JP2003178431A - 垂直二層パターンド媒体およびその製造方法 - Google Patents

垂直二層パターンド媒体およびその製造方法

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JP2003178431A
JP2003178431A JP2001377773A JP2001377773A JP2003178431A JP 2003178431 A JP2003178431 A JP 2003178431A JP 2001377773 A JP2001377773 A JP 2001377773A JP 2001377773 A JP2001377773 A JP 2001377773A JP 2003178431 A JP2003178431 A JP 2003178431A
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JP2001377773A
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Shunji Takenoiri
俊司 竹野入
Yasushi Sakai
泰志 酒井
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種磁気記録装置に搭載される垂直二層パタ
ーンド媒体において、低コスト化および高スループット
化に加えて、媒体の記録分解能の向上、高記録密度化を
実現する。 【解決手段】 非磁性基体(例えば、ガラス基板)41
上に軟磁性裏打ち層42を成膜した後(a)、PMMA
等の熱可塑性樹脂の膜47をコーティングし(b)、ス
タンパ49を用いた加熱・加圧による成形で樹脂膜47
に微細なパターンを転写後(c)、このパターンの凹部
中に磁気記録層44を埋め込むことで、垂直二層パター
ンド媒体を製造する(d,e,f)。これにより、低コ
スト、高スループットでパターンド媒体が製造可能にな
るだけでなく、困難と考えられていた垂直二層媒体のパ
ターンド媒体化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種磁気記録装置
に搭載される垂直二層パターンド媒体およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化を実現する技術とし
て、従来の長手磁気記録方式に代えて、垂直磁気記録方
式が注目されつつある。垂直磁気記録媒体は主に、硬質
磁性材料の磁気記録層、この磁気記録層の表面を保護す
る保護膜、そしてこの記録層への記録に用いられる磁気
ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材
料の裏打ち層から構成されている。一方、垂直磁気記録
媒体よりも更に高密度化を狙う技術としてパターンド媒
体がある。このパターンド媒体は、磁気記録層に規則的
に微細なパターンを施すもので、磁気的に分離されたb
it(ビット)を規則的に配置することで、超高密度記
録を達成しようという試みのものである。
【0003】図1に従来の典型的なパターンド媒体の作
製方法を示す。以下、図1を参照してパターンド媒体の
作製方法についてを説明する。まず、(a) 非磁性基体1
2上に磁気記録層11を成膜する。次に、(b) 磁気記録
層11の表面にレジスト13を塗布し、(c) レジスト1
3に対し電子線リソグラフィによりパターンを描画す
る。引き続いて、(d) このパターンに対し、図示のよう
にマスク膜14を成膜するが、この膜は後で行うRIE
(Reactive Ion Etching:反応性イオン・エッチング)
によりエッチングされない材質を選ぶ。次に、(e) レジ
ストを取り除き、(f) マスクされていない部分をRIE
により取り除く。最後に、(g) マスク膜を取り除くと、
非磁性基体12上にパターニングされた磁気記録層11
が残る。
【0004】このようなパターンド媒体は、超高密度記
録が狙えるばかりではなく、サーボ信号の埋め込みにも
応用できる。
【0005】パターンド媒体の技術を垂直磁気記録媒体
に適用することにより、超高密度記録が可能になると考
えられるが、実用化を考えた場合、一見してわかるよう
に、上記のような半導体作製工程のようなプロセスは生
産性が低く、コスト高に繋がる。そのため、コストをで
きるだけ低く抑えることができる簡易なプロセスが望ま
れている。
【0006】これに対し、より生産性の高い方法とし
て、射出成形等により予めパターンが埋め込まれたプラ
スチック基板、プレスによりパターンを転写した金属基
板、あるいはポーラスアルミナのような多孔質体を基板
として用いて、パターン内や細孔内に磁気記録膜を埋め
込むことでパターンド媒体を達成しようという試みがあ
る。
【0007】しかしながら、これら後者の方法は、図1
の半導体的プロセスよりも簡易ではあるが、解決すべき
点が2点挙げられる。その一つは、上記の方法ではパタ
ーンド媒体用の基板としての平面度、平坦度を出すこと
が困難であるという点である。磁気ヘッドの浮上量が1
0nmを切ろうとしている現在では、例えばガラス基板
に要求されるスペックは、平均荒さ(Ra)は0.5n
m以下、平坦度4μm以下、平均ウネリ(Wca)が0.
8nm以下と非常に厳しいものとなっており、プラスチ
ックやプレスにより歪みを加えられた金属基板、あるい
は多孔質体でこのスペックを満たすことは大変困難であ
る。
【0008】その2点目としては、垂直磁気記録媒体特
有の軟磁性裏打ち層に関連した問題がある。垂直磁気記
録媒体における軟磁性裏打ち層は、磁気ヘッドの一部と
も言われており、記録に際しては、磁気ヘッドが発生す
る磁束が広がらないようにして引き込み、更にその磁束
を磁気ヘッドにリターンさせる役割を持つ。予めパター
ニングされた基板、あるいは細孔を持つ基板に軟磁性裏
打ち層を成膜すると、軟磁性裏打ち層もパターンあるい
は細孔により磁気的に分断されることになる。これによ
り、磁束のリターンパスを充分に確保できなくなるばか
りでなく、磁壁がパターンあるいは細孔内でしか動けな
くなるため軟磁気特性が劣化し、これらが原因で磁気ヘ
ッドの記録能力が低下する。実際、これらの方法は、垂
直二層パターンド媒体については、報告されておらず、
軟磁性裏打ち層を設けない単層媒体を用いて基礎的な検
討がなされているというのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたようによう
に、図1に示した従来技術は、描画に電子線リソグラフ
ィを用いることで微細なパターンを形成することが可能
であることから、高密度記録が可能なパターンド媒体の
製造という観点からは優れた方法であると言えるが、大
量生産を考えた場合、現実的な製造方法とは言えない。
また、予めパターニングされた基板を用いる従来技術の
場合には、基板自体が媒体基板としての平面度、平坦度
等のスペックを満たすことが難しいことに加え、パター
ン内あるいは細孔内に、軟磁気特性を劣化させることな
く軟磁性裏打ち層を埋め込むことは不可能である。
【0010】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みてなされたものであって、その目的は、軟磁性裏打ち
層を有する垂直磁気記録媒体に規則的で微細なパターン
を形成して成るパターンド媒体において、簡易で、
記録特性を低下させることなく軟磁性裏打ち層を付与す
ることが可能な製造方法と、その製造方法により製造さ
れた垂直二層パターンド媒体を提供することにより、低
コスト化および高スループット化に加えて媒体の記録分
解能の向上、高記録密度化といった媒体性能の向上を実
現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、垂直磁気記録媒体の磁気記録層が規則的
で微細なパターンによって磁気的に分離されている垂直
二層パターンド媒体の製造方法において、基板上に軟磁
性層まで成膜した後、熱可塑性樹脂をコーティングする
第1の工程と、加熱・加圧による成形で前記熱可塑性樹
脂に微細なパターンを転写する第2の工程と、前記パタ
ーンの凹部中に磁気記録層を埋め込む第3の工程とを有
することを特徴とする。
【0012】ここで、好ましくは、前記第2の工程は、
前記コーティングした熱可塑性樹脂をガラス転移点以上
に加熱する工程と、該加熱した熱可塑性樹脂に予め微細
なパターンを形成したスタンパを押し付けてパターンを
転写することにより、熱可塑性樹脂膜に微細なパターニ
ングを行う工程とを含む。
【0013】また、好ましくは、前記第1の工程と前記
第2の工程において、前記熱可塑性樹脂の膜にパターン
を形成する時の凹部の深さが、シード層、下地層、中間
層など磁気記録層の磁化容易軸を基板面に対して垂直方
向に配向させるために必要な層の合計膜厚よりも深く、
該シード層、下地層、中間層など磁気記録層の磁化容易
軸を基板面に対して垂直方向に配向させるために必要な
層、および磁気記録層の合計膜厚以下となるように、前
記熱可塑性樹脂の膜厚、前記加熱の温度、前記成形の圧
力等を調整する。
【0014】また、好ましくは、前記第3の工程は、前
記パターンを形成した熱可塑性樹脂上に、シード層、下
地層、中間層など磁気記録層の磁化容易軸を基板面に対
して垂直方向に配向させるために必要な層、および磁気
記録層を成膜する工程と、前記磁気記録層を成膜後、媒
体表面を研磨することにより、熱可塑性樹脂に形成され
たパターンの凸部の高さよりも上部にある膜を除去して
平坦な表面を得る工程とを含む。
【0015】また、好ましくは、前記磁気記録層を成膜
後、媒体表面を研磨する工程で、金属と樹脂の研磨レー
トの違いを利用して前記研磨の終点を検知する。
【0016】また、上記目的を達成するため、本発明
は、垂直磁気記録媒体の磁気記録層が規則的で微細なパ
ターンによって磁気的に分離されている垂直二層パター
ンド媒体であって、基板上に軟磁性層まで成膜した後、
該軟磁性層上にコーティングされた熱可塑性樹脂と、加
熱・加圧による成形で前記熱可塑性樹脂に転写された微
細なパターンと、前記熱可塑性樹脂の前記パターンの凹
部中に埋め込まれた磁気記録層とを有することを特徴と
する。
【0017】ここで、好ましくは、前記熱可塑性樹脂
は、ガラス転移点以上に加熱された後、予め微細なパタ
ーンを形成したスタンパが押し付けられることにより、
前記微細なパターンが転写されている。
【0018】また、好ましくは、前記熱可塑性樹脂の膜
に形成された前記パターンの凹部の深さが、シード層、
下地層、中間層など磁気記録層の磁化容易軸を基板面に
対して垂直方向に配向させるために必要な層の合計膜厚
よりも深く、該シード層、下地層、中間層など磁気記録
層の磁化容易軸を基板面に対して垂直方向に配向させる
ために必要な層、および磁気記録層の合計膜厚以下であ
る。
【0019】また、好ましくは、前記パターンの凹部中
に、シード層、下地層、中間層など磁気記録層の磁化容
易軸を基板面に対して垂直方向に配向させるために必要
な層、および前記磁気記録層が埋め込まれている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0021】図2に一般的な垂直記録媒体の模式的な断
面構造を示し、図3に本発明の一実施形態の垂直二層パ
ターンド媒体の模式的な断面構造を示す。図2と図3を
比較しながら、本発明に係る垂直二層パターンド媒体の
構成と製造方法について説明する。
【0022】図2の一般的な垂直記録媒体20は、非磁
性基体21の上に、軟磁性裏打ち層22、下地層23、
磁気記録層24、保護膜25、および液体潤滑材層26
を順次堆積している。一方、図3の本発明の垂直二層パ
ターンド媒体30は、非磁性基体31とその上に設けら
れる軟磁性裏打ち層32までは、図2の一般的な垂直磁
気記録媒体20と全く同様の構成である。
【0023】しかし、図2の一般的な垂直磁気記録媒体
20では、軟磁性裏打ち層22の上に下地層23、磁気
記録層24と順次積層されるが、本発明の垂直二層パタ
ーンド媒体30では、軟磁性裏打ち層32の上にパター
ニングされたプラスチック膜37が積層され、そのプラ
スチック膜37のパターンの凹の部分に下地層33、磁
気記録層34が順次積層されるという相違がある。
【0024】引き続いて順次積層される保護膜35(2
5)、液体潤滑材層36(26)については、本発明に
係る垂直二層パターンド媒体30と一般的な垂直記録媒
体20は、全く同様である。
【0025】このように、本発明に係る垂直二層パター
ンド媒体30は、軟磁性裏打ち層32上にパターニング
されたプラスチック膜37が存在し、その凹の部分に下
地層33および磁気記録層34が存在することを特徴と
する。
【0026】そして、このような垂直二層パターンド媒
体30を次のような工程により製造する。 (1) 媒体基板31上に軟磁性裏打ち層32を成膜す
る。 (2) 続いて、軟磁性裏打ち層32の上にプラスチック
の薄膜37をコーティングする。 (3) 加熱下で、凹凸を形成したスタンパ(型)をプラ
スチックの薄膜37に押し付けて、プラスチック膜37
に微細なパターンを転写する。 (4) プラスチック膜37のパターンの凹凸上に下地層
33、磁気記録層34を順次成膜する。 (5) 研磨によりプラスチック膜37のパターンの凸上
に形成された下地層33、磁気記録層34を除去する。
【0027】(6) その上に、保護膜35、液体潤滑材
層36を順次積層する。
【0028】上記(3)の「プラスチックに型を押し付
けて微細なパターンを形成する」という方法は、例えば
コンパクトディスク(CD)において既に量産に適用さ
れており、低コストでスループットの高い方法としてよ
く知られている。また、この方法を用いて、更に微細な
数十nmオーダーのパターンを形成する方法について
も、実用化はされていないものの、既に検討されている
(Stephen Y. Chou, Peter R. Krauss and Preston J.
Renstrom, Science, 272, pp85-87 (1996))。
【0029】以上述べた製造工程を採用したことによ
り、以下のような利点が得られる。
【0030】(a) 電子線リソグラフィやX線リソグラフ
ィのように微細加工が可能な方法を用いて一旦スタンパ
を製作すれば、あとは転写によりパターンを形成できる
ことから、個々の媒体に微細加工を施す必要がなく、大
量生産に適している。 (b) 軟磁性裏打ち層の軟磁気特性を損ねることなく、ま
た軟磁性裏打ち層に加工等によるダメージを一切与える
ことなく垂直二層パターンド媒体を作製することが可能
である。 (c) 媒体用の基板上にプラスチックの薄膜を形成してそ
こにパターニングするので、平坦度、平面度等で媒体基
板としてのスペックを満たす表面が容易に得られる。 (d) 研磨により凸上に成膜された磁気記録層を除去して
平坦な表面を得る際に、研磨面がプラスチック膜の凸表
面に達すると研磨レートが極端に遅くなることから、研
磨の終点を容易に検知できる。
【0031】次に、本発明の垂直二層パターンド媒体3
0の構成要素の材質について説明する。まず、非磁性基
体31としては、表面が平滑である様々な基体であって
よく、例えば、磁気記録媒体用に用いられる、NiPメ
ッキを施したAl合金や、強化ガラス、結晶化ガラス等
を用いることができる。また、軟磁性裏打ち層32とし
ては、結晶のFeTaC、センダスト(FeSiAl)
合金等、また非晶質のCo合金であるCoZrNb、C
oTaZrなどを用いることができる。軟磁性裏打ち層
32の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性
によって最適値が変化するが、おおむね10nm以上5
00nm以下程度であることが、生産性との兼ね合いか
ら望ましい。
【0032】パターニングされたプラスチック膜37と
しては、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸
メチル(PMMA)、あるいはポリエステル系、ポリオ
レフィン系材料等の熱可塑性樹脂を用いることができ
る。
【0033】下地層33には、磁気記録層34の磁化容
易軸を膜面に対して垂直の方向に配向させることができ
る材料が選択され、例えばTi,TiCr等のTi系合
金やRu,Ptなどの材料を用いることが出来る。磁気
記録層34は少なくともCoとCrを含む合金の強磁性
材料が好適に用いられ、その六方細密充填構造のc軸が
膜面に垂直方向に配向していることが垂直磁気記録媒体
として用いるために必要である。磁気記録層34として
は、CoCrPt,CoCrTa,CoCrPtB,C
oCrPtNb,CoCrPtTaなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0034】保護膜35は、例えばカーボンを主体とす
る薄膜が用いられる。その他、保護膜35は、磁気記録
媒体の保護膜として一般的に用いられる様々な薄膜材料
を使用しても良い。液体潤滑材層36は、例えばパーフ
ルオロポリエーテル系の潤滑剤を用いることができる。
その他、磁気記録媒体の液体潤滑材層36の材料として
一般的に用いられる様々な潤滑材料を使用しても良い。
【0035】非磁性基体31の上に積層される各層は、
磁気記録媒体の分野で通常用いられる様々な成膜技術に
よって形成することが可能である。プラスチック膜37
および液体潤滑材層36を除く各層の形成には、例えば
DCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロン
スパッタリング法、真空蒸着法を用いることが出来る。
また、プラスチック膜および液体潤滑材層の形成には、
例えばディップ法、スピンコート法を用いることができ
る。しかし、これらに限定されるものではない。
【0036】
【実施例】更に、本発明に係る垂直磁気記録媒体の実施
例を詳細に説明する。ただし、本発明はそれら実施例に
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0037】[第1の実施例]図4は、本実施例の第1
の実施例における垂直二層パターンド媒体の製造工程を
示す模式的な断面図である。以下、図4を参照して、本
発明に係る垂直二層パターンド媒体の製造方法について
説明する。
【0038】(a) 非磁性基体として表面が平滑な化学強
化ガラス基板41(例えばHOYA社製N−10ガラス
基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、
Co 5Zr8Nbターゲットを用いてCoZrNb軟磁
性裏打ち層42を200nm成膜した。 (b) 次に、その基板をスパッタ装置から取り出し、クロ
ロホルムに溶解したPMMA(ポリメタクリル酸メチ
ル)の膜47をスピンコートにより50nm成膜した。
なおこの時、溶液内に含まれるPMMAの濃度は0.3
wt%とした。 (c) 次に、基板およびスタンパ49を190℃まで加熱
し、スタンパ49を15MPaの圧力で基板上に押し付
け、100℃まで冷却した後、離型した。なお、スタン
パ49には電子ビームリソグラフィを用いてφ100n
mのパターンが形成されている。(b) および(c) におい
ては、PMMA膜47にパターンを形成する時の凹部の
深さが、「下地層+中間層の膜厚」よりも深く、「下地
層+中間層+磁気記録層の膜厚」以下となるように、P
MMA膜厚、加熱温度、成形圧力を調整している。
【0039】次に基板を再びスパッタ装置内に導入し、
(d) Ni15Fe25Crターゲットを用いてNiFe
Cr下地層43を10nm、Ruターゲットを用いて、
Arガス圧4.0Pa下でRu中間層48を10nm、
Co20Cr10Ptターゲットを用いてCoCrPt
磁気記録層44を35nm、順次成膜した。その後、再
び真空装置から取り出し、 (e) ダイヤモンドスラリを用いてパターンの凸上に成膜
された磁気記録層等43、48、44を除去した。この
時の研磨量はレーザー変位計によりモニターし、変位量
の変化が急激に落ちたところを終点とした。引き続い
て、これを洗浄して、スパッタ装置内に導入し、 (f) カーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護
膜45を10nm成膜後、真空装置から取り出した。そ
の後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層
46を2nmだけディップ法により形成し、垂直二層パ
ターンド媒体とした。
【0040】なお、CoZrNb軟磁性裏打ち層42、
NiFeCr下地層43、CoCrPt磁気記録層44
およびC保護膜45の成膜はすべてArガス圧0.67
Pa下で行い、真空装置内における全ての成膜はDCマ
グネトロンスパッタリング法により行なった。
【0041】完成した垂直二層パターンド媒体の表面が
媒体として適切かどうかを判断するため、Glide
height(グライド・ハイト)試験を実施した。こ
の試験は、媒体を回転させ、その上に試験用のヘッドを
飛ばして突起やパーティクルの有無を調べるもので、突
起、パーティクル、大きなウネリ等があるとヘッドが衝
突してこれらを検知するというものである。試験条件
は、周速7m/s、Glide height12.5
nmで行った。その結果、合格率は20%であった。今
回の媒体の製作は試作ラインを使用して行っているが、
試作ラインでは製造ラインと異なり、媒体の運搬を人が
行うなど、完全に自動化されておらず、通常の媒体でも
Glide heightの合格率は20〜25%程度
である。つまり、本実施例の垂直二層パターンド媒体
は、通常の媒体と同程度の合格率が得られている。
【0042】次いで、完成した垂直パターンド媒体の磁
気特性を磁気光学的カー(Kerr)効果(外部磁界を
印加しながら、反射光の偏向面の回転角を測定)を用い
て評価した。その結果は、後述の「比較結果」の項に記
述する。
【0043】[第1の比較例]非磁性基体として表面が
平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−1
0ガラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に
導入し、Co5Zr8Nbターゲットを用いてCoZr
Nb軟磁性裏打ち層を200nm成膜した。
【0044】次に、Ni15Fe25Crターゲットを
用いてNiFeCr下地層を5nm、Ruターゲットを
用いて、Arガス圧4.0Pa下でRu中間層を5n
m、Co20Cr10Ptターゲットを用いてCoCr
Pt磁気記録層を30nm、順次成膜した。最後に、カ
ーボンターゲットを用いてカーボンからなる保護膜10
nmを成膜後、真空装置から取り出した。
【0045】その後、パーフルオロポリエーテルからな
る液体潤滑材層2nmをディップ法により形成し、垂直
二層媒体とした。
【0046】なお、真空装置内における全ての成膜はD
Cマグネトロンスパッタリング法により行い、Ru中間
層を除く各層の成膜は、Arガス圧0.67Pa下で実
施した。すなわち、本比較例に係る垂直二層媒体は、パ
ターニングされたプラスチック膜を用いていないこと以
外は、第1の実施例と全く同一の材料およびプロセスに
て作製した。
【0047】[比較結果]図5、図6は、完成した垂直
パターンド媒体の磁気特性を磁気光学的カー効果を用い
て評価した結果であり、図5に上記第1の比較例に係る
垂直二層媒体のヒステリシスループを、図6に上記本発
明の第1の実施例に係る垂直二層パターンド媒体のヒス
テリシスループを示す。
【0048】通常の垂直媒体の成膜方法とは異なり磁気
記録層を室温で成膜しているため、パターニングしない
第1の比較例の場合は、図5に示すように、粒間相互作
用が強タイプのヒステリシスループになり、Hcは低く
なる。
【0049】これに対し、図6のパターニングしている
本発明の第1の実施例の場合では、ループが傾き、粒間
相互作用が比較的切れたタイプのヒステリシスとなって
おり、Hcも図5の約63.7[kA/m]から、倍以
上の約159.2[kA/m]に上昇している。これ
は、パターニングにより、それぞれのbitが磁気的に
分離されていることを示している。
【0050】以上のように、本発明による垂直二層パタ
ーンド媒体では、媒体に必要な表面を得ることが可能で
あることがわかった。また磁気特性から、それぞれのb
itが分離していて、パターニングが有効に機能してい
ることも証明された。
【0051】[第2の実施例]本発明の第2の実施例と
して、図4の膜47のプラスチック材料としてPC(ポ
リカーボネート)を使用し、これをスピンコートにより
軟磁性裏打ち層42上に100nm成膜した以外は、上
記の第1の実施例と全く同様にして垂直二層パターンド
媒体を作製した。なお、スピンコートにはジクロロメタ
ン中に溶解したPCを用い、溶液内に含まれるPCの濃
度は0.25wt%とした。また、プレスによるパター
ン転写時の条件は、基板およびスタンパの加熱温度を2
00℃、転写圧力は15MPaとした。
【0052】上記の第1の実施例と同様の条件でGli
de height試験を実施したところ、150枚中
28枚が試験をパスし、合格率は約19%であった。こ
れは、第1の実施例と同様に、試作ラインとしては通常
の媒体とほぼ同程度の合格率であり、媒体として十分平
坦な表面が得られていることがわかる。
【0053】また、磁気光学的カー(kerr)効果に
より磁気特性を評価したところ、Hc=約174.3
[kA/m]、S=0.95が得られ、パターン中に埋
め込まれた磁気記録層が磁気的に分離されていることが
確認された。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体的製法の従来技術と比較して、低コストかつ高ス
ループットでパターンド媒体を製造することが可能にな
る。
【0055】また、予めパターンや細孔を形成した基板
を用いて磁気記録層をパターンあるいは細孔内に埋め込
むことでパターンド媒体を作成する従来技術の場合に
は、軟磁性裏打ち層までパターニングされてしまい、軟
磁気特性が劣化してしまうが、本発明によれば、軟磁性
裏打ち層の特性を損ねることなく、垂直二層パターンド
媒体が作製できる。
【0056】これにより、本発明によれば、ヘッドの記
録分解能を低下させることなく、パターンド媒体が実現
され、磁気記録媒体の高記録密度化が達成されるという
顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の典型的なパターンド媒体の製造工程を示
す断面模式図である。
【図2】一般的な垂直二層媒体の構成を示す断面模式図
である。
【図3】本発明による垂直二層パターンド媒体の構成を
示す断面模式図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る垂直二層パターン
ド媒体の製造工程を示す断面模式図である。
【図5】第1の比較例に係る垂直二層媒体のヒステリシ
スループを示す特性図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る垂直二層パターン
ド媒体のヒステリシスループを示す特性図である。
【符号の説明】
11 磁気記録層 12 非磁性基体 13 レジスト 14 マスク膜 21 非磁性基体 22 軟磁性裏打ち層 23 下地層 24 磁気記録層 25 保護膜 26 液体潤滑材層 31 非磁性基体 32 軟磁性裏打ち層 33 下地層 34 磁気記録層 35 保護膜 36 液体潤滑材層 37 パターニングされたプラスチック膜 41 非磁性基体(化学強化ガラス基板) 42 軟磁性裏打ち層 43 下地層 44 磁気記録層 45 保護膜 46 液体潤滑材層 47 プラスチック膜(PMMA膜) 48 中間層 49 スタンパ
フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 CA01 CA03 CA05 DA03 DA08 EA03 FA09 5D112 AA03 AA04 AA05 AA18 AA24 BA10 BB05 BD01 BD03 FA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直磁気記録媒体の磁気記録層が規則的
    で微細なパターンによって磁気的に分離されている垂直
    二層パターンド媒体の製造方法において、 基板上に軟磁性層まで成膜した後、熱可塑性樹脂をコー
    ティングする第1の工程と、 加熱・加圧による成形で前記熱可塑性樹脂に微細なパタ
    ーンを転写する第2の工程と、 前記パターンの凹部中に磁気記録層を埋め込む第3の工
    程とを有することを特徴とする垂直二層パターンド媒体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程は、 前記コーティングした熱可塑性樹脂をガラス転移点以上
    に加熱する工程と、 該加熱した熱可塑性樹脂に予め微細なパターンを形成し
    たスタンパを押し付けてパターンを転写することによ
    り、熱可塑性樹脂膜に微細なパターニングを行う工程と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の垂直二層パタ
    ーンド媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程と前記第2の工程におい
    て、 前記熱可塑性樹脂の膜にパターンを形成する時の凹部の
    深さが、シード層、下地層、中間層など磁気記録層の磁
    化容易軸を基板面に対して垂直方向に配向させるために
    必要な層の合計膜厚よりも深く、該シード層、下地層、
    中間層など磁気記録層の磁化容易軸を基板面に対して垂
    直方向に配向させるために必要な層、および磁気記録層
    の合計膜厚以下となるように、前記熱可塑性樹脂の膜
    厚、前記加熱の温度、前記成形の圧力等を調整すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の垂直二層パター
    ンド媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程は、 前記パターンを形成した熱可塑性樹脂上に、シード層、
    下地層、中間層など磁気記録層の磁化容易軸を基板面に
    対して垂直方向に配向させるために必要な層、および磁
    気記録層を成膜する工程と、 前記磁気記録層を成膜後、媒体表面を研磨することによ
    り、熱可塑性樹脂に形成されたパターンの凸部の高さよ
    りも上部にある膜を除去して平坦な表面を得る工程とを
    含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の垂直二層パターンド媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記磁気記録層を成膜後、媒体表面を研
    磨する工程で、金属と樹脂の研磨レートの違いを利用し
    て前記研磨の終点を検知することを特徴とする請求項4
    に記載の垂直二層パターンド媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 垂直磁気記録媒体の磁気記録層が規則的
    で微細なパターンによって磁気的に分離されている垂直
    二層パターンド媒体であって、 基板上に軟磁性層まで成膜した後、該軟磁性層上にコー
    ティングされた熱可塑性樹脂と、 加熱・加圧による成形で前記熱可塑性樹脂に転写された
    微細なパターンと、 前記熱可塑性樹脂の前記パターンの凹部中に埋め込まれ
    た磁気記録層とを有することを特徴とする垂直二層パタ
    ーンド媒体。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移点以上
    に加熱された後、予め微細なパターンを形成したスタン
    パが押し付けられることにより、前記微細なパターンが
    転写されていることを特徴とする請求項6に記載の垂直
    二層パターンド媒体。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂の膜に形成された前記
    パターンの凹部の深さが、シード層、下地層、中間層な
    ど磁気記録層の磁化容易軸を基板面に対して垂直方向に
    配向させるために必要な層の合計膜厚よりも深く、該シ
    ード層、下地層、中間層など磁気記録層の磁化容易軸を
    基板面に対して垂直方向に配向させるために必要な層、
    および磁気記録層の合計膜厚以下であることを特徴とす
    る請求項6または7に記載の垂直二層パターンド媒体。
  9. 【請求項9】 前記パターンの凹部中に、シード層、下
    地層、中間層など磁気記録層の磁化容易軸を基板面に対
    して垂直方向に配向させるために必要な層、および前記
    磁気記録層が埋め込まれていることを特徴とする請求項
    6ないし8のいずれかに記載の垂直二層パターンド媒
    体。
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