面を参照
して説明する。 〔第1の実施の形態〕初めに、この発明に係る燃料電池
用水素供給装置の第1の実施の形態を図1および図2の
図面を参照して説明する。
【0017】図1は水素供給装置を備えた自動車用燃料
電池システムの構成図である。水素供給装置は熱媒体と
しての空気が流通するダクト3を備え、ダクト3内の下
流部位には、内部に水素吸蔵合金を収納した水素吸蔵タ
ンク1が設置されている。水素吸蔵タンク1はステンレ
ス製で、外周面に多数のフィン1aを備えており、フィ
ン1aの外周面には酸化触媒(例えば、白金黒)2が添
設されている。この酸化触媒2は水素吸蔵タンク1の外
周面を脱脂洗浄した後に電着されたものである。酸化触
媒2は後述するようにダクト3に放出された水素を触媒
燃焼させて水素吸蔵タンク1を加熱する触媒燃焼器(第
2加熱器)を構成する。ダクト3内の水素濃度は触媒燃
焼により下流に進むにしたがって低くなると予想される
ので、水素吸蔵タンク1に添設される酸化触媒2を上流
側に比べて下流側に高密度に添設することによって、水
素吸蔵タンク1の温度の均一化を図っている。
【0018】ダクト3の内部であって水素吸蔵タンク1
よりも上流側には熱交換チューブ5が設けられている。
この熱交換チューブ5は、ダクト3の外部に設置された
燃料電池(図1ではFCスタックと記す)7の冷却水回
路(図示せず)に接続されていて、燃料電池7の冷却水
が循環するようになっている。燃料電池7は固体高分子
膜型燃料電池であって、水素と空気中の酸素とを電気化
学反応させて電気を発生させるタイプのものであり、前
記冷却水は燃料電池7が発電時に発生する熱を除去する
ためのものである。燃料電池7を冷却することによって
加熱された冷却水が熱交換チューブ5に導入され、熱交
換チューブ5を通過する際にダクト3を流れる空気と熱
交換し、これにより冷却水は冷却され再び燃料電池7の
冷却水回路に戻るようになっている。つまり、熱交換チ
ューブ5は燃料電池7の冷却ラジエータと言うことがで
きる。そして、冷却水と熱交換して加熱された空気はダ
クト3を水素吸蔵タンク1へと流れ、水素吸蔵タンク1
を加熱する。この第1の実施の形態においてダクト3と
熱交換チューブ5は、空気を熱媒体とする第1加熱手段
を構成する。
【0019】水素吸蔵タンク1の水素吸蔵合金から放出
された水素は、水素供給管9、切り替え弁V1、水素供
給管13を介して燃料電池7に供給可能になっている。
水素供給管13にはこれを流れる水素の流量を検出する
流量計15が設けられており、流量計15は検出流量に
応じた出力信号を燃料電池用電子制御ユニット(以下、
ECUと略す)37に出力する。
【0020】また、ダクト3の外部には水素タンク19
が設置されている。この水素タンク19は水素吸蔵タン
ク1よりも高圧で水素を圧縮して貯蔵可能になってお
り、この実施の形態では、水素タンク19の最大貯蔵圧
は25MPaに設定されている。水素タンク19に貯蔵
された水素も、水素供給管17、切り替え弁V1、水素
供給管13を介して、燃料電池7に供給可能になってお
り、水素タンク19は、低温のため水素吸蔵合金から水
素を放出できず、若しくは、水素吸蔵合金から水素を放
出すると温度低下により直ぐに放出不能になる虞がある
時に、水素を燃料電池7に供給する。なお、水素タンク
19から放出された水素の圧力は図示しないレギュレー
タ等で燃料電池7の所望する圧力まで減圧される。
【0021】切り替え弁V1は水素の流路を三つのパタ
ーンに切り替え可能にするものであり、第1のパターン
では水素供給管9と水素供給管13を連通して水素供給
管17を閉塞し、第2のパターンでは水素供給管13と
水素供給管17を連通して水素供給管9を閉塞し、第3
のパターンでは総ての水素供給管9,13,17を閉塞
するようになっている。この切り替え弁V1の駆動部
(図示せず)はECU37に電気的に接続されており、
ECU37からの指令に基づいて切り替え弁V1は流路
パターンを切り替えるようになっている。
【0022】一方、ダクト3において水素吸蔵タンク1
と熱交換チューブ5との間には、合流ダクト21が連結
されており、この合流ダクト21には、外気を導入可能
な外気ダクト23と、図示しないクーラーで冷却された
冷気を導入可能な冷気ダクト25が接続されている。
【0023】ダクト3内において水素吸蔵タンク1の下
流にはファン29が設けられており、ファン29の駆動
モータ(図示せず)はECU37に電気的に接続されて
いて、ECU37からの指令に基づいてON/OFF動
作するようになっている。
【0024】また、ダクト3内において、合流ダクト2
1との合流点と熱交換チューブ5との間には流量制御弁
V3が設けられている。また、外気ダクト23,冷気ダ
クト25にもそれぞれ流量制御弁V4,V5が設けられて
いる。
【0025】ダクト3において水素吸蔵タンク1よりも
上流側で切り替え弁V3よりも下流側の部分は、流量制
御弁V2を備えた水素供給管11を介して水素供給管1
7に接続されており、水素タンク19に貯蔵された水素
を、水素供給管17、水素供給管11、流量制御弁V2
を介してダクト3に放出可能になっている。これら流量
制御弁V2〜V5の弁体を駆動する駆動部(図示せず)は
ECU37に電気的に接続されており、ECU37から
の指令値に応じて弁体の開度調整が行われるようになっ
ている。
【0026】水素供給管9,水素供給管17には圧力セ
ンサP1,P2が設けられており、これら圧力センサP
1,P2は検出圧力に応じた出力信号をECU37に出力
する。水素吸蔵タンク1内には、内部に収容されている
水素吸蔵合金の温度を検出するための温度センサTC1
が設けられている。また、ダクト3内において、熱交換
チューブ5と流量制御弁V3との間、および、合流ダク
ト21との合流点と水素吸蔵タンク1との間には、温度
センサTC2,TC3が設けられている。また、冷気ダク
ト25、外気ダクト23にも温度センサTC4,TC5が
設けられている。これら温度センサTC1〜TC5は検出
温度に応じた出力信号をECU37に出力する。
【0027】このように構成された燃料電池の水素供給
装置においては、通常運転時には、切り替え弁V1によ
り水素供給管9と水素供給管13を連通して水素供給管
17を閉塞し、水素吸蔵タンク1内の水素吸蔵合金から
放出した水素を燃料電池7に供給して発電する。そし
て、水素吸蔵タンク1内の水素吸蔵合金が水素を放出す
る際に水素吸蔵合金に奪われる熱を補うために、ファン
29によってダクト3内に導入した外気を、熱交換チュ
ーブ5を流れる燃料電池7の冷却水と熱交換することに
より加熱し、加熱された外気を水素吸蔵タンク1の周囲
に流すことにより、外気の熱をフィン1aから吸熱させ
る。
【0028】ここで、水素吸蔵タンク1を加熱する熱量
は、加熱媒体の温度から水素吸蔵タンク1の温度を引い
た温度差に加熱媒体の流量を乗じた積に比例し、水素吸
蔵タンク1から奪われる熱量は、水素吸蔵タンク1から
放出される水素量に比例する。前記加熱媒体は、熱交換
チューブ5を流れる冷却水、あるいは、水素吸蔵タンク
1に送気される空気、とすることができる。
【0029】また、燃料電池7への水素の安定供給を図
るために、水素吸蔵タンク1内を所定の一定圧力となる
ように制御するが、そのために、水素吸蔵合金の温度、
換言すれば水素吸蔵タンク1内の温度が、前記一定圧力
を解離圧としたときに対応する温度となるように制御す
る。
【0030】そして、この水素供給装置における水素吸
蔵タンク1の前記温度制御では、外気ダクト23から導
入される外気と冷気ダクト25から導入される冷気と、
ダクト3の上流端から導入され熱交換チューブ5で加熱
された外気(以下、加熱外気と称し、外気ダクト23か
ら導入される外気と区別する)とを所定流量比で混合す
ることにより、水素吸蔵タンク1を所定温度に制御する
のに必要な熱量を水素吸蔵タンク1に供給するようにし
ている。
【0031】詳述すると、ECU37は、温度センサT
C1の出力信号に基づき算出された水素吸蔵合金の温度
と、圧力センサP1の出力信号に基づき算出された放出
水素圧力と、流量計15の出力信号に基づいて算出され
た水素供給量から、水素吸蔵タンク1に供給すべき空気
の温度(以下、目標空気温度という)を算出し、また、
温度センサTC2,TC4,TC5の出力信号に基づい
て、加熱外気の温度、冷気ダクト25から導入された冷
気の温度、外気ダクト23から導入された外気の温度を
算出し、温度センサTC3で検出される空気温度が前記
目標空気温度になるように加熱外気、外気、冷気の流量
比を算出し、その流量比となるように流量制御弁V3,
V4,V5の弁開度を算出し、それぞれの弁開度に対応す
る出力信号を流量制御弁V3,V4,V5の駆動部に出力す
る。
【0032】ところで、燃料電池7の始動時には燃料電
池7が運転されていないので、上述した通常運転時のよ
うに燃料電池7の廃熱を利用して水素吸蔵タンク1を加
熱することができない。そのため、始動時の温度条件に
よっては、水素吸蔵合金から水素を全く放出することが
できなかったり、あるいは、水素放出可能であっても水
素吸蔵合金から水素を放出すると水素吸蔵合金が直ぐに
放出限界温度を下回って放出不能になる場合がある。
【0033】この水素供給装置では、このように水素吸
蔵タンク1に対する加熱手段である熱交換チューブ5で
加熱した外気(熱媒体)の熱量が、水素吸蔵タンク1が
要求する熱量に満たない時(例えば、低温始動時)に
は、水素タンク19の水素を直接に燃料電池7へ供給し
て、燃料電池7に要求される量の水素を安定供給し燃料
電池7を適正に運転すると同時に、水素タンク19の水
素を水素吸蔵タンク1の上流側からダクト3に放出して
ダクト3に導入された外気とともに水素吸蔵タンク1の
外周に流し、水素吸蔵タンク1の表面に添設された酸化
触媒2により触媒燃焼させる。これにより、燃料電池7
の運転により冷却水を暖めると同時に、水素の触媒燃焼
により水素吸蔵タンク1およびこれに収納されている水
素吸蔵合金を加熱するようにしている。
【0034】そして、水素タンク19から燃料電池7へ
の水素の供給は、水素吸蔵タンク1の温度(すなわち、
水素吸蔵合金の温度)が水素吸蔵合金から水素を放出す
ることが可能となる所定温度t2に達するまで継続し、
この所定温度t2を越えたら燃料電池7への水素供給源
を水素タンク19から水素吸蔵タンク1に切り替えるこ
ととした。
【0035】また、水素タンク19からダクト3への水
素の放出は、熱交換チューブ5により加熱された加熱外
気の温度が所定温度t1を越えて、水素吸蔵合金が定常
的に水素放出可能な温度を維持するために水素吸蔵タン
ク1が要求する熱量を加熱外気の供給だけで賄えるよう
になるまで継続し、所定温度t1を越えたらダクト3へ
の水素の放出を停止して前述した通常運転状態にするこ
ととした。
【0036】このようにすると、従来のように電気ヒー
ター等の電気−熱変換素子を用いて水素吸蔵タンク1を
加熱したときと比較して、迅速に水素吸蔵合金を加熱す
ることができる。特に、この実施の形態では、酸化触媒
2を水素吸蔵タンク51の表面に添設しており、水素の
触媒燃焼が水素吸蔵タンク51の外周面で生じるので、
その燃焼熱を極めて効率的に水素吸蔵タンク51および
水素吸蔵合金に伝達することができ、極めて迅速に加熱
することができる。また、酸化触媒2は水素吸蔵タンク
1を担体として利用し、この水素吸蔵タンク51の外周
面に極めて薄く設けることができるので、装置体積およ
び重量の実質的な増加がない。換言すれば、触媒燃焼器
の専有スペースを実質的に不要にすることができ、装置
の小型軽量化が可能となる。
【0037】また、この実施の形態では、燃料電池7が
その廃熱を加熱外気を介して水素吸蔵タンク1に供給す
ることができるようになる前に、水素吸蔵タンク1から
燃料電池7に水素を供給しているので、寒冷期における
低温始動時においても、水素タンク19からの水素放出
量を減少させることができる。したがって、水素吸蔵タ
ンク1に水素が十分に残存しているのにもかかわらず水
素タンク19が空になって燃料電池7が始動不能になる
事態を回避することができる。また、水素タンク19の
容量を減少することができる。
【0038】次に、図2の図面を参照して、燃料電池へ
の水素供給処理を説明する。なお、図2のフローチャー
トでは、水素吸蔵タンクをMHタンクと表記し、燃料電
池をFCと表記している。また、この実施の形態では、
TC2で検出される加熱外気の温度が所定温度t1以下の
ときは、加熱外気だけでは水素吸蔵タンク1が要求する
熱量を賄えないものと判定することとした。
【0039】水素供給装置は、イグニッションスイッチ
のON信号により始動開始となり、ECU37は、温度
センサTC2の出力信号に基づき熱交換チューブ5の下
流の空気温度を検出し(ステップS101)、この空気
温度が所定温度t1よりも大きいか否か判定する(ステ
ップS102)。
【0040】ステップS102において否定判定した場
合には、ステップS103からステップS112に示す
低温始動処理を実行する必要があると判断してステップ
S103に進み、ファン29の運転を開始し、切り替え
弁V3を開き、切り替え弁V4,V5を閉じる。これによ
り、ダクト3から導入された外気だけがダクト3を通っ
て水素吸蔵タンク1に向かって流れるようになり、外気
ダクト23からの外気の導入と冷気ダクト25からの冷
気の導入が阻止される。
【0041】次に、ステップS104に進み、流量制御
弁V1を、水素供給管17と水素供給管13とを連通し
て水素供給管9を閉塞するように作動し、水素タンク1
9の水素を燃料電池7に供給して、燃料電池7を運転開
始し発電する。燃料電池7の運転により冷却水が加熱さ
れ、冷却水温度が徐々に上昇し、ダクト3を通過する外
気の温度が徐々に上昇することとなる。
【0042】次に、ステップS105に進み、温度セン
サTC1の出力信号に基づいて水素吸蔵タンク1に収納
されている水素吸蔵合金の温度を検出し、圧力センサP
1の出力信号に基づいて水素供給管9の水素圧力(すな
わち、水素吸蔵タンク1から放出される水素圧力)を検
出する。
【0043】次に、ステップS106に進み、水素吸蔵
合金の温度(TC1)と水素供給管9の水素圧力(P1)
に基づいてダクト3内に放出させるべき燃焼用水素の量
と、ダクト3に導入すべき外気の量を算出し、これらに
基づいて流量制御弁V2,V3の開度を決定して、ステッ
プS107において流量制御弁V2,V3の開度調整を行
う。これにより、水素タンク19の水素が水素供給管1
1からダクト3に放出され、ダクト3に導入された外気
とともに水素吸蔵タンク1の周りを流れる。このとき、
水素吸蔵タンク1のフィン1aの表面に添設された酸化
触媒2によって水素が触媒燃焼し、水素吸蔵タンク1を
加熱し、水素吸蔵タンク1に収納されている水素吸蔵合
金を加熱する。
【0044】次に、ステップS108に進み、水素吸蔵
合金の温度(TC1)が所定温度t2を越えているか否か
判定する。ステップS108において否定判定した場
合、すなわち、水素吸蔵合金の温度が所定温度t2を越
えていない場合には、水素吸蔵合金から水素を放出する
ことができないので、ステップS105に戻る。そし
て、ステップS108で肯定判定するまで、ステップS
105からステップS108の処理を繰り返し実行す
る。これにより、ステップS108で肯定判定するまで
は、水素タンク19の水素を燃料電池7に供給して発電
しながら、水素タンク19の水素をダクト3に放出して
水素を触媒燃焼させ水素吸蔵合金の加熱を継続すること
となる。
【0045】ステップS108において肯定判定した場
合には、水素吸蔵合金から水素を放出可能であるので、
ステップS109に進んで、流量制御弁V1を、水素供
給管9と水素供給管13とを連通して水素供給管17を
閉塞するように作動し、燃料電池7への水素供給源を水
素タンク19から水素吸蔵タンク1に切り替えて、水素
吸蔵タンク1の水素を燃料電池7に供給し運転する。
【0046】そして、ステップS110に進み、温度セ
ンサTC2の出力信号に基づき熱交換チューブ5の下流
の加熱外気の温度を検出し、さらにステップS111に
進んで、この加熱外気温度が所定温度t1よりも大きい
か否か判定する。ステップS111において否定判定し
た場合には、加熱外気の供給だけでは熱量が不足し、水
素吸蔵合金を定常的に水素放出可能な温度に維持するこ
とができないので、ステップS106に戻り、ステップ
S111で肯定判定するまで、ステップS106からス
テップS111の処理を繰り返し実行する。これによ
り、ステップS111で肯定判定するまでは、水素吸蔵
タンク1の水素吸蔵合金から放出された水素を燃料電池
7に供給し発電しながら、水素タンク19からダクト3
に放出された水素を触媒燃焼させて水素吸蔵合金の加熱
を継続することとなる。
【0047】そして、ステップS111で肯定判定した
場合、すなわち、加熱外気の温度が所定温度t1を越え
た場合には、加熱外気の供給だけで水素吸蔵合金を定常
的に水素放出可能な温度に維持することができるので、
ステップS112に進んで流量制御弁V2を閉じて、水
素タンク19の水素をダクト3に放出するのを停止す
る。
【0048】次いで、ステップS113からステップS
115の通常運転時の温度制御を実行する。すなわち、
水素吸蔵合金の温度(TC1)と水素吸蔵タンク1から
放出される水素圧力(P1)と燃料電池7への水素供給
量(流量計15)に基づいて水素吸蔵タンク1へ供給す
る空気の温度(目標空気温度)を算出し(ステップS1
13)、加熱外気温度(TC2),冷気温度(TC4),
外気温度(TC5)に基づいて、目標空気温度になるよ
うに流量制御弁V3,V4,V5の開度を決定し(ステッ
プS114)、その開度となるように流量制御弁V3,
V4,V5の開度を調節する(ステップS115)。
【0049】そして、ステップS116において運転停
止指令があるか否か判定して、否定判定した場合にはス
テップS113に戻り、ステップS116において肯定
判定するまでステップS113からステップS116の
処理を繰り返し実行する。ステップS116において肯
定判定した場合、すなわち、運転停止指令があった場合
には、ステップS117に進み、流量制御弁V1,V3,
V4,V5を総て全閉とし、ファン29を停止して、燃料
電池7の運転を停止する。
【0050】一方、ステップS102において肯定判定
した場合、すなわち、イグニッションスイッチのONで
始動開始し、温度センサTC2により熱交換チューブ5
の下流の空気温度を検出して(ステップS101)、こ
の空気温度が所定温度t1よりも大きいと判定した場合
には、水素をダクト3に供給して触媒燃焼させなくて
も、加熱空気の供給だけで十分に水素吸蔵合金を定常的
に水素放出可能な温度に維持することができるので、す
なわちステップS103からステップS112に示す低
温始動処理を実行する必要がないので、ステップS11
8に進み、流量制御弁V1を、水素供給管9と水素供給
管13とを連通して水素供給管17を閉塞するように作
動し、水素吸蔵タンク1から水素を燃料電池7に供給し
て、燃料電池7を運転して発電する。この後、ステップ
S113に進んで通常運転時の温度制御を実行する。ス
テップS113以降の処理については、前述したのと全
く同じであるので説明を省略する。
【0051】〔第2の実施の形態〕次に、この発明に係
る燃料電池用水素供給装置の第2の実施の形態を図3お
よび図4の図面を参照して説明する。図3は水素供給装
置を備えた自動車用燃料電池システムの構成図である。
水素供給装置は空気が流通するダクト53を備え、ダク
ト53内の下流部位には、内部に水素吸蔵合金を収納し
た水素吸蔵タンク51が設置されている。水素吸蔵タン
ク51はステンレス製で、外周面に多数のフィン(図示
を省略)を備えており、フィンの外周面には酸化触媒
(例えば、白金黒)52が添設されている。この酸化触
媒52は水素吸蔵タンク51の外周面を脱脂洗浄した後
に電着されたものである。酸化触媒52は後述するよう
にダクト53に放出された水素を触媒燃焼させて水素吸
蔵タンク51を加熱する触媒燃焼器(第2加熱器)を構
成する。水素吸蔵タンク1に添設される酸化触媒52
は、水素吸蔵タンク1の温度の均一化を図るため、上流
側に比べて下流側に高密度に添設されている。
【0052】水素吸蔵タンク51内部には、水素吸蔵合
金を加熱するための熱交換チューブ55が設けられてお
り、この熱交換チューブ55は、ポンプ57を介して、
ダクト53の外部に設置された燃料電池(図1ではFC
スタックと記す)57の冷却水回路(図示せず)に接続
されていて、燃料電池57の冷却水が循環するようにな
っている。燃料電池57は固体高分子膜型燃料電池であ
って、水素と空気中の酸素とを電気化学反応させて電気
を発生させるタイプのものであり、前記冷却水は燃料電
池57が発電時に発生する熱を除去するためのものであ
る。燃料電池57を冷却することによって加熱された冷
却水が熱交換チューブ55に導入され、熱交換チューブ
55を通過する際に水素吸蔵タンク51に収納されてい
る水素吸蔵合金と熱交換し、これにより水素吸蔵合金は
加熱され、冷却水は冷却されて再び燃料電池57の冷却
水回路に戻るようになっている。この実施の形態におい
て、熱交換チューブ5は冷却水を熱媒体とする第1加熱
手段を構成する。
【0053】水素吸蔵タンク51の水素吸蔵合金から放
出された水素は、水素供給管61、流量制御弁V6、水
素供給管63を介して燃料電池57に供給可能になって
いる。流量制御弁V6の駆動部(図示せず)はECUと
67に電気的に接続されており、ECU67からの指令
に基づいて駆動されるようになっている。水素供給管6
3にはこれを流れる水素の流量を検出する流量計65が
設けられており、流量計65は検出流量に応じた出力信
号をECU67に出力する。
【0054】また、ダクト53の外部には水素を圧縮し
て貯蔵可能な水素タンク69が設置されている。水素タ
ンク69は、水素供給管71、流量制御弁V7、水素供
給管73を介して水素供給管61に接続されるととも
に、水素供給管71、流量制御弁V7、水素供給管75
を介して、水素吸蔵タンク51よりも上流側のダクト3
に接続されている。水素タンク69は、低温のため水素
吸蔵合金から水素を放出できず、若しくは、水素吸蔵合
金から水素を放出すると温度低下により直ぐに放出不能
になる虞がある時に、水素をダクト3に供給する。
【0055】流量制御弁V7は、水素の流路を三つのパ
ターンに切り替え可能にするものであり、第1のパター
ンでは水素供給管71と水素供給管75を連通して水素
供給管73を閉塞し、第2のパターンでは水素供給管7
1と水素供給管73を連通して水素供給管75を閉塞
し、第3のパターンでは総ての水素供給管71,73,
75を閉塞するようになっている。なお、流量制御弁V
7を閉じるとは、前記第3のパターンをいうものとす
る。この切り替え弁V7の駆動部(図示せず)はECU
67に電気的に接続されており、ECU67からの指令
に基づいて切り替え弁V7は流路パターンを切り替える
ようになっている。
【0056】ダクト53内において水素供給管75との
合流点よりも上流にはファン77が設けられており、フ
ァン77の駆動モータ(図示せず)はECU67に電気
的に接続されていて、ECU67からの指令に基づいて
ON/OFF動作するようになっている。
【0057】水素供給管61,水素供給管71には圧力
センサP3,P4が設けられており、これら圧力センサP
3,P4は検出圧力に応じた出力信号をECU67に出力
する。水素吸蔵タンク51内には、内部に収容されてい
る水素吸蔵合金の温度を検出するための温度センサTC
6が設けられている。また、ポンプ59よりも下流側で
あって水素吸蔵タンク51よりも上流側の冷却水回路に
は、冷却水の温度を検出するための温度センサTC7が
設けられている。これら温度センサTC6,TC7は検出
温度に応じた出力信号をECU67に出力する。
【0058】このように構成された燃料電池の水素供給
装置においては、通常運転時には、切り替え弁V7を全
閉にして水素供給管73を閉塞し、流量制御弁V6を開
いて水素供給管61,63を連通することにより、水素
吸蔵タンク51内の水素吸蔵合金から放出された水素を
燃料電池57に供給して発電する。そして、燃料電池5
7によって加熱された冷却水を熱交換チューブ55に流
すことにより、水素吸蔵タンク51内の水素吸蔵合金を
加熱し、水素吸蔵合金から定常的に水素を放出可能な温
度に保持している。
【0059】ところで、燃料電池57の始動時には燃料
電池57が運転されていないので、上述した通常運転時
のように燃料電池57の廃熱を利用して水素吸蔵タンク
51内の水素吸蔵合金を加熱することができない。その
ため、始動時の温度条件によっては、水素吸蔵合金から
水素を全く放出することができなかったり、あるいは、
水素放出可能であっても水素吸蔵合金から水素を放出す
ると水素吸蔵合金が直ぐに放出限界温度を下回って放出
不能になる場合がある。
【0060】この水素供給装置では、このように水素吸
蔵合金に対する加熱手段である熱交換チューブ55を流
れる冷却水(熱媒体)の熱量が、水素吸蔵合金が要求す
る熱量に満たない時(例えば、低温始動時)には、水素
タンク69の水素を水素吸蔵タンク51の上流側からダ
クト53に放出してダクト53に導入された外気ととも
に水素吸蔵タンク51の外周に流し、水素吸蔵タンク5
1の表面に添設された酸化触媒52により触媒燃焼させ
る。これにより、水素の触媒燃焼により水素吸蔵タンク
51およびこれに収納された水素吸蔵合金を加熱するよ
うにしている。
【0061】水素タンク69からダクト53への水素の
放出は、熱交換チューブ55に供給される冷却水の温度
が所定温度t3を越えて、水素吸蔵合金が定常的に水素
放出可能な温度を維持するために水素吸蔵タンク51が
要求する熱量を冷却水の供給だけで賄えるようになるま
で継続し、所定温度t3を越えたらダクト53への水素
の放出を停止して前述した通常運転状態にすることとし
た。
【0062】このようにすると、従来のように電気ヒー
ター等の電気−熱変換素子を用いて水素吸蔵タンク1を
加熱したときと比較して、迅速に水素吸蔵合金を加熱す
ることができる。特に、この実施の形態では、酸化触媒
52を水素吸蔵タンク51の表面に添設しており、水素
の触媒燃焼が水素吸蔵タンク51の外周面で生じるの
で、その燃焼熱を極めて効率的に水素吸蔵タンク51お
よび水素吸蔵合金に伝達することができ、極めて迅速に
加熱することができる。また、酸化触媒52は水素吸蔵
タンク1を担体として利用し、この水素吸蔵タンク51
の外周面に極めて薄く設けることができるので、装置体
積および重量の実質的な増加がない。換言すれば、触媒
燃焼器の専有スペースを実質的に不要にすることがで
き、装置の小型軽量化が可能となる。
【0063】次に、図4の図面を参照して、燃料電池へ
の水素供給処理を説明する。なお、図4のフローチャー
トでは、水素吸蔵タンクをMHタンクと表記し、燃料電
池をFCと表記している。また、この実施の形態では、
TC7で検出される冷却水の温度が所定温度t3以下のと
きは、冷却水だけでは水素吸蔵タンク51が要求する熱
量を賄えないものと判定することとした。
【0064】水素供給装置は、イグニッションスイッチ
のON信号により始動開始となり、ECU67は、温度
センサTC7の出力信号に基づき冷却水の温度を検出し
(ステップS201)、この冷却水温度が所定温度t3
よりも大きいか否か判定する(ステップS202)。
【0065】ステップS202において否定判定した場
合には、ステップS203からステップS213に示す
低温始動処理を実行する必要があると判断してステップ
S203に進み、ファン77の運転を開始し、外気がダ
クト53を通って水素吸蔵タンク51に向かって流れる
ようにする。
【0066】次に、ステップS204に進み、流量制御
弁V7を、水素供給管71と水素供給管75とを連通し
て水素供給管73を閉塞するように作動する。これによ
り、水素タンク69の水素が水素供給管75からダクト
53に放出され、ダクト53に導入された外気とともに
水素吸蔵タンク1の周りを流れる。このとき、水素吸蔵
タンク51の表面に添設された酸化触媒52によって水
素が触媒燃焼し、水素吸蔵タンク51を加熱し、水素吸
蔵タンク51に収納されている水素吸蔵合金を加熱す
る。
【0067】次に、ステップS205に進み、温度セン
サTC6の出力信号に基づいて水素吸蔵タンク1に収納
されている水素吸蔵合金の温度を検出し、圧力センサP
3の出力信号に基づいて水素供給管61の水素圧力(す
なわち、水素吸蔵タンク51から放出される水素圧力)
を検出する。
【0068】次に、ステップS206に進み、水素吸蔵
合金の温度(TC6)と水素供給管61の水素圧力(P
3)に基づいてダクト53内に放出させるべき燃焼用水
素の量を算出し、これに基づいて流量制御弁V7の開度
を決定して、ステップS207において流量制御弁V7
の開度調整を行う。
【0069】次に、ステップS208に進み、水素吸蔵
合金の温度(TC6)の温度が所定温度t4を越えている
か否か判定する。ステップS208において否定判定し
た場合、すなわち、水素吸蔵合金の温度が所定温度t4
を越えていない場合には、水素吸蔵合金から水素を放出
することができず、すなわち燃料電池57に水素を供給
することができないので、ステップS205に戻る。そ
して、ステップS208で肯定判定するまで、ステップ
S205からステップS208の処理を繰り返し実行す
る。これにより、ステップS208で肯定判定するまで
は、燃料電池57を運転せず、水素の触媒燃焼による水
素吸蔵合金の加熱だけを継続することとなる。
【0070】ステップS208において肯定判定した場
合には、水素吸蔵合金から水素を放出可能であるので、
ステップS209に進んで、流量制御弁V6を開き、水
素供給管61と水素供給管63とを連通して、水素吸蔵
タンク51の水素を燃料電池57に供給して燃料電池5
7の運転を開始する。そして、ステップS210に進
み、ポンプ59の運転を開始して、冷却水を循環させ
る。
【0071】次に、ステップS211に進み、温度セン
サTC7の出力信号に基づき冷却水の温度を検出し、さ
らにステップS212に進んで、この冷却水温度が所定
温度t3よりも大きいか否か判定する。ステップS21
2において否定判定した場合には、冷却水の供給だけで
は熱量が不足し、水素吸蔵合金を定常的に水素放出可能
な温度に維持することができないので、ステップS20
6に戻り、ステップS212で肯定判定するまで、ステ
ップS206からステップS212の処理を繰り返し実
行する。これにより、ステップS212で肯定判定する
までは、水素吸蔵タンク51の水素吸蔵合金から放出さ
れた水素を燃料電池57に供給し発電しながら、水素タ
ンク69からダクト53に放出された水素を触媒燃焼さ
せて水素吸蔵合金の加熱を継続することとなる。
【0072】そして、ステップS212で肯定判定した
場合、すなわち、冷却水の温度が所定温度t3を越えた
場合には、冷却水の供給だけで水素吸蔵合金を定常的に
水素放出可能な温度に維持することができるので、ステ
ップS213に進んで流量制御弁V7を閉じて、水素タ
ンク69の水素をダクト53に放出するのを停止し、ま
た、ファン77の運転を停止してダクト53への外気の
導入を停止する。
【0073】次いで、ステップS214に進み、流量制
御弁V7を、水素供給管71と水素供給管73を連通し
て水素供給管75を閉塞するように作動し、水素吸蔵タ
ンク51の水素を水素タンク69にも供給されるように
する。これにより、低温始動処理(ステップS203か
らステップS213)の実行により水素の貯蔵量が減少
した水素タンク69に水素が補充される。
【0074】次いで、ステップS215に進み、圧力セ
ンサP3で検出される水素吸蔵タンク51出口の水素圧
力と、圧力センサP4で検出される水素タンク69出口
の水素圧力が同一圧力か否か判定する。ステップS21
5で否定判定した場合には、ステップS214に戻って
水素タンクへの水素の供給を継続する。ステップS21
5で肯定判定した場合には、ステップS216に進み、
流量制御弁V7を全閉にして水素タンク69への水素の
供給を停止し、始動完了となる。この後は、通常制御
(図示せず)に移行する。
【0075】一方、ステップS202において肯定判定
した場合、すなわち、イグニッションスイッチのONで
始動開始し、温度センサTC7により冷却水温度を検出
して(ステップS201)、この冷却水温度が所定温度
t3よりも大きいと判定した場合には、水素をダクト5
3に供給して触媒燃焼させなくても、熱交換チューブ5
5に冷却水を供給するだけで十分に水素吸蔵合金を定常
的に水素放出可能な温度に維持することができるので、
すなわちステップS203からステップS213に示す
低温始動処理を実行する必要がないので、ステップS2
17に進み、流量制御弁V6を開いて水素供給管61と
水素供給管63とを連通し、水素吸蔵タンク51から水
素を燃料電池57に供給して、燃料電池7を運転して発
電する。次いで、ステップS218に進み、ポンプ59
の運転を開始して、冷却水を循環させる。この後、ステ
ップS214に進む。ステップS214以降の処理につ
いては前述と同じであるので説明を省略する。
【0076】〔他の実施の形態〕尚、この発明は前述し
た実施の形態に限られるものではない。例えば、この実
施の形態では、酸化触媒を水素吸蔵タンクの外周面に添
設する手段として電着を採用したが、電着に代えて、例
えば泳動メッキや塗布など任意の手段を採用することが
できる。また、触媒は白金黒に限るものではなく他の酸
化触媒で構成することができる。また、第1加熱手段の
熱媒体として、燃料電池7の発電に寄与しなかった排出
空気などを利用することもできる。
【0077】
【発明の効果】以上説明するように、請求項1に記載し
た発明によれば、第1加熱手段の熱媒体の熱量が水素吸
蔵タンクの要求する熱量に満たないときには、水素を燃
焼させることによって水素吸蔵タンクに収納された水素
吸蔵合金を迅速に加熱することができるので、水素吸蔵
合金からの水素の放出を早めることができる。
【0078】また、燃料電池の運転により第1加熱手段
の熱媒体が加熱され、第1加熱手段の熱媒体の熱量を水
素吸蔵タンクの要求する熱量まで早期に増大させること
が可能となるので、第2加熱手段で燃焼する水素量を減
らすことができる。さらに、燃料電池の廃熱を有効利用
することができる。
【0079】請求項2に記載した発明によれば、第1加
熱手段の熱媒体の熱量が水素吸蔵タンクの要求する熱量
に満たないときに、水素タンクから燃料電池に供給され
る水素によって燃料電池を運転すると同時に、水素タン
クから第2加熱手段に供給される水素を燃焼させて水素
吸蔵タンクを加熱し水素吸蔵合金を加熱することができ
るので、燃料電池が運転不能となる事態を回避すること
ができる。また、前述の如く第2加熱手段で燃焼する水
素量を減らすことができることから、水素タンクの容量
を小さくすることができる。
【0080】請求項3に記載した発明によれば、第1加
熱手段の加熱空気の熱量が水素吸蔵タンクの要求する熱
量に満たないときには、水素吸蔵タンクは第1加熱手段
の加熱空気の熱に加えて、第2加熱手段での触媒燃焼に
よる生じた燃焼熱で加熱されることとなるので、水素吸
蔵タンクをより迅速に加熱することができ、水素吸蔵合
金からの水素の放出をより早めることができる。また、
燃料電池の運転により第1加熱手段の加熱空気が加熱さ
れ、該加熱空気の熱量を水素吸蔵タンクの要求する熱量
まで早期に増大させることが可能となるので、第2加熱
手段で燃焼する水素量を減らすことができる。さらに、
燃料電池の廃熱を有効利用することができる。また、第
1加熱手段の熱媒体を空気としたことにより、装置構成
の簡素化、軽量化を図ることができる。
【0081】請求項4に記載した発明によれば、水素吸
蔵タンクを担体として利用しているので、第2加熱手段
の専有スペースを実質的に不要にすることができ、装置
の小型軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る第1の実施の形態の水素供給
装置を備えた自動車用燃料電池のシステム構成図であ
る。
【図2】 前記第1の実施の形態における水素供給処理
のフローチャートである。
【図3】 この発明に係る第2の実施の形態の水素供給
装置を備えた自動車用燃料電池のシステム構成図であ
る。
【図4】 前記第2の実施の形態における水素供給処理
のフローチャートである。
【符号の説明】
1,51 水素吸蔵タンク 2,52 酸化触媒(触媒、触媒燃焼器、第2加熱手
段) 3 ダクト(第1加熱手段) 5,55 熱交換チューブ(第1加熱手段) 7,57 燃料電池 19 水素タンク
フロントページの続き (72)発明者 縫谷 芳雄 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3E072 EA10 4G040 AA16 AA29 4G140 AA16 AA29 5H027 AA02 BA14 MM21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を吸放出可能な水素吸蔵合金を収納
    した水素吸蔵タンクと、 前記水素吸蔵合金から水素を放出させるために前記燃料
    電池の廃熱によって前記水素吸蔵タンクを加熱する第1
    加熱手段と、 を備え、前記水素吸蔵タンクの水素を前記燃料電池に燃
    料として供給する燃料電池用水素供給装置において、 前記第1加熱手段の熱媒体の熱量が前記水素吸蔵タンク
    の要求する熱量に満たないときに水素を燃焼して前記水
    素吸蔵タンクを加熱する第2加熱手段、を備えることを
    特徴とする燃料電池用水素供給装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料電池の水素供給源として前記水
    素吸蔵タンクとは別に水素を圧縮状態で貯蔵可能な水素
    タンクを備え、前記第1加熱手段の熱媒体の熱量が前記
    水素吸蔵タンクの要求する熱量に満たないときには、前
    記水素タンクから放出された水素を前記第2加熱手段に
    供給するとともに前記燃料電池に供給することを特徴と
    する請求項1に記載の燃料電池用水素供給装置。
  3. 【請求項3】 燃料電池の水素供給源としての水素を吸
    放出可能な水素吸蔵合金を収納した水素吸蔵タンクと、 前記水素吸蔵合金から水素を放出させるために前記燃料
    電池の廃熱によって加熱された空気を熱媒体として前記
    水素吸蔵タンクを加熱する第1加熱手段と、 前記第1加熱手段の熱媒体である加熱された空気の熱量
    が前記水素吸蔵タンクの要求する熱量に満たないとき
    に、前記水素吸蔵タンクを加熱するために、前記加熱さ
    れた空気に水素を供給されて触媒燃焼させる第2加熱手
    段と、 を備えたことを特徴とする燃料電池用水素供給装置。
  4. 【請求項4】 前記第2加熱手段は、前記水素吸蔵タン
    クの外表面に触媒を担持して構成されていることを特徴
    とする請求項3に記載の燃料電池用水素供給装置。
JP2001048576A 2001-02-23 2001-02-23 燃料電池用水素供給装置 Withdrawn JP2002252015A (ja)

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