JP2003010666A - 二軸同方向回転押出機及びそれを用いた混練方法 - Google Patents

二軸同方向回転押出機及びそれを用いた混練方法

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JP2003010666A
JP2003010666A JP2001205614A JP2001205614A JP2003010666A JP 2003010666 A JP2003010666 A JP 2003010666A JP 2001205614 A JP2001205614 A JP 2001205614A JP 2001205614 A JP2001205614 A JP 2001205614A JP 2003010666 A JP2003010666 A JP 2003010666A
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zone
screw
kneading
thermoplastic resin
carbon dioxide
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Yoshio Ota
佳生 大田
Shinya Kawazoe
慎也 河添
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の溶融混練中に二酸化炭素を注
入して溶融樹脂粘度を低減させ、剪断発熱を抑制するこ
とで、熱可塑性樹脂の混練工程における熱劣化による変
色、炭化を抑制し、色目が良いと共に、引張強度、引張
伸びの物性の良い熱可塑性樹脂混練物を得るのに適した
二軸同方向回転押出機を提供する。 【解決手段】 ギアボックスの比トルクが150N・m
/cm3〜400N・m/cm3で、第一混練ゾーンのス
クリュ構成が、最も高い圧力ピーク値を示すAゾーン
と、Aゾーンのピーク値より低い圧力ピーク値を示すC
ゾーンと、AゾーンとBゾーンの圧力ピーク間の谷部と
なるBゾーンとが、押出方向に沿ってAゾーン、Bゾー
ン、Cゾーンの順に並ぶ構成で、しかもBゾーンに二酸
化炭素を注入する注入装置を有する二軸同方向回転押出
機とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、混練後の分子量の
低下が少なく、色目が良いと共に、引張強度、引張伸び
の物性の良い熱可塑性樹脂混練物を得ることができる二
軸同方向回転押出機及びそれを用いた混練方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の混練工程における
熱劣化による変色、炭化を抑制することにより、色調及
び外観を改善し、かつ耐熱性及び機械物性を保った熱可
塑性樹脂混練物を得るために、熱可塑性樹脂の溶融混練
中に二酸化炭素を注入して溶融樹脂粘度を低減させ、剪
断発熱を抑制することが知られている(特開平11−2
92981号公報)。
【0003】また、二酸化炭素などの不活性ガスを発泡
ガスとして溶融原料に混練して発泡成形体を成形するに
際し、シリンダー内に発泡ガスを導入するためのガスポ
ートと、シリンダーに原料を供給するためのホッパーと
の間に、原料を溶融混練するための混練部と、溶融原料
に発泡ガスを混練するための発泡部との間を気密に区画
するためのシールリングを有し、しかもガスポート付近
のスクリュ溝が混練部のスクリュー溝より深い押出機を
用いることも知られている(特開2000−52408
号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平11−292981号公報は、熱劣化による変色、
炭化を二酸化炭素を用いて抑制するに際し、どのような
押出機を用いることが最も効果的であるかについては全
く開示していない。
【0005】また、前記特開平2000−52408号
公報は、基本的には発泡ガスを溶融原料に混合する技術
を開示しているに過ぎないもので、発泡ガスの注入によ
る混練工程の改善を目的としたものではない。また、こ
の公報は、二酸化炭素がホッパー側に逆流しないように
シールリング(バリスターリング)を設けることと、二
酸化炭素の注入圧力を低くすることができるよう、ガス
ポート付近のスクリュ溝を混練ゾーンのスクリュ溝より
深くすることを開示している。しかし、シールリングだ
けでは、二酸化炭素の逆流を十分防止しにくいと共に、
上記スクリュ溝の深さを変えることは、booy(po
lymer・engineering・and・sci
ence・P1220・1980、Vol.20、N
o.18)の式から明らかなように、二軸同方向回転押
出機では実現できない技術である。
【0006】本発明は、熱可塑性樹脂の溶融混練中に二
酸化炭素を注入して溶融樹脂粘度を低減させ、剪断発熱
を抑制することで、熱可塑性樹脂の混練工程における熱
劣化による変色、炭化を抑制し、色目が良いと共に、引
張強度、引張伸びの物性の良い熱可塑性樹脂混練物を得
るのに適した二軸同方向回転押出機及びそれを用いた混
練方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このために、本発明の第
1は、ギアボックスの比トルクが150N・m/cm 3
〜400N・m/cm3で、第一混練ゾーンのスクリュ
構成が、最も高い圧力ピーク値を示すAゾーンと、Aゾ
ーンのピーク値より低い圧力ピーク値を示すCゾーン
と、AゾーンとBゾーンの圧力ピーク間の谷部となるB
ゾーンとが、押出方向に沿ってAゾーン、Bゾーン、C
ゾーンの順に並んだ2山の圧力分布を呈する構成となっ
ており、しかもBゾーンに二酸化炭素を注入する注入装
置を有することを特徴する二軸同方向回転押出機を提供
するものである。
【0008】上記本発明の第1は、AゾーンとCゾーン
の両者のスクリュが、ニュ−トラルディスクと、−20
00〜−400の無次元圧力勾配値をもつスクリュエレ
メントとをそれぞれ1個以上備えた構成となっており、
Bゾーンのスクリュが、スクリュ長さがスクリュ径の1
〜10倍でかつ羽幅がスクリュ径の0.05倍以上0.
5倍未満のニーディングディスクライト、及び/又は、
無次元圧力勾配値が0以上の右回りスクリュから構成さ
れていることをその好ましい態様として含むものであ
る。
【0009】また、本発明の第2は、上記本発明の第1
に係る二軸同方向回転押出機を用い、熱可塑性樹脂を、
注入装置から二酸化炭素を注入しながら可塑化混練する
ことを特徴とする混練方法を提供するものである。
【0010】上記本発明の第2は、熱可塑性樹脂が、結
晶性熱可塑性樹脂であること、無次元押出量を0.00
25〜0.020に設定し、スクリュ回転数を50rp
m〜600rpmに設定し、第一混練ゾーンのバレル設
定温度を結晶性熱可塑性樹脂の融点+30℃〜100℃
に設定し、バレルの指示温度を設定温度に対して−20
℃〜+30℃に制御し、二酸化炭素を1〜15MPaの
注入圧力で注入すること、Cゾーンより下流側における
圧力を0〜2MPaとすること、結晶性熱可塑性樹脂
が、粘度平均分子量30万以上の高密度ポリエチレン又
はその組成物であること、結晶性熱可塑性樹脂が、粘度
平均分子量10万以上のポリプロプレン又はその組成物
であること、結晶性熱可塑性樹脂が、重量平均分子量1
0万以上のポリオキシメチレン又はその組成物であるこ
と、押し出された結晶性熱可塑性樹脂の二酸化炭素によ
る発泡倍率を10倍未満とすること、をその好ましい態
様として含むものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に、図面
を用いて説明する。
【0012】本発明の一例に係る二軸同方向回転押出機
の概略を図1に示す。図1中において、1は押出機、2
はホッパー、3は第一混練ゾーン、4はダイ部、5は注
入装置、6はポンプ、7は二酸化炭素ボンベ(液化炭酸
ガスボンベ)、8は押出機のギアボックスである。
【0013】本発明の二軸同方向回転押出機は、既存の
二軸同方向回転押出機をベースとして、これを改造する
ことで容易に得られるもので、このベースとなる二軸同
方向回転押出機としては、例えばワーナー&フライドラ
ー社(ドイツ)製のZSKシリーズ、東芝機械社製のT
EMシリーズ、日本製鋼所社製TEXシリーズなどを挙
げることができる。
【0014】本発明におけるギアボックス8の比トルク
(ST)は、下記式から計算される値をいう。
【0015】ST=GT/FV GT:ギアボックストルク(N・m) FV:二軸同方向回転押出機スクリュの軸間距離Lの3
乗(cm3
【0016】上記STは、150N・m/cm3〜40
0N・m/cm3であることが必要で、160N・m/
cm3〜350N・m/cm3であることが好ましく、さ
らに好ましくは170N・m/cm3〜300N・m/
cm3である。STが150N・m/cm3未満である
と、バレル温度を下げ、熱劣化を抑制しやすい混練を行
うことができずない。また、STが400N・m/cm
3より大きい場合は、ギアボックスの強度上、製作が困
難となる。
【0017】本発明における第一混練ゾーン3とは、ホ
ッパー2から供給される熱可塑性樹脂が可塑化されるゾ
ーンをいう。この第一混練ゾーン3の長さは、スクリュ
径D(図3〜5参照)の5〜20倍程度であることが好
ましい。
【0018】図2は、上記第一混練ゾーン3における圧
力分布を示す図である。図示されるように、本発明にお
ける第一混練ゾーン3は、最も高い圧力ピーク値を示す
Aゾーンと、Aゾーンのピーク値より低い圧力ピーク値
を示すCゾーンと、AゾーンとBゾーンの圧力ピーク間
の谷部となるBゾーンとが、押出方向に沿ってAゾー
ン、Bゾーン、Cゾーンの順に並んだ2山の圧力分布を
呈するものとなっている。
【0019】上記第一混練ゾーン3における圧力分布
は、当該第一混練ゾーン3のスクリュ構成によってもた
らされるもので、このスクリュ構成に基づく圧力分布
は、特開平9−29819号公報に記載の技術を使って
求めることができる。この圧力分布の計算は、ニュート
ニアン流体の溶融粘度は10000×EPX(−0.0
1×樹脂温度)Pa、比熱0.5kcal/kg℃、B
ゾーンのガス圧力は大気圧(0.103MPa)、バレ
ル温度180℃、無次元押出量0.01、スクリュ回転
数5rps、密度1000kg/m3の条件で計算す
る。また、第一混練ゾーンのバレル温度は、結晶性熱可
塑性樹脂の場合融点、非晶性熱可塑性樹脂の場合はガラ
ス転移点とする。
【0020】ホッパー2から供給された熱可塑性樹脂
は、第一混練ゾーン3のAゾーンで溶融され、Bゾーン
で二酸化炭素が注入され、Cゾーンで溶融樹脂と二酸化
炭素が混合されることになる。AゾーンとCゾーンに
は、Bゾーンで注入される二酸化炭素をシールする役割
もある。Bゾーンの特徴は、圧力(溶融樹脂の圧力)が
上がらないゾーンとなっていることで、本発明の押出機
1は、このBゾーンに二酸化炭素を注入する注入装置5
を有する。Bゾーンは、圧力が上がらないスクリュ構成
のため、注入装置5による二酸化炭素の注入が容易にな
る。Bゾーンの圧力が高いと、この圧力に抗してより高
圧で二酸化炭素を注入しなければならなくなるため、C
ゾーンのシールが破れやすくなる。また、Bゾーンの圧
力が高いと、二酸化炭素を注入する前に、二酸化炭素を
注入するための注入装置5のノズル孔に溶融樹脂が漏れ
込み、ノズル孔が詰まるトラブルを生じやすくなる。
【0021】AゾーンとCゾーンのスクリュ構成は、そ
れぞれ、ニュートラルディスクを少なくとも1個以上
と、無次元圧力勾配値が−2000〜−400のスクリ
ュエレメントを少なくとも1個以上とを組み合わせたも
のであることが好ましい。この組み合わせによると、A
ゾーンとCゾーンを、圧力が高く、広いゾーンとするこ
とができ、シール性を向上させやすくなる。上記無次元
圧力勾配値は、−1500〜−400であることがより
好ましく、更に好ましくは−1000〜−420であ
る。無次元圧力勾配値が−400より大きい(0に近く
なる)と二酸化炭素のシールが不十分になりやすく、−
2000より小さいとシェア発熱が大となり、熱劣化を
生じやすくなる。
【0022】AゾーンとCゾーンに用いる前記ニュート
ラルディスクとしては、図3に示される捻れ角度θが9
0度のニーディングディスクでが好ましい。このニィー
ディングディスクの羽の数は5枚が好ましく、スクリュ
長さLはスクリュ径D(羽の長軸方向)の0.5〜1.
5倍の範囲が好ましい。
【0023】AゾーンとCゾーンに用いる、前記無次元
圧力勾配値が−2000〜−400のスクリュエレメン
トとしては、図4に示される逆ネジスクリュ又は図5に
示されるバリスターリングが好ましい。図4の逆ネジス
クリュのスクリュピッチPは、スクリュ径Dの0.25
〜1倍の範囲であることが好ましい。また、図5のバリ
スターリングのスクリュ長さLは、スクリュ径D(長径
部)の0.3〜1.0倍の範囲が好ましく、スクリュ
(長径部)とバレル隙間は、スクリュ径Dの0.025
〜0.05倍の範囲が好ましい。
【0024】なお、無次元圧力勾配値は、スクリュ軸方
向、半径方向の二次元の圧力分布計算法で得られるスク
リュ軸方向の無次元圧力勾配の値で、無次元押出量が
0.01(後述する好ましい無次元押出量の範囲である
0.0025〜0.020の中間値)の時の値である。
また、無次元押出量は、次式によって計算することがで
きる。但し、DLQは無次元押出量、Qは押出量(m3
/h)、Dはスクリュ径(m)、nはスクリュ回転数
(rps)である。
【0025】DLQ=(Q/3600)/(D×D×
D)/(2×3.14×n)
【0026】Bゾーンのスクリュは、図3において、ス
クリュ長さLがスクリュ径D(羽の長軸方向)の1〜1
0倍で、かつ羽幅Hbがスクリュ径Dの0.05倍以上
0.5倍未満のニーディングディスクライト、及び/又
は、無次元圧力勾配値が0以上の右回りスクリュから構
成されていることが好ましい。
【0027】AゾーンとCゾーンには、それぞれ、前述
した2種類のスクリュエレメントを1個ずつ以上用いる
ことが好ましいが、この前述した2種類のスクリュエレ
メントに加えて組み合わせることが可能なスクリュエレ
メントとしては、右向きのニーディングディスク(図5
のニーディングディスクの捻れ角度θが15〜75度の
もの)、送りのスクリュ(図3の逆ネジとネジが反対方
向のスクリュエレメント)を挙げることができる。
【0028】本発明の混練方法は、上述のギアボックス
8の比トルクと、第一混練ゾーン3のスクリュ構成と、
注入装置5とを有する二軸同方向回転押出機を用い、熱
可塑性樹脂を、注入装置5から二酸化炭素を注入しなが
ら可塑化混練する方法である。
【0029】本発明における混練対象である熱可塑性樹
脂とは、熱可塑性樹脂及びその組成物を意味する。ま
た、熱可塑性樹脂は、非晶性熱可塑性樹脂でも結晶性熱
可塑性樹脂でもよいが、本発明の混練方法は、結晶性熱
可塑性樹脂に適している。非晶性熱可塑性樹脂とは、非
晶性熱可塑性樹脂及びその組成物を意味し、結晶性熱可
塑性樹脂とは、結晶性熱可塑性樹脂及びその組成物を意
味する。また、本発明で混練対象とする結晶性熱可塑性
樹脂は、一旦融点以上に加熱して冷却た後でも融点が消
失せずに維持される結晶性熱可塑性樹脂である。
【0030】本発明において、注入装置5で注入する二
酸化炭素は、通常、ガス状体で供給されるが、液化状態
で供給することもできる。
【0031】本発明の混練方法においては、無次元押出
量DLQを0.0025〜0.02の範囲とすることが
好ましく、より好ましくは0.002〜0.017の範
囲とすることであり、更に好ましくは0.002〜0.
015の範囲とすることである。無次元押出量DLQが
0.002より小さいと、溶融樹脂の剪断発熱が大きく
なって、加熱劣化を生じやすくなり、無次元押出量DL
Qが0.02より大きいと、押出負荷が上がり、ベント
アップなどを生じやすくなる。
【0032】本発明の混練方法におけるスクリュ回転数
は、50〜600rpmの範囲とすることが好ましく、
より好ましくは75〜500rpmの範囲とすることで
あり、更に好ましくは100〜500rpmの範囲とす
ることである。スクリュ回転数が50rpm未満である
と良好な生産性が得にくく、600rpmより高いと剪
断発熱で加熱劣化を生じやすくなる。
【0033】本発明の混練方法において、第一混練ゾー
ン3のバレル設定温度は、混練対象が結晶性熱可塑性樹
脂である場合、結晶性熱可塑性樹脂の融点+30℃〜1
00℃に設定するのが好ましく、更に好ましくは融点+
40℃〜70℃の範囲である。この融点とは、示差走査
式熱容量測定装置で測定した融点をいう。また、第一混
練ゾーン3のバレル指示温度を、バレル設定温度に対し
て−20℃から+30℃未満に制御することが好まし
い。このバレル指示温度の制御は、確実な温度制御を可
能にするために、第一混練ゾーンのバレルを冷却液で冷
却することで行うことが好ましい。第一混練ゾーン3の
バレルの冷却は、温調した(通常50℃程度)押出機バ
レル温調用循環水を用いて行うこともできるが、第一混
練ゾーン3のバレル指示温度の制御専用に、−20〜2
0℃の範囲で温調出来る冷却液を用意して行うことが好
ましい。冷却液としては、温調範囲が5〜20℃の範囲
である場合は純水が好ましく、温調範囲が−20〜5℃
の範囲である場合は、メタノールと純水を混合した混合
水が好ましい。特に高分子量の結晶性熱可塑性樹脂を混
練する場合には、溶融樹脂温度に伴う分子量低下を防止
する上で、バレル設定温度を融点+40〜70℃に設定
し、バレル指示温度が設定値とほぼ同じ値になるように
バレル冷却を強化することが好ましい。
【0034】尚、バレル設定温度とは、バレル温度を制
御する温度制御装置の設定温度であり、バレル指示温度
とは、測定されるバレルの温度である(通常温度制御装
置に表示される)。
【0035】注入装置5によって前記Bゾーンで注入さ
れる二酸化炭素の注入圧力は、二酸化炭素の確実な注入
と設備的負担の軽減の観点から、1〜15MPaの範囲
であることが好ましく、より好ましくは1〜12MPa
の範囲であり、更に好ましくは1〜8MPaの範囲、最
適には1〜4MPaの範囲である。
【0036】本発明において、押し出された混練物の二
酸化炭素による発泡倍率は、10倍未満であることが好
ましく、より好ましくは8倍未満であり、更に好ましく
は3倍未満である。発砲倍率を上げると強度が低下しや
すくなる。
【0037】本発明における熱可塑性樹脂としては、例
えばポリオレフィン系樹脂(高密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重
合体、エチレン・αオレフィン共重合体等)、ホモポリ
オキシメチレン、ポリオキシメチレンコポリマー、ポリ
フェニレンスルヒド、シンジオタクチックポリスチレ
ン、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、芳
香族ポリアミド、芳香族・脂肪族ポリアミド共重合体
等)、ポリエステル系樹脂(ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリフェニレン
エーテル、ポリカーボネイト、ポリスチレン系樹脂、水
素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素添
加スチレン・イソプレンブロック共重合体等を挙げるこ
とができる。この中で高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリオキシメチレン、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂等の結晶性熱可塑性樹脂が好ましい。結晶
性熱可塑性樹脂の中でも、、低融点結晶性熱可塑性樹脂
は、同一圧力下では、加工温度が低く、二酸化炭素の溶
解度が高くなるので特に好ましい。
【0038】上述のように、本発明は結晶性熱可塑性樹
脂に適しており、この結晶性樹脂樹脂は、結晶性熱可塑
性樹脂を連続相として、分散相にポリフェニレンエーテ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン系樹脂、水素添加
スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチ
レン・イソプレンブロック共重合体などを配したもので
あってもよい。
【0039】本発明は、結晶性熱可塑性樹脂の中でも、
熱劣化しやすい粘度平均分子量(Mv)が30万以上の
高密度ポリエチレン又はその組成物、粘度平均分子量
(Mv)が10万以上のポリプロプレン又はその組成
物、重量平均分子量(Mw)が10万以上のポリオキシ
メチレン又はその組成物でも熱劣化を抑制して混練する
ことができ、これらの混練において大きな効果を得るこ
とができる。
【0040】ポリエチレン、ポリプロピレンの粘度平均
分子量(Mv)は、次のようにして求める。すなわち、
溶媒としてテカリンを使用し、測定温度135℃にて
[η]を測定し、ポリエチレンの粘度平均分子量(M
v)は下記式により求める。
【0041】[η]=0.00068×Mv0.67 また、ポリプロピレンの粘度平均分子量(Mv)は下記
式により求める。 [η]=0.00011×Mv0.80
【0042】上記以外の熱可塑性樹脂の分子量は、ゲル
パーミエションクロマトグラフィー(以下GPC)で測
定する。
【0043】本発明で混練対象とする熱可塑性樹脂は、
例えば重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、軟質
炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、クレー、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化マグネ
シウム、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ハイドロタ
ルサイト、針状フィラー(ウオラストナイト、チタン酸
カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セプライト、ゾノ
トライト、ホウ酸アルミニウム)、ガラスビーズ、シリ
カビーズ、アルミナビーズ、カーボンビーズ、ガラスバ
ルーン、金属系導電性フィラー、非金属製導電性フィラ
ー、カーボン、磁性フィラー、圧電・焦電フィラー、摺
動性フィラー、封止材用フィラー、紫外線吸収フィラ
ー、制振用フィラー等とガラスファイバー、炭素繊維、
金属繊維、導電性フィラー(ケッチェンブラック、アセ
チレンブラック)、滴下防止剤(テトラフルオロエチレ
ン,シリコン樹脂)、難燃剤、オイル、安定剤、潤滑
剤、相溶化剤、その他の添加剤を添加したものとするこ
とができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例及び比較例により更に説明す
る。
【0045】まず、実施例及び比較例に使ったスクリュ
エレメントの種類、構成及び無次元圧力勾配値を表1に
示す。表1におけるKRはニーディングディスクライ
ト、KNはニュートラルディスク、KLはニーディング
ディスクレフト、SC−Lは逆回りスクリュ、SCは右
回りスクリュ、BRはバリスターリングである。
【0046】実施例及び比較例に使ったスクリュ構成
と、A〜Cゾーンの区分けと、圧力計算値を表2に示
す。スクリュ径Dは総て25mm、スクリュ構成の長さ
は総てスクリュ径Dの15.36倍、とした。また、表
2における1〜13は、ホッパーからダイ部方向に順
に、設置した順番を示す。第一混練ゾーンの圧力分布
は、前述した圧力分布の計算に従い、表1の無次元圧力
勾配、押出機スクリュ径25mm、押出量17.7kg
/h(無次元押出量0.01より)、スクリュ回転数5
rpsで計算した。表2に示される圧力値(Mpa)
は、Aゾーンは最高圧力値、Bゾーンはガス注入口、C
ゾーンは最高圧力値である。
【0047】押出機は、図1に示されるような二軸同方
向回転押出機(ワーナー・アンド・フライドラー社製
「ZSK−25」、L/D=42、10バレル、比トル
ク=175N・m/cm3)を使い、スクリュ構成を変
えて使用した。
【0048】押出条件は、以下の実施例及び比較例の説
明において特記されていない場合は、熱可塑性樹脂はト
ップからフィードし、供給量は7kg/h、スクリュ回
転数は300rpmとした。二酸化炭素を注入する場
合、Bゾーンから注入し、注入量は0.385kg/
h、注入圧力は4MPaとし、ダイ部にTダイを付け、
厚さ1cm×幅10cmで混練物を吐出させた。
【0049】この吐出された混練物は、Tダイから出て
2秒後に、40℃の冷却水の張ったストランドバスに漬
けて冷却した。この冷却した混練物を粉砕機で砕いて、
直径約3mm未満のペレットにした。このペレットを金
型温度180℃のプレス成形機で圧縮成形し、得られた
圧縮成形物について引張強度、引張伸び、色目を測定し
た。
【0050】引張強度と引張伸びは、1/8インチのダ
ンベルをASTMのD658の金型を使って成形して測
定した。
【0051】色目は、厚み3mmで5cm角のプレート
を圧縮成形で作り、目視判定した。
【0052】重量平均分子量は、GPC装置(Wate
rs社製「ALC/GPC・150−C型」)を使って
測定した。
【0053】発泡倍率は、二酸化炭素を注入して押し出
した樹脂と二酸化炭素を注入せずに押し出した樹脂の密
度を測定し、(二酸化炭素注入なし密度)/(二酸化炭
素注入有り密度)の比で計算した。
【0054】実施例1〜5及び比較例1〜5の測定結果
を表3、実施例6〜実施例10及び比較例6〜比較例9
の測定結果を表4に示す。
【0055】実施例1 スクリュ構成「A」を用い、融点135℃、粘度平均分
子量(Mv)100万の高密度ポリエチレン(HDP
E:三井化学社製「ハイゼックスミリオン145M」)
の粉体をフィーダーに入れ、バレル温度を180℃に設
定し、第一混練ゾーンのバレル冷却バルブを開け、所定
の押出量で押し出し、二酸化炭素は注入圧力3MPa
で、前記規定量を供給した。
【0056】比較例1 実施例1の二酸化炭素フィードを止めた以外は、実施例
1と同じ条件で実施した。
【0057】二酸化炭素を供給していないため、トルク
アップと溶融樹脂温度がアップし、物性も低下した。
【0058】比較例2 実施例1のスクリュ構成を「E」に変えて、その他は実
施例1と同じ条件で実施した。
【0059】Cゾーンのメルトシールが不完全で、溶融
樹脂がTダイから突沸した。
【0060】比較例3 実施例1のスクリュ構成を「F」に変えて、その他は実
施例1と同じ条件で実施した。
【0061】Cゾーンのメルトシールが不完全で、樹脂
がTダイから突沸した。
【0062】比較例4 実施例1の押出機ギアボックストルクの設定最大値を1
00N・m/cm3に設定した以外は、実施例1と同じ
条件で実施した。
【0063】押出機は、トルクオーバーで停止した。回
転数を300rpmから600rpmに上げて、トルク
オーバーを解消した。しかし、Tダイの出口における樹
脂温度は360℃まで上昇し、分子量が低下し、色、物
性も低下した。
【0064】実施例2 実施例1のスクリュ構成を「B」に変えて、その他は実
施例1と同じ条件で実施した。
【0065】実施例3 実施例1のスクリュ構成を「C」に変えて、その他は実
施例1と同じ条件で実施した。
【0066】実施例4 実施例1のスクリュ構成を「D」に変えて、その他は実
施例1と同じ条件で実施した。
【0067】実施例5 実施例1の樹脂100重量部に対し、水素添加スチレン
ブチレンブロック共重合体(シェル社製「G−165
1」)10重量部を添加した以外は、実施例1と同じ条
件で実施した。
【0068】比較例5 実施例5の二酸化炭素フィードを止めた以外は、実施例
5と同じ条件で実施した。
【0069】二酸化炭素を供給していないため、トルク
アップと樹脂温度がアップし、物性も低下した。
【0070】実施例6 実施例1の樹脂100重量部に対し、水素添加スチレン
ブチレンブロック共重合体(HTR:シェル社製「G−
1651」)10重量部とポリフェニレンエーテル(P
PE:η=0.53)10重量部を添加した以外は、実
施例1と同じ条件で実施した。
【0071】比較例6 実施例6の二酸化炭素フィードを止めた以外は、実施例
6と同じ条件で実施した。
【0072】二酸化炭素を供給していないため、トルク
アップと樹脂温度がアップし、物性も低下した。
【0073】実施例7 実施例1の樹脂を粘度平均分子量(Mv)30万の高密
度ポリエチレン(HDPE)とした以外は、実施例1と
同じ条件で実施した。
【0074】比較例7 実施例7の二酸化炭素フィードを止めた以外は、実施例
7と同じ条件で実施した。
【0075】二酸化炭素を供給していないため、トルク
アップと樹脂温度がアップし、物性も低下した。
【0076】実施例8 実施例1の樹脂を粘度平均分子量(Mv)30万のポリ
プロピレン(PP)とした以外は、実施例1と同じ条件
で実施した。
【0077】比較例8 実施例8の二酸化炭素フィードを止めた以外は、実施例
8と同じ条件で実施した。
【0078】二酸化炭素を供給していないため、トルク
アップと樹脂温度がアップし、物性も低下した。
【0079】実施例9 実施例1の樹脂を重量平均分子量(Mw)20万のポリ
オキシメチレンコポリマー(POM)とした以外は、実
施例1と同じ条件で実施した。
【0080】比較例9 実施例9の二酸化炭素フィードを止めた以外は、実施例
9と同じ条件で実施した。
【0081】二酸化炭素を供給していないため、トルク
アップと樹脂温度がアップし、物性も低下した。
【0082】実施例10 実施例1の二酸化炭素注入圧力を8MPaに設定した以
外は、実施例1と同じ条件で実施した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分子量低下が少なく、色目も良好で、引張強度、引張伸
びの物性が良好な混練物を得ることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る押出機の概略を示す説明図
である。
【図2】本発明の押出機における第一混練ゾーンの説明
図である。
【図3】ニーディングディスクの説明図である。
【図4】逆ねじスクリュの説明図である。
【図5】バリスターリングの説明図である。
【符号の説明】
1 押出機 2 ホッパー 3 第一混練ゾーン 4 ダイ部 5 注入装置 6 ポンプ 7 二酸化炭素ボンベ 8 ギアボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 101:12 101:12 C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F070 AC11 AC13 FA01 FC06 4F201 AA05 AA11 AA23 AM27 AR03 AR04 AR17 BA01 BC01 BC02 BC12 BC15 BK02 BK13 BK27 BK31 BK49 4G035 AB34 4G078 AA24 AB05 BA01 BA07 DA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギアボックスの比トルクが150N・m
    /cm3〜400N・m/cm3で、第一混練ゾーンのス
    クリュ構成が、最も高い圧力ピーク値を示すAゾーン
    と、Aゾーンのピーク値より低い圧力ピーク値を示すC
    ゾーンと、AゾーンとBゾーンの圧力ピーク間の谷部と
    なるBゾーンとが、押出方向に沿ってAゾーン、Bゾー
    ン、Cゾーンの順に並んだ2山の圧力分布を呈する構成
    となっており、しかもBゾーンに二酸化炭素を注入する
    注入装置を有することを特徴する二軸同方向回転押出
    機。
  2. 【請求項2】 AゾーンとCゾーンの両者のスクリュ
    が、ニュ−トラルディスクと、−2000〜−400の
    無次元圧力勾配値をもつスクリュエレメントとをそれぞ
    れ1個以上備えた構成となっており、Bゾーンのスクリ
    ュが、スクリュ長さがスクリュ径の1〜10倍でかつ羽
    幅がスクリュ径の0.05倍以上0.5D倍未満のニー
    ディングディスクライト、及び/又、は無次元圧力勾配
    値が0以上の右回りスクリュから構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の二軸同方向回転押出機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の二軸同方向回転
    押出機を用い、熱可塑性樹脂を、注入装置から二酸化炭
    素を注入しながら可塑化混練することを特徴とする混練
    方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、結晶性熱可塑性樹脂で
    あることを特徴とする請求項3に記載の混練方法。
  5. 【請求項5】 無次元押出量を0.0025〜0.02
    0に設定し、スクリュ回転数を50rpm〜600rp
    mに設定し、第一混練ゾーンのバレル設定温度を結晶性
    熱可塑性樹脂の融点+30℃〜100℃に設定し、バレ
    ルの指示温度を設定温度に対して−20℃〜+30℃に
    制御し、二酸化炭素を1〜15MPaの注入圧力で注入
    することを特徴とする請求項3又は4に記載の混練方
    法。
  6. 【請求項6】 Cゾーンより下流側における圧力を0〜
    2MPaとすることを特徴とする請求項5に記載の混練
    方法。
  7. 【請求項7】 結晶性熱可塑性樹脂が、粘度平均分子量
    30万以上の高密度ポリエチレン又はその組成物である
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の混練方法。
  8. 【請求項8】 結晶性熱可塑性樹脂が、粘度平均分子量
    10万以上のポリプロプレン又はその組成物であること
    を特徴とする請求項5又は6に記載の混練方法。
  9. 【請求項9】 結晶性熱可塑性樹脂が、重量平均分子量
    10万以上のポリオキシメチレン又はその組成物である
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の混練方法。
  10. 【請求項10】 押し出された結晶性熱可塑性樹脂の二
    酸化炭素による発泡倍率を10倍未満とすることを特徴
    とする請求項7〜9のいずれかに記載の混練方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7776503B2 (en) 2005-03-31 2010-08-17 Ricoh Company, Ltd. Particles and manufacturing method thereof, toner and manufacturing method thereof, and developer, toner container, process cartridge, image forming method and image forming apparatus
US7879268B2 (en) 2006-11-10 2011-02-01 Ricoh Company Limited Apparatus and method for manufacturing particulate resin
CN112430383A (zh) * 2020-11-19 2021-03-02 中广核俊尔(上海)新材料有限公司 一种高流动增强pet/asa材料及其制备方法

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