JP2003193208A - 磁石材料及びその製造方法 - Google Patents
磁石材料及びその製造方法Info
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Abstract
充分な最大磁気エネルギー積を有する磁石を実現する。 【解決手段】 本発明の磁石材料は、一般式Rx(T
1−u−v−wCuuM1 vM2w)1−x−yAy (式中、RはYを含む希土類元素から選ばれる少なくと
も1種の元素、TはFeまたはCo、M1はZr,T
i,Nb,Mo,Ta,W,Hfの少なくとも1種の元
素、M2はCr,V,Mn,Niの少なくとも1種の元
素、AはNまたはBの少なくとも1種の元素、x,y,
u,v,及びwはそれぞれ原子比で0.04≦x≦0.
2、001≦y≦0.2、002≦u≦0.2、0≦v
≦0.2、0≦w≦0.2)で実質的に表され、20原
子%以上のCuを含む非磁性相0.2〜10体積%と硬
磁性主相を含み、かつ前記硬磁性主相の平均結晶粒径が
100nm以下であることを特徴とする。
Description
造方法に関する。
石、Nd−Fe−B磁石などが知られており、現在量産
されている。このような高性能磁石は主としてモータ、
スピーカ、計測器等の電気機器に使用されている。近
年、各種電気機器の小型軽量化、低消費電力化の要求が
高まり、これに対応するために永久磁石の最大磁気エネ
ルギー積(BHmax)を向上させた、より高性能の永
久磁石が求められている。新しい高性能磁石材料の候補
としては1990年にSm−Fe−N系材料がCoey
らによって発表され注目を集めている。Sm−Fe−N
はNd−Fe−Bに匹敵する高い飽和磁化とNd−Fe
−Bを凌駕する大きな磁気異方性を有するため、高性能
磁石としての応用が期待されている。
素の1種または2種以上、TはFeまたはFeとCo)
において、高い磁気特性を実現するには、窒化処理条件
を最適化する必要がある他、結晶粒を微細化することが
重要である。結晶の微細化により保磁力(iHc)を高
められる他、微粒子の間に交換結合が働き、残留磁束密
度(Br)、最大磁気エネルギー積(BH)maxが向
上する。微細化手段としては、溶湯急冷法や、水素化・
分解反応・脱水素・再結合反応処理(HDDR法)によ
り結晶を微細化する方法、などがある。溶湯急冷法は微
細、かつ均一な合金組織を得るため、速い溶湯急冷速度
と高精度の急冷制御技術を要し、設備コスト増大など、
生産上の課題を残している。これに対して、HDDR法
は汎用性に富んだ低コストの製造方法である。
発しようとする試みはCoeyらの発表後いくつかの研
究グループによってなされており、例えばX.Chen
とZ.AltounianはSm2Fe17におけるF
eの一部を各種元素(Ti,V,Cr,Zr,Nb,M
o,Hf,Ta,W)で置換してHDDR反応挙動を詳
しく調べ、TiまたはNbで置換した場合には高い磁気
特性が得られることを見出した(Journal of
Applied Physics,75(10)(1
991)p6012)。また、飛世らはSm2Fe17
にTi,Bを添加し、結晶粒の平均粒径が200nmま
で微細化できることを報告した(Proceeding
s of 16th International W
orkshop on RE Magnets and
Their Applications(2000)
p793)。しかしながら、この方法によっても結晶粒
の微細化が十分とは言えず、溶湯急冷法により得られた
ものと比較すると、残留磁束密度(Br)が小さいこと
や保磁力(iHc)、最大磁気エネルギー積(BH)m
axが足りないといった課題を有する。また、HDDR
法によって高性能NdFeBの開発も進められており、
合金組成の調整または処理プロセスの適切化によって異
方性の合金粉末が得られることを見出したが(Jour
nal of Magnetic Society o
f Japan,23(1999)p300)、結晶粒
の平均粒径が300nmであり、更なる微細な組織と高
特性化が求められている。
の磁石においては、結晶粒の微細化がまだ不十分である
ことに起因して、残留磁束密度(Br)が不十分で、充
分な最大磁気エネルギー積(BH)maxが得られてい
ないという課題があった。本発明はこのような課題に対
処するためになされたもので、高い磁気特性を実現でき
る100nm以下の超微細結晶体を有する磁石材料及び
製造方法を提供することを目的としている。
達成するために、磁石材料の結晶粒を超微細化すること
について鋭意研究を重ねた結果成されたものである。す
なわち、第1の本発明は、一般式Rx(T
1−u−v−wCuuM1vM2 w)1−x−yAy
(式中、RはYを含む希土類元素から選ばれる少なくと
も1種の元素、TはFeまたはCoから選ばれる少なく
とも1種の元素、M1はZr,Ti,Nb,Mo,T
a,W,Hfから選ばれる少なくとも1種の元素、M2
はCr,V,Mn,Niから選ばれる少なくとも1種の
元素、AはNまたはBから選ばれる少なくとも1種の元
素、x,y,u,vはそれぞれ原子比で0.04≦x≦
0.2、0.001≦y≦0.2、0.002≦u≦
0.2、0≦v≦0.2、0≦w≦0.2)で実質的に
表され、20原子%以上のCuを含む非磁性相0.2〜
10体積%と硬磁性主相を含み、かつ前記硬磁性主相の
平均結晶粒径が100nm以下であることを特徴とする
磁石材料である。
相の結晶構造は、TbCu7型、Th2Ni17型、T
h2Zn17型、Nd2Fe14B型であることが望ま
しい。また、これらの相にThMn12型,RE3T
29型の相が混在していても差し支えない。また、前記
M1は、Ti,Zr,Nb,HfまたはMoから選ばれ
る少なくとも1種の元素を必ず含むことが望ましく、さ
らに、前記M2は、CrまたはVから選ばれる少なくと
も1種の元素を必ず含むことが望ましい。
均粉末粒径3〜500μmに粉砕し、続いて0.1〜1
0atmの水素ガス中または水素ガス分圧を有した窒素
ガス以外の不活性ガス中で450〜850℃で1〜8時
間保持して水素化及び分解反応処理を行ない、次に1
3.3Pa以下の真空中に600℃〜950℃で0.1
〜3時間保持して脱水素及び再結合反応処理を行なう工
程を含むことを特徴とする磁石材料の製造方法である。
合金系を研究した結果、R−T―M―Cu系に高T濃度
のR−T相と非磁性Cuリッチ相との共存関係を見出
し、すでに特許出願を行っているが(特開2001−1
98206参照)、本発明は、これらの研究過程から発
明をするに至ったもので、非磁性相Cuリッチ相の導入
によって、HDDR法を用いて超微細化した結晶を形成
することの可能性、更にR−T−A合金系の結晶構造安
定性の観点からM1とM2の2種類の内の少なくとも1
種の元素を更に複合添加する際の効果を検討した結果、
本願発明を完成したものである。
A系を基本としてCu元素を添加し、Cuリッチ相を導
入することを特徴としている。これまでに、上記Tの一
部にCuなどの原子を置換することによって磁気特性を
改善する技術に関する幾つかの報告がある。例えば、特
開平11−293418号公報、及び特開平11−29
7518号公報には、SmFeMN磁石材料のM元素群
にCuを添加することが開示されているが、この技術に
おいて、合金組織については主相或いは主相+軟磁性相
の組織が理想であるとの記載があるのみで、20原子%
以上のCuを含む非磁性相(Cuリッチ相)の存在に関
して何ら開示されていない。すなわち、Cuリッチ相を
形成することについては何ら着想されていなかったので
ある。本発明では上記Cuリッチ相の導入によって、そ
れが存在していない場合と比較して結晶粒を超微細化す
ることが可能となることに着想し発明を完成したもので
ある。更に,本発明は上述したCuリッチ相の存在に加
えてR−Fe−A系合金の結晶構造に強い影響を持つ2
種類の元素(Feと固溶しにくいM1元素とFeと固溶
しやすいM2元素)の少なくとも一方を添加することに
よってさらに特性を改善することができるものであり、
これは、Cuリッチ相の存在とこれら2種類の元素の内
の少なくとも一種を添加することによって、HDDR処
理中の各反応の核生成率を向上させ、粒成長を抑制し、
更なる超微細な合金組織と高磁気特性が可能となったも
のである。Cuリッチ相とM1元素とM2元素との少な
くとも三種類複合添加が特に望ましい。
DDR処理には主として水素化・分解反応(HD反応:
粗大な主相―>T相+R水素化物)と脱水素・再結合反
応(DR反応:T相+R水素化物―>微細な主相)とい
う複雑な反応が発生しており、超微細かつ均一な結晶粒
を得るため、HD反応とDR反応の制御が極めて重要で
ある。本発明ではHDDR処理中の雰囲気種類・分圧、
処理温度・時間の制御によって結晶粒を超微細化するこ
とが可能となるものである。
態について説明する。本発明の磁石材料は、上述したよ
うに 一般式 Rx(T1−u−v−wCuuM1vM2w)
1−x−yAy (式中、RはYを含む希土類元素から選ばれる少なくと
も1種の元素、TはFeまたはCoから選ばれる少なく
とも1種の元素、M1はZr,Ti,Nb,Mo,T
a,W,Hfから選ばれる少なくとも1種の元素、M2
はCr,V,Mn,Niから選ばれる少なくとも1種の
元素、AはNまたはBから選ばれる少なくとも1種の元
素、x,y,u,vはそれぞれ原子比で0.04≦x≦
0.2、0.001≦y≦0.2、0.002≦u≦
0.2、0≦v≦0.2、0≦w≦0.2)で実質的に
表され、20原子%以上のCuを含む非磁性相0.2〜
10体積%と硬磁性主相を含み、かつ前記硬磁性主相の
平均結晶粒径が100nm以下であることを特徴とする
ものである。
について詳細に説明する。 (1)R元素 R元素としてはYを含む希土類元素から選ばれる少なく
とも1種の元素が使用される。R元素はいずれも磁石材
料に大きな磁気異方性をもたらし、高い保磁力を付与す
るために4〜20原子%の範囲で配合される。R元素の
総量を4原子%未満にすると多量のα−Feが析出して
大きな保磁力が得られず、一方20原子%を超えると多
量のRリッチ相が形成し、飽和磁化の低下が著しい。よ
り好ましいR元素の配合量は、A元素は主にNを用いる
場合、8〜12原子%であり、さらに好ましくは8.5
〜11原子%であり、A元素は主にBを用いる場合、8
〜14原子%であり、さらに好ましくは11〜12.5
原子%である。R元素としては、Sm,Nd,Prを用
いることが好ましく、Sm,Ndは特に好ましい。A元
素は主にNを用いる場合、Rの総量の50原子%以上、
さらに好ましくは70原子%以上をSmとすることによ
り、磁石材料の性能、とりわけ保磁力を高めるのに有効
である。
元素であるが、主として磁石材料の磁化を担うものであ
る。Tを多量に配合することにより磁石材料の飽和磁化
を高めることができるが、過剰に配合するとα−Fe相
の析出により保磁力を低下させる恐れがある。
なCu添加はHDDR反応中の核生成率の向上をもたら
す他、合金中にCuリッチ合金相(Cu量が20原子%
以上)を形成し、粒成長阻止のピンニングサイトとして
HDDR処理中の粒成長の抑制には極めて有効であり、
組織を超微細させる効果を有する。合金中のCuリッチ
相の主要構成元素はCuとRであるため、Cuリッチ相
を形成するには、主相でのCu固溶域以上のCu元素を
添加する他、導入するCuリッチ相の量によってR元素
の添加量を増やすことが重要である。合金組成中のR元
素量を調整せず、単なる組成中のTをCuに置換する
と、母合金に粗大な軟磁性T相が形成され、保磁力が著
しく低下する場合がある。Cuリッチ合金相がピンニン
グサイトとして働くほか、R−T−A合金のHDDR温
度の低減にも極めて有効である。特に、M1,M2元素
を添加し、合金のHDDR反応温度が高まる場合は、C
uとの複合添加により、HDDR反応がより低い温度お
よび/または短時間で完成でき、結晶粒の微細化に有効
である。Cuの配合量をT,M1,M2,Cuの総量の
0.2原子%未満にするとその配合効果を十分に達成で
きず、一方T,M1,M2,Cuの総量の20原子%を
超えると飽和磁化の低下を招く。より好ましいCu元素
の配合量はT,M1,M2,Cuの総量の0.5〜10
原子%であり、さらに好ましくは1〜7原子%である。
前記Cuの50原子%以下を、Si,Ga,Zn,A
l,Geから選ばれる少なくとも1種の元素で置換する
ことができる。このような組成にすることによって減磁
曲線の角型性が向上するなどして、磁石特性特性が改善
される場合がある。
ら選ばれる少なくとも1種の元素であるが、R−Fe−
A系合金の結晶構造に強い影響を及ぼし、DR再結合反
応時の主相の粒成長を抑制させ、合金組織の微細化に有
効である。この他、母合金中のα−Fe相の析出の抑制
にも有効である。ただ、M1元素の置換は合金のHD反
応温度を高める場合があり、M1元素のみの微細化効果
が不十分である。Cuリッチ相とM1元素の複合添加
は、Cuリッチ相のみの添加或いはM1元素のみの添加
に比べ、微細化の効果が高い。M1元素は主として主相
中のT元素が占めるサイトを置換するが、M1の配合量
を、T,M1,M2,Cuの総量の20原子%を超える
と飽和磁化の低下が著しい。より好ましいM1元素の配
合量はT,M1,M2,Cuの総量の1〜10原子%で
あり、さらに好ましくは1.5〜8原子%である。M1
元素としてはTi,Zr,Nb,Hf,Moを用いるこ
とが好ましく、Ti,Zr,Nbが特に好ましく、さら
にTi+Zrの組み合わせが特に好ましい。
も1種の元素であるが、R−Fe−A系合金の結晶構造
を決定付ける他、合金組織の微細化に有効である。特
に、M2元素はCuやM1元素と違って、Feと固溶し
やすいため、HD分解反応後のα―Fe相中にも多量存
在し、DR再結合反応(T相+R水素化物―>微細な主
相)時の主相の核生成を促進させ、組織の超微細化に重
要である。ただ、M2元素のみの微細化効果が不十分で
あり、Cu相との複合添加、特にCu相とM1元素との
三元複合添加が組織の超微細化に極めて有効である。M
2元素は主として主相中のT元素が占めるサイトを置換
するが、M2の配合量を、T,M1,M2,Cuの総量
の20原子%を超えると飽和磁化の低下が著しい。より
好ましいD元素の配合量はT,M1,M2,Cuの総量
の1〜10原子%であり、さらに好ましくは1.5〜8
原子%である。M2元素としてはCr,Vを用いること
が好ましい。
在し、A元素を含まない場合と比較して結晶格子を拡大
させたり、電子構造を変化させることにより、キュリー
温度、磁気異方性、飽和磁化を向上させる働きを有す
る。A元素は主にBを用いる場合は主相の結晶構造はN
d2Fe14B型であり、A元素は主にNを用いる場合
は主相の結晶構造はTbCu7型,Th2Ni17型,
Th2Zn 17型のいずれかである。A元素の配合量を
0.1原子%未満にするとその配合効果を十分に達成で
きず、一方20原子%を超えると飽和磁化の低下を招
く。より好ましいA元素の配合量は主にBを用いる場合
4〜10原子%であり、主にNを用いる場合3〜18原
子%である。前記A元素の50原子%以下をH,C,
S,P,Oから選ばれる少なくとも1種の元素で置換す
ることができる。この場合において、H,C,S,P,
Oの置換またはNとBの複合添加により母合金またHD
DR処理途中の合金中には微細な水素化合物相、Bリッ
チ相,Cリッチ相などを形成し、組織を更に微細させる
などの効果を有する。A元素は主にNを用いる場合でも
Bを用いることが好ましい。各元素の配合量や製造プロ
セスによっては、TbCu7型、Nd2Fe14B型,
Th2Ni17型,Th2Zn17型、ThMn
12相,R3Fe29相などを主相とすることがある
が、TbCu7型,Nd2Fe14B型のいずれかを主
相とする場合に、特に高い磁石特性が得られる。ここ
で、前記主相とは磁石材料を構成する各結晶相および非
晶質相のうちで最大の体積占有率を有する相を意味する
ものである。本発明の磁石材料は50原子%以上のTを
含む軟磁性相を体積率で0.5〜40%含むことができ
る。この場合は、保磁力がある程度低下するが、高いB
rが得られる。平均結晶粒径および合金相の体積比率は
電子顕微鏡や光学顕微鏡による観察、X線回折等を併用
して総合的に判断されるが、磁石材料断面を撮影した透
過型電子顕微鏡写真の面積分析法により求めることがで
きる。本発明の磁石材料は酸化物などの不可避的不純物
を含有することを許容する。
料の製造方法の例について説明する。まず所定量のR,
T,M1,M2,Cu,A元素を含む合金粗粉末を作製
する。A元素を主にNにする場合には、HDDR処理の
後ガス処理を用いて窒素含有させる。合金粗粉末はアー
ク溶解や高周波溶解などによって得られた母合金を平均
粉末粒径3〜500μmに粉砕して得ることが出来る。
この母合金の平均粉末粒径を、この範囲に設定すること
により、HDDR後均一な微細組織と良い角型性を得る
効果が発揮される。ストリップキャスト法で作製した合
金薄帯を粉砕して得ることも出来る。このようにして得
られた合金粉末または粉砕前の合金に対して必要に応じ
て熱処理を施して均質化することが可能である。合金粉
末の調整法や熱処理の条件によって主相の種類や体積占
有率を制御することも可能である。好ましい母合金の組
織はR−T−M−D−Cu−A硬質磁性相と体積率で
0.1〜10%Cuリッチ相(R−Cu相)を含む。ま
た、ストリップキャスト法によって作製した合金薄帯の
使用は粉末のシャープな粒度分布に繋がるため、HDD
R処理を通じてより均一な超微細組織が得られ、更によ
り均一な窒素処理とより高い磁気特性が得られる。
する。水素化・分解反応処理(HD処理)は0.1〜1
0atmの水素ガス中または水素ガス分圧を有した不活
性ガス(窒素ガスを除く)中で450〜950℃,1〜
8時間保持して行なう。HD過程では、水素化・分解反
応により母合金中の主相である硬質磁性相がR水素化物
とT,T−M1−M2,T−M1−M2−Cu,Cuへ
分解し、R水素化物が粗大化する前にHD処理を終える
ことが微細な組織と良好な磁気特性を得るために好まし
い。HD過程がより低温側および/または短時間側では
分解反応が全く起こらないか、あるいは母合金の一部だ
けしか分解反応が起こらない。この場合、分解反応が起
こらなかった部分は結晶粒が微細化しないため、後処理
のDR過程、窒化処理(A元素は主にNとする場合の
み)を経て得られた窒化磁石粉末のBr,Hc,(B
H)maxが低い。他方、HD過程がより高温側および
/または長時間側ではHD処理後の組織が粗大粒化し、
このためDR処理、窒化処理(A元素は主にNとする場
合のみ)後の硬質磁性相が粗大化するため磁気特性が劣
化する。好ましいHD処理条件は合金主相の結晶構造に
依存するが、Nd2Fe 14B構造の場合には600〜
850℃、2〜4時間であり、その以外には500〜7
50℃、2〜4時間である。なお、HD処理を多段化す
ることも組織の超微細化に有効である。この温度範囲及
び加熱時間をこの範囲にすることによって、水素化・分
解反応中に十分な核を生成させ、異常粒成長を抑制し、
処理後超微細な(R水化物+T相)組織が得られる。
3.3Pa以下の真空中に650℃〜950℃で0.1
〜2時間保持して行なう。DR過程では、脱水素・再結
合反応によりR水素化物が消失し、TbCu7型、Nd
2Fe14B型,Th2Ni 17型,Th2Zn
17型,ThMn12相,R3Fe29相のいずれか結
晶構造を有する相に再結晶するが、再結晶粒が粗大化す
る前にDR処理を終えることが良好な磁気特性を得るた
めに好ましい。DR過程がより低温側および/または短
時間側では再結合反応が全く起こらないか、あるいは一
部だけしか再結合反応が起こらない。この場合、再結合
反応が起こらなかった部分は軟磁性相であるT相が残っ
ているため、窒化処理(A元素は主にNとする場合の
み)を経て得られた磁石粉末のiHcが低い。他方、D
R過程がより高温側および/または長時間側ではDR処
理後の組織が粗大粒化し、このためDR処理、窒化処理
(A元素は主にNとする場合のみ)後の硬質磁性相が粗
大化するため磁気特性が劣化する。好ましいHD処理条
件は合金主相の結晶構造に依存するが、Nd2Fe14
B構造の場合には13.3Pa以下の真空中、700〜
950℃、0.2〜1時間であり、その以外には13.
3Pa以下の真空中、650℃〜900℃、0.2〜1
時間である。この温度範囲及び加熱時間をこの範囲にす
ることによって、脱水素・再結合反応中に十分な主相核
を生成させ、かつ異常粒成長を抑制し、処理後超微細な
組織が得られる。
記合金粉末に対してNを含有させる。この場合、0.1
〜100atmの窒素ガス雰囲気中で0.1〜100時
間、300〜900℃の温度下で熱処理することが望ま
しい。前記熱処理の雰囲気は、窒素ガスに代えてアンモ
ニア等の窒素化合物ガスを用いても良い。窒素ガスある
いは窒素化合物ガスと水素ガスとを混合して用いること
で窒化反応を制御することも可能である。アンモニア等
の窒素化合物ガスを用いたり、水素ガスを混合したりす
ることによりNの一部をHで置換することが可能とな
る。本発明の磁石材料はボンド磁石として利用すること
が可能である。バインダーとしては通常エポキシ系ある
いはナイロン系などの樹脂が用いわれているが、低融点
金属または低融点合金をバインダーとしてメタルボンド
磁石を製造することも可能である。また、本発明の磁石
材料をホットプレス、熱間静水圧プレス、放電プラズマ
焼結などにより高密度の成形体として一体化することに
より磁石を製造することも可能である。また、本発明の
磁石材料を用いた磁石の製造においては、800℃以上
の温度にまで昇温しないことが望ましい。
する。 (実施例1〜36)まず、高純度の各原料を表1に示す
所定の割合で調合し、Ar雰囲気中で高周波溶解して母
合金インゴットを作製し、乳鉢を用いて平均粉末粒径3
00μm以下に粉砕した。ひきつづきこの合金粉末を1
atm以上の水素ガス中で500〜800℃で1〜8時
間保持する水素化及び分解反応処理を行ない、次に1
3.3Pa以下の真空中に650℃〜900℃で0.1
〜2時間保持する脱水素・再結合反応処理を行なった
後、1atmの窒素ガス雰囲気中、450℃温度で10
時間熱処理を施して磁石粉末を作製した。各処理段階の
各合金粉末の生成相をX線回折分析とTEM/EDSで
調べたところ、HD処理後は主にSm水素化物とα−F
e相となり、DR処理後は主に均一かつ超微細な主相と
Cuリッチ相となった。主相はTbCu7型,Th2N
i 17型,Th2Zn17型のいずれの結晶構造からな
る単相、或はTbCu7型,Th2Ni17型,Th2
Zn17型,ThMn12型,RE3T29型からなあ
る混在相であることが確認された。また、各合金にある
Cuリッチ相の組成は主にCu量が20原子%以上であ
ることが分析された。次に各合金粉末から等方性ボンド
磁石を作製してB−Hトレーサで磁気測定を行った。H
DDR処理後主相はTbCu7型の場合はより高い磁気
特性が得られ、実施例20の合金の場合、Br=0.7
5Tという高いBrが測定された。実施例1〜36の各
合金組成、HDDR処理温度、平均結晶粒径、および等
方性ボンド磁石の磁気特性測定結果を表1に示す。
にして合金粉末、等方性ボンド磁石を作製し、同様のB
−H測定を行った。比較例1〜10の各合金組成、HD
DR処理温度およびB−H測定結果を表2に示す。実施
例の合金がCuリッチ相を含むのに対し、比較例の合金
は比較例1〜3がCuを含まない場合、比較例4〜6が
Cuを含み、Cuリッチ相を含まない場合ある。Cuリ
ッチ相を含むことにより合金結晶粒径はこれが全く無い
場合より微細であり、磁気特性が優れることがわかっ
た。また、比較例7,8合金のR元素含有量、9,10
合金のA元素含有量がいずれも合金組成の限定範囲外で
あり、磁気特性が極めて低い、合金のR,A含有量が限
定範囲内であることが良好な磁気特性には必須であるこ
とがわかった。
料を表2に示す所定の割合で調合し、Ar雰囲気中で高
周波溶解して母合金インゴットを作製し、乳鉢を用いて
平均粉末粒径106μm以下に粉砕した。ひきつづきこ
の合金粉末を1atmの水素ガス中で600〜850℃
×1〜8時間保持する水素化・分解反応処理を行ない、
次に13.33Pa(0.1Torr)以下の真空中に
700℃〜950℃×0.1〜2時間保持する脱水素・
再結合反応処理を施して磁石粉末を作製した。各処理段
階の各合金粉末の生成相をX線回折分析とTEM/ED
Sで調べたところ、HD処理後は主にNd水化物とα―
Fe相となり、DR処理後は主に均一かつ超微細な主相
とCuリッチ相となった。主相の結晶構造はNd2Fe
14B型であることが確認された。各合金にあるCuリ
ッチ相の組成は主にCu量が20原子%以上であること
が分析された。次に各合金粉末、同方性ボンド磁石を作
製してB−Hトレーサで磁気測定を行った。実施例39
の合金の場合、Br=0.68Tという高いBrが測定
された。実施例37〜41の各合金組成、HDDR処理
温度、平均結晶粒径、および等方性ボンド磁石の磁気特
性測定結果を表3に示す。
同様にして合金粉末、等方性ボンド磁石を作製し、同様
のB−H測定を行った。比較例11〜13の各合金組
成、HDDR処理温度およびB−H測定結果を表4に示
す。実施例の合金がCuリッチ相を含むのに対し、比較
例の合金は比較例11〜12がCuを含まない場合、比
較例13がCuを含み、Cuリッチ相を含まない場合で
ある。Cuリッチ相を含むことにより合金結晶粒径はこ
れが全く無い場合より微細であることがわかった。
て、R,T,M1,M2,Cu,Aのいろいろ組み合わ
せ組成について記述したが、R,T,M1,M2,C
u,Aの他の組み合わせ組成であっても同様な結果が得
られており、さらに、Cuの50%以下の置換をSi,
Ga,Znなどで行なってもよい。
によれば、高い磁気特性を実現できる超微細結晶体の磁
石材料を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】一般式 Rx(T1−u−v−wCuuM
1vM2w)1−x−yAy (式中、RはYを含む希土類元素から選ばれる少なくと
も1種の元素、TはFeまたはCoから選ばれる少なく
とも1種の元素、M1はZr,Ti,Nb,Mo,T
a,W,Hfから選ばれる少なくとも1種の元素、M2
はCr,V,Mn,Niから選ばれる少なくとも1種の
元素、AはNまたはBから選ばれる少なくとも1種の元
素、x,y,u,v,及びwはそれぞれ原子比で0.0
4≦x≦0.2、0.001≦y≦0.2、0.002
≦u≦0.2、0≦v≦0.2、0≦w≦0.2)で実
質的に表され、20原子%以上のCuを含む非磁性相
0.2〜10体積%と硬磁性主相を含み、かつ前記硬磁
性主相の平均結晶粒径が100nm以下であることを特
徴とする磁石材料。 - 【請求項2】前記硬磁性主相の結晶構造は、TbCu7
型、またはTh2Ni17型,Th 2Zn17型、Nd
2Fe14B型のいずれかであることを特徴とする請求
項1記載の磁石材料。 - 【請求項3】前記M1は、Ti,Zr,Nb,Hfまた
はMoから選ばれる少なくとも1種の元素を必ず含むこ
とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁石材
料。 - 【請求項4】前記M2は、CrまたはVから選ばれる少
なくとも1種の元素を必ず含むことを特徴とする請求項
1ないし請求項3のいずれかに記載の磁石材料。 - 【請求項5】原料粉末を、平均粉末粒径3〜500μm
に粉砕し、続いて0.1〜10atmの水素ガス中また
は水素ガス分圧を有した窒素ガス以外の不活性ガス中で
450〜850℃で1〜8時間保持して水素化及び分解
反応処理を行ない、次に13.3Pa以下の真空中に6
00℃〜950℃で0.1〜3時間保持して脱水素及び
再結合反応処理を行なう工程を含むことを特徴とする磁
石材料の製造方法。
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