JP2003012837A - 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料

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JP2003012837A
JP2003012837A JP2001194295A JP2001194295A JP2003012837A JP 2003012837 A JP2003012837 A JP 2003012837A JP 2001194295 A JP2001194295 A JP 2001194295A JP 2001194295 A JP2001194295 A JP 2001194295A JP 2003012837 A JP2003012837 A JP 2003012837A
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epoxy resin
fiber
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reinforced composite
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Nobuyuki Tomioka
伸之 富岡
Shunsaku Noda
俊作 野田
Hajime Kishi
肇 岸
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂硬化物と強化繊維からなる繊維強化複合材
料が高いねじり強度を示し、とりわけ高弾性率炭素繊維
を用い、その繊維含有率が高い場合において優れた円筒
ねじり強度を発現せしめるための繊維強化複合材料用エ
ポキシ樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグ、さ
らにこれを用いてなる繊維強化複合材料を提供するこ
と。 【解決手段】少なくとも下記の構成成分(A)、
(B)、(C)を含み、かつ構成成分(A)100重量
部に対して構成成分(C)が1〜15重量部の範囲に配
合されてなる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。 (A)平均エポキシ当量が200〜400のエポキシ樹
脂混合物。 (B)硬化剤 (C)1分子内に少なくとも3本以上の分子鎖が分岐す
る原子を少なくとも1個有し、かつ1分子内にエポキシ
樹脂またはその硬化剤と反応しうる官能基を4個以上有
する液状多官能多分岐高分子化合物 また該繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と強化繊
維からなるプリプレグ、さらに該繊維強化複合材料用エ
ポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる繊維強化
複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用途、航
空宇宙用途、一般産業用途に適した繊維強化複合材料、
および、該複合材料を得るためのエポキシ樹脂組成物、
およびプリプレグに関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂とからなる
繊維強化複合材料は、力学特性に優れるため、スポーツ
用途をはじめ、航空宇宙用途、一般産業用途に広く用い
られている。中でも、スポーツ用途では、ゴルフシャフ
ト、釣り竿、テニスやバトミントン等のラケット、ホッ
ケー等のスティックなどが重要な用途となっている。
【0003】これらスポーツ用途では、炭素繊維を強化
繊維とし、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸
させたプリプレグが用いられることが多い。
【0004】プリプレグは、シート状の中間基材であ
り、これを積層体とし、含浸樹脂を加熱により硬化せし
め、繊維強化複合材料とする。
【0005】スポーツ用複合材料、例えば、ゴルフシャ
フト、釣り竿などでは、特に軽量化が要求され、同時に
材料の強度を高めることが強く要求される。そのため
に、強化繊維、特に炭素繊維の強度向上を目的とする研
究開発がなされている。しかしながら、ゴルフシャフト
や釣り竿のような管状積層体における破壊現象を解析し
た結果、強化繊維の強度を向上させるのみでは、材料全
体の強度は十分に高められないことがわかってきた。
【0006】ゴルフシャフトや釣り竿を繊維強化複合材
料で作成する場合、代表的には一方向プリプレグの繊維
方向を、円周方向に対し一定の角度をつけてバイアス層
として数層巻き付け、その上にストレート層として円筒
の長さ方向に一方向プリプレグの繊維方向を配向させた
層を数層巻き付け、円筒状積層物とすることにより構成
することが多い。このような円筒積層構造からなる複合
材料が破壊に至る場合、その破壊様式は材料構成や外力
の作用(曲げ、捻り、衝撃、圧壊など)に依存して変化
する。
【0007】非繊維方向の強度は、マトリックス樹脂の
引張強度と強化繊維とマトリックス樹脂の間の接着強度
に依存し、この値が高いほど特に非繊維方向引張強度を
高めることができるとされてきた。さらに、マトリック
ス樹脂と強化繊維の間の接着力を高めることにより複合
材料の剪断強度も高くなり、静的な強度ばかりではなく
疲労強度や耐衝撃性を高める効果も有するとされてい
る。しかし、円筒積層構造からなる複合材料についての
種々の強度向上には不十分であった。
【0008】また、強靱な繊維強化複合材料を得るため
に、マトリックス樹脂として用いる熱硬化性樹脂の高靭
性化を意図した研究も行われ、従来からゴム、エラスト
マーなどの柔軟性を有するポリマーを添加したり、エン
ジニアリングプラスチックに属する強靱な熱可塑性樹脂
を添加する方法が知られている。例えば、特公昭61−
29613号公報では、エポキシ樹脂混合物に、両末端
にカルボキシル基を有する液状のブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体を含浸したプリプレグが提案されてい
る。しかしながら、こういった手法によれば樹脂粘度の
増加が著しくなり繊維含有率の高い複合材料を得ること
に難点があったり、耐熱性の低下を招くことが多く、種
々の特性バランスに優れた複合材料とはなりにくい。し
かも、円筒積層構造からなる複合材料のねじり強度向上
には不十分であった。
【0009】また、米国特許明細書第6093777号
にはエポキシ当量が150であるエポキシ樹脂に多分枝
高分子化合物を添加することによって樹脂靭性が向上
し、該配合樹脂を用いたプリプレグからなる繊維強化複
合材料平板の破壊靭性が向上することが述べられてい
る。しかし、該特許に記載されている複合材料の繊維含
有率は55重量%と低く、樹脂が多量に含まれる複合材
料についての靱性向上を述べているにすぎない。すなわ
ち、ゴルフシャフトや釣竿のような、非常に軽量ながら
高強度高剛性が要求される高繊維含有率の円筒積層構造
からなる複合材料に関し、円筒ねじり強度向上効果は得
られていない。
【0010】ゴルフシャフト等の繊維強化プラスチック
製管状体を想定したマトリックス樹脂改良に関する従来
技術として、特開平9−85844号公報には、高靭性
樹脂を用いた炭素繊維強化プリプレグを用いてなる管状
体は優れた耐衝撃性を有することが開示されている。し
かしながら、この手段によっても円筒ねじり強度が向上
する効果は得られていない。
【0011】本発明者が鋭意検討した結果、軽量・高剛
性・高強度の要求に対応するため、好ましくは繊維含有
率が60重量%以上、より好ましくは65重量%以上の
炭素繊維強化複合材料について、とりわけ円筒状積層構
造からなる該複合材料が十分なねじり強度特性を発現す
るために、上記の既存の改良手段のみでは依然として不
十分であることがわかった。すなわち、円筒状積層構造
物にねじり応力が加わった場合、内部に発生する応力は
複雑であり、その厳しい応力条件下において、さらに高
い強度発現が要求されている状況にある。特に繊維含有
率が高くなるほど、繊維強化複合材料中の樹脂にかかる
歪みは大きくなる。したがって、材料構成や応力種によ
らず十分な複合材料物性を得るためには、さらに樹脂の
靱性を改良する検討が必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂硬化物
と強化繊維からなる円筒状繊維強化複合材料が高いねじ
り強度を示すこと、とりわけ炭素繊維を用い、その繊維
含有率が高い場合において優れた円筒ねじり強度を発現
せしめることを目的とし、そのための繊維強化複合材料
用エポキシ樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレ
グ、さらにこれを用いて得られる繊維強化複合材料を提
供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維強化複合材
料用エポキシ樹脂組成物は、上記目的を達成するため
に、次の構成を有する。すなわち、少なくとも下記の構
成成分(A)、(B)、(C)を含み、かつ構成成分
(A)100重量部に対して構成成分(C)が1〜15
重量部の範囲に配合されてなる繊維強化複合材料用エポ
キシ樹脂組成物である。 (A)平均エポキシ当量が200〜400のエポキシ樹
脂混合物 (B)硬化剤 (C)1分子内に少なくとも3本以上の分子鎖が分岐す
る原子を少なくとも1個有し、かつ1分子内にエポキシ
樹脂またはその硬化剤と反応しうる官能基を4個以上有
する液状多官能多分岐高分子化合物 さらに本発明は、次の構成を有する。上記エポキシ樹脂
組成物が強化繊維に含浸されてなるプリプレグおよび該
エポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる繊維強
化複合材料である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、特定の平均エポキ
シ当量を有するエポキシ樹脂混合物に特定構造の多官能
多分岐高分子化合物を配合した樹脂組成物が上記目的を
達成する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物とな
り、該樹脂を用いれば、とりわけ繊維含有率の高い円筒
状繊維強化複合材料にねじり応力が負荷される場合に、
優れた強度を発現することを見いだした。以下、構成成
分別に本発明を説明する。
【0015】まず、本発明の繊維強化複合材料用エポキ
シ樹脂組成物の構成成分(A)は、平均エポキシ当量が
200〜400のエポキシ樹脂混合物である。ここで、
エポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ基を有
する化合物を意味する。
【0016】具体的には、ポリオールから得られるグリ
シジルエーテル、活性水素を複数有するアミンより得ら
れるグリシジルアミン、ポリカルボン酸より得られるグ
リシジルエステルや、分子内に複数の2重結合を有する
化合物を酸化して得られるポリエポキシドなどが用いら
れる。
【0017】グリシジルエーテルの具体例としては以下
のようなものが挙げられる。
【0018】まず、ビスフェノールAから得られるビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFから得
られるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルSから得られるビスフェノールS型エポキシ樹脂、テ
トラブロモビスフェノールAから得られるテトラブロモ
ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール
型エポキシ樹脂。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市
販品としては、“エピコート”825(エポキシ当量1
72〜178)、“エピコート”828(エポキシ当量
184〜194)、“エピコート”834(エポキシ当
量230〜270)、“エピコート”1001(エポキ
シ当量450〜500)、“エピコート”1002(エ
ポキシ当量600〜700)、“エピコート”1003
(エポキシ当量670〜770)、“エピコート”10
04(エポキシ当量875〜975)、“エピコート”
1007(エポキシ当量1750〜2200)、“エピ
コート”1009(エポキシ当量2400〜330
0)、“エピコート”1010(エポキシ当量3000
〜5000)(以上、ジャパンエポキシレジン(株)
製)、“エポトート”YD−128(エポキシ当量18
4〜194)“エポトート”YD−011(エポキシ当
量450〜500)、“エポトート”YD−014(エ
ポキシ当量900〜1000)、“エポトート”YD−
017(エポキシ当量1750〜2100)、“エポト
ート”YD−019(エポキシ当量2400〜300
0)、“エポトート”YD−022(エポキシ当量40
00〜6000)、(以上、東都化成(株)製)、“エ
ピクロン”840(エポキシ当量180〜190)、
“エピクロン”850(、エポキシ当量184〜19
4)、“エピクロン”830(エポキシ当量:165〜
185)、“エピクロン”1050(エポキシ当量45
0〜500)、“エピクロン”3050(エポキシ当量
740〜860)、“エピクロン”HM−101(エポ
キシ当量3200〜3900)(以上、大日本インキ化
学工業(株)製)、“スミエポキシ”ELA−128
(エポキシ当量184〜194、住友化学(株)製)、
DER331(エポキシ当量182〜192、ダウケミ
カル社製)等を挙げることができる。ビスフェノールF
型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート”80
6(エポキシ当量160〜170)、“エピコート”8
07(エポキシ当量160〜175)、“エピコート”
E4002P(エポキシ当量610)、“エピコート”
E4003P(エポキシ当量800)、“エピコート”
E4004P(エポキシ当量930)、“エピコート”
E4007P(エポキシ当量2060)、“エピコー
ト”E4009P(エポキシ当量3030)、“エピコ
ート”E4010P(エポキシ当量4400)(以上、
ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン”8
30(エポキシ当量165〜180、大日本インキ化学
工業(株)製)、“エポトート”YDF−2001(エ
ポキシ当量450〜500)、“エポトート”YDF−
2004(エポキシ当量900〜1000)(以上、東
都化成(株)製)などを挙げることができる。ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂の市販品としては、“デナコー
ル”EX-251(ナガセ化成工業製、エポキシ当量189)
を挙げることができる。テトラブロモビスフェノールA
型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート”50
50(ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量
380〜410)、“エピクロン”152(大日本イン
キ化学工業製、エポキシ当量340〜380)、“スミ
−エポキシ”ESB-400T(住友化学工業製、エポキシ当量
380〜420)、“エポトート”YBD-360(東都化成
製、エポキシ当量350〜370)を挙げることができ
る。
【0019】また、フェノールやアルキルフェノール、
ハロゲン化フェノールなどのフェノール誘導体から得ら
れるノボラックのグリシジルエステルであるノボラック
型エポキシ樹脂も円筒ねじり強度を著しく損なわない範
囲で使用できる。ノボラック型エポキシ樹脂の市販品と
しては、“エピコート”152(エポキシ当量172〜
179)、“エピコート”154(エポキシ当量176
〜181)(以上、ジャパンエポキシレジン(株)
製)、DER438(エポキシ当量176〜181、ダ
ウケミカル社製)、“アラルダイト”EPN1138
(エポキシ当量176〜181、チバ社製)、“アラル
ダイト”EPN1139(エポキシ当量172〜179、チバ
社製)、“エポトート”YCPN-702(エポキシ当量200〜2
30、東都化成(株)製)、BREN-105(エポキシ当量262
〜278、日本化薬(株)製)を挙げることができる。
【0020】その他にも、レゾルシンジグリシジルエー
テルである“デナコール”EX-201(ナガセ化成工業製、
エポキシ当量118)、ヒドロキノンジグリシジルエー
テルである“デナコール”EX-203(ナガセ化成工業製、
エポキシ当量112)、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'-
テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテルである
“エピコート”YX4000(ジャパンエポキシレジン(株)
製、エポキシ当量180〜192)、1,6-ジヒドロキシ
ナフタレンのジグリシジルエーテルである“エピクロ
ン”HP-4032H(大日本インキ化学工業製、エポキシ当量
250)、イソシアネート変性エポキシであるXAC4151
(旭化成エポキシ(株)製、エポキシ当量412)、XA
C4152(旭化成エポキシ(株)製、エポキシ当量33
8)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンの
ジグリシジルエーテルである“エポン”HPTレジン1
079(シェル社製、エポキシ当量250〜260)、
トリス(p-ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジ
ルエーテルであるTACTIX 742(ダウケミカル製、エポキ
シ当量150〜157)、テトラキス(p-ヒドロキシフ
ェニル)エタンのテトラグリシジルエーテルである“エ
ピコート”1031S(ジャパンエポキシレジン(株)製、
エポキシ当量196)、グリセリンのトリグリシジルエ
ーテルである“デナコール”EX-314(ナガセ化成工業
製、エポキシ当量145)、ペンタエリスリトールのテ
トラグリシジルエーテルである“デナコール”EX-411
(ナガセ化成工業製、エポキシ当量231)などを挙げ
ることができる。
【0021】グリシジルアミンの具体例としては、ジグ
リシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニ
ルメタンである“スミ−エポキシ”ELM434(住友化学
製、エポキシ当量110〜130)、テトラグリシジル
m-キシリレンジアミンであるTETRAD-X(三菱ガス化学
製、エポキシ当量90〜105)などを挙げることがで
き、円筒ねじり強度を著しく損なわない範囲で使用でき
る。
【0022】さらに、グリシジルエーテルとグリシジル
アミンの両構造を併せ持つエポキシ樹脂として、トリグ
リシジル-m-アミノフェノールである“スミ−エポキ
シ”ELM120(エポキシ当量118、住友化学製)、およ
びトリグリシジル-p-アミノフェノールである“アラル
ダイト”MY0510(チバガイギー社製、エポキシ当
量94〜107)を挙げることができ、円筒ねじり強度
を著しく損なわない範囲で使用できる。
【0023】グリシジルエステルの具体例としては、フ
タル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジ
ルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどを挙
げることができる。
【0024】さらに、これら以外のグリシジル基を有す
るエポキシ樹脂として、トリグリシジルイソシアヌレー
トを挙げることができる。
【0025】分子内に複数の2重結合を有する化合物を
酸化して得られるポリエポキシドとしては、エポキシシ
クロヘキサン環を有するエポキシ樹脂が挙げられ、具体
例としては、ユニオンカーバイド社のERL-4206(エポキ
シ当量70〜74)、ERL-4221(エポキシ当量131〜
143)、ERL-4234(エポキシ当量133〜154)な
どを挙げることができる。さらにエポキシ化大豆油など
も挙げることができる。
【0026】これらエポキシ樹脂の中で、ビスフェノー
ル型2官能エポキシ樹脂を構成成分(A)の主成分とす
ることが、タック性、ドレープ性といったプリプレグの
取り扱い性に優れる上、円筒積層体のねじり強度が高
く、しかも曲げ強度や耐熱性とのバランスに優れるため
好ましい。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂または
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の少なくとも一方を構
成成分(A)100重量部中、50重量部以上含ませる
ことが前記の観点から好ましい。より好ましくは、構成
成分(A)がエポキシ当量1000以下のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂を20〜100重量部、かつ、エポ
キシ当量1000以下のビスフェノールF型エポキシ樹
脂を0〜80重量部含んでなることである。エポキシ当
量が1000を越えるビスフェノールA型エポキシ樹脂
またはビスフェノールF型エポキシ樹脂を構成成分
(A)の50重量部を越える主成分とした場合、プリプ
レグのドレープ性が不足したり、硬化物の耐熱性が不足
しやすいので好ましくない。
【0027】本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂
組成物の構成成分(B)は硬化剤である。硬化剤として
は、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジ
フェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホ
ン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミンのよ
うな活性水素を有する芳香族アミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、
ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4-アミノシ
クロヘキシル)メタン、ポリエチレンイミンのダイマー
酸エステルのような活性水素を有する脂肪族アミン、こ
れらの活性水素を有するアミンにエポキシ化合物、アク
リロニトリル、フェノールとホルムアルデヒド、チオ尿
素などの化合物を反応させて得られる変性アミン、ジメ
チルアニリン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6-トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノールや1−置換イミダ
ゾールのような活性水素を持たない第三アミン、ジシア
ンジアミド、テトラメチルグアニジン、ヘキサヒドロフ
タル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘ
キサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物の
ようなカルボン酸無水物、アジピン酸ヒドラジドやナフ
タレンジカルボン酸ヒドラジドのようなポリカルボン酸
ヒドラジド、ノボラック樹脂などのポリフェノール化合
物、チオグリコール酸とポリオールのエステルのような
ポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体の
ようなルイス酸錯体、芳香族スルホニウム塩などがあげ
られる。構成成分(B)として、少なくともジシアンジ
アミドを構成成分(A)100重量部に対して2〜8重
量部含むと、プリプレグとしてのタック性、ドレープ性
の保存安定性に優れるため好ましい。
【0028】これらの硬化剤には、硬化活性を高めるた
めに適宜硬化助剤を組合わせることができる。好ましい
例としては、ジシアンジアミドに、3-フェニル-1,1-
ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-
ジメチル尿素(DCMU)、3-(3−クロロ−4-メチ
ルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、2,4−ビス
(3,3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘
導体を硬化助剤として組合わせる例、カルボン酸無水物
やノボラック樹脂に第三アミンを硬化助剤として組合わ
せる例などがあげられる。硬化助剤として使用される化
合物は、単独でもエポキシ樹脂を硬化させる能力を持つ
ものが好ましい。
【0029】本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂
組成物の構成成分(C)は、1分子内に少なくとも3本
以上の分子鎖が分岐する原子を少なくとも1個有し、か
つ1分子内にエポキシ樹脂またはその硬化剤と反応しう
る官能基を4個以上有する液状多官能多分岐高分子化合
物である。構成成分(C)は、23℃において液状であ
ると、他の樹脂成分と混合しやすく、また粘度上昇が無
い、あるいは少ないため、樹脂組成物を強化繊維間に十
分に含浸させやすいので好ましい。また、同一分子量の
高分子を同量添加する場合の比較において、樹脂組成物
の粘度増加を抑制する観点から、樹枝状または超分岐高
分子化合物であることが好ましい。これらは、デンドリ
マーあるいはカスケードポリマーとも呼ばれ、コアにあ
たる中心部より放射状に分子鎖が広がる構造を有する。
デンドリマーの大きさを示す概念として世代(ジェネレ
ーション)という用語が用いられることがある。中心部
(コア)に少なくとも三つの分枝をもつ分枝部があり、
そこから次に分枝した部分の末端までが第一世代、さら
にそこから分枝した部分の末端までを第二世代とし、さ
らに、第三世代、第四世代と順次成長させ合成する。デ
ンドリマーとは第一世代以上の大きさを有する樹状化合
物である。デンドリマーの構成及び製造方法は、特表平
6−506501号公報、特表平8−512345号公
報、特公平7−108860号公報、特公平6−701
32号公報、特公平7−57736号公報、特公平7−
57735号公報、特公平7−2840号公報、COMPRE
HENSIVE SUPERMOLECULAR CHEMISTRY(Peramon Press,New
York, Vol.10, 1995, Chapter26)等により公知であ
る。
【0030】構成成分(C)は、構成成分(A)ないし
構成成分(B)と反応しうる官能基を有するが、構成成
分(C)の分子鎖末端に官能基を有することが反応性を
向上させ、構成成分(C)の周囲に存在するマトリック
ス樹脂との結合を高め、複合材料の強度向上に好まし
い。構成成分(C)におけるエポキシ基と反応しうる官
能基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、
アミノ基、第2アミン構造、メルカプト基、エポキシ
基、酸無水物基などを挙げることができる。また、硬化
剤と反応しうる官能基としては、エポキシ基、カルボニ
ル基と共役した二重結合などを挙げることができる。カ
ルボニル基と共役した二重結合は、硬化剤中のアミノ基
やメルカプト基とマイケル付加反応を行う。構成成分
(C)がエポキシ基を末端官能基として有することが、
樹脂組成物の保存安定性の観点から特に好ましい。
【0031】本発明において強化繊維に樹脂組成物を良
好に含浸させるために、構成成分(C)の粘度は23℃
において30000mPa・s以下であることが好まし
く、より好ましくは23℃において20000mPa・
s以下である。
【0032】構成成分(C)の数平均分子量の好ましい
範囲は、1000〜30000であり、より好ましくは
2000〜20000である。数平均分子量が1000
より小さい場合に、複合材料の強度向上効果が乏しくな
ることがあり、また、30000より大きい場合には、
樹脂組成物の粘度が高すぎて取り扱い性が損なわれるこ
とがあるので好ましくない。
【0033】構成成分(C)の配合量(複数種用いる場
合はその合計)は、構成成分(A)100重量部に対し
1〜15重量部であることが重要である。1部より少な
いと強度向上効果が十分に発現されず、15重量部より
多いと耐熱性、樹脂弾性率低下などの弊害が生じる場合
があるので好ましくない。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記構
成成分(A)、(B)、(C)の他に、単官能エポキシ
樹脂、反応性希釈剤、高分子化合物、有機または無機の
粒子などの他成分を配合することができる。
【0035】本発明のエポキシ樹脂組成物に配合する高
分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好適に用いられ
る。熱可塑性樹脂を配合することにより、樹脂の粘度制
御やプリプレグの取扱い性制御あるいはマトリックス樹
脂と強化繊維との接着性改善の効果が増進されるので好
ましい。
【0036】ここで用いる熱可塑性樹脂としては、樹脂
と強化繊維との接着性改善効果が期待できる水素結合性
の官能基を有する熱可塑性樹脂が特に好ましい。
【0037】水素結合性官能基としては、アルコール性
水酸基、アミド結合、スルホニル基などを挙げることが
できる。
【0038】アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂
としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラー
ルなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコ
ール、フェノキシ樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹
脂としては、ポリアミド、ポリイミド、スルホニル基を
有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンを挙げるこ
とができる。ポリアミド、ポリイミドおよびポリスルホ
ンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を
有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置
換基を有してもよい。
【0039】エポキシ樹脂可溶で、水素結合性官能基を
有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニル
アセタール樹脂として、“デンカブチラール”および
“デンカホルマール”(電気化学工業株式会社製)、
“ビニレック”(チッソ株式会社製)、フェノキシ樹脂
として、“UCAR”PKHP(ユニオンカーバイド社
製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト”(ヘンケ
ル白水株式会社製)、“アミラン”CM4000(東レ
株式会社製)、ポリイミドとして“ウルテム”(ジェネ
ラル・エレクトリック社製)、“Matrimid”5
218(チバ社製)、ポリスルホンとして“Victr
ex”(三井東圧化学株式会社製)、“UDEL”(ユ
ニオン・カーバイド社製)を挙げることができる。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物に熱可塑性樹
脂が含有される場合は、熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂1
00重量部に対して1〜20重量部含有することが、エ
ポキシ樹脂組成物に適度な粘弾性を与え、取り扱い性の
良いプリプレグが得られる点で好ましい。1重量部より
少ないと、プリプレグのタック(粘着)性が不足するこ
とがあり、20重量部より多いとプリプレグのドレープ
性が損なわれることがあるため好ましくない。より好ま
しくは1〜10重量部の範囲で含有させるとよい。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物に有機粒子を
配合する場合、有機粒子としては、ゴム粒子および熱可
塑性樹脂粒子を用いることが好ましい。これらの粒子は
樹脂の靭性向上、繊維強化複合材料の耐衝撃性向上の効
果を有するので好ましい。
【0042】ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および
架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合した
コアシェルゴム粒子が好ましく用いられる。
【0043】市販の架橋ゴム粒子としては、カルボキシ
ル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋
物からなるXER−91(日本合成ゴム工業製)、アク
リルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ(日本触媒
製)、YR−500シリーズ(東都化成製)などが挙げ
られる。
【0044】市販のコアシェルゴム粒子としては、例え
ば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重
合物からなる“パラロイド”EXL−2655(呉羽化
学工業製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステ
ル共重合体からなる“スタフィロイド”AC−335
5、TR−2122(武田薬品工業製)、アクリル酸ブ
チル・メタクリル酸メチル共重合物からなる“PARA
LOID”EXL−2611、EXL−3387(Ro
hm & Haas社製)などが挙げられる。
【0045】熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミドあ
るいはポリイミドの粒子が好ましく用いられる。市販の
ポリアミド粒子として、東レ(株)製SP-500、ATOC
HEM社製“オルガソール”等を挙げることができる。
【0046】本発明のエポキシ樹脂組成物に無機粒子を
配合する場合、無機粒子としては、シリカ、アルミナ、
スメクタイト、合成マイカなどを配合することができ
る。これらの無機粒子は、主としてレオロジー制御すな
わち増粘や揺変性付与のために配合される。
【0047】本発明の繊維強化複合材料において、0度
圧縮強度を高めるためには、樹脂と強化繊維の間の接着
性を高めることと共に樹脂組成物の硬化物の弾性率が高
く、引張伸度が大きいことが好ましい。硬化物の曲げ弾
性率は、3.0GPa以上であることが好ましく、3.
2GPa以上であればさらに好ましい。また繊維強化複
合材料の90度引張強度向上のために硬化物の引張伸度
は8%以上であることが好ましく、10%以上であれば
さらに好ましい。
【0048】本発明の繊維強化複合材料に用いる強化繊
維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボ
ロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが用いら
れる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わな
いが、より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るため
に、特に炭素繊維が好ましい。
【0049】炭素繊維フィラメントについてはその断面
形状が、真円状、楕円状、空豆状、三つ葉状など種々用
いることができる。その中にあって、断面形状が実質的
に真円状であることがより好ましい。樹脂を含浸させる
時に、フィラメントの再配列が起り易くなり、炭素フィ
ラメント間への樹脂の浸み込みが容易になるからであ
る。また、真円状であれば、他の形状に比較して材料内
のミクロな応力集中が生じにくく、高強度となりやすい
という利点もある。なお、横断面形状が実質的に真円状
である炭素繊維フィラメントとは、その断面の外接円半
径Rと内接円半径rとの比(R/r)を変形度として定
義した時に、この変形度が1〜1.1のものを云う。
【0050】炭素繊維束の撚り、捩れは、フックドロッ
プ値で定量的に表わすことができる。フックドロップ値
の測定は、次の手順にて行う。すなわち、温度23±2
℃、湿度50±5%の雰囲気中に、炭素繊維束を2時間
放置する。炭素繊維束を1.5mの長さに切り、下部に
100gの荷重をつけ、繊維束を垂直に吊り下げる。一
方、直径1mm、長さ100mmのステンレスワイヤー
の下部20〜30mmを曲げ、そこに、全重量が12g
となるように、荷重を取り付け、上部20〜30mmを
Uの字に曲げた、規定荷重付のフックを用意する。次い
で、このフックの上部のUの字に曲げられた部分を、前
記吊り下げられている繊維束の幅方向の中央に引っ掛
け、フックを落下させる。30分経過後のフックの落下
距離(単位、cm)を、フックドロップ値とする。少な
くとも5回の測定を行い、平均値をとる。撚り、捩れが
あると、この値が小さくなる。
【0051】一般に、炭素繊維束には、その製造工程に
おいて、切れたフィラメントのローラーへの巻きつきな
どの工程トラブルを防ぐため、あるいは後加工工程とし
てのプリプレグ製造工程等において、炭素繊維束供給用
クリール、ガイド、コームで炭素繊維束の広がりを押
え、工程通過性を向上させるために、集束性が付与され
ている。炭素繊維束を集束させる手法としては、繊維束
を構成する多数本のフィラメントに、交絡を付与する方
法、撚りを付与する方法、サイジング剤を付与する方法
がある。なお、撚りを付与した場合は、工程通過後、そ
の撚りを解除する場合がある。
【0052】しかしながら、炭素繊維束に集束性が付与
されると、工程通過性は向上するが、後加工工程におい
ては、その集束性ゆえに、マトリックス樹脂の含浸性が
低下する。また、撚り掛け後撚りを解除する方法では、
炭素繊維束に撚り、捩れが残るため、例えば製造したプ
リプレグが平滑でなく、かつ、表面に凹凸があり、コン
ポジットとしての物性にも悪影響を与える。この集束性
の指標となるのが、フックドロップ値である。フックド
ロップ値を大きくすると、樹脂含浸性、表面平滑性が向
上するが、炭素繊維束供給用クリール、ガイド、コーム
で炭素繊維束が広がり過ぎ、毛羽発生、工程通過性不良
など、トラブルを起こしやすくなる。この点から、炭素
繊維束のフックドロップ値は、好ましくは10cm以上
100cm以下、より好ましくは、12cm以上100
cm以下である。
【0053】本発明の繊維強化複合材料を用いて軽量な
ゴルフシャフト、釣竿などのスポーツ用品を製造するた
めには、少量の材料で十分な製品の剛性を発現させ得る
ように、弾性率の高い炭素繊維を用いプリプレグとする
ことが好ましい。用いる炭素繊維の繊維方向弾性率が低
すぎると、同一重量、一定荷重で比較すると円筒シャフ
トの撓みが大きくなり、ゴルフクラブや釣竿としてのフ
ィーリングが損なわれるので好ましくない。そこで、撓
みを抑えるためには、一本のシャフトあたり多量の材料
を使うことになり、結果として軽量化の目的を果たせな
くなりやすい。また、逆に、用いる炭素繊維の繊維方向
弾性率が高すぎると、荷重に対してフィーリングが過敏
でありすぎたり、強度が不足することがある。その意味
で、炭素繊維の弾性率は200GPa以上であることが
好ましく、300〜800GPaであることがより好ま
しい。また、軽量・高剛性・高強度の要求に対応するた
め、繊維含有率が高いほど好ましく、繊維含有率60重
量%以上、より好ましくは65重量%以上の炭素繊維強
化複合材料とすることが良い。但し、繊維含有率が高く
なるほど、繊維強化複合材料中の樹脂にかかる歪みは大
きくなるため、繊維含有率は90%以下が好ましく、よ
り好ましくは86%以下である。
【0054】本発明の繊維強化複合材料の製造は、通常
用いられている各種の方法を用いることができる。例え
ば、樹脂注入法、フィラメントワインディング法、プル
トルージョン法、プリプレグ法、プレス成型法、真空圧
成形法などが挙げられる。なかでも、強化繊維にエポキ
シ樹脂組成物を含浸させたプリプレグを作成し、これを
積層して加熱硬化して繊維強化複合材料を得る方法は、
ゴルフシャフト、釣り竿、ラケットなどのスポーツ用品
の製造に適した方法である。
【0055】本発明において、プリプレグに用いる強化
繊維の形態や配列は特に限定されず、例えば、一方向に
引き揃えた長繊維、単一のトウ、織物、マット、ニッ
ト、組み紐などが用いられる。
【0056】プリプレグの製造方法は、マトリックス樹
脂をメチルエチルケトン、メタノールなどの溶媒に溶解
して低粘度化し、含浸させるウエット法と、加熱により
低粘度化し、含浸させるホットメルト法などの方法によ
り製造される。
【0057】ウェット法は、強化繊維をエポキシ樹脂組
成物溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブンなどを用い
て溶媒を蒸発させてプリプレグを得る方法である。
【0058】ホットメルト法は、加熱により低粘度化し
たエポキシ樹脂組成物を直接、強化繊維に含浸させる方
法、あるいは一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙などの上
にコーティングしたフィルムをまず作成し、ついで強化
繊維の両側あるいは片側から該フィルムを重ね、加熱加
圧することにより樹脂を含浸させたプリプレグを製造す
る方法であり、プリプレグ中に残留する溶媒がないため
好ましく用いることができる。
【0059】本発明のプリプレグを用いたコンポジット
の成形は、プリプレグを積層後、積層物に圧力を付与し
ながら樹脂を加熱硬化させる方法などにより作製でき
る。該積層物に 熱および圧力を付与する方法には、プ
レス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形
法、ラッピングテープ法、内圧成形法などがあり、スポ
ーツ用品に関しては、ラッピングテープ法、内圧成形法
が特に好ましく採用される。
【0060】ラッピングテープ法は、マンドレルなどの
芯金にプリプレグを巻いて、円筒状物を成形する方法で
あり、ゴルフシャフト、釣竿などの棒状体を作製する際
に好適である。具体的には、マンドレルにプリプレグを
巻き付け、プリプレグの固定および圧力付与のために、
プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッ
ピングテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を加熱硬化
させた後、芯金を抜き去って円筒状成形体を得る。
【0061】また、内圧成形法は、熱可塑性樹脂のチュ
ーブなどの内圧付与体にプリプレグを巻きつけたプリフ
ォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の
気体を導入して圧力をかけると同時に金型を加熱し成形
する方法である。ゴルフシャフト、バット、テニスやバ
トミントンなどのラケットのような複雑な形状物を成形
する際に好適に用いられる。
【0062】本発明においては、プリプレグを用いず、
本発明のエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させ
た後、加熱硬化する方法、例えばハンド・レイアップ
法、フィラメント・ワインディング法、プルトルージョ
ン法、レジン・インジェクション・モールディング法、
レジン・トランスファー・モールディング法などの成形
法によっても繊維強化複合材料を作製することができる
が、これらにおいては、エポキシ樹脂からなる主剤と硬
化剤との2液を使用直前に混合して樹脂組成物を調製す
る方法を適用することができる。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、物性測定はすべて温度23℃、相対湿度50
%の環境で行った。 (1)樹脂硬化物の物性測定 A.引張伸度の測定 樹脂組成物を80℃に加熱してモールドに注入し、13
5℃の熱風乾燥機中で2時間加熱硬化して厚さ2mmの
樹脂硬化板を作製した。次に、樹脂硬化板からJIS−
K7113に従い、小型1(1/2)号形試験片を切り
出し、引張伸度を求めた。
【0064】B.曲げ弾性率の測定 Aと同様にして作製した樹脂硬化板より、幅10mm、
長さ60mmの試験片を切り出し、試験速度2.5m
m、支点間距離32mmで3点曲げ試験を行い、JIS
−K7203に従い曲げ弾性率を求めた。
【0065】C.ガラス転移温度(Tg)の測定 Aと同様にして作製した樹脂硬化板より、示差走査熱量
測定法(DSC)によって測定した。速度10℃/分で
昇温してDSCカーブを得る。次に、このDSCカーブ
について、図1に示すようにベースラインの接線と吸熱
中のラインの接線との交点の温度と吸熱の終点温度を求
め、その2点の中点をTgとする。測定装置としては、
TAインスツルメンツ社製、DSC2910(型番)を
用いた。 (2)プリプレグの作製 樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて離型紙上
に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に
一方向に整列させた引張弾性率が375GPaである炭
素繊維“トレカ”M40SC−12K−50C(東レ
(株)製)に樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重
ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、炭素繊維目付
116g/m2、樹脂重量分率24%、または炭素繊維
目付116g/m2、樹脂重量分率33%、または炭素
繊維目付116g/m2、樹脂重量分率41%の一方向
プリプレグを作製した。これらのプリプレグは以下の
(5)項に示す円筒複合材料作製においてバイアス層と
して用いた。さらに、バイアス層用プリプレグと同樹脂
を用いたストレート層用プリプレグを次のように作製し
た。すなわち、シート状に一方向に整列させた引張弾性
率294GPaである炭素繊維“トレカ”T800H−
12K−40B(東レ(株)製)に樹脂フィルム2枚を
炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含
浸させ、炭素繊維目付125g/m2、樹脂重量分率2
4%の一方向プリプレグを作製した。ただし、以下に示
す実施例5においてのみ、T800Hを用いたこのプリ
プレグをバイアス層とストレート層の両方に用いた。
【0066】なお、用いた炭素繊維のフックドロップ
値、および変形度(R/r)他の特性は次のとおりであ
る。 “トレカ”(登録商標)M40SC−12K−50C
(東レ(株)製) 引張強度: 4,510MPa 引張弾性率: 375GPa フックドロップ値: 14.1 cm 変形度(R/r): 1.04 “トレカ”(登録商標)T800H−12K−40B
(東レ(株)製) 引張強度: 5,490MPa 引張弾性率: 294GPa フックドロップ値: 8.2cm 変形度(R/r): 1.37 (3)一方向複合材料の作製 一方向プリプレグを強化繊維の方向が同一になるよう所
定枚数積層し、オートクレーブ中で温度135℃、圧力
290Paで2時間加熱加圧して硬化し、一方向複合材
料を作製した。 (4)一方向複合材料の物性測定 A.0#圧縮強度の測定 一方向プリプレグを11枚積層して得た一方向複合材料
からASTM D690に従い幅12.7mm、長さ7
9.4mmの試験片を作製し、0#圧縮強度を測定し
た。
【0067】B.90#引張強度の測定 一方向プリプレグを22枚積層して得た一方向複合材料
から、ASTM D3039に従い、幅25.4mm、
長さ38.1mmの試験片を作製し、引張試験を行い、
90#引張強度を測定した。 (5)円筒複合材料の作製 下記(a)〜(e)の操作により、円筒軸方向に対して
[0°3/±45°3]の積層構成を有し、内径が6.3
mmおよび10mmの2種類の円筒複合材料を作製し
た。マンドレルには直径6.3mmおよび10mm(い
ずれも長さは1000mm)のステンレス製丸棒を使用
した。 (a)一方向プリプレグを繊維の方向がマンドレル軸方
向に対して45#になるように、直径6.3mmのマン
ドレルでは縦800mm×横68mm、直径10mmの
マンドレルでは縦800mm×横103mmの長方形に
2枚切り出した。この2枚を繊維方向が互いに交差する
ように、かつ横方向に直径6.3mmのマンドレルでは
10mm、直径10mmのマンドレルでは16mm(マ
ンドレル半周分に対応)ずらして貼り合わせた。 (b)貼り合わせたプリプレグを離型処理したマンドレ
ルに、プリプレグの縦方向とマンドレル軸方向が一致す
るように巻き付けた(バイアス層)。 (c)その上に、プリプレグを繊維の方向が縦方向にな
るように、直径6.3mmのマンドレルでは縦800m
m×横77mm、直径10mmのマンドレルでは縦80
0mm×横112mmの長方形に切り出したものをプリ
プレグの縦方向とマンドレル軸方向が一致するように巻
き付けた(ストレート層)。 (d)ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ)を巻
きつけ、硬化炉中で130℃、2時間加熱成形した。 (e)成形後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテー
プを除去して円筒複合材料を得た。 (6)円筒複合材料の物性測定 A.曲げ破壊荷重の測定 内径10mmの円筒複合材料を用い、「ゴルフクラブ用
シャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協会
編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993年)
に記載の3点曲げ試験方法に基づき曲げ破壊荷重を測定
した。支点間距離は300mm、試験速度は5mm/分
とした。
【0068】B.ねじり強度、剛性率の測定 内径10mmの円筒複合材料から長さ400mmの試験
片を切り出し、「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及
び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承認
5産第2087号、1993年)に記載の方法に従いね
じり試験を行った。試験片ゲージ長は300mmとし、
試験片両端の50mmを固定治具で把持した。ねじり強
度、剛性率は次式により計算した。
【0069】ねじり強度(MPa)=16d1×T×1000/
[π(d1 4−d2 4)] ねじり剛性率(GPa)=32×300×g/[π(d1 4−d2 4)
×(π/180)] ここで、T:破壊トルク(N・m) g:ねじり剛性(ねじりトルク−ねじり角度曲線の線形
領域におけるトルク/角度。但し、角度単位はラジア
ン) d1:外直径(mm)、d2:内直径(mm) 以下、実施例、比較例について説明する。実施例、比較
例の樹脂組成及び樹脂・複合材料物性を表1にまとめて
示した。樹脂組成中に記載の部数はすべて重量部を表
す。それぞれにおいて下記原料をニーダーで混合して樹
脂組成物を得た。 [原料樹脂] ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート828
(登録商標、ジャパンエポキシレジン(株)製) ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート100
1(登録商標、ジャパンエポキシレジン(株)製) ・ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エピコート807
(登録商標、ジャパンエポキシレジン(株)製) ・イソシアネート変性エポキシ樹脂、XAC4151
(登録商標、旭化成エポキシ(株)製) ・フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピコート1
54(登録商標、ジャパンエポキシレジン(株)製) ・ジシアンジアミド(油化シェルエポキシ(株)製)、
型番DICY7 ・3-(3,4-シ゛クロロフェニル)-1,1-シ゛メチルウレア(保土ヶ谷化学工業
(株)製)、型番DCMU99 ・エポキシ基含有多官能多分岐高分子化合物(デンドリ
マー)BOLTORN E1(Perstorp AB社製) ・ポリビニルホルマール、“ビニレック”H(登録商
標、チッソ(株)製) 実施例、比較例それぞれの樹脂組成物を用いて、前記し
た方法に従い、樹脂硬化物、一方向複合材料、円筒複合
材料を作製し、それらの物性を測定した。測定結果を表
1に示した。
【0070】比較例1は実施例3の樹脂組成から構成成
分(C)を除いたものであり、実施例3に比較して円筒
ねじり強度や一方向複合材の90°引張強度が低い。
【0071】比較例2は実施例3の樹脂組成に比較し、
エポキシ樹脂配合組成が異なり、平均エポキシ当量が低
く、このため、実施例3に比較して円筒ねじり強度や一
方向複合材の90°引張強度が低い。
【0072】比較例3は実施例3の樹脂組成に比較し、
エポキシ樹脂配合組成が異なり、平均エポキシ当量が高
く、このため、実施例3に比較してプリプレグの取り扱
い性(ドレープ性、タック性)が劣り、耐熱性も低い。
また、プリプレグの取り扱い性が悪いことと関連して円
筒ねじり強度も低めになっている。
【0073】実施例1、実施例3、実施例4は同一樹脂
組成、同一炭素繊維を用いているが、プリプレグ中の樹
脂含有率が異なる。樹脂含有率が高くなるほど、円筒重
量が増える一方で、ねじり強度、ねじり剛性率および一
方向複合材の0°圧縮強度や90°引張強度が低下傾向
にある。
【0074】実施例2と実施例1とでは用いたエポキシ
樹脂組成が異なる。実施例1の方が平均エポキシ当量が
高めであり、ねじり強度も高く、より好ましい。
【0075】実施例5と実施例1とでは用いた炭素繊維
が異なる。実施例1の方が高弾性率炭素繊維を用いてお
り、より軽量ながらねじり強度、ねじり剛性率ともに高
く、より好ましい。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明の繊維強化複合材料用樹脂組成物
は強化繊維に含浸させやすく、プリプレグとした場合
は、そのドレープ性やタック性といった取り扱い性に優
れる。また該樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる本
発明の繊維強化複合材料は高いねじり強度を示し、しか
も、円筒曲げ強度や耐熱性の低下がないため、スポーツ
用途、航空宇宙用途、一般産業用途に適した材料となり
うるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】DSCによるTg測定の概念図である。
【符号の説明】
1:吸熱方向 2:発熱方向 3:ガラス転移温度Tg 4:温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AA08 AB06 AB08 AB09 AB10 AB28 AB29 AB30 AD23 AD27 AE01 AG03 AH04 AH21 AK05 AL01 AL02 AL04 AL05 4J036 AA01 AB00 AB02 AB03 AC05 AD01 AD08 AD09 AF06 AG00 AG04 AG07 AH00 AJ05 AK01 DA01 DB05 DB15 DC01 DC02 DC19 DC25 DC26 DC31 DC35 DD01 JA08 JA11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記の構成成分(A)、
    (B)、(C)を含み、かつ構成成分(A)100重量
    部に対して構成成分(C)が1〜15重量部の範囲に配
    合されてなることを特徴とする繊維強化複合材料用エポ
    キシ樹脂組成物。 (A)平均エポキシ当量が200〜400のエポキシ樹
    脂混合物 (B)硬化剤 (C)1分子内に少なくとも3本以上の分子鎖が分岐す
    る原子を少なくとも1個有し、かつ1分子内にエポキシ
    樹脂またはその硬化剤と反応しうる官能基を4個以上有
    する液状多官能多分岐高分子化合物
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂またはその硬化剤と反応しう
    る官能基が、エポキシ基、カルボキシル基、フェノール
    性水酸基、アミノ基、第2アミン構造、メルカプト基、
    カルボニル基と共役した二重結合、無水物基より選ばれ
    る少なくとも1種の官能基であることを特徴とする請求
    項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】構成成分(C)の23℃における粘度が3
    0000mPa・s以下であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】構成成分(A)100重量部当たりビスフ
    ェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エ
    ポキシ樹脂の少なくともいずれかが50重量部以上含ま
    れてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】構成成分(A)100重量部当たりエポキ
    シ当量1000以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂
    が20〜100重量部、かつ、エポキシ当量1000以
    下のビスフェノールF型エポキシ樹脂が0〜80重量部
    含まれてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】構成成分(B)として少なくともジシアン
    ジアミドを構成成分(A)100重量部に対して2〜8
    重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化
    複合材料用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強
    化複合材料用エポキシ樹脂組成物が炭素繊維に含浸され
    てなることを特徴とするプリプレグ。
  8. 【請求項8】 炭素繊維が65重量%以上含有されてな
    ることを特徴とする請求項7に記載のプリプレグ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強
    化複合材料用エポキシ樹脂組成物の硬化物と炭素繊維を
    用いてなることを特徴とする繊維強化複合材料。
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