JP2003193163A - 磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピン - Google Patents
磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピンInfo
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- JP2003193163A JP2003193163A JP2001394048A JP2001394048A JP2003193163A JP 2003193163 A JP2003193163 A JP 2003193163A JP 2001394048 A JP2001394048 A JP 2001394048A JP 2001394048 A JP2001394048 A JP 2001394048A JP 2003193163 A JP2003193163 A JP 2003193163A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】磁気記録テープカートリッジの磁気テープ端に
取付けられているリーダーバックルに使用する高強度非
磁性ピンを提供する。 【解決手段】Cr:12〜22%、Fe:0.5〜7
%、Mo:0.2〜8%、Ti:2.0〜3.5%、A
l:0.2〜1.8%を含有し、さらに、Co:8〜2
2%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる
組成,並びに素地中にγ’相が析出分散している組織を
有する磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル
用高強度非磁性ピン。
取付けられているリーダーバックルに使用する高強度非
磁性ピンを提供する。 【解決手段】Cr:12〜22%、Fe:0.5〜7
%、Mo:0.2〜8%、Ti:2.0〜3.5%、A
l:0.2〜1.8%を含有し、さらに、Co:8〜2
2%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる
組成,並びに素地中にγ’相が析出分散している組織を
有する磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル
用高強度非磁性ピン。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、デジタルリ
ニア―テープ(Digital LinearTap
e、以下、DLTという)などの単リールタイプの磁気
記録テープカートリッジにおいて磁気テープ端部に取付
けられるリーダーバックル用高強度非磁性ピンに関する
ものである。
ニア―テープ(Digital LinearTap
e、以下、DLTという)などの単リールタイプの磁気
記録テープカートリッジにおいて磁気テープ端部に取付
けられるリーダーバックル用高強度非磁性ピンに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、重要な情報やデータが急激な勢い
で増加していることは一般に知られているところである
が、一方、大地震、テロによる爆破などにより大量の重
要な情報やデータが瞬時にして失われる可能性が増加し
ていることも確かであり、これら重要な情報やデータが
失われることによる経済損失は計り知れない。従って、
近年、これら重要な情報やデータを保存し管理するため
のバックアップ装置が種々開発されている。このバック
アップ装置には大量のデータを安価に保存できる磁気記
録テープ方式が有力である。例としてDLTtape
(米国Quantum社の商標)ドライブが使用され、
図1の平面説明図に示されるように、テープカートリッ
ジ1に巻取られて収納されている磁気テープ2を巻戻
し、巻戻された磁気テープ2はガイドローラ3によりヘ
ッド5に接触するように供給され、さらにガイドローラ
3によりテイクアップリール4に供給して巻き取られる
ようになっている。
で増加していることは一般に知られているところである
が、一方、大地震、テロによる爆破などにより大量の重
要な情報やデータが瞬時にして失われる可能性が増加し
ていることも確かであり、これら重要な情報やデータが
失われることによる経済損失は計り知れない。従って、
近年、これら重要な情報やデータを保存し管理するため
のバックアップ装置が種々開発されている。このバック
アップ装置には大量のデータを安価に保存できる磁気記
録テープ方式が有力である。例としてDLTtape
(米国Quantum社の商標)ドライブが使用され、
図1の平面説明図に示されるように、テープカートリッ
ジ1に巻取られて収納されている磁気テープ2を巻戻
し、巻戻された磁気テープ2はガイドローラ3によりヘ
ッド5に接触するように供給され、さらにガイドローラ
3によりテイクアップリール4に供給して巻き取られる
ようになっている。
【0003】テープカートリッジ1に巻取られている磁
気テープ2の先端には、図2に示されるように、鉤部8
が設けられたバックル部6とピン7とからなるリーダー
バックル9が取付けられており、磁気テープ2の先端を
ピン7に接合することにより取付けられている。この鉤
部8が設けられたバックル部6は摺動性に優れた樹脂か
らなり、ピン7はSUS420Fなどのマルテンサイト
系ステンレス鋼などで作られている。このピンはいろい
ろな構造のものがあり、切削などいろいろな方法で加工
されているが、現在使用されているピンの一つとして図
3の平面図に示されている中央部に短太部10を有する
形状構造のピン7が知られており、このピン7の短太部
10は切削加工によって作られる。
気テープ2の先端には、図2に示されるように、鉤部8
が設けられたバックル部6とピン7とからなるリーダー
バックル9が取付けられており、磁気テープ2の先端を
ピン7に接合することにより取付けられている。この鉤
部8が設けられたバックル部6は摺動性に優れた樹脂か
らなり、ピン7はSUS420Fなどのマルテンサイト
系ステンレス鋼などで作られている。このピンはいろい
ろな構造のものがあり、切削などいろいろな方法で加工
されているが、現在使用されているピンの一つとして図
3の平面図に示されている中央部に短太部10を有する
形状構造のピン7が知られており、このピン7の短太部
10は切削加工によって作られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、テープ
カートリッジ1に巻取られて収納されている磁気テープ
2を巻戻し、巻戻された磁気テープ2はガイドローラ3
によりヘッド5に接触するように供給され、さらにガイ
ドローラ3によりテイクアップリール4に供給して巻き
取られるようになっているが、リーダーバックル9のピ
ン7もテープ2と共にガイドローラ3によりヘッド5に
接触するように供給されるので、リーダーバックル9の
ピン7の径は細いほど好ましい。しかしピン7の径が細
過ぎると、磁気テープ2の先端に取付けられているリー
ダーバックル6の鉤部8に引っ掛けてテープカートリッ
ジ1から磁気テープ2を引き出す際に、一時的に大きな
力がピン7にかかり、この磁気テープ2を引き出す時に
一時的にかかる力は30Nにも達するところから、ピン
7が折損または変形する危惧があった。
カートリッジ1に巻取られて収納されている磁気テープ
2を巻戻し、巻戻された磁気テープ2はガイドローラ3
によりヘッド5に接触するように供給され、さらにガイ
ドローラ3によりテイクアップリール4に供給して巻き
取られるようになっているが、リーダーバックル9のピ
ン7もテープ2と共にガイドローラ3によりヘッド5に
接触するように供給されるので、リーダーバックル9の
ピン7の径は細いほど好ましい。しかしピン7の径が細
過ぎると、磁気テープ2の先端に取付けられているリー
ダーバックル6の鉤部8に引っ掛けてテープカートリッ
ジ1から磁気テープ2を引き出す際に、一時的に大きな
力がピン7にかかり、この磁気テープ2を引き出す時に
一時的にかかる力は30Nにも達するところから、ピン
7が折損または変形する危惧があった。
【0005】さらに、情報やデータを記録した磁気テー
プは再びテープカートリッジに収納して保管されるが、
長期間保管されると、使用者の汗が付着した場合や、空
調の不十分な保管場所に保管された場合にピン7の表面
が腐食し、さらにこの表面の腐食が粒界に沿って内部に
腐食が進行する粒界腐食を起こし、記録された情報やデ
ータを取り出す際に腐食部分から折損または変形する危
惧があった。さらに、ピン7がマルテンサイト系ステン
レス鋼などのような軟磁性材料で作製されていると、ピ
ン7が磁気を帯びる場合があり、磁気を帯びたピン7は
磁気記録テープに悪影響を及ぼし、最悪の場合は磁気記
録された情報やデータを消去してしまう恐れがあった。
さらに、磁気記録媒体は常にコスト削減が求められてお
り、そこに使用される部品に対してもコスト削減が求め
られている。
プは再びテープカートリッジに収納して保管されるが、
長期間保管されると、使用者の汗が付着した場合や、空
調の不十分な保管場所に保管された場合にピン7の表面
が腐食し、さらにこの表面の腐食が粒界に沿って内部に
腐食が進行する粒界腐食を起こし、記録された情報やデ
ータを取り出す際に腐食部分から折損または変形する危
惧があった。さらに、ピン7がマルテンサイト系ステン
レス鋼などのような軟磁性材料で作製されていると、ピ
ン7が磁気を帯びる場合があり、磁気を帯びたピン7は
磁気記録テープに悪影響を及ぼし、最悪の場合は磁気記
録された情報やデータを消去してしまう恐れがあった。
さらに、磁気記録媒体は常にコスト削減が求められてお
り、そこに使用される部品に対してもコスト削減が求め
られている。
【0006】
【課題を解決する手段】そこで、本発明者らは、これら
課題を解決すべく研究を行った。その結果、質量%(以
下、%は質量%を示す)で、Cr:12〜22%、F
e:0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.
9〜3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、必要
に応じてCo:8〜22%を含有し、残部がNiおよび
不可避不純物からなる組成を有するNi基合金は、非磁
性であって耐食性に優れ、比較的加工性に優れているの
で微細で精密な塑性加工が可能であって図4に示される
ような2個の短太部10’を塑性加工により比較的容易
に成形できるので従来の切削加工よりも短時間でかつ安
価に成形することができ、塑性加工後に熱処理すると
γ’相が析出して強度、耐折損性が大幅に向上するとこ
ろから、図4に示されるような塑性加工により短太部1
0’を形成する必要がありかつ高強度および耐折損性を
必要とする磁気記録テープカートリッジのリーダーバッ
クル用ピン材として極めて好ましい、という知見を得た
のである。
課題を解決すべく研究を行った。その結果、質量%(以
下、%は質量%を示す)で、Cr:12〜22%、F
e:0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.
9〜3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、必要
に応じてCo:8〜22%を含有し、残部がNiおよび
不可避不純物からなる組成を有するNi基合金は、非磁
性であって耐食性に優れ、比較的加工性に優れているの
で微細で精密な塑性加工が可能であって図4に示される
ような2個の短太部10’を塑性加工により比較的容易
に成形できるので従来の切削加工よりも短時間でかつ安
価に成形することができ、塑性加工後に熱処理すると
γ’相が析出して強度、耐折損性が大幅に向上するとこ
ろから、図4に示されるような塑性加工により短太部1
0’を形成する必要がありかつ高強度および耐折損性を
必要とする磁気記録テープカートリッジのリーダーバッ
クル用ピン材として極めて好ましい、という知見を得た
のである。
【0007】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、(1)Cr:12〜22%、Fe:
0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜
3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、残部がN
iおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金
からなる磁気記録テープカートリッジのリーダーバック
ル用高強度非磁性ピン、(2)質量%で、Cr:12〜
22%、Fe:0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、
Ti:1.9〜3.5%、Al:0.2〜1.8%、C
o:8〜22%を含有し、残部がNiおよび不可避不純
物からなる組成を有するNi基合金からなる磁気記録テ
ープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピ
ン、(3)Cr:12〜22%、Fe:0.5〜10
%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜3.5%、A
l:0.2〜1.8%を含有し、残部がNiおよび不可
避不純物からなる組成、並びに素地中にγ’相が析出分
散している組織を有するNi基合金からなる磁気記録テ
ープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピ
ン、(4)質量%で、Cr:12〜22%、Fe:0.
5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜3.
5%、Al:0.2〜1.8%、Co:8〜22%を含
有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成、並
びに素地中にγ’相が析出分散している組織を有するN
i基合金からなる磁気記録テープカートリッジのリーダ
ーバックル用高強度非磁性ピン、(5)前記(1)〜
(4)のいずれかに記載のNi基合金からなり塑性加工
により成形された磁気記録テープカートリッジのリーダ
ーバックル用高強度非磁性ピン、に特徴を有するもので
ある。
たものであって、(1)Cr:12〜22%、Fe:
0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜
3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、残部がN
iおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金
からなる磁気記録テープカートリッジのリーダーバック
ル用高強度非磁性ピン、(2)質量%で、Cr:12〜
22%、Fe:0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、
Ti:1.9〜3.5%、Al:0.2〜1.8%、C
o:8〜22%を含有し、残部がNiおよび不可避不純
物からなる組成を有するNi基合金からなる磁気記録テ
ープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピ
ン、(3)Cr:12〜22%、Fe:0.5〜10
%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜3.5%、A
l:0.2〜1.8%を含有し、残部がNiおよび不可
避不純物からなる組成、並びに素地中にγ’相が析出分
散している組織を有するNi基合金からなる磁気記録テ
ープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピ
ン、(4)質量%で、Cr:12〜22%、Fe:0.
5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜3.
5%、Al:0.2〜1.8%、Co:8〜22%を含
有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成、並
びに素地中にγ’相が析出分散している組織を有するN
i基合金からなる磁気記録テープカートリッジのリーダ
ーバックル用高強度非磁性ピン、(5)前記(1)〜
(4)のいずれかに記載のNi基合金からなり塑性加工
により成形された磁気記録テープカートリッジのリーダ
ーバックル用高強度非磁性ピン、に特徴を有するもので
ある。
【0008】次に、この発明の磁気記録テープカートリ
ッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピンを製造する
ためのNi基合金の合金組成における各元素の限定理由
について詳述する。
ッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピンを製造する
ためのNi基合金の合金組成における各元素の限定理由
について詳述する。
【0009】Cr
Crは、Ni基合金からなるピンの耐食性を向上させる
とともに硬さ分布を一層均一にする作用があるので含有
させるが、その含有量が12%未満では不十分であり、
一方、22%を越えて添加すると加工性が低下するので
好ましくない。したがって、Crの含有量は12〜22
%に定めた。Crの含有量の一層好ましい範囲は、14
〜20%である。
とともに硬さ分布を一層均一にする作用があるので含有
させるが、その含有量が12%未満では不十分であり、
一方、22%を越えて添加すると加工性が低下するので
好ましくない。したがって、Crの含有量は12〜22
%に定めた。Crの含有量の一層好ましい範囲は、14
〜20%である。
【0010】Fe
Feは、Ni基合金からなるピンの鍛造加工性を向上さ
せる作用を有するので添加するが、その添加量が0.5
%未満では不十分であり、一方、10%を越えて添加す
ると耐食性が低下するので好ましくない。したがって、
Feの含有量は0.5〜10%に定めた。Fe含有量の
一層好ましい範囲は、1〜8%である。
せる作用を有するので添加するが、その添加量が0.5
%未満では不十分であり、一方、10%を越えて添加す
ると耐食性が低下するので好ましくない。したがって、
Feの含有量は0.5〜10%に定めた。Fe含有量の
一層好ましい範囲は、1〜8%である。
【0011】Mo
Moは、Ni基合金からなるピンの素地中に固溶して強
度および耐変形性を向上させる作用を有するので添加す
るが、その添加量は0.2%未満では所望の効果が得ら
れず、一方、8%を越えて添加すると、加工性が悪くな
るので好ましくない。したがって、Moの含有量は0.
2〜8%(一層好ましくは0.4〜5%)に定めた。
度および耐変形性を向上させる作用を有するので添加す
るが、その添加量は0.2%未満では所望の効果が得ら
れず、一方、8%を越えて添加すると、加工性が悪くな
るので好ましくない。したがって、Moの含有量は0.
2〜8%(一層好ましくは0.4〜5%)に定めた。
【0012】Ti
Tiは、Ni基合金からなるピンの耐食性を向上させる
と共に、Ni基合金溶解製造時および熱処理時に窒化物
を形成し、かかる窒化物の形成により耐欠損性の低下を
防止する作用を有し、さらにNi基合金素地中にγ’相
{=Ni3(Al,Ti)相}として析出してピンの強
度および剛性を向上させるので添加するが、その含有量
が1.9%未満では所望の効果が得られず、一方、3.
5%を越えて添加すると延性が低下するので好ましくな
い。したがって、Tiの含有量は1.9〜3.5%に定
めた。
と共に、Ni基合金溶解製造時および熱処理時に窒化物
を形成し、かかる窒化物の形成により耐欠損性の低下を
防止する作用を有し、さらにNi基合金素地中にγ’相
{=Ni3(Al,Ti)相}として析出してピンの強
度および剛性を向上させるので添加するが、その含有量
が1.9%未満では所望の効果が得られず、一方、3.
5%を越えて添加すると延性が低下するので好ましくな
い。したがって、Tiの含有量は1.9〜3.5%に定
めた。
【0013】Al
Alは、製造時の脱酸効果を高める作用を有するととも
に空気中窒素を固定して耐折損性を高め、さらにNi基
合金素地中にγ’相{=Ni3(Al,Ti)相}とし
て析出してピンの強度および剛性を向上させるので添加
するが、その含有量が0.2%未満では所望の効果が得
られず、一方、1.8%を越えて添加すると延性が低下
するので好ましくない。したがって、Alの含有量は
0.2〜1.8%に定めた。
に空気中窒素を固定して耐折損性を高め、さらにNi基
合金素地中にγ’相{=Ni3(Al,Ti)相}とし
て析出してピンの強度および剛性を向上させるので添加
するが、その含有量が0.2%未満では所望の効果が得
られず、一方、1.8%を越えて添加すると延性が低下
するので好ましくない。したがって、Alの含有量は
0.2〜1.8%に定めた。
【0014】Co
Coは、Ni基合金に固溶して強度を向上させ、熱処理
することにより素地中に微細なγ’相{=Ni3(A
l,Ti)相}の析出を微細にして靭性を損なうことな
く強度を向上させ、それによって変形を小さくする作用
を有するので必要に応じて添加するが、その含有量が8
%未満では不十分であり、一方、22%を越えて添加す
ると加工性が低下するので好ましくない。したがって、
Coの含有量は8〜22%(一層好ましくは、12〜2
0%)に定めた。
することにより素地中に微細なγ’相{=Ni3(A
l,Ti)相}の析出を微細にして靭性を損なうことな
く強度を向上させ、それによって変形を小さくする作用
を有するので必要に応じて添加するが、その含有量が8
%未満では不十分であり、一方、22%を越えて添加す
ると加工性が低下するので好ましくない。したがって、
Coの含有量は8〜22%(一層好ましくは、12〜2
0%)に定めた。
【0015】組織
Ni合金素地中に析出させるγ’相は非磁性体であり、
このγ’相を析出させることにより強度および靭性を向
上させることができるので、Ni合金からなるピンは素
地中にγ’相が析出した組織となるようにする。
このγ’相を析出させることにより強度および靭性を向
上させることができるので、Ni合金からなるピンは素
地中にγ’相が析出した組織となるようにする。
【0016】この発明のNi基合金からなる磁気記録テ
ープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピ
ンを製造するには、まず、Cr:12〜22%、Fe:
0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜
3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、必要に応
じてCo:8〜22%を含有し、残部がNiおよび不可
避不純物からなる組成を有するNi基合金を溶解・鍛造
してビレットを作製し、このビレットを熱間溝ロール圧
延したのち所定の太さに引抜き加工してNi基合金から
なる線材を作製し、この線材を所定の長さに切断してピ
ン素材を作製し、このピン素材を図5の断面説明図に示
されるように、ピン素材17の中央部を、両面に窪み1
3を有する金型11により把持固定したのちピン素材1
7を両端部から押し型12によりピン素材17の軸方向
に平行な方向に据え込み加工して図6の断面説明図に示
されるように中央部に2個の突起10’,10’を有す
るピン7を形成し、次いでこれを金型11および押し型
12から取り出してバレル仕上げしたのち、温度:65
0〜800℃にて5〜24時間保持の熱処理を行うこと
によりγ’相を析出させて作られる。
ープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピ
ンを製造するには、まず、Cr:12〜22%、Fe:
0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜
3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、必要に応
じてCo:8〜22%を含有し、残部がNiおよび不可
避不純物からなる組成を有するNi基合金を溶解・鍛造
してビレットを作製し、このビレットを熱間溝ロール圧
延したのち所定の太さに引抜き加工してNi基合金から
なる線材を作製し、この線材を所定の長さに切断してピ
ン素材を作製し、このピン素材を図5の断面説明図に示
されるように、ピン素材17の中央部を、両面に窪み1
3を有する金型11により把持固定したのちピン素材1
7を両端部から押し型12によりピン素材17の軸方向
に平行な方向に据え込み加工して図6の断面説明図に示
されるように中央部に2個の突起10’,10’を有す
るピン7を形成し、次いでこれを金型11および押し型
12から取り出してバレル仕上げしたのち、温度:65
0〜800℃にて5〜24時間保持の熱処理を行うこと
によりγ’相を析出させて作られる。
【0017】
【発明の実施の形態】実施例
表1に示される成分組成を有するNi基合金を真空溶解
し、得られた溶湯を鋳型に鋳込み、直径:120mm、
長さ:240mmの寸法を有するビレットを作製し、得
られたビレットを温度:1200℃に加熱し、熱間加工
によって直径:5mmの素線を作製した。さらに線引き
加工と焼鈍を繰り返して直径:0.60mmのNi基合
金線材を作製した。
し、得られた溶湯を鋳型に鋳込み、直径:120mm、
長さ:240mmの寸法を有するビレットを作製し、得
られたビレットを温度:1200℃に加熱し、熱間加工
によって直径:5mmの素線を作製した。さらに線引き
加工と焼鈍を繰り返して直径:0.60mmのNi基合
金線材を作製した。
【0018】このようにして得られたNi基合金線材を
長さ:30mmに切断してピン素材を作製し、このピン
素材の中央部を把持固定したのちピン素材の両端部から
ピン素材の軸方向に平行な方向に据え込み加工して、中
央部に直径:0.72mmの突起を2個形成し、次いで
バレル仕上げを行ったのち、真空雰囲気中にて表1〜2
に示される温度および時間保持の熱処理を行うことによ
りγ’相を析出させて本発明ピン1〜18および比較ピ
ン1〜10を作製した。
長さ:30mmに切断してピン素材を作製し、このピン
素材の中央部を把持固定したのちピン素材の両端部から
ピン素材の軸方向に平行な方向に据え込み加工して、中
央部に直径:0.72mmの突起を2個形成し、次いで
バレル仕上げを行ったのち、真空雰囲気中にて表1〜2
に示される温度および時間保持の熱処理を行うことによ
りγ’相を析出させて本発明ピン1〜18および比較ピ
ン1〜10を作製した。
【0019】従来例
さらに、直径:0.60mmのSUS420Fからなる
ステンレス鋼線材を用意し、この線材を長さ:30mm
となるように切断してピン素材を作製し、得られたピン
素材から実施例と同様にして据え込み加工して、中央部
に直径:0.72mmの突起を2個形成し、次いでバレ
ル仕上げを行ったのち、JISG4303(1998)
に記載のSUS420Fの焼入れ焼き戻し熱処理を行う
ことにより従来ピン1を作製した。さらに、直径:2m
mのSUS420Fからなるステンレス鋼線材を用意
し、この線材から精密旋盤を用いて図3に示されるよう
な中央部に直径:0.72mmの1個の短太部を有する
直径:0.60mmのピンを形成し、次いでバレル仕上
げを行ったのちJISG4303(1998)に記載の
SUS420Fの焼入れ焼き戻し熱処理を行うことによ
り従来ピン2を作製した。
ステンレス鋼線材を用意し、この線材を長さ:30mm
となるように切断してピン素材を作製し、得られたピン
素材から実施例と同様にして据え込み加工して、中央部
に直径:0.72mmの突起を2個形成し、次いでバレ
ル仕上げを行ったのち、JISG4303(1998)
に記載のSUS420Fの焼入れ焼き戻し熱処理を行う
ことにより従来ピン1を作製した。さらに、直径:2m
mのSUS420Fからなるステンレス鋼線材を用意
し、この線材から精密旋盤を用いて図3に示されるよう
な中央部に直径:0.72mmの1個の短太部を有する
直径:0.60mmのピンを形成し、次いでバレル仕上
げを行ったのちJISG4303(1998)に記載の
SUS420Fの焼入れ焼き戻し熱処理を行うことによ
り従来ピン2を作製した。
【0020】実施例で作製したNi基合金線材および従
来例で準備したステンレス鋼線材をそれぞれ表1〜2に
示される条件の熱処理を施した後、引張試験を行ない、
引張強さ、0.2%耐力および伸びを測定してその結果
を表3に示した後、さらに実施例で作製した本発明ピン
1〜18および比較ピン1〜10並びに従来例で作製し
た従来ピンを用いて下記の試験を行なった。
来例で準備したステンレス鋼線材をそれぞれ表1〜2に
示される条件の熱処理を施した後、引張試験を行ない、
引張強さ、0.2%耐力および伸びを測定してその結果
を表3に示した後、さらに実施例で作製した本発明ピン
1〜18および比較ピン1〜10並びに従来例で作製し
た従来ピンを用いて下記の試験を行なった。
【0021】衝撃試験
本発明ピン1〜18、比較ピン1〜10および従来ピン
の両端を支持し、これらピンの中央に0.3kgの重し
を10cmの高さから落下させて衝突させ、折損の有無
およびピンの変形量(曲がりの高さ)を測定し、その結果
を表3に示した。
の両端を支持し、これらピンの中央に0.3kgの重し
を10cmの高さから落下させて衝突させ、折損の有無
およびピンの変形量(曲がりの高さ)を測定し、その結果
を表3に示した。
【0022】耐食試験
本発明ピン1〜18、比較ピン1〜10および従来ピン
の半分を温度:50℃の5%NaCl水溶液に24時間
浸漬したのち取り出して変色を伴う腐食の発生の有無を
目視にて観察し、その結果を表3に示した。
の半分を温度:50℃の5%NaCl水溶液に24時間
浸漬したのち取り出して変色を伴う腐食の発生の有無を
目視にて観察し、その結果を表3に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表1〜3に示される結果から、本発明ピン
1〜18は、従来ピンに比べて強度、耐折損性および耐
食性に優れていることがわかる。
1〜18は、従来ピンに比べて強度、耐折損性および耐
食性に優れていることがわかる。
【0027】
【発明の効果】上述のように、この発明の磁気記録テー
プカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピン
は従来のピンよりも信頼性に優れ、したがって磁気記録
産業の発展に大いに貢献し得るものである。
プカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピン
は従来のピンよりも信頼性に優れ、したがって磁気記録
産業の発展に大いに貢献し得るものである。
【図1】テープカートリッジに巻取られて収納されてい
る磁気テープを巻戻してテイクアップリールに巻き取ら
れる状態を示す平面説明図である。
る磁気テープを巻戻してテイクアップリールに巻き取ら
れる状態を示す平面説明図である。
【図2】リーダーバックルの斜視図である。
【図3】ピンの平面説明図である。
【図4】ピンの平面説明図である。
【図5】ピン素材を金型および押し型に装入した状態を
示す断面説明図である。
示す断面説明図である。
【図6】金型および押し型により据え込み加工を終了し
た状態を示す断面説明図である。
た状態を示す断面説明図である。
1 テープカートリッジ
2 磁気テープ
3 ガイドローラ
4 テイクアップリール
5 ヘッド
6 バックル部
7 ピン
8 鉤部
9 リーダーバックル
10 短太部
11 金型
12 押し型
13 窪み
17 ピン素材
Claims (4)
- 【請求項1】質量%で、Cr:12〜22%、Fe:
0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜
3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、残部がN
iおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金
からなることを特徴とする磁気記録テープカートリッジ
のリーダーバックル用高強度非磁性ピン。 - 【請求項2】質量%で、Cr:12〜22%、Fe:
0.5〜10%、Mo:0.2〜8%、Ti:1.9〜
3.5%、Al:0.2〜1.8%を含有し、さらに、
Co:8〜22%を含有し、残部がNiおよび不可避不
純物からなる組成を有するNi基合金からなることを特
徴とする磁気記録テープカートリッジのリーダーバック
ル用高強度非磁性ピン。 - 【請求項3】前記Ni基合金は、素地中にγ’相が析出
分散している組織を有することを特徴とする請求項1ま
たは2記載の磁気記録テープカートリッジのリーダーバ
ックル用高強度非磁性ピン。 - 【請求項4】前記請求項1、2または3記載のNi基合
金からなり塑性加工により成形されたことを特徴とする
磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル用高強
度非磁性ピン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001394048A JP2003193163A (ja) | 2001-12-26 | 2001-12-26 | 磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001394048A JP2003193163A (ja) | 2001-12-26 | 2001-12-26 | 磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003193163A true JP2003193163A (ja) | 2003-07-09 |
Family
ID=27600890
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001394048A Withdrawn JP2003193163A (ja) | 2001-12-26 | 2001-12-26 | 磁気記録テープカートリッジのリーダーバックル用高強度非磁性ピン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003193163A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7493116B1 (ja) | 2024-02-06 | 2024-05-30 | 日本冶金工業株式会社 | 非磁性構造部材用Ni基合金 |
-
2001
- 2001-12-26 JP JP2001394048A patent/JP2003193163A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7493116B1 (ja) | 2024-02-06 | 2024-05-30 | 日本冶金工業株式会社 | 非磁性構造部材用Ni基合金 |
| WO2025169568A1 (ja) * | 2024-02-06 | 2025-08-14 | 日本冶金工業株式会社 | 非磁性構造部材用Ni基合金 |
| JP2025121058A (ja) * | 2024-02-06 | 2025-08-19 | 日本冶金工業株式会社 | 非磁性構造部材用Ni基合金 |
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