JP2003012960A - 擬1次元結晶性イエロー有機顔料からなる着色剤およびそれを含むインク組成物 - Google Patents
擬1次元結晶性イエロー有機顔料からなる着色剤およびそれを含むインク組成物Info
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Abstract
水性・耐光性・耐擦過性に優れ、色濃度の高い高品質
(高精細、高彩度)記録が可能な擬1次結晶性イエロー
有機顔料を含む水性のインク組成物を提供することを課
題とする。 【解決手段】 X線回折スペクトルにおいて、最大強度
を示す回折線とその2次および3次の回折線を主要ピー
クとして有し、かつ2次の回折線(I2)と3次の回折
線(I3)との強度比(I2/I3)が0.3〜0.9で
ある擬1次元結晶性イエロー有機顔料からなることを特
徴とする着色剤により、上記の課題を解決する。
Description
録方式の記録(印刷)に好適な擬1次元結晶性イエロー
有機顔料からなる着色剤およびそれを含むインク組成物
に関する。なお、本発明のインク組成物は、各種マーキ
ング用具や器具の着色剤としても好適に使用できる。
によりインクの小滴を吐出させ、その小滴をメディア上
に付着させ、ドットを形成して画像を記録する方式であ
る。このため、記録時の騒音が少ない、フルカラー化が
容易である、現像および定着が不要であり高速記録が可
能であるなどの特長を有している。近年、このインクジ
ェット記録方式は、ディスプレイなどに表示されたカラ
ー画像、各種図形、カラー原稿などを印刷する方法とし
て注目され、急速に普及している。
るインクは、メディア上では速やかに乾燥定着し、ノズ
ル内では乾燥しにくく、ノズル詰まりを起こしにくいと
いう矛盾した特性が要求される。また、基本性能として
保存安定性や安全性も要求される。さらに、メディアの
種類によって、インクの浸透・吸収状態が大きく異なる
ため、使用できる紙が制限されるなどの問題点がある。
特に、近年ではオフィスで一般に使用されているコピー
用紙、レポート用紙、ノート、便箋などのいわゆる普通
紙に対しても良好な記録を行えることが要求され、上記
の問題点についての早急な改善が望まれている。
とそれを溶解または分散させるための溶媒を主成分とす
る組成物であり、必要に応じて各種添加剤が含まれてい
る。顔料を用いたインクは、オフィス、パーソナル分野
向けに多用されている水溶性染料を用いたインクより
も、耐水性、耐光性に優れ、デザイン、ディスプレイ市
場の向けの大判印刷の分野において実用化が進んでい
る。しかし、多種多様なメディアに高画質の出力が求め
られるオフィス、パーソナル分野向けへの応用は困難な
状況にある。
ては、例えば、比較的極性の高い多孔質のカーボンブラ
ックを用いたもの(特開平8−3498号公報および特
表平10−510862号公報参照)、マイクロカプセ
ル化有機顔料を用いたもの(特開平9−151342号
公報および特開平10−140065号公報参照)があ
るが、彩度、乾燥速度、耐擦過性などの点で未だ充分と
は言えない。
に顔料を分散させること(保存安定性)、記録装置のノ
ズルの目詰まりがないことが特に求められる。例えば、
特開平6−212106号公報には、高分子分散剤、界
面活性剤などの分散剤などを用いて溶媒中に顔料を分散
させる技術が開示されている。しかしながら、このよう
な分散剤の添加は、一般にインクの泡立ちの原因とな
り、インクの吐出過程に影響を及ぼし、その結果、印字
ムラを引き起こすという問題がある。
としての着色成分(着色剤)の粒子径ならびに分散媒の
表面張力特性を特定の範囲に制御することにより滲みの
発生を抑えたインクジェット記録用インクが開示されて
いる。しかしながら、上記の公報には、X線回折スペク
トルにおいて、最大強度を示す回折線とその2次および
3次の回折線を主要ピークとして有し、かつ2次の回折
線(I2)と3次の回折線(I3)との強度比(I2/
I3)が0.3〜0.9である擬1次元結晶性イエロー
有機顔料を着色剤として用いるという技術思想はない。
れば耐水性・耐光性は容易に達成できるが、インクジェ
ット記録方式のインクとしては、安定なインクの吐出の
確保、インクの保存安定性、メディア表面への定着性が
問題となる。また、高い色濃度と耐擦過性の確保も未だ
達成できていないのが現状である。
に対して滲み、裏写りがなく、耐水性・耐光性・耐擦過
性に優れ、色濃度の高い高品質(高精細、高彩度)記録
が可能な擬1次結晶性イエロー有機顔料を含む水性のイ
ンク組成物を提供することを課題とする。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、X線回折ス
ペクトルにおいて、最大強度を示す回折線とその2次お
よび3次の回折線を主要ピークとして有し、かつ2次の
回折線(I2)と3次の回折線(I3)との強度比(I2
/I3)が0.3〜0.9である擬1次元結晶性イエロ
ー有機顔料からなる着色剤を主成分として含むインク組
成物を用いることによって、上記の課題を解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。また、本発明
者らは、表面改質技術を用いて親水化を施す過程で上記
の条件を満たす擬1次元結晶性イエロー有機顔料が得ら
れることを見出した。
晶性イエロー有機顔料を主成分としたインク組成物を用
いると、普通紙に対する滲みと裏写りが抑止され、色の
濁りのない極めて高精彩な記録、さらには両面同時印写
の可能な記録が実現できること、本発明のインク組成物
は、長期間放置後もその安定したインク吐出性能の確保
を可能にし、再起動時にノズルの目詰まりがないことを
見出し、本発明を完成するに到った。
クトルにおいて、最大強度を示す回折線とその2次およ
び3次の回折線を主要ピークとして有し、かつ2次の回
折線(I2)と3次の回折線(I3)との強度比(I2/
I3)が0.3〜0.9である擬1次元結晶性イエロー
有機顔料からなることを特徴とする着色剤が提供され
る。
成分として含むことを特徴とするインク組成物が提供さ
れる。
機顔料からなる着色剤およびそれを含む水系(水性)の
インク組成物について述べるが、これに限定されるもの
ではなく、本発明の技術思想は非水系(非水性)のイン
ク組成物にも適用できる。
おいて、最大強度を示す回折線とその2次および3次の
回折線を主要ピークとして有し、かつ2次の回折線(I
2)と3次の回折線(I3)との強度比(I2/I3)が
0.3〜0.9である擬1次元結晶性イエロー有機顔料
からなることを特徴とする。
質的に1軸方向の周期性が認められる結晶を意味する。
「主要ピーク」とは、最大強度を示す回折線とそのn次
(n:2以上の整数)の回折線のピーク面積が、全回折
線のピーク面積の65%以上であることを意味するが、
X線回折スペクトルは、最大強度を示す回折線とその2
次および3次の回折線のみからなるのが好ましい。
のX線回折スペクトルにおける主要ピークおよびその強
度比は、顔料の種類によって異なる。最大強度を示す回
折線のブラッグ角(2θ±0.2°)の好ましい例は、
5.4°であり、2次および3次の回折線のブラッグ角
(2θ±0.2°)の好ましい例は、11.0°および
16.3(または16.7°)である。なお、このスペ
クトルはCuKα線(0.154050nm)を用いた
場合の数値である。2次の回折線(I2)と3次の回折
線(I3)との強度比(I2/I3)の好ましい範囲は、
0.3〜0.9である。
イエロー有機顔料は、分光反射スペクトルにおける所望
の吸収波長域の最大波長と最小波長から導出される特定
の範囲、すなわち最大波長の1/4から最小波長の1/
10の範囲の体積平均粒子径を有しているのが好まし
い。ここで、「体積平均粒子径」とは、粒子が球形であ
ると仮定して、体積の個数平均値を粒子径に換算した値
であり、電気泳動光散乱計などで測定したデータをもと
に求めることができる。
均粒子径の最適値は、顔料の種類によって異なる。イエ
ロー顔料の所望の(理想的な)分光反射スペクトルと吸
収波長域(可視光領域)は、図1(a)に示すように波
長400nmおよび500nmを基準として設定され
る。したがって、擬1次元結晶性イエロー有機顔料の体
積平均粒子径の最適値は、分光反射スペクトルの吸収波
長域の最大波長の1/4から最小波長の1/10の範
囲、すなわち125〜40nmの範囲になる。
の粒子は、従来のインク組成物に含まれる顔料の粒子
(例えば1000〜5000nm)と比べて非常に微細
であり、このように顔料の粒子径を限定することによっ
て本発明のより優れた効果(例えば、滲み特性、裏写り
特性、保存安定性)が発揮される。
の体積平均粒子径が、その顔料の有する吸収波長域の最
大波長の1/2以下、特に1/4以下になるほど透明に
なる。このことは、色重ねを行ったときに高品質(高精
細、高彩度)の記録を実現するために特に重要な特性と
なる。また、擬1次元結晶性イエロー有機顔料の体積平
均粒子径が1/10未満では光散乱がほとんどないレイ
リー散乱領域に入り、粒子のブラウン運動による分散液
中での安定性の点で200nm以下の領域が望まれるこ
とから、擬1次元結晶性イエロー有機顔料の体積平均粒
子径はこの範囲が好ましい。このような擬1次元結晶性
イエロー有機顔料を用いることにより、高彩度の発色が
得られる安定なインク組成物が得られる。また、本発明
の擬1次元結晶性イエロー有機顔料の粒子は、全粒子の
90%以上が本発明において規定する体積平均粒子径の
範囲に含まれ、かつその分布が単一のピークであること
が好ましい。
す擬1次元結晶性イエロー有機顔料は存在しないので、
分光反射スペクトルの吸収波長域の実測値の最大波長λ
1および最小波長λ2を基準として、擬1次元結晶性イエ
ロー有機顔料の体積平均粒子径の最適範囲を特定しても
よい。すなわち、擬1次元結晶性イエロー有機顔料の体
積平均粒子径を、分光反射スペクトルにおける吸収波長
域の実測値の最大波長λ1および最小波長λ2のλ1/4
からλ2/10の範囲としてもよい。なお、ここで言う
最大/最小波長は、吸収極大を可視光領域(400〜7
00nm)にもつ場合には、その吸収スペクトルの1次
微分係数の絶対値が最大となる位置での接線と波長軸の
交点で定義される(図3参照)。
は、例えば、通常の結晶性イエロー有機顔料を化学的処
理および/または物理的処理により改質することにより
製造することができる。この処理は粒子表面のみの改質
には止まらず、結晶格子を大きく歪ませる程度まで改質
するものであり、処理方法によっては同時に親水性も付
与される。
るための化学的処理および/または物理的処理として
は、酸素雰囲気での紫外線照射(例えば、酸素ガス雰囲
気中で低圧水銀ランプ(λ:185nm)を照射する方
法)、反応性プラズマガス中での暴露(例えば、真空下
で低圧酸素ガスのグロー放電プラズマ中に暴露する方
法)および酸処理(例えば、大気下、湿式で、発煙硫酸
やクロロスルホン酸で処理する方法)が挙げられるが、
擬1次元結晶性イエロー有機顔料が最も得られやすいこ
とから、酸処理が好ましい。酸処理としては、例えば、
結晶性イエロー有機顔料と顔料重量の10〜50倍程度
の濃硫酸(98%)とを0.5〜3時間程度攪拌し、得
られた混合溶液を0℃程度の水中に急速に滴下攪拌する
方法が挙げられる。
められる。つまり、顔料によっては改質処理中に分解し
たり変色することもあるので、処理条件を最適化すると
共に耐性のある顔料の選定が重要となる。
ンク、トナー、塗料などの着色剤として用いられるアゾ
顔料のような結晶性イエロー有機顔料が挙げられる。こ
のような顔料を上記の処理に付すことにより、本発明の
着色剤、すなわち擬1次元結晶性イエロー有機顔料が得
られる。
具体例を示す。イエロー顔料としては、C.I.ピグメント
イエロー74のようなモノアゾイエロー顔料、C.I.ピグ
メントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー83およ
びC.I.ピグメントイエロー176のようなジスアゾイエ
ロー顔料、ならびにC.I.ピグメントイエロー151、C.
I.ピグメントイエロー180およびC.I.ピグメントイエ
ロー194のようなベンズイミダゾロン顔料などが挙げ
られる。
結晶性イエロー有機顔料からなる着色剤を主成分として
含む。着色剤は、その1種を単独で、または2種以上を
適宜組み合わせて用いられる。その含有量は、1〜10
重量%が好ましく、2〜5重量%がより好ましい。着色
剤が1重量%未満の場合には、印字濃度が低くなるので
好ましくない。また、着色剤が10重量%を超える場合
には、粘度が高く、分散安定性に劣るので好ましくな
い。
を主成分とし、さらにpH調整剤、目詰まり防止剤、湿
潤剤、浸透剤などが添加されてなる。
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3
−ジメチル−イミダゾリジノン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミンなどの含窒素有機溶剤が挙げられ
る。これらの含窒素有機溶剤はインクの乾燥に伴う目詰
まり防止剤としても機能し、有効に用いられる。インク
組成物への含窒素有機溶剤の添加量は、1〜10重量%
程度、好ましくは2〜8重量%である。
録特性およびメディアに対する定着性の向上にも寄与す
る。また、含窒素有機溶剤と同様に、インクの乾燥によ
るノズルやオリフィスでの目詰まり防止剤としても機能
する。インク組成物への湿潤剤の添加量は、0.5〜4
0重量%程度、好ましくは3〜10重量%である。
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタエチ
レングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエ
チレングリコール、オクタエチレングリコール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサン
トリオール、チオグリコール、へキシレングリコール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが
挙げられる。
成物には低沸点有機溶剤を添加するのが好ましい。イン
ク組成物への低沸点有機溶剤の添加量は、0.5〜10
重量%程度、好ましくは1.5〜6重量%である。低沸
点有機溶剤の好ましい例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどの1
級、2級および3級アルコールが挙げられ、特に1級ア
ルコールが好ましい。
メディア表面に着色剤を効率的に定着させたり、あるい
は普通紙において滲みを防止するといった重要な役割を
果たす。インク組成物への浸透剤の添加量は、0.1〜
5重量%程度、好ましくは0.5〜4重量%程度であ
る。なお、浸透剤の添加量が前記の範囲外の場合には、
乾燥性、滲み防止の効果が劣化するので好ましくない。
リコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール
−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコール−n−
ブチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエ
ーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル
などのグリコールエーテル類、アニオン型であるパーフ
ルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸カリウム塩、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸カリウム塩、ないしはノニオン型であるパ
ーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、パ
ーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素化アルキ
ルエステルなどのフッ素系界面活性剤などが挙げられる
が、表面張力を低下させる機能をもつものであれば、こ
れらに限定されるものではない。
御するために、インク組成物には界面活性剤、特にノニ
オン性界面活性剤を添加するのが好ましい。インク組成
物への界面活性剤の添加量は、0.1〜5重量%程度、
好ましくは0.5〜4重量%である。なお、界面活性剤
の添加量が前記の範囲外の場合には、滲み、裏写りが大
きくなるので好ましくない。カチオン界面活性剤および
アニオン界面活性剤は、本発明の着色剤との組み合わせ
において、泡立ちし易く、分散安定性が劣化し易く、裏
写りが大きくなり易いので好ましくない。
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチ
ルエーテルなどのアルキルエーテル型、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテルなどのアルキルフェノール型、ポ
リオキシエチレンモノステアレートなどのアルキルエス
テル型、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノ
ラウレートなどのソルビタンエステル型、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレートなどのソルビタンエス
テルエーテル型が挙げられる。
の諸物性を改善するために必要に応じて適当な調整剤を
添加することができる。物性調整剤としては、例えば、
粘度調整剤、防カビ剤、防腐剤などが挙げられる。
適宜、適当な方法で水に分散あるいは混合することによ
って調製することができる。凝集状態の本発明の着色剤
(擬1次元結晶性イエロー有機顔料)を、本発明におい
て規定する体積平均粒子径の微粒子にまで分散する方法
としては、ダイノミル分散法、ペイントシェーカー分散
法、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミ
ル分散法、ビーズミル分散法、超音波分散法などの通常
の方法を採用することができる。
すると同時に、着色剤粒子の光散乱を制御することで鮮
やかな色再現(高彩色記録)も得られ、かつ普通紙に記
録した場合でも滲みと裏写りが極めて少なく、良好な擦
過性を有する記録が得られる。また、本発明によれば、
インク組成物の分散安定性、保存安定性も向上する。
比較例に基づいてさらに具体的に説明するが、これらの
製造例および実施例により本発明が限定されるものでは
ない。
エロー有機顔料、実施例および比較例において得られた
インク組成物中の顔料のX線回折パターンを、マックサ
イエンス社製の粉末X線回折装置MXP−18(X線
源:CuKα=0.15405nm)を用いて測定し
た。また、製造例1において得られた擬1次元結晶性イ
エロー有機顔料の分光反射スペクトルを、日本平板機材
株式会社製の分光測色計X−Rite938を用いて測
定した。
(98%)約100gに、C.I.ピグメントイエロー83
を約5g加え、2時間攪拌後、0℃の水中に急速に滴下
攪拌して、擬1次元結晶性イエロー有機顔料を得た。得
られた顔料の分光反射スペクトルおよびX線回折スペク
トルをそれぞれ図1の(b)および図2に示す。X線回
折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)5.
4°に最大回折ピーク(半値全幅(FWHM)=0.5
°)を示し、2次および3次の回折ピークが11.0°
および16.3°に観測された。2次および3次の回折
ピークの強度比は、0.69であった。
エロー180を用いる以外は、製造例1と同様にして、
擬1次元結晶性イエロー有機顔料を得た。得られた顔料
のX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2θ±0.2
°)5.2°に最大回折ピーク(FWHM=0.72
°)を示し、2次および3次の回折ピークが10.9°
および16.0°に観測された。2次および3次の回折
ピークの強度比は、0.58であった。
弱い顔料(C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメン
トレッド27など)を製造例1と同様にして処理した
が、何れの改質技術においても、本発明に使用できる擬
1次元結晶性イエロー有機顔料を得ることができなかっ
た。
ク組成物中の顔料の粒子サイズを、大塚電子株式会社製
の電気泳動光散乱光度計ELS−8000を用いて測定
し、得られたデータから体積平均粒子径(nm)を求め
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテルを除く前記成分を混合し、ペイ
ントコンディショナー装置(レッドレベル社製)により
直径0.8mmのジルコニアビーズと共に8時間分散処
理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分
を混合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過
してインク組成物を得た。得られたインク組成物中での
顔料の体積平均粒子径は52nmであった。また、得ら
れたインク組成物中の顔料のX線回折スペクトルでは、
ブラッグ角(2θ±0.2°)5.5°に最大回折ピー
ク(FWHM=0.76°)を示し、2次および3次の
回折ピークが11.0°および16.6°に観測され
た。2次および3次の回折ピークの強度比は、0.57
であった。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素を除く前記成分を混合
し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル社
製)により直径0.8mmのジルコニアビーズと共に8
時間分散処理を施し、ジルコニアビーズを除去後、残り
の構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィル
ターで濾過してインク組成物を得た。得られたインク組
成物中での顔料の体積平均粒子径は74nmであった。
また、得られたインク組成物中の顔料のX線回折スペク
トルでは、ブラッグ角(2θ±0.2°)5.4°に最
大回折ピーク(FWHM=0.7°)を示し、2次およ
び3次の回折ピークが11.1°および16.7°に観
測された。2次および3次の回折ピークの強度比は、
0.89であった。
ングリコール、n−プロパノール、尿素を除く前記成分
を混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベ
ル社製)により直径0.8mmのガラスビーズと共に1
2時間分散処理を施し、ガラスビーズを除去後、残りの
構成成分を混合し、0.45μmのメンブランフィルタ
ーで濾過してインク組成物を得た。得られたインク組成
物中での顔料の体積平均粒子径は85nmであった。ま
た、得られたインク組成物中の顔料のX線回折スペクト
ルでは、回折強度の大きい順に、ブラッグ角(2θ±
0.2°)13.4°(FWHM=0.38°)6.7
°、25.8°および9.6°に回折ピークが観測され
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテルを除く前記成分を混合し、ペイ
ントコンディショナー装置(レッドレベル社製)により
直径2mmのジルコニアビーズと共に1時間分散処理を
施し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混
合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過して
インク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料
の体積平均粒子径は119nmであった。また、得られ
たインク組成物中の顔料のX線回折スペクトルでは、ブ
ラッグ角(2θ±0.2°)5.5°に最大回折ピーク
(FWHM=0.7°)を示し、2次および3次の回折
ピークが11.2°および16.3°に観測された。2
次および3次の回折ピークの強度比は、1.98であっ
た。
グリコール、トリエチレングリコール−n−ブチルエー
テル、n−プロパノール、尿素、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテルを除く前記成分を混合し、ペイ
ントコンディショナー装置(レッドレベル社製)により
直径2mmのジルコニアビーズと共に5時間分散処理を
施し、ジルコニアビーズを除去後、残りの構成成分を混
合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過して
インク組成物を得た。得られたインク組成物中での顔料
の体積平均粒子径は67nmであった。また、得られた
インク組成物中の顔料のX線回折スペクトルでは、ブラ
ッグ角(2θ±0.2°)5.4°に最大回折ピーク
(FWHM=0.64°)を示し、2次および3次の回
折ピークが10.8°および16.1°に観測された。
2次および3次の回折ピークの強度比は、0.27であ
った。
物の特性を、それぞれ以下に示す方法で評価した。
ート紙(RW−P4A4)上にアプリケータ塗布したも
のを乾燥して、反射濃度測定用サンプルを得た。得られ
たサンプルについて、濃度計RD−918(マクベス社
製)を用いて、反射濃度を測定した。反射濃度が1.4
以上の値であれば、印字濃度が高いと評価した。
普通紙(SF−4AM3)上に塗布したものを乾燥し
て、裏写り評価用サンプルを得た。得られたサンプルの
裏面(インク組成物を塗布していない面)の反射濃度
を、濃度計RD−918(マクベス社製)を用いて測定
し、裏写りの程度を評価した。反射濃度が0.12以下
の値であれば、両面印刷が可能と評価した。
odensitometer)X−Rite938(日本平版機材株
式会社製)を用いて、L*a*b*表色系における色特性
(明度、色度)を評価した。色の鮮やかさ(彩度C*)
は、次式により求めた。彩度が90以上の値であれば、
高品質な記録が得られると評価した
定量のインク組成物(0.7μl)を普通紙(SF−4
AM3)面に付着させて、紙面上での広がり(ドット
径)を測定し、紙面上でのドットの真円度の基準として
その標準偏差を求め、以下の基準により滲み特性を評価
した。 ◎ :広がりが1.5mm以下のもの ○ :広がりが2.5mm以下のもの × :広がりが2.5mmを超えるもの (△):標準偏差が0.2以上となるもの(真円度が悪
いもの)
瓶に入れ、60℃で1ヶ月の保存テストを実施した。1
ヶ月後に動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500
(株式会社堀場製作所製)を用いて、顔料の粒子径を測
定した。得られた結果と予め測定しておいた保存テスト
前の粒子径とから変化率を求め、以下の基準により保存
安定性を評価した。 ◎ :変化率が15%以下のもの ○ :変化率が20%以下のもの △ :変化率が30%以下のもの × :変化率が30%を超えるもの
enon TestChamberに設置し、0.35
W/m2(λ=340nm)の光を300時間照射し
て、試験前後のΔEを測定した。ΔEが15未満の値で
あれば、標準の耐光性を確保できると評価した。
れの有無を目視観察し、以下の基準で耐擦過性を評価し
た。 ○ :地汚れが全く確認できないもの △ :僅かに擦り跡が認められるもの × :地汚れが確認できるもの
2次および3次の回折線が、1次元結晶性を示すものを
「○」、示さないものを「×」とした。 (J)回折強度比 X線スペクトルにおいて、最大強度を示す回折線の2次
および3次の回折線の強度比が、規定範囲(0.3〜
0.9)内であるものを「○」、前記の範囲外のものを
「×」とした。
あるものを「○」、前記の範囲外のものを「×」とし
た。以上の評価結果をまとめて表1および表2に示す。
施例では、高い反射濃度と色の鮮やかさが得られ、普通
紙に対する滲みと裏写りが少なく、かつ保存安定性にも
優れたインク組成物が得られることがわかった。
おいて、最大強度を示す回折線とその2次および3次の
回折線を主要ピークとして有し、かつ2次の回折線(I
2)と3次の回折線(I3)との強度比(I2/I3)が
0.3〜0.9である擬1次元結晶性イエロー有機顔料
からなることを特徴とする着色剤を主成分として含むイ
ンク組成物を用いることにより、従来の有機顔料を用い
たインク組成物の堅牢な耐光性がやや弱くなるものの、
欠点であったくすんだ色しか再現できないという課題が
克服できる。また、粒子サイズの最適化は、色合い、鮮
やかさへの効果のみならず、普通紙への滲み防止、裏写
り防止および耐擦過性の効果も期待される。
製造例1の擬1次元結晶性イエロー有機顔料の分光反射
スペクトル(b)を示す図である。
折スペクトルを示す図である。
大波長λ1および最小波長λ2の決定法を示す略図であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 X線回折スペクトルにおいて、最大強度
を示す回折線とその2次および3次の回折線を主要ピー
クとして有し、かつ2次の回折線(I2)と3次の回折
線(I3)との強度比(I2/I3)が0.3〜0.9で
ある擬1次元結晶性イエロー有機顔料からなることを特
徴とする着色剤。 - 【請求項2】 擬1次元結晶性イエロー有機顔料が、分
光反射スペクトルにおける所望の吸収波長域の最大波長
の1/4から最小波長の1/10の範囲の体積平均粒子
径を有する請求項1に記載の着色剤。 - 【請求項3】 擬1次元結晶性イエロー有機顔料が、分
光反射スペクトルにおける吸収波長域の実測値の最大波
長λ1および最小波長λ2のλ1/4からλ2/10の範囲
の体積平均粒子径を有する請求項1に記載の着色剤。 - 【請求項4】 擬1次元結晶性イエロー有機顔料が、結
晶性イエロー有機顔料を化学的処理および/または物理
的処理により改質された顔料である請求項1〜3のいず
れか1つに記載の着色剤。 - 【請求項5】 擬1次元結晶性イエロー有機顔料が、C.
I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー1
3、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエ
ロー176、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグ
メントイエロー180およびC.I.ピグメントイエロー1
94から選択された結晶性イエロー有機顔料を改質する
ことにより得られた顔料である請求項1〜4のいずれか
1つに記載の着色剤。 - 【請求項6】 擬1次元結晶性イエロー有機顔料が、C
uKα線(0.154050nm)を用いたX線回折ス
ペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)5.
4°に最大回折ピーク、11.0°に2次の回折ピーク
および16.3に3次の回折ピークを有し、かつその体
積平均粒子径が40〜125nmの範囲にある請求項1
〜4のいずれか1つに記載の着色剤。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つに記載の着
色剤を主成分として含むことを特徴とするインク組成
物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001202393A JP2003012960A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 擬1次元結晶性イエロー有機顔料からなる着色剤およびそれを含むインク組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001202393A JP2003012960A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 擬1次元結晶性イエロー有機顔料からなる着色剤およびそれを含むインク組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003012960A true JP2003012960A (ja) | 2003-01-15 |
Family
ID=19039207
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001202393A Pending JP2003012960A (ja) | 2001-07-03 | 2001-07-03 | 擬1次元結晶性イエロー有機顔料からなる着色剤およびそれを含むインク組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003012960A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013099730A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-04 | 大日精化工業株式会社 | 不溶性アゾ顔料であるc.i.ピグメントイエロー74及びそれを用いた着色組成物 |
| WO2021199632A1 (ja) * | 2020-04-02 | 2021-10-07 | Dic株式会社 | C.i.ピグメントイエロー180、インクジェットインク用水性顔料分散液および水性顔料インク |
-
2001
- 2001-07-03 JP JP2001202393A patent/JP2003012960A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013099730A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-04 | 大日精化工業株式会社 | 不溶性アゾ顔料であるc.i.ピグメントイエロー74及びそれを用いた着色組成物 |
| JPWO2013099730A1 (ja) * | 2011-12-28 | 2015-05-07 | 大日精化工業株式会社 | 不溶性アゾ顔料であるc.i.ピグメントイエロー74及びそれを用いた着色組成物 |
| US9657176B2 (en) | 2011-12-28 | 2017-05-23 | Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. | C.I. pigment yellow 74 (insoluble AZO pigment), and coloring composition using same |
| WO2021199632A1 (ja) * | 2020-04-02 | 2021-10-07 | Dic株式会社 | C.i.ピグメントイエロー180、インクジェットインク用水性顔料分散液および水性顔料インク |
| JP6984791B1 (ja) * | 2020-04-02 | 2021-12-22 | Dic株式会社 | C.i.ピグメントイエロー180、インクジェットインク用水性顔料分散液および水性顔料インク |
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