JP2003190866A - プレヒートゾーンの加熱エア供給装置 - Google Patents

プレヒートゾーンの加熱エア供給装置

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JP2003190866A
JP2003190866A JP2001393148A JP2001393148A JP2003190866A JP 2003190866 A JP2003190866 A JP 2003190866A JP 2001393148 A JP2001393148 A JP 2001393148A JP 2001393148 A JP2001393148 A JP 2001393148A JP 2003190866 A JP2003190866 A JP 2003190866A
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water
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zone
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Hideaki Hara
秀 明 原
Koo Yamamoto
本 高 櫻 山
Masahiro Goto
藤 征 弘 後
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Trinity Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】前段の塗装ゾーンで水性塗料又は有機溶剤系塗
料を塗装した被塗物が前後して搬送されたときに、その
塗膜に別異の塗料を重ね塗りする後段の塗装ゾーンとの
間に形成されたプレヒートゾーンの加熱エア吹付エリア
へダンパを用いることなく加熱エアの供給・停止を瞬時
に切り換えて、いずれも適正に乾燥できるようにする。 【解決手段】加熱エア供給系(8)に、水性塗料の適正
乾燥風量に応じた総送風量で加熱エアを供給可能な複数
台の送風機(F、F)が設けられると共に、必要風
量に達するまでの送風機(F、F)の立上時間・立
下時間を短縮できるように、そのうちの少なくとも1台
の送風機(F)の最大送風量を適正乾燥風量未満に選
定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前段の塗装ゾーン
と後段の塗装ゾーンとの間に形成されたプレヒートゾー
ンの加熱エア吹付エリアに、前段の塗装ゾーンで塗装さ
れた被塗物の塗膜中に含まれる水分を適度に乾燥させる
ための加熱エアを供給するプレヒートゾーンの加熱エア
供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、有機溶剤の排出規制が厳しくな
るにつれ、広い用途分野にわたって水性塗料の使用が増
加しつつある。特に、自動車塗装の分野においては、有
機溶剤の排出規制をクリアするために、これまでの有機
溶剤系塗料による塗装から水性塗料を使用した塗装への
転換が図られつつある。
【0003】例えば、自動車ボディの水性塗料の上塗り
塗装を行う場合、自動車塗装ラインは、コンベアで搬送
される自動車ボディの表面に水性メタリック塗料によっ
て美観付与のためのベースコートを施した後、、そのベ
ースコートの上に透明塗料によって外的要因からの保護
機能を有するクリアコートを施すこととしている。
【0004】この場合に、ベースコートの塗膜中の水分
が適度に蒸発されないまま、その塗膜の上にクリアコー
ト用塗料が重ね塗りされると、ベースコートの塗膜が平
滑化されず、また、焼付け乾燥の際にその水分が急激に
蒸発して、たれ、たるみ、わき等の塗装欠陥を生ずるお
それがある。
【0005】このため、ベースコート用塗料として水性
塗料を用いる塗装ラインでは、ベースコートを施す前段
の塗装ゾーンと、クリアコートを施す後段の塗装ゾーン
との間に、所定温度の加熱エアを吹き付けて塗膜中の水
分を蒸発させるプレヒートゾーンを設けるのが一般的で
ある。
【0006】一方、自動車ボディの塗装ラインでは、数
十色もの塗料を同一の塗装機で色替塗装するようにして
いるが、全色の塗料が水性化されるまでの間は、省スペ
ース、省設備費、生産効率の向上の観点からも、既存の
有機溶剤系塗料の塗装ラインを、水性塗料でも有機溶剤
系塗料でも塗装することができる混合生産ラインに改造
する要望が非常に高い。
【0007】この場合、水性塗料及び有機溶剤系塗料の
夫々を適正に乾燥させるために、水性塗料が塗装された
自動車ボディを乾燥させるときは、約80℃の加熱エア
を吹き付けて、水性塗料を適正乾燥温度60℃(許容誤
差±10%程度)で60秒以上保持させるという乾燥条
件を満たすように塗膜温度を昇温させ、有機溶剤系塗料
が塗装された自動車ボディを乾燥させるときは加熱エア
の供給量を減少させ又は停止させて塗膜温度を有機溶剤
系塗料の上限管理温度50℃程度(許容誤差+10%程
度)に抑えるようにしている。
【0008】このように水性塗料は有機溶剤系塗料より
乾燥しにくいので、有機溶剤系塗料が塗装された先行の
自動車ボディに続いて、水性塗料が塗装された後続の自
動車ボディがプレヒートゾーンへ搬入されたときには、
水性塗料の搬入と同時に、先行する有機溶剤系塗料が乾
燥過多とならないように、且つ、水性塗料の乾燥条件で
運転しなければ乾燥不十分となってしまう。そして、逆
の場合は、水性塗料を適正に乾燥した後、即座に、有機
溶剤系塗料の乾燥条件で運転しなければ乾燥過多とな
る。
【0009】図5はこのような塗装ラインの要部を示
し、コンベアCで搬送される自動車ボディ2P、2Wご
とに有機溶剤系塗料又は水性塗料を選択的に塗装する前
段の塗装ゾーン21と、その塗膜に別異の塗料を重ね塗
りする後段の塗装ゾーン22の間に全長15mのプレヒ
ートゾーン23が形成され、入口側10mに加熱エア吹
付エリア24が形成されると共に、出口側5mに冷却エ
ア吹付エリア25が形成されている。そして、加熱エア
吹付エリア24は、入口側の第一区分エリア24Aと出
口側の第二区分エリア24Bに分けられ、各区分エリア
24A及び24Bの夫々に加熱エアを供給する加熱エア
供給装置26が配されている。
【0010】この加熱エア供給装置26は、送風機27
から送給されてヒータ28で加熱された約80℃の加熱
エアを各エリア24A及び24Bに供給する加熱エア供
給ダクト29と、各エリア24A及び24Bから加熱空
気を還流する還流ダクト30と、加熱エア供給ダクト2
9から各エリア24A及び24Bをショートカットして
還流ダクト30へ連通するショートカットダクト31
と、これら核流路を切り換えるダンパ32…を備えた加
熱エア供給系33が形成されている。
【0011】なお、第一区分エリア24A及び第二区分
エリア24Bの必要風量は高々400m/min程度
であるので、送風機27は最大送風量700m/mi
n程度のものが1台ずつあれば十分であり、夫々の送風
機27を必要送風量400m/minで運転するよう
にしている。
【0012】これによれば、各送風機27を必要風量で
稼動させておき、流路切換ダンパ30により各区分エリ
ア24A及び24Bに加熱エアを供給する流路と、各区
分エリア24A及び24Bに加熱エアを供給することな
くヒータ28へ還流させる流路と切り換えるだけで、各
区分エリア24A及び24Bへの加熱エアの供給を瞬時
にオンオフすることができ、水性塗料と有機溶剤系塗料
を塗装した自動車ボディが前後して搬送されてきても、
いずれの塗膜も適正に乾燥することができる。
【0013】例えば、この加熱エア供給装置26を使用
してプレヒートゾーン23の加熱エア吹付エリア24に
加熱エアを供給し、全長4.5mの自動車ボディ2P、
2Wを搬送速度4.2m/min、搬送ピッチ7.5m
(搬送間隔3.0m)で搬送したとき、加熱エア吹付エ
リア24の通過時間は143秒であり、上記加熱エア供
給装置26で80〜100℃の加熱エアを所定のタイミ
ングで供給したときの水性塗料及び有機溶剤系塗料の塗
膜温度は図3に示すように推移する。
【0014】図3(a)は、有機溶剤系塗料が塗装され
た先行の自動車ボディ2Pに続いて水性塗料が塗装され
た後続の自動車ボディ2Wが搬入されたときの自動車ボ
ディ2P及び2Wの位置と時間と塗膜温度の関係を示
す。
【0015】本例では、水性塗料が塗装された自動車ボ
ディ2Wのフロント部が第一区分エリア24Aに搬入さ
れると同時(T)に当該エリア24Aに加熱エアを供
給開始し、次いで、第二区分エリア24Bに搬入される
と同時(T)に当該エリア24Bに加熱エアを供給開
始するように夫々の加熱エア供給装置26、26を運転
する。
【0016】このとき、自動車ボディ2Wに塗装された
水性塗料の塗膜温度WTは約78秒かかって水性塗料の
適正乾燥温度60℃に達し、その後、第二区分エリア2
4Bから搬出される(T)まで、65秒程度60℃以
上に維持されるので、水性塗料の乾燥条件を満たす。
【0017】また、その3m前方には有機溶剤系塗料を
塗装した自動車ボディ2Pのリア部があり、第一区分エ
リア24Aに加熱エアが供給開始されてから当該エリア
24Aを搬出されるまでの間(T〜T)の約30秒
間加熱されたあと、第二区分エリア24Bに加熱エアが
供給開始されるまでの40秒間(T〜T )放熱さ
れ、さらに、第二区分エリア24Bに加熱エアが供給開
始されてから当該エリア24Bを搬出されるまでの間
(T〜T)の約30秒間加熱されることになる。
【0018】このとき、自動車ボディ2Pに塗装された
有機溶剤系塗料の塗膜温度PTは、昇温・降温を繰返
し、最終的に50℃近傍に達するが、その直後に冷却エ
ア吹付ゾーン25に搬入されるので、それ以上は温度が
上がらず、有機溶剤系塗料の乾燥条件を満たす。
【0019】図3(b)は、水性塗料が塗装された先行
の自動車ボディ2Wに続いて有機溶剤系塗料が塗装され
た後続の自動車ボディ2Pが搬入されたときの自動車ボ
ディ2W及び2Pの位置と時間と塗膜温度の関係を示
す。
【0020】本例では、水性塗料が塗装された先行する
自動車ボディ2Wが第一区分エリア24A内を搬送され
ている間(T11〜T13)は当該エリア24Aに加熱
エアを供給しておき、そのリア部が搬出されると同時
(T13)に当該エリア24Aへの加熱エアの供給を停
止し、次いで、自動車ボディ2Wが第二区分エリア24
B内を搬送されている間(T13〜T15)は当該エリ
ア24Bに加熱エアを供給しておき、そのリア部が搬出
されると同時(T15)に当該エリア24Bへの加熱エ
アの供給を停止するように、夫々の加熱エア供給装置2
6、26を運転する。
【0021】このとき、自動車ボディ2Wに塗装された
水性塗料の塗膜温度WTは各区分エリア24A及び24
Bで加熱され、約78秒かかって水性塗料の適正乾燥温
度60℃に達し、その後65秒程度60℃以上に維持さ
れるので、水性塗料の乾燥条件を満たす。
【0022】また、その3m後方には有機溶剤系塗料を
塗装した自動車ボディ2Pのフロント部があり、第一区
分エリア24Aに搬入されてから加熱エアの供給が停止
されるまでの間の約30秒間(T12〜T13)加熱さ
れたあと、第二区分エリア24Bに搬入されるまでの4
0秒間(T13〜T14)は放熱され、さらに、第二区
分エリア24Bに搬入されてから当該エリア24Bを搬
出されるまでの間(T14〜T15)の約30秒間加熱
される。
【0023】このとき、自動車ボディ2Pに塗装された
有機溶剤系塗料の塗膜温度PTは、昇温・降温を繰返
し、最終的に50℃に達するが、それ以後は加熱空気が
吹き付けられないので、予熱で加熱されたとしてもせい
ぜい許容誤差範囲の55℃程度であり、したがって、有
機溶剤系塗料の乾燥条件を満たす。
【0024】このように、ダンパ32により加熱エアの
オンオフを瞬時に切り換えることができれば、有機溶剤
系塗料を塗装した自動車ボディ2Pと、水性塗料を塗装
した自動車ボディ2Wが、相前後して搬送されてきて
も、いずれも適正に乾燥することができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱エ
ア供給ダクト29の途中に流路切換ダンパ32などの可
動部が存在すると、その可動部分から埃やゴミが発生し
やすく、これが未乾燥状態の塗膜に付着してブツと称す
る塗膜不良を生ずるおそれがある。
【0026】このため送風機27の回転数をコントロー
ルすることにより、送風量を制御して、加熱エアの供給
をオンオフすることが考えられる。しかしながら、最大
送風量700m/minの送風機27を400m
minで運転する場合の立上時間及び立下時間は約10
秒もかかる。
【0027】このため、図3(a)において、夫々の送
風機27の立上時間が夫々のタイミングT、Tで1
0秒ずつ遅れると、水性塗料の塗膜温度WTが60℃
に達するまでに20秒遅れて約95秒かかるので、加熱
エア吹付ゾーン22から搬出されるまで50秒足らずで
あり、60℃60秒以上維持の乾燥条件を満たすことが
できない。また、夫々のタイミングT、Tで10秒
前から立ち上げるようにすれば、水性塗料の塗膜は適正
に乾燥できるが、有機溶剤系塗料の塗膜温度PTが6
0℃を超えてしまう。
【0028】同様に、図3(b)において、夫々の送風
機27の立下時間が夫々のタイミングT13、T15
10秒ずつ遅れると、水性塗料の塗膜は適正に乾燥でき
るが、有機溶剤系塗料の塗膜温度PTが60℃を超え
てしまう。また、夫々のタイミングT13、T15で1
0秒前から立下げるようにすれば、有機溶剤系塗料の塗
膜は適正に乾燥できるが、塗膜温度WTが60℃に達
するまでに10秒遅れて約88秒かかるので、加熱エア
吹付エリア24から搬出されるまで60秒未満となり、
60℃60秒以上維持の乾燥条件を満たすことができな
い。
【0029】プレヒートゾーン23の全長を長くするこ
とができれば、送風機27の立上時間、立下時間が多少
長くても問題ないが、この場合は、併せて搬送間隔を長
くしなければならないので生産効率が低下し、また、既
存の有機溶剤系塗料の塗装ラインを改造する場合はプレ
ヒートゾーン23を長くするスペース的な余裕がない。
【0030】そこで本発明は、限られたスペースにプレ
ヒートゾーンを設置する場合でも、ダンパを用いること
なく、短時間で必要風量の加熱エアを吹き出させ、また
は、所定風量まで低下又は停止できるようにして、水性
塗料が塗装された被塗物と有機溶剤系塗料が塗装された
被塗物が前後して搬送されてきたときに、いずれの被塗
物も適正に乾燥できるようにすることを技術的課題とし
ている。
【0031】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1の発明は、コンベアで搬送される被塗物ご
とに有機溶剤系塗料又は水性塗料を選択的に塗装する前
段の塗装ゾーンと、その塗膜に別異の塗料を重ね塗りす
る後段の塗装ゾーンとの間に形成されたプレヒートゾー
ンの加熱エア吹付エリアに加熱エアを供給する加熱エア
供給系を備えたプレヒートゾーンの加熱エア供給装置に
おいて、前記加熱エア供給系に、水性塗料の適正乾燥風
量に応じた総送風量で加熱エアを供給可能な複数台の送
風機が設けられると共に、そのうちの少なくとも1台の
送風機の最大送風量が前記適正乾燥風量未満に選定され
ていることを特徴とする。
【0032】この請求項1の発明によれば、複数台の送
風機を稼動したときの総送風量が水性塗料の乾燥条件に
応じが適正乾燥風量となればよいので、最大送風量の小
さい小型の送風機を使用することができる。例えば、適
正乾燥風量が400m/minである場合に、最大送
風量700m/min(100%立上時間17秒)の
1台の送風機を使用すると送風量400m/minの
立上時間・立下時間が10秒であるのに対し、最大送風
量300m/min(100%立上時間1.3秒)の
送風機を2台を使用し、それぞれ送風量200m/m
inで運転すれば、総送風量400m/minの立上
時間・立下時間は0.9秒となる。
【0033】したがって、請求項4の発明のようなコン
トローラを用いて、送風機をオンオフするだけで、瞬時
に、加熱エアを供給/停止を行うことができるので、埃
やゴミの発生原因となるダンパを使用しなくても、夫々
の塗膜を適正に乾燥させることができる。
【0034】請求項2の発明は、前記加熱エア吹付エリ
アが搬送方向に沿って複数に区分され、夫々の区分エリ
アごとに加熱エア供給系が形成されているので、各区分
エリアごとに加熱エアの供給量制御を個別に行うことが
でき、狭い搬送間隔で水性塗料と溶剤系塗料を塗装した
被塗物が交互に搬入されてくる場合や、乾燥の時間的条
件が厳しい場合であっても、夫々の塗膜は適正に乾燥さ
れる。
【0035】請求項3の発明は、複数台の送風機のうち
1台の送風機の最大送風量が水性塗料の適正乾燥風量以
上に選定され、他の送風機の最大送風量が前記適正乾燥
風量未満に選定されている。
【0036】この請求項3の発明によれば、水性塗料の
適正乾燥風量で送風可能な比較的大型の送風機が用いら
れているので、連続運転するときは1台の送風機を稼動
させていれば足りる。また、他の送風機の最大送風量が
水性塗料の適正乾燥風量未満の小型のものが用いられて
いるので、その分、短時間で立ち上げることができる。
さらに、停止させるときは、大型の送風機の送風量を予
め低下させると共に、総送風量が水性塗料の適正乾燥風
量に維持されるように小型の送風機を立ち上げておき、
所定のタイミングですべての送風機を停止させれば、立
下時間の長い大型の送風機は予め送風量が低下されてい
るので、その分、短時間で立ち下げることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係るプレ
ヒートゾーンの加熱エア供給装置を示す説明図、図2は
風量変化を示すグラフ、図3は自動車ボディの位置と加
熱時間と塗膜温度の関係を示す説明図、図4は他の実施
形態の風量変化を示すグラフである。
【0038】本例の加熱エア供給装置1は、コンベアC
で搬送されてくる自動車ボディ(被塗物)2P、2Wに
応じてその表面に有機溶剤系塗料及び水性塗料を選択的
に塗装する前段の塗装ゾーン3と、その塗膜に別異の塗
料を重ね塗りする後段の塗装ゾーン4との間に形成され
たプレヒートゾーン5に設置される。
【0039】プレヒートゾーン5は全長約15mで、入
口側の10mが加熱エア供給装置1から供給される80
℃程度の加熱エアを吹き付ける加熱エア吹付エリア6に
形成され、出口側の5mが室温程度の冷却エアを吹き付
ける冷却エア吹付エリア7に形成され、さらに、加熱エ
ア吹付エリア6が、入口側から5mずつ第一区分エリア
6Aと第二区分エリア6Bに分けられている。
【0040】加熱エア供給装置1は、各区分エリア6A
及び6Bに加熱エアを供給する加熱エア供給系8、8を
備えている。各加熱エア供給系8は、区分エリア6A
(6B)に接続された加熱エア供給ダクト9に、水性塗
料の適正乾燥風量Qwに応じた総送風量の二台の送風機
、Fと、各送風機F及びFにより送給される
エアを80℃に加熱するヒータHが介装され、各区分エ
リア6A(6B)から送風機F、Fに加熱空気を還
流する還流ダクト10からなる。
【0041】また、水性塗料を塗装した自動車ボディ2
Wが搬入されたきに送風機F及びFを起動し、有機
溶剤系塗料を塗装した自動車ボディ2Pが搬入されたき
に送風機F及びFを停止させて送風量をコントロー
ルする制御装置11を備えている。
【0042】送風機F及びFは、適正乾燥風量Qw
=400m/minのときに、夫々最大送風量が30
0m/minに選定されて、夫々、送風量200m
/minで稼動させることにより総送風量は400m
/minとなる。
【0043】発明者の実験によれば最大送風量に達する
までの立上・立下時間は、凡そ最大送風量の比の3乗に
反比例し、最大送風量700m/min(100%立
上・立下時間17秒)の送風機を用いた場合の0−40
0m/minの立上・立下時間が約10秒であるのに
対し、最大送風量300m/min(100%立上・
立下時間1.3秒)の2台の送風機F、Fを用いる
と、0−400m/minの立上・立下時間は図2
(a)及び(b)に示すように0.9秒に短縮される。
【0044】以上が本発明の一構成例であって、次にそ
の作用を説明する。前段の塗装ゾーン3で水性塗料が塗
装された自動車ボディ2W及び有機溶剤系塗料が塗装さ
れた全長4.5mの自動車ボディ2Pが、コンベアCに
より、搬送速度4.2m/min、搬送間隔7.5mで混
在して搬送され、10mの加熱エア吹付エリア6を14
3秒かけて通過していく。
【0045】水性塗料が塗装された自動車ボディ2W…
が連続して搬送される場合は、2台の送風機F及びF
を稼動させ、ヒータ7で80℃に加熱された加熱エア
を加熱エア吹付エリア6に供給する。
【0046】このとき、自動車ボディ2Wの塗膜温度W
Tは、図3(a)を参照すると、加熱エア吹付エリア6
に搬入されてから約78秒が経過した時点で水性塗料の
適正乾燥温度である60℃に達し、そのまま65秒程度
維持されるので、60℃60秒以上維持の水性塗料の適
正な乾燥条件を満たす。
【0047】また、有機溶剤系塗料が塗装された自動車
ボディ2P…が連続して搬送される場合は、2台の送風
機F及びFを停止させれば加熱エアが供給されない
ので、加熱エア吹付エリア6の予熱で143秒間加熱さ
れることがあっても、有機溶剤系塗料の乾燥上限管理温
度50℃(許容誤差+10%)を超えることはないので
適正な乾燥条件を満たす。
【0048】次いで、有機溶剤系塗料で塗装された先行
する自動車ボディ2Pに続いて、水性塗料で塗装された
後続の自動車ボディ2Wが搬送される場合は、その搬送
に伴って自動車ボディ2Wのフロント部が各区分エリア
6A及び6Bに搬入されるときに、各熱風供給系8の2
台の送風機F及びFを起動させる。
【0049】このとき、送風機F及びFの立上時間
は0.9秒と極めて短く、タイムラグを無視することが
できるので、図3(a)に示すように、加熱エア吹付ゾ
ーン6に搬入されてから搬出されるまで(T
)、自動車ボディ2Wの塗膜に80℃の加熱エアが
連続的に吹き付けられる。したがって、水性塗料の塗膜
温度WTは、加熱エア吹付ゾーン6に搬入されてから7
8秒で60℃に達し、その後、65秒間その温度に維持
されることとなり、水性塗料の乾燥条件を満たす。
【0050】また、先行する有機溶剤系塗料で塗装され
た自動車ボディ2Pは、第一区分エリア6Aで加熱エア
の供給が開始された後、当該エリア6Aから搬出される
(T〜T)まで加熱され、次いで、第二区分エリア
6Bで加熱エアの供給が開始される(T〜T)まで
放熱され、さらに、第二区分エリア6Bから搬出される
(T〜T)まで断続的に加熱される。
【0051】このとき、有機溶剤系塗料の塗膜温度PT
は、昇温・降温を繰返し、最終的に50℃近傍に達する
が、その直後に冷却エア吹付ゾーン7に搬入されるの
で、それ以上は温度が上がらず、有機溶剤系塗料の乾燥
条件を満たす。
【0052】さらに、水性塗料で塗装された先行する自
動車ボディ2Wに続いて、有機溶剤系塗料で塗装された
後続の自動車ボディ2Pが搬送される場合は、その搬送
に伴って自動車ボディ2Wのリア部が各区分エリア6A
及び6Bから搬出されると同時に、各熱風供給系8の2
台の送風機F及びFを順治停止させていく。
【0053】このとき、送風機F及びFの立上時間
は0.9秒と極めて短く、タイムラグを無視することが
できるので、図3(b)に示すように、加熱エア吹付ゾ
ーン6内を搬送されている間(T11〜T15)、自動
車ボディ2Wの塗膜に80℃の加熱エアが連続的に吹き
付けられる。したがって、塗膜温度WTは、加熱エア吹
付ゾーン6に搬入されてから78秒で60℃に達し、6
5秒間その温度に維持されることとなり、水性塗料の乾
燥条件を満たす。
【0054】また、後続の有機溶剤系塗料で塗装された
自動車ボディ2Pは、第一区分エリア6Aに搬入されて
から加熱エアの供給が停止される(T12〜T )ま
で加熱され、次いで、第二区分エリア6Bに搬入される
(T13〜T14)まで放熱され、さらに、第二区分エ
リア6Bはへの加熱エアの供給が停止される(T13
14)まで断続的に加熱される。
【0055】このとき塗膜温度PTは、昇温・降温を繰
り返すが、最終的に55℃程度に抑えられ、有機溶剤系
塗料の乾燥上限管理温度50℃の許容誤差である+10
%以内であるので、有機溶剤系塗料の乾燥条件を満た
す。
【0056】図4は、適正乾燥風量Qw=400m
minに対し、最大送風量が700m/min、10
0%立上・立下時間が17秒の主送風機Fと、最大送
風量が300m/min、100%立上/立下時間が
1.3秒の補助送風機Fを使用した場合の風量変化を
示すグラフである。
【0057】図4(a)は加熱エアの供給開始時におけ
る風量変化を示し、補助送風機Fは起動開始
(T21)から1.3秒で風量Q=300m/mi
nに達し(T22)、主送風機Fは約2.4秒(T
23)で風量Q=100m /minに達するので、
自動車ボディ2Wが搬入された後、約2.4秒で水性塗
料の適正乾燥送風量Qw=400m/minに達す
る。
【0058】その後も主送風機Fはその風量が増大し
ていくので、総送風量Qt=Qw=400m/min
に維持されるように、補助送風機Fの風量を徐々に低
下させていき、起動開始(T21)から約10秒経過し
て主送風機Fの風量Q=Qw=400m/min
に達した時点で補助送風機Fを停止させ(T24)、
以後は主送風機Fのみで送風する。
【0059】図4(b)は加熱エアの供給を停止する時
の風量変化を示し、例えば先行の自動車ボディ2Wのリ
ア部が区分エリア6A又は6Bの出口に近づいた時点
(T31)で主送風機Fの風量を100m/min
まで低下させると同時に、総送風量がQt=Qw=40
0m/minに維持されるように、補助送風機F
起動して300m/minまで徐々に上昇させておく
(T32)。
【0060】そして、先行する自動車ボディ2Wが搬出
されてから2台の送風機F及びFを停止すれば(T
33)、補助送風機Fの立下時間が極めて短いことか
ら、その総送風量Qtは1.3秒経過後(T34)に約
50m/minまで急激に低下し、2.4秒経過後
(T35)には0m/minになる。
【0061】この場合も、僅か2.4秒で適正乾燥風量
まで立上げ、立下げることができるので、上述と同様
に、そのタイムラグをほとんど無視して、水性塗料及び
有機溶剤系塗料を適正に乾燥させることができる。
【0062】なお、上述の説明では、長さ10mの加熱
エア吹付エリア6を5mごとの第一及び第二区分エリア
6A及び6Bに区分して、加熱エア供給系8を夫々に設
ける場合について説明したが、乾燥条件がそれほど厳し
くない場合や、搬送間隔が長い場合は、一つの加熱エア
供給系8から加熱エア吹付エリア6全体に加熱エアを供
給する場合であっても良い。
【0063】また、有機溶剤系塗料が塗られた自動車ボ
ディを乾燥させる場合に、各送風機F及びFを完全
に停止させる場合について説明したが、乾燥過多の乾燥
不良を起さない範囲であれば、各送風機F及びF
停止させることなく微風で運転してもよい。
【0064】さらに、上述の説明で使用したプレヒート
ゾーン5や加熱エア吹付エリア6の長さ、コンベアCの
搬送速度、搬送間隔、適正乾燥風量Qw、各送風機F
及びFの最大送風量、送風機の設置台数は、いずれも
一例であって、これらの数値に限定されるものではな
い。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、加
熱エアが供給されるまでの送風機の立上時間及び加熱エ
アの供給が停止されるまでの送風機の立下時間を短縮す
ることができるので、水性塗料及び有機溶剤系塗料が塗
られた自動車ボディが前後に混合されて搬送される塗装
ラインに短いプレヒートゾーンを設置しなければならな
いような場合でも、生産効率を低下させることなく、時
間的に余裕を持たせて、各被塗物を夫々の塗料の乾燥条
件で適正に乾燥させることができるという大変優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレヒートゾーンの加熱エア供給
装置を示す説明図。
【図2】風量変化を示すグラフ。
【図3】自動車ボディの位置と時間と温度変化の関係を
示すグラフ。
【図4】他の実施形態の風量変化を示すグラフ。
【図5】従来装置を示す説明図。
【符号の説明】 1………加熱エア供給装置 C………コンベア 2W、2P………自動車ボディ(被塗物) 3………前段の塗装ゾーン 4………後段の塗装ゾーン 5………プレヒートゾーン 6………加熱エア吹付エリア 6A,6B………区分エリア F、F……送風機 H………ヒータ 8………加熱エア供給系 11………制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後 藤 征 弘 愛知県豊田市柿本町一丁目9番地 トリニ ティ工業株式会社内 Fターム(参考) 3L113 AA03 AB02 AC07 AC35 BA33 CB24 DA09 DA24 4F042 AA09 BA13 DB02 DB15 DB26 DB29 DB31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンベア(C)で搬送される被塗物(2
    P、2W)ごとに有機溶剤系塗料又は水性塗料を選択的
    に塗装する前段の塗装ゾーン(3)と、その塗膜に別異
    の塗料を重ね塗りする後段の塗装ゾーン(4)との間に
    形成されたプレヒートゾーン(3)の加熱エア吹付エリ
    ア(6)に加熱エアを供給する加熱エア供給系(8)を
    備えたプレヒートゾーンの加熱エア供給装置において、 前記加熱エア供給系(8)に、水性塗料の適正乾燥風量
    に応じた総送風量で加熱エアを供給可能な複数台の送風
    機(F、F)が設けられると共に、そのうちの少な
    くとも1台の送風機(F)の最大送風量が前記適正乾
    燥風量未満に選定されていることを特徴とするプレヒー
    トゾーンの加熱エア供給装置。
  2. 【請求項2】前記加熱エア吹付エリア(6)が搬送方向
    に沿って複数に区分され、夫々の区分エリアごとに前記
    加熱エア供給系(8)が形成されてなる請求項1記載の
    プレヒートゾーンの加熱エア供給装置。
  3. 【請求項3】前記送風機(F、F)のうち1台の送
    風機(F)の最大送風量が水性塗料の適正乾燥風量以
    上に選定され、他の送風機(F)の最大送風量が前記
    適正乾燥風量未満に選定されてなる請求項1又は2記載
    のプレヒートゾーンの加熱エア供給装置。
  4. 【請求項4】水性塗料が塗装された被塗物(2W)を乾
    燥する際に総送風量が水性塗料の適正乾燥風量となるよ
    うに送風機(F、F)を稼動させ、有機溶剤系塗料
    が塗装された被塗物(2P)を乾燥する際に送風機(F
    、F)を停止させ又は微風量で稼動させるように各
    送風機(F、F)をコントロールする制御装置
    (9)を備えた請求項1、2又は3記載のプレヒートゾ
    ーンの加熱エア供給装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110449319A (zh) * 2019-09-09 2019-11-15 李荣兵 衣架浸胶机

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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