JP2003105337A - 抗酸化剤の製造方法 - Google Patents

抗酸化剤の製造方法

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JP2003105337A JP2001302197A JP2001302197A JP2003105337A JP 2003105337 A JP2003105337 A JP 2003105337A JP 2001302197 A JP2001302197 A JP 2001302197A JP 2001302197 A JP2001302197 A JP 2001302197A JP 2003105337 A JP2003105337 A JP 2003105337A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性の抗酸化剤の製造方法を提供する。 【解決手段】 低級アルコール濃度15体積%以下のシ
ソ科植物抽出物水溶液を、合成吸着剤と接触させて、抗
酸化成分を合成吸着剤に吸着させ、次いで、該合成吸着
剤を、pH7.5以上の水、またはpH7.5以上かつ
低級アルコール濃度15体積%以下の低級アルコール水
溶液で洗浄し、その後、抗酸化成分を、低級アルコール
濃度20体積%以上の低級アルコール水溶液からなる脱
着液により、合成吸着剤より脱着させることを特徴とす
る抗酸化剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高活性の抗酸化剤
の製造方法に関する。更に詳しくは、ローズマリー等の
シソ科植物の抽出物を精製し、高活性の抗酸化成分を高
濃度で含む天然抗酸化剤を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ローズマリー等のシソ科植物が、抗酸化
成分を含有することは既知であり、また、その抽出物が
高い抗酸化能を持つことはよく知られている。さらに、
該抽出物は抗酸化能以外にも皮膚の美白効果(特開平7
−187989号公報)、抗潰瘍効果(特開2000−
72685)等の機能を有することが開示されており、
食品、化粧品、医薬等の分野での有効利用が期待され
る。
【0003】該抽出物の抗酸化成分の精製方法に関して
は、種々検討されており、例えば、活性炭、珪藻土、酸
性白色土等の吸着剤を用いた精製処理(特開昭55−1
8435、特開昭55−102508号公報、特開昭5
7−203445号公報等)が知られている。また、特
開2000−256345には、植物原料を低温で水抽
出した残さをアルカリで再抽出した抽出液と、先の低温
水抽出液を吸着剤処理した液とから、抗酸化作用のある
ポリフェノール類を高純度で得る方法が開示されてい
る。さらに特開2000−72685には、吸着剤処理
することにより、ローズマリー中のロスマリン酸成分を
高含有する画分を得る方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの精製
方法で得られた抗酸化剤の活性は、十分満足できるもの
ではなく、更なる改良が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、シソ科植物抽出物
を吸着剤処理するに際し、溶離液のpHおよび組成を調
整することで、高活性の抗酸化成分を選択的に高濃度で
回収できることを見出し、本発明に到達した。即ち本発
明の要旨は、低級アルコール濃度15体積%以下のシソ
科植物抽出物水溶液を、合成吸着剤と接触させて、抗酸
化成分を合成吸着剤に吸着させ、次いで、該合成吸着剤
を、pH7.5以上の水、またはpH7.5以上かつ低
級アルコール濃度15体積%以下の低級アルコール水溶
液で洗浄し、その後、抗酸化成分を、低級アルコール濃
度20体積%以上の低級アルコール水溶液からなる脱着
液により、合成吸着剤より脱着させることを特徴とする
抗酸化剤の製造方法に存する。
【0006】別の要旨は、pH6.5以上かつ低級アル
コール濃度15体積%以下のシソ科植物抽出物水溶液
を、合成吸着剤と接触させて、抗酸化成分を合成吸着剤
に吸着させ、次いで、抗酸化成分を、低級アルコール濃
度20体積%以上の低級アルコール水溶液からなる脱着
液で、合成吸着剤より脱着させることを特徴とする抗酸
化剤の製造方法に存する。
【0007】別の要旨は、下記条件でHPLC分析した
場合、そのリテンションタイムが、ロスマリン酸のリテ
ンションタイムを基準として−2.6±1分であり、且
つ分子量が478の成分のピークの面積%が、20%以
上であることを特徴とする抗酸化剤に存する。 <HPLC分析条件> カラム:Inertsil ODS 80A(5μm 4.6mm I.
D.×250mm,GL SciencesInc.) カラム温度:40℃ 移動相:A−4重量%リン酸水溶液、B−アセトニトリ
ル 流量:1mL/min 検出器:UV検出器、波長280nm 注入量:25μL 分析時間:35分 Gradient条件: 0分(A90体積%、B10体積%)→30分(A60
体積%、B40体積%)→35分(A60体積%、B4
0体積%)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の抗酸化剤の製造方
法を、詳細に説明する。次に、この抗酸化剤の製造方法
を説明する。この製造方法は、シソ科植物抽出物に含ま
れる成分のうち、高活性な抗酸化成分(メトキシルテオ
リン配糖体と推定)を選択的に高濃度で回収する方法で
ある。 [製造方法1]本方法は、低級アルコール濃度15体積
%以下のシソ科植物抽出物水溶液を、合成吸着剤と接触
させて、抗酸化成分を合成吸着剤に吸着させ(第1工
程)、次いで、該合成吸着剤を、pH7.5以上の水、
またはpH7.5以上かつ低級アルコール濃度15体積
%以下の低級アルコール水溶液で洗浄し(第2工程)、
その後、抗酸化成分を、低級アルコール濃度20体積%
以上の低級アルコール水溶液からなる脱着液により、合
成吸着剤より脱着させる(第3工程)。 (1)第1工程 シソ科植物抽出液の調製 本発明に用いられるシソ科植物原料は、特に限定される
ものではなく、例えばシソ、アオジソ、チリメンジソ、
ローズマリー(マンネンロウ)等が挙げられるが、なか
でもローズマリーが好ましい。
【0009】抽出物の抽出に用いられる植物原料の形態
としては、全草、各植物部位または該部位の2種以上を
混合したものを用いることができるが、好ましくは葉も
しくは全草が用いられる。これら植物原料は、生でも乾
燥物でもよいが、好ましくは乾燥物である。粉砕程度は
特に制限されないが、例えば粗切り状態が好ましい。上
記植物原料から抗酸化成分を抽出するに際し、抽出溶媒
としては、水、低級アルコール、または低級アルコール
水溶液が用いられるが、好ましくは低級アルコール水溶
液である。尚、本明細書において、低級アルコールと
は、炭素数1〜4のアルコールを意味する。低級アルコ
ールとしては、直鎖状、分岐鎖状のいずれのも用いるこ
とができる。具体的には、例えば、メタノール、エタノ
ール、n−ブタノール等が挙げられ、これらの中でも、
メタノール、エタノールが好ましい。アルコール水溶液
のアルコール濃度は、通常10〜80重量%、好ましく
は30〜60重量%、更に好ましくは40〜60重量%
である。抽出溶媒の量は、植物原料の重量に対して、通
常1〜100倍量、好ましくは2〜10倍量使用され
る。抽出溶液中の固形分濃度が、0.1〜30重量%、
好ましくは1〜10重量%の範囲となるように抽出溶媒
の量を調節すると、抽出効率が高く好ましい。
【0010】抽出時の温度は、植物原料の種類等にもよ
るが、通常室温〜90℃、好ましくは50〜80℃の範
囲である。更に好ましくは、常圧にてアルコール水溶液
が還流する程度の温度である。このとき、抽出器は解放
系でも閉鎖系でもよい。抽出時間は、原料及び抽出温度
等にもよるが、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜
4時間である。
【0011】抽出処理の後、抽出溶液と植物原料残渣を
分ける手段は、濾過等の公知の方法が用いられる。抽出
処理後の植物原料残渣に対し、更に抽出操作を1〜3
回、好ましくは2回程度行ない、最初の抽出溶液と合わ
せて用いてもよい。 シソ科植物抽出液の前処理 上記方法で得られた抽出液中の低級アルコール濃度が1
5体積%を越える場合には、吸着剤処理の前に、抽出液
中の低級アルコールの濃度を15体積%以下に下げる必
要がある。低級アルコール濃度が15体積%を越える
と、抗酸化剤成分が、吸着剤に十分吸着しないので好ま
しくない。低級アルコール濃度は低い方がよく、好まし
くは10体積%以下であり、更に好ましくは5体積%以
下であり、0であることが最も好ましい。
【0012】アルコール濃度を下げる方法としては、蒸
留等によるアルコール留去や水添加、あるいはそれらの
組み合わせ等が考えられる。あるいは、アルコールと共
に水も完全に留去し、固体状の抽出物を得た後、水また
はアルコール濃度15体積%以下のアルコール水溶液に
溶解しても良い。このアルコール濃度を下げる操作にお
いて、アルコール濃度の低下に伴い、沈殿物が析出する
ことがある。以後の合成吸着剤処理工程への負荷を小さ
くするために、該沈殿物は濾過等の手段により分離した
方が望ましい。なお、この沈殿物には油溶性の抗酸化成
分が多く含有されているので、油脂の酸化防止等へ利用
できる。 抽出物水溶液を合成吸着剤と接触 低級アルコール濃度15体積%以下の抽出物水溶液を合
成吸着剤に接触させ、抽出物中の抗酸化成分を合成吸着
剤に吸着させる。
【0013】本発明で用いられる合成吸着剤としては、
特に限定されないが、例えば、比表面積が300〜15
00m2/g程度、細孔容積が0.3〜2.5mL/g
程度、最頻度半径が20〜700Å程度が好ましい。こ
のような合成樹脂の具体例としては、ダイヤイオンTMH
P20SS、HP20、HP21等のHP樹脂、セパビ
ーズTMSP825、SP850、SP207等のSP樹
脂(以上、三菱化学社製)、アンバーライトXAD−
2、XAD−4、XAD−16(以上、ロームアンドハ
ース社製)等のスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂;ダ
イアイオンTMHP2MG(三菱化学社製)、アンバーラ
イトXAD−7、XAD−8(以上、ロームアンドハー
ス社製)等のアクリル系樹脂等が挙げられる。
【0014】合成吸着剤は、通常カラムに充填される。
カラムの形状は特に制限無いが、通常円筒型のカラムが
用いられる。合成吸着剤は、カラムに充填後、通常、エ
タノール、水で順次洗浄してから、抽出物の分画に使用
される。合成吸着剤に抽出物溶液を通液して、抽出物中
の抗酸化成分を吸着剤に吸着させる。吸着剤処理に供す
る1回あたりの抽出物溶液量は任意だが、用いる合成吸
着剤量に対して抽出物溶液量が少ないと1回あたりの処
理量が少なくなり、非効率的であるし、多すぎると抽出
物中の抗酸化成分の合成吸着剤への吸着が飽和し、吸着
できない分が生じ、目的抗酸化成分のロスが大きくな
る。よって、抽出物溶液中の目的抗酸化成分の樹脂への
吸着が完全に飽和しない程度の量の抽出物溶液を処理す
るのが効率的で好ましい。例えば、合成吸着剤100m
Lに対し、乾燥重量で1〜10重量%の抽出物を含む水
溶液50〜5000mLを通液させる。 (2)第2工程 合成吸着剤に、pH7.5以上の水またはpH7.5以
上かつ低級アルコール濃度15体積%以下の低級アルコ
ール水溶液(以下、「アルカリ洗浄液」という)を、洗
浄液として通液して、合成吸着剤を洗浄する。
【0015】このアルカリ洗浄液で合成吸着剤を洗浄す
ることにより、合成吸着剤に吸着されていた成分のう
ち、不活性成分または/及び低活性成分は脱着し除去さ
れる。これに対し、本発明で回収を目的とする高活性成
分は脱着しない。洗浄液のpHは8以上が好ましく、9
以上が更に好ましく、通常12以下である。12を越え
ると、抗酸化成分が分解する可能性がある。
【0016】水または低級アルコール水溶液のpH調整
剤としては、特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン
酸水素2カリウム、珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等
があげられるが、中でもリン酸水素2ナトリウムが好ま
しい。また、一般的に知られる緩衝液すなわちリン酸緩
衝液、トリス緩衝液、Macllvain氏緩衝液等を
利用してpHを調整してもよい。
【0017】アルカリ洗浄液中のアルコール濃度は、1
5体積%を越えると、高活性成分も脱着するので好まし
くなく、好ましくは12体積%以下であり、通常5体積
%以上である。アルカリ洗浄液は、合成吸着剤100m
Lに対し、通常50〜500mL、好ましくは100〜
300mL使用する。アルカリ洗浄液で洗浄後、水、ま
たは低級アルコール濃度20体積%未満の低級アルコー
ル水溶液(以下、「洗浄用アルコール水溶液」という)
で、合成吸着剤を洗浄し、pH調節剤を除去することが
好ましい。この洗浄用アルコール水溶液中の低級アルコ
ール濃度が20%以上になると、目的とする高活性成分
が脱着し、収率が低下し好ましくない。低級アルコール
濃度は、好ましくは17〜19体積%、更に好ましくは
15〜18体積%である。洗浄用アルコール水溶液は、
通常、合成吸着剤100mLに対し50〜300mL、
好ましくは100〜200mL使用する。 (3)第3工程 洗浄後の合成吸着剤に、低級アルコール濃度20体積%
以上の低級アルコール水溶液からなる脱着液を通液し、
高活性成分を脱着させる。脱着液中の低級アルコール濃
度は、25体積%以上であることが好ましく、30体積
%以上であることが更に好ましい。脱着液の低級アルコ
ール濃度は、通常60体積%以下、好ましくは50体積
%以下である。60体積%を越えると不活性成分または
/及び低活性成分が脱着してきて好ましくない。脱着液
は、通常、合成樹脂100mLに対し、100〜500
mL通液する。
【0018】尚、上記第1工程〜第3工程における、カ
ラムの通液速度としては、通常、SV(1時間当たりの
通液量/樹脂の見掛け体積)で0.1〜20、好ましく
は0.5〜10、更に好ましくは1〜5の範囲である。
また、その際の温度としては、通常5〜40℃で実施さ
れる。 [製造方法2]本方法は、pH6.5以上かつ低級アル
コール濃度15体積%以下のシソ科植物抽出物水溶液
を、合成吸着剤と接触させて、抗酸化成分を合成吸着剤
に吸着させ(第1工程)、次いで、抗酸化成分を、低級
アルコール濃度20体積%以上の低級アルコール水溶液
からなる脱着液で、合成吸着剤より脱着させる(第2工
程)。
【0019】本方法は、製造方法1における第1工程と
第2工程を、1つの工程にまとめて簡略化したものであ
る。即ち、製造方法1では、第1工程で、抽出物中に不
活性成分または/及び低活性成分、高活性成分を一旦合
成吸着剤に吸着させたのち、第2工程で、不活性成分ま
たは/及び低活性成分をアルカリ洗浄液で除去してい
る。しかし、本方法では、第1工程では、不活性成分ま
たは/及び低活性成分を、最初から合成吸着剤に吸着さ
せず、高活性成分のみ吸着させている。本方法は、製造
方法1の方法と比較し、処理方法が簡略化されているの
で、製造上好ましい。 (1)第1工程 前処理 製造方法1と同様の方法で、シソ科植物抽出液を製造し
た後、抽出液中の低級アルコール濃度を15体積%以下
に調整すると共に、pHを6.5以上に調整する。pH
の調整は、製造方法1の第2工程で使用したpH調節方
法が使用できる。pHは7以上が好ましく、通常11以
下である。11を越えると、抗酸化成分が分解する可能
性がある。
【0020】製造方法2では抽出液のpHを6.5以上
に調整するのに対し、製造方法1のアルカリ洗浄液のp
Hを7.5以上に調整している。この理由は、本発明で
除去したい不活性成分または/及び低活性成分が、本来
アルコール濃度15体積%以下では、pH6.5以上で
吸着剤から脱着するものであり、また製造方法1では、
吸着剤に接触させる抽出物溶液は通常pH4〜5の酸性
なので、それを中和する分が必要になるからと考えられ
る。低級アルコール濃度を15体積%以下にする方法、
好ましい低級アルコール濃度は製造方法1の第1工程の
前処理と同様である。 抽出物水溶液を合成吸着剤と接触 製造方法1と同様に、合成吸着剤をカラムに充填し、前
述の前処理をした抽出物水溶液を、合成吸着剤に通液す
る。例えば、合成吸着剤100mLに対し、乾燥重量で
1〜10重量%の抽出物を含む抽出液を50〜5000
mLを通液させる。
【0021】この後、水、または低級アルコール濃度2
0%未満の低級アルコール水溶液(洗浄用アルコール水
溶液)で、合成吸着剤を洗浄し、pH調節剤を除去する
ことが好ましい。この洗浄用アルコール水溶液中の低級
アルコール濃度が20%以上になると、目的とする高活
性成分が脱着し、収率が低下し好ましくない。低級アル
コール濃度は、好ましくは17〜19体積%、更に好ま
しくは15〜18体積%である。洗浄用アルコール水溶
液は、合成吸着剤100mLに対し、通常50〜300
mL、好ましくは100〜200mLである。 (3)第2工程 製造方法1の第3工程と同様に、低級アルコール濃度2
0体積%以上の低級アルコール水溶液からなる脱着液を
通液し、高活性成分を脱着させる。脱着液中の低級アル
コール濃度は、30体積%以上であることが好ましい。
脱着液の低級アルコール濃度は、通常60体積%以下、
好ましくは50体積%以下である。60体積%を越える
と不活性成分が脱着してきて好ましくない。脱着液は、
通常、合成樹脂100mLに対し、100〜500mL
通液する。
【0022】尚、製造方法2の第1工程及び第2工程の
カラムの通液速度、カラム処理時の温度は、製造方法1
と同様である。又、製造方法1及び製造方法2におい
て、低級アルコールとして、エタノールを使用すること
が特に好ましい。製造方法1及び製造方法2で得られる
回収液は、溶媒を一部濃縮して使用してもよいし、溶媒
の全部を除去して固体として使用してもよい。また、上
述では、合成吸着剤をカラムに充填して精製する方法を
例にとり説明したが、本発明の製造方法1及び製造方法
2はこれに限定されるものではなく、合成吸着剤をカラ
ムに充填せずに、バッチ式で精製してもよい。例えば、
製造方法1では、シソ科植物抽出物水溶液と合成吸着剤
を混合したのち溶液をろ過し、次いで合成吸着剤とアル
カリ洗浄液を混合したのち溶液をろ過し、次いで合成吸
着剤と脱着液を混合し、ろ過して濾液を回収してもよ
い。同様に、製造方法2では、pH調整した抽出液を合
成吸着剤とを混合し、溶液をろ過し、次いで合成吸着剤
と脱着液を混合し、ろ過して濾液を回収してもよい。
【0023】本発明の製造方法により、下記条件でHP
LC分析した場合、そのリテンションタイムが、ロスマ
リン酸のリテンションタイムを基準として−2.6±1
分であり、且つ分子量が478の成分のピークの面積%
が、20%以上の抗酸化剤を製造することができる。 <HPLC分析条件> カラム:Inertsil ODS 80A(5μm 4.6mm I.
D.×250mm,GL SciencesInc.) カラム温度:40℃ 移動相:A−4重量%リン酸水溶液、B−アセトニトリ
ル 流量:1mL/min 検出器:UV検出器、波長280nm 注入量:25μL 分析時間:35分 Gradient条件: 0分(A90体積%、B10体積%)→30分(A60
体積%、B40体積%)→35分(A60体積%、B4
0体積%) 該分子量478成分、C22H22O12の化学式で表わされ
る化合物である。その構造は、フラボンの一種であるル
テオリンと類似した構造の物質で、フラボン骨格のB環
の4’位と5’位およびA環の5位にOH基を有し、A
環の6位と7位のいずれか一方に酸素原子を介した単糖
を、他方にメトキシ基を有する構造(本明細書では、
「メトキシルテオリン配糖体」と称する)と推定され
る。その構造式を下記に示す。ただし、糖の構造は、現
時点で不明である。
【0024】
【化1】 (上記式中、R1とR2のいずれか一方がメチル基、他方
が糖(C6H11O5)を表す。) 抗酸化剤中の該分子量478成分の含有量は高い方が好
ましく、好ましくは、上記分析条件において、該ピーク
面積%が30%以上であることが好ましく、40%以上
であることが好ましい。
【0025】本発明の製造方法で得られる抗酸化剤は、
メトキシルテオリン配糖体の含有量が高く、かつ、従来
の精製方法により得られた抗酸化剤より高活性であるこ
と、およびメトキシルテオリン配糖体は抗酸化成分とし
て知られているルテオリン配糖体の誘導体であることか
ら、このメトキシルテオリン配糖体こそが、非常に高活
性な抗酸化成分であると考えられる。
【0026】本製造方法で得られる抗酸化剤は、高い抗
酸化活性を有し、そのまま飲食品や化粧品などの抗酸化
剤として使用できる。また、該抗酸化剤は、特に活性酸
素消去能に優れるため、体内に取り込まれる飲食品、医
薬品、医薬部外品に使用した場合、体内の活性酸素除去
効果が期待される。また、皮膚や毛髪用の化粧品に使用
された場合、皮膚や毛髪の活性酸素除去効果が期待され
る。
【0027】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、下記の実施例及び比較例において、抗酸化能
評価及びHPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析
は次の通り行った。 <抗酸化能評価>抗酸化能評価は、SOD様活性をSO
Dテストワコー(和光純約工業株式会社製)により測定
し、活性酸素消去能を相対比較することにより行った。
具体的な測定方法は以下の通りである。
【0028】各抗酸化成分を濃度0.025重量%とな
るように水に溶解し、これをSOD様活性測定用原液と
した。各SOD様活性測定用原液0.1mLと酵素液
(酵素原液を酵素希釈液と混合したもの。キサンチンオ
キシダーゼ0.049単位/mL)1mLと発色試薬1
mLを混合後、37Cで20分間インキュベートし反応
させた。20分後、反応停止液2mLを添加、混合して
反応を停止させた。そして、反応停止後の液の560n
mにおける吸光度(ES)を測定した。さらに、SOD
様活性測定用原液の代わりに水0.1を用いて同様に反
応、反応停止させた液の吸光度(EBL)、および、酵素
液の代わりにブランク液1mLを用いて同様に反応、反
応停止させた液の吸光度(ES-BL)、および、SOD様
活性測定用原液の代わり水0.1mLを用い、かつ酵素
液の代わりにブランク液1mLを用いて同様に反応、反
応停止させた液の吸光度(EBL-BL)を測定し、次式よ
り阻害率%を求めた。阻害率%が高いものほどSOD様
活性が高いと言える。
【0029】
【数1】阻害率%={(EBL−EBL-BL)−(ES−E
S-BL)}/(EBL−EBL-BL)×100 <HPLC分析条件> カラム:Inertsil ODS 80A(5μm 4.6mm I.
D.×250mm,GL SciencesInc.) カラム温度:40℃ 移動相:A−4重量%リン酸水溶液、B−アセトニトリ
ル 流量:1mL/min 検出器:UV検出器、波長280nm 注入量:25μL 分析時間:35分 Gradient条件: 0分(A90体積%、B10体積%)→30分(A60
体積%、B40体積%)→35分(A60体積%、B4
0体積%) 実施例1 ローズマリー乾燥葉(粗切り)100gに45体積%エ
タノール水溶液を1000mL加えて3時間70℃にて
還流し、その後ろ紙でろ過して抽出液を得た。ろ紙上の
ローズマリー抽出残さを、さらに1000mLの45体
積%エタノール水溶液にて上記と同様に、抽出操作を更
に2回繰り返して抽出液を得た。これらの抽出液を合わ
せ約2700mLのローズマリー抽出液を得た。これ
を、エバポレータを用いて減圧下(約50mmHg)、
約55℃にて溶媒留去し、水添加することにより、沈殿
物を含むエタノール含有量1重量%以下の濃縮抽出液5
00mLを得た。これを、平均孔径1.6μmのガラス
繊維フィルターでろ過してろ液と沈殿物とに分けた。
【0030】得られたろ液より、エバポレータを用いて
さらに溶媒を完全留去し、22gの抗酸化成分を含む固
形分を得た。この固形分を抗酸化剤原体として、以下の
合成吸着剤による分画に供した。この5重量%の抗酸化
剤原体水溶液60mLをガラス製カラム(径12.5m
mφ)にスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂(三菱化学
社製:ダイヤイオンTMHP20SS)を30mL込んだ
装置に、SV=約3の通液速度で通液し、続いてpH調
整剤として0.5重量%のリン酸水素2ナトリウムを添
加した10体積%エタノール水溶液(pH9.5)から
なる洗浄液を60mL通液し、その後さらに60mLの
18%エタノール水溶液(pH調整剤無添加)を通液
し、合成吸着剤を洗浄した。その後、脱着液として30
体積%エタノール水溶液を90mL通液して、カラム出
口で抗酸化成分を含む脱着液90mLを回収した。この
抗酸化成分を含む脱着液よりエバポレータにて溶媒を完
全に留去し、0.2gの固体の抗酸化剤Aを得た。該抗
酸化剤の0.025重量%水溶液を調製し、それをSO
D様活性測定用原液としてSOD様活性を測定すると同
時にHPLC分析を行い、分子量478の高活性抗酸化
成分のピーク面積%を求めた。
【0031】SOD様活性測定とHPLC分析結果を表
−1に示した。 実施例2 実施例1で得た抗酸化剤原体を、pH調整剤として1重
量%のリン酸水素2ナトリウムを含む10体積%エタノ
ール水溶液に5重量%になるように溶解した。該溶解液
のpHは7.0であった。該溶解液60mLをガラス製
カラム(径12.5mmφ)にスチレン−ジビニルベン
ゼン系樹脂(三菱化学社製:ダイヤイオンTMHP20)
を30mL込んだ装置に、SV=約3の通液速度で通液
した。続いて60mLの18%エタノール水溶液を通液
し、合成吸着剤を洗浄した。その後、脱着液として30
体積%エタノール水溶液を90mL通液して、カラム出
口で抗酸化成分を含む脱着液90mLを回収した。この
抗酸化成分を含む脱着液よりエバポレータにて溶媒を完
全に留去し、約0.2gの固体状の抗酸化剤Bを得た。
該抗酸化剤の0.025重量%水溶液を調製し、それを
SOD様活性測定用原液としてSOD様活性を測定する
と同時にHPLC分析を行い、分子量478の高活性抗
酸化成分のピーク面積%を求めた。
【0032】SOD様活性測定とHPLC分析結果を表
−1に示した。 比較例1 実施例1で得た抗酸化剤原体の0.025重量%の水溶
液を調製し、それをSOD様活性測定用原液としてSO
D様活性を測定すると同時にHPLC分析を行い、分子量4
78の高活性抗酸化成分のピーク面積%を求めた。 比較例2 実施例1で得た抗酸化剤原体の5重量%水溶液60mL
をガラス製カラム(径12.5mmφ)にスチレン−ジ
ビニルベンゼン系樹脂(三菱化学社製:ダイヤイオンTM
HP20SS)を30mL込んだ装置に、SV=約3の
通液速度で通液し、続いてpH調整剤として0.5重量
%のリン酸を添加した10体積%エタノール水溶液(p
H2.3)からなる洗浄液を60mL通液し、その後さ
らに60mLの18%エタノール水溶液を通液し、合成
吸着剤を洗浄した。その後、脱着液として30体積%エ
タノール水溶液を90mL通液して、カラム出口で抗酸
化成分を含む脱着液90mLを回収した。この抗酸化成
分を含む脱着液よりエバポレータにて溶媒を完全に留去
し、約0.4gの固体状の抗酸化剤Cを得た。該抗酸化
剤の0.025重量%水溶液を調製し、それをSOD様
活性測定用原液としてSOD様活性を測定すると同時に
HPLC分析を行い、分子量478の高活性抗酸化成分
のピーク面積%を求めた。
【0033】SOD様活性測定とHPLC分析結果を表
−1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【本発明の効果】本発明の製造方法によれば、高活性抗
酸化成分を高濃度に含有する抗酸化剤を製造することが
できる。この抗酸化剤は、食品、化粧品等の分野に特に
有用であり、特に肌の美白効果が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B018 LE05 MD61 ME06 MF01 4C083 AA111 CC02 CC31 EE11 EE16 EE21 4C088 AB38 AC05 BA10 CA13 NA14 ZA89 ZC02 4H025 AC06 BA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低級アルコール濃度15体積%以下のシ
    ソ科植物抽出物水溶液を、合成吸着剤と接触させて、抗
    酸化成分を合成吸着剤に吸着させ、 次いで、該合成吸着剤を、pH7.5以上の水、または
    pH7.5以上かつ低級アルコール濃度15体積%以下
    の低級アルコール水溶液で洗浄し、 その後、抗酸化成分を、低級アルコール濃度20体積%
    以上の低級アルコール水溶液からなる脱着液により、合
    成吸着剤より脱着させることを特徴とする抗酸化剤の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 脱着液中の低級アルコール濃度が、60
    体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の抗
    酸化剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 シソ科植物がローズマリーであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の抗酸化剤の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 pH6.5以上かつ低級アルコール濃度
    15体積%以下のシソ科植物抽出物水溶液を、合成吸着
    剤と接触させて、抗酸化成分を合成吸着剤に吸着させ、 次いで、抗酸化成分を、低級アルコール濃度20体積%
    以上の低級アルコール水溶液からなる脱着液で、合成吸
    着剤より脱着させることを特徴とする抗酸化剤の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 脱着液中の低級アルコール濃度が、60
    体積%以下であることを特徴とする請求項4に記載の抗
    酸化剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 シソ科植物がローズマリーであることを
    特徴とする請求項4または5に記載の抗酸化剤の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 下記条件でHPLC分析した場合、その
    リテンションタイムが、ロスマリン酸のリテンションタ
    イムを基準として−2.6±1分であり、且つ分子量が
    478の成分のピークの面積%が、20%以上であるこ
    とを特徴とする抗酸化剤。 <HPLC分析条件> カラム:Inertsil ODS 80A(5μm 4.6mm I.D.
    ×250mm,GL SciencesInc.) カラム温度:40℃ 移動相:A−4重量%リン酸水溶液、B−アセトニトリ
    ル 流量:1mL/min 検出器:UV検出器、波長280nm 注入量:25μL 分析時間:35分 Gradient条件: 0分(A90体積%、B10体積%)→30分(A60
    体積%、B40体積%)→35分(A60体積%、B4
    0体積%)
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の抗酸化剤を含有する飲
    食品。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の抗酸化剤を含有する化
    粧品。
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JP2005213221A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Aroesu:Kk 二糖類分解酵素阻害物質の製造方法
JP2014131967A (ja) * 2013-01-04 2014-07-17 Nagase & Co Ltd 美白用皮膚外用組成物
WO2019026933A1 (ja) 2017-08-02 2019-02-07 サントリーホールディングス株式会社 色素褪色が抑制された容器詰飲料

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