JP2003019700A - マイクロ構造体、およびその作製方法 - Google Patents

マイクロ構造体、およびその作製方法

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JP2003019700A
JP2003019700A JP2001207135A JP2001207135A JP2003019700A JP 2003019700 A JP2003019700 A JP 2003019700A JP 2001207135 A JP2001207135 A JP 2001207135A JP 2001207135 A JP2001207135 A JP 2001207135A JP 2003019700 A JP2003019700 A JP 2003019700A
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etching
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Yasuhiro Shimada
康弘 島田
Takahisa Kato
貴久 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造装置および製造コストが安価で、プロセス
条件出しが容易で、所望の構造体を高精度で容易に形成
でき、デバイス設計が容易なマイクロ構造体の作製方法
である。 【解決手段】面方位(110)を主面とする単結晶シリ
コン基板1に梁2により支持された部分3を有するマイ
クロ構造体の作製方法では、基板1を異方性エッチング
により加工することで、基板面に垂直な(111)等価
面の側壁で囲まれた所定の内角の平行四辺形の複数の基
板貫通孔4、及び、基板貫通孔4の間の基板面に垂直な
シリコン薄膜部6を形成し、その後、シリコン薄膜部6
を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン基板を加
工してなるマイクロ構造体、その作製方法等に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、単結晶シリコン基板の微細加工に
おいては、半導体プロセス技術と水酸化カリウム等のア
ルカリ水溶液を用いた異方性エッチング法との組み合わ
せにより、圧力センサーや加速度センサー等のさまざま
なマイクロ構造体が作製されている。この方法は、単純
なウェットエッチングでありながら複雑な構造体を精度
良く作製することができる。
【0003】しかしながら、異方性エッチングは、(1
11)面のエッチングレートが他の方位面に対して非常
に遅いことを利用して形状を作製するため、得られる形
状には制約が多く、自由な構造体を設計できるという訳
ではない。犠牲層を設けたり、エッチングマスクに補正
パターンを設けたりすることにより、或る程度の制御は
可能であるが、パターンの設計やエッチング時間のコン
トロールが難しいという問題があった。
【0004】これに対して、近年、ドライエッチングの
技術が発達し、壁面に保護膜を形成しながらエッチング
を行うTMエッチング(Time Moderation Etching)、
ウエハーの温度を下げてサイドエッチングを抑制する低
温エッチング、さらには、誘導結合型プラズマやヘリコ
ン波プラズマ等の高密度プラズマを用いたエッチング方
法が開発され、垂直方向の異方性が大きく、かつ、エッ
チング速度の大きいドライエッチングを行うことができ
るようになり、シリコンのバルクマイクロマシーニング
に画期的な変革をもたらした(Technical Digest of th
e 11th SensorSymposium, 1992. pp.15〜18)。これら
の方法では、異方性エッチングにおける形状の制約が小
さくなり、基板表面に形成された任意のマスクパターン
をそのまま垂直方向に投影したエッチング加工が可能と
なった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
ドライエッチングによる加工には、装置が高価であると
言う問題がある。また、一度に処理できる量が限られて
いるため生産コストが高いという問題がある。また、ウ
ェットエッチングと比較してエッチングレートが小さ
く、製造に時間がかかるという問題がある。また、プロ
セス条件出しが難しいという問題がある。例えば、エッ
チングの進行が途中で停止して、貫通孔が形成されない
場合がある。また、高アスペクト比の貫通孔を形成する
際には、開口径によってエッチレートが変わるマイクロ
ローディング効果という現象が見られる場合がある。ま
た、上記の問題によりデバイスの寸法がプロセス条件に
左右される為、構造体を作製するためのデバイス設計が
容易でないという別の問題もある。
【0006】本発明は、上記観点に鑑み成されたもので
あり、その目的は、(1)製造装置および製造コストが
安価で、(2)プロセス条件出しが容易で、所望の構造
体を高精度で容易に形成でき、(3)デバイス設計が容
易な、マイクロ構造体の作製方法、そうしたマイクロ構
造体、該マイクロ構造体を用いたスキャナ、画像形成装
置等の光学機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成する本発明のマイクロ構造体の作製方法は、面方位
(110)を主面とする単結晶シリコン基板に梁により
支持された部分を有するマイクロ構造体を作製する作製
方法であって、(1)前記基板を異方性エッチングによ
り加工し、該基板面に垂直な(111)等価面の側壁で
囲まれた所定の内角の平行四辺形の複数の基板貫通孔、
及び、該基板貫通孔の間の基板面に垂直なシリコン薄膜
部を形成する工程、(2)前記シリコン薄膜部を除去す
る工程、を含むことを特徴とする。
【0008】この様に、本発明は、第1に、面方位(1
10)を主面とするシリコン基板を加工するマイクロ構
造体の作製方法に関するものである。尚、本明細書にお
いては、(111)面と等価な面、例えば(−1−1−
1)面や(−111)面など、を総称して(111)等
価面と表現する。
【0009】本発明では、シリコンの結晶異方性エッチ
ングは、(111)等価面のエッチング速度が極端に遅
いことを利用している。よって、すべての側面が(11
1)等価面で囲まれた貫通孔は制御性良く作製すること
が可能である。そこで、本発明によるマイクロ構造体の
作製方法は、まず(111)等価面で囲まれた複数の貫
通孔を、隣接する貫通孔同士の一部がシリコン薄膜部で
隔てられるように形成した後に、このシリコン薄膜部を
除去することにより、複雑な形状のマイクロ構造体でも
制御性良く作製できることを特徴とする。従って、この
作製方法は、製造装置および製造コストが安価で、プロ
セス条件出しが容易で、所望の構造体を高精度で容易に
形成でき、かつ、デバイス設計が容易であるという特長
を有する。
【0010】更に、上記目的を達成する本発明のマイク
ロ構造体は、面方位(110)を主面とする単結晶シリ
コン基板に梁により支持された部分(トーションバーで
ある梁によりシリコン基板に支持された可動部など)を
有するマイクロ構造体であって、該シリコン基板は該部
分の周りに異方性エッチングにより加工された貫通孔を
有し、該マイクロ構造体の表面は、該基板面と平行な面
および(111)等価面のみで構成されることを特徴と
する。
【0011】この様に、本発明は、第2に、シリコン基
板をエッチング加工して作製した貫通孔、及びその貫通
孔内に形成された部分を有するマイクロ構造体であっ
て、マイクロ構造体の表面は、基板面と平行な面および
結晶異方性エッチングで形成された(111)等価面で
構成されるマイクロ構造体に関する。
【0012】このマイクロ構造体は、単結晶シリコンで
構成されるため機械特性に優れ(すなわち、比較的軽量
でありながら物理的強度、耐性、寿命に優れ)、また、
エッチングされた結晶面で構成されるため応力集中によ
る破壊に強い構造体であるという特長を有する。特に、
トーションバーやカンチレバー等の梁を有する可動部材
においては、梁の破断を低減させる効果を有する。
【0013】更に、上記目的を達成する本発明のマイク
ロスキャナは、上記のマイクロ構造体と、偏向子として
働く可動部に外力を加えることにより該可動部を駆動さ
せる駆動手段とを具備することを特徴とし、上記目的を
達成する本発明の画像表示装置は、上記のマイクロスキ
ャナと、変調手段を有する光源とを具備し、該光源から
出た光線をマイクロスキャナの前記可動部に照射し、該
可動部からの反射光を前記駆動手段により走査させるこ
とを特徴とする。これらの光学機器も、上記マイクロ構
造体を利用しているので、上記のマイクロ構造体の特長
を有することになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、より具体的な本発明の実
施の形態を説明する。上記基本的なマイクロ構造体の作
製方法において、上記(1)の工程は、前記基板の両面
にマスク層を形成し、該両面のマスク層をパターニング
して前記所定の内角の平行四辺形の複数の開口部を形成
し、前記基板の両面から異方性エッチングを行う工程で
あり得る。
【0015】この様に、貫通孔の作製方法は、典型的に
は、まず面方位(110)を主面とするシリコン基板の
両面にマスク層を形成し、これをフォトリソグラフィー
とエッチングを用いてパターニングし、エッチングマス
クを形成する。この際、このパターニングされたマスク
層の開口部の各辺は、(110)面と垂直な(111)
等価面に平行な線となる様に形成される。したがって、
開口部は必然的に所定の内角の平行四辺形の開口部とな
り、延いては、これを利用して形成される基板貫通孔
も、基板面に垂直な(111)等価面の側壁で囲まれた
所定の内角の平行四辺形の貫通孔となる。
【0016】その後、シリコン基板の結晶異方性エッチ
ングを行うことにより、貫通孔を形成する。異方性エッ
チングには、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、エチ
レンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
等の水溶液を用いることができる。異方性エッチング
は、基板の面積や厚さ、パターン形状によりエッチング
条件を変える必要の無い優れた方法である。この際、両
面のマスク層のパターンの少なくとも一部を基板上面か
ら見て一致させることにより、(110)基板面に垂直
な壁面を有する貫通孔を形成することが可能である。
【0017】前記(1)の工程において、前記基板の一
方の面にマスク層を形成し、該マスク層をパターニング
して前記所定の内角の平行四辺形の開口部を形成し、前
記基板の他方の面に、該マスク層のパターン形状と相補
的なパターン形状(すなわち、マスク層の開口部が犠牲
層パターンの材料部になり、マスク層の材料部が犠牲層
パターンの開口部になる)のポリシリコンの犠牲層を設
けて該犠牲層を保護層で覆い、前記基板の一方の面から
異方性エッチングを行ってもよい。裏面に予めパターニ
ングしたポリシリコンの犠牲層を設けて該犠牲層をSi
Nなどの保護層で覆うことにより、裏面のマスク層のパ
ターニングを行わずに、表面からのエッチングで基板貫
通孔を形成することも可能である。
【0018】前記(1)の工程で、前記マスク層の開口
部において基板材料が残り易い部分に前もって小さい貫
通孔を形成し、その後異方性エッチングを行ってもよ
い。狭い領域に貫通孔を形成する際は、(110)基板
面と斜めに交わる(111)等価面の影響により、貫通
孔が作製しにくい場合がある。この様な場合は、マスク
層の開口部において材料が残り易い部分にレーザー加工
などにより小さい貫通孔を形成し、その後異方性エッチ
ングを行うことにより、形状の整った貫通孔を作製する
ことが可能である。
【0019】また、前記梁の厚さを別途薄くする様な工
程を更に含んでもよい。また、前記梁は、片持ち梁やト
ーションバーであったりする。
【0020】前記(1)の工程の貫通孔は、前記シリコ
ン薄膜部を挟んで連続的に並んだ複数のスリット状貫通
孔を含んだりする。この場合、シリコン薄膜部を除去す
ることにより、側面を多角形近似された曲面で構成した
マイクロ構造体を作製することができる。これにより、
円形等の比較的自由なパターンを投影した貫通孔を形成
することも可能である。この際、曲面を滑らかに仕上げ
る為に、別途、エッチングや研磨等の工程を設けてもよ
い。前記複数のスリット状貫通孔の長さは、徐々にほぼ
連続的に変化したりする。
【0021】前記(2)の工程は、前記(1)の工程と
同様に異方性エッチングする工程であったり、ウェット
エッチングする工程であったり、前記シリコン薄膜部を
熱酸化した後にウェットエッチングにより除去する工程
であったりする。この様に、シリコン薄膜部を除去する
方法は、アルカリ水溶液や、フッ酸・硝酸・酢酸の混合
水溶液等を用いたウェットエッチングであったり、フッ
化イオウ、フッ化炭素、フッ化キセノン等のガスによる
ドライエッチングであったり、また、シリコン薄膜部を
一旦酸化し、これを選択的にエッチングする方法であっ
たりする。
【0022】
【実施例】以下に、更に具体的な実施例を図面を用いて
説明する。
【0023】<実施例1>図1、図2に沿って実施例1
を説明する。本実施例は、本発明によるマイクロ構造体
の第一態様であるトーションバー2で支持された可動部
3及びその作製方法である。本実施例によるマイクロ構
造体は、(110)を主面とする単結晶シリコン基板1
に形成された貫通孔、一直線に沿って伸びた2つのトー
ションバー2、該トーションバー2に支持された可動部
3よりなる(図1(a)参照)。トーションバー2の長
さはそれぞれ1mm、断面積は0.015mmであ
る。可動部3の面積は1mmである。貫通孔、トーシ
ョンバー2、および可動部3の、(110)基板1表面
と平行な面以外のすべての壁面は、基板1面と垂直な
(111)等価面で構成されている。
【0024】本実施例によるマイクロ構造体の作製工程
を図2を用いて説明する。図2は図1のA−A’断面を
示す。
【0025】まず、面方位(110)を主面とする単結
晶シリコン基板1を用意し、ジクロルシランとアンモニ
アを用いた低圧化学気相成長法により表面及び裏面に窒
化シリコンよりなるマスク層5を堆積した(図2(a)
参照)。
【0026】次に、表面及び裏面のマスク層5に対し
て、それぞれ、フォトリソグラフィーと四フッ化炭素ガ
スを用いた反応性イオンエッチング法によりパターニン
グを行なった(図2(b)参照)。この際、マスク層5
のパターンの開口部の辺は(110)基板面と垂直な
(111)等価面に平行となるようにパターニングを行
った。また、表面及び裏面マスク層5のパターンは、基
板1上面から見て一致するように形成した。
【0027】次に、100℃に加熱した30%の水酸化
カリウム水溶液を用いて基板1の結晶異方性エッチング
を行い、(111)等価面を露出させることにより、基
板面に垂直な側壁およびシリコン薄膜部6を形成した
(図2(c)参照)。
【0028】さらに、同様のエッチングを継続し、貫通
孔4を形成した(図1(b)および図2(d)参照)。
マスク層5のパターンを基板1上面から見て一致させる
ことにより、基板面に垂直な壁面を有する貫通孔4を形
成することが可能である。
【0029】さらに、同様のエッチングを継続すること
により、(111)等価面のサイドエッチングを進行さ
せ、シリコン薄膜部6を除去した(図2(e)参照)。
この状態では、シリコンが露出した部分は、すべて非常
にエッチング速度の遅い(111)等価面であるが、
(111)等価面自体もわずかにエッチングが進行する
(サイドエッチング)。これによりシリコン薄膜部6を
除去することができる。
【0030】最後に、四フッ化炭素ガスを用いた反応性
イオンエッチング法により両面のマスク層5を除去した
(図2(f)参照)。以上の工程により、図1(a)に
示す一対のトーションバー2で基板1に支持された可動
部3を有するマイクロ構造体を作製した。
【0031】本実施例によるマイクロ構造体は、可動部
3がトーションバー2の長軸周りに回転可能であり、典
型的には、可動部3の表面を反射面とした可動ミラーと
して用いることが可能である。
【0032】本実施例のマイクロ構造体の作製方法は、
製造装置および製造コストが安価で、プロセス条件設定
が容易で、所望の構造体を高精度で容易に形成でき、か
つ、デバイス設計が容易であるという特長を有する。ま
た、(110)基板1の両面からエッチングを行うこと
により、高速にエッチングを行うことが可能である。ま
た、本実施例のマイクロ構造体は、単結晶シリコンで構
成されるため機械特性に優れ、また、エッチングされた
結晶面(滑らかな面である)で構成されるため応力集中
による破壊に強く、トーションバー2の破断を低減させ
る効果を有する。
【0033】<実施例2>図3、図4、図5に沿って実
施例2を説明する。本実施例は、本発明によるマイクロ
構造体の第二態様であるカンチレバー11に支持された
おもり部12、及びその作製方法である。本実施例によ
るマイクロ構造体は、(110)を主面とする単結晶シ
リコン基板1に形成された貫通孔4、カンチレバー1
1、およびカンチレバー11に支持されたおもり部12
よりなる(図3参照)。カンチレバー11の長さは1m
m、断面積は0.01mmである。貫通孔4、カンチ
レバー11、およびおもり部12の、(110)基板1
表面と平行な面以外のすべての壁面は、(111)等価
面で構成されている。この(111)等価面は、(11
0)基板1表面に垂直な(111)等価面と、カンチレ
バー11の掘り下げ部15にある基板1面に対して斜め
に交わる(111)等価面とを含む。
【0034】本実施例によるマイクロ構造体の作製工程
図を図4に示す。また、図4の作製工程のB−B’断面
図を図5に示す。
【0035】まず、面方位(110)を主面とする単結
晶シリコン基板1を用意し、ジクロルシランとアンモニ
アを用いた低圧化学気相成長法により表面及び裏面に窒
化シリコン層13を堆積し、フォトリソグラフィーと四
フッ化炭素ガスを用いた反応性イオンエッチング法によ
りパターニングを行なった。次に、基板1の表面を熱酸
化することにより窒化シリコン層13以外の部分に酸化
シリコン層14を形成し、フォトリソグラフィーとフッ
酸とフッ化アンモニウムの混合水溶液を用いたウェット
エッチング法によりパターニングした(図4(a)およ
び図5(a)参照)。この際も、酸化シリコン層14の
パターンの開口部の辺は(110)基板面と垂直な(1
11)等価面に平行となるようにパターニングを行っ
た。
【0036】次に、実施例1と同様に、水酸化カリウム
水溶液を用いて異方性エッチングを行い、シリコン薄膜
部6及び貫通孔4を形成し、さらにエッチングを続ける
ことによりカンチレバー11で支持されたおもり部12
を有するマイクロ構造体を形成した後、基板1を熱酸化
し窒化シリコン層13以外の部分を、再度、酸化シリコ
ン層14で覆った(図4(b)および図5(b)参
照)。
【0037】次に、四フッ化炭素ガスを用いた反応性イ
オンエッチング法により表面及び裏面の窒化シリコン層
13のみを選択的に除去した(図4(c)および図5
(c)参照)。
【0038】次に、90℃に加熱したTMAH(テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド)の水溶液を用いて異
方性エッチングを行い、カンチレバー11の中心部に掘
り下げ部15を形成し、新たに基板1面に対して斜めに
交わる(111)等価面を形成した(図4(d)および
図5(d)参照)。このように梁の側面を酸化し、梁の
上下からエッチングを行って梁の厚さを薄くする方法
は、フッ化キセノンガスを用いたエッチングによるもの
について開示されている(Sensors and Actuators, A6
6, pp.268-272)。
【0039】最後に、フッ酸とフッ化アンモニウムの混
合水溶液を用いたウェットエッチング法により酸化シリ
コン層14を除去し、カンチレバー11で基板1に支持
されたおもり部12を有するマイクロ構造体を作製した
(図4(e)および図5(e)参照)。
【0040】本実施例によるマイクロ構造体は、おもり
部12に力が加わることにより、カンチレバー11が撓
む構造となっている。したがって、例えば、カンチレバ
ー11上にピエゾ抵抗センサーを作製することにより加
速度検知センサーとして用いることが可能である。
【0041】本実施例のマイクロ構造体の作製方法も、
製造装置および製造コストが安価で、プロセス条件設定
が容易で、所望の構造体を高精度で容易に形成でき、か
つ、デバイス設計が容易であるという特長を有する。ま
た、本実施例のマイクロ構造体も、単結晶シリコンで構
成されるため機械特性に優れ、また、エッチングされた
結晶面で構成されるため応力集中による破壊に強く、カ
ンチレバーの破断を低減させる効果を有する。また、カ
ンチレバー11の厚さを制御することによりバネ定数の
コントロールも可能である。
【0042】<実施例3>図6に沿って実施例3を説明
する。本実施例は、本発明によるマイクロ構造体の第三
態様であるトーションバー2で支持された円形可動部2
1、及びその作製方法である。本実施例によるマイクロ
構造体は、(110)を主面とする単結晶シリコン基板
1に形成された貫通孔、トーションバー2、該トーショ
ンバー2に支持された円形可動部21よりなる(図6参
照)。一対のトーションバー2の長さはそれぞれ1m
m、断面積は0.015mmである。円形可動部21
の面積は0.7mmである。本実施例の場合、円形可
動部21の側壁は(111)等価面ではなく、曲面で構
成されている。
【0043】作製方法は、実施例1の図2に記載の方法
とほぼ同一である。実施例1と異なるところを以下に示
す。
【0044】第一に、図2(b)の工程で、マスク層5
に形成する開口パターンの一部を、隣接して並んだ多数
の細長い平行四辺形の領域に分割することにより、図2
(d)に相当する工程で、図6(b)に示すような連続
的に並んだスリット状貫通孔22を形成した。
【0045】第二に、実施例1の図2(e)工程では、
異方性エッチングを継続することにより、シリコン薄膜
部6を除去したが、本実施例においては、シリコン薄膜
部6を含む基板1表面を熱酸化し、シリコン薄膜部6全
体を酸化させた後、フッ酸とフッ化アンモニウムの混合
水溶液を用いたウェットエッチング法により、酸化した
シリコン薄膜部6を除去した。この方法により、図6
(a)に示すような円形可動部21の側壁を滑らかな曲
面で構成することができた。
【0046】本実施例によるマイクロ構造体は、実施例
1と同様に、可動ミラーとして用いることが可能であ
る。本実施例においては、可動部21を円形にすること
により、軽量化や空気抵抗の軽減が可能となり、共振運
動での安定性・周波数特性等の向上を図ることができ
た。
【0047】本実施例のマイクロ構造体の作製方法も、
製造装置および製造コストが安価で、プロセス条件設定
が容易で、所望の構造体を高精度で容易に形成でき、か
つ、デバイス設計が容易であるという特長を有する。ま
た、本実施例のマイクロ構造体も、単結晶シリコンで構
成されるため機械特性に優れ、また、エッチングされた
結晶面で構成されるため応力集中による破壊に強く、ト
ーションバーの破断を低減させる効果を有する。
【0048】<実施例4>本実施例は、実施例1による
マイクロ構造体を用いたマイクロスキャナおよび画像表
示装置である。
【0049】図7を用いて本実施例のマイクロスキャナ
の構成を説明する。まず、実施例1によるマイクロ構造
体の下部に、一定の間隔をあけて下部基板31を対向配
置させる。可動部3に対向する下部基板31の位置に、
2つの駆動電極32を設け、これに個別に電圧を印加す
ることにより可動部3と駆動電極32間に静電引力が発
生できる様にする。このマイクロスキャナの反射面に光
ビームを照射し、可動部3を静電引力によりトーション
バー2のねじれ共振周波数で加振させて反射面を連続的
に回動振動させることにより、光ビームを一次元に偏向
させるラインスキャナとして用いることができる。ま
た、別のスキャナと組み合わせることにより、二次元光
スキャナとすることも可能である。
【0050】次に、図8を用いて本実施例の画像表示装
置の構成を説明する。41は偏向方向が互い直交するよ
うにマイクロスキャナを2個配置した光偏向器群であ
り、水平・垂直方向に入射光をラスタスキャンすること
が可能である。光偏向器群41は図7に示したマイクロ
スキャナを含んでいる。42は変調手段を有するレーザ
光源である。43は補正光学系、44はスクリーンであ
る。レーザ光源42から入射されたレーザ光は、光走査
のタイミングと関係した所定の強度変調を受けていて、
光偏向器群41により2次元的に走査される。走査され
たレーザ光は、補正光学系43を経てスクリーン44上
に画像を形成する。
【0051】本実施例によるマイクロスキャナにおいて
は、実施例1によるマイクロ構造体を用いることにより
可動部材におけるトーションバー等の梁の破断を低減さ
せることができた。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
製造装置および製造コストが安価で、エッチング条件な
どのプロセス条件のコントロールが容易で、所望の構造
体を高精度で容易に形成でき、かつ、デバイス設計が容
易なマイクロ構造体の作製方法を実現できた。また、両
面からエッチングを行う場合には、短時間で貫通孔の形
成を行うことができた。また、連続的に並んだスリット
状の貫通孔を作製する場合には、比較的自由な2次元パ
ターンを投影した貫通孔を有するマイクロ構造体の作製
方法も実現することができた。
【0053】また、本発明により、単結晶シリコンで構
成されるため機械特性に優れ、エッチングされた結晶面
で構成されるため応力集中による破壊に強いマイクロ構
造体を実現できた。特に、トーションバーやカンチレバ
ー等の梁を有する可動部材においては、梁の破断を低減
させる効果を有する。また、トーションバーで支持され
た可動部を円形にすることにより、軽量化や空気抵抗の
軽減が可能となり、共振運動での安定性・周波数特性等
の向上を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によるマイクロ構造体およびその作製
工程の一部を示す斜視図。
【図2】実施例1によるマイクロ構造体の作製工程を示
す断面図。
【図3】実施例2によるマイクロ構造体を示す斜視図。
【図4】実施例2によるマイクロ構造体の作製工程を示
す斜視図。
【図5】実施例2によるマイクロ構造体の作製工程を示
す断面図。
【図6】実施例3によるマイクロ構造体およびその作製
工程の一部を示す図。
【図7】実施例4によるマイクロスキャナを示す斜視
図。
【図8】実施例4による画像表示装置を示す概略図。
【符号の説明】
1 (110)シリコン基板 2 トーションバー 3 可動部 4 貫通孔 5 マスク層 6 シリコン薄膜部 11 カンチレバー 12 おもり部 13 窒化シリコン層 14 酸化シリコン層 15 掘り下げ部 21 円形可動部 22 スリット状貫通孔 31 下部基板 32 駆動電極 41 光偏向器群 42 レーザ光源 43 補正光学系 44 スクリーン

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面方位(110)を主面とする単結晶シ
    リコン基板に梁により支持された部分を有するマイクロ
    構造体を作製する作製方法であって、 (1)前記基板を異方性エッチングにより加工し、該基
    板面に垂直な(111)等価面の側壁で囲まれた所定の
    内角の平行四辺形の複数の基板貫通孔、及び、該基板貫
    通孔の間の該基板面に垂直なシリコン薄膜部を形成する
    工程、 (2)前記シリコン薄膜部を除去する工程、 を含むことを特徴とするマイクロ構造体の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記(1)の工程が、前記基板の両面に
    マスク層を形成し、該両面のマスク層をパターニングし
    て前記所定の内角の平行四辺形の開口部を形成し、前記
    基板の両面から異方性エッチングを行う工程であること
    を特徴とする請求項1に記載のマイクロ構造体の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 前記両面に形成したマスク層のパターン
    形状の少なくとも一部が、前記基板上面から見て一致す
    ることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ構造体の
    作製方法。
  4. 【請求項4】 前記(1)の工程で、前記マスク層の開
    口部において基板材料が残り易い部分に前もって小さい
    貫通孔を形成し、その後異方性エッチングを行うことを
    特徴とする請求項2または3に記載のマイクロ構造体の
    作製方法。
  5. 【請求項5】 前記(1)の工程が、前記基板の一方の
    面にマスク層を形成し、該マスク層をパターニングして
    前記所定の内角の平行四辺形の開口部を形成し、前記基
    板の他方の面に、該マスク層のパターン形状と相補的な
    パターン形状のポリシリコンの犠牲層を設けて該犠牲層
    を保護層で覆い、前記基板の一方の面から異方性エッチ
    ングを行う工程であることを特徴とする請求項1に記載
    のマイクロ構造体の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記梁が片持ち梁であることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ構造体の
    作製方法。
  7. 【請求項7】 前記梁がトーションバーであることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ構
    造体の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記(1)の工程の前記貫通孔が、前記
    シリコン薄膜部を挟んで連続的に並んだ複数のスリット
    状貫通孔を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいず
    れかに記載のマイクロ構造体の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記複数のスリット状貫通孔の長さが徐
    々にほぼ連続的に変化することを特徴とする請求項8に
    記載のマイクロ構造体の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記部分の曲面を滑らかに仕上げる為
    の別途エッチング、研磨等の工程を更に含むことを特徴
    とする請求項8または9に記載のマイクロ構造体の作製
    方法。
  11. 【請求項11】 前記(2)の工程が、前記(1)の工
    程と同様に異方性エッチングによることを特徴とする請
    求項1乃至10のいずれかに記載のマイクロ構造体の作
    製方法。
  12. 【請求項12】 前記(2)の工程が、ウェットエッチ
    ングによることを特徴とする請求項1乃至10のいずれ
    かに記載のマイクロ構造体の作製方法。
  13. 【請求項13】 前記(2)の工程が、前記シリコン薄
    膜部を熱酸化した後にウェットエッチングにより除去す
    ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載
    のマイクロ構造体の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記梁の厚さを別途薄くする工程を更
    に含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに
    記載のマイクロ構造体の作製方法。
  15. 【請求項15】 面方位(110)を主面とする単結晶
    シリコン基板に梁により支持された部分を有するマイク
    ロ構造体であって、 該シリコン基板は該部分の周りに異方性エッチングによ
    り加工された貫通孔を有し、該マイクロ構造体の表面
    は、該基板面と平行な面および(111)等価面のみで
    構成されることを特徴とするマイクロ構造体。
  16. 【請求項16】 連続した複数のスリット状貫通孔を有
    することを特徴とする請求項15に記載のマイクロ構造
    体。
  17. 【請求項17】 前記梁が片持ち梁であることを特徴と
    する請求項15に記載のマイクロ構造体。
  18. 【請求項18】 前記梁がトーションバーであることを
    有することを特徴とする請求項15に記載のマイクロ構
    造体。
  19. 【請求項19】 前記トーションバーにより前記シリコ
    ン基板に支持された可動部を有することを特徴とする請
    求項18に記載のマイクロ構造体。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載のマイクロ構造体
    と、偏向子として働く前記可動部に外力を加えることに
    より該可動部を駆動させる駆動手段とを具備することを
    特徴とするマイクロスキャナ。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のマイクロスキャナ
    と、変調手段を有する光源とを具備し、該光源から出た
    光線を該マイクロスキャナの前記可動部に照射し、該可
    動部からの反射光を前記駆動手段により走査させること
    を特徴とする画像表示装置。
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