JP2003128894A - カレンダー加工用ポリエステル樹脂組成物及びそれを使用したシート - Google Patents

カレンダー加工用ポリエステル樹脂組成物及びそれを使用したシート

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JP2003128894A
JP2003128894A JP2001331315A JP2001331315A JP2003128894A JP 2003128894 A JP2003128894 A JP 2003128894A JP 2001331315 A JP2001331315 A JP 2001331315A JP 2001331315 A JP2001331315 A JP 2001331315A JP 2003128894 A JP2003128894 A JP 2003128894A
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sheet
polyester resin
calendering
resin composition
mol
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JP2001331315A
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Kazunori Komatsu
和憲 小松
Osamu Iritani
治 入谷
Mitsuo Nishida
光生 西田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダー加工する際のロールからのシート
の離型性が良好であり、かつ、出来上がったシートの透
明性が良好である優れた品質のカレンダーシート加工を
可能にするポリエステル樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 非晶性ポリエステルに滑剤0.01〜5
重量部添加した混合物であって、その混合物の軟化点が
200℃未満であることを特徴とするカレンダー加工用
ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルのカ
レンダー加工においてロール剥離性、ロングラン加工
性、熱安定性、特にカレンダー加工したシート透明性に
優れ、食品、化粧品、飲料用のシュリンクラベル、保香
性ヒートシールフィルム、耐油性多層シート等、各種シ
ート、フィルム、特に工業加工用シート、フィルムに有
用なカレンダー加工に最適なポリエステル樹脂組成物及
びそのシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より塩化ビニル系シート(フィル
ム)は安価でかつ透明性に優れることからあるゆる用途
に多用されている。このシートを加工する方法としては
押し出し成型やカレンダー成型が知られているが、押し
出し成形ではカレンダー成形と比較して、ダイリップの
摩擦が樹脂の加工性(成形性)を左右し、シート(フィ
ルム)の厚さ、幅、流れ方向などにおいて精度が劣り、
また大量生産にも不向きである。よって生産性や品質の
観点より後者がより多く使われている。また塩化ビニル
に可塑剤を添加する事により自由に柔軟性を調節できる
ことからシートとしての加工がしやすく、その用途の代
表例としては、木材の意匠性向上のために木目を印刷し
た化粧版シート(フィルム)がある。しかしながら近
年、塩化ビニル焼却時のダイオキシン発生の問題、内分
泌撹乱物質等による可塑剤使用抑制の問題より塩化ビニ
ル系シート(フィルム)を他の素材に置き換えようとす
る動きがある。数ある代替素材の内、ポリエステルはそ
の物理的性状、価格等の面より有力な素材である。しか
し、ポリエステルで代替するに当たっては以下の大きな
課題がある。
【0003】それは塩ビシートの成型方法として多用さ
れているカレンダー成型への適用が難しいことである。
従来ポリエステル樹脂は、シートやフィルムを製造する
方法として、加工の容易さから押し出し成形が主に使用
されてきた。しかしながらポリエステル樹脂をカレンダ
ー加工しようとすると、熱可塑化した際のロールへの粘
着力が比較的強く、加工時にロールに付着し易いため成
型が困難である。そこでロールへの付着を防止するため
に種々の滑剤を添加することが試みられている。
【0004】かかる滑剤としては例えばポリエチレンワ
ックスやパラフィンワックス等の炭化水素系滑剤、高級
脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤、高級脂肪酸によ
る金属石鹸、脂肪酸アマイド系滑剤、エステル系滑剤、
他種の滑剤の検討が行われている。例えば、特開平11
−343353、特開2000−136294、特開2
000−186191、特開2000−302951、
特開2001−64496、特開2001−4019、
US−6068910でシクロヘキサンジメタノールを
共重合した非晶性のポリエチレンテレフタレートに様々
な滑剤を用いてカレンダー加工によりシート化してい
る。しかしながら、本発明者等がこのポリエステルを使
用して開示されている配合を種々検討したが、ロール離
型性をよくするために滑剤の量を多くすると加工後のシ
ートの透明性が低下し、両者のバランスをうまく取るこ
とが出来ないのが現状であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る問題を解決し、ロール剥離性、ロングラン性、透明
性、熱安定性に優れた、カレンダー加工に最適なポリエ
ステル樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
達成すべく、鋭意研究した結果、非晶性ポリエステル樹
脂、滑剤の混合物の軟化点が、カレンダー加工時のカレ
ンダーロールからの溶融シートの剥離性とシートの透明
性に深く相関することを見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち本発明は以下の特徴を有してい
る。 (1)非晶性ポリエステルと滑剤の混合物であって、そ
の混合物の軟化点が200℃未満であることを特徴とす
るカレンダー加工用ポリエステル樹脂組成物。 (2)非晶性ポリエステルが、全カルボン酸成分当たり
テレフタル酸を30モル%以上、全ジオール成分当たり
エチレングリコール成分を30モル%以上含むととも
に、全ジカルボン酸成分当たりイソフタル酸を5〜70
モル%、および/または、全ジオール成分当たり1,2
−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれ
る少なくとも1種のジオール成分を5〜70モル%含む
ことを特徴とする(1)記載のカレンダー加工用ポリエ
ステル樹脂組成物。 (3)(1)又は(2)記載のポリエステル樹脂組成物
をカレンダー加工により成形したシート。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のカレンダー加工用ポリエ
ステル樹脂組成物は、非晶性ポリエステルと滑剤の混合
物であってその混合物の軟化点が200℃未満のもので
ある。ここで言う非晶性とは以下のように定義する。す
なわち示差走査熱量計(DSC)を用いて−100℃か
ら300℃まで20℃/分の速度で昇温した後、50℃
/minで300℃から−100℃まで冷却し、次に−
100℃から300℃まで20℃/minの速度で再度
昇温する。その2度の昇温過程のどちらにも明確な融解
ピークを持たないことを示す。
【0008】本発明に用いられるポリエステル樹脂は全
カルボン酸成分当たりテレフタル酸を30モル%以上含
むことが好ましい。より好ましくは35モル%以上、最
も好ましくは40モル%以上である。テレフタル酸を3
0モル%以上含まないとシートとしての機械物性が劣
り、好ましくない。
【0009】本発明に用いられるポリエステル樹脂は全
ジオール成分当たりエチレングリコール成分を30モル
%以上含むことが好ましい。より好ましくは35モル%
以上、最も好ましくは40モル%以上である。エチレン
グリコールを30モル%以上含まないとシートとしての
機械物性が劣り、好ましくない。
【0010】本発明に用いられるポリエステル樹脂は全
ジカルボン酸成分当たりイソフタル酸を5〜70モル
%、および/または、全ジオール成分当たり1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少
なくとも1種のジオール成分を5〜70モル%含むこと
が好ましい。より好ましい上限は65モル%、最も好ま
しい上限は60モル%である。より好ましい下限は9モ
ル%、最も好ましい下限は12モル%である。これら共
重合成分を適度に分子鎖中に導入し、ポリエチレンテレ
フタレートの持つ結晶性を無くして非晶性にすると共
に、物性を適度に調節することでカレンダー加工適性を
向上させることが出来る。これらの中でもイソフタル
酸、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノールが経済性の点で好ましく、
さらにカレンダー加工性付与のために添加する滑剤との
相溶性を考慮するとネオペンチルグリコールを5〜70
モル%共重合することが最も好ましい。
【0011】本発明のポリエステル樹脂は、上記のテレ
フタル酸、イソフタル酸、エチレングリコール、1,2
−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール以外の他の多価カルボ
ン酸や多価アルコール成分が共重合されていても良い。
例えば多価カルボン酸としてはオルソフタル酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’
−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエー
テルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、トリメリ
ット酸等の脂肪族や脂環族のものが挙げられる。一方多
価アルコールとしては1,2−ブタンジオ−ル、1,3
−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6
−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメ
チル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルヒドロ
キシピバリン酸エステル、ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、
水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサスド付加物、1,9−ノナンジオ
ール、2−メチルオクタンジオール、1,10−デカン
ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパン
ジオール、トリシクロデカンジメタノール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等が挙げられる。
【0012】本発明に用いられるポリエステル樹脂の数
平均分子量は、好ましくは15000〜40000であ
る。より好ましい下限は18000、さらに好ましくは
20000である。より好ましい上限は38000、さ
らに好ましくは35000である。数平均分子量が15
000未満であると、樹脂凝集力不足のためにシートの
強伸度が不足し、脆くなって使用できない。一方、40
000以上になると溶融粘度が上がるために、カレンダ
ー加工するのに最適な温度も上がってしまい、結果的に
ロールからのシートの離型性を悪くしてしまう。
【0013】本発明に用いられるカレンダー加工用ポリ
エステル樹脂の酸価は、好ましくは60当量/106g
以下、より好ましくは50当量/106g以下、さらに
好ましくは40当量/106g以下である。酸価が60
当量/106gを越えると、カレンダー加工時に樹脂を
加熱する際、加水分解がより促進され、できあがったシ
ートの機械的強度が低下する。また、樹脂の分解が進む
ことより、ロールからのシートの離型性も低下する。
【0014】本発明に用いられるポリエステル樹脂の、
220℃、剪断速度100sec-1のときの溶融粘度
は、好ましくは5000〜60000dPa・secで
ある。より好ましい下限は6000dPa・sec、さ
らに好ましくは7000dPa・secである。より好
ましい上限は50000dPa・sec、さらに好まし
くは40000dPa・secである。溶融粘度が50
00dPa・sec未満だと樹脂の粘着性が増すために
ロールからのシートの離型性が低下する。一方6000
0dPa・secを越えると溶融粘度が高すぎて、生産
性が低下するため実用的でない。
【0015】本発明のポリエステル樹脂を使用してカレ
ンダー加工によりシートを作成する場合、ロールからの
溶融シートの離型性を高めるために、当該ポリエステル
樹脂に滑剤を配合する必要がある。
【0016】本発明に用いられる滑剤の配合量は0.0
1〜5重量部である。好ましい下限は0.05重量部、
より好ましい下限は0.1重量部、さらに好ましい下限
は0.2重量部である。また、好ましい上限は4.5重
量部、より好ましい上限は4重量部、さらに好ましい上
限は3.5重量部である。滑剤の量が0.01重量部未
満ではロール離型性の向上効果が得難く、5重量部を越
えると加工で得られたシートの透明性、着色、印刷性が
低下する傾向を示す。
【0017】本発明に用いられる滑剤としては、ポリオ
レフィン系ワックス、有機リン酸エステルの金属塩、有
機リン酸エステル、アジピン酸またはアゼライン酸と高
級脂肪族アルコールとのエステル化合物、エチレンビス
ステアロアマイト、メチレンビスステアロアマイト、グ
リセリン高級脂肪酸エステル化合物、ペンタエリスリト
ール高級脂肪酸エステル化合物、高級脂肪族アルコー
ル、高級脂肪酸、石油または石炭より誘導されるパラフ
ィン、ワックス、天然または合成された高分子エステル
ワックス、高級脂肪酸による金属石鹸等が挙げられる。
これらは1種または2種以上を併用してもよい。特にポ
リオレフィン系ワックスおよび/または有機リン酸エス
テルの金属塩を使用するのがロールからのシートの離型
性と出来たシートの透明性が両立しやすく好ましい。
【0018】本発明で滑剤として使用するポリオレフィ
ン系ワックスには、ポリエチレンワックス、ポリプロピ
レンワックス及びこれらの誘導体が挙げられ、当該誘導
体としては、アクリル酸、酢酸ビニル、スチレン、マレ
イン酸といった他のモノマーとの共重合体及び部分的に
酸化した分解型がある。
【0019】本発明で滑剤として使用する有機リン酸エ
ステルの金属塩としては、例えば、下記一般式(I)で
表される有機リン酸エステルの金属塩および/または下
記一般式(II)で表される有機リン酸エステルの金属塩
が挙げられる。 式(I): [{RO(CfH2fO)n}3-a-oPO(O)a(O
H)e]d{M(OH)b}c 〔式中、Rは炭素数4〜30の炭化水素基を表し、Mは
アルカリ金属、アルカリ土類金属、ZnまたはA1を表
し、aは1または2を表し、eは0または1を表し(但
し、aが1のときは0または1、aが2のときは0であ
る。)、bは0〜2を表し、cは1または2を表し、d
は1〜3を表し、fは2または3を表し、nは0〜60
を表し、また、a、b、c、dは金属(M)の価数(以
下、mと記載する)との間に次の関係を有する。m=1
のとき、b=0,d=1,a=c,m=2のとき、b=
0,c=1,a×d=2、または、b=1,d=1,a
=c,m=3のとき、b=0,d=3,a=c,b=
1,c=1,a×d=2、または、b=2,d=1,a
=cであり、さらに、m≧2のとき、金属(M)には互
いに異なるホスフェートイオン基が結合していてもよ
く、その場合に、d=2または3は互いに異なるホスフ
ェートイオン基の合計数である。また、dが2または3
のとき、それぞれの[ ]内の構造は互いに同一でも異
なっていてもよい。〕
【0020】式(II): [{R1O(CfH2fO)n}3-a-ePO(O)a(O
H)e]d{M(OCOR2)s(OH)x }t 〔式中、R1は炭素数4〜30の炭化水素基を表し、R2
は炭素数1〜25のアルキル基を表し、Mはアルカリ金
属、アルカリ土類金属、ZnまたはA1を表し、aは1
または2を表し、eは0または1を表し(但し、aが1
のときは0または1、aが2のときは0である。)、d
は1または2を表し、sは1または2を表し、xは0ま
たは1を表し、tは1または2を表し、fは2または3
を表し、nは0〜60を表す。また、s+x=1または
2であり、a,d,s,tは金属(M)の価数(以下、
mと記載する)との間に次の関係を有する。m=2のと
き、s=1,d=1,a=tであり、m=3のとき、s
=1,t=1,a×d=2、または、s=2,d=1,
a=tであり、さらに、m=3のときは、金属(M)に
は互いに異なるホスフェートイオン基が結合していても
よく、その場合に、d=2は各種ホスフェートイオン基
の合計数を意味する。また、dが2のとき、それぞれの
[ ]内の構造は互いに同一でも異なっていてもよ
い。〕
【0021】上記一般式(I)中のRで表される炭素数
4〜30の炭化水素基および一般式(II)中のR1で表
される炭素数4〜30の炭化水素基としては、アルキル
基、フェニル基、アリールアルキル基、アルゲニル基ま
たはアルキルフェニル基が好ましい。また、一般式
(I)および一般式(II)中のMで表されるアルカリ金
属としては、例えば、Li、Na、K等が好ましく、ア
ルカリ土類金属としては、例えば、Mg、Ca、Ba等
が好ましい。
【0022】当該一般式(I)で表される有機リン酸エ
ステルの金属塩および当該一般式(II)で表される有機
リン酸エステルの金属塩は常法により製造することがで
き、その製造方法に関しては特に制限されない。
【0023】一般式(I)で表される有機リン酸エステ
ルの金属塩の好ましい例としては、例えば、下記表1に
示す化合物(1)〜化合物(13)、下記表2に示す化
合物(14)〜化合物(16)等が挙げられ、一般式
(II)で表される有機リン酸エステルの金属塩の好まし
い例としては、例えば、下記表2に示す化合物(15)
〜化合物(26)が挙げられる。これらは1種または2
種以上を併用して用いることができる。
【0024】なお、これらの化合物(化合物(1)〜化
合物(26))は、ポリエーテルアルコール成分おける
オキシエチレン単位またはオキシトリメチレン単位の繰
り返し数が小数を含む数で示されているように、単体ま
たはポリエーテルアルコール成分におけるオキシエチレ
ン単位またはオキシトリメチレン単位の繰り返し数(式
中の(ClH2lO)nの繰り返し数(n))が異なる複数
のリン酸エステル金属塩の混合物である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】本発明のカレンダー加工用ポリエステル樹
脂組成物は、その軟化点を200℃未満、好ましくは1
95℃未満、さらに好ましくは190℃未満、次に好ま
しくは185℃未満、最も好ましくは180℃未満であ
る。下限は特に限定されないが、カレンダー加工適性と
加工温度の観点より120℃以上、より好ましくは13
0℃以上、最も好ましくは140℃以上である。ここで
軟化点はJIS K2207環球法に従ってグリセリン
浴を用いて測定する。軟化点が200℃を越えると、カ
レンダー加工する際のロール温度が上がってしまい、組
成物の可塑化が激しくなるため、ロール離型性が悪くな
る。これを改善するために滑剤の添加量を上げると、ポ
リエステル樹脂と滑剤の相溶性が悪くなるため、出来上
がったシートの透明性が低下する。すなわちロール離型
性とシートの透明性が両立できない。また、特にシート
として0.2mm厚以下のシートを得ようとした際に
は、カレンダー装置に負担をかけないために、樹脂とし
ての分子量の比較的低いものを用いる、内部滑剤を多く
用いる、加工温度を高くする、などの手段により、樹脂
の溶融粘度を下げるが、この際に軟化点が200℃以上
の樹脂組成物を用いると、ロール剥離性、シートの透明
性、均一膜厚のコントロール性のバランスが取れなくな
ったり、樹脂シートを剥離する際に垂れ下がりが生じ易
くなるといった問題が発生する。
【0028】本発明のポリエステル樹脂組成物の軟化点
を200℃未満にする方法は特に限定されないが、強い
て言えば、(1)ポリエステルの共重合モノマーの種類及
び量を調節してポリエステルの軟化点を調節し、結果的
に組成物の軟化点を調節する方法、(2)ポリエステルの
分子量を調節してポリエステルの軟化点を調節し、結果
的に組成物の軟化点を調節する方法、(3)ポリエステル
の軟化点は高くとも、可塑剤となるような成分を混合す
ることにより、組成物の軟化点を調節する方法が挙げら
れる。
【0029】本発明のポリエステル樹脂組成物の軟化点
を調節する上記(1)の方法としては、ポリエチレンテ
レフタレートのようなホモポリマーに、その結晶性を低
下させるようなモノマーを共重合する。具体的にはイソ
フタル酸、ネオペンチルグリコール等ポリエチレンテレ
フタレートの結晶化を阻害する成分を共重合すれば良
い。
【0030】本発明のポリエステル樹脂組成物の軟化点
を調節する上記(2)の方法としては、ポリエステルの
組成を変えずに、ポリエステル自身の分子量を低下させ
ることで達成できる。
【0031】本発明のポリエステル樹脂組成物の軟化点
を調節する上記(3)の方法としては、直接可塑剤とな
るような成分を配合しても良いし、前述の滑剤の成分を
配合することにより行っても良い。例えば可塑剤として
は以下のようなものが挙げられる。ジメチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキ
シルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、2−
エチルヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレー
ト、ジカプリルフタレート、ジノニルフタレート、ジイ
ソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシ
ルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフ
タレート、ジトリデシルフタレート、ジベンジルフタレ
ート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフ
タレート、オクチルデシルフタレート、ブチルオクチル
フタレート、オクチルベンジルフタレート、ノルマルヘ
キシルノルマルデシルフタレート、ノルマルオクチルノ
ルマルデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑
剤;トリクレジルホスフェート、トリ−2−エチルヘキ
シルホスフェート、トリフェニルホスフェート、2−エ
チルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;ジ−2
−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペー
ト、ノルマルオクチル−ノルマルデシルアジペート、ノ
ルマルヘプチル−ノルマルノニルアジペート、ジイソオ
クチルアジペート、ジイソノルマルオクチルアジペー
ト、ジノルマルオクチルアジペート、ジデシルアジペー
ト等のアジピン酸エステル系可塑剤;ジブチルセバケー
ト、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジイソオクチ
ルセバケート、ブチルベンジルセバケート等のセバチン
酸エステル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアゼレー
ト、ジヘキシルアゼレート、ジイソオクチルアゼレート
等のアゼライン酸エステル系可塑剤;クエン酸トリエチ
ル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチ
ル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸ト
リ−2−エチルヘキシル等のクエン酸エステル系可塑
剤;メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリ
ルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレ
ート等のグリコール酸エステル系可塑剤;トリブチルト
リメリテート、トリ−ノルマルヘキシルトリメリテー
ト、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−
ノルマルオクチルトリメリテート、トリ−イソクチルト
リメリテート、トリ−イソデシルトリメリテート等のト
リメリット酸エステル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシ
ルイソフタレート、ジ−2−エチルヘキシルテレフタレ
ート等のフタル酸異性体エステル系可塑剤;メチルアセ
チルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート等のリ
シリノール酸エステル系可塑剤;ポリプロピレンアジペ
ート、ポリプロピレンセバケートおよびこれらの変型ポ
リエステル等のポリエステル系可塑剤;エポキシ化大豆
油、エポキシブチルステアレート、エポキシ(2−エチ
ルヘキシル)ステアレート、エポキシ化あまに油、2−
エチルヘキシルエポキシトーレート等のエポキシ系可塑
剤などが挙げられ、これらは必要に応じて1種あるいは
2種以上組み合わせて用いられる。
【0032】本発明のポリエステル樹脂組成物には、加
工時のポリエステル樹脂の熱劣化を抑制する(熱劣化に
よる樹脂の着色を防止する)ためにその他の酸化防止剤
を配合しても良い。当該酸化防止剤としては、例えば、
フェノール系酸化防止剤、有機亜リン酸エステル系化合
物等が好適である。
【0033】本発明のポリエステル樹脂組成物には、用
途に応じて他の成分も適宜添加することができる。例え
ぱ、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、帯電防止
剤、抗菌剤、エボキシ化合物、架橋剤等があげられる。
【0034】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために以下に実
施例を挙げるが、本発明は実施例に何ら限定されるもの
ではない。合成例に記載された測定値は以下の方法によ
って測定したものである。 樹脂組成:樹脂を重クロロホルムに溶解し、H−NMR
により定量した。 ガラス転移温度:示差走査熱量計を用い、測定試料10
mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し20℃/
minの昇温速度で測定した。 数平均分子量:ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒
として用いてゲル浸透クロマトグラフィによりポリスチ
レン換算値として求めた。 酸価:クロロホルム30mlに樹脂1gを溶解し、0.
1N水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して求めた。
指示薬はフェノールフタレインを用いた。
【0035】<非晶性ポリエステル(A)の合成例>撹
拌機、温度計、留出用冷却器を装備した反応缶内にテレ
フタル酸ジメチル960重量部、エチレングリコール5
10重量部、ネオペンチルグリコール190重量部、テ
トラブチルチタネート0.34重量部加え、170〜2
20℃で2時間エステル交換反応を行った。エステル交
換反応終了後、反応系を220℃から270℃まで昇温
する一方、系内をゆっくり減圧してゆき、60分かけて
500Paとした。そしてさらに130Pa以下で55
分間重縮合反応を行い、非晶性ポリエステル(A)を得
た。
【0036】非晶性ポリエステル(A)はNMR分析の
結果、ジカルボン酸成分はテレフタル酸100モル%、
ジオール成分はエチレングリコール65モル%、ネオペ
ンチルグリコール35モル%の組成を有していた。また
ガラス転移温度は78℃、数平均分子量は28000、
酸価30当量/106gであった。
【0037】非晶性ポリエステル(B)〜(E)は、非
晶性ポリエステル(A)と同様にして製造を行った。組
成、及び測定結果を表3に示す。(数値は樹脂中のモル
%)
【0038】
【表3】
【0039】表3に示したポリエステルを表4、5に示
した各成分とビーカー内で混合し、該混合物を170℃
に設定した2本の6インチチルドロール上で混練した。
時折へらでチルドロールに付着した樹脂を剥がしながら
混合し、5分混練後、ロール間隔を0.3mmに設定
(シート厚み0.3mm設定)し、溶融シートをロール
から剥がし取りフィルムを作成した。シートの剥離性は
その際のロールからの剥離性をもとに評価した。尚評価
基準は以下の通りである。その結果を表4、5に示す。
【0040】シート剥離性: ◎−ロールからの剥離性が極めて良好、 ○−実用上差し支えない程度の剥離性、 ×−ロールへの粘着性が強く、剥離が困難で、正常なシ
ートが採取できない透明性: ◎−極めて透明、 ○−実用上差し支えない程度に透明、 ×−透明性に劣る
【0041】透明性評価の欄の内、−はシート剥離性が
悪く正常なシートが採取できないため、評価未実施であ
ることを示す。 軟化点:JIS K2207環球法に従ってグリセリン
浴にて測定した。 尚、表4、5に記載された滑剤及び可塑剤は以下化合物
を意味する。 a:トリデシルポリ(オキシエチレン)ホスフェート亜
鉛塩 b:スチレン変性ポリエチレンワックス c:ポリプロピレンアジペート また表中のポリエステル量、滑剤量、可塑剤量における
数値は重量部である。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリエス
テル樹脂組成物は、非晶性ポリエステル、滑剤を組み合
わせた組成物であって、かつその混合物の軟化点が21
0℃未満である。この組成物を使用すると、過去に難し
かったポリエステル樹脂組成物をカレンダー加工する際
のロールからのシート離型性はもとより、出来上がった
シートの透明性が良好である優れた品質のカレンダーシ
ート加工を可能にすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA71 AA85 AC05 AC10 AC15 AE11 AG21 AH04 4F204 AA24B AA24E AB07 FA06 FB02 FE21 FF01 FN11 FN15 FN20 4J002 AE032 CF031 EH096 EW046 FD172 FD176 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性ポリエステルに滑剤0.01〜5
    重量部添加した混合物であって、その混合物の軟化点が
    200℃未満であることを特徴とするカレンダー加工用
    ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 非晶性ポリエステルが、全カルボン酸成
    分当たりテレフタル酸を30モル%以上、全ジオール成
    分当たりエチレングリコール成分を30モル%以上含む
    とともに、全ジカルボン酸成分当たりイソフタル酸を5
    〜70モル%、および/または、全ジオール成分当たり
    1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
    ル、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プ
    ロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
    グリコール、シクロヘキサンジメタノールからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種のジオール成分を5〜70モ
    ル%含むことを特徴とする請求項1記載のカレンダー加
    工用ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポリエステル樹脂
    組成物をカレンダー加工により成形したシート。
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