JP2003109643A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
く電解質材料に好適な湿潤環境を保ち、極めて効率的な
電池性能を発現する事ができる燃料電池を提供する。 【解決手段】 プロトン伝導性電解質膜を挟んだ一対の
触媒層を含む燃料電池であって、少なくとも片側の触媒
層が、触媒成分と、電解質材料と、炭素材料を含む混合
物からなり、かつ前記炭素材料の25℃、相対湿度90
%における水蒸気吸着量が100ml/g以下であるこ
とを特徴とする燃料電池である。
Description
特に、触媒層中で水が凝集しやすい条件下で作動する、
例えば固体高分子形燃料電池等の燃料電池において、触
媒層を改良した燃料電池に関する。
子電解質膜を挟んで、一方に正極、もう一方に負極とな
る触媒層が接合されており、さらに、これらを挟んで両
極に撥水処理されたカーボンペーパー等がガス拡散層と
して接しているような基本構造をとっている。
取り出すためには、正極側に酸素あるいは空気等の酸化
性ガス、負極側には水素等の還元性ガスを、外部からガ
ス拡散層を介してそれぞれ供給する。例えば水素ガスと
酸素ガスを利用する場合、負極の触媒上で起こる
を取り出すこととなる。このためには、触媒層内部の触
媒まで酸素ガスあるいは水素ガスを供給できるガス拡散
経路や、負極触媒上で発生したプロトンと電子をそれぞ
れ正極の触媒まで伝達できるプロトン伝導経路と電子伝
達経路が、少なくとも触媒層内で分断されることなく連
なっていないと、電流を取り出すことができない。触媒
層内部では、一般に、ガス拡散経路として材料の間隙に
形成される気孔、プロトン伝導経路として電解質材料、
及び電子伝導経路として炭素材料が、それぞれのネット
ワークを機能させて成り立っている。
質材料としてパーフルオロスルホン酸ポリマーやスチレ
ンジビニルベンゼンスルホン酸等のイオン交換樹脂が用
いられている。これら一般に用いられるイオン交換樹脂
は、湿潤環境下で初めて高いプロトン伝導性を発現し、
乾燥環境下ではプロトン導電性が低下してしまう。これ
は、プロトンの移動に水分子の介在や随伴が必須である
ためと考えられている。従って、効率良く燃料電池を作
動させるためには、常に電解質材料が湿潤状態であるこ
とが必須であり、両極に供給するガスとともに、常に水
蒸気を供給する必要がある。
で、セルに供給するガスを加湿し、露点以下でセルを作
動する方法が採用されている。この方法によると、セル
内に供給された水蒸気は一部凝集し、凝集水の液滴を形
成する。また、上述した正極反応により、正極触媒上で
は水が生成する。セルの運転条件にもよるが、生成した
水は、触媒層内の水蒸気が過飽和になった時点で凝集
し、凝集水の液滴となる。
り、加湿するために供給された水蒸気が触媒層内で凝集
してできた液滴は、ガス拡散経路を遮断する。この現象
は、フラッディングと呼ばれ、大電流放電時に水が大量
に生成する正極で顕著であり、極度の電圧低下を招く。
るためには、触媒層内を十分に加湿しつつ、凝集水は速
やかに系外に排出するといった相反する要求を満たす必
要がある。このために従来から、触媒層に使われる炭素
材料等をポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE
と称する)やシランカップリング剤等を用いて、触媒層
内部を撥水処理する工夫が提案されてきた。
粉末を、特開平4−264367号公報ではPTFEコ
ロイドを、特開平7−183035号公報ではPTFE
により撥水処理した炭素粉末を、特開2000−243
404号公報ではシランカップリング剤で撥水処理した
炭素材を触媒層内に含有させることによって、触媒層内
部の撥水性を高め、凝集水を速やかに系外に排出する工
夫が提案されてきた。
では、PTFEやシランカップリング剤といった触媒層
の電子伝導経路を分断する化合物を用いるため、電池性
能低下を招くといった性能上の課題や、工程が複雑化し
たり、比較的高価な化合物を使用するため、製造コスト
が増加するといった課題があった。
FEのような撥水性物質の撥水性が極めて高いため、こ
れらの化合物を使用した触媒層内部では電解質材料に好
適な湿潤環境が保たれなくなり、従来の触媒層は必ずし
も効率的な電池特性を実現できなかった。従って、従来
では、電解質材料に好適な湿潤環境を保つ材料の提案が
無いばかりか、触媒層設計のために有用な好適な湿潤環
境を保つ材料の水和性に関して定量的な指標が明確に示
されていなかった。
電子伝導経路を分断することなく好適な湿潤環境を保
ち、極めて効率的な電池性能を発現できる燃料電池を提
供することを目的とする。
め、検討を重ねた結果、触媒層の主成分のひとつである
炭素材料の水和性に適正な範囲が存在すること、触媒層
の主成分である炭素材料を、触媒成分を担持した炭素材
料(以下、触媒担持炭素材料)と触媒成分を担持してい
ない炭素材料(以下、ガス拡散炭素材料)とに分けて、
触媒層に含有させると、凝集水によるガス拡散経路の閉
塞を防ぐことができ、特に、大電流放電時の電池特性を
大幅に改善できること、さらに、ガス拡散炭素材料の含
有比率に最適な範囲が存在すること、また、ガス拡散炭
素材料の水和性に好適な範囲が存在すること、等を見出
し、本発明に至った。
以下の通りである。
対の触媒層を含む燃料電池であって、少なくとも片側の
触媒層が、触媒成分と、電解質材料と、炭素材料とから
なり、前記炭素材料の25℃、相対湿度90%における
水蒸気吸着量が100ml/g以下であることを特徴と
する燃料電池。
持した触媒担持炭素材料および前記触媒成分を担持して
いないガス拡散炭素材料を構成し、前記ガス拡散炭素材
料は触媒層中に5質量%以上50質量%以下含まれるこ
とを特徴とする(1)に記載の燃料電池。
相対湿度90%における水蒸気吸着量が1ml/g以上
100ml/g以下である炭素材料の1種類以上からな
ることを特徴とする(2)に記載の燃料電池。
相対湿度90%における水蒸気吸着量が1ml/g以上
50ml/g以下である炭素材料の1種類以上からなる
ことを特徴とする(3)に記載の燃料電池。
と、炭素材料と、電解質材料とを含む触媒層を有し、か
つ、触媒層の主成分の一つである炭素材料の25℃、相
対湿度90%における水蒸気吸着量が100ml/g以
下であることを特徴とする。
る水蒸気吸着量の測定は、市販の水蒸気吸着量測定装置
を用いて測定することができる。あるいは、25℃、相
対湿度90%の恒温恒湿槽に乾燥した炭素材料を十分な
時間静置し、質量変化から測定することもできる。な
お、触媒層中に複数の炭素材料を用いる場合は、それら
炭素材料の含有率で混合して得られた混合物の水蒸気吸
着量を測定するものとする。
る水蒸気吸着量が100ml/g以下であれば、大電流
放電時のガス拡散経路の閉塞を抑制でき、安定した電流
を取り出すことができる。100ml/g超であると触
媒層中に凝集水が滞り、ガス拡散経路が遮断されやすく
なり、大電流放電時の電圧挙動が不安定になる。
着量が、100ml/g以下の炭素材料は、一般に存在
する炭素材料中から水蒸気吸着量を指標に選択できる。
あるいは、水蒸気吸着量が多すぎる炭素材料である場合
においても、不活性雰囲気下で焼成する事によって、水
蒸気吸着量を好適な範囲にまで低下させることができ
る。特に条件を限定するものではないが、アルゴン、窒
素、ヘリウム、真空等の雰囲気下で加熱処理することに
よって、水蒸気吸着量を所望の範囲まで低下させること
ができる。
される炭素材料の種類は、一般的に存在する電子伝導性
を有する炭素材料であれば、特に限定するものではない
が、本来求められる反応以外の化学反応を起こしたり、
凝集水との接触によって炭素材料を構成する物質が溶出
するような材料は好ましくなく、化学的に安定な炭素材
料が好ましい。また、炭素材料の一次粒子径は1μm以
下が好ましく、これより大きな炭素材料は粉砕して用い
ることができる。一次粒子径が1μm超であると、ガス
拡散経路やプロトン伝導経路を分断する恐れが高くなる
ほか、触媒層中の炭素材料の分布が不均一になり易く好
ましくない。好ましい炭素材料としては、カーボンブラ
ックをあげることができる。
分の一つである炭素材料は、触媒担持炭素材料およびガ
ス拡散炭素材料を構成することが好ましい。触媒成分が
担持されていない炭素材料、即ち、ガス拡散炭素材料を
触媒層中に含ませることによって、触媒層中にガスが拡
散できる経路を発達でき、負極であれば水素あるいは水
素を主体とした混合ガス、正極であれば酸素あるいは空
気等が、触媒層中に拡散しやすくなり、多くの触媒表面
と接触できる。そのため、効率的に触媒層での反応を進
行させ、高い電池性能が得られるものである。
ける含有率が、5質量%以上50質量%以下の範囲内に
あると、より好ましい。5質量%未満では、ガス拡散経
路を十分拡大することができず、ガス拡散炭素材料を含
ませる効果が不明確になる。50質量%超では、プロト
ン伝導経路が貧弱になり、IRドロップが大きくなるた
め電池性能が低下する。使用する炭素材料の種類や形態
にもよるが、10質量%〜40質量%がもっとも好まし
い。この範囲にあると、プロトン伝導経路と電子伝導経
路を損なうことなく、ガス拡散経路を発達させることが
できる。
和性、すなわち、水蒸気吸着量が適切な範囲にあるガス
拡散炭素材料を用いる。具体的には、25℃、相対湿度
90%における水蒸気吸着量が1ml/g以上100m
l/g以下である炭素材料を、ガス拡散炭素材料として
選択することである。25℃、相対湿度90%における
水蒸気吸着量が1ml/g未満であると、撥水性が強く
なりすぎて、触媒層中に共存する電解質材料が湿潤状態
を維持しづらくなり、プロトン伝導性が低下する恐れが
あるため、ガス拡散炭素材料を添加する効果が低くなる
ことがある。25℃、相対湿度90%における水蒸気吸
着量が1ml/g以上であれば、触媒層中に共存する電
解質材料に好適な湿潤状態を維持できるため、プロトン
伝導性を損なうこと無く、ガス拡散経路を拡大すること
ができる。また、25℃、相対湿度90%における水蒸
気吸着量が1ml/g以上である炭素材料であれば、2
種類以上の炭素材料を混合してガス拡散炭素材料として
使用することもできる。一方、25℃、相対湿度90%
における水蒸気吸着量が100ml/g超になると、大
電流放電時に触媒層内部で生成する水の排出が追いつか
ず、ガス拡散経路を遮断してしまう恐れがあるため、ガ
ス拡散炭素材料を添加する効果が低くなることがある。
度90%における水蒸気吸着量が1ml/g以上50m
l/g以下であると、さらに好ましい。この範囲内であ
ると、正極の内部で生成する水が少ない小電流放電時に
おいても、正極中の電解質材料の乾燥を防ぎ、好適な湿
潤状態を維持でき、かつ、大電流放電時にも、触媒層内
部で生成する水を効率よく触媒層外へ拡散することがで
きるため、低負荷から高負荷まで負荷条件によらず、全
域にわたって効率の良い電池を得ることができる。25
℃、相対湿度90%における水蒸気吸着量が50ml/
g超になると、大電流放電時に触媒層内部で生成する水
の排出が追いつかず、ガス拡散経路を遮断してしまう恐
れがあるため、ガス拡散炭素材料を添加する効果が低く
なることがある。
一般に存在する炭素材料中から水蒸気吸着量を指標に選
択することによって達成できる。あるいは、好適な範囲
より少ない水蒸気吸着量を持つ炭素材料である場合にお
いても、炭素材料を酸や塩基等で炭素材料表面を処理し
たり、酸化雰囲気環境に曝したりすることによって、水
蒸気吸着量を好適な範囲にまで増加させることができ
る。特に条件を限定するものでは無いが、例えば、加温
した濃硝酸中で処理したり、過酸化水素水溶液中に浸漬
したり、アンモニア気流中で熱処理したり、加温した水
酸化ナトリウム水溶液中に浸漬したり、希薄酸素や希薄
NO、あるいはNO2中で加熱処理したりすることによ
って、水蒸気吸着量を増加させることができる。逆に、
水蒸気吸着量が多すぎる場合、前述のように、不活性雰
囲気下で焼成することによって、水蒸気吸着量を好適な
範囲にまで低下させることもできる。特に限定するもの
ではないが、アルゴン、窒素、ヘリウム、真空等の雰囲
気下で加熱処理することによって、水蒸気吸着量を低下
させることができる。
用される電解質膜、電解質材料の種類や形態によらず効
果を発揮するものであって、これらに特に限定されるも
のではない。
とも効果を発揮する燃料電池は、触媒層中で水が凝集し
やすい条件下で作動する燃料電池であり、電解質膜の種
類や形態などに本発明の触媒層の効果が依存されるもの
ではない。例えば、固体高分子形燃料電池等に使用され
ることが好ましい。
触媒層中に使用される電解質材料は、リン酸基、スルホ
ン酸基等を導入した高分子、例えばパーフルオロスルホ
ン酸ポリマーやベンゼンスルホン酸が導入されたポリマ
ー等をあげることができるが、高分子に限定するもので
はなく、無機系、無機−有機ハイブリッド系等の電解質
膜を使用した燃料電池に使用しても差し支えない。特に
好適な作動温度範囲を例示するならば、室温〜150℃
の範囲内で作動する燃料電池が好ましい。また、触媒担
持炭素材料と電解質材料との触媒層中での質量比は1:
2〜5:1が好ましい。1:2より触媒担持炭素材料が
少ないと、過度に触媒表面が電解質材料に覆われてしま
い、反応ガスが触媒成分と接触できる面積が小さくなる
ため好ましくなく、5:1より過剰に触媒担持炭素材料
が含有すると電解質材料のネットワークが貧弱になり、
プロトン伝導性が低くなるため好ましくない。
材料は、供給されるガスの種類に対して効果的な触媒成
分が担持されており電子伝導性が良好な炭素材料であれ
ば、触媒成分や炭素材料の種類を限定するものではな
い。触媒成分の例としては、白金、パラジウム、ルテニ
ウム、金、ロジウム、オスミウム、イリジウム等の貴金
属、これらの貴金属を2種類以上複合化した貴金属の複
合体や合金、貴金属と有機化合物や無機化合物との錯
体、遷移金属、遷移金属と有機化合物や無機化合物との
錯体等をあげることができる。これら触媒成分の触媒担
持炭素材料への担持量は、それぞれ固有の適切な範囲を
有しているため一概には言えないが、例えば、白金の場
合、炭素材料に対し白金換算で5〜60質量%の範囲で
担持されることが好ましい。また、これらの2種類以上
を複合したもの等も用いることもできる。なお、このよ
うな触媒成分の触媒担持炭素材料への担持方法は、当業
界周知の任意の方法を用いることができ特には限定され
ないが、炭素材料や触媒成分に応じて適宜選択されるべ
きである。
ーボンブラックがもっとも一般的であるが、そのほかに
も黒鉛、炭素繊維等やこれらの粉砕物、カーボンナノフ
ァイバー、カーボンナノチューブ等の炭素化合物等が使
用できる。また、これらの2種類以上を使用することも
できる。
方法は、特に限定はしない。例えば、触媒担持炭素材料
とガス拡散炭素材料を混合し、これにパーフルオロスル
ホン酸ポリマーのような電解質を溶解あるいは分散した
溶液を加え、必要に応じて水や有機溶媒を加えてインク
を作成する。このインクを膜状に乾燥し触媒層として用
いることができる。
層を効果的に機能させるためには、ガス拡散炭素材料表
面にできるだけ電解質材料が接触しないように作成する
方法を選択することが好ましい。特に、好ましい触媒層
作成方法を以下に述べる。
解質材料の良溶媒中で粉砕混合した後に電解質材料の貧
溶媒を加え電解質材料と触媒担持炭素材料とをヘテロ凝
集させて得られるA液と、触媒成分を担持していないガ
ス拡散炭素材料を電解質材料の貧溶媒中で粉砕して得ら
れるB液を作成し、A液とB液とを混合して得られるC
液を膜状に乾燥して触媒層とする。
材料とともに電解質材料の良溶媒中で粉砕混合すると、
大きな凝集体であった触媒担持炭素材料が微細な凝集体
に粉砕され、その表面近傍に電解質材料が溶解して存在
している状態になる。これに電解質材料の貧溶媒を加え
電解質材料を凝集させると、触媒担持粒子と電解質材料
粒子がヘテロ凝集を起こし、電解質材料が触媒担持炭素
材料表面に固定される。さらにこの溶液に微細なガス拡
散炭素材料が添加されると、電解質材料は触媒担持炭素
材料表面に固定されているため、ガス拡散炭素材料表面
が電解質材料によって覆われにくく、ガス拡散炭素材料
の表面が本来持ち合わせている表面性状を活かすことが
できる。特に、表面の水和性を制御したガス拡散炭素材
料を使用する場合、この方法は有効である。
解質材料の良溶媒中で粉砕混合した後に乾燥によって固
化し、これに電解質材料の貧溶媒を加え得られた固形物
を粉砕して得られるA液と、触媒成分を担持していない
ガス拡散炭素材料を電解質材料の貧溶媒中で粉砕して得
られるB液を作成し、A液とB液を混合して得られるC
液を膜状に乾燥して触媒層とする。
材料とともに電解質材料の良溶媒中で粉砕混合した後に
乾燥すると、電解質材料が触媒担持炭素材料表面に膜状
に固定される。これを電解質材料の貧溶媒中で粉砕する
と、ほとんどの電解質材料が触媒担持炭素材料に固定さ
れたまま微粒化する。さらに、この溶液に微細なガス拡
散炭素材料が添加されると、Aの方法と同様に電解質材
料は触媒担持炭素材料表面に固定されているため、ガス
拡散炭素材料表面が電解質材料によって覆われにくく、
ガス拡散炭素材料の表面が本来持ち合わせている表面性
状を活かすことができる。この方法も特に表面の水和性
を制御したガス拡散炭素材料を使用する場合に有効であ
る。
材料の良溶媒とは、実質的に使用する電解質材料を溶解
する溶媒のことであり、電解質材料の種類や分子量によ
るため限定はできない。具体例を例示すれば、市販され
ているアルドリッチ社製5%ナフィオン溶液に含まれる
パーフルオロスルホン酸ポリマーの良溶媒としては、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを
あげることができる。
使用する電解質材料の貧溶媒とは、実質的に使用する電
解質材料を溶解しない溶媒のことであり、電解質材料の
種類や分子量により、溶媒が異なるため特定することは
できない。例えば、市販されているアルドリッチ社製5
%ナフィオン溶液に含まれるパーフルオロスルホン酸ポ
リマーの貧溶媒を例示するならば、ヘキサン、トルエ
ン、ベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどをあげるこ
とができる。
層作成方法の中で粉砕あるいは粉砕混合する方法として
は、大きな凝集体となっている触媒担持炭素材料やガス
拡散炭素材料を粉砕し、少なくとも1μm以下の凝集体
に粉砕する目的を果たすことができれば、手段は限定し
ない。一般的な手法としては例を挙げるならば、超音波
を利用する方法、ボールミルやガラスビーズ等を用いて
機械的に粉砕する方法などをあげることができる。
されている方法が適用でき、特に限定しないが、例え
ば、ガス拡散層であるカーボンペーパー上に塗布し乾燥
した後、パーフルオロスルホン酸ポリマーのような電解
質膜にホットプレス等で圧着する方法、パーフルオロス
ルホン酸ポリマーのような電解質膜に塗布後、乾燥する
方法、一度テフロン(登録商標)シート等に塗布後、乾
燥し、これをパーフルオロスルホン酸ポリマーのような
電解質膜にホットプレスなどで転写する方法、等があげ
られる。このようにして本発明の燃料電池を作成するこ
とができる。
媒層に含有させる炭素材料として、水蒸気吸着量が異な
るカーボンブラックA、B、C、D、E、F、G、Hの
計8種類を用意した。C及びGは市販のカーボンブラッ
クで、AはCをアルゴン中で加熱処理したもの、D及び
Hは、それぞれC及びGを加温した濃硝酸中で処理し、
水洗・乾燥したもの、B、E及びFは、Gをアルゴン中
で加熱処理し、温度や加熱時間を変化させたもの、とし
た。これらカーボンブラックの水蒸気吸着量測定は、水
蒸気量を定容量式水蒸気吸着装置(日本ベル社製、BE
LSORPIS)を用いて測定し、120℃、1Pa以
下で2時間脱気前処理を行った試料を25℃の恒温中に
保持し、徐々に水蒸気分圧を高めたときの試料に吸着し
た水蒸気量を測定した。得られた測定結果から吸着等温
線図を描き、図から相対湿度90%の時の水蒸気吸着量
を読みとった。その結果を表1に示した。
溶液中にカーボンブラックGを分散し、ロータリーエバ
ポレーターを用いて溶媒を減圧乾固して得た触媒前駆体
を10%水素−90%Ar気流中、300℃で3時間、
還元処理を行い、白金換算で白金担持率20質量%の触
媒担持炭素材料α、白金換算で白金担持率30質量%の
触媒担持炭素材料βを得た。カーボンブラックCとHに
ついても同様の手順によって、白金換算で白金担持率2
0質量%の触媒担持炭素材料γ及びδを得た。
ックGを分散し、50℃に保温し、撹拌しながら過酸化
水素水を加え、次いで、Na2S2O4水溶液を添加して
触媒前駆体を得た。この触媒前駆体を濾過、水洗、乾燥
した後に100%H2気流中、300℃で3時間、還元
処理を行い、白金換算で白金担持率20質量%の触媒担
持炭素材料εを得た。
材料を観察し、担持された白金の粒子径を比較すると、
α、β、γ、δの白金粒子径分布はいずれも2〜50n
m程度と広かったが、εの白金粒子径分布は2〜6nm
程度であり、α、β、γ、δと比較すると、細かく均一
な粒子径分布であった。
素材料αを容器に取り、これに5%ナフィオン溶液(ア
ルドリッチ社製)を触媒担持炭素材料とナフィオンの質
量比が1/1となるように加え、さらに、炭素材料を粉
砕する目的でガラスビーズを加えて、撹拌により粉砕混
合し、触媒担持炭素材料とナフィオンを合わせた固形分
濃度が6質量%となるようにエタノールを加え、さらに
撹拌し、触媒電解質混合溶液α1を得た。同様の方法
で、触媒担持炭素材料β、γ、δ、εを用いて触媒電解
質混合溶液β1、γ1、δ1、ε1を得た。
ブラックCを容器に取り、これにエタノールを加え、炭
素材料を粉砕する目的でガラスビーズを加えて、撹拌に
より粉砕混合し、触媒成分を担持していないカーボンブ
ラックCを6質量%含んだガス拡散炭素材料溶液C1を
得た。
これに酢酸ブチルを加え、炭素材料を粉砕する目的でガ
ラスビーズを加えて、撹拌により粉砕混合し、触媒成分
を担持していないカーボンブラックAを6質量%含んだ
ガス拡散炭素材料溶液A2を得た。同様の方法でカーボ
ンブラックB、C、D、E、F、G、Hを用いて、ガス
拡散炭素材料溶液B2、C2、D2、E2、F2、G
2、H2を得た。
り、これにヘキサンを加え、炭素材料を粉砕する目的で
ガラスビーズを加えて、撹拌により粉砕混合し、触媒成
分を担持していないカーボンブラックCを6質量%含ん
だガス拡散炭素材料溶液C3を得た。
ス拡散炭素材料溶液を下記表2に示した比率で撹拌混合
し、インクを調製した。
質混合溶液α1を容器に取り、撹拌しながら、溶媒とし
て5gのエタノールを加え、十分に撹拌後、撹拌しなが
ら0.8gのガス拡散炭素材料溶液C1を加えて調製し
た。インク1〜3、14〜16も同様の手順で作成し
た。なお、インク1〜3、14には、ガス拡散炭素材料
溶液を加えなかった。
混合溶液α1を容器に取り、撹拌しながら、電解質の貧
溶媒である5gの酢酸ブチルを加えて、24時間以上撹
拌し、触媒炭素材料と電解質材料をヘテロ凝集させた
後、撹拌しながら0.2gのガス拡散炭素材料溶液C2
を加えて調製した。インク5、7〜13、17〜32、
37、38も同様にして作成した。なお、インク18、
25の調製時に加える貧溶媒にはヘキサンを使用した。
また、インク5、17、18、37には、ガス拡散炭素
材料溶液を加えなかった。
解質混合溶液β1を容器に取り、100℃で一晩乾燥し
た後に、電解質材料の貧溶媒である7.6gの酢酸ブチ
ルとガラスビーズを投入し、撹拌により十分に粉砕混合
し、撹拌しながら1.2gのガス拡散炭素材料溶液C2
を加えて調製した。インク33、34、36も、同様に
作成した。なお、インク34と36の調製時に加える貧
溶媒にはヘキサンを使用した。また、インク33、34
には、ガス拡散炭素材料溶液を加えなかった。
ず、水蒸気吸着量が異なるカーボンブラックを用いて調
製した触媒担持炭素材料を含有する触媒層をそれぞれ調
製し、電池性能を比較した。インクは、溶媒として電解
質材料の良溶媒を使用したインク1〜4を用いた。下記
表3に、負極及び正極それぞれに用いたインクの種類
と、出来上がった触媒層中に含有する触媒担持炭素材料
の種類と、ガス拡散炭素材料の種類と含有率を、電池性
能評価結果とともに示した。
る。
ーパーを2.5cm×2.5cmの正方形に切断し、こ
の上にインクを塗布・乾燥を繰り返して、カーボンペー
パーに接合した触媒層を作成した。このとき、塗布前後
のカーボンペーパーの質量変化測定と使用したインクの
組成により、白金含有量を求め、0.5mg/cm2と
なるように条件を調整した。このカーボンペーパーに接
合した触媒層2枚を用いて電解質膜(ナフィオン11
2)をはさみ、140℃、100kg/cm2の条件で
ホットプレスを5分間行い、カーボンペーパー−触媒層
−電解質膜−触媒層−カーボンペーパーの接合体を得
た。
置に組み込み、電池性能測定を行った。電池性能測定
は、開放電圧(通常0.9〜1.0V程度)から0.2
Vまで段階的に電圧を変化させ、0.5Vの時に流れる
電流密度を測定した。なお、電極面積は6.25cm2
とした。ガスは、正極に純酸素、負極に純水素を、利用
率がそれぞれ50%と80%となるように供給し、それ
ぞれのガスはセル下流に設けられた背圧弁で圧力調整
し、0.1MPaに設定した。セル温度は80℃に設定
し、供給する純酸素と純水素は、それぞれ75℃と85
℃に保温された蒸留水中でバブリングを行い、加湿し
た。
%における水蒸気吸着量が100ml/g以下である炭
素材料を使用した実施例1〜3の電池性能が、100m
l/g超の炭素材料を使用した比較例1よりも優れてい
た。また、ガス拡散炭素材料Cを触媒層中に20%含有
させた実施例3の電池性能が、特に優れていた。
に、触媒担持炭素材料をαに固定し、ガス拡散炭素材料
の種類や触媒層中の含有量を変化させた触媒層をそれぞ
れ調製し、電池性能を比較した。すなわちインクは、触
媒担持炭素材料としてαを含み、かつ溶媒として電解質
材料の貧溶媒を使用したインク5〜13を用いた。下記
表4に、負極及び正極それぞれに用いたインクの種類
と、出来上がった触媒層中に含有する触媒担持炭素材料
の種類と、ガス拡散炭素材料の種類と含有率を、電池性
能評価結果とともに示した。
調製と性能評価(その1)>と同様の手順で行った。
媒層中に5質量%以上50質量%以下含有させた実施例
5〜11の電池性能が、特に優れていた。ガス拡散炭素
材料を50質量%超含有する実施例12では、電池性能
がやや劣る結果となった。電池性能測定中にカレントイ
ンターラプト法によって電池の抵抗を測定したところ、
実施例4〜11の抵抗値より実施例12の抵抗値が大き
かったことから、ガス拡散炭素材料が過剰となって電解
質材料のネットワークが分断され、プロトン伝導性が低
くなったため、電池性能が低下したものと考えられる。
量%である実施例7〜10の中で比較すると、25℃、
相対湿度90%の時の水蒸気吸着量が1ml/g以上1
00ml/g以下であるガス拡散炭素材料C及びGを含
有した実施例9及び10が特に優れており、25℃、相
対湿度90%の時の水蒸気吸着量が1ml/g以上50
ml/g以下であるガス拡散炭素材料Cを含有した実施
例9が最も優れていた。
に、触媒担持炭素材料をβに固定し、ガス拡散炭素材料
の種類を変化させた触媒層をそれぞれ調製し、少なくと
も片方の極に配した時の電池性能を比較した。すなわち
インクは、触媒担持炭素材料としてβを含み、かつ、溶
媒として電解質材料の良溶媒を使用したインク14〜1
6を用いた。下記表5に、負極及び正極それぞれに用い
たインクの種類と、出来上がった触媒層中に含有する触
媒担持炭素材料の種類と、ガス拡散炭素材料の種類と含
有率を、電池性能評価結果とともに示した。
と性能評価(その1)>と同様の手順で行ったが、電極
の作成方法は、以下の手順に従い行った。
に塗布・乾燥を繰り返し、これを2.5cm×2.5c
mの正方形に切断し、触媒層−テフロン(登録商標)シ
ート接合体を作成した。作成した触媒層−テフロン(登
録商標)シート接合体2枚を用いて電解質膜(ナフィオ
ン112)をはさみ、140℃、100kg/cm2の
条件でホットプレスを3分間行った後に、テフロン(登
録商標)シートのみを剥がし、触媒層−電解質膜−触媒
層の接合体を作成した。このとき、触媒層−テフロン
(登録商標)シート接合体の質量と剥がしたテフロン
(登録商標)シートの質量差により、電解質膜に転写さ
れた触媒層の質量を決定し、これとインクの組成により
白金含有量を求め、白金含有量が、白金換算で0.05
mg/cm2となるように塗布量と塗布回数を調整し
た。さらに、予めPTFEで撥水処理されたカーボンペ
ーパーを2.5cm×2.5cmの正方形に切断し、2
枚を用いて触媒層−電解質膜−触媒層接合体を挟み、1
40℃、100kg/cm2の条件でさらにホットプレ
スを3分間行い、カーボンペーパー−触媒層−電解質膜
−触媒層−カーボンペーパーの接合体を得た。
層にガス拡散炭素材料を触媒層中に含有させた実施例1
4〜16の電池性能が特に優れていた。
に、触媒担持炭素材料をβに固定し、ガス拡散炭素材料
の種類や触媒層中の含有量を変化させた触媒層をそれぞ
れ調製し、電池性能を比較した。すなわちインクは、触
媒担持炭素材料としてβを含み、かつ、基本的に溶媒と
して電解質材料の貧溶媒を使用したインク17〜32を
用い、一部良溶媒を使用したインク14を使用した。下
記表6に、負極及び正極それぞれに用いたインクの種類
と、出来上がった触媒層中に含有する触媒担持炭素材料
の種類と、ガス拡散炭素材料の種類と含有率を、電池性
能評価結果とともに示した。電極の作成方法と評価方法
は、<触媒層の調製と性能評価(その3)>と同様の手
順で行った。
%における水蒸気吸着量が100ml/g以下である炭
素材料を使用した実施例17〜34の電池性能が、10
0ml/g超の炭素材料を使用した実施例30よりも優
れていた。また、少なくとも片側の触媒層にガス拡散炭
素材料を5質量%以上50質量%以下含有させた実施例
19〜33の電池性能が優れていることが分かった。
量%である実施例22〜29の中で比較すると、25
℃、相対湿度90%の時の水蒸気吸着量が1ml/g以
上100ml/g以下であるガス拡散炭素材料C、D、
E、F、Gを含有した実施例24〜29が優れており、
その中でも25℃、相対湿度90%の時の水蒸気吸着量
が1ml/g以上50ml/g以下であるガス拡散炭素
材料C、D、E、Fを含有した実施例24〜28が特に
優れていることが分かった。
に、触媒担持炭素材料上に薄い電解質材料の膜を形成さ
せるように調製したインク34〜37を用いて電極を作
成し、電池性能を比較した。下記表7に、負極及び正極
それぞれに用いたインクの種類と、出来上がった触媒層
中に含有する触媒担持炭素材料の種類と、ガス拡散炭素
材料の種類と含有率を、電池性能評価結果とともに示し
た。
触媒層の調製と性能評価(その3)>と同様の手順で行
った。
薄い電解質材料の膜を形成させるように調製したインク
を用いて触媒層を作成した場合においても、触媒層にガ
ス拡散炭素材料を含有させた実施例37及び38の電池
性能が特に優れていることが分かった。
こでは、微細な白金が担持された触媒担持炭素材料εを
含有したインク37及び38を用いて電極を作成し、電
池性能を比較した。下記表8に、負極及び正極それぞれ
に用いたインクの種類と、出来上がった触媒層中に含有
する触媒担持炭素材料の種類と、ガス拡散炭素材料の種
類と含有率を、電池性能評価結果とともに示した。
<触媒層の調製と性能評価(その3)>と同様の手順で
行った。
た触媒担持炭素材料を用いた場合においても、触媒層に
ガス拡散炭素材料を含有させた実施例40の電池性能
が、特に優れていることが分かった。
は、触媒層中にPTFEやシランカップリング剤といっ
た化合物を用いないため、電子伝導経路を分断すること
なく、電解質材料に好適な湿潤環境を保つことが可能で
あり、極めて効率的な電池性能を発現できる。また、P
TFEやシランカップリング剤といった化合物を用いな
いため、触媒層製造コストを低減し、安価で高性能な触
媒層を安定して供給できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 プロトン伝導性電解質膜を挟んだ一対の
触媒層を含む燃料電池であって、少なくとも片側の触媒
層が、触媒成分と、電解質材料と、炭素材料とからな
り、前記炭素材料の25℃、相対湿度90%における水
蒸気吸着量が100ml/g以下であることを特徴とす
る燃料電池。 - 【請求項2】 前記炭素材料は、前記触媒成分を担持し
た触媒担持炭素材料および前記触媒成分を担持していな
いガス拡散炭素材料を構成し、前記ガス拡散炭素材料は
触媒層中に5質量%以上50質量%以下含まれることを
特徴とする請求項1に記載の燃料電池。 - 【請求項3】 前記ガス拡散炭素材料は、25℃、相対
湿度90%における水蒸気吸着量が1ml/g以上10
0ml/g以下である炭素材料の1種類以上からなるこ
とを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。 - 【請求項4】 前記ガス拡散炭素材料は、25℃、相対
湿度90%における水蒸気吸着量が1ml/g以上50
ml/g以下である炭素材料の1種類以上からなること
を特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
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