JP2003103151A - 膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニット - Google Patents

膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニット

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JP2003103151A
JP2003103151A JP2001299709A JP2001299709A JP2003103151A JP 2003103151 A JP2003103151 A JP 2003103151A JP 2001299709 A JP2001299709 A JP 2001299709A JP 2001299709 A JP2001299709 A JP 2001299709A JP 2003103151 A JP2003103151 A JP 2003103151A
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membrane
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fluid mixing
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JP2001299709A
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Tadashi Yamamura
忠史 山村
Atsushi Abe
淳 阿部
Etsuo Sugimoto
悦夫 杉本
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸透気化膜等の分離膜の供給側(一次側)に
おける濃度分極を少なくして、膜の透過性能を向上させ
ることができる、膜表面に流体の混合促進手段を配置し
た分離膜ユニット及び膜分離装置を提案する。 【解決手段】 分子レベルの細孔を有する分離膜11a
の一次側に第1の流体Lを供給し、該分離膜11aの二
次側を真空するか、又は、二次側に第2の流体Gを供給
して、前記第1の流体L中に混合している物質を、二次
側に選択的に抽出する分離膜ユニット10において、前
記分離膜11aの一次側の膜表面近傍又は膜表面に、前
記第1の流体Lの境界層の内外の流体Lを混合する流体
の混合促進手段を配置して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子レベルの細孔
を有する混合物分離膜の供給側に流体を接触させ、この
膜の透過側から流体中の成分を抽出して取り出す膜分離
法に使用する分離膜ユニット及び膜分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体混合物や近沸点混合物等の蒸
留分離が困難な混合液体の場合には、これらの液体混合
物から一組成を分離するために膜分離法が用いられてお
り、その一つに、約0.5nmφ(5Åφ)程度の分子
レベルの細孔を有する膜を隔てて、一次側(供給側)に
供給した液体混合物中の特定の成分を、この膜で選択的
に溶解及び拡散させることにより、膜の二次側(透過
側)に蒸気として取り出す浸透気化法(透過気化法:パ
ーベーパレーション(Pervaporation) 法:PV法)が用
いられている。
【0003】この浸透気化法によれば、水分を含んだ有
機液体の脱水や数種類の有機液体から選択的に特定の液
体の分離を行うことができ、例えば、アルコール中の水
分を分離除去してアルコールを濃縮する場合に、芳香族
ポリイミド膜や特開平8−318141号に示されるセ
ラミック膜等の分離膜を用いて、一次側に液体混合物を
供給し、二次側を真空に近い負圧にすることによって、
液体混合物中の水分がこの分離膜を透過し液体混合物か
ら分離するので、一次側に供給される液体混合物のアル
コール濃度を高めることができる。
【0004】この有機溶剤の脱水に使用される浸透気化
膜(PV膜)としては、例えば、日本特許第25018
25号公報の、シリカ源及びアルカリ金属源を含む水性
混合物をアルミナ多孔質担体の存在下で水熱合成して得
られたNaA型ゼオライト膜や、特開平8−31814
1号公報の支持体上にA型ゼオライト膜を析出させたも
のや、特開2000−42386号公報や特開2000
−42387号公報の混合物分離膜等がある。
【0005】そして、耐熱性、耐薬品性、耐久性に優れ
たセラミック膜体が開発されて、高分子膜では適用が難
しかった溶剤に対しても、適用できるようになって来て
いる。
【0006】このセラミック膜体の浸透気化膜は、例え
ば、外径12mmφ×長さ800mmで板厚1.5mm
のセラミック製チューブの外径表面にゼオライト膜をコ
ーティングして形成され、図11に示すように1本の膜
チューブ11を円筒管14に挿入した二重管構造にし
て、膜ユニット10Xとしたり、あるいは、図12に示
すように、膜チューブ11を必要に応じた本数だけ、S
US304等の管板13で支持して容器15内に保持し
て膜ユニット20Xとしている。
【0007】なお、図11の膜ユニット10Xでは、透
過側にガスGを流通させて、浸透気化膜11aを透過し
てくる蒸気をこのガスGに混合させているが、図12の
膜ユニット20Xでは、透過側を真空(低圧)にして浸
透気化膜11aを透過してくる蒸気を吸引している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この浸
透気化膜の膜ユニットにおいては、浸透気化膜の液体側
表面近傍は、境界層ができて流れによる物質移動が少な
くなるため、浸透気化膜の表面近傍で、濃度分極(Conce
ntration Polarization)が発生し、透過性物質の濃度が
局部的に低下するため、透過効率が低下するという問題
がある。
【0009】この濃度分極は、膜透過によって物質の分
離を行う際に、処理液中の透過性物質は膜を透過して透
過側に移動するが、処理液中の溶媒等の非透過性の物質
は膜面上に残されるため、膜表面から離れた略完全混合
の状態にある処理液の濃度に比較して、膜の表面におい
て溶質の濃度が高くなり、逆に、透過性物質の濃度が低
くなるという現象である。
【0010】そして、従来技術の図12に示すような複
数本の膜チューブ11を内部に保持する膜ユニット20
Xでは、膜チューブ11の中間部分を保持するバッフル
プレート16等で液体Lの流れを乱してはいるが、膜表
面近傍における境界層を十分に攪乱するまでには至ら
ず、濃度分極が発生してしまうため、膜ユニット20X
に組み込まれた膜チューブ11は不十分な分離性能しか
発揮できていないという問題がある。
【0011】その上、現状では、浸透気化膜の膜ユニッ
トは高価であるので、少しでも、この膜ユニットの透過
効率を高めることが、膜面積を減少して装置をコンパク
ト化することにつながり、浸透気化法のコスト低減とも
なるので、浸透気化分離装置の用途拡大の重要なポイン
トとなっている。
【0012】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、浸透気化膜等の分離膜
の供給側(一次側)における濃度分極を少なくして、膜
の透過性能を向上させることができる、膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニット及び膜分離装置
を提案することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そして、上記の目的を達
成するための本発明の膜表面に流体の混合促進手段を配
置した分離膜ユニットは、次のように構成される。
【0014】1)分子レベルの細孔を有する分離膜の一
次側に第1の流体を供給し、該分離膜の二次側を真空す
るか、又は、二次側に第2の流体を供給して、前記第1
の流体中に混合している物質を、二次側に選択的に抽出
する分離膜ユニットにおいて、前記分離膜の一次側の膜
表面近傍又は膜表面に、前記第1の流体の境界層の内外
の流体を混合する流体の混合促進手段を配置して構成さ
れる。
【0015】この構造によれば、膜表面近傍又は膜表面
に、流体の混合促進手段を配置して、膜表面近傍の流体
を混合することができるので、膜表面近傍の物質移動を
盛んにし、濃度分極を回避できる。
【0016】従って、膜表面の透過物質の濃度低下を防
止して、透過効率を高いままで維持することができ、膜
による分離効率を向上させることができる。
【0017】2)上記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記分子レベルの細
孔を有する分離膜としての浸透気化膜の一次側に前記第
1の流体としての液体を供給し、該浸透気化膜の二次側
を真空するか、又は、二次側に前記第2の流体としての
ガスを供給して、前記液体中に混合している物質を、二
次側に選択的に抽出する膜ユニットにおいて、前記浸透
気化膜の一次側の膜表面近傍又は膜表面に、流体の混合
促進手段を配置して構成される。
【0018】浸透気化法に使用する浸透気化膜の一次側
には液体が供給されるが、液体は一般的に膜表面に形成
された境界層内外の物質移動が少ないので、この膜表面
近傍又は膜表面に、流体の混合促進手段を配置すると、
効果的に、物質移動を盛んにし、濃度分極を回避でき
る。
【0019】3)上記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記流体の混合促進
手段が、少なくとも一部の前記膜表面近傍で、振動又は
移動する流体の混合促進部材で構成される。
【0020】この構成によれば、流体の混合促進手段が
膜表面近傍で振動又は移動するので、より効果的に、膜
表面近傍の第1の流体の流れ、特に境界層を乱し、物質
移動及び混合を促進できるので、膜表面の透過物質の濃
度の低下を防止して、膜の透過効率を高い状態に維持す
ることができる。
【0021】4)上記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記分離膜が、筒状
に形成された支持体の外周面に形成されると共に、前記
流体の混合促進手段が、前記筒状の支持体を取り巻いて
配置されたコイル状部材で構成される。
【0022】この構成によれば、比較的簡単に製造でき
るコイル状部材により、効果的に、円筒状の膜表面近傍
に、流体の混合促進手段となる線材を配置できる。
【0023】5)上記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記振動する流体の
混合促進部材が振動系の一部となるように構成される。
【0024】そして、このコイル状部材をステンレスや
セラミック等のバネ部材で形成したコイルバネとした
り、剛体のコイル状部材をバネ支持することで、振動系
を構成する。
【0025】この構成によれば、このコイル状部材の振
動により、膜表面近傍をより攪乱でき、更に、第1の流
体の粘性と流速、コイル状部材の弾性と断面形状と大き
さ等との関係を適切な関係にすることにより、カルマン
渦の発生による振動とコイル状部材の振動系との共振現
象による大きな振動を起こすことが期待できる。
【0026】6)前記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記振動する流体の
混合促進部材の一部に起振部を設けて構成される。
【0027】この起振部は、例えば、カルマン渦を発生
して自励振動するような部材や、外部の磁力変動に対応
して振動する鉄片等の磁性体等で形成することができ
る。
【0028】この構成によれば、振動の原動力を起振部
に依存できるので、振動振幅を大きくすることができる
と共に、流体の混合促進手段の攪拌部分を攪拌に適した
形状にして、攪拌効率を向上することができる。
【0029】7)前記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記分離膜が、筒状
に形成された支持体の外周面に形成されると共に、前記
流体の混合促進手段が、前記筒状の支持体の外周に配置
され、該外周を回転移動する攪拌部材で構成される。
【0030】この回転移動する攪拌部材は、流れによっ
て回転又は外周の周囲方向に移動する部分、例えばスク
リュー部分や羽を部分的又は全体的に有して構成され、
流れによって、膜の外周を回転し、これらの回転部分、
又は、これらの回転部分に連結された攪拌部分により、
膜表面近傍の流れを攪拌して、第1の流体の混合を促進
する。
【0031】この構成によれば、より強力に膜表面近傍
の流れを攪拌し、物質混合を促進できるので、膜の透過
効率を高く維持できる。
【0032】8)前記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記流体の混合促進
手段が、前記第1の流体供給側の膜の支持部材の表面に
設けられた0.5mm〜5mmの高さの凸部、又は、
0.5mm〜5mmの深さの凹部であるように構成され
る。
【0033】この0.5mm〜5mmの高さ及び0.5
mm〜5mmの深さの制限は、分子レベルの凹凸ではな
く、流体の流れの境界層の厚さレベルの凹凸であること
を示し、この0.5mmより下では、境界層の攪乱に不
十分であり、5mmより上では、主流の流れの妨げとな
る。なお、凸部や凹部の形状は、流れの境界層で乱れを
促進して膜表面近傍の流れを攪拌及び混合できれば良
く、様々な形状が考えられるが、実験や数値実験で確認
して形状や寸法を決めることができる。
【0034】この構成によれば、膜の支持体側の凹凸で
膜表面近傍の流体と主流の混合を促進できるので、膜ユ
ニットの構成が単純になる。
【0035】9)前記の膜表面に流体の混合促進手段を
配置した分離膜ユニットにおいて、前記流体の混合促進
手段が、前記第1の流体の供給側の流路を囲む外側部材
側に設けられる流体の混合促進部材で構成される。
【0036】この流体の混合促進手段としては、外側部
材に設けられ、膜表面近傍に到達する突起や、外側部材
に支持され、膜表面近傍に配置される流体の混合促進部
材等がある。
【0037】この構成によれば、比較的簡単に流体の混
合促進手段を、膜表面近傍に配置できる。
【0038】10)前記の膜表面に流体の混合促進手段
を配置した分離膜ユニットにおいて、 前記流体の混合
促進手段が、前記第1の流体の供給側の流路に充填した
充填部材で構成される。
【0039】この充填部材としては、例えば1mmφ〜
3mmφ程度の大きさの小球や不定型物等があり、この
充填部材は弾性体や剛性体のどちらでもよく、また、充
填密度は疎であっても密であってもよい。
【0040】この構成によれば、第1の流体が充填部材
の間を流れることになり、膜表面近傍に対する流向や流
速が変化するため、攪拌効果を得ることができる。その
ため、充填部材を流路に充填するという比較的簡単な方
法で、境界層を攪拌して、物質を混合できる。
【0041】11)前記の膜表面に流体の混合促進手段
を配置した分離膜ユニットにおいて、前記流体の混合促
進手段が、前記第1の流体中に混入され、前記第1の流
体と共に移動する攪拌子であるように構成される。
【0042】この攪拌子としては、1mmφ〜3mmφ
程度の大きさの小球や不定型物等があり、第1の流体と
共に移動させ、膜表面近傍を通過させることにより、境
界層を攪拌する。この攪拌子は第1の流体と共に循環さ
せてもよく、膜ユニットの出口側で第1の流体から分離
して回収し、膜ユニットの入口側で第1の流体に混入し
てもよい。
【0043】この第1の流体と共に移動する攪拌子は、
流れながら膜表面近傍を通過する際に、流れを乱し、物
質の混合を促進できる。また、ファウリング防止の効果
も奏することができる。
【0044】12)前記の膜表面に流体の混合促進手段
を配置した分離膜ユニットで、前記第1の流体の前記分
離膜ユニットへの流入量を時間的に変化させて、前記一
次側の膜表面近傍における前記第1の流体の流速及び流
向を変化させるように構成される。
【0045】この構成によれば、第1の流体の流入量の
変化により、流速が変化し、第1の流体の混合促進手段
の効果をより高めることができるので、より混合効果を
上げることができる。
【0046】13)前記の膜表面に流体の混合促進手段
を配置した分離膜ユニットで、前記分離膜ユニットにお
いて、前記第1の流体の流入口と流出口を切り換えるこ
とにより、前記一次側の膜表面近傍における前記第1の
流体の流速及び流向を変化させるように構成される。
【0047】この流入口と流出口との切換えにより、流
体の混合促進手段の効果を促進でき、特に、流入口から
流出口側に向かって一方向に移動するような流体の混合
促進手段の場合に、移動した流体の混合促進手段を元の
位置に戻すことができるようになる。
【0048】14)そして、上記のいずれかの膜表面に
流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニットを用い
て、膜分離装置を構成する。
【0049】この構成によれば、流体の混合促進手段に
より、膜表面近傍の流体と主流部分の流体との混合を促
進して、濃度分極の影響を少なくして、透過効率を高め
ることができるので、分離効率のよいコンパクトで安価
な分離装置となる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明に係る
実施の形態の膜表面に流体の混合促進手段を配置した分
離膜ユニットについて説明する。
【0051】以下の説明では、分子レベルの細孔を有す
る分離膜として浸透気化膜を、第1の流体として液体
を、第2の液体としてガスを、それぞれ選択した場合に
ついて説明しているが、本発明はこれらに限定されるこ
となく、その他の分離膜や流体においても本発明を適用
することができる。
【0052】また、図11の二重管構造の浸透気化膜ユ
ニット(分離膜ユニット)10Xに相当する浸透気化膜
ユニット10A〜10Jを例にして説明するが、図12
の浸透気化膜ユニット20X等の他の構造の浸透気化膜
ユニットでも適用可能である。
【0053】この図1〜図10に示す、この膜表面に流
体の混合促進手段を配置した浸透気化膜ユニット10A
〜10Jは、図11に示す従来の浸透気化膜ユニット1
0X等と同様に、浸透気化膜11aの一次側に液体(第
1の流体)Lを供給し、浸透気化膜11aの二次側にガ
ス(第2の流体)Gを供給して、液体L中に混合してい
る物質を、二次側に蒸気として選択的に抽出する浸透気
化膜ユニットであり、浸透気化膜11aの一次側の膜表
面近傍又は膜表面に、以下に述べるような流体の混合促
進手段31〜38を配置して構成される。
【0054】そして、この膜表面近傍又は膜表面に配置
した流体の混合促進手段31〜38により、膜表面近傍
の液体Lの流れ、特に、境界層を乱して、膜表面近傍の
液体と主流の液体とを混合して物質移動を盛んにし、濃
度分極を回避する。これにより、膜表面の透過物質の濃
度低下を防止して、透過効率を高く維持するので、浸透
気化膜11aによる分離効率を向上させることができ
る。
【0055】そして、図1〜図10に示す膜ユニット1
0A〜10Jは、1本の膜チューブ11を円筒管14に
挿入し、支持部材12で保持して,二重管構造で形成さ
れ、この膜チューブ11は、例えば、外径12mmφ×
長さ800mmで板厚1.5mmのアルミナ等のセラミ
ック製チューブの外径表面にNaA型,A型,T型等の
ゼオライト膜11aをコーティングして形成される。
【0056】以下、各実施の形態の膜表面に流体の混合
促進手段を配置した浸透気化膜ユニット(分離膜ユニッ
ト)10A〜10Jについて説明する。
【0057】図1〜図3に、第1の実施の形態を示す。
【0058】この第1の実施の形態の膜表面に流体の混
合促進手段を配置した浸透気化膜ユニット10A〜10
Cにおける流体の混合促進手段は、ステンレスやセラミ
ック等のバネ部材で形成したコイルバネ(コイル状部
材)30Aであり、浸透気化膜11aを有する膜チュー
ブ11の外周を取り巻いて配置される。
【0059】このコイルバネ30Aは、一端、あるい
は、両端を固定支持しても良く、膜チューブ11の支持
部材12の間にコイルバネ30Aの長手方向の弾性力に
よって突張り支持して保持してもよい。あるいは、両端
フリーで膜チューブ11の支持部材12,12の間に遊
嵌してもよい。
【0060】このコイルバネ30Aの存在により、浸透
気化膜11aの膜表面近傍の液体Lの流れが乱され、渦
が発生したり、流速が変化するので、境界層内と境界層
外の液体Lの交流が盛んになり、物質の混合が促進され
る。これにより、膜透過物質の均一化が図られ、濃度分
極を抑制することができる。
【0061】この流れの液体(流体)の混合促進効果
は、コイルバネ30Aが固定されている場合でも、流れ
に沿って移動している場合でも、流れを遮る方向に移動
している場合も、又、振動している場合でも、コイルバ
ネ30Aと流れとの間に相対速度があれば発生する。
【0062】そして、更に、流体の混合促進手段をコイ
ルバネ30Aで構成し、振動系を構成すると、液体Lの
粘性と流速、コイルバネ30Aの弾性と断面形状と大き
さ等との関係を適切な関係にすることにより、カルマン
渦の発生による振動とコイルバネ30Aの振動系との共
振現象を起こすこともでき、このコイルバネ30Aの振
動により、より一層境界層を乱して、物質移動を促進で
きる。なお、剛体のコイル状部材をバネ支持することで
も、振動系を構成することができる。
【0063】図1に示す流体の混合促進手段は、コイル
バネ30Aのみであるが、図2に示す流体の混合促進手
段は、振動するコイルバネ30Aの一部に起振部を設け
たものであり、この起振部は、カルマン渦を発生して自
励振動する円筒部材31Aで形成している。また、図3
に示す流体の混合促進手段の起振部は、外部の磁力変動
に対応して振動する鉄片31Bで形成して、液体(第1
の流体)を収容する円筒管14又は容器の内や外に配置
された電磁石32B等で振動させることもできる。
【0064】この図2や図3の構成によれば、コイルバ
ネ30Aの振動の原動力を起振部31A,31Bに依存
できるので、起振力及び振動を大きくすることができる
と共に、流体の混合促進手段30Aを攪拌に適した形状
にして、混合効率を向上することができる。
【0065】なお、コイルバネ30Aのコイル直径は、
境界層を乱すことができる大きさにすることが必要であ
る。例えば、液体Lの平均流速が0.2m/s程度で、
膜チューブ11の外直径が12mmφ程度の場合には、
膜チューブ11の外直径よりも4mm〜10mm程度大
きく形成し、コイルバネ30Aの線径は3mmφ〜10
mmφで形成する。また、コイルバネ30Aと膜チュー
ブ11との間にスペーサ(図示しない)を設けると膜表
面に直接コイルバネ30Aが接触するのを防止して、浸
透気化膜11aの損傷を回避できるので、スペーサを設
けることが好ましい。
【0066】図4と図5に、第2の実施の形態を示す。
【0067】この第2の実施の形態の膜表面に流体の混
合促進手段を配置した浸透気化膜ユニット10D,10
Eにおける流体の混合促進手段は、膜チューブ11の外
周に配置され、この外周を回転移動する攪拌部材33
A,33Bである。
【0068】図4に示す流体の混合促進手段は、膜チュ
ーブ11の長手方向に沿ってスクリュー状に形成された
回転移動する攪拌部材33Aであって、この攪拌部材3
3Aに当たる流れによって、膜チューブ11の周囲方向
の成分を持つ力が作用し、外周方向に移動し、膜チュー
ブ11の周囲を回転する。
【0069】また、図5に示す回転移動する攪拌部材3
3Bは、回転羽を持つ回転部分33Baと攪拌部分33
Bbとを連結した構成である。
【0070】そして、この回転移動する攪拌部材33A
又は攪拌部材33Bの攪拌部分33Bbにより、より強
力に膜表面近傍の流れを攪拌し、物質混合を促進するの
で、膜11aの透過効率を高く維持できる。
【0071】図6に、第3の実施の形態を示す。
【0072】この図6に示す第3の実施の形態の膜表面
に流体の混合促進手段を配置した浸透気化膜ユニット1
0Fにおける流体の混合促進手段は、液体(第1の流
体)供給側の膜の支持部材の表面に設けられた0.5m
m〜5mmの高さの凸部34である。
【0073】この構成によれば、膜の支持体側の凸部3
4で液体Lの混合を促進できるので、浸透気化膜ユニッ
トの構成が単純になる。なお、0.5mm〜5mmの高
さの凸部34の代わりに0.5mm〜5mmの深さの凹
部を設けることもできる。これらの凸部34や凹部を設
ける場合には、浸透気化膜11aでこれらの凸部34や
凹部を覆い、膜に欠陥が生じないようにする必要があ
る。
【0074】図7及び図8に、第4の実施の形態を示
す。
【0075】この図7及び図8に示す第4の実施の形態
の膜表面に流体の混合促進手段を配置した浸透気化膜ユ
ニット10G,10Hにおける流体の混合促進手段は、
液体(第1の流体)供給側の流路を囲む外側部材(円筒
管)14側に設けられる。
【0076】この流体の混合促進手段としては、図7に
示すような、外側部材である円筒管14に設けられ、膜
表面近傍に到達する突起状の流体の混合促進部材35
や、図8に示すような、円筒管14に支持され、膜表面
近傍に配置されるリング状の流体の流体の混合促進部材
36等がある。
【0077】これらの比較的簡単に膜表面近傍に配置で
きる流体の混合促進部材35,36により、膜表面近傍
の流れを攪拌し、物質移動を促進でき、膜11aの透過
効率を高く維持できる。
【0078】図9に、第5の実施の形態を示す。
【0079】この図9に示す第5の実施の形態の膜表面
に流体の混合促進手段を配置した浸透気化膜ユニット1
0Iにおける流体の混合促進手段は、液体(第1の流
体)供給側の流路に充填した充填部材37で構成され
る。
【0080】この充填部材37は、1mmφ〜3mmφ
程度の大きさの小球や不定型物等で形成される。この充
填部材は弾性体や剛性体のどちらでもよく、また、充填
密度は疎であっても密であってもよい。
【0081】この充填された充填部材37により、液体
Lは充填部材37の間を流れ、膜表面近傍における流向
や流速が変化するので、攪拌作用及び混合作用が発生す
る。そのため、充填部材37を流路に充填するという比
較的簡単な方法で、境界層を攪拌し、物質の混合を促進
できる。
【0082】図10に、第6の実施の形態を示す。
【0083】この図10に示す第6の実施の形態の膜表
面に流体の混合促進手段を配置した浸透気化膜ユニット
10Jにおける流体の混合促進手段は、液体(第1の流
体)供給側に混入され、液体Lと共に移動する攪拌子3
8で構成される。
【0084】この攪拌子38としては、1mmφ〜3m
mφ程度の大きさの小球や立方体や不定型物等で形成
し、液体Lと共に移動させ、互いに衝突したり、膜チュ
ーブ11に衝突したりしながら、膜表面近傍を通過する
ことにより、境界層を攪拌し、物質の混合を促進する。
この攪拌子38は液体Lと共に循環させてもよく、膜ユ
ニット10Jの出口側で液体Lから分離して回収し、膜
ユニット10Jの入口側で液体Lに混入してもよい。
【0085】そして、これらの流体の混合促進手段を備
えた浸透気化膜ユニット10A〜10Jにおいて、液体
Lの流入量を時間的に変化させて、一次側の膜表面近傍
における液体Lの流速及び流向を変化させる。あるい
は、液体Lの流入口と流出口を切り換えることにより、
一次側の膜表面近傍における液体Lの流速及び流向を変
化させる。
【0086】この液体(第1の流体)Lの流速及び流向
の変化により、上記したような各流体の混合促進手段の
効果を促進でき、特に、流入口から流出口側に向かって
一方向に移動するような攪拌子38や流体の混合促進部
材(図示しない)の場合に、この移動した攪拌子38や
流体の混合促進部材を元の位置に戻すことができるよう
になる。
【0087】また、これらのいずれかの膜表面に流体の
混合促進手段を配置した浸透気化膜ユニット10A〜1
0Jを用いて、浸透気化膜を使用する膜分離装置を構成
することにより、分離効率のよいコンパクトで安価な膜
分離装置を提供できるようになる。
【0088】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユ
ニット及び膜分離装置によれば、次のような効果を奏す
ることができる。
【0089】第1の流体側の膜表面近傍又は膜表面に、
流体の混合促進手段を配置し、一次側の膜近傍における
流体の流れ、特に境界層を乱して、膜表面近傍の物質移
動を盛んにし、物質の混合を促進することにより、膜表
面の透過物質の濃度低下を防止して、濃度分極を少なく
して、透過効率を高く維持することができ、膜による分
離効率を向上させることができる。
【0090】また、筒状に形成された浸透気化膜体に対
して、流体の混合促進手段を、少なくとも一部の膜表面
近傍で、比較的簡単に製造できるコイル状部材や、外周
を回転移動する攪拌部材等の、振動又は移動する流体の
混合促進部材で構成すると、より効果的に、膜表面近傍
の第1の流体の流れを乱し、第1の流体中の物質の移動
及び物質の混合を促進できる。
【0091】また、流体の混合促進手段を、第1の流体
の供給側の膜の支持部材の表面に設けられた凸部若しく
は凹部や、第1の流体の供給側の流路を囲む外側部材側
に設けた流体の混合促進部材や、第1の流体の供給側の
流路に充填した充填部材や、第1の流体中に混入され、
第1の流体と共に移動する攪拌子で構成することがで
き、比較的簡単に流体の混合促進手段を、膜表面近傍に
配置できる。
【0092】更に、分離膜ユニットにおいて、第1の流
体の流入量を時間的に変化させたり、第1の流体の流入
口と流出口を切り換えたりすることにより、一次側の膜
表面近傍における第1の流体の流速及び流向を変化させ
て、より混合効果を上げることができる。
【0093】そして、これらの膜表面に流体の混合促進
手段を配置した分離膜ユニットを用いて、膜分離装置を
構成すると、分離効率がよいコンパクトで安価な膜分離
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの第1例を示す
模式的な構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの第2例を示す
模式的な構成図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの第3例を示す
模式的な構成図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの第1例を示す
模式的な構成図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの第2例を示す
模式的な構成図である。
【図6】本発明に係る第3の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの例を示す模式
的な構成図である。
【図7】本発明に係る第4の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの第1例を示す
模式的な構成図である。
【図8】本発明に係る第4の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの第2例を示す
模式的な構成図である。
【図9】本発明に係る第5の実施形態の膜表面に流体の
混合促進手段を配置した分離膜ユニットの例を示す模式
的な構成図である。
【図10】本発明に係る第6の実施形態の膜表面に流体
の混合促進手段を配置した分離膜ユニットの例を示す模
式的な構成図である。
【図11】従来技術の二重管構造で一本の膜チューブを
保持する浸透気化膜ユニットの例を示す模式的な構成図
である。
【図12】従来技術の複数本の膜チューブを保持する浸
透気化膜ユニットの例を示す模式的な構成図である。
【符号の説明】
10A〜10J 浸透気化膜(分離膜)ユニット(二重
管構造) 11 膜チューブ 11a 浸透気化膜(分離膜) 14 円筒管(外側部材) 30A コイルバネ(コイル状部材) 31A 円筒部材(起振部) 31B 鉄片(起振部) 34 凸部(流体の混合促進手段) 35 突起状の流体の混合促進部材(流体の混合促進
手段) 36 リング状の流体の混合促進部材(流体の混合促
進手段) 37 充填部材(流体の混合促進手段) 38 攪拌子(流体の混合促進手段) L 流体(第1の流体) G ガス(第2の流体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 悦夫 岡山県玉野市玉3丁目1番1号 三井造船 株式会社玉野事業所内 Fターム(参考) 4D006 GA25 HA28 JA32A JA33A KA41 KA45 KB02 KB30 MA02 MA22 MB06 MB09 MB11 MB15 MC03 MC57 PA04 PB14 PB65 PC01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子レベルの細孔を有する分離膜の一次
    側に第1の流体を供給し、該分離膜の二次側を真空する
    か、又は、二次側に第2の流体を供給して、前記第1の
    流体中に混合している物質を、二次側に選択的に抽出す
    る分離膜ユニットにおいて、前記分離膜の一次側の膜表
    面近傍又は膜表面に、前記第1の流体の境界層の内外の
    流体を混合する流体の混合促進手段を配置したことを特
    徴とする膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜
    ユニット。
  2. 【請求項2】 前記分子レベルの細孔を有する分離膜と
    しての浸透気化膜の一次側に前記第1の流体としての液
    体を供給し、該浸透気化膜の二次側を真空するか、又
    は、二次側に前記第2の流体としてのガスを供給して、
    前記液体中に混合している物質を、二次側に選択的に抽
    出する膜ユニットにおいて、前記浸透気化膜の一次側の
    膜表面近傍又は膜表面に、流体の混合促進手段を配置し
    たことを特徴とする請求項1記載の膜表面に流体の混合
    促進手段を配置した分離膜ユニット。
  3. 【請求項3】 前記流体の混合促進手段が、少なくとも
    一部の前記膜表面近傍で、振動又は移動する流体の混合
    促進部材であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記分離膜が、筒状に形成された支持体
    の外周面に形成されると共に、前記流体の混合促進手段
    が、前記筒状の支持体を取り巻いて配置されたコイル状
    部材であることを特徴とする請求項3記載の膜表面に流
    体の混合促進手段を配置した分離膜ユニット。
  5. 【請求項5】 前記振動する流体の混合促進部材が振動
    系の一部となるように構成されたことを特徴とする請求
    項3又は4に記載の膜表面に流体の混合促進手段を配置
    した分離膜ユニット。
  6. 【請求項6】 前記振動する流体の混合促進部材の一部
    に起振部を設けたことを特徴とする請求項3〜5のいず
    れかに記載の膜表面に流体の混合促進手段を配置した分
    離膜ユニット。
  7. 【請求項7】 前記分離膜が、筒状に形成された支持体
    の外周面に形成されると共に、前記流体の混合促進手段
    が、前記筒状の支持体の外周に配置され、該外周を回転
    移動する攪拌部材であることを特徴とする請求項3に記
    載の膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニ
    ット。
  8. 【請求項8】 前記流体の混合促進手段が、前記第1の
    流体の供給側の膜の支持部材の表面に設けられた0.5
    mm〜5mmの高さの凸部、又は、0.5mm〜5mm
    の深さの凹部であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニ
    ット。
  9. 【請求項9】 前記流体の混合促進手段が、前記第1の
    流体の供給側の流路を囲む外側部材側に設けられる流体
    の混合促進部材であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユ
    ニット。
  10. 【請求項10】 前記流体の混合促進手段が、前記第1
    の流体の供給側の流路に充填した充填部材であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の膜表面に流体の混合促
    進手段を配置した分離膜ユニット。
  11. 【請求項11】 前記流体の混合促進手段が、前記第1
    の流体中に混入され、前記第1の流体と共に移動する攪
    拌子であることを特徴とする請求項1又は2記載の膜表
    面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニット。
  12. 【請求項12】 前記第1の流体の前記分離膜ユニット
    への流入量を時間的に変化させて、前記一次側の膜表面
    近傍における前記第1の流体の流速及び流向を変化させ
    ることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の
    膜表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニッ
    ト。
  13. 【請求項13】 前記分離膜ユニットにおいて、前記第
    1の流体の流入口と流出口を切り換えることにより、前
    記一次側の膜表面近傍における前記第1の流体の流速及
    び流向を変化させることを特徴とする請求項1〜12の
    いずれかに記載の膜表面に流体の混合促進手段を配置し
    た分離膜ユニット。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の膜
    表面に流体の混合促進手段を配置した分離膜ユニットを
    用いることを特徴とする膜分離装置。
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