JP2002257698A - 液体試料の濃縮方法 - Google Patents

液体試料の濃縮方法

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JP2002257698A JP2001055262A JP2001055262A JP2002257698A JP 2002257698 A JP2002257698 A JP 2002257698A JP 2001055262 A JP2001055262 A JP 2001055262A JP 2001055262 A JP2001055262 A JP 2001055262A JP 2002257698 A JP2002257698 A JP 2002257698A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 マイクロ波加熱を利用して溶液試料の溶質を
濃縮する方法であって、高倍率の濃縮を短時間で行なう
ことのできる方法を提供する。 【解決手段】 開口容器3の内部に保持された溶液試料
2をマイクロ波10加熱して該溶液試料の溶媒を蒸発さ
せて除去する際に、前記開口容器外面の少なくとも一部
に水等の誘電率の高い誘電体を接触させ、当該誘電体を
同時にマイクロ波加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試料を濃縮す
る方法および該方法に用いる装置に関する。更に詳しく
は、例えば、液体試料について微量分析を行なう際のプ
レコンセントレーションとして有用なマイクロ波加熱を
利用した濃縮方法および該濃縮方法に好適に用いられる
マイクロ波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体材料分野等において、原材
料や製品の純度に対する要求は高く、ごく微量含まれる
不純物の分析を高精度で行なうことが重要となってい
る。そのためには、例えば、溶液試料については、定量
の妨害をするようなマトリックス物質を除去したり、分
析目的成分を機器分析の定量限界内に入るようにした
り、更には測定精度を高めたりする目的で、測定試料を
濃縮する操作(プレコンセントレーション)することが
行われている。
【0003】液体試料のプレコンセントレーションの一
手段として、溶媒若しくは分散媒を蒸発させて除去する
方法がある。そして、液体試料の溶媒若しくは分散媒が
水等の比誘電率の高い誘電体である場合には、簡便な方
法としては、マイクロ波加熱を用いて溶媒若しくは分散
媒を蒸発させて除去し、濃縮を行う方法が知られてい
る。該方法は、水等の比誘電率の大きな物質は、マイク
ロ波の照射によって生じる高周波電界によって容易に発
熱することを利用したものであり、簡便に濃縮操作がで
きるという特徴がある。なお、一般に、該方法において
は、試料を加熱した際に可燃性ガスや酸などの危険性の
あるガスを発生することが多いため、これらガスを安全
に排出するため、容器内で加熱を行ない、発生したガス
が大気中に拡散しない様に隔絶して排出させるのが一般
的である。
【0004】例えば、特開平6−82349号公報に
は、不活性ガス供給管及び排気管とを有する密閉可能な
処理容器内の溶液試料に対してマイクロ波を照射し、溶
媒を気化させて、気化した溶媒蒸気を不活性ガスに同伴
させて排気管から系外に排出して濃縮又は灰化処理を行
なうための加熱処理装置が開示されており、このような
装置を用いることにより発生ガスを安全に排出すると共
に外部からの汚染を防止しながら処理を行なうことが可
能となっている。また、該装置を用いた場合には、液体
試料を目盛り付きの試験管に入れ、これを上記処理容器
内に挿入配置して濃縮又は灰化処理を行うことにより、
その試験管を用いて処理後に引続き稀釈操作を行なうこ
とも可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロ波加熱を利用して、容器内で濃縮する方法において
は、濃縮に伴い試料の液量が減ると共に濃縮速度が激減
し、例えば10mlの液体試料を濃縮すると時間をかけ
ても3ml以下に液量が減らないといった現象がおこる
{Anal.Chem.,72,(13),2908−2913(200
0)}。
【0006】そこで、本発明は、マイクロ波加熱を利用
して短時間で液体試料の高倍率の濃縮が可能な方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の方法
で濃縮が止ってしまうのは、一旦気化した溶媒若しくは
分散媒が系外に排出される前に凝縮し、容器壁を伝わっ
て戻ってくる(還流する)のが原因ではないかと考え、
前記公開公報に記載されたような不活性ガスの導入が可
能な装置を用い、不活性ガスを液面に直接吹き付けて蒸
発を促すことを試みた。しかしながら、この場合、上記
還流は起こらなかったものの、液量が少なくなるととも
に濃縮速度が激減し、所期の目的を達することはできな
かった。
【0008】この濃縮速度が低下する原因は、発熱体で
ある溶媒若しくは分散媒が減少するため、十分な熱量が
得られなくなることではないかと考え、さらに容器外部
から蒸発を促す加熱を行う必要があると考えた。試料を
有効に加熱する方法について種々検討を行なった結果、
容器を二重構造にし、還流した溶媒等が試料内には戻ら
ずにその外側に溜まるようにした場合には、短時間で液
体試料を乾固させることができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】即ち、第一の本発明は、開口容器の内部に
保持された液体試料であって、該開口容器の構成材料よ
りも高い比誘電率を有する誘電体からなる溶媒若しくは
分散媒に濃縮目的物である溶質が溶解した溶液試料をマ
イクロ波加熱して該液体試料の溶媒若しくは分散媒を蒸
発させて除去することにより前記濃縮目的物を濃縮する
方法において、液体試料をマイクロ波加熱する際に、前
記開口容器の構成材料よりも高い比誘電率を有する誘電
体を前記開口容器外面の少なくとも一部に接触させ、当
該誘電体を同時にマイクロ波加熱することを特徴とする
前記液体試料の濃縮方法である。
【0010】上記本発明の濃縮方法においては、ガス導
入孔及びガス排出孔を有する有蓋容器の内部に、液体試
料を保持した開口容器を配置し、前記有蓋容器内面と該
開口容器外面との間の空間に、前記開口容器の構成材料
よりも高い比誘電率を有する誘電体を前記開口容器外面
の少なくとも一部と密接するように介在させ、該誘電体
を液体試料と同時にマイクロ波加熱することにより、外
部からの汚染を防止しながら安全に濃縮操作を行なうこ
とができる。さらに、マイクロ波加熱中に前記ガス排出
孔から吸引するか又は前記ガス導入孔からガスを導入す
るかして前記有蓋容器内のガスを排出すると共に、マイ
クロ波加熱によって蒸発した溶媒若しくは分散媒の少な
くとも一部を凝縮させ、得られたら凝縮液を有蓋容器内
面と開口容器外面との間の空間に該開口容器外面の少な
くとも一部と密着するように介在させることにより、よ
り短時間で濃縮を行なうことが可能となる。また、この
場合には、開口容器の構成材料よりも高い比誘電率を有
する誘電体を別途用意する必要も無い。
【0011】本発明の濃縮方法においては、液体試料を
保持する開口容器がマイクロ波加熱によって容易に発熱
する比誘電率が高い誘電体と接触しているため、溶媒若
しくは分散媒が減少して液体試料自体の発熱量が減少し
ても濃縮を続けるのに必要な熱が熱伝導によって供給さ
れ続けるため、濃縮効率が低下しないものと思われる。
【0012】また、第二の本発明は、液体試料を保持し
た開口容器をその内部に配置するための有蓋容器であっ
て、ガス導入孔及びガス排出孔、前記液体試料から発生
した溶媒若しくは分散媒の蒸気を凝縮させるための蒸気
凝縮部、並びに該蒸気凝縮部で凝縮した凝縮液を集めて
該凝縮液が前記開口容器外面に接触するように保持する
凝縮液保持部を有する有蓋容器と、該有蓋容器を保持す
るための容器保持室を有する装置本体と、前記容器保持
室に配置された有蓋容器内の液体試料及び該有蓋容器内
面と前記開口容器外面との間に存在する凝縮液をマイク
ロ波加熱するためのマイクロ波発生手段とを有すること
を特徴とするマイクロ波加熱装置である。
【0013】上記本発明の装置を用いることにより、本
発明の濃縮方法を簡便且つ効率よく行なうことができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の濃縮方法では、マイクロ
波加熱法を利用する。ここで、マイクロ波加熱法とは、
電磁波加熱の一種であり、高周波電界によって、誘電体
内部に生じた電気双極子を、高周波により回転させて分
子間に摩擦を起こし、その摩擦によって発生する熱を利
用して加熱を行なうものであり、電界を作る方法として
電波を用いる加熱方法である。マイクロ波加熱では、通
常、主にマグネトロンを使用し、2450MHz、91
5MHzの周波数を使って加熱が行われ、導波管及びオ
ーブンが用いられる。また、電波を均等に照射するため
に、攪拌ファンが用いられることもある。
【0015】本発明の濃縮方法では、上記したようなマ
イクロ波加熱を利用して開口容器に保持された液体試料
の濃縮を行なう。液体試料を開口容器に保持するのは、
加熱されて気化した溶媒若しくは分散媒を拡散除去させ
るためである。上記開口容器の材質は、絶縁体であれば
特に限定されないが、それ自体が加熱されて高温になっ
たり、変形したりするのを防ぐという観点から、比誘電
率が小さい、特に比誘電率(εr)が15以下、更には
10以下の誘電体からなっているのが好適である。ま
た、硼珪酸ガラス(εr=4.5〜5.0)、アルミナ
磁器(εr=9.3)も適用できるが、容器から溶液中
に不純物が溶出しにくいという観点から、石英ガラス
(εr=3.5〜4.5)あるいはポリ四弗化エチレン
(εr=2.1)、ポリ弗化ビニリデン(εr=8.4)
等のフッ素樹脂製であるのが特に好適である。
【0016】なお、該有蓋容器と前記開口容器は必ずし
も個別である必要はなく、有蓋容器と開口容器が一体と
なったような2重構造の有蓋容器を用いてもよい。
【0017】本発明の濃縮方法では、上記したようなマ
イクロ波加熱を利用するため、用いる液体試料の溶媒若
しくは分散媒は、液体試料を保持する開口容器の構成材
料よりも高い比誘電率、好ましくは20以上の比誘電率
を有する必要がある。適用できる液体試料の溶媒若しく
は分散媒は、上記条件を満足すれば特に限定されず、
水、又は公知の有機溶媒でよい。本発明で好適に使用で
きる溶媒若しくは分散媒を例示すれば、水(εr=8
1);アセトン(εr=20.7)等のケトン類、メタ
ノール(εr=32.6)、エタノール(εr=24.
3)等のアルコール類等が挙げられる。これらは、単独
で用いても複数種類混合して用いてもよい。これらの中
でも、水は沸点が高く他の方法では蒸発させにくいのに
対し、マイクロ波加熱で容易に蒸気となるので、本発明
の方法は、水又は水と水溶性有機溶媒との混合物を溶媒
又は分散媒とする試料に適用するのが最も効果的であ
る。
【0018】また、液体試料において濃縮対象物となる
溶質又は懸濁物は、特に限定されず、目的に応じて適宜
決定される。液体試料が水溶液である場合には塩である
ことが多く、イオンの形で溶解していることが多い。濃
縮効率の点から、濃縮目的物である溶質又は懸濁物は溶
媒又は分散媒よりも揮発し難いものであるのが好ましい
が、揮発性を有する場合にも捕集剤を用いて高沸点の錯
体を形成させることにより濃縮が可能となる。例えばホ
ウ素を濃縮するためにマンニトールを必要量加えてホウ
素−マンニトール錯体を形成後、濃縮を行うことができ
る。
【0019】なお、液体試料には、濃縮目的となる物質
以外にも各種酸、アルカリ、塩等の他の物質が溶解して
いてもよい。
【0020】本発明の濃縮方法においては、前記開口容
器に保持された液体試料をマイクロ波加熱するに際し
て、前記開口容器の構成材料よりも高い比誘電率を有す
る誘電体(以下、外部加熱用誘電体ともいう。)を前記
開口容器外面の少なくとも一部に接触させ、当該誘電体
を同時にマイクロ波加熱することを最大の特徴とする。
外部加熱用誘電体を開口容器に接触させて、これを合わ
せてマイクロ波加熱することにより、外部加熱用誘電体
から発生した熱を液体試料に伝え、液体試料の量が少な
くなっても溶媒等を蒸発させ続けることが可能となる。
【0021】外部加熱用誘電体は、その比誘電率が前記
開口容器の構成材料よりも高い誘電体であれば特に限定
されないが、その加熱効果の点から、比誘電率が20以
上の誘電体であるのが好適である。好適に使用できる外
部加熱用誘電体を、具体的に例示すれば、液体試料の好
適な溶媒若しくは分散媒として例示したものと同じもの
の他、酸化チタン(εr=80)、チタン酸バリウム
(εr=1700)等が挙げられる。
【0022】本発明の濃縮方法においては、液体試料か
ら一旦蒸発した溶媒若しくは分散媒を凝縮させ、得られ
た凝縮液を外部加熱用誘電体として使用することもでき
る。該凝縮液を外部加熱用誘電体として使用するには、
例えば有蓋容器の内部に、液体試料を保持した開口容器
を配置し、前記有蓋容器の上部内壁面でマイクロ波加熱
によって発生した溶媒若しくは分散媒の蒸気を凝縮さ
せ、壁面を通じて凝縮液を有蓋容器下方の前記開口容器
との間の空間に導き、凝縮液が開口容器の外面に接触す
るようにすればよい。
【0023】上記有蓋容器においては、液体試料を保持
した開口容器を出し入れすることができるように蓋は取
り外しできるようになっていると共に、加熱によりガス
発生したり内部のガスの膨張により加圧状態になるのを
避け、外部と均圧を保つため、或いは溶媒若しくは分散
媒の蒸発を促進するために内部のガスを吸引排気するた
めの排気孔が設けられているのが好ましい。また、吸引
排気する場合には、内部が過度の減圧状態になら無い様
にするために、大気若しくは外部から供給される不活性
ガス等のガスを有蓋容器内に導入するためのガス導入孔
が設けられているのが好適である。なお、ガス導入孔お
よび排気孔の両方を有する場合には、ガス導入孔から不
活性ガス等を外部から強制的に導入し有蓋容器内のガス
を排気孔から排気しても上記吸引排気と同様の効果を得
ることができる。
【0024】上記有蓋容器の材質は特に限定されない
が、前記したのと同じ理由により、開口容器と同様の材
質であるのが好適である。また、大きさは特に限定され
ないが、蓋の形状は、蓋の内面で凝縮したにできる凝縮
液が開口容器内部にもどらず、蓋の側面をつたって有蓋
容器の底つまり開口容器の外側を包むように溜まるよう
にするために、例えばドーム型の形状をしているのが望
ましい。更に、外部加熱効果を高めるために、その内底
部に前記開口容器を載置した際にできる、有蓋容器内面
と開口容器外面との間の空間容積が、有蓋容器容積に対
し特に20〜30%となるような大きさでかつ開口容器
の高さはこの空間に溜まる凝縮液が開口容器内流入しな
い高さであるのが好適である。
【0025】本発明の濃縮方法は、前記した本発明のマ
イクロ波加熱装置を用いて好適に行なうことができる。
以下に、図を参照して本発明のマイクロ波加熱装置を用
いた濃縮操作につて詳しく説明する。
【0026】図1は、代表的な本発明のマイクロ波加熱
装置1の該略図である。該マイクロ波加熱装置1は、
液体試料2を保持した開口容器3をその内部に配置する
ための有蓋容器4と、該有蓋容器を保持するための容
器保持室5を有する装置本体(オーブン)6と、前記
容器保持室5に配置された有蓋容器4内の液体試料2及
び該有蓋容器内面と前記開口容器外面との間の空間(以
下、外部加熱用誘電体保持空間ともいう。)に存在する
凝縮液8をマイクロ波加熱するためのマイクロ波発生手
段7とを有する。
【0027】上記有蓋容器4は、容器本体4aと蓋4b
からなっており、該蓋4bを開閉することによって容器
本体4a内部に開口容器3を設置できるようになってい
る。なお、容器本体には、開口容器3が転倒するのを防
止するために開口容器3が嵌合する凹部、或いは転倒防
止壁等の固定手段を有するのが好適である。また、有蓋
容器本体4aと開口容器3とが一体となるように成型し
たものを使用することもできる。
【0028】また、該蓋4bには、ガス導入孔4d及び
ガス排出孔4eが設けられている。ガス導入孔4dには
汚染を防止するフィルターを取り付けたり清浄な不活性
ガス源に接続したりすることもできる。そして、ガス排
出孔4eに接続した排気管9(該排気管9は、装置本体
6を貫通して装置外部に延出している。)を介して前記
有蓋容器4内のガスを装置外部に真空ポンプやアスピレ
ーター等の排気手段(図示しない)によって吸引排出す
ると共に前記ガス導入孔4dから外気或いは不活性ガス
を該有蓋容器内に導入する(ガス置換法A)か、又は前
記ガス導入孔4dに該導入孔4dを貫通しないように接
続された配管(図示しない)を介して前記有蓋容器4内
に外気或いは不活性ガスを供給すると共に前記ガス排出
孔4eに接続した排気管9を介して該有蓋容器内のガス
を装置外部に排出する(ガス置換法B)ことによって前
記有蓋容器内のガスを置換することができるようになっ
ている。この時排気ガス中に酸やアルカリミストなどが
含まれている場合には、排気ガスを水などに吸収させ、
中和処理すればよい。
【0029】なお、上記ガス置換法Bを採用する場合、
ガス導入孔4dを貫通した配管を用いて開口容器近傍で
ガスを吹き込んだ場合には、溶媒等の蒸気が凝縮しない
で系外に排出されてしまい、凝縮液を外部加熱用誘電体
とする本発明の濃縮方法を行なうことができなくなるの
で注意する必要がある。
【0030】また、装置本体6は扉(図示しない)を有
しており、これを開閉して有蓋容器4を容器保持室5に
設置できるようになっている。
【0031】なお、図1ではマイクロ波発生手段7が容
器保持室5の天井部に配置され、マイクロ波10が上方
から照射される態様を示したが、導波管を介してマイク
ロ波を溶液試料等に照射できるので、その位置は任意に
変更できる。
【0032】濃縮に際しては、先ず、液体試料2を保持
した開口容器3をその有蓋容器4内に設置した後、これ
を装置本体6の容器保持室5に設置し、必要に応じて前
記ガス置換方A又はBを行ないながら液体試料2および
外部加熱用誘電体保持空間にマイクロ波発生手段7で発
生させたマイクロ波を照射すればよい。マイクロ波の照
射によって溶液試料は発熱し、溶媒が気化しその蒸気は
上部に導かれる。有蓋容器4は、それ自体は発熱しにく
く、また十分な高さを有しているので、その上方部が液
体試料から発生した溶媒若しくは分散媒の蒸気を凝縮さ
せるための蒸気凝縮部4cとなり、凝縮液は自然に壁面
を伝って下方部の開口容器3との間の空間に集まる。集
まった凝縮液8(即ち、外部加熱用誘電体)はマイクロ
波加熱されて発熱し、発生した熱は熱伝導により開口容
器を介して溶液試料に伝えられ、濃縮効率が低下するこ
と無く、例えば、乾固するまで濃縮を行なうことができ
る。
【0033】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため以下実施
例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0034】実施例1 図1に示すのと同じ構造のマイクロ波加熱装置を用い
て、ベリリウムが1ppb溶解した水溶液の濃縮を行な
った。なお、濃縮は、内容積23mlのテフロン(登録
商標)製の開口容器に、試料溶液10mlを入れ、これ
をテフロン製の有蓋容器に配置し、マイクロ波加熱装置
にセットした後、2450MHz(出力300Wに設
定)の周波数を使って1時間加熱した。なお、加熱中は
排気管から排気速度10l/minの真空ポンプを用い
て吸引を行なった。この時ガス通気孔にはテフロンフィ
ルターを接続し、排気したのと同量のフィルターろ過さ
れた大気が導入されるようにしておいた。もちろんあら
かじめ操作中の大気からベリリウムの混入がないことを
確認している。
【0035】加熱処理後有蓋容器内を観察したところ、
開口容器との間に水が溜まっていた。また、溶液試料の
溶媒は完全になくなっており、ピペットでは吸引できな
かった。その後、開口容器を取り出し、乾固物に1%硝
酸0.5mlを加え溶液として回収した。この溶液を誘
導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)により分析
を行なったところ、ベリリウム濃度は20ppbであ
り、1ppb水溶液が10mlから0.5mlへと20
倍濃縮した操作中にベリリウムの消失はなく、溶液が乾
固されていることが確認された。
【0036】比較例1 実施例1において、加熱中に吸引を行なう代わりに、ガ
ス導入孔からガス導入管をその先端が有蓋容器底部近傍
にくるように貫入し、窒素ガスを約0.2/min.の流速
で導入する他は実施例1と同様にして濃縮を行なった。
【0037】加熱処理後有蓋容器内を観察したところ、
開口容器との間に凝集液は溜まっていなかった。また、
開口容器内に溶液試料が残存しておりその量をピペット
で吸引して確認したところ約0.5mlであり、0.5
ml溶液で回収する操作では大きな誤差をもって測定し
なけらばならないことがわかった。
【0038】比較例2 加熱時間を4時間とする他は比較例1と同様にして加熱
を行なった。加熱処理後有蓋容器内を観察したところ、
開口容器内には溶液試料が約0.25ml残存してい
た。
【0039】比較例3 開口容器を内部に入れず、有蓋容器のみでさらに上蓋を
外してマイクロ波で濃縮を行った。4時間加熱したが、
溶液試料が約0.5ml残存していた。
【0040】
【発明の効果】本発明の濃縮方法によれば、水溶液や懸
濁液等の液体試料について外部からの汚染を受けること
無く、簡便に短時間で溶媒若しくは分散媒を蒸発させて
除去し、溶質又は懸濁物を濃縮することができる。しか
も、従来のマイクロ波加熱を利用した濃縮方法では、溶
媒等の量の減少と共に濃縮効率が低下し、高倍率の濃縮
を行なうのが困難であったのに対し、本発明の濃縮方法
では、このような濃縮効率の低下が起こらない。したが
って、本発明の濃縮方法は、微量分析を行なう際のプレ
コンセントレーション法として好適に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本図は、代表的な本発明のマイクロ波加熱装
置の概略図である。
【符号の説明】
1・・・マイクロ波加熱装置 2・・・溶液試料 3・・・開口容器 4・・・有蓋容器 4a・・・・容器本体 4b・・・・蓋 4c・・・・蒸気凝縮部 4d・・・・ガス導入孔 4e・・・・ガス排出孔 5・・・容器保持室 6・・・装置本体 7・・・マイクロ波発生手段 8・・・凝縮液 9・・・排気管 10・・マイクロ波

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口容器の内部に保持された液体試料で
    あって、該開口容器の構成材料よりも高い比誘電率を有
    する誘電体からなる溶媒若しくは分散媒に濃縮目的物で
    ある物質が溶解若しくは懸濁した液体試料をマイクロ波
    加熱して該液体試料の溶媒若しくは分散媒を蒸発させて
    除去することにより前記濃縮目的物を濃縮する方法にお
    いて、液体試料をマイクロ波加熱する際に、前記開口容
    器の構成材料よりも高い比誘電率を有する誘電体を前記
    開口容器外面の少なくとも一部に接触させ、当該誘電体
    を同時にマイクロ波加熱することを特徴とする前記液体
    試料の濃縮方法。
  2. 【請求項2】 ガス導入孔及びガス排出孔を有する有蓋
    容器の内部に、液体試料を保持した開口容器を配置し、
    前記有蓋容器内面と該開口容器外面との間の空間に、前
    記開口容器の構成材料よりも高い比誘電率を有する誘電
    体を前記開口容器外面の少なくとも一部と密接するよう
    に介在させ、該誘電体を液体試料と同時にマイクロ波加
    熱することを特徴とする請求項1に記載の濃縮方法。
  3. 【請求項3】 マイクロ波加熱中に前記ガス排出孔から
    吸引するか又は前記ガス導入孔からガスを導入するかし
    て前記有蓋容器内のガスを排出すると共に、マイクロ波
    加熱によって蒸発した溶媒若しくは分散媒の少なくとも
    一部を凝縮させ、得られた凝縮液を有蓋容器内面と開口
    容器外面との間の空間に該開口容器外面の少なくとも一
    部と密着するように介在させることを特徴とする請求項
    2に記載の濃縮方法。
  4. 【請求項4】 液体試料を保持した開口容器をその内部
    に配置するための有蓋容器であって、ガス導入孔及びガ
    ス排出孔、前記液体試料から発生した溶媒若しくは分散
    媒の蒸気を凝縮させるための蒸気凝縮部、並びに該蒸気
    凝縮部で凝縮した凝縮液を集めて該凝縮液が前記開口容
    器外面に接触するように保持する凝縮液保持部を有する
    有蓋容器と、該有蓋容器を保持するための容器保持室を
    有する装置本体と、前記容器保持室に配置された有蓋容
    器内の液体試料及び該有蓋容器内面と前記開口容器外面
    との間に存在する凝縮液をマイクロ波加熱するためのマ
    イクロ波発生手段とを有することを特徴とするマイクロ
    波加熱装置。
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