JP2003199671A - 電磁調理用陶磁器の製造方法 - Google Patents

電磁調理用陶磁器の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陶磁器の底面に磁性体が十分に固着され熱効
率が高く、昇温性も良好で調理時間を短縮でき、焼付時
や洗浄時などに発熱皮膜が剥離することもない電磁調理
用陶磁器を、低廉かつ容易に作製可能な電磁調理用陶磁
器の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の電磁調理用陶磁器の製造方法
は、陶磁器本体1または刷毛具2のいずれかを回転させ
て該刷毛具2にて底部外面1aに磁性体粉末およびガラ
スフリットを含有した磁性体ペースト3を環状または渦
状に塗布する工程と、前記磁性体ペースト3を乾燥させ
た後、焼き付けて発熱皮膜4を形成する工程とを有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁調理器にて使
用可能な電磁調理用陶磁器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、陶磁器の底面に磁性体を焼き
付け、発熱皮膜を形成した電磁調理用陶磁器が種々提案
されている。この種の電磁調理用陶磁器は、電磁調理器
により発生する交番磁力線を作用させると、発熱皮膜に
無数の渦電流が発生し、発熱皮膜の電気抵抗により陶磁
器が発熱する構造となっている。
【0003】このような電磁調理用陶磁器における発熱
皮膜の形成方法としては、発熱皮膜を磁性体を含有した
転写紙にて形成したもの、或いはスクリーン印刷など印
刷により形成したものなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のもの
は、磁性体の固着が十分でないため熱効率が悪く、その
分昇温性も低くて調理に時間を要した。また、焼付時や
洗浄時などに発熱皮膜が剥離することが多々あり、不良
品が発生し易く、洗浄時等の取り扱いにも制限があっ
た。さらに、発熱皮膜の形成にコストを要し高価なもの
になっていた。
【0005】そこで、本発明の課題は、陶磁器の底面に
磁性体が十分に固着され熱効率が高く、昇温性も良好で
調理時間を短縮でき、焼付時や洗浄時などに発熱皮膜が
剥離することもない電磁調理用陶磁器を、低廉かつ容易
に作製可能な電磁調理用陶磁器の製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するもの
は、陶磁器本体または刷毛具のいずれか一方を回転させ
て該刷毛具にて底部外面に磁性体粉末およびガラスフリ
ットを含有した磁性体ペーストを環状または渦状に塗布
する工程と、前記磁性体ペーストを乾燥させた後、焼き
付けて発熱皮膜を形成する工程とを有していることを特
徴とする電磁調理用陶磁器の製造方法である。
【0007】前記電磁調理用陶磁器の製造方法では、前
記磁性体ペーストを塗布する工程と、焼き付けて発熱皮
膜を形成する工程とを複数回繰り返して前記発熱皮膜を
積層することが好ましい。また、前記電磁調理用陶磁器
の製造方法は、前記磁性体ペーストが油または水のいず
れか一方にて液状化されており、該磁性体ペーストを塗
布した後、ガラスフリットを油または水のうちの他方に
て液状化したガラスフリット液を塗布する工程を有して
いることが好ましい。さらに、前記ガラスフリット液に
は、導電体粉末が含有されていることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電磁調理用陶磁器
の製造方法を、図1ないし図3に示した一実施例を用い
て説明する。図1は本発明の電磁調理用陶磁器の製造方
法の一工程を示した斜視図であり、図2は本発明の電磁
調理用陶磁器の製造方法により作製された電磁調理用陶
磁器の裏面図であり、図3は図2のA−A線一部拡大断
面図である。
【0009】この実施例の電磁調理用陶磁器の製造方法
は、陶磁器本体1を作製する工程と、陶磁器本体1を回
転させて刷毛具2にて底部外面1aに磁性体粉末、ガラ
スフリットおよび油を含有した磁性体ペースト3を環状
または渦状に塗布する工程と、前記磁性体ペースト3を
乾燥させた後、焼き付けて第1発熱皮膜4aを形成する
工程と、再度、陶磁器本体1を回転させて第1発熱皮膜
4aの外面に磁性体粉末、ガラスフリットおよび油を含
有した磁性体ペースト3を塗布する工程と、磁性体ペー
スト3の外面にガラスフリットを水にて液状化したガラ
スフリット液を塗布する工程と、再度、焼き付けて第2
発熱皮膜4bおよびコーティング層4cを形成する工程
とを経て電磁調理用陶磁器を作製するものである。以
下、各工程について順次詳述する。
【0010】陶磁器本体1を作製する工程では、陶磁器
原料にて土鍋形状の成形体を形成し、乾燥、焼成など一
連の公知技術にて陶磁器本体1を作製する。なお、この
実施例で作製される陶磁器本体1は、図1に示すように
土鍋であるが、これに限定されるものではなく、ポット
などその他の加熱容器または焼き物用陶板等、電磁調理
器にて加熱可能なものであればどのような形態のもので
もよい。
【0011】陶磁器本体1を回転させて刷毛具2にて底
部外面1aに磁性体粉末、ガラスフリットおよび油を含
有した磁性体ペースト3を塗布する工程では、図1に示
すように、陶磁器本体1を轆轤10に載置して図中矢印
方向に回転させながら、刷毛具2にて底部外面1aに磁
性体ペースト3を塗布する。これにより、図1に示すよ
うに、磁性体ペースト3は渦状或いは環状に塗布される
ため、磁性体粉末がコイルを配したように線状に付着
し、銀粉や白金のような高価な磁性体粉末を使用する場
合でも、少量の塗布で、熱効率が高く昇温性も良好な電
磁調理用陶磁器を作製できる。
【0012】この実施例の磁性体ペースト3は、銀粉と
ガラスフリットを含有しており、その重量割合が8:2
程度に調製されている。銀粉は磁性体粉末として使用さ
れており、ガラスフリットは熔融して磁性体粉末の融着
剤として使用される。また、磁性体ペースト3には、液
状化するために油が用いられており、この油としてはナ
フサ油、テレピン油が好適である。特に乾燥速度が早い
ナフサ油が好適である。さらに、磁性体ペースト3に
は、焼き付け前の塗布状態を維持するため、少量のニス
が含有されている。
【0013】なお、この実施例におけるこの工程では、
陶磁器本体を轆轤にて回転させているが、陶磁器本体と
刷毛具のうち一方が他方に対して相対的に回転すればよ
く、逆に刷毛具が回転する機構としてもよい。また、磁
性体粉末として銀粉を使用しているが、これに限定され
るものではなく、その他の磁性体粉末を使用してもよ
い。さらに、磁性体ペーストを塗布する刷毛具として
は、ハケが好ましいが、筆やブラシまたはそれらを支持
する刷毛機などを使用してもよい。
【0014】磁性体ペースト3を乾燥させた後、焼き付
けて第1発熱皮膜4aを形成する工程では、公知の焼成
方法、例えば800℃程度で焼成して図3に示すように
発熱皮膜4aを形成する。
【0015】再度、陶磁器本体1を回転させて第1発熱
皮膜4aの外面に磁性体粉末、ガラスフリットおよび油
を含有した磁性体ペースト3を塗布する工程は、前述し
た磁性体ペースト塗布工程と同様の方法にて行う。この
ように、磁性体ペースト3を2度塗布することにより、
陶磁器の底面に磁性体をより十分に固着させることがで
き、熱効率が高く、昇温性もより良好な電磁調理用陶磁
器を作製できる。
【0016】磁性体ペースト3の外面にガラスフリット
を水にて液状化したガラスフリット液を塗布する工程
は、前述した磁性体ペースト塗布工程と同様の方法にて
行うことがより容易であり好ましいが、陶磁器本体1を
回転させることなく単に塗布してもよい。
【0017】この実施例のガラスフリット液は、ガラス
フリットと炭酸銅粉末が6:4の重量割合で含有され、
それらを水で液状化して形成されている。そして、炭酸
銅粉末のような導電性粉末が含有されることにより発熱
皮膜4の導電性を高めると共に、水にて液状化されてい
るため、磁性体ペースト3を塗布した後、連続的に重ね
て塗布しても両者が混ざり合うことがなく、両者の焼き
付けを一度に行うことができる。
【0018】なお、この実施例では、磁性体ペースト3
が油で液状化されており、ガラスフリット液が水で液状
化されているが、これとは逆に、磁性体ペースト3が水
で液状化され、ガラスフリット液が油で液状化されてい
てもよい。
【0019】再度、焼き付けて第2発熱皮膜4bおよび
コーティング層4cを形成する工程では、前述した第1
発熱皮膜4aを形成する工程と同様の公知の焼成方法に
て焼成し、図3に示すように第2発熱皮膜4bおよびコ
ーティング層4cを形成する。これにより、2重の発熱
皮膜4a,4bが形成されると共に、発熱皮膜4bの外
面にコーティング層4cが形成されるため、焼付時や洗
浄時などに発熱皮膜が剥離することを防止できる。
【0020】つぎに、本発明の他の実施例について説明
する。図4は、本発明の電磁調理用陶磁器の製造方法の
他の実施例にて作製された電磁調理用陶磁器の一部拡大
縦断面図である。
【0021】この実施例の電磁調理用陶磁器の製造方法
は、陶磁器本体1を作製する工程と、陶磁器本体1を回
転させて刷毛具2にて底部外面1aに磁性体粉末、ガラ
スフリットおよび油を含有した磁性体ペースト3を環状
または渦状に塗布する工程と、ガラスフリットを水にて
液状化したガラスフリット液を塗布する工程と、焼き付
けて第1発熱皮膜11aおよび第1コーティング層11
bを形成する工程と、再度、陶磁器本体1を回転させて
刷毛具2にて第1コーティング層11bの外面に磁性体
粉末、ガラスフリットおよび油を含有した磁性体ペース
ト3を環状または渦状に塗布する工程と、ガラスフリッ
トを水にて液状化したガラスフリット液を塗布する工程
と、再度、焼き付けて第2発熱皮膜11cおよび第2コ
ーティング層11dを形成する工程とを経て作製されて
いる。
【0022】この実施例と前述した実施例との相違は、
ガラスフリットを水にて液状化したガラスフリット液を
塗布する工程が一度多く行われている点のみ異なるもの
であり、すなわち、磁性体ペースト3を塗布する工程、
ガラスフリット液を塗布する工程および焼き付けて発熱
皮膜およびコーティング層を形成する工程を二度繰り返
して、図4に示した4層からなる発熱皮膜11を形成す
る電磁調理用陶磁器の製造方法である。これにより、焼
付時や洗浄時などに発熱皮膜が、より剥離することがな
い電磁調理用陶磁器を作製できる。各工程については前
述した実施例の通りであり詳述を省略する。
【0023】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、陶磁
器の底面に磁性体が十分に固着され熱効率が高く、昇温
性も良好で調理時間を短縮でき、焼付時や洗浄時などに
発熱皮膜が剥離することのない電磁調理用陶磁器を、低
廉かつ容易に作製可能できる。請求項2に記載した発明
によれば、陶磁器の底面に磁性体が積層されるため、よ
り熱効率が高く、昇温性も良好で調理時間がより短縮さ
れる電磁調理用陶磁器を作製できる。請求項3に記載し
た発明によれば、発熱皮膜の外面にコーティング層が形
成されるため、焼付時や洗浄時などに発熱皮膜がより剥
離することがない電磁調理用陶磁器を作製できると共
に、磁性体ペーストは油または水のうちの一方で液状化
されており、ガラスフリット液は油または水のうちの他
方にて液状化されているため、連続的に重ねて塗布して
も両者が混ざり合うことがなく、両者の焼き付けを一度
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁調理用陶磁器の製造方法の一工程
を示した斜視図である。
【図2】本発明の電磁調理用陶磁器の製造方法により作
製された電磁調理用陶磁器の裏面図である。
【図3】図2のA−A線一部拡大断面図である。
【図4】本発明の電磁調理用陶磁器の製造方法により作
製された他の実施例の一部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 陶磁器本体 1a 底部外面 2 刷毛具 3 磁性体ペースト 4 発熱皮膜 4a 第1発熱皮膜 4b 第2発熱皮膜 4c コーティング層 10 轆轤 11 発熱皮膜 11a 第1発熱皮膜 11b 第1コーティング層 11c 第2発熱皮膜 11d 第2コーティング層
フロントページの続き (72)発明者 中山 智之 岐阜県瑞浪市稲津町小里1684 Fターム(参考) 3K051 AB05 AD35 AD40 CD41 4B055 AA09 AA15 BA14 BA22 BA29 CA03 CB02 CB16 FB15 FB23 FB25 FC06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶磁器本体または刷毛具のいずれか一方
    を回転させて該刷毛具にて底部外面に磁性体粉末および
    ガラスフリットを含有した磁性体ペーストを環状または
    渦状に塗布する工程と、前記磁性体ペーストを乾燥させ
    た後、焼き付けて発熱皮膜を形成する工程とを有してい
    ることを特徴とする電磁調理用陶磁器の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記磁性体ペーストを塗布する工程と、
    焼き付けて発熱皮膜を形成する工程とを複数回繰り返し
    て前記発熱皮膜を積層する請求項1に記載の電磁調理用
    陶磁器の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記磁性体ペーストは油または水のいず
    れか一方にて液状化されており、該磁性体ペーストを塗
    布した後、ガラスフリットを油または水のうちの他方に
    て液状化したガラスフリット液を塗布する工程を有して
    いる請求項1または2に記載の電磁調理用陶磁器の製造
    方法。
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