JP2003120069A - 住宅用制振装置の設置システム - Google Patents

住宅用制振装置の設置システム

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JP2003120069A JP2001312237A JP2001312237A JP2003120069A JP 2003120069 A JP2003120069 A JP 2003120069A JP 2001312237 A JP2001312237 A JP 2001312237A JP 2001312237 A JP2001312237 A JP 2001312237A JP 2003120069 A JP2003120069 A JP 2003120069A
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Takashi Uchiyama
高 内山
Hiroyuki Noda
博之 野田
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功 夏堀
Junji Okabe
潤二 岡部
Toyohiko Higashida
豊彦 東田
Muneo Kotani
宗男 小谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々の住宅毎に分割マス型ダイナミックダン
パのチューニング等の個別対応を行う必要がなく、生産
性を顕著に向上させることができ、しかも反共振を無く
し又は低減することが可能な住宅用制振装置の設置シス
テムを提供する。 【解決手段】 予め2〜8Hzの範囲内で定められた住
宅振動数領域毎に、分割マス11a、11b、11c、
11dの数2〜8個で、それぞれの固有振動数が0.1
〜0.8Hzの範囲内のピッチ幅で順に増加又は減少す
るように規格化した分割マス型ダイナミックダンパ1
a、1b、1c、1dを用意する。住宅の固有振動数を
含む住宅振動数領域から、規格化された分割マス型ダイ
ナミックダンパ1を選択して、そのまま住宅に設置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主振動系たる住宅
に対する副振動系として作用する制振装置、特に複数の
分割マスをそれぞれゴムマウントで弾性支持した分割マ
ス型ダイナミックダンパを住宅に設置するためのシステ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般住宅等の建築構造物では、交通振
動、工場振動などの地盤から伝わる外力、風などの構造
物に直接加わる外力、あるいは構造物内部の人の移動、
設備機器の稼動による外力などによって構造物に振動が
発生し、時には体感するに至り、不快感を感じるという
問題が発生している。また、この振動に伴う不快音も問
題となっている。
【0003】従来、建築構造物用の振動低減装置として
は、高層ビルやタワー等の高層建築物の揺れを軽減する
ためのダンパ装置が幾つか提案されている。例えば、特
開平3−74649号公報や特開平8−338467号
公報には、付加質量を建築構造物に対して多段積層ゴム
で弾性支持せしめた構造のダンパ装置が開示されてい
る。これらのダンパ装置は、水平方向で一つの副振動系
を構成することにより、建築構造物に引き起される水平
方向の振動に対して低減効果を発揮するようになってい
る。
【0004】しかし、これら従来のダンパ装置において
は、特にダンパ装置のバネ部材がゴム弾性体で形成され
ている場合、バネ定数が温度依存性を有するために有効
な振動低減効果が得られないという問題があった。例え
ば、一般住宅で屋根裏にダンパ装置を設置すると、屋根
裏の温度は零下数十度から60〜70℃もの間で大きく
変化するため、ダンパ装置の固有振動数を基準温度(例
えば20℃)でチューニングしても、目的とする制振効
果を安定して得ることは望めなかった。
【0005】このような問題に対して、特開2000−
193020号公報には、温度変化等に起因して副振動
系の主振動系に対する同調状態が変化した場合でも、安
定した制振効果を得ることができる振動低減装置が提案
されている。即ち、建築構造物の制振すべき振動に応じ
た最適質量を分割した複数の分割マスを採用し、各分割
マスをそれぞれゴムマウントで弾性支持せしめて複数の
副振動系を構成し、複数の副振動系に対して異なる固有
振動数を設定するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の各分割マスをそ
れぞれゴムマウントで弾性支持して複数の副振動系を構
成した振動低減装置によれば、複数の副振動系に対して
異なる固有振動数が設定されているため、制振すべき振
動だけでなく、広い周波数にわたって振動低減効果が得
られる。従って、ゴムマウントのばらつき、温度変化、
バネ定数の経年変化、及び建築構造物の固有値のばらつ
きに起因して、チューニングのずれが発生した場合であ
っても、全体として良好な制振効果を維持することが可
能とされている。
【0007】しかしながら、このような従来の振動低減
装置を住宅に設置する場合には、一般的に個々の住宅毎
に卓越振動数が異なっているため、制振すべき住宅の卓
越振動数を実際に測定した後、その住宅に設置する分割
マス型ダイナミックダンパの固有振動数を建築現場でそ
れぞれ最適にチューニングして設置する必要があった。
【0008】そのため、個々の住宅に対して分割マス型
ダイナミックダンパの固有振動数を建築現場で設定する
ための時間が長くかかり、人件費の増加も大きいなど、
個別対応のために生産性が著しく劣っていた。また、住
宅の共振による卓越振動数が複数個あった場合には、個
別対応が難しくなり生産性が一層低下していた。
【0009】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
個々の住宅毎に建築現場で複数の分割マス型ダイナミッ
クダンパの固有振動数をチューニングする等の個別対応
をなくして、生産性を顕著に向上させることができる、
複数の分割マスからなる住宅用制振装置の設置システム
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する住宅用制振装置の設置システム
は、主振動系たる住宅に対する副振動系として、複数の
分割マスをそれぞれ弾性支持した分割マス型ダイナミッ
クダンパを設置する住宅用制振装置の設置システムであ
って、住宅の固有振動数について予め2〜8Hzの範囲
内で分画設定した複数の住宅振動数領域毎に、分割マス
の数が2〜8個で、固有振動数が0.1〜0.8Hzの範
囲内のピッチ幅で順に増加又は減少するように設定され
た分割マス型ダイナミックダンパを規格化しておき、個
々の住宅に分割マス型ダイナミックダンパを設置する際
に、当該住宅の住宅固有振動数が含まれる住宅振動数領
域内の規格化された分割マス型ダイナミックダンパを選
択して、住宅に設置することを特徴とする。この本発明
の住宅用制振装置の設置システムでは、特に、前記住宅
振動数領域毎に、それぞれ1種の分割マス型ダイナミッ
クダンパが規格化されることが好ましい。
【0011】また、上記本発明の住宅用制振装置の設置
システムにおいては、前記住宅振動数領域を更に住宅の
X−Y方向にて分画した4〜9の領域に設定すると共
に、その分画した各住宅振動数領域内において、分割マ
スの数を少なくして分割マス型ダイナミックダンパの固
有振動数のピッチ幅が大きくなるように、又は分割マス
の数を多くして分割マス型ダイナミックダンパの固有振
動数のピッチ幅が小さくなるように、分割マス型ダイナ
ミックダンパを規格化することを特徴とする。
【0012】上記本発明における住宅用制振装置の設置
システムにおいては、その好ましい態様として、前記住
宅振動数領域毎に規格化された1種の分割マス型ダイナ
ミックダンパの合計マス重量が400〜800kgの範
囲内である。また、前記分割マス型ダイナミックダンパ
の固有振動数のピッチ幅を、低周波数側では狭く及び/
又は高周波数側では広く設定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明においては、防振すべき2
階建や3階建の住宅の交通振動などによる微振動の固有
振動数が2〜8Hzの範囲内にあることから、この範囲
内で複数の住宅振動数領域を分画して設定し、設定した
住宅振動数領域毎に分割マス型ダイナミックダンパを予
め規格化し、規格化された分割マス型ダイナミックダン
パ群を予め用意しておく。尚、各分割マス型ダイナミッ
クダンパは、それぞれ所定のマス重量を有する分割マス
と、この分割マスを弾性支持する所定のバネ定数を有す
るゴムマウント等の弾性支持要素とからなり、予め定め
られた固有振動数に調整(チューニング)されている。
【0014】分割マスについては、一般の2階建や3階
建の住宅について予め複数の重量区分を定め、それぞれ
の重量区分毎に分割マスを準備する。その際、複数の分
割マスを組み合わせたときの合計マス重量を、400〜
800kgの範囲内とすることが好ましい。また、1個
の分割マスを弾性支持する1個又は複数のゴムマウント
等の弾性支持要素についても、予め複数のバネ定数区分
を定め、それぞれのバネ定数区分毎にゴムマウント等の
弾性支持要素を製造する。
【0015】これらの分割マスとゴムマウント等の弾性
支持要素とを組み合わせ、2〜8Hzの範囲内で予め定
められた住宅振動数領域毎に、設定され規格化された分
割マス型ダイナミックダンパを製造して用意する。各規
格化された分割マス型ダイナミックダンパにおいては、
分割マスの数が2〜8個であり、それぞれのダンパの固
有振動数が0.1〜0.8Hzの範囲内の所定ピッチ幅で
順に増加又は減少するように設定される。例えば、分割
マス型ダイナミックダンパについて、固有振動数が最少
の2Hzから最大の8Hzまでの間に、0.1Hz、0.
2Hz、0.3Hz、0.4Hz、0.5Hz、0.6H
z、0.7Hz、0.8Hzから選択した所定ピッチ幅で
固有振動数が増加又は減少するように設定する。
【0016】本発明における規格化された分割マス型ダ
イナミックダンパ中の各分割マスへの質量の分割は、均
等な分割であっても又は不均等な分割であっても良い。
また、各分割マス型ダイナミックダンパの固有振動数の
ピッチ幅は、基本的には等しい間隔とするが、不均等な
間隔であっても良い。また、低周波数域と高周波数域で
は振動ないしは揺れの体感性が異なっており、低周波数
域では敏感に振動を体感するのに対して、高周波数域で
は低周波数域ほど敏感に体感しないため、分割マス型ダ
イナミックダンパの固有振動数のピッチ幅を低周波数側
では狭く、及び/又は高周波数側では広く設定すること
により、体感的な制振効果をより一層高めることができ
る。
【0017】次に、これらの分割マス型ダイナミックダ
ンパを住宅に設置する際には、予め住宅で実測され又は
住宅の構造から予測される固有振動数を求め、次に、予
め分画設定した複数の住宅振動数領域の中から当該住宅
の固有振動数を含む住宅振動数領域を求め、その住宅振
動数領域に設定され規格化された分割マス型ダイナミッ
クダンパの中から最適のものを選択する。特に、予め住
宅振動数領域毎にそれぞれ1種の分割マス型ダイナミッ
クダンパを規格化しておき、設置すべき住宅により住宅
振動数領域を選定して、その1種の分割マス型ダイナミ
ックダンパを用いることが好ましい。
【0018】このように選択した分割マス型ダイナミッ
クダンパを、例えば住宅の屋根裏に設置する。従って、
本発明のシステムによれば、個々の住宅毎に、複数の分
割マス型ダイナミックダンパの固有振動数値を建築現場
でチューニングするなどの個別対応をする必要がなくな
り、規格化され且つ工業的に量産された分割マス型ダイ
ナミックダンパ群を用意しておき、その中から選択した
分割マス型ダイナミックダンパを用いることで、生産性
を顕著に向上させることができる。
【0019】しかも、一つの住宅に2〜8個からなる分
割マス型ダイナミックダンパを設置し、且つ分割マス型
ダイナミックダンパの個々の固有振動数を0.1〜0.8
Hzの範囲内のピッチ幅で順に増加又は減少するように
設定することにより、住宅の固有振動数変化やゴムマウ
ント等の弾性支持要素のバネ定数変化に対するロバスト
性が改善され、例えばゴムマウント等の弾性支持要素の
ばらつき、温度変化及びバネ定数の経年変化に起因する
バネ定数のずれや、住宅の固有振動数のばらつきによる
チューニングのずれ、及び住宅の卓越振動数が複数個あ
った場合でも広い範囲での対応が可能である。また、一
般の住宅における2〜8Hzの固有振動数の範囲では、
分割マス型ダイナミックダンパによる反共振を無くし又
は低減することができるため、反共振に伴う別の振動や
騒音の発生を防ぐことが可能である。
【0020】以下、本発明に係わる分割マス型ダイナミ
ックダンパの好ましい実施形態について、図面を参照し
て説明する。図1は、本発明例の規格化された分割マス
型ダイナミックダンパ1を住宅に設置した状態を示すも
のであり、それぞれ住宅の構造部材2に独立して設置さ
れた4個の分割マス型ダイナミックダンパ1a、1b、
1c、1dから構成されている。各分割マス型ダイナミ
ックダンパ1a、1b、1c、1dは、それぞれ分割マ
ス11a、11b、11c、11dを、各4個のゴムマ
ウント12a、12b、12c、12dで弾性支持した
構造となっている。
【0021】因みに、一般的な軽量鉄骨や木造の軸組構
造における2〜3階建ての住宅の場合、一般的に固有振
動数は2〜8Hzの間にあり、その振動特性に対して安
定した制振性能を発揮するためには、分割マス型ダイナ
ミックダンパの各分割マスの合計マス重量として400
〜800kg程度が適当である。
【0022】尚、分割マスは、金属等の高比重材で形成
されており、例えば鉄系や鉛系等で形成されたものが好
適に採用される。分割マスの形状は特に限定されるもの
ではないが、一般に板形状のものが好適に採用され、幅
寸法よりも高さ寸法が小さく且つ高さが一定の板形状で
あって、平面的に複数の対象軸を有する形状が望まし
い。また、分割マスとして、安価なコンクリート材を用
いることもできる。
【0023】また、これら各分割マスを弾性支持するゴ
ムマウントは、多段積層形のゴムマウントが好ましい。
具体的には、図2及び図3に示すように、多段積層形の
ゴムマウント12は、上下方向に積層された複数の板状
金具13と、隣接する各板状金具13、13の間に加硫
接着して固着された複数のゴムブロック14とからな
る。各平板金具13は中央の平板部13aを挟んだ長手
方向両端が斜め上方に傾斜して形成され、この傾斜部1
3bに対して各ゴムブロック14がほぼ直交方向に固着
されている。
【0024】最上段の平板金具15には上方に突出した
第1取付ボルト17が設けてあり、平板金具15の上に
載置した分割マス部材(図示せず)を固定するようにな
っている。また、最下段の平板金具16には下方に突出
する第2取付ボルト18が設けてあり、住宅の構造部材
に固定できるようになっている。分割マス部材及び住宅
の構造部材への固定方法については、取付ボルトに限る
ものではなく、固定できれば取付ボルトの代りに取付ナ
ット又は取付穴を設けてもよい。
【0025】次に、本発明において、住宅振動数領域毎
に複数の分割マス型ダイナミックダンパを設定して規格
化する手法について、詳しく説明する。まず、2階建て
又は3階建て住宅の固有振動数は2〜8Hzが一般的で
あるが、3階建て住宅の固有振動数2〜5Hzを住宅の
X−Y2振動方向にて分画し、4〜9の住宅振動数領域
(領域幅1.0〜1.5Hzの範囲内となる)を設定す
る。例えば、固有振動数2〜5Hzを1.5Hzの領域
幅で分画すると、X−Y2振動方向に合計4つの住宅振
動領域が設定される。また、1.0Hzの領域幅で分画
すると、X−Y2振動方向に合計9つの住宅振動領域が
設定される。
【0026】住宅振動数領域毎に複数の分割マス型ダイ
ナミックダンパを規格化する場合、分割マスの数は2〜
8個とし、各ダンパの固有振動数は0.1〜0.8Hzの
範囲内のピッチ幅で順に増加又は減少するように設定す
る。その際、コストを重視して分割マスの数を少なくし
た場合、分割マス型ダイナミックダンパの固有振動数の
ピッチ幅を大きく設定することになる。一方、コストよ
りもロバスト性を重視する場合には、分割マスの数を多
くし、分割マス型ダイナミックダンパの固有振動数のピ
ッチ幅を小さくする必要がある。尚、2〜3階建ての住
宅の振動特性に対して安定した制振性能を発揮する最適
質量、即ち分割マス型ダイナミックダンパにおける各分
割マスの合計マス重量は400〜800kgの範囲であ
る。
【0027】分割マス型ダイナミックダンパの好ましい
規格の例としては、住宅振動数領域を1.5Hzの領域
幅で4領域に分画設定すると共に、分割マス型ダイナミ
ックダンパは、分割マスの数を8、及び固有振動数のピ
ッチ幅を0.2Hzに設定する。この規格においては、
分割マスの数が多いためコストは若干高くなるが、ロバ
スト性に優れている。逆に、ロバスト性は若干劣るが、
コスト的に安価な例としては、住宅振動数領域を1.0
Hzの領域幅で9領域に分画設定すると共に、分割マス
型ダイナミックダンパは、分割マスの数を2、及び固有
振動数のピッチ幅を0.8Hzに設定することが好まし
い。最も好ましい例は、住宅振動数領域を1.5Hzの
領域幅で4領域に分画設定すると共に、分割マス型ダイ
ナミックダンパは、分割マスの数を4、及び固有振動数
のピッチ幅を0.4〜0.6Hzに設定するものであり、
コスト及びロバスト性の両方に優れている。
【0028】具体的に、住宅の振動の大きさに応じた最
適質量が500kg、且つ住宅の振動レベルに対して目
標とする低減振動レベルを−5dB以上とした場合、そ
の最適質量を2〜8分割して分割マスとし、分割マス型
ダイナミックダンパの固有振動数のピッチ幅を0.05
〜1Hzの範囲内で設定して、選択した複数の分割マス
型ダイナミックダンパに関する各実施例及び比較例を下
記表1に示す。尚、この表1においてΔ5dB幅とは、
選択した分割マス型ダイナミックダンパ(TMD)の固
有振動数が目標とする低減振動レベル(−5dB)を達
成している振動数の幅を意味する。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1の実施例2を例にとって更に詳し
く説明すると、最適質量を2分割とし、分割マス型ダイ
ナミックダンパの固有振動数のピッチ幅を0.8Hzに
設定すると、表1よりΔ5dB幅における固有値変動量
は1.13Hzであるので、住宅振動数領域の領域幅は
約1.1Hzとなり、図4に示すように、X方向とY方
向における振動数2〜5.3Hzの間の分画数は各3と
なり、住宅振動数領域として領域1〜9が設定され、分
割マス型ダイナミックダンパ(TMD)群の仕様数は9
となる。このとき、図4に示す各領域1〜9には、それ
ぞれX方向及びY方向の固有振動数が異なる2種の分割
マス型ダイナミックダンパが含まれ、例えば領域1には
X方向が2.2Hzと3.0Hz及びY方向が4.4Hz
と5.2Hz、領域5にはX方向及びY方向が共に3.3
Hzと4.1Hzの分割マス型ダイナミックダンパが含
まれる。
【0031】このようにして選定した規格に従って、複
数の分割マスと、各分割マスを弾性支持するゴムマウン
トとを製造し、各住宅振動数領域毎に分割マス型ダイナ
ミックダンパを用意する。その際に、分割マスのマス重
量とゴムマウントのバネ定数を選定することにより、ま
たは分割マスを弾性支持する各ゴムマウントの角度を調
整することによって、得られる分割マス型ダイナミック
ダンパの固有振動数を予め規格化された値に調整する。
【0032】上記のごとく規格化された中から分割マス
型ダイナミックダンパを選択して住宅に設置する際に
は、設置すべき住宅の固有振動数を実測するか又は図面
等から推測し、その振動数を含む住宅振動数領域の分割
マス型ダイナミックダンパを使用する。例えば、ある住
宅の固有振動数がX−Y方向共に3.6Hzと計算され
た場合には、図4の領域5(振動数3.6Hzを含む)
で規格化されている分割マス型ダイナミックダンパを選
定して住宅に設置すればよい。
【0033】このようにして、上記表1の各実施例及び
比較例について、それぞれ分割マス型ダイナミックダン
パを選択して住宅に設置したとき、その分割マス型ダイ
ナミックダンパの設計中心周波数と住宅の固有値(固有
振動数)との誤差、即ち固有値変動量(住宅振動数領域
の分割マス型ダイナミックダンパの設計中心周波数をゼ
ロとする)と、振動レベルの低減量とを、それぞれ最適
質量の分割数毎に図5〜7に示した。
【0034】図5〜7から分かるように、本発明の実施
例である各分割マス型ダイナミックダンパの場合には、
住宅の振動レベルの低減効果が大きく、しかもΔ5dB
幅が0.8Hzよりも大きいため、住宅の固有振動数変
化やゴムマウントのバネ定数変化に対するロバスト性に
優れている。しかも、規格化する分割マス型ダイナミッ
クダンパの仕様数が少ないため、予め準備する規格品の
数が少なくて済み、量産性及び経済性にも優れている。
特に、前記実施例2、6、及び7は、ロバスト性を示す
Δ5dB幅が1Hz以上であり、最適質量の分割数と住
宅振動数領域での分画数(TMD仕様数)が少ないた
め、優れた実施例であるといえる。
【0035】本発明で用いる分割マス型ダイナミックダ
ンパは、予め規格化された製品を工場で製造しておき、
その規格化された分割マス型ダイナミックダンパ群の中
から住宅の固有振動数に応じて適宜選択して、そのまま
住宅の天井裏などの構造部材に取り付けることができ
る。従って、個々の住宅の建築現場における分割マス型
ダイナミックダンパのチューニング作業が全く不要とな
り、予め規格化され且つ工業的に量産された分割マス型
ダイナミックダンパを極めて効率良く住宅に設置するこ
とができるので、生産性を飛躍的に向上させることがで
きる。
【0036】しかも、分割マス型ダイナミックダンパは
主振動系である住宅に対してそれぞれ独立した副振動系
を構成し、交通振動や歩行時の振動などに対して有効な
制振効果を発揮するのみならず、分割マス型ダイナミッ
クダンパの固有振動数のピッチ幅を0.1〜0.8Hzに
調整することで反共振を無くしたり、広い振動数範囲で
振動レベルの低減ができるので、住宅のような複数の振
動数を持つ複雑な振動となるものに対しては有効とな
る。また、このような複数の分割マス型ダイナミックダ
ンパを用いることで、住宅の建物の固有振動数変化やゴ
ムマウントのバネ定数変化等に対するロバスト性が著し
く改善されるため、10年に1回程度のメンテナンスを
実施すれば半永久的に性能を維持することができる。
尚、上記のゴムマウントによる弾性支持に限らず、ゲル
状になったゴム又は樹脂をシート状にしたものや2枚の
鉄板の中にそのシートを挟み込んだ複合体、コイルば
ね、板ばね等のばね要素を持っているものが採用でき
る。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、予め住宅の固有振動数
領域毎に設定され規格化された分割マス型ダイナミック
ダンパ群を用意しておき、その分割マス型ダイナミック
ダンパ群の中から住宅に合わせて選択して設置すること
によって、個々の住宅毎にチューニングなどの個別対応
をする必要がなくなり、生産性を顕著に向上させること
ができる。しかも、各分割マス型ダイナミックダンパの
固有振動数のピッチ幅を0.1〜0.8Hzの間に設定す
ることによって、反共振を無くし又は低減することが可
能なうえ、広い振動数範囲で振動レベルの低減ができる
ので、住宅のような複数の振動数を持つ複雑な振動とな
るものに対して有効となる。また、住宅の建物の固有振
動数変化やゴムマウントのバネ定数変化等に対するロバ
スト性が改善され、少ないメンテナンス回数で半永久的
に制振性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により住宅に設置した分割マス型ダイナ
ミックダンパの一具体例を示す概略の平面図である。
【図2】本発明に係わる分割マス型ダイナミックダンパ
に用いるゴムマウントの一具体例を示す概略の側面図で
ある。
【図3】図2のゴムマウントの一部を切り欠いて示した
平面図である。
【図4】実施例2で設定された振動数の領域を示す説明
図である。
【図5】最適質量を2分割し、固有振動数のピッチ幅が
異なる各分割マス型ダイナミックダンパを設置した各実
施例及び比較例において、固有値変動量と振動レベルの
低減量との関係を示すグラフである。
【図6】最適質量を4分割し、固有振動数のピッチ幅が
異なる各分割マス型ダイナミックダンパを設置した各実
施例及び比較例において、固有値変動量と振動レベルの
低減量との関係を示すグラフである。
【図7】最適質量を8分割し、固有振動数のピッチ幅が
異なる各分割マス型ダイナミックダンパを設置した各実
施例及び比較例において、固有値変動量と振動レベルの
低減量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 規格化された分割マス型ダイナミックダンパ 1a、1b、1c、1d 分割マス型ダイナミックダ
ンパ 11a、11b、11c、11d 分割マス 12、12a、12b、12c、12d ゴムマウン
ト 13 板状金具 14 ゴムブロック
フロントページの続き (72)発明者 内山 高 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 野田 博之 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 夏堀 功 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 岡部 潤二 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 (72)発明者 東田 豊彦 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 (72)発明者 小谷 宗男 大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハウス株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA02 AB01 AC01 BA08 BA11 BB03 CB22 DA03 EA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主振動系たる住宅に対する副振動系とし
    て、複数の分割マスをそれぞれ弾性支持した分割マス型
    ダイナミックダンパを設置する住宅用制振装置の設置シ
    ステムであって、 住宅の固有振動数について予め2〜8Hzの範囲内で分
    画設定した複数の住宅振動数領域毎に、分割マスの数が
    2〜8個で、固有振動数が0.1〜0.8Hzの範囲内の
    ピッチ幅で順に増加又は減少するように設定された分割
    マス型ダイナミックダンパを規格化しておき、個々の住
    宅に分割マス型ダイナミックダンパを設置する際に、当
    該住宅の住宅固有振動数が含まれる住宅振動数領域内の
    規格化された分割マス型ダイナミックダンパを選択し
    て、住宅に設置することを特徴とする住宅用制振装置の
    設置システム。
  2. 【請求項2】 前記住宅振動数領域毎に、それぞれ1種
    の分割マス型ダイナミックダンパが規格化されることを
    特徴とする、請求項1に記載の住宅用制振装置の設置シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記住宅振動数領域を更に住宅のX−Y
    方向にて分画した4〜9の領域に設定すると共に、その
    分画した各住宅振動数領域内において、分割マスの数を
    少なくして分割マス型ダイナミックダンパの固有振動数
    のピッチ幅が大きくなるように、又は分割マスの数を多
    くして分割マス型ダイナミックダンパの固有振動数のピ
    ッチ幅が小さくなるように、分割マス型ダイナミックダ
    ンパを規格化することを特徴とする、請求項1又は2に
    記載の住宅用制振装置の設置システム。
  4. 【請求項4】 前記分割マス型ダイナミックダンパの固
    有振動数のピッチ幅を、低周波数側では狭く及び/又は
    高周波数側では広く設定することを特徴とする、請求項
    1又は2に記載の住宅用制振装置の設置システム。
  5. 【請求項5】 前記住宅振動数領域毎に規格化された1
    種の分割マス型ダイナミックダンパの合計マス重量が4
    00〜800kgの範囲内であることを特徴とする、請
    求項1〜4のいずれかに記載の住宅用制振装置の設置シ
    ステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007270569A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokai Rubber Ind Ltd 住宅用制振装置のゴム積層型マウント
JP2014005860A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Takenaka Komuten Co Ltd 制振装置
JP2021507145A (ja) * 2017-12-14 2021-02-22 ペルマステーリサ エス.ピー.エイ. 高層建築物用動的振動減衰システム

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