JP2003199429A - エリンギ茸の人工栽培方法 - Google Patents

エリンギ茸の人工栽培方法

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JP2003199429A
JP2003199429A JP2002003409A JP2002003409A JP2003199429A JP 2003199429 A JP2003199429 A JP 2003199429A JP 2002003409 A JP2002003409 A JP 2002003409A JP 2002003409 A JP2002003409 A JP 2002003409A JP 2003199429 A JP2003199429 A JP 2003199429A
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Hiroichi Fujisawa
博一 藤澤
Shigeto Furuhata
繁登 古幡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発芽本数を一定にできるエリンギ茸の人工栽培
方法、また、胞子を拡散させることなく栽培できるエリ
ンギ茸の人工栽培方法を提供することを目的とする。 【解決手段】培養瓶1に詰められた培基3にエリンギ茸
の種菌6を接種すると共に培養して菌糸7を培基3内に
蔓延させ、その後、開口2内の死滅菌糸8の層をそのま
まにして、これを貫き且つ培基3表面(菌床31)に所
定の刺激を加え、その状態で子実体12を発芽させると
共に育成して栽培する。そして、子実体12の育成に際
し、培養瓶1に通気性を有するケース14を被せて栽培
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エリンギ茸の人工栽培
方法に関するものである。
【0002】
【従来技術と問題点】従来、一般的な茸の人工栽培は、
培養瓶に水分が調整された培養基を詰め、その培養基に
穴を開け、その培養瓶を殺菌釜に入れて瓶内の培養基を
殺菌すると共にその培養基に種菌を植付け、それを培養
室で培養して菌糸を培養瓶内に蔓延させ、その蔓延した
後に瓶口内の死滅菌層を除去、すなわち、芽掻きして子
実体を発芽させると共に育成室で成長させて栽培してい
る。そして、エリンギ茸においても上述する方法によっ
て栽培されているが、このエリンギ茸は、良質のものを
収穫できる確率が極めて低いのである。
【0003】エリンギ茸の子実体も芽掻きされた培養基
の表面から適宜発芽するが、従来の方法による芽掻きで
は、各培養瓶共に同じように芽掻きを行ったつもりであ
っても、各培養瓶から発芽する本数は少ないものまた多
いものバラバラである。しかして、この発芽する本数に
よって良質の茸を収穫できる否かが決まるのである。す
なわち、子実体の発芽本数が少ない培養瓶で収穫される
エリンギ茸が大きく立派であるのに対して、子実体の発
芽本数が多い培養瓶で収穫されるエリンギ茸は小さく貧
弱なのである。
【0004】そして、収穫時期に近づいたエリンギ茸は
傘の下にあるヒダから胞子を大量に放出するのが特徴で
あり、その放出された胞子は室内に拡散されて堆積し、
さらには、室内の湿度すなわち水分を吸収して腐るので
ある。その腐った胞子はバクテリアの栄養源となってバ
クテリアが繁殖し、室内を汚染すると共にエリンギ茸の
子実体にも取り付き、収穫間際のエリンギ茸の成長をも
止めてしまうのである。このため、エリンギ茸を収穫し
た後は、室内の清掃と共に薬品による消毒を行わなけれ
ば新たに茸の栽培を行うことができないのである。
【0005】
【目的】本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもの
で、発芽本数を一定にできるエリンギ茸の人工栽培方
法、また、胞子を拡散させることなく栽培できるエリン
ギ茸の人工栽培方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、培養器によるエリンギ茸の人工栽培において、培
養器に詰められた培基にエリンギ茸の種菌を接種すると
共に培養して菌糸を培基内に蔓延させ、その後、開口内
の死滅菌糸層をそのままにして、これを貫き且つ培基表
面に所定の刺激を加え、その状態で子実体を発芽させる
と共に育成して栽培することを特徴とするエリンギ茸の
人工栽培方法
【0007】本発明の人工栽培方法を詳しく説明する
と、培養器とは、茸の人工栽培に用いられる容器であっ
て、普通は上方に開口を有する瓶形の容器、すなわち、
培養瓶と呼ばれているものである。しかし、エリンギ等
の茸を栽培することができる容器であれば、その形状や
素材等は特に限定するものではなく適当なものを用いれ
ばよい。
【0008】また、培基とは、上記の培養器に詰められ
て茸を栽培するときに用いられる土壌であり、それは米
糠やオガクズ等を原料にしてそれに水分を加えて調整さ
れるが、その原料等も特に限定するものではなく適宜エ
リンギ茸の栽培に適するものを用いればよい。そして、
エリンギ茸の種菌の接種は、その種菌の菌糸が培基中に
広く蔓延するように、培基を詰めた後に培養器のほぼ中
央に穴を開け、その中にエリンギ茸の種菌を接種して、
温度や湿度が調節されている培養室で適宜培養すればよ
い。
【0009】その培養と共に菌糸が培基内に蔓延する
が、それと共に培養器開口内の培基表面すなわち菌床面
には死滅した菌糸が層状に現れる。その死滅した菌糸の
層、所謂、死滅菌糸層はそのまま開口内に残して、所定
の形状の部材によってその死滅菌糸層を貫き、そして、
培基表面に適当な刺激を加え、そのままの状態で子実体
を発芽させると共に育成させればよい。そして、死滅菌
糸層を貫くための部材は、その死滅菌糸層を貫くことが
できるものであればその形所や素材等を特に限定するも
のではない。
【0010】また、培基表面に加える刺激とは、死滅菌
糸層を貫いた部材により、培基表面に子実体の発芽を適
当に抑制するための何らかの作用を加えることであっ
て、子実体の発芽を適当に抑制することができる作用で
あればよい。また、前記部材も死滅菌糸層を貫通可能で
あれば何でもよく、棒状体等であってもよい。その刺激
の具体的な加え方としては、死滅菌糸層を貫いた部材を
培基表面に接触させてもよい。その際、部材の先端付近
を培基表面に直接接触させなくとも、死滅菌糸層を貫い
た時に部材の先端にくっ付いた死滅菌糸が培基表面に接
触した程度でもよい。
【0011】また、死滅菌糸層を貫いた部材の先端を適
当な圧力で培基表面に押し付ける(押圧)ようにしても
よい。その押圧の力も、培基表面に押された跡が残る程
度または少し凹みができる程度の力等、適宜栽培に用い
る倍基に合わせて好適な押圧力となるよう調整すればよ
い。また、培基表面への押し付ける範囲を狭くした点圧
であってもよい。さらに、死滅菌糸層を貫いた部材の先
端を培基内に進入させて穴を開ける(開穴)ようにして
もよい。
【0012】そして、接触・押圧・点圧・開穴によって
刺激を加える範囲は、それらの箇所から発芽させたい子
実体の本数に合わせて適宜その範囲を設定すればよい。
しかして、望ましい発芽の本数は1本がよい。また、刺
激を加える培基表面の箇所数は、前述の刺激を加えた箇
所から発芽する子実体の本数によって変化するが、例え
ば、刺激を加えた箇所から発芽させる本数が1本であれ
ば、培基表面の刺激を加える箇所数は3箇所程度がよ
い。
【0013】そして、培養器によるエリンギ茸の人工栽
培において、子実体の育成に際し、培養器に通気性を有
する被覆部材を被せて栽培するのが望ましい。子実体の
育成とは、培基表面から発芽した子実体を収穫できるま
での大きさに成長させることである。そして、この期間
の最初から収穫時まで、または、少なくとも胞子が飛ぶ
収穫時期に近い子実体が発生している培養器または培養
器の開口に、適当な被覆部材を密閉状態で被せて栽培す
る方法である。その被覆部材も、子実体が収穫時期にな
った時、その子実体より大きいものでなくてはならない
が、それ以前の時は、適当に小さく縮小できるように構
成されているものであってもよい。
【0014】その被覆部材は、適当に通気性を有する素
材から形成されているものであれば何でもよく、例え
ば、袋状のものやケース状のものであってもよい。そし
て、その素材も特に限定するものではなく、紙や合成紙
また樹脂等の好適な素材を用いればよい。勿論、これ以
外の素材を用いてもよい。また、被覆部材の素材に通気
性がなくとも、適当に形成された被覆部材自体に胞子を
外部に出さずに通気できるように構成されていればそれ
でもよい。さらには、培養器または培養器の開口に被覆
部材を装着する方法も特に限定するものではなく、適宜
好適な方法によって装着すればよい。
【0015】
【作用】本発明のエリンギ茸の人工栽培方法は以上のよ
うな方法であるので、培基内の菌糸の蔓延と共に発生す
る培養器の開口内の死滅菌糸層を除去することなく、そ
の死滅菌糸層を貫通している通孔下の培基表面から子実
体を発芽させることができ、且つ、その発芽させる子実
体の数も一定数に調整される。さらには、収穫時期の子
実体から飛ぶ胞子が、被覆部材によってその飛ぶ範囲が
被覆部材内に制限される。
【0016】
【実施例】本発明のエリンギ茸の人工栽培方法を以下図
面に従って説明すると、図1は、本発明に係わるエリン
ギ茸の人工栽培方法の工程図であり、特に子実体の発芽
に関するものである。(a)図は、培養瓶1に培基3を
詰める工程。(b)図は、培基3に種菌6の植付け穴5
を穴開け棒4により形成する工程。(c)図は、殺菌し
た培基3の植付け穴5に種菌6を接種(植付け)する工
程。(d)図は、種菌6を培養する工程。7は培養によ
り蔓延した菌糸で、8は開口2内に生じた死滅菌糸であ
る。(e)図は、子実体12の発芽を抑制する工程(芽
掻き工程)。9は死滅菌糸8層を貫通する芽掻き棒であ
る。(f)図は、子実体12を育成させる工程。10は
死滅菌糸8の層に開いた貫通孔であり、この下の菌床3
1(培基面)から子実体12が発芽して成長する。
【0017】そして、本発明による人工栽培方法と従来
の人工栽培方法によりエリンギ茸を栽培した結果を以下
に示す。すなわち、本発明の方法と従来の方法とでは目
掻きの方法が相違する。 エリンギ200本平均数値 目掻き方法 収穫日 発芽本数 有効係数 収穫量 ブッ掻 2000年8月 10本 5本 120g 21〜25日 平掻 2000年8月 9本 8本 100g 20〜23日 水圧掻 2000年8月 11本 8本 80g 22〜28日 3点 点圧掻 2000年8月 3本 3本 150g (本発明) 21〜22日
【0018】図2は、芽掻きの状態を示す拡大斜視図で
あり、1はエリンギ茸を栽培するための培養瓶、2は培
養瓶1の開口、3は培養瓶1に詰められている培基で、
31は菌床である。8は種菌の培養に際して開口2内に
生じた死滅菌糸、9は芽掻き棒で、菌床31から発芽す
る子実体12の発芽本数を抑制するものである。その芽
掻き棒9は死滅菌糸8の層を貫いて培基3の菌床31に
到達する。また、図3は芽掻き後の培基表面の平面図で
あり、11は芽掻き棒9による芽掻き(3点の点圧掻)
が終了した後の芽掻き部である。
【0019】図4は、被覆部材を被せた培養瓶内の透視
側面図であり、子実体の育成に際し、培養瓶に通気性を
有する被覆部材を被せて栽培した状態を示すものであ
る。1はエリンギ茸を栽培するための培養瓶、12は子
実体、121は傘部、13は傘部121の下にあるヒダ
から放出された胞子、14は胞子13の飛散を防止する
ための通気性を有するケースである。本図では、ケース
14は培養瓶1の肩から被せられているが、勿論、培養
瓶1の瓶口に被せるように構成してもよい。
【0020】そして、「条件A:培養瓶に被覆部材を被
せて栽培」「条件B:培養瓶に被覆部材を被せないで栽
培」「条件C:ワンルーム間欠栽培」の各条件でエリン
ギ茸を栽培した結果を以下に示す。 条件 栽 培 回 数 1回 2回 3回 4回 5回 A 回収本数 200本 200本 200本 200本 200本 1本当り平均重さ 150g 160g 160g 150g 160g B 回収本数 200本 180本 100本 0本 0本 1本当り平均重さ 120g 90g 50g 0g 0g C 回収本数 200本 200本 200本 190本 182本 1本当り平均重さ 120g 120g 100g 100g 90g
【0021】
【効果】本発明のエリンギ茸の人工栽培方法は以上のよ
うな方法であるので死滅菌糸層を貫通している通孔下の
培基表面からのみ子実体が発芽するため、すなわち、発
芽本数が抑制されるので、良質のエリンギ茸を収穫する
ことができる。また、子実体の育成に際し培養器に被覆
部材を被せているので、エリンギ茸から放出された胞子
は被覆部材内から出ることはなく、従って、育成室に拡
散することがないため、エリンギ茸の収穫後に室内の清
掃と共に薬品による消毒を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるエリンギ茸の人工栽培方法の
工程図
【図2】 芽掻きの状態を示す拡大斜視図
【図3】 芽掻き後の培基表面の平面図
【図4】 被覆部材を被せた培養瓶内の透視側面図
【符号の説明】
1−培養瓶,2−開口,3−培基,31−菌床,4−穴
開け棒,5−植付け穴,6−種菌,7−菌糸,8−死滅
菌糸,9−芽掻き棒,10−貫通孔,11−芽掻き部,
12−子実体,121−傘部,13−胞子,14−ケー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】培養器によるエリンギ茸の人工栽培におい
    て、培養器に詰められた培基にエリンギ茸の種菌を接種
    すると共に培養して菌糸を培基内に蔓延させ、その後、
    開口内の死滅菌糸層をそのままにして、これを貫き且つ
    培基表面に所定の刺激を加え、その状態で子実体を発芽
    させると共に育成して栽培することを特徴とするエリン
    ギ茸の人工栽培方法
  2. 【請求項2】前記刺激が押圧によるものであることを特
    徴とする請求項1のエリンギ茸の人工栽培方法
  3. 【請求項3】前記押圧が狭い範囲を加圧する点圧である
    ことを特徴とする請求項2のエリンギ茸の人工栽培方法
  4. 【請求項4】前記刺激が開穴によるものであることを特
    徴とする請求項1のエリンギ茸の人工栽培方法
  5. 【請求項5】培養器によるエリンギ茸の人工栽培におい
    て、子実体の育成に際し、培養器に通気性を有する被覆
    部材を被せて栽培することを特徴とするエリンギ茸の人
    工栽培方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019030232A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 深山農園株式会社 しいたけの発生方法
CN117770067A (zh) * 2023-12-26 2024-03-29 江苏香如生物科技股份有限公司 一种杏鲍菇培育装置

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