JP2003167101A - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法

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JP2003167101A
JP2003167101A JP2002048973A JP2002048973A JP2003167101A JP 2003167101 A JP2003167101 A JP 2003167101A JP 2002048973 A JP2002048973 A JP 2002048973A JP 2002048973 A JP2002048973 A JP 2002048973A JP 2003167101 A JP2003167101 A JP 2003167101A
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optical element
compound
silicon
liquid composition
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JP2002048973A
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English (en)
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Tsutomu Minami
努 南
Masahiro Tatsumisuna
昌弘 辰巳砂
Seiji Tadanaga
清治 忠永
Atsunori Matsuda
厚範 松田
Mitsuhiro Kawazu
光宏 河津
Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Koichiro Nakamura
浩一郎 中村
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が優れ、また基板との密着性も優れた
光学素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 濡れ性の大きな区域と濡れ性の小さな区
域とが規則的に配列されているパターン表面を成形表面
として有する基材の成形表面に光学素子形成用液状組成
物を付着させ、次いで前記組成物を硬化して前記濡れ性
の大きな区域に凸部を形成させる光学素子の製造方法で
ある。この際、前記光学素子形成用液状組成物として加
水分解、縮重合可能な加水分解性化合物およびその加水
分解・縮重合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を
含有する液を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学素子およびその
製造方法に関し、特に通信や、液晶等を用いたディスプ
レイに用いるのに好適な微小レンズ列(マイクロレンズ
アレイ)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている光学素子のう
ち、特に微小レンズ(マイクロレンズ)あるいは複数の
マイクロレンズを平面上に光軸が互いに平行になるよう
に規則的に配置して構成したマイクロレンズアレイはフ
ァインオプティックスの分野で広く使われてきている。
最近の需要の増大により通信用光学部品の必要性はます
ます高まってきている。
【0003】このようなマイクロレンズの製造方法とし
て、濡れ性の大きな区域と濡れ性の小さな区域とを規則
的に配列したパターンを表面に有する基材の表面に光学
素子形成用液状組成物を付着させ、次いで前記組成物を
硬化して前記濡れ性の大きな区域に凸部を形成させるこ
とが知られている(特開2000−199805および
特開2000−227506)しかし光学素子形成用液
状組成物として光硬化性樹脂を使用しているために耐熱
性が低く、熱処理したときなどに材料が変色したりする
ことがあるので耐熱性が要求されるような部位には使用
困難であるというような問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するものであって、本発明の目的は、耐熱性が優れ、
また基板との密着性も優れた光学素子の製造方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、濡れ性の大き
な区域と濡れ性の小さな区域とが規則的に配列されてい
るパターン表面を成形表面に有する基材の該成形表面に
光学素子形成用液状組成物を付着させ、次いで前記組成
物を硬化して前記濡れ性の大きな区域で凸部が形成され
る光学素子の製造方法において、前記光学素子形成用液
状組成物として加水分解、縮重合可能な加水分解性化合
物およびその加水分解・縮重合物よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の化合物を含有する液を用いることを
特徴とする光学素子の製造方法である。
【0006】まず基材表面に濡れ性の大きな区域と濡れ
性の小さな区域とを規則的に配列したパターンを形成す
る方法について説明する。本発明における基材表面の濡
れ性の大きな区域および濡れ性の小さな区域とは、基材
表面に光学素子形成用液状組成物である加水分解、縮重
合可能な加水分解性化合物またはその加水分解・縮重合
物を含有する液がそれぞれ相対的に付着しやすい部分と
相対的に付着しにくい部分を指す。濡れ性の大きな区域
と濡れ性の小さな区域とを規則的に配列したパターン
は、光触媒と光触媒作用で分解し濡れ性に関与する有機
基を有する物質とを含有する層を基板上に被覆し、フォ
トマスクを通して光照射して、露光部分の前記物質の有
機基を露光部分の光触媒の光触媒作用により分解させて
露光部分の濡れ性と非露光部分の濡れ性とに差を生じさ
せる方法により好ましく形成される。例えば前記物質と
してフルオロアルキル基のような撥水性基を分子内に有
するシラン化合物を用いた場合には、露光部分は濡れ性
の大きな区域を形成し、非露光部分は濡れ性の小さな区
域を形成する。またその他の方法として、感光性樹脂の
層を基板上に被覆し、フォトマスクを通して光照射し露
光部分(または非露光部分)を溶媒で溶解除去して基材
を露出させ、基板自体の濡れ性と溶解除去されずに残っ
た感光性樹脂の濡れ性とに差を生じさせる方法を例示す
ることができる。この場合は、露光部分(または非露光
部分)を溶解、除去して露出した基材(ガラスである場
合)表面は溶解、除去されない感光性樹脂層表面よりも
大きな濡れ性を有する。
【0007】前者の方法において、基材の表面に形成す
る、光触媒および光触媒作用で分解する有機基を有する
物質を含有する一つの層に代えて、光触媒活性の酸化物
の第1の層およびその上に光触媒作用で分解する有機基
を有する化合物の第2の層からなる2層を形成してもよ
い。この場合第2の層は光透過性を有することが好まし
い。
【0008】光触媒活性の酸化物の層およびその上に光
触媒作用で分解する有機基を有する化合物の層からなる
2層を基材の表面に形成してフォトマスクを通して光照
射し露光部分の前記物質の有機基を分解させて露光部分
の濡れ性と非露光部分の濡れ性とに差を生じさせること
により濡れ性の大きな区域と濡れ性の小さな区域とを規
則的に配列したパターンを形成する方法について述べ
る。
【0009】光触媒活性の酸化物の層(以下、単に光触
媒層ということがある。)は通常の薄膜製造方法、すな
わち真空蒸着法、化学気相蒸着(CVD)法、ゾルゲル
法、微粒子焼付け法等を利用して、 酸化チタン(Ti
2)、ZnO、WO3、Fe23、 SrTiO3、In
23、MoO2、TiO2−Pt−RuO2などからな
り、膜厚が好ましくは10〜200nmの薄膜として作
製される。現在最も広範に用いられている酸化チタン
(TiO2 )膜は、例えば真空蒸着法を用いて、酸化チ
タン結晶薄膜例えばアナターゼ型酸化チタン薄膜として
形成させることができる。また、化学気相蒸着(CV
D)法やゾルゲル法を用いる場合には、最初に形成され
た非晶質の酸化チタン薄膜を結晶化させるための熱処理
が必要である。そしてこの結晶化加熱処理は好ましくは
450〜550℃で10分〜2時間行われる。
【0010】酸化チタン膜は、上記の製造方法の他に、
例えば市販の光触媒活性微粒子、例えば石原産業株式会
社製光触媒酸化チタン微粒子(商品名「STS−01」
(粒径(X線粒径)7nm)、「STS−02」(粒径
(X線粒径)7nm)、「CS−N」)、多木化学株式
会社製チタニアゾル「M−6」(結晶子サイズ5nm)
などの市販水分散ゾルの他、石原産業株式会社製「ST
−K01」,「ST−K03」のような、バインダーを
含んだ市販水アルコール混合溶剤分散チタニアゾルなど
を用いて液状で塗布乾燥することにより得られる。
【0011】また、ゾルゲル法による酸化チタン結晶薄
膜の原料としては、チタンアルコキシド,チタンアセチ
ルアセトネート,チタンカルボキシレートのようなチタ
ンの有機化合物が好適に使用される。チタンアルコキシ
ドとしては、一般にTi(OR)4(Rは炭素数4までの
アルキル基)で表わされるが、反応性から考えて、チタ
ンイソプロポキシド,チタンブトキシドが望ましい。ま
た、チタンの場合にはアセチルアセトネートを用いた方
が、その安定性から好ましいことも従来から知られてい
る。この場合には一般式として、Ti(OR)mn(m+
n=4,n≠0)で表わされるが、Lがアセチルアセト
ンである。この場合には、チタンアルコキシドをアセチ
ルアセトンによってアセチルアセトネート化しても構わ
ないし、市販のチタンアセチルアセトネートを使用して
も構わない。さらには、チタンのカルボン酸塩を使用し
てもよい。これらのチタンの有機化合物および酸触媒を
含む溶液を基板表面に被覆し、加熱することにより基板
表面に酸化チタンの光触媒層が被覆される。
【0012】次にこの光触媒層の上に、光触媒作用で分
解して濡れ性が変化する化合物、特に光触媒作用で分解
する有機基例えば撥水性基を有する化合物を含有する光
透過性の層をゾルゲル法、真空蒸着、気相蒸着などの方
法により形成する。この層の厚みは好ましくは1〜10
0nm、より好ましくは1〜50nmである。
【0013】撥水性基を有する化合物としては撥水性基
を有するシラン化合物が好ましく使用される。その例と
して、1個または2個以上の撥水性基、例えばアルキル
基、フルオロアルキル基などを分子内に有するシラン化
合物を挙げることができる。
【0014】アルキル基を有するシラン化合物として
は、CH3(CH230SiCl3、CH3(CH220Si
Cl3、CH3(CH218SiCl3、CH3(CH216
SiCl3、CH3(CH214SiCl3、CH3(CH2
12SiCl3、CH3(CH210SiCl3、CH3(C
29SiCl3、CH3(CH28SiCl3、CH3(C
27SiCl3、CH3(CH26SiCl3、CH3(C
25SiCl3、CH3(CH24SiCl3、CH3(C
23SiCl3、CH3(CH22SiCl3、CH3CH
2SiCl3、(CH3CH22SiCl2、(CH3CH2
3SiCl、CH3SiCl3、(CH32SiCl2、(C
33SiClのようなアルキル基含有クロロシラン;
CH3(CH230Si(OCH33、CH3(CH220
Si(OCH33、CH3(CH218Si(OCH33
CH3(CH216Si(OCH33、CH3(CH214
Si(OCH33、CH3(CH212Si(OCH33
CH3(CH210Si(OCH33、CH3(CH29
i(OCH33、CH3(CH28Si(OCH33、C
3(CH27Si(OCH33、CH3(CH26Si
(OCH33、CH3(CH25Si(OCH33、CH
3(CH24Si(OCH33、CH3(CH23Si(O
CH33、CH3(CH22Si(OCH33、CH3
2Si(OCH33、(CH3CH22Si(OC
32、(CH3CH23SiOCH3、CH3Si(OC
33、(CH32Si(OCH32、(CH33SiO
CH3、CH3(CH230Si(OC253、CH3(C
220Si(OC253、CH3(CH218Si(OC
253、CH3(CH216Si(OC253、CH
3(CH214Si(OC253、CH3(CH212Si
(OC253、CH3(CH210Si(OC253
CH3(CH29Si(OC253、CH3(CH28
i(OC253、CH3(CH27Si(OC253
CH3(CH26Si(OC253、CH3(CH25
i(OC253、CH3(CH24Si(OC253
CH3(CH23Si(OC253、CH3(CH22
i(OC253、CH3CH2Si(OC253、(CH
3CH22Si(OC252、(CH3CH23SiOC2
5、CH3Si(OC253、(CH32Si(OC2
52、(CH33SiOC25のようなアルキル基含有
アルコキシシラン;CH3(CH230Si(OCOC
33、CH3(CH220Si(OCOCH33、CH3
(CH218Si(OCOCH33、CH3(CH216
i(OCOCH33、CH3(CH214Si(OCOCH
33、CH3(CH212Si(OCOCH33、CH
3(CH210Si(OCOCH33、CH3(CH29
i(OCOCH33、CH3(CH28Si(OCOC
33、CH3(CH27Si(OCOCH33、CH3
(CH26Si(OCOCH33、CH3(CH25Si
(OCOCH33、CH3(CH24Si(OCOC
33、CH3(CH23Si(OCOCH33、CH3
(CH22Si(OCOCH33、CH3CH2Si(OC
OCH33、(CH3CH22Si(OCOCH32
(CH3CH23SiOCOCH3、CH3Si(OCOC
33、(CH32Si(OCOCH32、(CH33
SiOCOCH3 のようなアルキル基含有アシロキシシ
ラン;CH3(CH230Si(NCO)3、CH3(C
220Si(NCO)3、CH3(CH218Si(NC
O)3、CH3(CH216Si(NCO)3、CH3(CH
214Si(NCO)3、CH3(CH212Si(NCO)
3、CH3(CH210Si(NCO)3、CH3(CH29
Si(NCO)3、CH3(CH28Si(NCO)3、C
3(CH27Si(NCO)3、CH3(CH26Si
(NCO)3、CH3(CH25Si(NCO)3、CH3
(CH24Si(NCO)3、CH3(CH23Si(NC
O)3、CH3(CH22Si(NCO)3、CH3CH2
i(NCO)3、(CH3CH22Si(NCO)2、(C
3CH23SiNCO、CH3Si(NCO)3、(C
32Si(NCO)2、(CH33SiNCO のような
アルキル基含有イソシアネートシランを例示することが
できる。
【0015】フロオロアルキル基を有するシラン化合物
としては、CF3(CF211(CH22SiCl3、CF
3(CF210(CH22Si(Cl)3、CF3(CF2
9(CH22SiCl3、CF3(CF28(CH22Si
Cl3、CF3(CF27(CH22SiCl3、CF
3(CF26(CH22SiCl3、CF3(CF25(C
22SiCl3、CF3(CF24(CH22SiC
3、CF3(CF23(CH22SiCl3、CF3(C
22(CH22SiCl3、CF3CF2(CH22Si
Cl3 、CF3(CH22SiCl3のようなフロオロア
ルキル基含有トリクロロシラン;CF3(CF211(C
22Si(OCH33、CF3(CF210(CH22
Si(OCH33、CF3(CF29(CH22Si(O
CH33、CF3(CF28(CH22Si(OC
33、CF3(CF27(CH22Si(OCH33
CF3(CF26(CH22Si(OCH33、CF
3(CF25(CH22Si(OCH33、CF3(C
24(CH22Si(OCH33、CF3(CF2
3(CH22Si(OCH33、CF3(CF22(C
22Si(OCH33、CF3CF2(CH22Si(O
CH33、CF3(CH22Si(OCH33、CF
3(CF211(CH22Si(OC253、CF3(C
210(CH22Si(OC253、CF3(CF29
(CH22Si(OC253、CF3(CF28(C
22Si(OC253、CF3(CF27(CH22
Si(OC253、CF3(CF26(CH22Si(O
253、CF3(CF25(CH22Si(OC
253、CF3(CF24(CH22Si(OC
253、CF3(CF23(CH22Si(OC
253、CF3(CF22(CH22Si(OC
253、CF3CF2(CH22Si(OC253、C
3(CH22Si(OC253 のようなフロオロアル
キル基含有トリアルコキシシラン;CF3(CF2
11(CH22Si(OCOCH33、CF3(CF210
(CH22Si(OCOCH33、CF3(CF29(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF28(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF27(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF26(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF25(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF24(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF23(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF22(C
22Si(OCOCH33、CF3CF2(CH22Si
(OCOCH33、CF3(CH22Si(OCOC
33 のようなフロオロアルキル基含有トリアシロキ
シシラン;CF3(CF211(CH22Si(NC
O)3、CF3(CF210(CH22Si(NCO)3
CF3(CF29(CH22Si(NCO)3、CF3(C
28(CH22Si(NCO)3、CF3(CF2
7(CH22Si(NCO)3、CF3(CF26(C
22Si(NCO)3、CF3(CF25(CH22Si
(NCO)3、CF3(CF24(CH22Si(NC
O)3、CF3(CF23(CH22Si(NCO)3、C
3(CF22(CH22Si(NCO)3、CF3CF2
(CH22Si(NCO)3、CF3(CH22Si(NC
O)3のようなフロオロアルキル基含有トリイソシアネ
ートシランを例示することができる。これらの中でフロ
オロアルキル基含有トリアルコキシシラン、特にフッ素
原子の数が13〜22のフロオロアルキルトリメトキシ
シラン、フロオロアルキルトリエトキシシランが好まし
く用いられる。
【0016】次いで光触媒層および光触媒作用で分解し
て濡れ性が変化する化合物の光透過性の層をその順に被
覆された基板の上に、光透過区域と光遮蔽区域とを規則
的に配列したパターンのフォトマスクを配置する。光透
過区域または光遮蔽区域は直径が10〜500μmの正
方形、円、楕円、正六角形等の形状を有することがで
き、形成すべき光学素子の底面の形状と一致させること
が好ましい。前記化合物の層が撥水性基を有する化合物
からなる場合には、光透過区域を上記形状とすることが
好ましく、そして前記化合物の層が光触媒作用で分解し
て濡れ性が小さくなるような化合物からなる場合には、
逆に光遮蔽区域を上記形状とすることが好ましい。
【0017】このフォトマスクを通して光照射する。前
記化合物の光透過性の層を通過した光の照射により酸化
チタンの光触媒活性を発現させ露光部と非露光部の表面
エネルギーが異なる領域が周期的に存在するパターン構
造が形成される。この光照射に用いる光線として光触媒
層中の光触媒活性の酸化物(例えば酸化チタン)が光触
媒活性を示せばどのような光でもよく、好ましくは励起
波長が380nm以下の紫外線が好適に用いられる。こ
のような紫外線を発するものとしては水銀ランプ、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマレーザ
ー、YAGレーザー(第3高調波、第4高調波)、He−
Gdレーザーなどの光源が好適に用いられる。
【0018】この照射により、フォトマスクの光透過区
域を通過して露光された前記化合物層部分はその下地の
光触媒層の作用によって濡れ性が変化する。例えば前記
化合物層が撥水性基例えばフルオロアルキル基を有する
アルコキシシランまたはその加水分解物または縮重合物
からなる場合には、露光部分のフルオロアルキル基が光
触媒の作用により分解して、この部分の撥水性は失われ
る結果、露光部分は大きな濡れ性を有することとなる。
非露光部は撥水性基は失われないので小さな濡れ性を有
したままである。このようにして、前記化合物層が撥水
性基を含有する化合物からなる場合は、フォトマスクの
光透過区域と光遮蔽区域に対応してそれぞれ濡れ性が相
対的に大きな領域と濡れ性が相対的に小さな領域とが規
則的に存在するパターニング構造が前記基板表面に形成
される。
【0019】次いで、光学素子形成用液状組成物として
使用される加水分解、縮重合可能な加水分解性化合物お
よびそのその加水分解・縮重合物よりなる群から選ばれ
る少なくとも1種の化合物を含有する液をこのパターニ
ング構造が形成された基板表面に被覆する。この加水分
解、縮重合可能な加水分解性化合物としては、例えばケ
イ素アルコキシド、金属アルコキシド、金属キレートを
挙げることができる。
【0020】アルコキシドとして具体的には、ケイ素
(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Z
r)、チタン(Ti)、スズ(Sn)およびアンチモン
(Sb)等のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、
ブトキシドなどが単体あるいは混合体として好ましく用
いられる。例えばケイ素アルコキシドの例として、テト
ラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、メチルトリエトキシシランなどを挙
げることができる。キレートとしては、ケイ素、アルミ
ニウム、ジルコニウム、チタン、スズおよびアンチモン
等のアセチルアセトネート錯体、アセト酢酸エチル錯体
およびベンゾイルアセトネート錯体が好ましく用いられ
る。
【0021】これらの中で、下記式(1)、 YnSiX4-n ・・(1) (ここでYはアルキル基、ビニル基、アミノ基、エポキ
シ基、フェニル基、ベンジル基を示し、Xはハロゲン、
アルコキシル基を示し、nは0または1である。)で表
されるケイ素化合物がより好ましく用いられる。上記式
(1)中のYのアルキル基としてはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オク
チル基の如き直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基
が好ましい。上記ケイ素化合物の中で上記式(1)中の
Yがフェニル基またはベンジル基であり、Xがメトキシ
ル基またはエトキシル基であり、nが1である有機ケイ
素化合物、すなわちフェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラ
ン、ベンジルトリエトキシシランが更に好ましく用いら
れ、これらの中でフェニルトリエトキシシランが特に好
ましい。
【0022】上記式(1)で表されるケイ素化合物また
はその加水分解・縮重合物を2種以上組み合わせて使用
することができる。光学素子形成用液状組成物としての
加水分解、縮重合可能な加水分解性化合物として、例え
ば、フェニルトリエトキシシランを単独で使用する場合
に得られる光学素子の屈折率は約1.53であるがフェ
ニルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランと
を組み合わせることにより、屈折率が1.48〜1.5
3の光学素子が得られる。フェニルトリエトキシシラン
とメチルトリエトキシシランの混合比率を調整すること
により光学素子の屈折率を精密に制御することができ
る。
【0023】また上記式(1)で表されるケイ素化合物
と、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、
アルミニウムアルコキシドおよびこれらのキレート化合
物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を組
み合わせて使用することができる。例えばテトラn−ブ
トキシチタン、トリブトキシアルミニウム、テトラブト
キシジルコニウムなどの金属アルコキシド化合物や、チ
タンのアセチルアセトナート錯体のような、酸化物の屈
折率が酸化ケイ素より高屈折率を有する金属化合物を上
記式(1)で表されるケイ素化合物と組み合わせて使用
することにより、形成される光学素子の屈折率を制御す
ることができる。これらの金属化合物はあまり多量に使
用すると光学素子形成用液状組成物が液滴状になる際の
流動が起こり難くなるので、前記光学素子形成用液状組
成物中のケイ素元素と金属元素の合計100モル%に対
して、前記少なくとも1種の金属化合物はその金属元素
のモル分率で表して30%以下で使用するのが好まし
く、3〜20%で使用するのがより好ましい。
【0024】また、上記式(1)で表されるケイ素化合
物と、下記式(2)、 R2SiQ2 ・・(2) (ここでRはそれぞれ独立にアルキル基、ビニル基、ア
ミノ基、エポキシ基、フェニル基またはベンジル基を示
し、Qはそれぞれ独立にハロゲンまたはアルコキシル基
を示す。)で表されるケイ素化合物(以下、「式(2)
のケイ素化合物」という)とを組み合わせて使用するこ
とができる。これらの中で前記式(2)におけるRがフ
ェニル基またはメチル基であり、Qがメトキシル基また
はエトキシル基であるケイ素化合物が好ましく用いられ
る。これにより光学素子形成用液状組成物が液滴状にな
る際の流動性を良好にすることができる。上述のように
酸化ケイ素より高屈折率を有する金属化合物を併用する
場合に、さらに式(2)のケイ素化合物を併用すること
により、高屈折率を有する金属化合物の多量併用により
光学素子形成用液状組成物液の流動が起こり難くなるの
を防止することができる。式(2)のケイ素化合物は加
水分解、縮重合可能な化合物ではあるけれども、これ単
独ではネットワーク構造を形成しないので、この含有量
があまり多すぎると光学素子の機械的強度が低くなるの
で、光学素子形成用液状組成物中のケイ素、チタンなど
の元素の合計100モル%に対して、式(2)のケイ素
化合物はそのケイ素元素のモル分率で表して50%以下
で使用するのが好ましく、3〜40%で使用するのがよ
り好ましい。
【0025】光学素子形成用液状組成物は、加水分解、
縮重合可能な加水分解性化合物(例えばケイ素アルコキ
シド)、水、酸触媒および溶媒を含有する。これらのケ
イ素アルコキシドに水を加え、加水分解および縮重合さ
せることにより重合度を増したシランが得られる。この
とき用いる触媒としては塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸
類、酢酸、しゅう酸、蟻酸、プロピオン酸、p−トルエ
ンスルホン酸などの有機酸類が挙げられる。使用される
酸触媒の量は、モル比で表して、ケイ素アルコキシド1
モルに対して、3ミリモル〜200ミリモルが好まし
く、より好ましくは10ミリモル〜100ミリモルであ
る。
【0026】水は加水分解に必要な化学量論比以上加え
ることが好ましい。水の添加量が化学量論比より少ない
とゲル化のための乾燥時に未反応のケイ素アルコキシド
が揮発しやすくなるので好ましくない。通常、水の添加
量は、触媒水溶液の水も含めて、必要な化学量論比の
1.1〜30倍であり、モル比で表して、ケイ素アルコ
キシドに対して1.5〜20倍が好ましく、より好まし
くは2〜10倍である。
【0027】本発明で使用される溶媒(有機溶剤)は、
被覆の形成方法に依存する。キャスト法、ディップコー
ト法、スピン法、グラビアコート法,フレキソ印刷法,
ロールコート法、スプレー法、刷毛塗り法などが好適に
使用される。このうち、キャスト法やディップコート法
で用いられる有機溶剤は蒸発速度の速い溶媒が好適であ
る。これは溶媒の蒸発速度があまりにも遅いと塗膜の乾
燥が遅いので液の流動性が高くなり均一なウェット塗膜
が形成されない場合があるのでメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、tert−ブトキシアルコー
ルなどのような蒸発速度の速いアルコール系の溶媒が好
適に使用できる。一方グラビアコート法、フレキソ印刷
法、ロールコート法に使用される有機溶剤は、蒸発速度
の遅い溶媒が好適である。これは蒸発速度が速い溶媒で
は、十分にレベリングが行われないうちに溶媒が蒸発し
てしまうため、最終的に得られる光学素子の高さが不均
一になる場合がある。
【0028】溶媒の蒸発速度は、酢酸ブチルのそれを1
00とした相対蒸発速度指数で、一般的に評価されてい
る。この値が40以下の溶媒はきわめて遅い蒸発速度を
もつ溶媒として分類されている。このような溶媒がグラ
ビアコート法,フレキソ印刷法,ロールコート法の有機
溶媒として好ましい。その例としては、エチルセロソル
ブ,ブチルセロソルブ,セロソルブアセテート,ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル,ヘキシレングリコ
ール,ジエチレングリコール,エチレングリコール,ト
リプロピレングリコール,ジアセトンアルコール,テト
ラヒドロフルフリルアルコールなどが挙げられる。
【0029】本発明に使用されるコーティング液の溶媒
は、このような溶媒を少なくとも一種含むことが望まし
いが、コーティング方法やコーティング液の特性に応じ
て上記の溶媒を複数混合して使用しても構わない。使用
する溶媒の量は、モル比で表して、ケイ素アルコキシド
に対して0.3〜5倍が好ましく、より好ましくは0.
5〜3倍である。
【0030】濡れ性が異なるパターニング構造が形成さ
れた基板表面上に光学素子形成用液状組成物を被覆す
る。この被覆方法としてスプレーコート法を用いる場合
は、光学素子形成用組成物は液滴状で基板に付着するた
め、一旦濡れ性の小さい区域に付着したものが濡れ性の
大きい区域への移動がしやすくなり好ましい。全体的な
スプレー付着量を変化させることにより、最終的に得ら
れる光学素子の高さを調節することができる点で有利で
ある。
【0031】またディップコート法も好ましく用いられ
る。上記パターニング膜付き基板を光学素子形成用液状
組成物の浴の中に浸漬し、所定の引き上げ速度で引き上
げることにより、基板表面の濡れ性の大きな区域のみに
前記液状組成物が液滴状態で付着する。しかし場合によ
っては、基板表面の濡れ性の大きな区域および濡れ性の
小さな区域の全体にわたってほぼ均一な厚みで前記液状
組成物が被覆されることがあり、このときには、基板ま
たは被覆液層の振動、超音波振動などを与えたり、また
は被覆液層に空気の風を吹き付けたりすることにより前
記液状組成物を基板表面の濡れ性の大きな区域に集合さ
せることができる。ただし、ある種の光学素子形成用液
状組成物、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、
ベンジルトリエトキシシランのようなトリアルコキシシ
ラン、酸触媒、水、溶媒からなる液状組成物は、特に溶
媒および水の量が相対的に少ないときまたは基板表面の
濡れ性の大きな区域の面積と濡れ性の小さな区域の面積
の比率が大きなときには、塗布直後には基板表面の濡れ
性の大きな区域への集合は生じないことがある。しかし
塗布し、数時間乾燥させた後に、基板をその被覆面が上
向きにほぼ水平になるように維持した状態で100〜3
00℃で加熱すると、前記乾燥により固体状になってい
た塗布膜はその粘性が低下して軟化してあたかも融液状
態となり基板表面の濡れ性の大きな区域への集合が生じ
る。更に加熱を続けると、縮重合が進み完全に硬化し
て、基板上に強固に付着したフェニルポリシロキサンま
たはベンジルポリシロキサンの凸レンズ状の微小凸部が
前記濡れ性の大きな区域に形成される。前記液状組成物
の塗布および必要に応じたその後の振動付与により、基
板表面の濡れ性の大きな区域へ液状組成物が集合して液
滴状になった後は、100〜300℃で10分〜300
分加熱することにより加水分解および縮重合反応が進
み、基板上の濡れ性が大であった区域に微小凸レンズ状
の透明固体凸部が強固に付着してレンズまたはマイクロ
レンズアレイが得られる。
【0032】本発明では露光部と非露光部の表面エネル
ギーの異なる領域を形成するので、露光部と非露光部の
表面エネルギーの差を制御することでレンズ形状を制御
することも可能になる。従って所望の形状にあわせて前
記撥水基を有する化合物を用いれば良い。
【0033】本発明に用いる基材としては、耐熱性を有
する平板状のものが好ましく用いられる。基材として2
00℃と20℃における基材表面の反り量(基材の表面
方向の単位長さあたりのその表面に垂直な方向の熱変形
長さ)が1cmあたり±5μm以内であることが望まし
い。反り量がこの範囲を越えると膜の成形過程において
基板と膜が界面で剥離もしくは膜に亀裂を生じるおそれ
があるので、基材の材料、寸法、形状を選ぶことが好ま
しい。
【0034】また、この基材は1.5×10-5/℃以下
の線膨張率を有することが好ましい。基材の線膨張率が
1.5×10-5/℃を超えると、オルガノポリシロキサ
ン膜の成形過程において基材と膜が界面で剥離したり、
膜に亀裂を生じるからである。基材としては透明のもの
が好ましい。通常の無機ガラスは1.5×10-5/℃以
下の線膨張率を有するので好ましく用いられる。また基
材の少なくとも表面は酸化物であることが好ましい。も
しオルガノポリシロキサン膜と接する基材表面が酸化物
でない場合、膜の成形過程において付着強度が下がり、
場合によっては基材と膜が界面で剥離を生じるからであ
る。好ましい基材の材質の例として、珪酸塩系ガラス、
ホウ珪酸塩系ガラス等の酸化物ガラス、石英、透明セラ
ミックスなどを挙げることができる。
【0035】また本発明における基材として、所望の波
長の光、例えば可視域、紫外域、または赤外域の光に対
して透明な物体例えばガラス基板が用いられる場合、本
発明では、レンズ、導波路、回折格子、プリズムなどの
透過型光学素子を更に複合させた機能を発揮することが
できる。
【0036】本発明における光学素子の製造方法におい
ては前記光学素子形成用液状組成物を表面エネルギーの
異なる領域が規則的に存在する基板表面に塗布した後、
100℃以上の温度で熱処理することにより該パターン
部の濡れ性に大きな親水性表面区域に光学素子形成用液
状組成物を誘導し所望の素子を精度よく形成することが
できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。 [実施例1] (1)酸化チタンゾルの調製と成膜 チタニウムn−ブトキシド0.1モルをエタノール16
モルで希釈したものをアセト酢酸エチル0.1モルで安
定化し、硝酸を0.01モル/Lの濃度で溶解した水
0.2モルを加え、攪拌して酸化チタンゾルとした。
【0038】無アルカリのアルミノホウケイ酸塩ガラス
組成を有し厚み2.0mmで25mm×25mmのガラ
ス基板を上記酸化チタンゾルの浴中に浸漬し1.11m
m/秒の引き上げ速度で引き上げることによりガラス基
板の表面に酸化チタンゾルの膜をディップコーティング
し、次いで500℃で30分間加熱した。ガラス基板の
各表面に約20nmの膜厚を有するアナターゼ型酸化チ
タン膜が形成された。
【0039】(2)FASのゾルの調製と成膜 イソプロパノール2.0モルで希釈したヘプタデカフル
オロデシルトリメトキシシラン(以下FASという)
0.01モルに、硝酸を0.06重量%溶解した水0.
02モルを加え攪拌してFASゾルを得た。
【0040】上記酸化チタン膜被覆ガラス基板とフラス
コに入れた上記FASゾルを密閉された電気炉中に置
き、240℃で30分間加熱して、酸化チタン膜上に数
nmの膜厚のFAS膜を蒸着被覆した。
【0041】(3)光照射によるFASの分解 直径が150μmの円形開口部(光透過部分)が間隔
(円中心の間)175μmで碁盤目状に約20,000
個配置したフォトマスクを上記酸化チタン膜およびFA
S膜を被覆したガラス基板の上に載せ、超高圧水銀灯
(「UIS-25102」 ウシオ電機製 250W、光波長25
0nm〜450nm)から220〜310nmの範囲の
波長の光で23.0mW/cm2、310〜390nmの
範囲の波長の光で73.0mW/cm2の照度で5分間光
照射し、それによりパターニングFAS付き基板が得ら
れた。マスクの円形開口部に対応するFAS膜の露光部
においては、FASのフルオロアルキル鎖は下地膜の酸
化チタンの光触媒作用により分解されて蒸発し、FAS
はヒドロキシシロキサンまたはヒドロキシポリシロキサ
ンに変化した。FAS膜の非露光部および露光部の接触
角を接触角計(CA−DT、協和界面科学(株)製)を
用いて、水および後述のフェニルシルセスキオキサンゾ
ルによる接触角として測定したところ非露光部では10
8度(水)および57度(フェニルシルセスキオキサン
ゾル)であり、露光部では5度(水)および30度(フ
ェニルシルセスキオキサンゾル)であった。
【0042】(4)フェニルシルセスキオキサンゾルの
調製と成膜およびレンズアレイの形成 フェニルトリエトキシシラン1モルをエタノール1.5
モルで希釈し、1.44重量%で塩酸を溶解した水4モ
ルを加え約2時間撹拌することによりフェニルトリエト
キシシランを加水分解反応および縮重合反応させてフェ
ニルシルセスキオキサン(PhSiO3/2)ゾルを得
た。
【0043】上記パターニングFAS付き基板を上記フ
ェニルシルセスキオキサンゾルの浴中に浸漬し3.03
mm/秒の引き上げ速度で引き上げることによりガラス
基板のパターニングFAS膜表面にフェニルシルセスキ
オキサンゾルの膜をディップコーティングした。ウェッ
ト膜厚は数十μmであった。これを室温で約15時間乾
燥してゲル膜とした。このゲル膜はパターニングFAS
膜表面にほぼ均一な厚みで広がり、その膜厚みは約2μ
mであり、溶媒の蒸発によりこのゾルは流動性を失って
ゲル化して固体状になっていた。次にこのゲル化膜を2
00℃に保ったところ約10分経過の時点でゲルに流動
性が生じて液状となり、FAS膜非露光部の上にあった
ゲルは移動してFAS膜露光部(直径150μmの円
形)の上に集合して凸部を形成した。この加熱を更に2
0分続けたところ、FAS膜露光部上の凸部は完全にゲ
ル化して硬化して、フェニルシルセスキオキサン重合体
からなる直径120μmの半球状のレンズを形成し、基
板の表面に約20,000個のレンズが固着したマイク
ロレンズアレイが得られた。レンズの頂点とボトムの間
の厚みは約7μmであった。形成されたレンズアレイを
原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した3次元表面
プロファイルを図1に示す。またレンズの頂上で切断し
た断面プロファイルを図2に示す。
【0044】前記形成したレンズの厚みのばらつきを5
点評価したところ7±0.5μmであり誤差は約±7.
1%であった。焦点距離を測定したところ425±25
μmであり誤差は±5.9%であった。さらにこの材料
の波長400から2500nmの光の透過性を評価した
ところ通信帯の波長域で問題となるような吸収はないこ
とを確認した。また基板との密着性も良好であり、基板
周辺部の切断や洗浄時にも基板からのレンズの剥離はな
かった。
【0045】上記のマイクロレンズアレイについて、3
00℃で2時間保持する耐熱試験を行った後、室温に戻
して、亀裂(クラック)の発生の有無を観察して耐熱性
を評価した。その結果、レンズおよび基板に亀裂や剥離
は生じず、すべてのレンズの焦点距離は耐熱試験前と変
わらなかった。
【0046】[実施例2] ベンジルシルセスキオキサンゾルの調製と成膜およびレ
ンズアレイの成形 ベンジルトリエトキシシラン1モルをエタノール1.5
モルで希釈し、1.44重量%で塩酸を溶解した水4モ
ルを加え約2時間撹拌することによりベンジルトリエト
キシシランを加水分解反応および縮重合反応させてベン
ジルシルセスキオキサン(BzSiO3/2)ゾルを得
た。
【0047】実施例1と同様にFASのパターニングを
形成させた無アルカリガラス基板上に、上記ベンジルシ
ルセスキオキサンゾルを用いて引き上げ速度3.03m
m/秒でディップコーティングにより成膜し、その後に
室温で約15時間乾燥した。次にゲル膜を200℃で3
0分間加熱したところ、実施例1と同様にゲル膜が軟化
してFAS膜露光部(直径150μmの円形)の上に集
合して凸部を形成した後に、完全にゲル化して硬化し
て、ベンジルシルセスキオキサン重合体からなる直径1
20μmの半球状のレンズを形成し、基板の表面に約2
0,000個のレンズが固着したマイクロレンズアレイ
が得られた。レンズの頂点とボトムの間の厚みは約7μ
mであった。
【0048】前記形成したレンズの厚みのばらつきを5
点評価したところ7±0.3μmであり誤差は約±4.
3%であった。焦点距離を測定したところ425±20
μmであり誤差は±4.7%であった。さらにこの材料
の波長400から2500nmの光の透過性を評価した
ところ通信帯の波長域で問題となるような吸収はないこ
とを確認した。また基板との密着性もよく切断や洗浄時
にも基板からのレンズの剥離はなかった。また耐熱性試
験後の評価結果についても、レンズおよび基板に亀裂や
剥離は生じず、すべてのレンズの焦点距離は耐熱試験前
と変わらなかった。
【0049】[実施例3]実施例2に使用したベンジル
シルセスキオキサンゾルをエタノールで2倍に希釈した
液をレンズ形成材料として用いて、実施例1と同様にF
ASのパターニングを形成させた無アルカリガラス基板
上に引き上げ速度3.03mm/秒でディップコーティ
ングにより成膜したところFAS膜露光部(直径150
μmの円形)の上に集合して凸部を形成した。その後に
室温で15時間乾燥し、さらに200℃で30分間加熱
して完全に硬化させた。その結果直径120μmの半球
状のレンズを形成し、基板の表面に約20,000個の
レンズが固着したマイクロレンズアレイが得られた。レ
ンズの頂点とボトムの間の厚みは約3.3μmであっ
た。
【0050】前記形成したレンズの厚みのばらつきを5
点評価したところ3.3±0.2μmであり誤差は±
6.1%であった。焦点距離を測定したところ891±
65μmであり誤差は±7.3%であった。さらにこの
材料の波長400nmから2500nmの光の透過性を
評価したところ通信帯の波長域で問題となるような吸収
はないことを確認した。また基板との密着性もよく切断
や洗浄時にも基板からのレンズの剥離はなかった。また
耐久性試験後の評価結果についても、レンズおよび基板
に亀裂や剥離は生じず、すべてレンズの焦点距離は耐熱
試験前と変わらなかった。
【0051】[実施例4]エタノール 81.2gにテ
トラエトキシシラン9.5gとヘプタデカフルオロデシ
ルトリメトキシシラン0.26gを添加し、20分間攪
拌し、次いでこれに水4.04gと0.1N塩酸5.0
gを加えて2時間攪拌した。次いでこの溶液を密封容器
に入れて25℃で10日間静置して溶液を得た。この溶
液をエタノールで5倍に希釈して撥水処理液を得た。
【0052】上記撥水処理液10g、酸化チタン微粒子
(TiO2微粒子、平均粒径7nm、石原産業製光触媒
酸化チタン微粒子「STS-01」)0.09gを取って混合
し、コーティング液を調製した。このコーティング液を
ガラス基板上にフローコート法にて塗布し、その後温度
21℃の乾燥室で乾燥させた後、さらに大気中で120
℃で20分間乾燥させた。さらに実施例1と同じように
直径150μmの円形開口部が間隔175μmで碁盤目
状に約20,000個配置したフォトマスクを上記酸化
チタンおよびFAS含有膜を被覆したガラス基板の上に
載せ、実施例1で用いたのと同じ超高圧水銀灯を用いて
実施例1と同じ照度で5分間光照射し光照射部のFAS
のフルオロアルキル鎖を光触媒作用により分解させた。
露光部の接触角を水および後述のベンジルシルセスキオ
キサンゾルに対して測定したところ非露光部では105
度(水)、および60度(ベンジルシルセスキオキサン
ゾル)、露光部では4度(水)および32度(ベンジル
シルセスキオキサンゾル)であった。
【0053】実施例2で調製したベンジルシルセスキオ
キサンゾルを用いて実施例1と同様に引き上げ速度3.
03mm/秒でディップコーティングにより成膜し、こ
れを室温で約15時間乾燥してゲル膜とした。このゲル
膜はパターニングFAS膜表面にほぼ均一な厚みで広が
っており、溶媒の蒸発によりこのゾルは流動性を失って
ゲル化して固体状になっていた。次にこのゲル化膜を2
00℃に保ったところ約10分経過の時点でゲルに流動
性が生じて液状となり、FAS膜非露光部の上にあった
ゲルは移動してFAS膜露光部(直径150μmの円
形)の上に集合して凸部を形成した。この加熱を更に2
0分続けたところ、FAS膜露光部上の凸部は完全にゲ
ル化して硬化した直径120μmの半球状のレンズを形
成し、基板の表面に約20,000個のレンズが固着し
たマイクロレンズアレイが得られた。レンズの頂点とボ
トムの間の厚みは約7μmであった。
【0054】前記形成したレンズの厚みのばらつきを5
点評価したところ7±0.3μmであり誤差は±4.3
%であった。焦点距離を測定したところ430±21μ
mであり誤差は±4.9%であった。さらにこの材料の
波長400nmから2500nmの光の透過性を評価し
たところ通信帯の波長域で問題となるような吸収はない
ことを確認した。また基板との密着性もよく切断や洗浄
時にも基板からのレンズの剥離はなかった。上記のマイ
クロレンズについて、300℃で2時間保持する耐熱試
験を行った後、室温に戻して、亀裂(クラック)の発生
の有無を観察して耐熱性を評価した。その結果、レンズ
および基板に亀裂や剥離は生じず、すべてのレンズの焦
点距離は耐熱試験前と変わらなかった。
【0055】このように本実施例においては光触媒活性
層の上にFASのような撥水性を示す材料を塗布した
後、光照射することで光照射部と未照射部のパターンを
形成し、その光照射部、未照射部および加水分解、縮重
合可能な加水分解性化合物を含有するレンズ形成材料の
各表面エネルギーの差を利用してレンズを形成するもの
である。このとき特定のレンズ形成材料を用いた場合に
は、均一膜厚で成膜し乾燥および加熱することにより一
旦固体状であったレンズ形成材料が液滴状態になり表面
エネルギーが増加することによりレンズが形成される。
【0056】[実施例5] チタンを含有するフェニルシルセスキオキサンゾルの調
製と成膜およびレンズアレイの形成 フェニルトリエトキシシラン0.95モルをエタノール
1モルで希釈し、1.44重量%で塩化水素を溶解した
水4モルを加え、約30分間攪拌した。これに0.05
モルのチタンのアセト酢酸エチル錯体を加え、さらに約
30分攪拌し、チタンを含有するフェニルシルセスキオ
キサンゾルを得た。
【0057】[実施例6] チタン等を含有するフェニルシルセスキオキサンゾルの
調製と成膜およびレンズアレイの形成 フェニルトリエトキシシラン0.45モル、ジフェニル
ジエトキシシラン0.45モルをエタノール1モルで希
釈し、1.44重量%で塩化水素を溶解した水4モルを
加え、約30分間攪拌した。これに0.10モルのチタ
ンのアセト酢酸エチル錯体を加え、さらに約30分攪拌
し、チタン等を含有するフェニルシルセスキオキサンゾ
ルを得た。
【0058】[実施例7] メチルシルセスキオキサンを含有するフェニルシルセス
キオキサンゾルの調製と成膜およびレンズアレイの形成 フェニルトリエトキシシラン0.60モル、メチルトリ
エトキシシラン0.40モルをエタノール1.5モルで
希釈し、1.44重量%で塩化水素を溶解した水4モル
を加え、約30分攪拌し、メチルシルセスキオキサンを
含有するフェニルシルセスキオキサンゾルを得た。
【0059】実施例5〜7で得られたゾルを、実施例1
と同様の方法で、コーティング、乾燥し、200℃処理
により半球状のレンズを形成した。この時できたレンズ
部の材質および屈折率は表1に示す通りであった。実施
例1で作製したレンズの屈折率は1.53であり、実施
例5〜7では屈折率の制御が可能であることが示され
た。
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例番号 レンズ部の材質 レンズ屈折率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例5 フェニル基含有酸化ケイ素−酸化チタン重合体 1.55 実施例6 フェニル基含有酸化ケイ素−酸化チタン重合体 1.58 実施例7 メチル基およびフェニル基を含有する酸化ケイ素重合体 1.50 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0060】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
耐熱性が優れ、そして基板との密着性が優れたマイクロ
レンズアレイその他の光学素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例により得られたマイクロレ
ンズアレイの3次元表面プロファイルを示す斜視図。
【図2】 本発明の1実施例により得られたマイクロレ
ンズアレイのレンズ頂上で切断した断面プロファイルを
示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 忠永 清治 大阪府堺市長曾根町256−1 フローネ中 央401 (72)発明者 松田 厚範 大阪府河内長野市緑ヶ丘中町12−5 (72)発明者 河津 光宏 大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板 硝子株式会社内 (72)発明者 山本 博章 大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板 硝子株式会社内 (72)発明者 中村 浩一郎 大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板 硝子株式会社内 Fターム(参考) 2K009 BB02 CC03 CC09 CC42 DD02 DD06 EE02 FF00 4F204 AA36 AH48 AH75 AJ11 EA03 EA04 EB01 EB11 EK13 EK17 EK18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濡れ性の大きな区域と濡れ性の小さな区
    域とが規則的に配列されているパターン表面を成形表面
    として有する基材の該成形表面に光学素子形成用液状組
    成物を付着させ、次いで前記組成物を硬化して前記濡れ
    性の大きな区域で凸部が形成される光学素子の製造方法
    において、前記光学素子形成用液状組成物として加水分
    解と縮重合可能な加水分解性化合物およびその加水分解
    ・縮重合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化
    合物を含有する液を用いることを特徴とする光学素子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加水分解性化合物はケイ素、アルミ
    ニウム、ジルコニウム、チタン、スズおよびアンチモン
    よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素のアルコ
    キシドまたはキレート化合物である請求項1に記載の光
    学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液は前記加水分解性化合物として下
    記式(1)、 YnSiX4-n ・・(1) ここでYはアルキル基、ビニル基、アミノ基、エポキシ
    基、フェニル基またはベンジル基を示し、Xはそれぞれ
    独立にハロゲンまたはアルコキシル基を示し、nは0ま
    たは1である、で表されるケイ素化合物またはその加水
    分解・縮重合物を含有する請求項1に記載の光学素子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記式(1)におけるYがフェニル基ま
    たはベンジル基であり、Xがメトキシル基またはエトキ
    シル基であり、nが1である請求項3に記載の光学素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記液は、前記ケイ素化合物の他にさら
    に、前記加水分解性化合物として、チタンアルコキシ
    ド、ジルコニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキ
    シドおよびこれらのキレート化合物よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種の金属化合物またはその加水分解・
    縮重合物を含有する請求項3または4に記載の光学素子
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光学素子形成用液状組成物中のケイ
    素および金属元素の合計100モル%に対して、前記少
    なくとも1種の化合物がそのケイ素および金属元素のモ
    ル分率で表して30%以下含有される請求項5に記載の
    光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記液は、前記ケイ素化合物の他にさら
    に、前記加水分解性化合物として、下記式(2)、 R2SiQ2 ・・(2) ここでRはそれぞれ独立にアルキル基、ビニル基、アミ
    ノ基、エポキシ基、フェニル基またはベンジル基を示し
    そしてQはそれぞれ独立にハロゲンまたはアルコキシル
    基を示す、で表されるケイ素化合物またはその加水分解
    ・縮重合物を含有する請求項3〜6のいずれか1項に記
    載の光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記式(2)におけるRがフェニル基ま
    たはメチル基でありそしてQがメトキシル基またはエト
    キシル基である請求項7に記載の光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記光学素子形成用液状組成物中のケイ
    素および金属元素の合計100モル%に対して、前記式
    (2)で表されるケイ素化合物またはその加水分解・縮
    重合物がそのケイ素のモル分率で表して50%以下含有
    される請求項7または8に記載の光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記付着は前記液状組成物を前記基材
    の成形表面の全面に塗布することにより行い、次いでそ
    の塗布後に100℃〜300℃で加熱して液状組成物を
    前記濡れ性の大きな区域に集合させる請求項1〜9のい
    ずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基材の成形表面のパターンは、基
    材の表面に光触媒活性の酸化物の層およびその上に光触
    媒作用で分解する撥水性基を有する化合物の光透過性層
    を形成し、次いでフォトマスクを通して光照射すること
    により形成される請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の光学素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記基材の成形表面のパターンは、基
    材の表面に光触媒活性の酸化物および光触媒作用で分解
    する撥水性基を有する化合物を含有する層を形成し、フ
    ォトマスクを通して光照射することにより形成する請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の光学素子の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記光触媒活性の酸化物は酸化チタン
    であり、前記撥水性基を有する化合物はフルオロアルキ
    ルトリアルコキシシランまたはその加水分解、縮重合物
    である請求項11または12に記載の光学素子の製造方
    法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016579A (ja) * 2004-07-05 2006-01-19 Sharp Corp 成膜用含水組成物、光学素子の製造方法及び光学素子
JP2009505936A (ja) * 2005-08-31 2009-02-12 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 構造化ゾル・ゲル層の製造方法
JP2013512130A (ja) * 2009-11-30 2013-04-11 アメリカ合衆国 RuO2コーティング

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