JP4732909B2 - 床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば一般住宅及び集合住宅(アパート、マンション)等の建築構造物の床構造に関する。
一般住宅等においては、床に飛び跳ねや踏み台からの降下等による衝撃が加わると振動が発生し、その振動が不快音や不快震動等の原因となることから問題となる。特に、複数階建ての戸建住宅や集合住宅等においては、居室や廊下の床に発生する振動や衝撃音が下階に直接的に伝播されるため、下階の住人にとっては甚だしい騒音となる場合がある。
そこで、一般住宅等の床に発生する振動や衝撃音を抑制するために、従来より種々の対策が講じられており、例えば重量床衝撃音(63Hz帯域)対策として、高質量で高剛性の軽量気泡コンクリート(以下、「ALC」ともいう。)製の床パネルを床材として採用した床構造が知られている。この床構造では、建築構造物の床梁上にALC製の床パネル両端部が載置されて、複数の床パネルが隣接するように並列状に配置されている。なお、ここで採用されるALCとは、石灰質原料とケイ酸質材料を主原料とし、発泡剤を加えて発泡させるか、予め作った気泡を混入して多孔質化させた後、オートクレーブ養生して得られる軽量の気泡コンクリートのことである。
また、例えば特許文献1〜3には、住宅等の建物の床に発生する振動や衝撃音を低減するために、ブラケット(取付部材)の基部に固着されたばね部材と該ばね部材に弾性支持されたマス部材とからなり、床材を支持する梁や根太等の床支持部材に設置されるダイナミックダンパが開示されている。このダイナミックダンパは、振動入力によって床が特定の周波数で振動するときに、床に対してマス部材がばね部材のばね作用を介して共振することにより、床の振動を減衰させて抑制することができる。なお、ダイナミックダンパの共振周波数は、マス部材の質量とばね部材のばね定数とによって基本的に定まり、低減すべき振動や衝撃音の周波数に合わせてチューニングされる。
また、例えば特許文献4には、ダイナミックダンパを設置すべき床の重量に応じてダイナミックダンパの重量の適正化を図ることにより、床衝撃音の有効な防止を図ることができるようにするために、ダイナミックダンパの重量/床重量を0.02〜0.5とすることが開示されている。
ところで、建築構造物の床の遮音性能は、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づいて一般に評価されている。この評価において、重量床衝撃音の遮音性能をレベル等級LH65〜LH70のレベルに向上させる方策としては、床重量(振動体重量)を重くする方法が有効である。しかし、この方法を採用する場合には、床重量がアップするのに伴い、躯体や基礎を大きくしたり頑強に補強する必要があるため、建築構造物の基本構造の変更やコストアップを招くこととなる。そのため、床重量を重くする方法には限界がある。
そこで、本出願人は、少しの床重量のアップで良好な遮音性能が得られるようにした床構造を提案した(特願2004−207789号)。即ち、この床構造は、縦梁と横梁により矩形に組まれた梁伏を最小単位として少なくとも一つの該梁伏で構成される床梁と、最小単位の前記梁伏に対して前記横梁が延びる方向に並列に配置された複数の床パネルからなる床材と、該床材の前記縦梁側の辺を4等分して該辺の両端から略1/4となる位置に沿って二列に配置され、それぞれの列に重心が略沿うようにして4箇所以上に設置されたばね部材及びマス部材からなる制振装置と、から構成されている。この床構造によれば、重量床衝撃音を5dB低減する(レベル等級を1ランクアップさせる)ことが可能である。
ところで、この床構造において、重量床衝撃音のΔ5dBの低減効果を確保するためには、通常、各ダイナミックダンパを構成するマス部材の総合質量が床重量(振動体重量)の約15〜18%程度必要となる。そのため、ダイナミックダンパの設置個数も多くなり、コスト高になり易い。
特開2000−355994号公報 特開2003−278409号公報 特開2004−3280号公報 特開平4−213650号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、床重量のアップを抑制しつつ、重量床衝撃音を効率的に低減することができる床構造を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する本発明は、縦梁と横梁により矩形に組まれた梁伏を最小単位として少なくとも一つの該梁伏で構成される床梁と、最小単位の前記梁伏に対して前記横梁が延びる方向に並列に配置された複数の床パネルからなる床材と、所定距離を隔てて配置された複数の取付固定部を有する取付部材と該取付部材に固着されたばね部材と該ばね部材に弾性支持されたマス部材とからなり、前記床材に対して各前記取付固定部が複数箇所に固定されて設置された複数のダイナミックダンパと、を備えた床構造であって、前記ダイナミックダンパは、前記床材の前記縦梁側の辺を4等分して該辺の両端から1/4となる位置を通り前記横梁と平行な2本の直線において、一方の直線上に一方の前記取付固定部が位置するとともに、他方の直線上に他方の前記取付固定部が位置するように固定されていることを特徴としている。
本発明の床構造においては、床材(床パネル)に飛び跳ねや踏み台からの下降等による衝撃が加わって振動が発生すると、床材によりその衝撃が緩和されると同時に、振動入力によって床材が特定の周波数で振動する時に、床材に対してダイナミックダンパのマス部材がばね部材のばね作用を介して共振することにより、床材の振動が減衰し抑制される。これにより、床に発生する重量床衝撃音(63Hz帯域)が効率的に低減される。特に、本発明の床構造では、床材に対して、ダイナミックダンパが上記のように設置されていることにより、床重量(振動体重量)に対するマス部材の総合質量の比率を小さくすることが可能となる。よって、本発明の床構造によれば、床重量のアップを抑制しつつ、重量床衝撃音を効率的に低減することが可能となる。
本発明において、床材に用いられる床パネルとしては、プレキャストコンクリートや木質系のパネル材等が採用される。特に、高剛性で高質量のコンクリート製の床パネルは、重量床衝撃音対策に好適であるが、中でも、軽量気泡コンクリート(ALC)製の床パネルが好ましい。
床材に対して設置されるダイナミックダンパは、所定距離を隔てて配置された複数の取付固定部を有する取付部材と、該取付部材に固着されたばね部材と、該ばね部材に弾性支持されたマス部材とからなる。このダイナミックダンパは、床材の縦梁側の辺を4等分して該辺の両端から1/4となる位置を通り横梁と平行な2本の直線上に各取付固定部が位置するように固定されている。この場合、ダイナミックダンパは、床材と接触する各取付固定部の接触面の一部が、その直線上に位置するようにされていればよいが、各床パネルの幅方向(横梁が延びる方向)における中央部に設置するのが好ましい。ダイナミックダンパは、床材の縦梁が延びる方向の中央部を跨ぐようにして両方の直線上に各取付固定部が位置するように固定されているのが好ましいが、一方の直線上にのみ各取付固定部が位置するように固定されていてもよい。
本発明においては、ばね部材としてゴム弾性体が用いられたダイナミックダンパを好適に採用することができる。この場合、ゴム弾性体が圧縮変形するようにマス部材を弾性支持する圧縮タイプのものや、ゴム弾性体が剪断変形するようにマス部材の両端を弾性支持する剪断タイプのもの等を採用することができる。特に、本発明においては、ゴム弾性体が剪断変形するように剪断配置されたダイナミックダンパを採用し、ゴム弾性体についてはtanδの値が0.01以上0.1未満となる特性を有するように形成することが望ましい。それは、剪断配置にすることにより振幅依存性が小さくなり、ゴム弾性体のtanδを0.01以上0.1未満にすることによりクリープ変動が小さくなり、温度依存性や経年変動、振幅依存性等も小さくなり、重量床衝撃音の良好な遮音性能をより安定した状態で発揮できるからである。
なお、本発明の好適な態様として、それぞれ取付固定部を有し互いに距離を隔てて配置される一対の取付部材と、一対の取付部材の間に配置される柱状のマス部材と、一対の取付部材にそれぞれ設けられてマス部材の両端を弾性支持する弾性支持部材と、から構成されているダイナミックダンパを好適に採用することができる。また、ダイナミックダンパは、床固有値の上下の範囲で複数種類の共振周波数を有するように設定されているのが好ましい。このようにすれば、重量床衝撃音の低減を目的とする周波数に幅をもたせることができるので、構造物件の違い等による床固有値のバラツキを吸収することが可能となり、ダイナミックダンパの重量床衝撃音低減機能をより確実に発揮させることができる。
本発明の床構造によれば、ダイナミックダンパは、所定距離を隔てて配置された複数の取付固定部を有する取付部材を備え、床材の縦梁側の辺を4等分して該辺の両端から1/4となる位置を通り横梁と平行な2本の直線上に各取付固定部が位置するように固定されているため、床重量(振動体重量)に対するマス部材の総合質量の比率を小さくすることができる。これにより、床重量のアップを抑制しつつ、重量床衝撃音を効率的に低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る床構造の底面図であって上階の床を裏面側から見上げた状態を示す図であり、図2は本実施形態に係る床構造に用いられるダイナミックダンパを示す図であって(a)はその平面図、(b)はその正面図である。
本実施形態の床構造は、縦梁1a、1bと横梁1c、1dにより矩形に組まれた最小単位として構成される一つの梁伏からなる床梁1と、床梁1に対して横梁1c、1dが延びる方向に並列に配置された6枚のALC製の床パネル21〜26よりなる床材2と、それぞれ取付固定部31aを有する一対の取付部材31、31と柱状のマス部材32と一対の弾性支持部材33、33とからなり、床材2に対して設置された6個のダイナミックダンパ3、…、3と、から構成されている。
床梁1は、H型鋼が採用されており、2本の縦梁1a、1bと、その縦梁1a、1bの両端どうしを結ぶ2本の横梁1c、1dとにより矩形に組まれている。この床梁1は、縦梁1a、1bの芯−芯間寸法が2750mmとされ、横梁1c、1dの芯−芯間寸法が1750mmとされている。
床パネル21〜26は、軽量気泡コンクリート(ALC)製の長い板状のものが採用されている。この床パネル21〜26は、長手方向の両端部が床梁1の横梁1c、1d上に載置された状態で、横梁1c、1dが延びる方向に並列に配置されている。両側の2枚の床パネル21、26は、長さが1750mm、幅が310mm、厚さが100mmのものである。中央部の4枚の床パネル22〜25は、長さが1750mm、幅が500mm、厚さが100mmのものである。
ダイナミックダンパ3、…、3は、図2(a)(b)に示すように、それぞれ取付固定部31a、31aを有し互いに距離を隔てて配置される一対の取付部材31、31と、一対の取付部材31、31の間に配置される柱状のマス部材32と、一対の取付部材31、31にそれぞれ設けられてマス部材32の両端を弾性支持する一対の弾性支持部材33、33と、から構成されている。取付部材31、31は、ぞれぞれ1枚の鉄板を略直角に折り曲げて断面L字形状に形成されたものであり、矩形に形成された取付固定部31a、31aと、取付固定部31a、31aの一端から立ち上がる矩形の立上り部31c、31cとからなる。各取付固定部31a、31aの中央部には、取付ボルト(図示せず)が挿通される取付孔31b、31bが設けられている。
マス部材32は、鉄系金属により径が一定の長尺円柱状に形成されており、所定の質量(7.5kg)を有するように設定されている。そして、弾性支持部材33、33は、円柱状に形成されたゴム弾性体33a、33aと、円板状に形成されてゴム弾性体33a、33aの一端面に加硫接着された金属プレート33b、33bと、頭部がゴム弾性体33a、33aに埋設されてねじ部が金属プレート33b、33bの中央部に形成された挿通孔から突出する連結ボルト33c、33cと、各連結ボルト33c、33cに螺着されたナット33d、33dとからなる。なお、ゴム弾性体33a、33aは、天然ゴム(NR)系のゴム材料で形成されており、tanδの値が0.01以上0.1未満となる範囲の特性を有し、クリープ変動が小さく耐へたり性が良いものである。
この弾性支持部材33、33は、各ゴム弾性体33a、33aの一端面が各立上り部31c、31cに加硫接着されて、取付部材31、31と一体的に設けられている。この弾性支持部材33、33は、連結ボルト33c、33cの各ねじ部がマス部材32の両端面に設けられたねじ穴にそれぞれ螺合された後、ナット33d、33dで緊締されることによりマス部材32と連結されている。これにより、マス部材32は、弾性支持部材33、33によって両端が弾性支持されている。なお、ダイナミックダンパ3、…、3の共振周波数は、マス部材32の質量とゴム弾性体33a、33aの剪断方向のばね定数とに基づいて、低減すべき重量床衝撃音の周波数(本実施形態では52Hz)に合わせてチューニングされている。
6個のダイナミックダンパ3、…、3は、図1に示すように、中央部の2枚の床パネル23、24に対してそれらの幅方向中央部に1個ずつ設置され、その両側の2枚の床パネル22、25に対してそれらの幅方向中央部に2個ずつ設置されている。本実施形態の場合、各ダイナミックダンパ3、…、3は、床材2の縦梁1a、1bが延びる方向の中央部を跨ぐようにして、各取付固定部31a、31aが、床材2の縦梁1a、1b側の辺(長さL)を4等分して該辺の両端から1/4となる位置を通り横梁1c、1dと平行な2本の直線L1、L2上に位置するように取付ボルト(図示せず)により固定されている。
以上のように構成された本実施形態の床構造において、床材2(床パネル21〜26)に飛び跳ねや踏み台からの下降等による衝撃が加わって振動が発生すると、床材2によりその衝撃が緩和されると同時に、振動入力によって床材2が特定の周波数で振動するときに、床材2に対してダイナミックダンパ3、…、3のマス部材32がゴム弾性体33、33のばね作用を介して共振することにより、床材2の振動が減衰し抑制される。これにより、床に発生する重量床衝撃音(63Hz帯域)が効率的に低減される。
以上のように、本実施形態の床構造によれば、所定距離を隔てて配置された複数の取付固定部31a、31aを有する取付部材31、31を備え、床材2の縦梁1a、1b側の辺を4等分して該辺の両端から1/4となる位置を通り横梁1c、1dと平行な2本の直線L1、L2上に各取付固定部31a、31aが位置するように固定されているため、床重量(振動体重量)に対するマス部材32の総合質量の比率を小さくすることができ、これにより、床重量のアップを抑制しつつ、重量床衝撃音を効率的に低減することができる。本実施形態の床構造から得られる上記の優れた効果は、本発明者等が行った後述の試験により確認されている。
なお、本実施形態では、各ダイナミックダンパ3、…、3は、床材2の縦梁1a、1bが延びる方向の中央部を跨ぐようにして、各取付固定部31a、31aが両方の直線L1、L2上に位置するように取付けられているが、マス部材32の長さを調節して、各取付固定部31a、31aがどちらか一方の直線L1、L2上にのみ位置するように取付けることも可能である。
また、本実施形態では、ゴム弾性体33、33が剪断変形するようにマス部材32の両端を弾性支持する剪断タイプのダイナミックダンパ3、…、3が採用されているが、例えば図3(a)(b)に示すような圧縮タイプのダイナミックダンパ4を採用してもよい。このダイナミックダンパ4は、支持基板41aと支持基板41aの両端に所定距離を隔てて設けられた一対の取付固定部41b、41bとを有する取付部材41と、支持基板41aに固着された一対の弾性支持部材42、42と、鉄系金属により矩形のブロック状に形成されて弾性支持部材42、42に弾性支持されたマス部材43とからなるものである。各弾性支持部材42は、円柱状に形成されたゴム弾性体42aと、円板状に形成されてゴム弾性体42aの両端面にそれぞれ加硫接着された金属プレート42b、42bと、頭部がゴム弾性体42aに埋設されてねじ部が金属プレート42b、42bの中央部に形成された挿通孔から突出する連結ボルト42c、42cと、各連結ボルト42c、42cに螺着されたナット42d、42dとからなる。
この弾性支持部材42、42は、一方の連結ボルト42c、42cの各ねじ部がマス部材32下端面に設けられたねじ穴にそれぞれ螺合された後、ナット42d、42dで緊締されることによりマス部材43と連結されている。そして、他方の連結ボルト42c、42cの各ねじ部が支持基板41aに設けられた挿通孔にそれぞれ挿通された後、ナット42d、42dで緊締されることにより支持基板41aに固着されている。これにより、マス部材43は、支持基板41aに対して弾性支持部材42、42により弾性支持されている。なお、このダイナミックダンパ4を採用する場合にも、床材2に対して取付固定部41b、41bが2本の直線L1、L2上に位置するように固定される。
〔試験〕
上記実施形態の床構造の遮音性能を調べるために、JIS・A1418−2「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法・第2部:標準重量衝撃源による方法」に基づいて試験を行った。この試験では、ベースとして、図4(a)に示すように、上記実施形態の最小単位の梁伏が二つ組み合わされた状態の床梁1で構成される床構造を採用した。なお、このベースの床構造においては、床梁1の横梁1cと床パネル21〜26との間には、通し鋼(図示せず)により連結された4個のソリッドタイプのゴムマウント(図示せず)が距離を隔てて所定箇所に設置されている。また、床梁1の横梁1d、1eと床パネル21〜26との間には、それぞれ通し鋼(図示せず)により連結された4個の液体封入式ゴムマウント(図示せず)が距離を隔てて所定箇所に設置されている。ベースの床重量(振動体重量)は800kgであった。また、ベースの床構造は、床の下に下階の天井が配設されている「天井有り」の構造のものである。
実施例として準備した床構造は、図4(c)に示すように、上記ベースの最小単位の一つの梁伏に対して、上記実施形態と同じ構成の6個のダイナミックダンパ(図中黒塗りで表されている。)を、上記実施形態と同じように直線L1、L2上に取付固定部が位置するように固定して床パネル22〜25に設置したものである。この場合、マス部材の総合質量は90kgであり、床重量に対するマス部材の総合質量の比率は約11%である。
また、比較例として、図4(b)に示すように、上記ベースの最小単位の一つの梁伏に対して、実施例と同じタイプのダイナミックダンパ(図中黒塗りで表されている。)を8個設置した床構造を準備した。比較例のダイナミックダンパは、各マス部材の質量が7.5kgで実施例のものと同じであるが、実施例のものより長さが少し短くされている点でのみ異なるものである。比較例のダイナミックダンパは、床材の縦梁1a、1b側の辺を4等分して該辺の両端から略1/4となる位置を通り横梁1c、1d、1eと平行な2本の直線L1、L2上に沿って二列に配置されており、それぞれの列に重心が沿うようにして4枚の床パネル22〜24に2個ずつ設置されている。この場合、マス部材の総合質量は120kgであり、床重量に対するマス部材の総合質量の比率は約15%である。
これらベース、実施例及び比較例の床構造について、上記試験方法に基づいて衝撃音(衝撃音レベル(dB))を測定し、また床加速度スペクトル解析及び狭帯域音スペクトル解析を行ったところ、それぞれ表1、図5及び図6に示す結果が得られた。表1に示されるように、比較例の場合には、重量床衝撃音レベルのオクターブバンド中心周波数63Hz帯域において、ベースに対してΔ5dBの大幅な低減効果が得られた。また、実施例の場合にも、重量床衝撃音レベルのオクターブバンド中心周波数63Hz帯域において、比較例と同等のΔ5.2dBの大幅な低減効果が得られた。そして、図5及び図6からは、ベースに対して実施例及び比較例は共に、特に40Hz〜60Hz付近において、振動加速度レベルや音圧レベルが低減していることがわかる。このことから、表1の結果と合わせて、重量床衝撃音レベルが大幅に低減されていることがわかる。
Figure 0004732909
以上の結果から、実施例の場合には、ダイナミックダンパの設置個数が比較例に比べ少なく、且つ、マス部材の総合質量が比較例に比べて30kg(25%)も少ないにも拘わらず、比較例と同等の重量床衝撃音の低減効果が得られることが解る。即ち、ダイナミックダンパを実施例のように設置すれば、床重量(振動体重量)に対するマス部材の総合質量の比率を小さくすることができ、これにより、床重量のアップを抑制しつつ、重量床衝撃音を効率的に低減することができることが判明した。
本発明の実施形態に係る床構造の底面図であって上階の床を下階側から見上げた状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る床構造に用いられるダイナミックダンパを示す図であって(a)はその平面図、(b)はその正面図である。 本発明の実施形態に係る床構造に用いられる他のダイナミックダンパを示す図であって(a)はその平面図、(b)はその正面図である。 (a)〜(c)試験におけるベース、比較例及び実施例のダイナミックダンパの配置個所を模式的に示す説明図である。 試験におけるベース、比較例及び実施例の床加速度スペクトルの解析結果を示すグラフである。 試験におけるベース、比較例及び実施例の狭帯域音スペクトルの解析結果を示すグラフである。
符号の説明
1…床梁 1a、1b…縦梁 1c、1d、1e…横梁 2…床材 21〜26…床パネル 3、4…ダイナミックダンパ 31、41…取付部材 31a、41b…取付固定部 31b…取付孔 31c…立上り部 32、43…マス部材 33、42…弾性支持部材 33a、42a…ゴム弾性体 33b、42b…金属プレート 33c、42c…連結ボルト 33d、42d…ナット 41a…支持基板

Claims (5)

  1. 縦梁と横梁により矩形に組まれた梁伏を最小単位として少なくとも一つの該梁伏で構成される床梁と、
    最小単位の前記梁伏に対して前記横梁が延びる方向に並列に配置された複数の床パネルからなる床材と、
    所定距離を隔てて配置された複数の取付固定部を有する取付部材と該取付部材に固着されたばね部材と該ばね部材に弾性支持されたマス部材とからなり、前記床材に対して各前記取付固定部が複数箇所に固定されて設置された複数のダイナミックダンパと、を備えた床構造であって、
    前記ダイナミックダンパは、前記床材の前記縦梁側の辺を4等分して該辺の両端から1/4となる位置を通り前記横梁と平行な2本の直線において、一方の直線上に一方の前記取付固定部が位置するとともに、他方の直線上に他方の前記取付固定部が位置するように固定されていることを特徴とする床構造。
  2. 前記床パネルは、軽量発泡コンクリート製である請求項1に記載の床構造。
  3. 前記ダイナミックダンパは、互いに距離を隔てて配置される一対の取付部材と、一対の該取付部材の間に配置される柱状のマス部材と、各前記取付部材にそれぞれ設けられて前記マス部材の両端を弾性支持する弾性支持部材と、から構成されている請求項1又は2に記載の床構造。
  4. 前記ダイナミックダンパは、前記床材の前記縦梁が延びる方向の中央部を跨ぐようにして両方の前記直線上に各前記取付固定部が位置するように固定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の床構造。
  5. 前記ダイナミックダンパは、床固有値の上下の範囲で複数種類の共振周波数を有するようにチューニングされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の床構造。
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