JP2003116529A - 細胞膜が修飾された細胞 - Google Patents

細胞膜が修飾された細胞

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞に障害を与えることなく効率的な手法で
細胞膜が修飾された細胞を提供する。 【解決手段】 下記の特徴: (1)1つの末端に脂肪族炭化水素基を1個以上含有し、
(2)分子中に親水性基を含む部分を1個以上有し、及び
(3)生理活性物質又はプローブなどの修飾対象物質を共
有結合しうる反応性官能基を上記(1)とは異なる末端に
1個以上有する を有する両親媒性化合物と修飾対象物質との反応生成物
が非共有結合により細胞膜に結合した細胞。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性物質又は
プローブで修飾された細胞に関する。より詳しくは、本
発明は生理活性物質又はプローブと両親媒性化合物との
反応生成物を非共有結合により細胞膜に結合させた細胞
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞膜表面の糖鎖やタンパク質からなる
層は細胞間の認識等外部の環境に対しての応答発現の場
である。ここでは分子認識と情報の変換が行われている
ことから、細胞膜表面を改質することにより細胞の認識
の多様化が図れると考えられている。例えば、合成高分
子によって細胞膜表面を修飾し、細胞を無個性化させる
研究が行われている。
【0003】特表2000−507849号公報には、
細胞表面に存在する官能基に対して生体適合性ポリマー
を反応させ、共有結合により表面を修飾する方法が報告
されている。また、The FASEB Journal, 10, 574-586,
1996にはGPI−anchored proteinを用いた細胞表面の
修飾方法が報告されている。さらにPolymer Preprints,
Japan, 47, 10, 2499-2500, 1998及び蛋白質・核酸・
酵素, 45, 11, 1859-1864, 2000には、水溶性高分子と
してポリアクリルアミドを用いて、その高分子末端の反
応性基と膜蛋白あるいは糖鎖とを反応させる工程を含む
細胞表面の修飾方法、リガンドと細胞膜上のレセプター
との結合を介して細胞表面を修飾する方法、及び疎水性
アンカーを用いて細胞表面を修飾する方法が開示されて
いる。
【0004】このように、細胞膜蛋白及び糖鎖に高分子
末端の反応性基を用いて結合させることにより細胞表面
の修飾を行う方法はいくつか知られているが、このよう
な化学修飾を直接細胞膜上に行うことは、細胞表面物質
の性質を変化させ、細胞に障害を与えるおそれがある。
また、GPI−anchored proteinを用いる方法では、G
PI−anchored proteinそのものの入手が困難であり、
適用範囲が限られるという問題がある。さらに、疎水性
アンカーを用いる方法はポリアクリルアミド鎖のみを表
面修飾するものであり、細胞の凝集の抑制は達成できる
ものの、修飾後の安定性が悪く、細胞膜表面にポリアク
リルアミド鎖を固定化できることについての実証もな
い。また、この方法では生理活性物質を細胞表面に結合
することは不可能である。
【0005】さらに、The Journal of Immunology, 243
3-2443, 2000には、炭化水素基を含有するキレート化合
物を用い、キレート化合物を細胞膜にアンカーリングし
た後、このキレート化合物に生理活性物質をイオン結合
させる方法が開示されている。しかしながら、この方法
では、生理活性物質と細胞膜との結合がイオン結合であ
るため、結合が塩濃度あるいはpHによって影響を受けや
すく不安定であり、細胞への適用範囲も限られるという
問題がある。また、このキレート化合物は親水性基を含
有しないために親油性が強く、細胞への添加は困難であ
ることから、リポソーム化によって細胞融合により細胞
に取り込ませる手段等が採られているが、この手段によ
る細胞膜修飾は簡便ではない。以上のように、細胞に傷
害を与えることなく、その細胞膜に生理活性物質などを
共有結合により結合させて細胞膜を改質する方法は知ら
れていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、生理
活性物質又はプローブなどの修飾対象物質で細胞膜修飾
された細胞を提供することにある。また、本発明の別の
課題は、上記の従来の問題を回避でき、細胞に障害を与
えることなく効率的に細胞を修飾するための手段を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究を行ったところ、生理活性物質又
はプローブなどの修飾対象物質と両親媒性化合物とを反
応させて得られる反応生成物を用いて非共有結合的に細
胞膜を修飾することができること、及び脂肪族炭化水素
基を有する特定の両親媒性化合物を用いることにより、
細胞に傷害を与えることなく修飾を極めて効率的に行う
ことができることを見出した。本発明はこれらの知見を
基にして完成されたものである。
【0008】すなわち、本発明は、下記の特徴: (1)1つの末端に脂肪族炭化水素基を1個以上含有し、
(2)分子中に親水性基を含む部分を1個以上有し、及び
(3)修飾対象物質を共有結合しうる反応性官能基を上記
(1)とは異なる末端に1個以上有する を有する両親媒性化合物と修飾対象物質との反応生成物
が非共有結合により細胞膜に結合した細胞を提供するも
のである。この発明の好ましい態様によれば、修飾対象
物質が生理活性物質又はプローブである上記の細胞;及
び細胞が動物細胞である上記の細胞が提供される。
【0009】本発明のさらに好ましい態様によれば、脂
肪族炭化水素基が炭素数11〜18の脂肪族炭化水素基
を1個以上含有する化合物の残基である上記の細胞;脂
肪族炭化水素基がオレイル基または炭素数17の不飽和
脂肪族炭化水素基を1個以上有する化合物の残基である
上記の細胞;及び親水性基がポリオキシアルキレン基を
含有する化合物の残基である上記の細胞が提供される。
【0010】本発明の特に好ましい態様によれば、両親
媒性化合物が、下式の一般式(1):
【化3】 (式中、Zは2〜10個の水酸基を有する化合物の残基
を示し;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示
し;R1は水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示
し;R2は炭素数7〜22の脂肪族炭化水素基を含有す
る化合物の残基を示し;Xはコハク酸イミド基、マレイ
ミド基、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、グ
リシジル基、及びチオール基からなる群から選ばれる反
応性官能基を1個以上含有する基を示し;aは0又は1
を示し;n1、n2、及びn3は炭素数2〜4のオキシア
ルキレン基の平均付加モル数を示し、かつn1、n2、n
3、k1、k2、及びk3は下記の条件: 0≦n1、n2≦500、2≦n3≦500であり、かつ 2≦n1+n2+n3≦500 0≦k1≦8、1≦k2≦4、1≦k3≦4であり、かつ 2≦k1+k2+k3≦10 を満足する数である)で表される化合物である上記の細
胞が提供される。
【0011】上記発明のさらに好ましい態様によれば、
2が炭素数11〜18の直鎖の脂肪族炭化水素基を1
個以上含有する化合物の残基である上記の細胞;R2
オレイル基または炭素数17の不飽和脂肪族炭化水素基
を1個以上有する化合物の残基である上記の細胞;及び
2が下記の一般式(2):
【化4】 (R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数7〜21の炭化水
素基を示し;R5は炭素数2〜4の炭化水素基を示し、
bは0または1である)で表される基である上記の細胞
が提供される。
【0012】別の観点からは、本発明により、生理活性
物質又はプローブとの反応生成物を非共有結合により細
胞膜に結合させるために用いる上記の両親媒性化合物;
及び細胞膜の修飾のための上記両親媒性化合物の使用が
提供される。また、本発明により、細胞膜の修飾方法で
あって、下記の工程:(1)生理活性物質又はプローブと
上記の両親媒性化合物とを反応させる工程;及び(2)上
記工程(1)で得られた反応生成物を非共有結合により細
胞膜に結合させる工程を含む方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の細胞は、修飾対象物質を
共有結合しうる反応性官能基を有する両親媒性化合物と
修飾対象物質との反応生成物を非共有結合により細胞膜
に結合していることを特徴としている。細胞としては、
リン脂質種から構成される細胞膜を持つものであればい
かなるものを用いてもよいが、例えば、動物細胞、プロ
トプラスト化された植物細胞、及び微生物などが挙げら
れる。好ましくは動物細胞が挙げられる。例えば、免疫
細胞の表面を生理活性物質で修飾することにより免疫活
性化作用を誘導することができる。
【0014】細胞に結合させるべき修飾対象物質の種類
は特に限定されず、両親媒性化合物と共有結合可能な官
能基を少なくとも1つ有するものであれば、いかなるも
のを用いてもよい。共有結合可能な官能基としては、例
えば、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル基
などを挙げることができる。修飾対象化合物としては、
好ましくは生理活性物質又はプローブなどを用いること
ができる。本発明の細胞には2種類以上の修飾対象物質
を結合させることが可能である。例えば、生理活性物質
とプローブとを組み合わせて細胞に結合させてもよい。
【0015】生理活性物質の種類は特に限定されない
が、例えば、酵素阻害剤やレセプター・アンタゴニスト
又はアゴニストなどの医薬の有効成分である化合物のほ
か、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、蛋白
質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオ
チド、糖蛋白質、単糖類、多糖類、及びビタミン類な
ど、低分子物質から高分子物質まで種々の物質を用いる
ことができる。好ましい生理活性物質として、例えば、
ゼラチンなどのポリペプチド、抗体、接着分子、レセプ
ター、増殖因子などのサイトカイン等が挙げられる。本
明細書において用いられる「生理活性物質」の用語は、
少なくとも1つの生体反応を惹起できる物質や、生体内
で利用可能な生体関連物質などを含めて最も広義に解釈
すべきであり、いかなる意味においても限定的に解釈し
てはならない。
【0016】プローブとしては、例えば、アミノ酸、オ
リゴペプチド、ポリペプチド、蛋白質、ヌクレオチド、
オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、酵素基質、金
属イオンなどの検出のためのプローブを用いることがで
き、蛍光プローブ、発光プローブ、磁性プローブ、放射
性プローブ、及び金コロイド等の微粒子プローブ等が用
いられる。もっとも、利用可能なプローブは上記の物質
を対象としたもの及び上記の検出手段を備えたプローブ
に限定されることはない。
【0017】該両親媒性化合物は、下記の特徴: (1)1つの末端に脂肪族炭化水素基を1個以上含有し、
(2)分子中に親水性基を含む部分を1個以上有し、及び
(3)修飾対象物質を共有結合しうる反応性官能基を上記
(1)とは異なる末端に1個以上有する を有する化合物である。
【0018】親水性基としては、合成及び天然の水溶性
化合物、好ましくは水溶性高分子化合物の残基を用いる
ことができる。親水性基を与える水溶性化合物として
は、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリサッカラ
イド、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸及びポリアクリルアミド等が挙げられ、好ましくはポ
リアルキレングリコール、ポリサッカライド、ポリ乳
酸、ポリビニルアルコール、より好ましくはポリアルキ
レングリコールである。
【0019】脂肪族炭化水素基としては合成又は天然の
脂肪族炭化水素由来の基でもよく、好ましくは炭素数6
〜24の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の脂肪族炭化水
素基(本明細書において「不飽和」という場合には分子
又は官能基に存在する二重結合又は三重結合の数は特に
限定されず、二重結合及び三重結合を組み合わせて含ん
でいてもよい)、さらに好ましくは炭素数11〜18の
飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を含有する基であ
り、より好ましくはオレイル基または炭素数17の不飽
和脂肪族炭化水素基を含有する基である。この炭化水素
基は1種単独であってもよいし、2種以上が組み合わさ
れていてもよい。2種以上を組み合わせる場合には、そ
の組み合わせ方に制限はない。
【0020】両親媒性化合物中の反応性官能基は、好ま
しくは親水性部の末端に配置される。反応性官能基とし
ては、生理活性物質のアミノ基、カルボキシル基、チオ
ール基、及び水酸基などの官能基と反応しうるものなら
いかなる反応性官能基を用いてもよい。例えば、コハク
酸イミド基、マレイミド基、アミノ基、カルボキシル
基、アルデヒド基、グリシジル基又はチオール基等が挙
げられる。
【0021】両親媒性化合物として、式(1)で表され
る化合物を用いることができる。Zが示す2〜10個の
水酸基を有する化合物の残基としては、具体的には、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリグリセ
リン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグ
リセリン、ヘプタグリセリン、及びオクタグリセリンな
どの化合物の残基を挙げることができる。Zとしては好
ましくは2〜8の水酸基を有する化合物の残基を用いる
ことができる。
【0022】AOは炭素数2〜4、好ましくは炭素数2
又は3のオキシアルキレン基であり、例えばオキシエチ
レン基、オキシプロピレン基、オキシトリメチレン基、
オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げ
られる。これらの中で特にオキシエチレン基が好まし
い。分子内にはnの数だけオキシアルキレン基が存在す
るが、このオキシアルキレン基は1種単独であってもよ
く、あるいは2種以上が組み合わされていてもよい。2
種以上が組み合わされる場合には、その組み合わせ方に
制限はない。またオキシアルキレン基はブロック状であ
ってもランダム状であってもよい。ただし、全オキシア
ルキレン基に対するオキシエチレン基の比率が低いと水
溶性が低下する場合があるので、全オキシアルキレン基
に対するオキシエチレン基の比率は50〜100モル%
であることが好ましい。
【0023】式(1)においてn1+n2+n3はオキ
シアルキレン基の平均付加モル数を示し、この総和は例
えば2〜500の範囲であり、好ましくは8〜300、
より好ましくは12〜200である。付加モル数は、例
えばR1あるいはR2の疎水性基との親水性及び疎水性の
バランスによって決めることが可能である。k2が2以
上であるか、あるいはR2がリン脂質化合物残基である
場合には、疎水性を示す脂肪族炭化水素基が2鎖以上存
在し、オキシアルキレン基の平均付加モル数n1+n2
+n3が20〜500であることが好ましく、30〜2
00であることがさらに好ましい。
【0024】前記式(1)で示されるk1+k2+k3
の値はZの分岐数に対応しており、2〜10、好ましく
は2〜4の整数である。k1+k2+k3の値が2より
小さい場合には、一末端に脂肪族炭化水素基である疎水
性基、他の一末端に反応性官能基を有する化合物が得ら
れないため、細胞の表面修飾には不利になる場合があ
る。また、k1+k2+k3の値が10より大きい場合
には、分子の三次元的な広がりが大きく嵩高くなるため
に、立体障害により安定な表面修飾を行うことができな
い場合がある。
【0025】前記式(1)において、k1はポリアルキ
レンオキシドの分岐した末端の残基が水素原子又は炭素
数1〜3の炭化水素基(具体的にはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、又はイソプロピル基)である残基
の合計数であり、0〜8の範囲の整数である。前記式
(1)において、k2はポリアルキレンオキシドの末端
の残基に炭素数7〜22の脂肪族炭化水素基を含有する
化合物の残基の結合数であり、1〜4の範囲の整数であ
る。k2が0の場合は疎水基が存在しないため細胞膜の
修飾が達成できない場合があり、5以上の場合は、嵩高
く細胞膜にアンカーリングされない場合がある。
【0026】前記式(1)においてaは0又は1であ
り、aが0の場合には、R2で表される脂肪族炭化水素
基を含有する化合物の残基がポリアルキレンオキシド残
基の末端にエーテル結合していることを意味し、aが1
の場合はR2で表される脂肪族炭化水素基を含有する化
合物の残基がポリアルキレンオキシド残基の末端にカル
ボニル基を介してエステル結合していることを意味して
いる。
【0027】前記式(1)において、k3はXで示され
る反応性基を含有する基が末端残基に結合したポリアル
キレンオキシド残基であり、1〜4の範囲の整数であ
り、好ましくは1〜3である。k3が2以上の場合は、
Xに含有される反応性基は一種単独でもよいし、2種以
上組み合わされてもよい。2種以上の場合は同種あるい
は異種の生理活性物質を結合させ、細胞膜に導入するこ
とができる。
【0028】前記式(1)においてR1は水素原子、メ
チル基、エチル基、あるいは直鎖又は分枝鎖のプロピル
基である。k2が1以上の場合には、R2の脂肪族炭化
水素基を含有する化合物の残基が式(1)の化合物の疎
水性基として作用する。前記式(1)において、R2
炭素数7〜22の脂肪族炭化水素基を含有する化合物の
残基である。好ましくは炭素数7〜22の飽和若しくは
不飽和の直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素基、あるいは炭
素数7〜22の飽和若しくは不飽和の直鎖又は分枝の脂
肪族炭化水素基を1個以上有するリン酸基含有化合物の
残基である。
【0029】R2の具体例としては、aが0の場合、カ
プリル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ミリ
ストレイル基、パルミチル基、パルミトレイル基、ステ
アリル基、イソステアリル基、オレイル基、リノレイル
基、アラキル基、アラキドニル基、ベヘニル基、エルカ
イル基などの飽和若しくは不飽和の直鎖又は分枝の炭化
水素基が挙げられる。好ましくは炭素数10〜20の飽
和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基あるいは炭素数1
0〜20の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基を有
するリン脂質残基、より好ましくは炭素数11〜18の
飽和若しくは不飽和の直鎖の脂肪族炭化水素基あるいは
炭素数11〜18の飽和若しくは不飽和の直鎖の炭化水
素基を有するリン脂質残基、最も好ましくは炭素数18
の飽和若しくは不飽和の直鎖の脂肪族炭化水素基あるい
は炭素数17の飽和若しくは不飽和の直鎖の脂肪族炭化
水素基を有するリン脂質残基である。リン脂質として
は、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジル
グリセロール、ホスファチジルセリン等が挙げられる。
また、aが1の場合、R2COの具体例としては、例え
ば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸などの飽和
若しくは不飽和の直鎖又は分枝の脂肪酸由来のアシル基
を挙げることができ、好ましくはオレイン酸由来のアシ
ル基である。
【0030】前記式(1)において、Xはコハク酸イミ
ド基、マレイミド基、アミノ基、カルボキシル基、アル
デヒド基、グリシジル基、又はチオール基等の反応性官
能基を含有する基である。ポリアルキレンオキシド残基
の末端へのXの結合様式については特に限定はなくJMS-
REV. MACROMOL. CHEM. PHYS., C25(3), 325-372(1985)
等に報告されているような一般的な結合様式を用いるこ
とができるが、上記反応基を簡便に導入するためには2
価の炭化水素基、エステルあるいはアミド結合を介して
導入を行うことが好ましい。この目的に用いられる炭化
水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン
基等、又はフェニレン基等の環状化合物基が挙げられ、
エステル結合はモノカルボン酸又はジカルボン酸由来の
エステル結合でもよいが、ジカルボン酸としてはコハク
酸、グルタル酸、及びマレイン酸等が挙げられ、アミド
結合としてはエチルアミド及びプロピルアミド等由来の
アミド結合が挙げられる。
【0031】前記式(2)は炭素数7〜21の飽和若し
くは不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基を1個以
上有するリン酸基含有化合物残基、すなわちホスファチ
ジルエタノールアミン含有残基である。前記式(2)に
おいて、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数7〜21の
飽和若しくは不飽和の直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素
基、好ましくは炭素数11〜17の飽和若しくは不飽和
の直鎖の炭化水素基、より好ましくは炭素数17の不飽
和脂肪族炭化水素基である。R3及びR4は通常R3CO
及びR4COとして脂肪酸に由来するアシル基を用いる
ことができる。R3CO及びR4COの具体的なものとし
ては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミ
トレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸な
どの飽和若しくは不飽和の直鎖又は分岐の脂肪酸由来の
アシル基を挙げることができ、より好ましくはオレイン
酸由来のアシル基である。
【0032】R3及びR4は同一であっても異なっていて
もよい。R3及びR4の炭素数がそれぞれ21を越える場
合、疎水性が強く柔軟性が小さいため細胞膜への結合が
困難になる場合があり、また炭素数が7より少ない場合
には、細胞膜への結合後、疎水性が弱いために細胞膜か
ら抜け落ちる場合がある。R2が式(2)で示されるリ
ン脂質含有化合物の残基の場合には、アシル基が2本あ
るために細胞膜の修飾後の安定性が一本鎖より高く、細
胞膜にアンカーリングした状態で分子の脱落が生じにく
い。
【0033】前記式(2)において、R5は炭素数2〜
4の2価の炭化水素基であり、直鎖状、分枝状、環状、
又はそれらの組み合わせのいずれでもよく、飽和又は不
飽和のいずれでもよい。具体的には−CH2CH2−、−
(CH2)3−、又は−(CH2)4−基などが挙げられる。b
は0または1を示す。
【0034】本発明の細胞において、両親媒性化合物が
1個以上の不斉炭素を有する場合には、両親媒性化合物
として、任意の光学活性体又はジアステレオ異性体など
の純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合
物、ラセミ体などの任意の物質を用いることができる。
また、オレフィン性の二重結合を含む場合には、純粋な
形態のE体又はZ体、あるいはそれらの混合物のいずれ
を用いてもよい。
【0035】本発明により提供される細胞膜の修飾方法
は、下記の工程:(1)生理活性物質又はプローブと上記
の両親媒性化合物とを反応させる工程;及び(2)上記工
程(1)で得られた反応生成物を非共有結合により細胞膜
に結合させる工程を含むことを特徴としている。
【0036】前記工程(1)の反応工程で用いる溶媒の種
類は、反応に関与しない溶媒であれば特に制限されない
が、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸
緩衝液、炭酸緩衝液、グッドの緩衝液等の緩衝液あるい
はその等張液、あるいは有機溶剤又は上記の水性媒体と
有機溶剤との混合物などを用いることができ、これらは
単独溶媒系でも混合溶媒系でもどちらでもよい。生理活
性物質などの修飾対象物質が変性ないし失活することが
ないように、反応に関与しないアセトニトリル、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤を
使用することが好ましい。反応温度は、生理活性物質な
どの修飾対象物質が変性ないし失活しない温度であれば
特に限定されないが、例えば、0〜100℃、さらに0
〜40℃が好ましい。反応時間は通常は1分〜48時間
程度であり、0.5〜3時間が好ましい。反応後は、透
析、限外ろ過、ゲルろ過等の通常の蛋白質精製法などを
応用して反応生成物を精製することができるが、反応生
成物の精製を行わずに工程(2)に用いてもよい。
【0037】工程(2)においては工程(1)で得られた反応
生成物を培養細胞に添加すればよいが、細胞培養液また
は等張液で用いる上記工程(1)で得られた反応生成物は
臨界ミセル形成濃度(以下CMCと略す)の0.1〜1
000倍、好ましくはそのCMCの1〜500倍、より
好ましくはそのCMCの10〜100倍に希釈して添加
することができる。工程(1)で得られた反応生成物の細
胞への結合は通常は0〜40℃で行い、1秒間〜120
分間、好ましくは25〜37℃で10秒間〜20分間行
う。この工程において、工程(1)で得られた反応生成物
以外の添加剤を添加してもよい。細胞膜に上記反応生成
物を結合させた後、細胞に等張液を添加して洗浄するこ
とが好ましい。用いる等張液としては細胞に傷害を与え
ない溶媒であれば特に限定されないが、リン酸緩衝液生
理食塩水、細胞培養液等の等張液を用いることができ
る。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。以下、修飾対象物質と両親媒性化合物との
反応生成物を「コンジュゲート」と呼び、該コンジュゲ
ートによる細胞膜修飾を「アンカーリング」と呼び、ポ
リエチレンオキシド末端のサクシンイミジルサクシネー
トを「活性化ポリエチレンオキシド」あるいは「ポリエ
チレンオキシドの活性体」と呼ぶ場合がある。
【0039】例1 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)-ビオチンコンジュゲートの調製 合成例1 活性化ポリエチレンオキシドオレイルエーテ
ルの合成 4g(1mmol)のポリエチレンオキシドオレイルエーテル
(n=90、平均分子量4400)に酢酸ナトリウムを0.
1mol%添加し、無水コハク酸を0.12g(1.2mmol)
加えて100℃で5時間反応を行い、その後ジメチルホルム
アミドを5mL加えてN-ヒドロキシコハク酸イミド(NHSI)
を0.14g(1.2mmol)添加して40℃で攪拌し、0.
21g(2mmol)のジシクロヘキシルカルボジイミドを
加えて活性化体とした。反応終了後冷イソプロピルアル
コール25mLおよびヘキサン50mLを用いて晶析を行い
精製し3.5gの結晶を得た。 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)-ビオチンコンジュゲートの調製
【0040】4.4mg(1nmol)の活性化ポリエチレ
ンオキシドオレイルエーテル(n=90、平均分子量4
400)を0.1 mLのジメチルスルホキシドに溶解し、活
性化ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=9
0、平均分子量4400)溶液とした。1nmolのEZ-Link
TM Biotin-PEO-Amine (PIERCE社製;Cat# 21346)を0.1
mLのジメチルスルホキシドに溶解しBiotin-PEO-Amine溶
液とし、そこにポリエチレンオキシドオレイルエーテル
(n=90、平均分子量4400)溶液を添加し反応液
とした。反応液を室温(約25℃)で撹拌した後、1時
間放置した。反応液に1Mトリス緩衝液 (pH8.0)を0.02
mL及び組織培養用 リン酸緩衝液生理食塩水(ダルベッ
コPBS(-) 組織培養用「ニッスイ」粉末(日水製薬
(株);Cat# 05913)より調製)を0.78 mL添加して、
ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)-ビオチンコンジュゲート溶液を得
た。
【0041】例2:ポリエチレンオキシドオレイルエー
テル(n=90、平均分子量4400)-ビオチンコンジ
ュゲートのマウス線維芽細胞株NIH3T3へのアンカーリン
グ マウス線維芽細胞株NIH3T3の培養 マウス線維芽細胞 NIH3T3はGlass bottom Microwell Di
shes(35mm dish, Uncoated, No.0 Coverslip)容器を
用いて10%ウシ胎児血清を添加したダルベッコ変法イー
グル培地を用い37℃、5%二酸化炭素濃度で培養した。
約80%コンフルエントになるまで20時間から45時間培養
した。例1で得られたポリエチレンオキシドオレイルエ
ーテル(n=90、平均分子量4400) -ビオチンコン
ジュゲート原液を、ダルベッコ変法イーグル培地で1/10
0倍に希釈し、ポリエチレンオキシドオレイルエーテル
(n=90、平均分子量4400) -ビオチンコンジュゲ
ート液を調製した。NIH3T3細胞の付着したGlass bottom
Microwell Dishes容器を濾過滅菌処理したリン酸緩衝
液生理食塩水(同上)2 mLでリンスした後、ガラス表面
に付着しているNIH3T3に0.1 mL のポリエチレンオキシ
ドオレイルエーテル-ビオチンコンジュゲート液を添加
し、37℃で5分間反応させた。反応後、リン酸緩衝液生
理食塩水2 mLで2回細胞を洗浄し、6.7 nM Streptavidin
e, fluorescein conjugate (Molecular Probes; Cat# S
-869) (以後、フルオレセイン標識ストレプトアビジン
と称す)リン酸緩衝液生理食塩水溶液 0.1 mLを細胞に
添加後37℃で20分間インキュベートした。
【0042】リン酸緩衝液生理食塩水2 mLで3回細胞を
洗浄した後、リン酸緩衝液生理食塩水1mLを細胞に添加
し、ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=9
0、平均分子量4400)-ビオチンコンジュゲートに結
合したフルオレセイン標識ストレプトアビジンで膜修飾
した細胞を得た。細胞膜修飾については、細胞を共焦点
レーザースキャニング顕微鏡(ライカ(Leica)社製)で
観察することにより確認した。結果を表1及び図1に示
す。その結果、視野(1000倍)中すべての細胞の細胞膜
にフルオレセイン由来の蛍光が観察された。ポリエチレ
ンオキシドオレイルエーテル(n=90、平均分子量4
400) -ビオチンコンジュゲートは5分間ですべての
細胞膜にアンカーリングされることが確認された。また
ビオチンのストレプトアビジンへの結合も阻害されなか
った。 細胞の3次元的観察
【0043】例2と同様にポリエチレンオキシドオレイ
ルエーテル(n=90、平均分子量4400) -ビオチン
コンジュゲートで処理したNIH3T3をフルオレセイン標識
ストレプトアビシンで染色し共焦点レーザースキャニン
グ顕微鏡を用いて高さ方向(Z軸方向)に2.3μm間隔で
0.86μm幅の光学的切片を撮り観察した。その結果を図
2に示す。すべての細胞において細胞膜のみ特異的にフ
ルオレセイン由来の蛍光が観察され、3次元的細胞観察
によって液相に露出している細胞膜のすべての部分にポ
リエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平均
分子量4400) -ビオチンコンジュゲートが結合して
いることが確認された。
【0044】例3 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)- 緑色蛍光蛋白質EGFPコンジュゲー
トの調製 合成例1と同様にして得られた1.5μmolの活性化ポリエ
チレンオキシドオレイルエーテル(分子量4000)に0.
1 mLのジメチルスルホキシドを添加して活性化体溶液と
した。75μMの精製された緑色蛍光蛋白質EGFP(精製タ
グとしてproteinGの抗体結合ドメインの一部を含む融合
蛋白質)リン酸緩衝液生理食塩水の溶液0.3 mLに活性化
ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(分子量400
0)溶液0.015 mLを添加して反応液とした。反応液を撹
拌した後、室温(約25℃)で1時間放置した。反応液
に1Mトリス緩衝液 (pH8.0)を0.016 mL添加して、ポリ
エチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平均分
子量4400)- EGFPコンジュゲート原液を得た。
【0045】例4 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)-EGFPコンジュゲートのマウス線維
芽細胞株NIH3T3へのアンカーリング ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)- EGFPコンジュゲート原液をダルベ
ッコ変法イーグル培地で1/20倍に希釈し、ポリエチレン
オキシドオレイルエーテル(n=90、平均分子量44
00)- EGFPコンジュゲート液を調製した。例2と同様
にNIH3T3細胞膜にポリエチレンオキシドオレイルエーテ
ル(n=90、平均分子量4400)- EGFPコンジュゲ
ートをアンカーリングし、共焦点レーザースキャニング
顕微鏡でEGFP由来の蛍光を観察することにより確認し
た。結果を表1に示す。その結果、緑色蛍光蛋白質EGFP
もポリエチレンオキシドオレイルエーテルを用いて細胞
膜にアンカーリングされることが確認された。
【0046】例5 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)- EGFPコンジュゲートのチャイニー
ズハムスター卵胞細胞株CHOへのアンカーリング CHO細胞の培養 チャイニーズハムスター卵胞細胞株CHOはGlass bott
om Microwell Dishes(35mm dish, Uncoated, No.0 Cov
erslip)容器と10%ウシ胎児血清を添加したF-12培地
(F-12 Nutrient Mixture (GIBCO.BRL; Cat# 21700-07
5)を用い37℃、5%二酸化炭素濃度でほぼ100%コンフル
エントになるまで培養した。例4と同様にCHO細胞とポ
リエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平均
分子量4400)- EGFPコンジュゲートをインキュベー
トし共焦点レーザースキャニング顕微鏡で観察した。そ
の結果を表1に示す。その結果、ポリエチレンオキシド
オレイルエーテル(n=90、平均分子量4400)-E
GFPコンジュゲート液で処理されたすべてのCHO細胞の細
胞膜にEGFP由来の蛍光が観察され、マウス細胞以外の細
胞にもアンカーリングできることが確認された。
【0047】例6 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)- EGFPコンジュゲートの浮遊細胞へ
のアンカーリング 32D、Ba/F3及び9E10細胞の培養 マウスミエロイド 細胞株32D及びマウスプロB 細胞株 B
a/F3は終濃度2ng/mLのインターロイキン-3及び10%ウシ
胎児血清を添加したRPMI培地を用い37℃、5%二酸化炭素
濃度で培養した。マウスハイブリドーマ 9E10は10%ウ
シ胎児血清を添加したRPMI1640培地(「ニッスイ」粉
末、日水製薬、cat.#05918)を用い37℃、5%二酸化炭素
濃度で培養した。ポリエチレンオキシドオレイルエーテ
ル(n=90、平均分子量4400)- EGFPコンジュゲ
ート原液をRPMI1640培地で1/20倍に希釈し、E290-EGFP
コンジュゲート液を調製した。32D、Ba/F3及び9E10細胞
(以下、「浮遊細胞」と総称する)を遠心して1×106
個の細胞をそれぞれ集めた。それぞれの細胞を13 mLの
リン酸緩衝液生理食塩水で洗浄遠心した後、それぞれの
細胞ペレットに0.1 mL のポリエチレンオキシドオレイ
ルエーテル(n=90、平均分子量4400)-EGFPコ
ンジュゲート液を添加後37℃で5分間インキュベート
し、その後リン酸緩衝液生理食塩水13 mLで1回細胞を洗
浄遠心した後、リン酸緩衝液生理食塩水1 mLをそれぞれ
の細胞ペレットに添加した。
【0048】それぞれの処理された細胞懸濁液をフロー
サイトメーター(コールター社、EPICS-C)で観察し
た。その結果を表2及び図3に示す。その結果、EGFPの
みで処理された浮遊細胞に比較して、ポリエチレンオキ
シドオレイルエーテル-EGFPコンジュゲートで処理され
た場合は、より蛍光強度が強い細胞の数が増加している
ことが観察された。このことより、ポリエチレンオキシ
ドオレイルエーテル-EGFPコンジュゲート処理によりす
べての浮遊細胞膜にEGFPが付与されたことが分かり、浮
遊細胞にポリエチレンオキシドオレイルエーテル-EGFP
がアンカーリングできることが確認された。
【0049】例7 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=15:平
均分子量1100)-ビオチンコンジュゲートのマウス
線維芽細胞株NIH3T3へのアンカーリング 合成例1と同様にしてそれぞれのポリエチレンオキシド
オレイルエーテル活性化体を得て、例1と同様にしてそ
れぞれのポリエチレンオキシドオレイルエーテル-ビオ
チンコンジュゲート原液を得た。さらに例2と同様にし
て、それぞれのポリエチレンオキシドオレイルエーテル
-ビオチンコンジュゲートをNIH3T3細胞に反応させ、さ
らにフルオレセイン標識ストレプトアビジンを反応させ
て共焦点レーザースキャニング顕微鏡で観察し細胞膜修
飾について確認した。その結果を表1に示す。その結
果、ポリエチレンオキシドオレイルエーテル-ビオチン
コンジュゲート液で処理されたすべてのNIH3T3の細胞膜
にフルオレセイン由来の蛍光が観察された。
【0050】例8 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=40:平
均分子量2250)-ビオチンコンジュゲートのマウス
線維芽細胞株NIH3T3へのアンカーリング 例7と同様にしてポリエチレンオキシドオレイルエーテ
ル(n=40:平均分子量2250)-ビオチンコンジ
ュゲートを得て、同様にNIH3T3とインキュベートし、さ
らにフルオレセイン標識ストレプトアビジンを反応させ
て共焦点レーザースキャニング顕微鏡で観察し細胞膜修
飾について確認した。
【0051】例9 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=180:
平均分子量8400)-ビオチンコンジュゲートのマウ
ス線維芽細胞株NIH3T3へのアンカーリング 例7と同様にしてポリエチレンオキシドオレイルエーテ
ル(n=180:平均分子量8400)-ビオチンコン
ジュゲート得て、同様にNIH3T3とインキュベートし、さ
らにフルオレセイン標識ストレプトアビジンを反応させ
て共焦点レーザースキャニング顕微鏡で観察し細胞膜修
飾について確認した。例7から例9の結果を表1に示
す。また、例9の結果を図4に示す。ポリエチレンオキ
シドオレイルエーテル-ビオチンコンジュゲート液で処
理されたすべてのNIH3T3細胞の細胞膜にフルオレセイン
由来の蛍光が観察され、ポリエチレンオキシドのエチレ
ンオキサイドの付加モル数を15から180まで変えて
もいずれも細胞膜にアンカーリングできることが確認さ
れた。
【0052】例10 ポリエチレンオキシドステアリルエーテル(n=15、
平均分子量1100)-ビオチンコンジュゲートのマウ
ス線維芽細胞株NIH3T3へのアンカーリング 合成例1と同様にポリエチレンオキシドステアリルエー
テル(n=15、平均分子量1100)の活性化体を得
て、実施例1と同様にしてポリエチレンオキシドステア
リルエーテル(n=15、平均分子量1100)-ビオ
チンコンジュゲート原液を得た。さらに例2と同様にし
て、ポリエチレンオキシドステアリルエーテル(n=1
5、平均分子量1100)-ビオチンコンジュゲートをN
IH3T3とインキュベートし、さらにフルオレセイン標識
ストレプトアビジンを反応させて共焦点レーザースキャ
ニング顕微鏡で観察し細胞膜修飾について確認した。そ
の結果を表1に示す。その結果、ポリエチレンオキシド
ステアリルエーテル-ビオチンコンジュゲート液で処理
されたNIH3T3細胞の細胞膜にフルオレセイン由来の蛍光
が観察され、脂肪族炭化水素基の不飽和のオレイル基を
飽和のステアリル基に変更しても細胞膜にアンカーリン
グすることが確認された。しかし、オレイル基化合物の
方がステアリル基化合物に比べてより強い蛍光が観察さ
れたことより、使用した細胞株にはオレイル基化合物の
方がより好ましいことが分かった。 合成例2 蛍光標識(フルオレセイン)ポリエチレンオ
キシド修飾ジオレオイルホスファチジルエタノールアミ
ンの合成
【0053】合成例1と同様の方法にて蛍光標識(フル
オレセイン)−ポリエチレンオキシド(n=113、平
均分子量5000)の末端活性化体5g(1mmol)を得
て、クロロホルム10mLに溶解し蛍光標識(フルオレ
セイン)−ポリエチレンオキシド活性化体溶液を得た。
ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン0.8g
(1.1mmol)とトリエチルアミン0.1g(1.1mmo
l)とをクロロホルム10mLに溶解し、蛍光標識(フル
オレセイン)−ポリエチレンオキシド活性化体溶液に添
加し40℃にて反応を行った。反応後ろ過して未反応の
ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンを除去
し、酢酸エチル100mLおよびヘキサン100mLを用
いて晶析を行い、結晶4.8gを得た。
【0054】例11 蛍光標識(フルオレセイン)-ポリエチレンオキシド
(n=113、平均分子量5000)修飾ジオレオイル
ホスファチジルエタノールアミンのマウス線維芽細胞株
NIH3T3へのアンカーリング 例2と同様にして、蛍光標識(フルオレセイン)-ポリ
エチレンオキシド修飾ジオレオイルホスファチジルエタ
ノールアミン溶液をNIH3T3とインキュベートし、共焦点
レーザースキャニング顕微鏡で観察し細胞膜修飾につい
て確認した。その結果を表1及び図5に示す。蛍光標識
(フルオレセイン)-ポリエチレンオキシド修飾ジオレ
オイルホスファチジルエタノールアミンで処理されたす
べてのNIH3T3の細胞膜にフルオレセイン由来の蛍光が観
察され、細胞膜にアンカーリングできることが確認され
た。また、ポリエチレンオキシドオレイルエーテル-ビ
オチンコンジュゲートを用いた場合に比べて、細胞膜へ
のアンカーリングの保持時間が長いことより、脂肪族炭
化水素基が2本鎖であるポリエチレンオキシド修飾ジオ
レオイルホスファチジルエタノールアミン化合物を用い
た方がより安定に細胞膜に保持されることが確認され
た。
【0055】例12 アミノポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=9
0、平均分子量4400)-ビオチンコンジュゲートの
マウス線維芽細胞株NIH3T3へのアンカーリング アミノポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=9
0、平均分子量4400)を用いて合成例1と同様の方
法にて活性化アミノポリエチレンオキシドオレイルエー
テルを得た。得られた活性化アミノポリエチレンオキシ
ドオレイルエーテルを用いて例4と同様にしてアミノポ
リエチレンオキシドオレイルエーテル- ビオチンコンジ
ュゲート原液を調製し、NIH3T3細胞膜にアンカーリング
し、フルオレセイン標識ストレプトアビジンを反応させ
細胞を共焦点レーザースキャニング顕微鏡で観察するこ
とにより確認した。結果を表1に示す。その結果、アミ
ノポリエチレンオキシドオレイルエーテルを用いてビオ
チンとの結合様式をアミド結合としても細胞膜へのアン
カーリングの効果は変わりなく良好であることが確認さ
れた。
【0056】例13(比較例) ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n=90、平
均分子量4400)に対するフルオレセイン標識ストレ
プトアビジンの非特異的結合の有無の確認 合成例1で得られた活性化ポリエチレンオキシドオレイ
ルエーテル溶液に1Mトリス緩衝液 (pH8.0)を0.02 mL及
び組織培養用 リン酸緩衝液生理食塩水(同上)を0.78
mL添加し反応液とした。反応液を撹拌した後、室温(約
25℃)で1時間放置した。放置後、この反応液をポリ
エチレンオキシドオレイルエーテルサクシネート原液と
した。例2と同様にポリエチレンオキシドオレイルエー
テルサクシネート原液をダルベッコ変法イーグル培地で
1/100倍に希釈し、ポリエチレンオキシドオレイルエー
テルサクシネート溶液およびビオチン-NH2溶液を調製
し、NIH3T3細胞を同様に処理してフルオレセイン標識ス
トレプトアビジンを反応させ共焦点レーザースキャニン
グ顕微鏡で観察した。結果を表1に示す。その結果、ポ
リエチレンオキシドオレイルエーテルサクシネート溶液
で処理されたすべての細胞においてフルオレセイン由来
の蛍光は全く観察されなかった。このことよりポリエチ
レンオキシドオレイルエーテルサクシネートで処理した
細胞に非特異的にフルオレセイン標識ストレプトアビジ
ンが結合しないことが確認された。
【0057】例14(比較例) ビオチン-NH2の細胞膜への非特異的結合の有無の確認 1 nmolのEZ-Link(登録商標) Biotin-PEO-Amineを0.2 mL
のジメチルスルホキシドに溶解し、Biotin-PEO-Amine溶
液とした。Biotin-PEO-Amine溶液全量に1Mトリス緩衝
液 (pH8.0)を0.02 mL及び組織培養用 リン酸緩衝液生理
食塩水(同上)を0.78 mL添加し混合液とした。混合液
を撹拌した後、室温(約25℃)で1時間放置した。放
置後、この混合液をビオチン-NH2原液とした。例2と同
様にビオチン-NH2原液をダルベッコ変法イーグル培地で
1/100倍に希釈し、ビオチン-NH2溶液を調製し、NIH3T3
細胞を同様に処理してフルオレセイン標識ストレプトア
ビジンを反応させ共焦点レーザースキャニング顕微鏡で
観察した。結果を表1に示す。その結果、ビオチン-NH2
溶液で処理されたすべての細胞においてフルオレセイン
由来の蛍光は全く観察されなかった。このことよりビオ
チンそのものも細胞に結合しないことが確認された。
【0058】例15(比較例) オレイン酸-ビオチンのマウス線維芽細胞株NIH3T3への
アンカーリング 合成例3 オレイン酸-ビオチン溶液およびポリエチレ
ンオキシド(n=114、平均分子量5000)-ビオチ
ン液の調製 合成例1と同様にオレイン酸(分子量379)の活性化
体を得た。得られた活性化オレイン酸(分子量379)
及び活性化ポリエチレンオキシド(n=114、平均分
子量5000)を用いて実施例1と同様に、オレイン酸-
ビオチン液及びポリエチレンオキシド(n=114、平
均分子量5000)-ビオチン液を調製した。得られた活
性化オレイン酸(分子量379)溶液および活性化ポリエ
チレンオキシド溶液を用いて例2と同様にNIH3T3とイン
キュベートし、さらにフルオレセイン標識ストレプトア
ビジンを反応させて共焦点レーザースキャニング顕微鏡
で観察し細胞膜修飾について確認した。結果を表1に示
す。その結果、オレイン酸-ビオチン溶液および活性化
ポリエチレンオキシド溶液で処理されたすべての細胞に
おいてフルオレセイン由来の蛍光は全く観察されなかっ
た。
【0059】例16(比較例) ポリエチレンオキシド(n=114、平均分子量500
0)-ビオチンのマウス線維芽細胞株NIH3T3へのアンカー
リング ポリエチレンオキシド(n=114、平均分子量500
0)については、合成例1と同様に合成した後、イオン
交換カラムにて精製し、その活性体を得た。得られた活
性化ポリエチレンオキシド(n=114、平均分子量5
000)を用いて例2と同様にNIH3T3とインキュベート
し、さらにフルオレセイン標識ストレプトアビジンを反
応させて共焦点レーザースキャニング顕微鏡で観察し細
胞膜修飾について確認した。結果を表1及び図6に示
す。その結果、ポリエチレンオキシド(n=114、平
均分子量5000)-ビオチン溶液で処理されたすべての
細胞においてフルオレセイン由来の蛍光は全く観察され
なかった。例15および例16の結果より、細胞膜修飾
には脂肪族炭化水素基のみ、また親水性基のみ含有する
化合物を用いることは困難であり、疎水性基と親水性基
の両方の存在が必要であることが確認された。
【0060】例17 ポリエチレンオキシドノニルフェニルエーテル(n=4
0、平均分子量2160)-ビオチンコンジュゲートの
マウス線維芽細胞株NIH3T3へのアンカーリング 合成例1と同様して活性化ポリエチレンオキシドノニル
フェニルエーテル溶液を得て、例1と同様にしてポリエ
チレンオキシドノニルフェニルエーテル(n=40、平
均分子量2160)-ビオチンコンジュゲートを調製
し、例2と同様にNIH3T3細胞に反応させ、さらにフルオ
レセイン標識ストレプトアビジンを反応させて共焦点レ
ーザースキャニング顕微鏡で観察し細胞膜修飾について
確認した。結果を表1に示す。その結果、ポリエチレン
オキシドノニルフェニルエーテル(n=40、平均分子
量2160)-ビオチン溶液で処理されたすべての細胞
においてフルオレセイン由来の蛍光は全く観察されなか
った。その結果、ノニルフェニル基に代表されるバルキ
ーな置換基を脂肪族炭化水素基に含有する化合物は細胞
膜に安定に導入されないことが確認された。
【0061】
【表1】
【0062】表中、++は視野(1000倍)中すべての
細胞の細胞膜にかなり強い蛍光活性が観察されたことを
示し;+は視野(1000倍)中すべての細胞の細胞膜
に蛍光活性が観察されたことを示し;-は視野(100
0倍)中すべての細胞の細胞膜に蛍光活性がほとんど観
察されなかったことを示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明の細胞は、生理活性物質又はプロ
ーブなどの修飾対象物質で安定に細胞膜修飾されてお
り、細胞膜修飾にあたって細胞への傷害も生じていない
ので、細胞膜修飾による所望の特性を安定かつ長期に発
現できるという特徴がある。また、本発明により提供さ
れる細胞膜の修飾方法は、上記の特徴を有する細胞を効
率的かつ安定に提供できるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n
=90、平均分子量4400) -ビオチンコンジュゲー
トに結合したフルオレセイン標識ストレプトアビジンで
膜修飾されたマウス線維芽細胞株NIH3T3(例2)の顕微
鏡写真である。
【図2】 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n
=90、平均分子量4400) -ビオチンコンジュゲー
トに結合したフルオレセイン標識ストレプトアビジンで
膜修飾されたマウス線維芽細胞株NIH3T3(例2)の切片
の顕微鏡写真である。
【図3】 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n
=90、平均分子量4400)- EGFPコンジュゲートに
より膜修飾された浮遊細胞(例6)をフローサイトメー
ターで観察した結果を示した図である。
【図4】 ポリエチレンオキシドオレイルエーテル(n
=180:平均分子量8400)-ビオチンコンジュゲ
ートに結合したフルオレセイン標識ストレプトアビジン
で膜修飾されたマウス線維芽細胞株NIH3T3(例9)の顕
微鏡写真である。
【図5】 蛍光標識(フルオレセイン)-ポリエチレン
オキシド修飾ジオレオイルホスファチジルエタノールア
ミンで膜修飾されたマウス線維芽細胞株NIH3T3(例1
1)の顕微鏡写真である。
【図6】 ポリエチレンオキシド(n=114、平均分
子量5000)-ビオチンにより膜修飾を試みたマウス線
維芽細胞株NIH3T3(例16:比較例)の顕微鏡写真であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 智佳 神奈川県川崎市幸区東古市場103−203 (72)発明者 安河内 徹 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎東1−1−3 −401 (72)発明者 大橋 俊輔 神奈川県横浜市泉区白百合3−32−6 (72)発明者 久保 和弘 神奈川県川崎市高津区千年876−301 Fターム(参考) 4B063 QA01 QA05 QA18 QA19 QQ08 QR01 QR45 QR55 QR67 QS02 QS24 QX02 4B065 AA90X AC20 CA46 4H050 AA01 AB20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特徴: (1)1つの末端に脂肪族炭化水素基を1個以上含有し、
    (2)分子中に親水性基を含む部分を1個以上有し、及び
    (3)修飾対象物質を共有結合しうる反応性官能基を上記
    (1)とは異なる末端に1個以上有する を有する両親媒性化合物と修飾対象物質との反応生成物
    が非共有結合により細胞膜に結合した細胞。
  2. 【請求項2】 修飾対象物質が生理活性物質又はプロー
    ブである請求項1に記載の細胞。
  3. 【請求項3】 細胞が動物細胞である請求項1に記載の
    細胞。
  4. 【請求項4】 脂肪族炭化水素基が炭素数11〜18の
    脂肪族炭化水素基を1個以上含有する化合物の残基であ
    る請求項1に記載の細胞。
  5. 【請求項5】 脂肪族炭化水素基がオレイル基または炭
    素数17の不飽和脂肪族炭化水素基を1個以上有する化
    合物の残基である請求項4に記載の細胞。
  6. 【請求項6】 親水性基がポリオキシアルキレン基を含
    有する化合物の残基である請求項1に記載の細胞。
  7. 【請求項7】 親水性基がポリオキシアルキレン基を含
    有する化合物の残基である請求項5に記載の細胞。
  8. 【請求項8】 両親媒性化合物が、下式の一般式
    (1): 【化1】 (式中、Zは2〜10個の水酸基を有する化合物の残基
    を示し;AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示
    し;R1は水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示
    し;R2は炭素数7〜22の脂肪族炭化水素基を含有す
    る化合物の残基を示し;Xはコハク酸イミド基、マレイ
    ミド基、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、グ
    リシジル基、及びチオール基からなる群から選ばれる反
    応性官能基を1個以上含有する基を示し;aは0又は1
    を示し;n1、n2、及びn3は炭素数2〜4のオキシア
    ルキレン基の平均付加モル数を示し、かつn1、n2、n
    3、k1、k2、及びk3は下記の条件: 0≦n1、n2≦500、2≦n3≦500であり、かつ 2≦n1+n2+n3≦500 0≦k1≦8、1≦k2≦4、1≦k3≦4であり、かつ 2≦k1+k2+k3≦10 を満足する数である)で表される化合物である請求項6
    に記載の細胞。
  9. 【請求項9】 R2が炭素数11〜18の直鎖の脂肪族
    炭化水素基を1個以上含有する化合物の残基である請求
    項8に記載の細胞。
  10. 【請求項10】 R2がオレイル基または炭素数17の
    不飽和脂肪族炭化水素基を1個以上有する化合物の残基
    である請求項8に記載の細胞。
  11. 【請求項11】 R2が下記の一般式(2): 【化2】 (R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数7〜21の炭化水
    素基を示し;R5は炭素数2〜4の炭化水素基を示し、
    bは0または1である。)で表される基である請求項8
    に記載の細胞。
  12. 【請求項12】 生理活性物質又はプローブとの反応生
    成物を非共有結合により細胞膜に結合させるために用い
    る請求項1に記載の両親媒性化合物。
  13. 【請求項13】 生理活性物質又はプローブとの反応生
    成物を非共有結合により細胞膜に結合させるために用い
    る請求項8に記載の両親媒性化合物。
  14. 【請求項14】 生理活性物質又はプローブとの反応生
    成物を非共有結合により細胞膜に結合させるために用い
    る請求項11に記載の両親媒性化合物。
  15. 【請求項15】 細胞膜の修飾方法であって、下記の工
    程: (1)生理活性物質又はプローブと請求項1に記載の両親
    媒性化合物とを反応させる工程;及び(2)上記工程(1)で
    得られた反応生成物を非共有結合により細胞膜に結合さ
    せる工程 を含む方法。
  16. 【請求項16】 細胞膜の修飾方法であって、下記の工
    程: (1)生理活性物質又はプローブと請求項8に記載の両親
    媒性化合物とを反応させる工程;及び(2)上記工程(1)で
    得られた反応生成物を非共有結合により細胞膜に結合さ
    せる工程を含む方法。
  17. 【請求項17】 細胞膜の修飾方法であって、下記の工
    程: (1)生理活性物質又はプローブと請求項11に記載の両
    親媒性化合物とを反応させる工程;及び(2)上記工程(1)
    で得られた反応生成物を非共有結合により細胞膜に結合
    させる工程 を含む方法。
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