JP2004062995A - 垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法並びに垂直磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平坦性、パターニング精度および機械的強度に優れた垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法、並びに、その基板を用いた垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】アルミやガラス等の支持基板(支持層)上に、ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性樹脂の表面層を積層し、この表面層を加熱して所望の凹凸パターンを形成済みのスタンパを押し付けてそのパターンを転写させて垂直磁気記録媒体用基板とした。また、この基板の表面層の全面に磁性層を成膜した後に表面層の凸部上の磁性層を除去し、表面層の凹部にのみ、六方細密充填構造の金属或いはその合金若しくは面心立方格子構造の金属或いはその合金からなる下地層およびCoCrPt系磁気記録層、グラニュラ磁気記録層、RE−TM系合金層或いはCo/PtまたはCo/Pdの積層膜等の磁気記録層を形成して垂直磁気記録媒体とした。
【選択図】 図1
【解決手段】アルミやガラス等の支持基板(支持層)上に、ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性樹脂の表面層を積層し、この表面層を加熱して所望の凹凸パターンを形成済みのスタンパを押し付けてそのパターンを転写させて垂直磁気記録媒体用基板とした。また、この基板の表面層の全面に磁性層を成膜した後に表面層の凸部上の磁性層を除去し、表面層の凹部にのみ、六方細密充填構造の金属或いはその合金若しくは面心立方格子構造の金属或いはその合金からなる下地層およびCoCrPt系磁気記録層、グラニュラ磁気記録層、RE−TM系合金層或いはCo/PtまたはCo/Pdの積層膜等の磁気記録層を形成して垂直磁気記録媒体とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法並びに垂直磁気記録媒体およびその製造方法に関し、より詳細には、平坦性、パターニング精度および機械的強度に優れた垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法並びにその基板を用いた垂直磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、磁気記録媒体はサーボライタによって書き込まれたサーボ信号により、アドレス情報が与えられる。従って、高記録密度化を目的として記録トラック幅の狭小化を行う場合には、サーボ信号やトラックの高精度化が必要となってくる。そのためにはサーボライタと媒体駆動装置との間の高い位置精度が求められるために装置が高価格となることに加え、サーボライタによるサーボ信号の書き込みには媒体1枚につき数分間を要する。これらの制限は、磁気ディスクの量産性向上の障害となっている。
【0003】
このような問題点を克服するために、サーボ信号やトラックを予め媒体に備えるようにすることが提案されており、例えば、特開平5−6535号公報では、射出成型方法により金型のサーボパターンを転写したプラスチック基板を用いた記録媒体が提案されている。
【0004】
一方、高記録密度化については、例えば、特開平11−185291号公報では、表面に凹凸パターンを形成したシート状の基板上に記録層を形成した高密度化対応の記録媒体の発明が開示されており、さらなる高記録密度化のために、従来の連続膜型の磁気記録層にかえて、記録ビットが物理的に分離されたパターンド記録媒体が提案されている。
【0005】
典型的なパターンド媒体の作製方法は以下の通りである。
【0006】
まず、基板に連続膜磁気記録層を成膜し、その上にレジストを塗布して電子線リソグラフィによりパターンを描画する。次に、マスク膜を成膜した後、レジストを除去し、マスクされていない部分をRIE(Reactive Ion Etching)により取り除いた後にマスク膜を除去する。このような工程により、パターニングされた磁気記録層が得られる。
【0007】
このような方法により作製されたパターンド記録媒体は高記録密度化が達成されるものの、上述したような複雑な工程を必要とされるために生産性が低いという問題点がある。
【0008】
これに対して、より生産性に優れた記録媒体の作製方法としては、あらかじめ凹凸パターン化された基板のパターン内に磁性材料を埋め込むことでパターンド記録媒体とする方法がある。そのような基板としては、射出成型によってパターニングを施したプラスチック基板があり、射出成型によって簡便かつ安価にサーボパターン或いはビットパターンを形成することが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、射出成型によってプラスチック基板にパターニングを施す方法には、以下の2つの大きな問題があった。
【0010】
その1つは、高精度なパターンを転写しようとする場合には、金型温度と型締め圧を高く設定する必要があり、金型温度を高くすると、基板を金型から取り出して室温まで冷却させる際の温度差が大きくなって熱応力が基板に残留し基板の平坦性を低下させてしまうという問題がある。このことは、型締め圧を高くした場合についても同様である。すなわち、基板の平坦性を向上させることと基板に微細なパターンを転写させることとが両立しない。
【0011】
他の1つは、プラスチックという材料は、磁気記録媒体用基板として一般的に用いられているアルミやガラスに比ベて凹凸パターンの形成が容易である反面、その機械的強度が低く基板の薄型化が困難であるという問題である。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、平坦性、パターニング精度および機械的強度に優れた凹凸パターンド垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法、並びに、その基板を用いた垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、垂直磁気記録媒体用基板であって、少なくとも支持層と表面層とが順次積層された積層構造を有し、前記表面層は、凹凸パターンが形成された熱可塑性樹脂からなり、前記支持層は、前記表面層よりも融点、ガラス転移点及び機械強度が大きい材料からなることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の垂直磁気記録媒体用基板において、前記熱可塑性樹脂は、ポリカーボネートまたはポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体用基板において、前記支持層は、アルミまたはガラスであることを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項4に記載の発明は、垂直磁気記録媒体用基板の製造方法であって、支持層上に熱可塑性樹脂の表面層を積層するステップと、当該表面層を加熱して所望のパターンが形成されているスタンパを押し付けることにより凹凸パターンを転写するステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、垂直磁気記録媒体であって、凹凸パターンを有する熱可塑性樹脂の表面層と、当該表面層よりも融点、ガラス転移点及び機械強度が大きい材料からなる支持層とが積層されており、前記表面層の凹凸パターンの凹部にのみ、下地層と磁気記録層とが順次積層されていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の垂直磁気記録媒体において、前記下地層は、六方細密充填構造の金属或いはその合金、若しくは、面心立方格子構造の金属或いはその合金からなることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、CoCrPt系磁気記録層、グラニュラ磁気記録層、RE−TM系合金層、或いは、Co/PtまたはCo/Pdの積層膜の何れかであることを特徴とする。
【0020】
さらに、請求項8に記載の発明は、垂直磁気記録媒体の製造方法において、請求項1ないし3の何れかに記載の垂直磁気記録媒体用基板が備える表面層の全面に第1および第2の磁性層を順次成膜するステップと、前記表面層の凸部上の前記第1および第2の磁性層を除去して凹部にのみ前記第1の磁性層からなる下地層と前記第2の磁性層からなる磁気記録層とを形成するステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の垂直磁気記録媒体用基板の構成を説明するための図で、この基板は少なくとも2層以上の積層構造を有しており、図1には、支持基体(支持層)11と表面層12とからなる2層の積層構造の例が示されている。
【0023】
支持基体11は機械的強度の高い材料で構成することが好ましく、例えば、アルミやガラス等である。また、支持基体11の表面は平坦性に優れていることが好ましく、その平坦度は概ね10μm以下とされる。
【0024】
凹凸形状のパターニングが施される表面層12は熱可塑性樹脂で構成され、この熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート(PC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)の他、ポリエステル系やポリオレフィン系の材料を用いることが可能である。
【0025】
図2は、本発明の垂直磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図で、支持基体11の全面に表面層12を形成し、この表面層12にスタンパ13を押し付けることによりスタンパ13の凹凸形状を転写する。なお、支持基体11の全面に表面層12を形成する方法としては、例えば、スピンコート法やディップ法を用いることができ、また、パターンの凹凸形状はスタンパ13に施す凹凸形状により任意に設定することができる。
【0026】
図3は、本発明の垂直磁気記録媒体の構造を説明するための図で、この垂直磁気記録媒体は、図1に示した構成の垂直磁気記録媒体用基板の凹凸パターンの凹の部分には下地層14と磁気記録層15とが順次積層され、保護膜16と液体潤滑層17とが基板全面を覆うように積層されている。
【0027】
下地層14としては、例えば、六方細密充填構造の金属或いはその合金、若しくは、面心立方格子構造の金属或いはその合金が好ましい。そのような六方細密充填構造の金属としては例えばTi、Zr、Ru、Zn、Tc、Re等があり、面心立方格子構造の金属としては例えばCu、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Ni、Co等がある。また、下地層14の膜厚は薄い方が好ましいが、充分な結晶成長を行うために3nm以上であることが好ましい。なお、この下地層14は、異なる材料を複数積層して構成することも可能である。
【0028】
磁気記録層15としては、一般的に用いられているCoCrPt系磁気記録層の他、強磁性の結晶粒とその結晶粒を取り巻く非磁性非金属の粒界とを有するグラニュラ磁気記録層や、TbCo等のRE−TM系合金或いはCo/PtやCo/Pdの積層膜を用いることができる。なお、垂直磁気記録媒体として用いるためには、強磁性の結晶粒は膜面に対して垂直異方性をもつことが必要である。
【0029】
また、保護膜16には例えばカーボンを主体とする薄膜が用いられ、液体潤滑材層17には例えばパーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を用いることができる。
【0030】
下地層14、磁気記録層15、保護膜16の形成には、磁気記録媒体の作製に一般的に用いられる、真空蒸着法、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法などの成膜技術が利用可能であり、液体潤滑材層17の形成には、例えば、ディップ法やスピンコート法などを用いることができる。
【0031】
以下に、本発明の実施例および比較例について説明する。
(垂直磁気記録媒体用基板の実施例および比較例)
[実施例1]
非磁性の支持基体として、外径65mm、内径20mm、厚さ0.6mmの円盤状のガラスディスクを用い、これを洗浄後に、へキサンに溶解したPMMAをスピンコート法によりガラスディスク上に50nm形成して表面層とした。なお、このときのガラスディスクの平坦性は1μm、PMMAの濃度は0.5wt%とした。
【0032】
その後、真空加圧装置に導入し、支持基体とスタンパとを180℃になるまで加熱してスタンパにより圧力12MPaで表面層に型押してスタンパの凹凸パターンを転写した。その状態で100℃まで冷却した後に表面層とスタンパとを離型して真空加圧装置から取り出した。
【0033】
なお、本実施例で用いたスタンパには電子ビームリソグラフィを用いて、φ100nm、高さ50nmの円筒形の凹凸パターンが形成されている。
【0034】
[比較例1]
比較例として、熱可塑性樹脂材料としては実施例1と同様のPMMAを用い、外径65mm、内径20mmの円盤形状の熱可塑性樹脂ディスク(基板)を射出成型により形成した。この射出成型では、実施例1と同様のパターンを有する金型を用いている。なお、射出成型の際の樹脂温度は300℃とし、基板の厚さを0.6〜1.2mmまで変化させた。
【0035】
(垂直磁気記録媒体の実施例および比較例)
[実施例2]
実施例1で作製したものと全く同様の非磁性の基板を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、Ni15Fe27Crターゲットを用いてArガス圧5mTorr下でNiFeCr層を15nm成膜した。これに続いてRuターゲットを用い、Arガス圧30mTorr下でRu層を15nm成膜してNiFeCr/Ru積層下地層とした。その後、Co20Cr10Ptターゲットを用いてCoCrPt磁気記録層をArガス圧5mTorr下で25nm成膜した後スパッタ装置から取り出した。
【0036】
次に、ダイヤモンドスラリを用い、基板に備える表面層の凸部の最表面まで研磨することにより、凸部上のNiFeCr/Ru/CoCrPt各層を全て除去した。なお、研磨量はレーザ変位計でモニタし、変位量の変化が急激に落ちたところを終点とした。
【0037】
これを洗浄後、スパッタ装置内に導入し、カーボンターゲットを用いてArガス圧8mTorr下でカーボンからなる保護層6nmを成膜後、真空装置から取り出した。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層2nmをディップ法により形成してパターンド垂直磁気記録媒体とした。なお、下地層、磁気記録層、保護層の成膜は、DCマグネトロンスパッタリング法により行った。
【0038】
[比較例2]
実施例2で用いた基板のうち、厚さ0.6mmのものと全く同様の基板を用いた以外は全て実施例2と同様の条件でパターンド垂直磁気記録媒体を作製した。
【0039】
[比較例3]
実施例2で用いた基板のうち、厚さ1.2mmのものと全く同様の基板を用いた以外は全て実施例2と同様の条件でパターンド垂直磁気記録媒体を作製した。
【0040】
[比較例4]
非磁性の基板として、表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、Ni15Fe27Crターゲットを用いてArガス圧5mTorr下でNiFeCr層を15nm成膜した。これに続いて、Ruターゲットを用い、Arガス圧30mTorr下でRu層を15nm成膜し、NiFeCr/Ru積層下地層とした。
【0041】
さらに、Co20Cr10Ptターゲットを用いてCoCrPt磁気記録層をArガス圧5mTorr下で20nm成膜し、引き続いて、カーボンターゲットを用いてArガス圧8mTorr下でカーボンからなる保護層6nmを成膜後、真空装置から取り出した。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層2nmをディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。なお、下地層、磁気記録層、保護層の成膜は、DCマグネトロンスパッタリング法により行った。
【0042】
以下に、これらの各実施例及び比較例の評価結果について説明する。
【0043】
実施例1及び比較例1で得られた垂直磁気記録媒体用基板については、これらの基板の平坦度及びパターンの転写率について評価した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
ここで、平坦度は、基板中心から半径方向へ11mmから30mmまでの直線領域に関して基板表面形状の変位量を非接触光学式表面粗さ計にて真直度を求めた。具体的には、各基板について、円周方向に90°おきに4箇所の測定を行い、その中で最大の真直度をその基板面の平坦度とした。
【0046】
また、転写率は、パターンの設計値φ100nm×深さ50nmに対して、±5%以内の誤差を合格その他を不合格とし、評価したパターン100個のうち合格したパターンの割合を転写率とした。なお、この評価にはAFM(原子間力顕微鏡)を用いた。
【0047】
平坦度に関しては、実施例1の垂直磁気記録媒体用基板は、支持基体として用いたガラスディスクの平坦性をそのまま反映して1μmであった。比較例1の射出成型で作製したプラスチック基板は、板厚を厚くすると平坦度が小さくなる傾向が認められるものの、最も平坦性に優れる板厚1.2mmのものでも実施例1の垂直磁気記録媒体用基板に比べると非常に大きい。
【0048】
また、転写率に関しては、実施例1では100%の確率が得られたのに対し、比較例1では全ての板厚で80〜84%に留まっており、本発明の優位性が確認された。
【0049】
このように、本発明によれば、平坦性に優れ、かつ、パターンの転写性にも優れた垂直磁気記録媒体用基板が作製できることがわかる。また、射出成型により作製される熱可塑性樹脂基板では困難な薄型化が可能であることもわかる。
【0050】
実施例2及び比較例2〜4については、垂直磁気記録媒体の保磁力と、磁気ヘッドのGlide Hight特性(G.H.特性)について評価した。その結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
ここで、保磁力はVSMで得られたM‐Hループより求めた。G.H.特性試験は、回転させた媒体の上に試験用のへッドを飛ばし、媒体表面の突起、パーティクル、うねり等を検知するもので、試験条件は、周速7m/sec、G.H.12.5nmとし、各々100枚ずつ評価を行って合格率を求めた。
【0053】
まず、保磁力の評価結果について説明する。磁気記録層が連続膜になっている比較例4の垂直磁気記録媒体の保磁力は410Oeと小さく、磁性粒間の相互作用が非常に大きくなっていることがわかる。これに比ベ、磁気記録層がパターニングされている実施例2、比較例2及び3の垂直磁気記録媒体の各々は大きな保磁力を示している。このことから、実施例2、比較例2及び3の垂直磁気記録媒体の磁性粒間の相互作用が小さいこと、すなわちbitが物理的に分離していることが確認できる。
【0054】
ただし、比較例2と3の垂直磁気記録媒体の保磁力は、実施例2の垂直磁気記録媒体の保磁力に比ベて小さい。また、比較例2と3の垂直磁気記録媒体を比較すると、基板厚さの薄い比較例2の方が保磁力が小さい。
【0055】
この結果と上述の比較例2及び3の平坦性及びパターン転写率が低いことを併せて考えると、実施例1に比べ比較例2及び3では基板表面の平坦性が低いために研磨の正確度が低下して磁気的に繋がったビットが存在することや、パターンの転写率が低く形状にばらつきが多く存在することがわかる。
【0056】
G.H.試験特性の評価結果をみると、実施例1の垂直磁気記録媒体では、パターニングを施さない比較例4の垂直磁気記録媒体とほぼ同等の合格率であり、研磨等の工程を経た後でも優れた基板表面特性を示すことが分かる。これに対して、既に説明したように、基板作製後に平坦性の低い比較例2及び3の垂直磁気記録媒体は、この試験をほとんど合格することができないことから、パターンド記録媒体とした後もそれを反映した結果となることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、アルミまたはガラス等の支持基板(支持層)上に、ポリカーボネートまたはポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性樹脂の表面層を積層し、この表面層を加熱して所望のパターンが形成されているスタンパを押し付けて凹凸パターンを転写することとしたので、基板にとって重要な平滑性を確保しつつ表面に凹凸パターンを備えた垂直磁気記録媒体用基板を提供することができ、かつ、基板の薄型化も可能となる。
【0058】
また、本発明の垂直磁気記録媒体用基板を用いることにより、優れた表面形状のパターンド垂直磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の垂直磁気記録媒体用基板の構成を説明するための図である。
【図2】本発明の垂直磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図である。
【図3】本発明の垂直磁気記録媒体の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
11 支持基体
12 表面層
13 スタンパ
14 下地層
15 磁気記録層
16 保護膜
17 液体潤滑層
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法並びに垂直磁気記録媒体およびその製造方法に関し、より詳細には、平坦性、パターニング精度および機械的強度に優れた垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法並びにその基板を用いた垂直磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、磁気記録媒体はサーボライタによって書き込まれたサーボ信号により、アドレス情報が与えられる。従って、高記録密度化を目的として記録トラック幅の狭小化を行う場合には、サーボ信号やトラックの高精度化が必要となってくる。そのためにはサーボライタと媒体駆動装置との間の高い位置精度が求められるために装置が高価格となることに加え、サーボライタによるサーボ信号の書き込みには媒体1枚につき数分間を要する。これらの制限は、磁気ディスクの量産性向上の障害となっている。
【0003】
このような問題点を克服するために、サーボ信号やトラックを予め媒体に備えるようにすることが提案されており、例えば、特開平5−6535号公報では、射出成型方法により金型のサーボパターンを転写したプラスチック基板を用いた記録媒体が提案されている。
【0004】
一方、高記録密度化については、例えば、特開平11−185291号公報では、表面に凹凸パターンを形成したシート状の基板上に記録層を形成した高密度化対応の記録媒体の発明が開示されており、さらなる高記録密度化のために、従来の連続膜型の磁気記録層にかえて、記録ビットが物理的に分離されたパターンド記録媒体が提案されている。
【0005】
典型的なパターンド媒体の作製方法は以下の通りである。
【0006】
まず、基板に連続膜磁気記録層を成膜し、その上にレジストを塗布して電子線リソグラフィによりパターンを描画する。次に、マスク膜を成膜した後、レジストを除去し、マスクされていない部分をRIE(Reactive Ion Etching)により取り除いた後にマスク膜を除去する。このような工程により、パターニングされた磁気記録層が得られる。
【0007】
このような方法により作製されたパターンド記録媒体は高記録密度化が達成されるものの、上述したような複雑な工程を必要とされるために生産性が低いという問題点がある。
【0008】
これに対して、より生産性に優れた記録媒体の作製方法としては、あらかじめ凹凸パターン化された基板のパターン内に磁性材料を埋め込むことでパターンド記録媒体とする方法がある。そのような基板としては、射出成型によってパターニングを施したプラスチック基板があり、射出成型によって簡便かつ安価にサーボパターン或いはビットパターンを形成することが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、射出成型によってプラスチック基板にパターニングを施す方法には、以下の2つの大きな問題があった。
【0010】
その1つは、高精度なパターンを転写しようとする場合には、金型温度と型締め圧を高く設定する必要があり、金型温度を高くすると、基板を金型から取り出して室温まで冷却させる際の温度差が大きくなって熱応力が基板に残留し基板の平坦性を低下させてしまうという問題がある。このことは、型締め圧を高くした場合についても同様である。すなわち、基板の平坦性を向上させることと基板に微細なパターンを転写させることとが両立しない。
【0011】
他の1つは、プラスチックという材料は、磁気記録媒体用基板として一般的に用いられているアルミやガラスに比ベて凹凸パターンの形成が容易である反面、その機械的強度が低く基板の薄型化が困難であるという問題である。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、平坦性、パターニング精度および機械的強度に優れた凹凸パターンド垂直磁気記録媒体用基板およびその製造方法、並びに、その基板を用いた垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、垂直磁気記録媒体用基板であって、少なくとも支持層と表面層とが順次積層された積層構造を有し、前記表面層は、凹凸パターンが形成された熱可塑性樹脂からなり、前記支持層は、前記表面層よりも融点、ガラス転移点及び機械強度が大きい材料からなることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の垂直磁気記録媒体用基板において、前記熱可塑性樹脂は、ポリカーボネートまたはポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体用基板において、前記支持層は、アルミまたはガラスであることを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項4に記載の発明は、垂直磁気記録媒体用基板の製造方法であって、支持層上に熱可塑性樹脂の表面層を積層するステップと、当該表面層を加熱して所望のパターンが形成されているスタンパを押し付けることにより凹凸パターンを転写するステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、垂直磁気記録媒体であって、凹凸パターンを有する熱可塑性樹脂の表面層と、当該表面層よりも融点、ガラス転移点及び機械強度が大きい材料からなる支持層とが積層されており、前記表面層の凹凸パターンの凹部にのみ、下地層と磁気記録層とが順次積層されていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の垂直磁気記録媒体において、前記下地層は、六方細密充填構造の金属或いはその合金、若しくは、面心立方格子構造の金属或いはその合金からなることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、CoCrPt系磁気記録層、グラニュラ磁気記録層、RE−TM系合金層、或いは、Co/PtまたはCo/Pdの積層膜の何れかであることを特徴とする。
【0020】
さらに、請求項8に記載の発明は、垂直磁気記録媒体の製造方法において、請求項1ないし3の何れかに記載の垂直磁気記録媒体用基板が備える表面層の全面に第1および第2の磁性層を順次成膜するステップと、前記表面層の凸部上の前記第1および第2の磁性層を除去して凹部にのみ前記第1の磁性層からなる下地層と前記第2の磁性層からなる磁気記録層とを形成するステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の垂直磁気記録媒体用基板の構成を説明するための図で、この基板は少なくとも2層以上の積層構造を有しており、図1には、支持基体(支持層)11と表面層12とからなる2層の積層構造の例が示されている。
【0023】
支持基体11は機械的強度の高い材料で構成することが好ましく、例えば、アルミやガラス等である。また、支持基体11の表面は平坦性に優れていることが好ましく、その平坦度は概ね10μm以下とされる。
【0024】
凹凸形状のパターニングが施される表面層12は熱可塑性樹脂で構成され、この熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート(PC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)の他、ポリエステル系やポリオレフィン系の材料を用いることが可能である。
【0025】
図2は、本発明の垂直磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図で、支持基体11の全面に表面層12を形成し、この表面層12にスタンパ13を押し付けることによりスタンパ13の凹凸形状を転写する。なお、支持基体11の全面に表面層12を形成する方法としては、例えば、スピンコート法やディップ法を用いることができ、また、パターンの凹凸形状はスタンパ13に施す凹凸形状により任意に設定することができる。
【0026】
図3は、本発明の垂直磁気記録媒体の構造を説明するための図で、この垂直磁気記録媒体は、図1に示した構成の垂直磁気記録媒体用基板の凹凸パターンの凹の部分には下地層14と磁気記録層15とが順次積層され、保護膜16と液体潤滑層17とが基板全面を覆うように積層されている。
【0027】
下地層14としては、例えば、六方細密充填構造の金属或いはその合金、若しくは、面心立方格子構造の金属或いはその合金が好ましい。そのような六方細密充填構造の金属としては例えばTi、Zr、Ru、Zn、Tc、Re等があり、面心立方格子構造の金属としては例えばCu、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Ni、Co等がある。また、下地層14の膜厚は薄い方が好ましいが、充分な結晶成長を行うために3nm以上であることが好ましい。なお、この下地層14は、異なる材料を複数積層して構成することも可能である。
【0028】
磁気記録層15としては、一般的に用いられているCoCrPt系磁気記録層の他、強磁性の結晶粒とその結晶粒を取り巻く非磁性非金属の粒界とを有するグラニュラ磁気記録層や、TbCo等のRE−TM系合金或いはCo/PtやCo/Pdの積層膜を用いることができる。なお、垂直磁気記録媒体として用いるためには、強磁性の結晶粒は膜面に対して垂直異方性をもつことが必要である。
【0029】
また、保護膜16には例えばカーボンを主体とする薄膜が用いられ、液体潤滑材層17には例えばパーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を用いることができる。
【0030】
下地層14、磁気記録層15、保護膜16の形成には、磁気記録媒体の作製に一般的に用いられる、真空蒸着法、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法などの成膜技術が利用可能であり、液体潤滑材層17の形成には、例えば、ディップ法やスピンコート法などを用いることができる。
【0031】
以下に、本発明の実施例および比較例について説明する。
(垂直磁気記録媒体用基板の実施例および比較例)
[実施例1]
非磁性の支持基体として、外径65mm、内径20mm、厚さ0.6mmの円盤状のガラスディスクを用い、これを洗浄後に、へキサンに溶解したPMMAをスピンコート法によりガラスディスク上に50nm形成して表面層とした。なお、このときのガラスディスクの平坦性は1μm、PMMAの濃度は0.5wt%とした。
【0032】
その後、真空加圧装置に導入し、支持基体とスタンパとを180℃になるまで加熱してスタンパにより圧力12MPaで表面層に型押してスタンパの凹凸パターンを転写した。その状態で100℃まで冷却した後に表面層とスタンパとを離型して真空加圧装置から取り出した。
【0033】
なお、本実施例で用いたスタンパには電子ビームリソグラフィを用いて、φ100nm、高さ50nmの円筒形の凹凸パターンが形成されている。
【0034】
[比較例1]
比較例として、熱可塑性樹脂材料としては実施例1と同様のPMMAを用い、外径65mm、内径20mmの円盤形状の熱可塑性樹脂ディスク(基板)を射出成型により形成した。この射出成型では、実施例1と同様のパターンを有する金型を用いている。なお、射出成型の際の樹脂温度は300℃とし、基板の厚さを0.6〜1.2mmまで変化させた。
【0035】
(垂直磁気記録媒体の実施例および比較例)
[実施例2]
実施例1で作製したものと全く同様の非磁性の基板を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、Ni15Fe27Crターゲットを用いてArガス圧5mTorr下でNiFeCr層を15nm成膜した。これに続いてRuターゲットを用い、Arガス圧30mTorr下でRu層を15nm成膜してNiFeCr/Ru積層下地層とした。その後、Co20Cr10Ptターゲットを用いてCoCrPt磁気記録層をArガス圧5mTorr下で25nm成膜した後スパッタ装置から取り出した。
【0036】
次に、ダイヤモンドスラリを用い、基板に備える表面層の凸部の最表面まで研磨することにより、凸部上のNiFeCr/Ru/CoCrPt各層を全て除去した。なお、研磨量はレーザ変位計でモニタし、変位量の変化が急激に落ちたところを終点とした。
【0037】
これを洗浄後、スパッタ装置内に導入し、カーボンターゲットを用いてArガス圧8mTorr下でカーボンからなる保護層6nmを成膜後、真空装置から取り出した。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層2nmをディップ法により形成してパターンド垂直磁気記録媒体とした。なお、下地層、磁気記録層、保護層の成膜は、DCマグネトロンスパッタリング法により行った。
【0038】
[比較例2]
実施例2で用いた基板のうち、厚さ0.6mmのものと全く同様の基板を用いた以外は全て実施例2と同様の条件でパターンド垂直磁気記録媒体を作製した。
【0039】
[比較例3]
実施例2で用いた基板のうち、厚さ1.2mmのものと全く同様の基板を用いた以外は全て実施例2と同様の条件でパターンド垂直磁気記録媒体を作製した。
【0040】
[比較例4]
非磁性の基板として、表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、Ni15Fe27Crターゲットを用いてArガス圧5mTorr下でNiFeCr層を15nm成膜した。これに続いて、Ruターゲットを用い、Arガス圧30mTorr下でRu層を15nm成膜し、NiFeCr/Ru積層下地層とした。
【0041】
さらに、Co20Cr10Ptターゲットを用いてCoCrPt磁気記録層をArガス圧5mTorr下で20nm成膜し、引き続いて、カーボンターゲットを用いてArガス圧8mTorr下でカーボンからなる保護層6nmを成膜後、真空装置から取り出した。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑材層2nmをディップ法により形成して垂直磁気記録媒体とした。なお、下地層、磁気記録層、保護層の成膜は、DCマグネトロンスパッタリング法により行った。
【0042】
以下に、これらの各実施例及び比較例の評価結果について説明する。
【0043】
実施例1及び比較例1で得られた垂直磁気記録媒体用基板については、これらの基板の平坦度及びパターンの転写率について評価した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
ここで、平坦度は、基板中心から半径方向へ11mmから30mmまでの直線領域に関して基板表面形状の変位量を非接触光学式表面粗さ計にて真直度を求めた。具体的には、各基板について、円周方向に90°おきに4箇所の測定を行い、その中で最大の真直度をその基板面の平坦度とした。
【0046】
また、転写率は、パターンの設計値φ100nm×深さ50nmに対して、±5%以内の誤差を合格その他を不合格とし、評価したパターン100個のうち合格したパターンの割合を転写率とした。なお、この評価にはAFM(原子間力顕微鏡)を用いた。
【0047】
平坦度に関しては、実施例1の垂直磁気記録媒体用基板は、支持基体として用いたガラスディスクの平坦性をそのまま反映して1μmであった。比較例1の射出成型で作製したプラスチック基板は、板厚を厚くすると平坦度が小さくなる傾向が認められるものの、最も平坦性に優れる板厚1.2mmのものでも実施例1の垂直磁気記録媒体用基板に比べると非常に大きい。
【0048】
また、転写率に関しては、実施例1では100%の確率が得られたのに対し、比較例1では全ての板厚で80〜84%に留まっており、本発明の優位性が確認された。
【0049】
このように、本発明によれば、平坦性に優れ、かつ、パターンの転写性にも優れた垂直磁気記録媒体用基板が作製できることがわかる。また、射出成型により作製される熱可塑性樹脂基板では困難な薄型化が可能であることもわかる。
【0050】
実施例2及び比較例2〜4については、垂直磁気記録媒体の保磁力と、磁気ヘッドのGlide Hight特性(G.H.特性)について評価した。その結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
ここで、保磁力はVSMで得られたM‐Hループより求めた。G.H.特性試験は、回転させた媒体の上に試験用のへッドを飛ばし、媒体表面の突起、パーティクル、うねり等を検知するもので、試験条件は、周速7m/sec、G.H.12.5nmとし、各々100枚ずつ評価を行って合格率を求めた。
【0053】
まず、保磁力の評価結果について説明する。磁気記録層が連続膜になっている比較例4の垂直磁気記録媒体の保磁力は410Oeと小さく、磁性粒間の相互作用が非常に大きくなっていることがわかる。これに比ベ、磁気記録層がパターニングされている実施例2、比較例2及び3の垂直磁気記録媒体の各々は大きな保磁力を示している。このことから、実施例2、比較例2及び3の垂直磁気記録媒体の磁性粒間の相互作用が小さいこと、すなわちbitが物理的に分離していることが確認できる。
【0054】
ただし、比較例2と3の垂直磁気記録媒体の保磁力は、実施例2の垂直磁気記録媒体の保磁力に比ベて小さい。また、比較例2と3の垂直磁気記録媒体を比較すると、基板厚さの薄い比較例2の方が保磁力が小さい。
【0055】
この結果と上述の比較例2及び3の平坦性及びパターン転写率が低いことを併せて考えると、実施例1に比べ比較例2及び3では基板表面の平坦性が低いために研磨の正確度が低下して磁気的に繋がったビットが存在することや、パターンの転写率が低く形状にばらつきが多く存在することがわかる。
【0056】
G.H.試験特性の評価結果をみると、実施例1の垂直磁気記録媒体では、パターニングを施さない比較例4の垂直磁気記録媒体とほぼ同等の合格率であり、研磨等の工程を経た後でも優れた基板表面特性を示すことが分かる。これに対して、既に説明したように、基板作製後に平坦性の低い比較例2及び3の垂直磁気記録媒体は、この試験をほとんど合格することができないことから、パターンド記録媒体とした後もそれを反映した結果となることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、アルミまたはガラス等の支持基板(支持層)上に、ポリカーボネートまたはポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性樹脂の表面層を積層し、この表面層を加熱して所望のパターンが形成されているスタンパを押し付けて凹凸パターンを転写することとしたので、基板にとって重要な平滑性を確保しつつ表面に凹凸パターンを備えた垂直磁気記録媒体用基板を提供することができ、かつ、基板の薄型化も可能となる。
【0058】
また、本発明の垂直磁気記録媒体用基板を用いることにより、優れた表面形状のパターンド垂直磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の垂直磁気記録媒体用基板の構成を説明するための図である。
【図2】本発明の垂直磁気記録媒体用基板の製造方法を説明するための図である。
【図3】本発明の垂直磁気記録媒体の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
11 支持基体
12 表面層
13 スタンパ
14 下地層
15 磁気記録層
16 保護膜
17 液体潤滑層
Claims (8)
- 少なくとも支持層と表面層とが順次積層された積層構造を有し、
前記表面層は、凹凸パターンが形成された熱可塑性樹脂からなり、
前記支持層は、前記表面層よりも融点、ガラス転移点及び機械強度が大きい材料からなることを特徴とする垂直磁気記録媒体用基板。 - 前記熱可塑性樹脂は、ポリカーボネートまたはポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体用基板。
- 前記支持層は、アルミまたはガラスであることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体用基板。
- 支持層上に熱可塑性樹脂の表面層を積層するステップと、
当該表面層を加熱して所望のパターンが形成されているスタンパを押し付けることにより凹凸パターンを転写するステップとを備えることを特徴とする垂直磁気記録媒体用基板の製造方法。 - 凹凸パターンを有する熱可塑性樹脂の表面層と、当該表面層よりも融点、ガラス転移点及び機械強度が大きい材料からなる支持層とが積層されており、
前記表面層の凹凸パターンの凹部にのみ、下地層と磁気記録層とが順次積層されていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 前記下地層は、六方細密充填構造の金属或いはその合金、若しくは、面心立方格子構造の金属或いはその合金からなることを特徴とする請求項5に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記磁気記録層が、CoCrPt系磁気記録層、グラニュラ磁気記録層、RE−TM系合金層、或いは、Co/PtまたはCo/Pdの積層膜の何れかであることを特徴とする請求項5または6に記載の垂直磁気記録媒体。
- 請求項1ないし3の何れかに記載の垂直磁気記録媒体用基板が備える表面層の全面に第1および第2の磁性層を順次成膜するステップと、
前記表面層の凸部上の前記第1および第2の磁性層を除去して凹部にのみ前記第1の磁性層からなる下地層と前記第2の磁性層からなる磁気記録層とを形成するステップとを備えることを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
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-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002219994A patent/JP2004062995A/ja active Pending
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