JP2003019875A - 印刷用スクリーン紗 - Google Patents

印刷用スクリーン紗

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JP2003019875A JP2001208782A JP2001208782A JP2003019875A JP 2003019875 A JP2003019875 A JP 2003019875A JP 2001208782 A JP2001208782 A JP 2001208782A JP 2001208782 A JP2001208782 A JP 2001208782A JP 2003019875 A JP2003019875 A JP 2003019875A
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敏和 鈴木
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隆啓 鈴木
Toru Yokomizo
徹 横溝
Hiroshi Otaka
浩 大高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成繊維のモノフィラメント糸を経糸、
緯糸とする印刷用スクリーン紗において、写真製版時の
経糸、緯糸の紫外線反射を防止し、プリント回路等で要
求される精密印刷を可能にし、かつ帯電による静電気障
害を防止する。 【解決手段】 合成繊維の細いモノフィラメント糸を経
糸16および緯糸17に用いて製織された紗状の原反織
物の経糸16および緯糸17が金属の酸化物、窒化物も
しくは炭化物からなる導電性の紫外線反射防止膜、好ま
しくは物理蒸着膜16a、17aによって全面にわたっ
て被覆される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、写真製版が可能な合
成繊維製の印刷用スクリーン紗に関し、特にプリント配
線等の精密印刷を可能にするものである。
【0002】
【従来の技術】印刷用スクリーン紗として、ステンレス
鋼からなる直径10〜50μmの細い線材を経糸および
緯糸に用いて100〜800メッシュの原反織物を製織
し、その表裏両面にステンレス鋼をスパッタ蒸着して上
記の経糸および緯糸をステンレス鋼からなるアモルファ
ス構造の厚み10〜1000nmの蒸着膜で被覆したも
のが知られている(特開平8−118835号公報参
照)。この印刷用スクリーン紗は、上記の蒸着膜を有し
ないものに比べ、印刷インキやトナー、捺染糊に対する
濡れ性が優れており、精密印刷が可能である。
【0003】しかしながら、上記の印刷用スクリーン紗
は、経糸および緯糸の表面がステンレス鋼で形成されて
いて光反射性を有するため、写真製版に際し、紫外線硬
化性樹脂からなる水溶性乳剤を塗布、乾燥して感光層を
形成し、得られたスクリーンの片面に原板マスクを介し
て紫外線を照射し露光したとき、感光層に入った紫外線
の一部が経糸または緯糸の表面で反射し、この反射光が
本来露光の不要な部分の感光層を感光させて硬化し、そ
のため硬化部分の面積が設計よりも広くなり、印刷で得
られる線の幅が設計よりも細くなるという問題があっ
た。
【0004】一方、合成繊維製の印刷用スクリーン紗と
して、ポリエステルからなるモノフィラメント糸を経糸
および緯糸に用いて100〜300メッシュの紗状に製
織したものが知られている。図1は、従来のポリエステ
ルからなる印刷用スクリーン紗10に感光層11を形成
した状態の断面図を示し、スクリーン紗10は、ポリエ
ステルの経糸10aと緯糸(図示されていない)とで製
織され、感光層11は前記の紫外線硬化性樹脂からなる
水溶性乳剤を塗布、乾燥して形成されている。
【0005】12は原板マスクであり、透明部12aと
シャドー部12bとからなり、この原板マスク12を感
光層11の表面に重ね、紫外線Lを照射すると、その一
部はシャドー部12bによって感光層11への入射を遮
られるが、残りは透明部12aを経て感光層11へ入射
し、感光、硬化させる。そして、感光層11に入射した
紫外線Lは、経糸10aまたは緯糸に当たって反射する
ものと、当たっても経糸、緯糸を貫通するもの、および
当たらずに感光層11を貫通するものとに分かれ、当た
って反射したものの一部Laは、シャドー部12bの下
の感光層11に入射し、この部分を感光、硬化させる。
【0006】上記の露光が終わると、原板マスク12を
外したスクリーン紗10が現像に付され、感光層11の
感光部分を残して非感光部分が除去され、印刷インキや
塗料の通過可能な孔が形成され、印刷版(スクリーン
型)13(図2参照)が得られる。したがって、上記シ
ャドー部12bの下方部分に入射する紫外線Laが存在
しない場合は、図2(a)に示すように、印刷版13に
は、シャドー部12bと等しい形の孔13aが形成され
るが、実際には上記シャドー部12bの下方に入射する
紫外線Laが存在するため、図2(b)に示すように、
印刷版13に形成される孔13aは、上部がシャドー部
12bとほぼ等しく、下部が狭い台形断面となる。
【0007】このポリエステル製印刷用スクリーン紗1
0は、ステンレス鋼製印刷用スクリーン紗に比べ、透明
性に優れ、経糸10aや緯糸の表面での反射光が少ない
ため、原板マスク12の型模様が比較的正確に再現さ
れ、かつ伸縮弾性に富むため、印刷時のスケージで生じ
た伸びが戻り易い半面、トナーや印刷インキ、捺染糊お
よびペースト(UVペースト、ガラスペースト、銀ペー
スト、金ペースト等)等の濡れ性が悪いため、特に高速
印刷の際に気泡を巻き込み易くて精密印刷が困難であっ
た。また、導電性が低いため、帯電による静電気障害が
生じていた。
【0008】そこで、上記のスクリーン紗10に表裏両
側から物理蒸着を施し、経糸および緯糸をステンレス鋼
からなる導電性蒸着膜で全面被覆することが試みられた
が、この場合は、経糸や緯糸の透明性が低下し、その表
面で反射する紫外線Laが増大し、そのため硬化部分の
面積が設計よりも広くなり、図2(b)のように、印刷
版13に形成される孔13aが設計よりも小さくなり、
精密印刷が不可能になるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、合成繊維
のモノフィラメント糸を経糸、緯糸とする印刷用スクリ
ーン紗において、写真製版の際にシャドー層の下の感光
層に紫外線が入射するのを防いで感光層に原板マスクと
等しい形の孔を形成し、しかも印刷インキ等に対する経
糸および緯糸の濡れ性を良好にし、かつ帯電による静電
気障害を防止し、もってプリント回路等で要求される精
密印刷を可能にするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る印刷用ス
クリーン紗は、合成繊維の細いモノフィラメント糸を経
糸および緯糸に用いて製織された紗状の原反織物の経糸
および緯糸が金属の酸化物、窒化物もしくは炭化物から
なる導電性の紫外線反射防止膜で全面にわたって被覆さ
れていることを特徴とする。
【0011】上記の印刷用スクリーン紗は、写真製版の
際、常法にしたがって紫外線硬化性樹脂からなる感光層
と一体化した後、その表面に原板マスクを重ねて紫外線
を照射し、次いで現像、水洗により非露光部分を洗い流
して印刷版(スクリーン型)とされるが、経糸および緯
糸を構成する合成繊維の細いモノフィラメント糸が紫外
線の反射防止膜で被覆されているので、紫外線照射の
際、反射防止膜からの反射光が大幅に減少する。
【0012】したがって、原板マスクのシャドー部下方
の感光剤に紫外線が入射して該部が硬化することはな
く、そのため現像、水洗によってシャドー部とほぼ等し
い形状の孔が正確に形成され、原板マスクと型模様が等
しい印刷版(スクリーン型)が得られる。
【0013】しかも、上記の反射防止膜は、印刷イン
キ、トナー、捺染糊およびペースト等に対する濡れ性に
優れるので、印刷時に印刷インキ等が経糸や緯糸の表面
から裏面に向かって円滑に流れ、いわゆる裏回りが良好
になり、高速印刷を行っても気泡の混入がなく、そのた
め一層精密な印刷が可能になる。また、上記の反射防止
膜は、導電性を備えているので、帯電による静電気障害
も発生しない。
【0014】この発明の反射防止膜は、Ti 、Zn 、N
i 、Cr 、Sn 、In 等の金属の酸化物、窒化物または
炭化物で形成されるが、特にIn Sn Ox 、Ti Ox 、
Ti N、Ti C、Zn Sn Ox 等からなる物理蒸着膜が
好ましい。そして、これらの物理蒸着膜は、酸化のレベ
ルを低く抑え、かつ物理蒸着の際に処理時間を調整して
蒸着膜の厚さを適当な大きさに設定することにより、経
糸や緯糸における反射光を入射光と相殺することができ
る。
【0015】上記の反射防止膜を備えた印刷用スクリー
ン紗の反射率は、特に波長350〜450nmの紫外線
に対して15%以下が好ましく、15%を超えた場合
は、設計通りの製版が困難になる。そして、紫外線とし
て上記波長のものを選択することにより、紫外線硬化性
樹脂の選択や取扱が容易になる。上記の反射率を得るた
めには、前記の物理蒸着を行う際の蒸着時間等を制御す
ることにより、上記反射防止膜の厚みを3〜250nm
に設定することが好ましい。また、透過率は、上記の紫
外線に対して45%以上が好ましい。なお、上記の反射
防止膜は、単層でもよいが、屈折率を異にする2種以上
の反射防止膜からなる多層構造として反射率を一層小さ
くすることもできる。
【0016】上記の反射防止膜は、導電性を備えたもの
であるが、その導電性の程度は、表面抵抗率で103
1011Ω/cm2 が好ましく、103 Ω/cm2 未満ではコ
ストアップとなり、反対に1011Ω/cm2 を超えると、
印刷時に帯電し、印刷模様の縁にひげが発生する等の静
電気障害が起き易くなる。
【0017】この発明において、反射防止膜が蒸着され
る前のスクリーン紗、すなわち紗状の原反織物の経糸お
よび緯糸を構成する合成繊維は、強度が20g/d以
上、弾性率が500g/d以上の高強力のスーパー繊維
が好ましく、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、超高
分子量ポリエチレン繊維およびポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール(PBO)繊維やポリパラフェニレ
ンベンゾビスチアゾール(PBT)繊維、ポリパラフェ
ニレンベンゾビスイミダゾール(PBI)繊維等のポリ
ベンザゾール繊維が例示される。そして、これらの繊維
からなるモノフィラメント糸の好ましい径は15〜30
μmであり、15μm未満では切断し易くなり、反対に
30μmを超えると、細い線の印刷が困難になる。
【0018】上記原反織物の密度は、経緯共100〜8
00メッシュ、特に250〜700メッシュが好まし
い。この密度が100メッシュ未満では細い線からなる
精密な図柄の印刷、捺染が不可能になり、反対に800
メッシュを超えた場合は、製造が困難になる。なお、上
記原反織物の織り組織は、平組織等の目ずれの生じ難
い、縦横均一な開口面を有する組織が好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】実施形態1 図3は、この発明に係るスクリーン紗15の断面を示
し、スーパー繊維と呼ばれる高強力合成繊維の線径が1
5〜30μmのモノフィラメント糸を経糸16および緯
糸17に用い、平織組織で250〜700メッシュの原
反織物を製織した後、その表裏両面からスパッタリング
することにより、上記の経糸16および緯糸17をそれ
ぞれ導電性と濡れ性を有する反射防止膜16aおよび1
7aで全面にわたって被覆して作られる。
【0020】上記のスクリーン紗に紫外線硬化性樹脂か
らなる水溶性乳剤を塗布、乾燥して感光層を形成し、そ
の表面に原板マスクを重ねて紫外線を照射し、次いで現
像、水洗すると、原板マスクと同じ型模様を備えた印刷
版(スクリーン型)が得られる。そして、この印刷版
は、濡れ性および導電性を兼備しているため、印刷時の
裏回りも良好で、かつ静電気の帯電による障害もなく、
極めて精密な印刷が可能である。
【0021】図4は、物理蒸着装置としてのスパッタリ
ング装置の一例を示し、密閉可能なチャンバ20の下部
にチタンからなる平板状のターゲット21が表面を上に
して中空のターゲットソース22上に固定され、このタ
ーゲットソース22に通される冷水で上記ターゲット2
1が下面から冷却される。このターゲット21の上方左
右にアノード23が水平に設置され、このアノード23
およびターゲット21間に直流電源Eによって500〜
1000Vの直流電圧が印加される。
【0022】上記アノード23の上方に水冷シリンダ2
4が水平に、かつ回転自在に設置され、その左上方に前
記スーパー繊維のモノフィラメント糸からなる原反織物
Fの送出し軸25が、また右上方にスクリーン紗の中間
製品Faの巻取り軸26がそれぞれ水平に、かつ回転自
在に設置される。そして、送出し軸25に巻かれた原反
織物Fが引出され、左上部のガイドローラ27aを経て
上記水冷シリンダ24に巻回され、右上部のガイドロー
ラ27bを経て巻取り軸26に巻き取られる。また、チ
ャンバ20に真空ポンプ28、アルゴンガス供給用ガス
ボンベ29aおよび酸素ガス供給用ガスボンベ29bが
それぞれ接続される。
【0023】上記の装置において、送出し軸25、巻取
り軸26および水冷シリンダ24を回転し、原反織物F
を反時計方向に所定の速度で送りながら水冷シリンダ2
4を冷却し、上記原反織物Fの表面温度を60℃以下に
維持する。一方、真空ポンプ28を駆動してチャンバ2
0内圧力を1.3×10-3Pa程度に減圧し、次いでアル
ゴンガス供給用ガスボンベ29aからアルゴンガスを導
入してチャンバ20内圧力を6.6×10-2Pa程度に調
整し、続いて酸素ガス供給用ガスボンベ29bから酸素
ガスを導入してチャンバ20内圧力を1.3×10-1Pa
程度に調整し、しかるのち上記のアノード23およびタ
ーゲット21間に500〜1000Vの直流電圧を印加
してターゲット21からチタンを飛び出させ、このチタ
ンを酸素ガスと反応させて酸化率の低い酸化チタンと
し、この酸化チタンを上記原反織物Fの経糸および緯糸
上に付着させ、経糸および緯糸の半周以上を酸化チタン
の蒸着膜で被覆する。このとき、原反織物Fの送り速度
を調整して蒸着膜の厚さを3〜250nmに制御して反
射防止膜とし、片面に反射防止膜を有する中間製品Fa
を得る。
【0024】次いで、上記の中間製品Faを取り外し、
これを裏返して前記の送出し軸25に取付けて2度目の
スパッタリングを裏側から行うことにより、経糸および
緯糸の残りの半周部分に反射防止膜を形成し、製品のス
クリーン紗を得る。
【0025】なお、ターゲット21のチタンに代えて亜
鉛、ニッケル、クローム、錫、インジウム等の単体金
属、またはインジウムと錫等の合金を使用した場合は、
上記単体金属または合金の酸化物からなる反射防止膜が
得られる。
【0026】実施形態2 上記の実施形態1において、酸素ガスに代えて窒素ガス
を用い、その他は実施形態1と同様にしてチタン、亜
鉛、ニッケル、クローム等の金属を窒素ガスと反応さ
せ、これによって窒化物からなる反射防止膜を形成す
る。
【0027】実施形態3 上記の実施形態1において、酸素ガスに代えてメタンガ
スを用い、その他は実施形態1と同様にしてチタン、亜
鉛、ニッケル、クローム等の金属を、メタンガスから分
離した炭素ガスと反応させ、これによって炭化物からな
る反射防止膜を形成する。
【0028】実施形態4 図5に示すように、チャンバ内に2組のスパッタリング
装置を設置すると、表裏のスパッタリングを連続して行
うことができる。図5において、30は密閉チャンバで
あり、その中央部左右に第1水冷シリンダー31および
第2水冷シリンダー32が並設され、左側の第1水冷シ
リンダー31が反時計方向に、また右側の第2水冷シリ
ンダー32が時計方向にそれぞれ駆動により回転する。
【0029】上記第1水冷シリンダー31の上方に原反
織物Fの送出し軸33が、また上記第2水冷シリンダー
32の上方にスクリーン紗Fbの巻取り軸34がそれぞ
れ回転自在に設置される。そして、送出し軸33から引
出された上記原反織物Fは、第1ガイドローラ35aを
経て第1水冷シリンダー31に裏面が接するように巻回
され、この第1水冷シリンダー31から第2ガイドロー
ラ35bを経て離脱し、上方の第3ガイドローラ35
c、第4ガイドローラ35dに導かれて上記巻取り軸3
4の上を通り、下方の第5ガイドローラ35eを経て第
2水冷シリンダー32に表面が接するように巻回され、
この第2水冷シリンダー32から第6ガイドローラ35
fを経て離脱し、巻取り軸34に引取られる。
【0030】上記の第1水冷シリンダー31および第2
水冷シリンダー32の下方には、それぞれ左右一対の第
1アノード37および第2アノード38が設置される。
そして、第1アノード37および第2アノード38の下
方にそれぞれ水冷式の第1ターゲットソース39および
第2ターゲットソース40が設置され、これら第1ター
ゲットソース39および第2ターゲットソース40の上
にそれぞれチタンからなる平板状ターゲット31がそれ
ぞれ固定され、第1アノード37と第1ターゲットソー
ス39の間および第2アノード38と第2ターゲットソ
ース40の間にそれぞれ電圧500〜1000Vの直流
電源Eが介設される。
【0031】上記の構造において、送出し軸33、巻取
り軸34および水冷シリンダー31、32を回転し、送
出し軸33から原反織物Fを所定の速度で送出し、第1
水冷シリンダー31および第2水冷シリンダー32に順
に接触させて巻取り軸34で引取りながら、第1水冷シ
リンダー31では上記の原反織物Fを裏側から冷却し、
また第2水冷シリンダー32では表側から冷却する。一
方、密閉チャンバ30に接続されている真空ポンプ(図
示されていない)を駆動して密閉チャンバ30の内部圧
力を1.3×10-3Pa程度に減圧し、次いでアルゴンガ
ス供給用ガスボンベ(図示されていない)からアルゴン
ガスを導入して上記密閉チャンバ30の内部圧力を6.
6×10-2Pa程度に調整し、更に酸素ガス供給用ガスボ
ンベ(図示されていない)から酸素ガスを導入してチャ
ンバ30内圧力を1.3×10-1Pa程度に調整する。
【0032】しかるのち上記の第1アノード37・第1
ターゲットソース39間および第2アノード38・第2
ターゲットソース40間にそれぞれ直流電圧を印加して
平板状ターゲット41からチタンを飛び出させ、酸素と
反応させて酸化チタンとし、これを第1水冷シリンダー
31上の原反織物Fの表面に付着させ、急冷してアモル
ファス構造の厚み3〜250nmの反射防止膜を形成し
て中間製品Faを得、次いで第2水冷シリンダー32上
で中間製品Faの裏面に上記の酸化チタンを付着させ、
同様にして反射防止膜を形成し、製品のスクリーン紗F
bを得る。
【0033】なお、左右のターゲット41のチタンに代
えて亜鉛、ニッケル、クローム等を使用した場合は、そ
の酸化物からなる反射防止膜が得られる。また、酸素ガ
スに代えて窒素ガスを用いた場合は、窒化物の反射防止
膜が得られる。また、酸素ガスに代えてメタンガスを用
いた場合は、炭化物の反射防止膜が得られる。
【0034】
【実施例】スーパー繊維としてポリアリレート系繊維
(株式会社クラレ製「ベクトラン」)を用い、その線径
23μmのモノフィラメント糸を経糸および緯糸とする
600メッシュの平織物を製織し、これを原反織物と
し、下記の表1に示す試料番号1〜3の印刷用スクリー
ン紗を製造した。ただし、試料番号1は原反織物のまま
でスクリーン紗とした。また、試料番号2は実施形態1
のターゲットにステンレス鋼を用い、スパッタリングを
アルゴンガス雰囲気下で行った。また、試料番号3は前
記実施形態1の方法で製造した。
【0035】
【表1】
【0036】上記の試料番号1〜3のスクリーン紗をそ
れぞれスクリーン枠(サイズ320×320mm)に張
り、感光乳剤を塗布し、その中央部(サイズ100×1
00mm)に原板マスクを密着した。次いで、波長200
〜450nmの紫外線を照射し、現像して製版し、UV
ペースト(ソマール社製「ER−70B」)、ガラスペ
ースト(奥野製薬社製「ELD−520」)および銀ペ
ースト(アサヒ化学社製「LS−504HC」)を用い
て印刷テストを行い、印刷前と印刷後の被印刷物(コー
ト紙)の重量を測定し、その差からペーストの塗布量を
算出し、この塗布量で性能を比較した。
【0037】印刷機には小型印刷機(ニューロング精密
工業株式会社製、商品名「LS15GX」)を使用し、
スキージ圧力を3.5kg/cm2 に、押込み量(被印刷物
にスキージゴムの先端を接触させ、この位置を基準にし
て印圧を加えた際のスキージヘッドの下降距離)を0.
3 mm に、オフコンタクト(刷版の印刷面と被印刷物間
のギャップ)を1.0mmに、スキージ硬度を70度に、
スキージ角度を75度に、印刷速度を100mm/秒 に
それぞれ設定した。ただし、試料番号1〜3のそれぞれ
で10回ずつペースト塗布量を試験し、その算術平均を
算出した。その結果を下記の表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】上記の表1および表2に示すとおり、試料
番号1は、反射光が最も少ない反面、ペーストに対する
濡れ性に乏しく、導電性が低いため、平均塗布量が最低
となり、静電気障害も発生し、精密印刷に不適であっ
た。また、試料番号2は、試料番号1よりも濡れ性が改
善され、導電性に優れる反面、表面の物理蒸着膜が反射
性を有せず、紫外線の反射率が大きく、透過率が小さい
ため、平均塗布量の改善は不十分であった。そして、こ
の発明の実施例に相当する試料番号3は、試料番号2の
紫外線反射性と透過性を改善し、特に可視光領域に近い
波長410nmの紫外線に対する反射率が小さく、透過
率が大きく、かつ導電性を備えた酸化チタン膜のペース
トに対する濡れ性が優れるため、平均塗布量が最大とな
り、印刷画像の再現性に優れ、精密印刷が可能であっ
た。
【0040】
【発明の効果】上記のとおり、この発明に係る印刷用ス
クリーン紗は、写真製版に際し、反射防止膜を有しない
ものに比べて再現性に優れ、原板マスクと等しい型模様
の印刷版(スクリーン型)が得られ、精密印刷や精密捺
染が可能になる。特に請求項2に係る発明は、経糸およ
び緯糸に高強力のスーパー繊維を用いたので、一層の精
密印刷が可能になる。また、請求項3に係る発明は、反
射防止膜を物理蒸着膜に限定したものであるから、製造
が容易で、耐久性に優れる。また、請求項4に係る発明
は、反射防止膜の反射率および透過率を比較的長い波長
領域の紫外線に対するものに限定したので、設計通りの
製版が一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷用スクリーンの写真製版時における断面図
である。
【図2】原板マスクと印刷版の関係を示す断面図であ
る。
【図3】実施形態の断面図である。
【図4】スパッタリング装置の一例を示す断面図であ
る。
【図5】スパッタリング装置の他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
L、La:紫外線 10:スクリーン紗、10a:経糸 11:感光層 12:原板マスク、12a:透明部、12b:シャドー
部 13:印刷版(スクリーン型)、13a:孔 15:実施形態のスクリーン紗 16:経糸 17:緯糸 16a、17a:反射防止膜 F:原反織物 Fa:スクリーン紗の中間製品 Fb:スクリーン紗の製品 20、30:チャンバ 21、41:ターゲット 22、39、40:ターゲットソース 23、37、38:アノード 24、31、32:水冷シリンダ 25、33:送出し軸 26、34:巻取り軸 27a、27b、35a〜35f:ガイドローラ 28:真空ポンプ 29a、29b:ガスボンベ E:直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D03D 15/00 D03D 15/00 A 5E343 15/02 15/02 B D06M 10/06 D06M 10/06 11/46 G03F 7/12 G03F 7/12 H05K 3/12 610P // H05K 3/12 610 D06M 11/12 (72)発明者 中嶋 英吾 愛知県蒲郡市浜町36番地 株式会社鈴寅内 (72)発明者 鈴木 敏和 愛知県蒲郡市浜町36番地 株式会社鈴寅内 (72)発明者 鈴木 隆啓 愛知県蒲郡市浜町36番地 株式会社鈴寅内 (72)発明者 横溝 徹 東京都日野市豊田2丁目50番地の3 エ ヌ・ビー・シー工業株式会社内 (72)発明者 大高 浩 東京都日野市豊田2丁目50番地の3 エ ヌ・ビー・シー工業株式会社内 Fターム(参考) 2C035 AA06 FD01 FF22 FF23 FF26 2H096 AA00 AA19 2H114 AB05 BA01 DA05 DA08 DA10 DA41 DA47 DA76 EA02 EA04 FA01 FA10 4L031 AA18 AB32 BA09 BA15 CB14 DA15 4L048 AA15 AA20 AA25 AA48 AA49 AA50 AB10 BA06 CA01 CA02 CA05 DA37 5E343 FF13 GG08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維の細いモノフィラメント糸を経
    糸および緯糸に用いて製織された紗状の原反織物の経糸
    および緯糸が金属の酸化物、窒化物もしくは炭化物から
    なる導電性の紫外線反射防止膜で全面にわたって被覆さ
    れていることを特徴とする印刷用スクリーン紗。
  2. 【請求項2】 合成繊維が高強力のスーパー繊維であ
    り、モノフィラメント糸の径が15〜30μmである請
    求項1に記載の印刷用スクリーン紗。
  3. 【請求項3】 反射防止膜が物理蒸着膜である請求項1
    または2に記載の印刷用スクリーン紗。
  4. 【請求項4】 波長350〜450nmの紫外線に対す
    る反射率が15%以下、透過率が45%以上である請求
    項1〜3のいずれかに記載の印刷用スクリーン紗。
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