JP2003019565A - 放出要素にコーティングする方法及び電極を形成する方法 - Google Patents

放出要素にコーティングする方法及び電極を形成する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極が長寿命を有するように、放出要素にし
っかりと接合されると共に、電極の隣接要素に接合する
ための十分な表面を提供するコーティングを放出要素の
周りに形成する。 【解決手段】 プラズマアークトーチ10のための電極
14は、前端にキャビティ24を画成した金属ホルダ1
6を備え、このキャビティ内に放出要素28及びセパレ
ータ32のアセンブリが配置され、放出要素はその外表
面上に相対的に非放出の材料34を有しており、これ
は、放出要素が反応性になるような高温度まで放出要素
を加熱すると共に、放出要素に相対的に非放出の材料を
噴射することにより付着し、コーティングされた放出要
素はセパレータ中に配置され、そのアセンブリが加熱さ
れて相対的に非放出の材料がセパレータとの間に強固な
接合部を形成し、放出要素及びセパレータ間の優れた接
合部は電極の寿命を延ばす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマアークト
ーチに関し、特に、プラズマアークトーチにおいて電気
アークを持続させるための電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマアークトーチは、切断,溶接,
表面処理,溶融及び焼鈍しを含む金属の諸加工のために
普通に使用されている。このようなトーチは、電気アー
クを持続させる電極を含んでおり、該電気アークは、移
行式アーク動作モードで電極から母材に広がる。この電
気アークをガスの渦流で囲むことも通常のことであり、
また、あるトーチ構造においては、上述のガス及び電気
アークを渦巻き状の水ジェットで囲むことも通例となっ
ている。
【0003】上述した形式の従来のトーチで使用される
電極は、銅又は銅合金のような高熱伝導率の材料から構
成される金属製の細長い管状部材を含むのが一般的であ
る。この管状部材の前端もしくは放電端は、電気アーク
を持続させる電子放出(emissive)インサート
が埋め込まれた底端壁部を含んでいる。この放出インサ
ートは、当該技術において電位ステップ(potent
ial step)と定義される電子ボルト(ev)で
測定される比較的に低い仕事関数を有する材料で構成さ
れており、この電位ステップが所定温度で金属の表面か
らの熱電子放出を可能にしている。したがって、放出イ
ンサートは、その低い仕事関数のために、電位が印加さ
れるときに容易に電子を放出することができる。通常使
用される電子放出材料には、ハフニウム,ジルコニウ
ム,タングステン及びそれらの合金が含まれる。
【0004】上述した形式のプラズマアークトーチに関
連した問題は、特に当該トーチが酸素又は空気のような
酸化ガスと共に使用されるときに、電極の使用寿命が短
いことである。具体的には、放出インサートはトーチの
使用中に腐蝕するので、放出インサートと金属ホルダと
の間にキャビティもしくは穴が形成される。このキャビ
ティが十分に大きくなると、アークは、放出インサート
からホルダへ「ジャンプし」或いは伝達され、典型的に
は電極を破壊してしまう。アークが金属製のホルダへジ
ャンプするのを防止するか、或いは少なくとも邪魔する
ために、ある電極は放出インサートと金属製のホルダと
の間に配置された比較的に非電子放出性のセパレータを
含んでいる。セパレータは、本発明の譲受人に譲渡さ
れ、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第
5,097,111号明細書に開示されている。
【0005】放出インサートをセパレータに固定するた
めの幾つかの方法が開発されてきた。この米国特許第
5,097,111号明細書に開示された方法の1つでは
放出インサートをセパレータ中に圧入もしくは圧力嵌め
している。また、米国特許第5,097,111号明細
書に開示された別の方法は、ろう付け材料によりセパレ
ータ及び金属ホルダを冶金的に結合している。一例にお
いては、ろう付け材料はディスクの形態であり、これが
セパレータ及び金属ホルダ間で溶融されることになる。
【0006】また、米国特許第3,198,932号明細
書は、ジルコニウムインサートを銀製ホルダ内にろう付
けするろう付け方法を開示している。特に、この米国特
許第3,198,932号明細書が開示する方法による
と、インサートを溶融銀中に最初に浸漬して、該インサ
ートに銀のコーティングを付けている。銀は、銀製ホル
ダにより画成されたキャビティもしくは凹所の中でも溶
融されており、コーティングされたインサートが該凹所
に挿入されるので、溶融銀はインサートの周りに流れ
る。しかし、この米国特許に記載されたろう付け技術
は、コーティング及び/又はホルダを製造するために相
当な量の銀を必要とするので、電極のコストがかなり上
昇する。従って、電極製造のコストを全体的に更に改善
する必要性がある。
【0007】米国特許第5,857,888号明細書で
は、物理蒸着法により金属を付着させて放出インサート
上にコーティングを形成すると共に、このコーティング
されたインサートをホルダにより画成された凹所中に固
定することを含む電極の製造方法を提供しており、これ
により、米国特許第3,198,932号及び第5,09
7,111号に対する改善が試みられている。コーティ
ングは1〜10μmの厚みを有しており、閉環境内に気
相粒子を発生させ該粒子が放出インサートの表面に向か
って移動することにより形成される。次いで、コーティ
ングされた放出インサートは、セパレータなしにホルダ
に嵌め込まれるので、電極の製造コストは、上述の米国
特許第3,198,932号及び第5,097,111号に
関連した電極の製造コストよりも相対的に安価である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、米国特許第
5,857,888号により提言された蒸着法は、放出イ
ンサートもしくは要素から金属ホルダへのアークの「ジ
ャンプ」或いは伝達の問題を適切に取り扱っていない。
特に、極端に薄い蒸着コーティングでは、アークが金属
ホルダにジャンプし典型的には電極を破壊してしまうこ
とを適切に防止するバリヤーとはならない。
【0009】蒸着法による別の問題は、放出インサート
及び蒸着コーティング間の結合が特に強くはないという
ことである。例えば、放出インサートを形成するのに使
用されたハフニウムのようなある種の材料は、他の材料
と容易に結合しない。そのため、放出インサートとセパ
レータ又は金属ホルダとの間に弱い接合部をもつ電極は
寿命が短いので、プラズマアークトーチの総合的な作動
コストが上昇することになる。したがって、電極が長寿
命を有するように、放出インサートにしっかりと接合さ
れると共に、電極の隣接する諸要素に接合するための十
分な表面を提供するコーティングを放出インサートの周
りに形成する必要性がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の電極及
び電極製造方法、特に、米国特許第5,857,888号
及び第3,198,932号明細書に開示された電極及び
電極製造方法を改良するために開発されたものである。
上述した電極についての課題、即ち、電極の隣接構成要
素にもっとしっかりと接合される放出要素を提供すると
いう課題は、放出要素の外表面が反応性になるような高
温度まで放出要素を加熱し、その後、放出要素の外表面
に相対的に非放出の材料を付加することにより、打ち勝
てることが分かった。例えば、放出要素にハフニウムを
使用する場合、この放出要素は、約2204℃(400
0°F)まで加熱することができ、銀のような相対的に
非放出の材料は、非常に強固にそこに接合されることに
なる。
【0011】一実施例において、相対的に非放出の材料
は、放出要素の外表面上に噴射される。そして、放出要
素は比較的に高温であるから、この相対的に非放出の材
料は、放出要素の外表面に実質的に接触すると同時に溶
融される。このようにして相対的に非放出の材料は、通
常の方法と比較して、放出要素の外表面との強固な接合
部を好適に形成することになる。
【0012】一実施例において、相対的に非放出の材料
が付加された放出要素は、相対的に非放出のセパレータ
により画成されたキャビティ内に位置決めされる。好適
な実施例において、相対的に非放出の材料はセパレータ
を形成する材料と実質的に同様であるから、放出要素及
びセパレータを相対的に非放出の材料の融点まで加熱す
るようなことで、放出要素上への相対的に非放出の材料
のコーティングとセパレータとを容易に互いに接合する
ことができる。
【0013】したがって、本発明の方法は、放出要素と
セパレータとの間の接合部を強化することにより、従来
の技術に対する重要な改善をもたらす。蒸着を使用して
放出要素をコーティングする先行技術の方法は、放出要
素とセパレータとの間に薄い金属のコーティングを用い
ようとしている。しかし、この蒸着法は、複雑であり、
不経済であり、大量生産には不向きである。ところが、
本発明は、放出要素が高温でありかつ同放出要素の表面
が反応性である間に、相対的に非放出の材料を付加する
ことによって、放出要素と相対的に非放出の材料との間
に強固な接合をもたらす。この状態において、放出要素
及び相対的に非放出の材料は両者間に強固な接合部を形
成することのなる。加えて、コーティングされた放出要
素は、通常の方法と比較して、電極のセパレータと強固
な接合部を形成することができる。この点に関し、本発
明の方法は、通常の製造設備及び技術を用いながら本発
明の電極に対して強度及び寿命を与える接合部をもたら
している。
【0014】
【発明の実施の形態】一般的な用語で本発明を説明して
きたが、次に、必ずしも一律の縮尺で描かれていない添
付図面を参照して本発明を説明する。
【0015】本発明の好適な実施例が示されている添付
図面を参照して、本発明を以下に更に十分に説明する。
しかし、本発明は、もっと別の形態で実施可能であり、
ここに記載された実施例に限定されるものと解釈すべき
ではなく、むしろ、これらの実施例は、この開示を徹底
し且つ完全にするように提案されていて、本発明の範囲
を当業者に十分に知らせるものである。同様の数字は全
体を通して同一要素を示している。
【0016】図1〜図3を参照すると、本発明の特徴を
実現するプラズマアークトーチ10が記載されている。
このプラズマアークトーチ10は、ノズルアセンブリ
(ノズル組立体)12と管状電極14とを含んでいる。
電極14は、銅か銅合金から製作するのが好ましく、上
側の管状部材15と下側のコップ状部材即ちホルダ16
とから構成されている。上側の管状部材15は、細長い
開放した管状構造のものであり、プラズマアークトーチ
10の長手方向軸線を画成している。上側の管状部材1
5は、内部にねじが切られた下端部分17を含んでい
る。また、ホルダ16も管状構造のものであって、下側
の前端と上側の後端とを含んでいる。横方向の端壁18
がホルダ16の前端を閉じており、この横方向の端壁1
8により外側前面20が画成されている。ホルダ16の
後端は、外部にねじが切られており、上側の管状部材1
5の下端部分17に螺合されている。
【0017】ホルダ16は、その後端19が開放されて
いるので、コップ形状の構造となっており、その内部に
キャビティ22を画成している。内部のキャビティ22
は、長手方向軸線に沿って延びて同キャビティ内に入る
円筒形柱状部23を含む表面31を有している。端壁1
8の前面20にはほぼ円筒形のキャビティ24が形成さ
れており、該キャビティ24は、長手方向軸線に沿って
後方に延び、ホルダ16の部分に入っている。このキャ
ビティ24は内側側面27を有している。
【0018】相対的に非電子放出性のセパレータ32
は、キャビティ24内に位置決めされると共に、長手方
向軸線に沿って同軸状に配置されている。このセパレー
タ32は、キャビティ24の実質的に全長にわたり延び
る外周壁33を有している。外周壁33は、セパレータ
の全長にわたり実質的に一定の外径を有するように図示
されているが、切頭円錐形のようなその他の外形構造も
本発明の範囲に矛盾しないことが分かる。また、セパレ
ータ32は、表面37を有する内部キャビティ35も画
成している。しかも、このセパレータ32は、ホルダ1
6の前面20とほぼ面一の外端面36を含んでいる。
【0019】電子放出要素、即ちインサート28は、セ
パレータ32内に位置付けられており、長手方向軸線に
沿って同軸状に配置されている。具体的には、放出要素
28及びセパレータ32は、後から十分に説明するよう
に、放出要素が、セパレータ及び放出要素の加熱により
行われる有利な形態の接合と組み合わされて、締り嵌め
或いは圧力嵌めによりセパレータに固定されたアセンブ
リを形成している。放出要素28は、電位が印加された
ときに容易に電子を放出することができる金属材料から
構成されている。かかる材料の適当な例は、ハフニウ
ム,ジルコニウム,タングステン及びそれらの混合物で
ある。
【0020】この放出要素28は、ホルダ16の前面2
0及びセパレータ32の外端面36により規定された平
面にある円形の外端面29を有している。また、放出要
素28は、セパレータ32により画成されたキャビティ
35内に配置されると共に、外端面29の反対側にある
ほぼ円形の内端面30も含んでいる。しかし、この内端
面30は、セパレータ32への放出要素の固定を支援す
るために、尖頭形,多角形,又は球形のようなその他の
形状を有することができる。また、放出要素28の直径
は、セパレータ32の外端面36の外径の約30〜80
%であり、このセパレータ32は、外端面36のところ
で、かつその全長に沿って、少なくとも約0.25mm
(0.01in)の半径方向厚さを有している。特別な例
としては、放出要素28が約2.03mm(0.08i
n)の直径及び約6.35mm(0.25in)の長さを
有し、セパレータ32が約6.35mm(0.25in)
の外径を有するのが典型的である。
【0021】放出要素28は、放出要素とセパレータ3
2により画成されたキャビティもしくは凹所35との間
に介在するように、相対的に非放出の材料34の層もし
くはコーティングを有することが好ましい。一実施例に
おいて、この材料34は、少なくとも約0.049mm
(0.002in)の厚みを有し、好ましくは約0.049
〜0.245mm(0.002〜0.010in)の厚みを
有している。この材料34は、電位が印加されたときに
電子を容易に放出しない材料から選択されている。かか
る材料の例としては、銀,金,プラチナ,ロジウム,イ
リジウム,パラジウム,ニッケル,アルミニウム及びそ
れらの合金である。好適な実施例において、この材料3
4はスターリング銀から形成されている。後から詳細に
説明するように、材料34は、セパレータ32に加えて
放出要素28にしっかりと接合される。材料34は、圧
力嵌め及びろう付けのような従来の方法と比較して、放
出要素28及びセパレータ32間により強い接合部をも
たらすことが好ましい。
【0022】セパレータ32は、ホルダ16及び放出要
素28と比較して、アークを持続させることがそれほど
容易ではない金属材料から構成されている。一実施例に
おいて、セパレータ32は銀から構成されているが、
金,プラチナ,ロジウム,イリジウム,パラジウム,ニ
ッケル,アルミニウム及びそれらの合金のようなその他
の金属材料を使用してもよい。セパレータ32として選
択した材料は、高熱伝導率,高耐酸化性,高溶融点,高
仕事関数及び低コストでなければならない。一材料でこ
れらの特性の全てを最大化することは困難であるが、銀
がその高熱伝導率のため好ましい。セパレータ32を形
成する材料及び相対的に非放出の材料34は実質的に同
様である。
【0023】例えば、本発明の特定の一実施例におい
て、材料34及びセパレータ32は、銅,アルミニウ
ム,鉄,鉛,亜鉛,及び例えばスターリング銀のような
それらの合金からなるグループから選択された約0.2
5〜10%の付加材料を銀に混合して合金とした銀合金
材料から構成されている。付加材料は、元素形態又は酸
化物形態でよく、従って、この明細書において使用され
ている用語「銅」は、元素形態はもちろんのこと酸化物
形態についても言及するものであり、用語「アルミニウ
ム」等も同様である。再び図1を参照すると、電極14
は、ガス通路40及び液体通路42を含むプラズマトー
チ本体38内にそれぞれ設けられている。このプラズマ
トーチ本体38は外側にある絶縁ハウジング部材44に
より囲まれている。水のような液冷却媒体を電極14に
通し循環させるため、電極14の中央孔部48内に管4
6が懸架されている。この管46は孔部48の直径より
も小さな外径を有しているので、管46と孔部48との
間にはスペース49が存在しており、水は、管46の開
放した下端から排出される際にそのスペース内を流れる
ことが可能である。水源(図示せず)からの水は、管4
6を通り、内部キャビティ22及びホルダ16の内側を
流れ、スペース49を通って戻り、トーチ本体38にあ
る開口52に行き、排水ホース(図示せず)に向かって
流れる。液体通路42は、噴射水をノズルアセンブリ1
2内に案内し、そこで噴射水は以下に更に説明するよう
にプラズマアークを囲むための渦流に変わる。ガス通路
40は、適当なガス源(図示せず)からのガスを案内
し、適当な耐高温材料のガスバッフル54を経て、複数
の入口穴58からガスプレナム室56に入れている。複
数の入口穴58は、ガスを渦巻き状にプレナム室56に
流入させるように配列されている。流入したガスは、ノ
ズルアセンブリ12の同軸状孔部60及び62を介して
プレナム室56から流出される。この電極14がガスバ
ッフル54を保持している。耐高温プラスチック絶縁本
体部55は、ノズルアセンブリ12を電極14から電気
的に絶縁するものである。
【0024】ノズルアセンブリ12は、第1の孔部60
を画成する上側ノズル部材63と、第2の孔部62を画
成する下側ノズル部材64とを備えている。上側ノズル
部材63は金属材料であることが好ましく、下側ノズル
部材64は金属又はセラミック材料であることが好まし
い。上側ノズル部材63の孔部60は、トーチの電極1
4の長手方向軸線と軸方向に整列されている。下側ノズ
ル部材64は、プラスチック製のスペーサ要素65と水
旋回リング66とにより上側ノズル部材63から隔てら
れている。上側ノズル部材63及び下側ノズル部材64
の間に設けられるスペースは、水室67を形成してい
る。
【0025】下側ノズル部材64は円筒形の本体部70
を備えており、該本体部70は、ここを同軸状に通って
延びる孔部62を有し、前端部もしくは下端部と後端部
もしくは上端部とを規定している。後端部上には環状の
装着フランジ71が配置されており、第2の孔部62と
同軸である前端部の外面上には切頭円錐面72が形成さ
れている。環状の装着フランジ71は、コップ状部材7
4の下端にある内向きフランジ73により下方から支持
されている。コップ状部材74はねじ部を外側のハウジ
ング部材44に螺着することによって着脱自在に装着さ
れている。2つのフランジ71及び73の間にはガスケ
ット75が配置されている。
【0026】下側ノズル部材64にある孔部62は円筒
形であり、任意の適当なプラスチック材料製の心出しス
リーブ78によって上側ノズル部材63にある孔部60
と軸方向に整列した状態に保持されている。水は、液体
通路42から、スリーブ78にある開口85を通って水
旋回リング66の複数の噴射ポート87へと流れ、該噴
射ポートが水を水室67内に噴射している。これら噴射
ポート87は、水旋回リング66の回りに接線方向に配
置されており、旋回成分の速度を水室67中の水流に与
えている。水は、孔部62を経由して水室67から出る
ようになっている。
【0027】電源(図示せず)は、通常接地される金属
母材に対して直列回路関係にあるトーチの電極14に接
続されている。動作中、アークに対して陰極端子として
作用する電極の放出要素28と、上述した電源の陽極に
接続され、かつ下側ノズル部材64の下方に位置決めさ
れる母材との間にプラズマアークが生成される。プラズ
マアークは、電極14とノズルアセンブリ12との間に
パイロットアークを瞬間的に生成することによって通常
の方法で開始され、次いで、このプラズマアークは孔部
60及び62を経て母材に移動されることになる。
【0028】製造方法 本発明は、上述した形式の電極を製造するための簡単な
方法も提供している。図4〜図8は、本発明に従って電
極を製造する好適な方法を例示している。図4に示すよ
うに、相対的に非放出の材料34は、プラズマアークス
プレートーチ39又は粉末金属スプレートーチのような
その均等物を使用することにより、放出要素28に付着
される。特に、スプレートーチ39は、放出要素を少な
くとも約760℃(1400°F)、好ましくは約22
04℃(4000°F)の高温度もしくは昇温度まで加
熱する。また、スプレートーチ39は、放出要素28に
向かって材料34を分配指向させることができる。放出
要素28が十分に加熱されると、この放出要素を形成す
る材料が反応性になるので、材料34が放出要素に付加
されたときに、材料は放出要素との即時接合部を形成す
る。
【0029】この材料34は、放出要素28と比較して
相対的に非電子放出性である粉末金属から形成されるの
が好ましい。材料34がスプレートーチ39から噴射さ
れて放出要素28に接触するときに、材料34は、溶融
して放出要素の外表面上に層もしくはコーティングを形
成する。上述のように、材料34は、少なくとも約0.
049mm(0.002in)の厚みを有し、好ましくは
約0.049〜0.245mm(0.002〜0.010i
n)の厚みを有しており、これは蒸着により形成される
層よりも実質的に厚い。その上、材料34が放出要素2
8に付着されるときに当該放出要素は高温度であるか
ら、結果的に得られる材料の層は、従来の方法と比較し
てもっとしっかりと放出要素に接合される。スプレート
ーチ39は放出要素を実質的に同時に加熱し材料34を
そこに付着させるものとして説明してきたが、先ず放出
要素28を所望温度まで加熱し、その後、別の工程又は
ステップとして材料を放出要素に付着させることも可能
である。更に、材料34は放出要素28に接触するとき
に溶融するものとして説明してきたが、言うまでもな
く、溶融工程は付着工程と実質的に同時に行ってよい
し、或いは溶融工程は付着工程とは別工程としてもよ
い。
【0030】放出要素28に材料34の層を噴射もしく
は被覆させた後、放出要素は、セパレータ32により画
成されたキャビティ35内に配置される。図5に示した
一実施例によると、放出要素28は、ほぼ平坦な円形の
作業面81を有する工具80を用いて、セパレータ32
のキャビティ35内に配置される。この工具80は、そ
の作業面81をキャビティ35内の放出要素28と接触
させて配置される。作業面81の外径は、セパレータ3
2により画成されたキャビティ35の直径よりも若干小
さい。工具80は、作業面81をトーチ10の長手方向
軸線とほぼ同軸にして保持され、力は、軸方向の圧縮力
を長手方向軸線に沿って放出要素28及びセパレータ3
2に伝えるように工具に加えられる。例えば、工具80
は、放出要素28及びセパレータ32と接触して位置決
めされ、その後、機械のラムのような適当な装置で叩か
れる。使われる特定の技術とは関係なく、放出要素28
をセパレータ32のキャビティ35中に位置決めするよ
うに十分な力を加えて、放出要素の内端面30を材料3
4の分だけセパレータから分離させなければならない。
一実施例において、放出要素28の圧縮作用によっても
放出要素及びセパレータ32が半径方向外方に若干変形
するので、放出要素28はセパレータにより面対面の関
係でしっかりと把持される。
【0031】また、このプロセス中に、放出要素28及
びセパレータ32のアセンブリに対して熱も加えられ
る。特に、加熱工程では、材料34及びセパレータが互
いにしっかりと結合されるように、放出要素28及びセ
パレータ32を加熱することを含んでいる。この加熱
は、放出要素28及びセパレータ32のアセンブリを材
料34のほぼ溶融温度まで加熱することで行うのが好ま
しく、一実施例によると、これはセパレータを形成する
材料と実質的に同様である。この加熱工程中に材料34
及びセパレータ32は「溶融して」もしくは溶けて合わ
さるので、2つの構成要素が互いにしっかりと接合され
る。有利なのは、材料34及びセパレータ32間に形成
された接合部が、材料34及び放出要素28間に形成さ
れた強い接合部により更に強化されることである。放出
要素28及び材料34間、並びに材料34及びセパレー
タ32間に形成された強い接合部のため、電極14は、
圧力嵌め技術もしくはろう付け技術を用いて形成された
電極と比較して、より長い寿命、高い熱伝導率及び高い
導電率を有している。勿論、本発明の材料34及びセパ
レータ32でコーティングされた放出要素28と共にろ
う付け材料を使用することも可能であるが、これは必要
ではない。
【0032】図6を見ると、銅又は銅合金製の円筒形素
材94が前面95とその反対側の後面96を有して提供
されている。その後、前述したキャビティ24を形成す
るように、前面95に長手方向軸線に沿って例えば穿孔
によりほぼ円筒形の孔部を形成する。その後、放出要素
28及びセパレータ32のアセンブリは、セパレータの
周壁33がキャビティの内壁27に滑動可能に係合しそ
こに面対面の摩擦関係で固定されるように、例えば圧力
嵌めによりキャビティ24内に挿入される。図示しない
が、放出要素28及びセパレータ32のアセンブリをキ
ャビティ24内に位置決めするときに、キャビティ24
内にろう付け材料を使用することも可能である。
【0033】図7に示した一実施例によると、ほぼ平坦
な円形の作業面100を有する工具98が、その作業面
100を放出要素28及びセパレータ32の各端面2
9,36とそれぞれ接触させて配置されている。作業面
100の外径は、円筒形素材94にあるキャビティ24
の直径よりも僅かに小さい。工具98は作業面100を
トーチ10の長手方向軸線とほぼ同軸にして保持され、
力は、軸方向の圧縮力を長手方向軸線に沿って放出要素
28及びセパレータ32に伝えるように工具に加えられ
る。例えば、工具98は、放出要素28及びセパレータ
32と接触して位置決めされ、その後、機械のラムのよ
うな適当な装置で工具98を叩く。使われる特定の技術
とは関係なく、十分な力が加えられて放出要素28及び
セパレータ32が半径方向外方に変形されるようになる
ので、放出要素28はセパレータ32によりしっかりと
把持され、セパレータ32は、図8に示すように、キャ
ビティ24によりしっかりと掴まれて保持される。
【0034】また、図8は電極の特性及び寿命を向上さ
せることになる円筒形素材94への熱の付加を説明して
いる。加熱プロセスは、放出要素28及びセパレータ3
2のアセンブリを金属ホルダ、即ち円筒形素材94内に
位置決めした後に行うことができる。加熱工程は、後述
するように、更なる機械加工ステップを円筒形素材につ
いて行った後に、行うこともできる。厳正な加熱プロセ
スは、放出要素28,セパレータ32,放出要素に付着
した材料34に使用される材料や、任意のろう付け材料
に左右される。
【0035】図9及び図10は、加圧及び加熱ステップ
前後の放出要素28、そこに付着させた材料34及びセ
パレータ32を図8の9−9線に沿った詳細断面図で示
している。特に、図9は互いに隣接する3つの材料を示
しており、この図で破線は、前述した材料34及び放出
要素28間の予め形成された接合部を表わしている。図
10は図9と同じであるが、加圧及び加熱ステップ後の
図である。図から分かるように、材料34及びセパレー
タ32は両者間に強い接合部を形成しており、この強い
接合部は、材料34及びセパレータ32が「溶融」もし
くは溶け合わさるか、或いは両者間に拡散接合部を形成
して、2つの構成要素がしっかりと接合して会わされる
ように、材料34をほぼその溶融温度まで加熱すること
によって形成されるのが好ましい。セパレータ32及び
材料34間の接合は、破線で表わされている。また、セ
パレータ32及び材料34を実質的に同様の材料から形
成したときに、最も容易に接合が起こるが、これは必要
ではない。
【0036】図3に戻り参照すると、本発明による完成
電極の断面が示されている。ホルダ16の製造を完了す
るために、円筒形素材94の後面96を機械加工して、
内部にキャビティ22を画成する開放コップ形状の構造
を形成する。このキャビティ22は、円筒形の柱状部2
3を画成すると共にセパレータ32及び放出要素28の
諸部分を同軸的に囲む内側環状凹部82を含むのが有利
である。また、この内側環状凹部82は内側面83を有
している。換言すれば、内側環状凹部82は、円筒形の
柱状部23を画成するように、例えば、トレパニング又
はその他の加工作業により形成されている。
【0037】また、円筒形素材94の外周壁は、ホルダ
16の後端19における雄ねじ部102の形成を含め、
所望の形状にすることができる。最後に、円筒形素材9
4の前面95並びに放出要素28及びセパレータ32の
端面29,36は、それぞれ実質的に平らで互いに面一
になるように機械加工される。
【0038】図11は、ホルダ16の端面図を示してい
る。セパレータ32の端面36が放出要素28の端面2
9をホルダ16の前面20から分離させていることが分
かる。この端面36は、環状であって内周104と外周
106とを有している。セパレータ32は、アークが放
出要素から離れてホルダ16につくようになるのを妨げ
る働きをする。
【0039】したがって、本発明は、プラズマアークト
ーチにおいて使用するための電極14を提供すると共
に、電極を製造するための方法を提供しており、この電
極において、放出要素28はセパレータ32のキャビテ
ィ35内に位置決めされる前に、それぞれ相対的に非放
出の材料34の付加が受け取られる。この材料34及び
放出要素28は両者間に強い接合部を形成する。そし
て、コーティングされた放出要素28がセパレータ32
内に位置決めされて加熱され、材料34及びセパレータ
が溶融し或いは接合して合わされるときに、結果的に生
ずる放出要素28及び材料34間、並びに材料34及び
セパレータ32間の接合部が、通常の方法で形成された
電極と比較して、電極に対し優れた強度と長い寿命を提
供することになる。
【0040】好適な実施例に関して本発明を説明してき
たが、また、これらの実施例について相当に詳しく記載
したが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱
することなく、種々の改変を行ったり、均等物と置換し
たりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴を実現するプラズマアークトーチ
の側断面図である。
【図2】本発明に従った電極の拡大斜視図である。
【図3】本発明に従った電極の拡大断面図である。
【図4】本発明に従って電極を製造する好適な方法の一
工程を図解する概要図である。
【図5】本発明に従って電極を製造する好適な方法の一
工程を図解する概要図である。
【図6】本発明に従って電極を製造する好適な方法の一
工程を図解する概要図である。
【図7】本発明に従って電極を製造する好適な方法の一
工程を図解する概要図である。
【図8】本発明に従って電極を製造する好適な方法の一
工程を図解する概要図である。
【図9】圧縮及び加熱作業直前の、図8の9−9線に沿
って見た本発明による電極の拡大断面図である。
【図10】圧縮及び加熱作業直後の、図8の9−9線に
沿って見た本発明による電極の拡大断面図である。
【図11】本発明による完成電極の断面図である。
【符号の説明】
10 プラズマアークトーチ 14 電極 16 ホルダ 24 キャビティ 28 電子放出要素 32 セパレータ 34 相対的に非放出の材料 35 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル・シー・マクベネット アメリカ合衆国サウスカロライナ州29069, レイマー,ウェスト・セヴン・パインズ・ ストリート 740 Fターム(参考) 4E001 LD14 LE03 LE14 LH09 ME04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマアークトーチに使用するための
    放出要素にコーティングする方法であって、 外表面を有する前記放出要素の該外表面の少なくとも一
    部が反応性になるように前記放出要素を加熱する加熱ス
    テップと、 加熱され反応性となった前記放出要素の前記外表面に相
    対的に非放出の材料を付加する付加ステップと、 前記相対的に非放出の材料を前記放出要素の前記外表面
    に接して溶融させておく溶融ステップと、 前記相対的に非放出の材料及び前記放出要素の前記外表
    面が互いにしっかりと接合するように、前記放出要素及
    び該放出要素にコーティングされた前記相対的に非放出
    の材料を冷却させるステップと、 を含む放出要素にコーティングする方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱ステップは、前記放出要素を少
    なくとも760℃(1400°F)まで加熱することを
    含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱ステップは、前記放出要素の外
    表面の実質的に全てが反応性となるように、前記放出要
    素を加熱することを含む請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記付加ステップは、前記放出要素の実
    質的に全ての外表面上に、銀,金,プラチナ,ロジウ
    ム,イリジウム,パラジウム,ニッケル,アルミニウム
    及びそれらの合金からなるグループから選択した材料を
    噴射することを含む請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記付加ステップは、前記材料を粉末形
    態で噴射することを含む請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記付加ステップは、前記放出要素の外
    表面に約0.049〜0.245mm(0.002〜0.0
    10in)の厚みを有する前記相対的に非放出の材料を
    付加することを含む請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記溶融ステップは、前記付加ステップ
    と実質的に同時に起こる請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 プラズマアークトーチに使用するための
    電極を形成する方法であって、 外表面を有する放出要素を、該放出要素の外表面の少な
    くとも一部が反応性になるように、加熱する加熱ステッ
    プと、 加熱され反応性となった前記放出要素の外表面に相対的
    に非放出の材料を付加する付加ステップと、 前記相対的に非放出の材料を前記放出要素の外表面に接
    して溶融させると共に、前記外表面にしっかりと接合さ
    せておくステップと、 相対的に非放出のセパレータにより画成されたキャビテ
    ィが前記放出要素により実質的に塞がれるように、前記
    キャビティ中に前記放出要素を位置決めするステップ
    と、 前記放出要素を前記相対的に非放出のセパレータに接合
    するステップと、 を含む電極を形成する方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱ステップは、前記放出要素を少
    なくとも760℃(1400°F)まで加熱することを
    含む請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記付加ステップは、前記放出要素の
    実質的に全ての外表面上に、銀,金,プラチナ,ロジウ
    ム,イリジウム,パラジウム,ニッケル,アルミニウム
    及びそれらの合金からなるグループから選択した材料を
    噴射することを含む請求項8に記載の方法。
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