JP2003195436A - 感光材料及びマーキング方法 - Google Patents

感光材料及びマーキング方法

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JP2003195436A JP2001397975A JP2001397975A JP2003195436A JP 2003195436 A JP2003195436 A JP 2003195436A JP 2001397975 A JP2001397975 A JP 2001397975A JP 2001397975 A JP2001397975 A JP 2001397975A JP 2003195436 A JP2003195436 A JP 2003195436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光材料にレーザービームを照射してドット
パターンの配列により印字を行うときに、不要なカブリ
を防ぎつつ文字の視認性を高める。 【解決手段】 感光材料2を一定速度で搬送する。プリ
ントヘッド3からのレーザービーム7は感光材料2の搬
送方向に直交する向きに走査され、ドットパターン8の
配列により印字パターン10がマーキングされる。ドッ
トパターン8は感光材料2の乳剤層側に形成されるが、
その直下のフイルムベースにはレーザービーム7の強度
に応じた凹部が形成される。この凹部の深さを3μm〜
10μmにの範囲にすると、ドットパターン8の周囲に
カブリが生ぜず、視認性も良好になる。文字長L1を印
字ピッチLの70%以下にして印字を行うことにより、
レーザービーム走査用の音響光学装置5の過熱を防ぎ、
視認性のよい印字パターンが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザービームの照
射により文字やマークを印字した感光材料及び、そのマ
ーキング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平10−6549号公報記載のよう
に、ウェブ状の感光材料を搬送しながらビームスポット
が略円形状のレーザービームを照射して文字やマークを
印字するマーキング方法が公知である。レーザービーム
の照射により、そのエネルギー密度及び照射時間(パル
ス幅)に応じたドットパターンが感光材料の表面に形成
されるが、このドットパターンを縦横に適数個ずつ配列
して任意の文字やマークを印字することができる。
【0003】上記公報記載の方法では、感光材料の搬送
方向と直交する走査方向に複数のレーザー発振器を並列
させ、印字する文字パターンに応じてこれらのレーザー
発振器を選択的にオン/オフする手法が採られ、レーザ
ー発振器の個々によって形成されるドットパターンが均
一になるように、レーザービームのエネルギー密度とレ
ーザービームの照射パルス幅の条件設定がなされてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載のよう
に、感光材料に照射されるレーザービームのエネルギー
密度とパルス幅とを正確に制御することができれば、ド
ットパターンも一律になって文字パターンの視認性も向
上する。しかしながら、レーザービームの1ドットあた
りのパルス幅は10-5〜10-6秒オーダーで、この瞬間
のレーザービームのエネルギー密度を正確に測定するこ
とは現実的にはきわめて困難である。また、レーザービ
ームを連続発振させ、印字されたドットの大きさを目安
に平均エネルギー密度を求めることは可能であるが、レ
ーザー発振器を連続発振させたときの出力特性と立ち上
がり駆動時の出力特性とは異なるため、これに基づいて
上記パルス幅内でのエネルギー密度を推定しても信頼性
に乏しいのが実情である。
【0005】さらに、レーザービームの照射スポット内
では、その中心に対して周縁部でのエネルギー密度が低
くなっているのが通常である。したがって、レーザービ
ームを短いパルス幅で照射したときには照射スポットよ
りも小さい径のドットパターンが形成され、パルス幅を
長くしたときには照射スポットの周囲に伝熱が及び、照
射スポットよりも大きい径のドットパターンが形成され
る。このため、ドットパターンの径に基づいてレーザー
ビームのエネルギー密度を算出しても、前者では実際よ
りも高く、後者では低く算出されてしまうことになる。
【0006】こうした理由から、レーザービームのパル
ス幅はともかく、エネルギー密度に基づいて感光材料に
印字を行うときの条件設定をしても実効性に乏しい。さ
らに、複数のレーザー発振器を並列させて使用する場合
には、その各々について条件設定が必要となるほか、感
光材料の品種切り換えにも対応しなければならず、文字
やマークを構成するドットパターンの均一化を図るうえ
であまり実用的ではない。ドットパターンがばらつく
と、凹凸の少ない視認困難なドットが発生したり、逆に
過度のレーザービーム照射が異物にエネルギーを与え、
発光による感光層の光りカブリを発生させたりする。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、レーザービームの照射によって形成されるドットパ
ターン自体の形状を解析し、視認しやすいドットパター
ンを用いて文字やマークを印字した感光材料及び、その
マーキング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、レーザービームを照射して感光材料を部分
的に溶融して凹凸部からなるドットパターンを形成し、
このドットパターンを配列して文字やマークを印字する
にあたり、ドットパターン総個数の少なくとも80%の
ドットパターンについては、その直下のフイルムベース
に形成される凹部の深さが3μm〜10μmとなるよう
にしたものである。また、本発明では、音響光学装置で
レーザービームを走査しながら文字やマークの印字を行
う構造となっており、複数のレーザー発振器について各
々条件設定をする手間を要しない。ただし、音響光学装
置の応答性がレーザービームから受ける熱によって変動
することを考慮し、レーザービームによって音響光学装
置が異常に加熱されることを防ぐような工夫がなされて
いる。
【0009】その一つの目安は、繰り返し印字される文
字やマークの配列からなる一単位の印字パターンをマー
キングする際に、一単位の印字パターンの印字に要する
印字総時間に対し、レーザービームの照射時間を70%
以下にすることである。さらに、一単位の印字パターン
を一定の繰り返し周期でマーキングする際に、前記繰り
返し周期に対し、一単位の印字パターンの印字に要する
印字総時間を70%以下に抑えることも効果的である。
レーザー光の波長と印字する感光材料の種類の組み合わ
せによっては、レーザーエネルギーがフィルム内で全て
吸収されずに一部が透過する場合がある。この透過エネ
ルギーによっては、レーザーエネルギーがフィルム内で
全て吸収されずに一部が透過する場合がある。この透過
エネルギーによって、感光材料の反印字面側に接触して
いるローラーやベルトなどに付着した塵埃が加熱・発光
し、感光層に光りカブリを発生させる。この対策には、
レーザービームが走査される領域は中空に感光材料を浮
かせ、反印字面側のレーザービームの光軸延長上に、少
なくともレーザー光を感光材料上に集光させる集光レン
ズの焦点距離の1倍以上固体物を存在させないことが有
効である。感光材料がウエブ状で搬送しながら印字を行
う場合には、感光材料の搬送方向に関し、レーザービー
ムが走査される領域を挟む上流側と下流側に搬送ローラ
を設けて、レーザービームの走査領域では感光材料を中
空に浮かせて感光材料の反印字面側に何も接触させず、
感光材料に単位幅あたり、0.1kg/cm以上のテン
ションを与えることで、ウエブが厚み方向に振動してレ
ーザー集光レンズと感光材料印字面との距離が変動して
しまうことを防止して印字を行うのが有効な手段とな
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に本発明を用いたマーキング
方法を概略的に示す。ウェブ状の感光材料2の乳剤面側
に対面してプリントヘッド3が設けられている。感光材
料2は矢印方向に一定速度で搬送され、この搬送に同期
してプリントヘッド3の駆動が制御される。プリントヘ
ッド3は、レーザー発振管4と音響光学装置5と集光レ
ンズ6とを有し、感光材料2の乳剤面にレーザービーム
7を照射する。
【0011】レーザー発振管4には単一の炭酸ガスレー
ザー管が用いられ、一単位の印字パターンを印字する間
は連続したレーザー光を射出して音響光学装置5に入射
させる。音響光学装置5は偏向入力信号に応じ、レーザ
ー光を感光材料2の搬送方向と直交する向きに偏向して
所定のパルス幅のレーザー光とし、集光レンズ6に入射
させる。集光レンズ6は、音響光学装置5から射出した
レーザー光を感光材料2の表面上で集光するレーザービ
ーム7として射出させる。
【0012】感光材料2にレーザービーム7を所定のパ
ルス幅で照射すると、感光材料2の乳剤層やフイルムベ
ースの一部が溶融してドットパターン8が形成される。
ドットパターン8は、詳しくは後述するように感光材料
2の表面に凹凸部として現れる。感光材料2の搬送速度
に対して十分に速い走査速度でレーザービーム7を感光
材料2の搬送方向と直交する向きに断続的に走査し、そ
れぞれの走査位置で所定のパルス幅で感光材料2にレー
ザービーム7を照射すると、図示のように搬送方向に直
交する方向に複数個のドットパターン8を配列すること
ができる。そして、感光材料2の搬送に同期して同様の
手順を繰り返すことによってM×N個のドットパターン
配列が得られるので、感光材料2の表面に文字やパター
ンを印字することが可能となる。
【0013】図1に示す例では、一文字を縦6ドット横
5ドットで表現するとともに、文字長L1の「FUF
U」を一単位の印字パターン10とし、その印字ピッチ
をL、隣り合う印字パターン相互間の間隔をL2(L=
L1+L2)にしてある。印字の品位及び視認性の点を
考慮すると、隣接するドットパターン8が重なり合うこ
となく一定の間隔をおいて分離していること、乳剤層に
十分な凹凸が現れていること、ドットパターン周囲にカ
ブリが少ないことなどが挙げられる。なお、ここで言う
視認性とは、感光材料2をいかなる濃度で現像したとし
ても、印字パターン10が反射光で的確に識別できるか
否かを良否の判断基準にしている。
【0014】ドットパターン8自体の視認性は乳剤層表
面に現れる凹凸の度合い(表面粗さ)が大きいほど良好
になり、そのためにはレーザービーム7のエネルギー密
度を高めたりパルス幅を長くすればよい。しかし、これ
に伴ってドットパターン8の周囲にカブリが生じやすく
なってくる。カブリには、レーザービーム7が周囲の塵
埃に当たってこれを発熱させ、そのときに発生する光に
よるものと、フイルムベースに混在する不純物の加熱に
よって生じる光によるものとの2種類がある。周囲の塵
埃の発光によるカブリについては、レーザービーム7の
照射とともにArなどの不活性ガスを吹きつけたり、周
囲を清浄な環境に維持するなどの手法で改善することが
可能であるが、フイルムベース内の不純物の発光による
カブリについては、現状ではその改善が非常に困難とな
っている。
【0015】レーザービーム7を細く絞って微小面積に
集中させて照射する手法を採ると、乳剤層だけでなくそ
の下層のフイルムベースも深く浸食されてしまう。この
ため、レーザービーム7がフイルムベース内にランダム
に混在している不純物に照射される確率が高くなり、照
射位置周辺の広い範囲にカブリを生じさせる結果とな
る。
【0016】感光材料2にXレイフイルムを用い、その
乳剤層側からレーザービーム7をそれぞれ異なった照射
条件で照射したときのドットパターンの形状を図2〜図
4に示す。それぞれのドットパターンの平面形状は略円
形となり、各図はそれぞれの中央断面を顕微鏡観察した
ときの概略を表している。図2に示すドットパターン8
aは、乳剤層12の表面に微細な凹凸が現れており全体
的にゆるやかに窪んでいる。窪みの外径Wは90μm程
度で、その全域が乳剤層12で覆われている。ドットパ
ターン8a直下ではフイルムベース13にもゆるやかな
凹部が形成され、その深さDは5μm程度である。この
ドットパターン8aは視認性が良好で、その周囲にカブ
リは生じていない。
【0017】上記ドットパターン8aの形成時よりもレ
ーザービーム7の照射エネルギー量を大きくしたときに
得られるドットパターンを図3に示す。このドットパタ
ーン8bは、その表面が微細な凹凸をもった乳剤層12
で覆われているが、乳剤層12の真下のフイルムベース
13にも凹部が形成され、その深さDは10μmに達し
ている。ドットパターン8bの外径Wは約110μm
で、ドットパターン8bの周囲にもカブリの発生が確認
された。
【0018】さらにレーザービーム7の照射エネルギー
量を大きくすると、図4に示すようなドットパターン形
状となった。このドットパターン8cは、パターン表面
の乳剤層12が消失してフイルムベース13の凹部が表
面に露出している。ドットパターン全体の外径Wは14
0μmで、フイルムベース13に形成された凹部の径は
約30μm、その深さDは30μm程度まで深くなって
いる。また、ドットパターン8cの周囲にもカブリの発
生があった。
【0019】上記観察結果を含め、ドットパターン8の
形状とカブリの発生状況とを観察すると、視認性の良好
なものは乳剤層12の表面を十分に粗しているだけでな
く、フイルムベース13にも凹部が形成されている点で
共通している。そして、カブリの影響が出ているものは
フイルムベースに深さが10μmを越える凹部をもつも
のであることが判った。こうした知見から、フイルムベ
ースに形成される凹部の深さが3μm〜10μmとなる
ようにドットパターン8を形成することが視認性を良好
にし、かつカブリの影響を抑えるうえで有効であること
が確認された。なお、視認性を良好に保つには、文字や
マークを構成する全てのドットパターンについて、フイ
ルムベースの凹部の深さを3μm〜10μmの範囲にし
ておくことが望ましいが、ドットパターン総個数の80
%がドットパターンとして視認できれば、文字やマーク
を識別することが可能である。
【0020】一般に、感光材料2の種類や品種により、
乳剤層12やフイルムベース13の層構成,厚み,材質
が変わり、炭酸ガスレーザー管からのレーザービーム7
を照射したときにそのエネルギーが感光材料2で全て吸
収されないこともある。そして、レーザービーム7の照
射位置で感光材料2の裏面をサクションベルトや金属ロ
ールで支持されている場合には、サクションベルトや金
属ロールと、感光材料2の裏面との間にある微小異物に
レーザービーム7が照射されると、そこで発光現象が生
じてカブリを引き起こすことが懸念される。
【0021】これに対しては、図5あるいは図6に示す
ように、レーザービーム7が走査される領域で感光材料
2を中空に浮かせた状態にすることが効果的である。図
5に示す例では、長尺帯状の感光材料2を搬送用の一対
のパスロール15,16で中空で支持し、これらの間に
レーザービーム7を照射するようにしてある。レーザー
ビーム7は焦点距離fの集光レンズ6により感光材料2
の表面にスポット状に照射され、レーザービーム7は音
響光学装置5(図示省略)により感光材料2の搬送方向
と直交して走査される。
【0022】このような位置でレーザービーム7を照射
すれば、感光材料2で吸収されなかったレーザービーム
7はそのまま感光材料2を透過してしまうので、感光材
料2の裏面を支持する部材の表面などに付着した微小異
物の発光によるカブリを防ぐことができる。なお、図示
のように感光材料2を透過したレーザービームをカーボ
ン板などの吸収部材18で吸収する際には、吸収部材1
8を設置する位置としては、感光材料2から距離S(>
f)だけ離すのがよい。これにより、吸収部材18の表
面に微小異物が存在したとしても、エネルギー密度が低
いため、発光に至ることはない。
【0023】また、一対のパスロール15,16の間で
感光材料2に印字を行う場合には、パスロール間で感光
材料2が撓むとレーザービーム7の集光の度合いが変化
して印字品質が低下するので、パスロール15,16間
の感光材料2に対し、単位幅あたり0.1kg/cm程
度以上のテンションを与えることが望ましい。
【0024】図6はシート状にした感光材料2aに印字
を行う場合の例を表す。製品サイズにカットした感光材
料2aは、表面に多数のエアー吸引孔が設けられたサク
ションベルト20の表面に吸着保持された状態で矢印方
向に搬送される。感光材料2aは、印字が予定される一
方の端縁がサクションベルト20からはみ出しており、
この端縁に対してレーザービーム7が走査しながら照射
される。したがって、図5に示す例と同様、感光材料2
aを透過したレーザービーム7によってカブリを生じさ
せるおそれがない。なお、感光材料2aを透過したレー
ザービーム7を吸収部材18で吸収する際には、同様に
感光材料2aから吸収部材18までの距離Sを集光レン
ズ6の焦点距離fよりも長く設定しておくことが望まし
い。
【0025】一般に、炭酸ガスレーザー管からは発振波
長が10.6μmのレーザー光が得られるが、より短い
発振波長、例えば9.2μmの発振波長をもつレーザー
光を利用すれば、感光材料表面でのエネルギー吸収が高
くなる。このため、フイルムベース13まで達するレー
ザービームや、フイルムベース13を透過するレーザー
ビームが減ることになり、フイルムベース内やその背後
にある微小異物による発光を抑えながらも、印字の視認
性を良好に維持するうえでは効果的である。
【0026】レーザービーム7を走査するために用いら
れている音響光学装置5は、圧電素子に高周波信号を印
加して超音波振動させたとき、圧電素子の結晶に歪みが
生じて屈折率が変化することを利用してレーザービーム
を偏向させている。ところが、圧電素子結晶はレーザー
ビーム7の入射により熱を発生する。そして、この熱に
よって応答特性が変動し、入力された高周波信号に対す
るレーザービームの偏向量が変化する。この変動を抑制
するには圧電素子結晶の温度上昇を防ぐ必要があり、本
発明では印字総時間に対するレーザー発振時間を70%
以下に抑えることによって、十分な冷却時間を確保する
ように工夫してある。
【0027】
【実施例】図1に示すように、単一の炭酸ガスレーザー
管4から発生させたレーザー光(発振波長:10.6μ
m)を音響光学装置5に入射させ、音響光学装置5から
射出したレーザービーム7を集光レンズ6(f=82.
5mm)で集光し、感光材料2の乳剤層にドットパター
ン8を形成した。感光材料2には直接撮影用の医療用X
レイフイルム(富士写真フイルム製/商品名:Super HR
-G 30)を用いた。レーザー管出力は100W、連続発振
時に音響光学装置5から射出したレーザービーム7に基
づいて測定したエネルギー量は84Wである。
【0028】実際の印字に使用するレーザー光は、音響
光学装置による偏向によって、短いパルス状になってい
るため、ドット印字中における実際のエネルギー密度の
測定は困難である。また、レーザー管4の立ち上がり特
性や音響光学装置5の偏向効率によってエネルギー密度
は大きく左右されることになるが、連続発振中のエネル
ギー量と、これにより形成されたドットパターン8から
エネルギー密度を推定すると4.18×105 W/cm
2 程度となる。以上の条件のもとでパルス幅を変えなが
らドットパターンを順次に形成して印字を実行し、フイ
ルムベース13に形成される凹部の深さDと、文字の視
認性及びカブリの有無を確認した。その結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】同一のレーザービーム照射条件のもとで、
集光レンズ6の焦点距離を89mm,95mmに変えて
ドットパターン8を形成した結果を表2,表3に示す。
集光レンズ6の焦点距離の変更に伴って推定エネルギー
密度も変わり、表2では3.0×105 W/cm2
度、表3では2.0×105 W/cm2 程度となる。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】さらに集光レンズ6の焦点距離を127m
mとし、パルス幅をより長く設定して測定した結果を表
4に示す。推定エネルギー密度は7.0×104 W/c
2程度となる。
【0034】
【表4】
【0035】上記表1〜表4中、文字の視認性は視線の
方向によらず明瞭に識別できるものを「○」、存在が確
認できるものの視線の方向によっては確認しにくくなる
ものを「△」、一瞥では存在が確認できないものを
「×」で評価してある。また、カブリに関しては、その
存在が視認できないものを「○」、文字の視認性に影響
を与えない程度に現れているものを「△」、文字の視認
性に影響を与える程度に発現しているものを「×」で評
価した。これらの結果から、フイルムベース13に形成
される凹部の深さDが3μm〜10μmの範囲であると
きに、文字の視認性が良好でカブリを生じさせないこと
が確かめられた。
【0036】なお、印字する文字やマークの大きさある
いは字体によって使用できる集光レンズが限られたり、
マーキング工程の処理サイクルによってパルス幅が制約
されることもあるが、感光材料2の品種ごとに適切なド
ットパターン8が得られるように印字条件を変更する場
合には、集光レンズ6の交換,レーザー光のパルス幅の
調節など、他の照射条件に影響を及ぼさないパラメータ
を調整するのがよい。このようなパラメータとしては、
そのほかに音響光学装置5を通過する過程でレーザービ
ームの光量調節を行う手法があり、これは音響光学装置
5に入力する高周波信号を調節することによって対応が
可能である。
【0037】図1に示すように、文字長L1の印字パタ
ーン10を一単位とし、間隔L2を保ちながら印字ピッ
チLで順次に印字を行ってゆく場合、印字パターン10
を印字している間は連続的に発光している状態となる。
音響光学装置5の過熱を防ぐためには、一単位の印字パ
ターン10の印字終了後、次の印字パターン10の印字
開始までの間に十分な冷却期間をおけばよい。そこで、
感光材料2を一定の搬送速度で搬送し、印字パターン1
0の文字長L1を60mmで一定とし、間隔L2を変え
ることにより印字ピッチ(L1+L2)を変えながら印
字を行って文字の視認性についてテストした。
【0038】このテストでは、レーザー管出力を100
W、連続発振状態で音響光学装置5から射出されるレー
ザービームのエネルギー量を84Wとし、焦点距離fが
82.5mmの集光レンズを使用した。また、ドットパ
ターン1個あたりのパルス幅を13μsにして印字を行
った。その評価結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】表5から判るように、L1+L2で表され
る印字ピッチに対して印字パターン10の文字長L1が
約70%を越えるようになると十分な冷却期間をとるこ
とができず、印字を継続していったときにその影響が顕
著になる。したがって、音響光学装置5の応答性を良好
に保ちつつ感光材料2を一定速度で搬送しながら継続的
に印字を行うには、印字パターン一単位の文字長L1を
印字ピッチ(L1+L2)の70%以下に抑えることが
有効であることが分かる。
【0041】なお、感光材料2の搬送速度を可変しなが
ら印字を行う場合、特に間隔L2の搬送時には低速で感
光材料2を搬送することができる場合には、上記文字長
さL1は必ずしも印字ピッチの70%に抑えなくてもよ
い。ただし、この場合でも、L1+L2の印字ピッチ分
だけ感光材料2を搬送するのに要する印字の繰り返し周
期に対し、印字パターン一単位の印字に要するレーザー
管の発光時間を70%以下に抑えることが必要である。
【0042】さらに、図5に示すように一対のパスロー
ル15,16により感光材料2を中空に浮かせた状態で
印字を行う場合には、前述のようにパスロール15,1
6間の感光材料2に適度なテンションを付与しておくこ
とが必要になる。このテンションの度合いと印字品質と
の相関を確認するためにテストを行った。先のテストと
同様、レーザー管出力を100W、連続発振状態で音響
光学装置5から射出されるレーザービームのエネルギー
量を84Wとし、焦点距離fが82.5mmの集光レン
ズを使用した。また、ドットパターン1個あたりのパル
ス幅は13μsである。単位幅当たりのテンションを変
えながら印字を行い、ドットパターン8の形状を観察し
た結果は表6のとおりである。
【0043】
【表6】
【0044】以上のテストでは、感光材料2に直接撮影
用の医療用Xレイフイルム(富士写真フイルム製/商品
名:Super HR-G 30)を用いたが、パスロール15,16
間のテンションを0.1kg/cm以上にしておけばよ
いことが確認された。テンションをかけすぎると感光材
料2とパスロール15,16との接触面圧力が高くなり
すぎ、感光材料自体の品質が劣化することが懸念される
ので、最大でも0.5kg/cm程度に抑えるのが好ま
しい。なお、パスロール15,16間で感光材料2のテ
ンションを一定に保つには、パスロール16の下流側に
設けたサクションドラムで感光材料2を滑りなく搬送し
ながら、パスロール15の上流側で感光材料2の搬送に
負荷を与えるようにすればよい。また上記テンションの
値は、前記医療用Xレイフイルムのみならず、プラスチ
ック製のフイルムベースに乳剤層を塗布した一般的な感
光材料にも適用可能な値である。
【0045】図6に示すようにサクションベルト20を
用いたり、あるいは感光材料を表裏から挟んで搬送する
サンドイッチ形式のベルトを用いる場合には、感光材料
の印字側端縁をこれらのベルトからはみ出させて搬送す
ればよく、テンションの問題は生じない。一般に、印字
は感光材料の一方の端縁から3mm程度の範囲内に行わ
れるので、そのはみ出し量としては10mmもあれば十
分である。
【0046】上述の例では、単一のレーザー管から放出
されたレーザー光を音響光学装置を利用して感光材料の
搬送方向と直交する副走査方向に走査して印字を行うよ
うにしているが、副走査方向のドット数に合わせて複数
本のレーザー管を配置し、これらを選択的に発光させて
印字を行うようにすれば、音響光学装置を用いずに同様
の印字を行うことができる。ただし、複数本のレーザー
管の各々の応答特性にはバラツキがあり、そのまま用い
たのではドットパターンの大きさやフイルムベースに形
成される凹部の深さが一定せず印字品質が低下する。し
たがって、複数本のレーザー管の個々に集光レンズを設
け、対応するレーザー管の特性に応じてその焦点距離を
変え、あるいはパルス幅の調節などにより所望のドット
パターンが得られるようにすれば、カブリのない良好な
印字を行うことが可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上に述べたとおり、本発明によれば、
乳剤層側からレーザービームを照射してドットパターン
を形成するにあたり、フイルムベースに形成される凹部
の深さを3μm〜10μmの範囲にするようにしたか
ら、カブリを発生させずに良好な視認性を確保すること
ができる。全てのドットパターンについて前記凹部の深
さがその範囲に収まっていることが望ましいが、総個数
の少なくとも80%のドットパターンがこの条件を満た
していれば、文字の視認性のうえからは実用し得る。ま
た、レーザービームを走査する音響光学装置の耐熱性
や、感光材料を中空に浮かせた状態で印字を行う際のテ
ンションについても対策を施したから、カブリを発生さ
せずに良好なマーキングを継続的に行ってゆくことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマーキングに用いられるプリントヘッ
ドの概略図である。
【図2】ドットパターンの一例を示す概略断面図であ
る。
【図3】ドットパターンの他の例を示す概略断面図であ
る。
【図4】ドットパターンのさらに別の例を示す概略断面
図である。
【図5】一対のパスロール間でマーキングを行う例を示
す説明図である。
【図6】サクションベルトで搬送しながらマーキングを
行う例を示す説明図である。
【符号の説明】
2 感光材料 3 プリントヘッド 4 レーザー管 5 音響光学装置 6 集光レンズ 7 レーザービーム 8 ドットパターン 10 印字パターン 12 乳剤層 13 フイルムベース 15,16 パスロール 18 吸収部材 20 サクションベルト

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面に感光層が塗布されたフ
    イルムにレーザービームを照射して凹凸部からなる複数
    のドットパターンを形成し、これらのドットパターンの
    配列により文字やマークを印字した感光材料において、 前記ドットパターン総個数の少なくとも80%のドット
    パターン直下のフイルムベースに形成される凹部の深さ
    が3μm〜10μmであることを特徴とする感光材料。
  2. 【請求項2】 感光材料を一定速度で搬送しながらレー
    ザービームを音響光学装置で走査することにより文字や
    マークの配列からなる一単位の印字パターンを一定の印
    字ピッチでマーキングする際に、一単位の印字パターン
    の文字長を前記印字ピッチの70%以下にしたことを特
    徴とする請求項1記載の感光材料。
  3. 【請求項3】 少なくとも片面に感光層が塗布されたフ
    イルムにレーザービームを照射して凹凸部からなる複数
    のドットパターンを形成し、これらのドットパターンの
    配列により文字やマークを印字するマーキング方法にお
    いて、 前記ドットパターン総個数の少なくとも80%のドット
    パターン直下のフイルムベースに形成される凹部の深さ
    が3μm〜10μmの範囲となるようにレーザービーム
    条件を設定して照射することを特徴とするマーキング方
    法。
  4. 【請求項4】 感光材料の搬送に同期してレーザービー
    ムを音響光学装置で走査することにより文字やマークの
    配列からなる一単位の印字パターンを一定の繰り返し周
    期でマーキングする際に、前記一定の繰り返し周期に対
    し、レーザービームの照射時間を70%以下にしたこと
    を特徴とする請求項3記載のマーキング方法。
  5. 【請求項5】 感光材料のレーザービームが走査する領
    域を中空に浮かせ+た状態とし、反印字面側のレーザー
    ビームの光軸延長線上には、少なくともレーザービーム
    を感光材料状に集光させる集光レンズの焦点距離の1倍
    以上固体物を存在させない請求項3または4記載のマー
    キング方法。
  6. 【請求項6】 感光材料の搬送方向に関し、レーザービ
    ームが走査される領域を挟む上流側と下流側に搬送ロー
    ラを設け、これらの搬送ローラ間の感光材料に単位幅あ
    たり0.1kg/cm以上のテンションを与えるととも
    に、これらの搬送ローラにより中空に浮かせた状態の感
    光材料に印字を行うようにしたことを特徴とする請求項
    3又は4記載のマーキング方法。
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JP2013052576A (ja) * 2011-09-02 2013-03-21 Ricoh Co Ltd 可逆性感熱記録媒体
JP2019166567A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 株式会社フジシール 筒状ラベル連続体のレーザー印刷方法

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