JP2003199812A - 空調システムの殺菌方法 - Google Patents

空調システムの殺菌方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】殺菌効果が十分であり、人間の健康への悪影響
が少なく、かつ安価、殺菌液の使用量が少ないビル等の
空調システムの室内供給風の殺菌方法を提供することで
ある。 【手段】空調システムの室内供給風に殺菌水を噴霧して
殺菌する空調システムの殺菌方法にようr。また、空調
システムの室内供給風をフィルターで濾過する空調シス
テムで、該フィルターに殺菌水を噴霧もしくは湿潤させ
ることによる空調システムの室内供給風を殺菌する方法
による。さらに、該殺菌液が塩素含有の水溶液であり、
また該殺菌液が有効塩素濃度が0.2〜1000ppm
で、かつpHが酸の添加により2.0〜8.0に調整さ
れた次亜塩素酸含有水溶液であるの空調システムの殺菌
方法による。 【効果】十分な殺菌、抗菌効果を安価で簡便で安全に達
成することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビル等の空調システム
の室内供給風の殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 現在はレジオネラ菌、在郷軍人病等の
感染症が大きな問題になっていて、ビル等の空調システ
ムの室内供給風の殺菌は深刻な問題である。従来は貯水
あるいは循環水に対して、これらのバクテリア、細菌、
黴、藻の繁殖を抑制するために塩素系殺菌剤、有機系薬
剤が有効であることは知られており使われてきた。有機
系の薬剤は人体に有害であるばかりでなく、耐性菌の発
生の問題があり用いることが躊躇される。塩素系の殺菌
剤は人体への害が少なく、また耐性菌の発生もなく好ま
しい。ただし、塩素は機械設備の損傷を早めること、お
よび塩素臭の発生など欠点を有する。したがって、でき
るだけ少量の塩素系殺菌剤で殺菌を可能するビル等の空
調システムの室内供給風の殺菌方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 殺菌効果が十分であ
り、人間の健康への悪影響が少なく、かつ安価で、殺菌
液の使用量が少なくできるビル等の空調システムの室内
供給風の殺菌方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、空調シス
テムの室内供給風に殺菌水を噴霧して殺菌する空調シス
テムの殺菌方法により上記の課題を達成できることを見
出した。また、空調システムの室内供給風をフィルター
で濾過する空調システムで、該フィルターに殺菌水を噴
霧もしくは湿潤させることによる空調システムの室内供
給風を殺菌する方法で達成できた。さらに、該殺菌液が
塩素含有の水溶液であり、また該殺菌液が有効塩素濃度
が0.2〜1000ppmで、かつpHが2.0〜8.
0に調整された次亜塩素酸含有水溶液であるの空調シス
テムの殺菌方法により達成できた。本発明では殺菌とい
う言葉を、抗菌、抗かび、消毒、殺菌、減菌、滅菌、消
臭という概念を含む言葉として使用する。
【0005】本発明の空調システムの室内供給風に殺菌
方法の一つは室内供給風に殺菌液を噴霧する方法であ
る。これにより、冷却水に殺菌剤を添加するよりより少
ない殺菌液でより効果的に殺菌できるようになった。噴
霧方法は通常知られている方法はいかなる方法も用いる
ことができる。
【0006】本発明の空調システムの室内供給風の殺菌
方法の別の方法は室内供給風をフィルターで濾過し、か
つそのフィルターに殺菌液を噴霧もしくは湿潤させる方
法である。前記の方法同様に、この方法によっても冷却
水に殺菌剤を添加するよりより少ない殺菌液でより効果
的に殺菌できるようになった。フィルターを殺菌液で湿
潤する方法は特に限定されないが、フィルター上部から
殺菌液を供給する、フィルター下部から殺菌液を供給し
毛細管現象で吸い上げる、あるいはフィルターの側面か
ら殺菌液を供給する等いかなる方法でもよい。また、殺
菌液を噴霧する、あるいは殺菌液を湿潤させるフィルタ
ーのさらに室内よりの位置にフィルターを設置すること
が好ましい。これにより、殺菌液が室内に入ることを防
止でき好ましい。
【0007】フィルターとしては、特に限定されるもの
ではないが、メンブレンフィルターを用いることができ
る。この材料としてはセルロース、セルロースアセテー
ト、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、
ニトロセルロース、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン、アクリロニトリル及び
PTFE等が好ましい。
【0008】 本発明の殺菌液について述べる。本発明
の殺菌液は塩素イオンを含有するものならばいずれも好
ましく用いられる。特に次亜塩素酸、二酸化塩素を含有
する殺菌液が好ましい。殺菌液の有効塩素濃度は0.2
〜1000ppmが好ましく。0.5〜300ppmが
より好ましく、1〜150ppmが最も好ましい。また
pHは2.0〜8.0が好ましく、4.0〜7.2がよ
り好ましく、4.5〜6.5が最も好ましい。有効塩素
濃度は殺菌効果を発揮するに最低必要濃度が望ましい。
濃度が高いと塩素臭等の好ましくない影響があり、濃度
が低いと十分な殺菌効果が得られない。殺菌効果は温度
でも異なる。室温付近の温度では、高い温度の方が殺菌
効果が大きい。pHは解離していない次亜塩素酸の濃度
が決まる重要な要因である。pH8以上では次亜塩素酸
が解離し、殺菌効果が著しく減少する。また、pHが2
以下では塩素が発生し人体に有害である。
【0009】 次亜塩素酸は次亜塩素酸塩、あるいは次
亜塩素酸水溶液で供給され、次亜塩素酸塩としては特に
限定されないが次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリ
ウムが好ましい。
【0010】 本発明の殺菌液のpH調節は、塩酸、リ
ン酸、硫酸、硝酸等の無機酸、あるいは酢酸、ぎ酸、ク
エン酸、酒石酸等の有機酸を添加することで調節するこ
とが好ましい。通常は必要ないがpHが下がりすぎた場
合は水酸化ナトリウム等のアルカリを添加することもで
きる。酸としては塩酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石
酸がより好ましく、塩酸、酢酸がさらに好ましく、塩酸
が特に好ましい。これらのpHの調節の際には、酸、ア
ルカリ共に水で希釈して用いることが好ましい。特に、
pH5.0〜7.0の間に調節する際は十分希釈した酸
を用いることが好ましい。
【0011】また、酸、アルカリの水溶液と、次亜塩素
酸水溶液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)お
よび水を混合し所定の濃度、pHの該次亜塩素酸水溶液
を調製する。この調製は予め使用のかなり前に行われて
も、使用直前に行われてもどちらでも構わない。ただ
し、該次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸は熱、光、酸化
剤に対し不安定なので、密閉容器に入れ、遮光し、低温
で保存することが好ましい。使用する容器は十分洗浄さ
れたものを用いることが好ましい。また、各組成の濃度
を所定の値に正確に合わせるため、添加量を高精度で調
節できる混合機器を用いることが好ましい。この機器で
は使用直前に該次亜塩素酸水溶液を調製できる。その場
合は、酸あるいはアルカリの水溶液と、次亜塩素酸水溶
液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)および水
の3種の溶液を混合することもできるし、酸あるいはア
ルカリの水溶液および/または次亜塩素酸水溶液(次亜
塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい)を予め水で所定の
濃度に希釈して用いることも好ましい。本発明の次亜塩
素酸含有殺菌液を調整する方法としては、特に限定され
るものではないが、多孔質のフィルターで区切られた容
器の片側に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、反対側に水
で希釈した塩酸を添加し、フィルターを通し徐々に両方
の液が混合し所定のpHに調整される連続混合装置が好
ましい。これらの方法としては特許2852461号にある方
法が好ましく用いられる。また、これらの溶液は密閉さ
れた容器に保存されるのが好ましく、着脱が容易なカー
トリッジ形式のもはさらに好ましい。
【0012】 本発明の殺菌液は塩素イオンを含有した
水を電気分解することで次亜塩素酸水溶液を作成しても
良い。また塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウム
を添加した水を電気分解することが好ましい。また、電
気分解は有隔膜電解槽でも、無隔膜電解槽でも行うこと
ができる。有隔膜電解槽の場合は特許種出願番号63−
300998号記載の技術が好ましく用いられる。ま
た、無隔膜電解槽の場合は特許登録2619756号記
載の技術が好ましく用いられる。これらの電気分解法に
ついては「電解水の基礎と利用技術」(松尾昌樹著 技
報堂出版株式会社 2000年1月25日発行)記載の
方法を好ましく用いることができる。
【0013】本発明の殺菌液のpHをpH緩衝剤で調節
することもできる。また、前記次亜塩素酸水溶液のpH
を調節するために、pH緩衝液を用いることも好まし
い。pH緩衝溶液とは、酸または塩基をその溶液に加え
た場合のpHの(水素イオン濃度)の変化が、純水に酸
または塩基を加えた場合のpHの変化に比べて小さい溶
液である。pH緩衝液は酸、塩基、またそれらの塩を混
合して得ることができる。pH緩衝剤の例としては、化
学便覧の基礎編改訂第4版(1993年9月、株式会社
丸善 出版)の第2分冊−336〜339ページに記載
されているものはいずれも好ましく用いることができ
る。
【0014】これらのpH緩衝液の各成分濃度は必要な
pHが得られる濃度ならどの濃度でも好ましい。開封後
短期間で使用する場合はpH緩衝溶液の各成分の濃度は
低い方が好ましく、開封後長期間に渡って使用する、手
の殺菌液等は各成分の濃度が高い方が好ましい。各成分
の混合の方法はいかなる順番でも用いることができる。
次亜塩素酸の混合はpH緩衝溶液の完成後でも、完成前
のどちらでも構わない。次亜塩素酸とpH緩衝液の混合
は使用の前ならいつでも良い。
【0015】次亜塩素酸水溶液が展着剤を含有すること
も好ましい。本発明の次亜塩素酸水溶液には。展着剤と
してはアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン
系のいずれの界面活性剤、水溶性高分子が好ましくもち
いられる。展着剤の濃度は20〜2000ppmが好ま
しい。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキル
サクシスルホネート、リグニンスルホン酸塩、ポリナフ
チルスルホン酸塩、脂肪酸のアルキルエステルのスルホ
ン酸塩(特開平2−167202号等)アルキルスルホ
コハク酸塩系界面活性剤等のアニオン系界面活性剤。ポ
リアクリル酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミンオキ
シド、脱アセチル化度が30%以上のキトサン、4級ア
ンモニウム塩とうのカチオン系界面活性剤等が好ましく
用いられる。中でも、モノアルキル硫酸塩、トリアルキ
ルアミン−N−オキシド、脂肪酸ナトリウム、アルキル
トリメチルアンモニウムが特に好ましい。展着剤の添加
は使用のかなり前でも良いが、使用直前の方が好まし
い。実際の使用の際はpH調節用の酸に混合するか、希
釈水に混合することが好ましい。次亜塩素酸の水溶液に
予め添加することは、次亜塩素酸の分解を促進すること
があるので好ましくない。
【0016】本発明の殺菌液の調製方法は特に限定され
るものではないが、混合後に保管する場合は、光特に紫
外線を遮断し、低温で保管し、かつ蛋白質、アルコール
等の有機物あるいは不純物として混入する金属イオンを
できるだけ少なくすることが好ましい。そのため、容
器、器具等は十分に洗浄したものを使用することが好ま
しい。次亜塩素酸含有水溶液自体も保管する場合は、光
特に紫外線を遮断し、低温で保管することが好ましい。
【0017】本発明の空調システム(クーリングタワー
等)の殺菌方法は、バクテリア、細菌、藻、黴の繁殖防
止に用いられる。また、レジオネラ菌による中毒、在郷
軍人病等の防止にも効果がある。ムコール、アルタナリ
ア、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、バチルス属菌、
乳酸菌、放線菌、レジオネラ属菌、サルモネラ菌、黒こ
うじかび、青かび、クラドスポリウム、フザリウム、白
癖菌、カンディダ、エクソフィアラ、サッカロミセス、
アクナンテム、ニッチア、クラドモナス、ヘトマコック
ス、オシラトリア、フォルミジウム、リングビア、クロ
オコックスなどの水濾過で一般対象となる微生物やか
び、苔、藻、ぬめりなどを抑制若しくは、減退に用いる
ことができる。
【0018】 以下に本発明の具体例を説明する。
【比較例1】多孔質のフィルターで区切られた容器の片
側に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、フィルターの反対
側に水で希釈した塩酸を添加し、フィルターを通し徐々
に両方の液を混合しpHを5.7に調節し、有効塩素濃
度が2ppmの殺菌液(次亜塩素酸水溶液)を調製し
た。これを空調システム(クーリングタワー)の冷却水
に用い、空調システム(クーリングタワー)の循環系の
殺菌を行った。
【比較例2】殺菌液の代わりに水道水を用いた以外は比
較例1を繰り返した。
【実施例1】空調システム(クーリングタワー)の室内
供給風を冷却後、その空気(風)に比較例1の殺菌液を
噴霧し、空気(風)を殺菌した。その後この殺菌済みの
空気を室内に供給した。
【実施例2】空調システム(クーリングタワー)の室内
供給風を冷却後、フィルターに比較例1の殺菌液を噴霧
し、そのフィルターに冷却済みの空気(風)を導き、そ
の後室内にこの空気を供給した。
【0019】
【実施例3】比較例1,2、実施例1,2のそれぞれの
室内供給風を、パイプで水を張った水槽の底に導き、水
槽の水の中を空気を通し、その後室内に空気が供給され
る実験装置を作成した。これ実験装置を用い連続7日間
空調システム(クーリングタワー)の運転をした後、所
定の方法で水槽内の水の菌数の測定を行った。比較例2
の空気を通した水槽の水からは、少量のレジオネラ菌を
検出したが、比較例1、実施例1,2のそれぞれの水槽
の水からは、いずれもレジオネラ菌を検出されなかっ
た。また、実施例1,2の空調装置で使用された殺菌液
の量は、比較例1の空調装置で使用された殺菌液の量の
1/300以下であった。実施例1,2の本発明の空調
システム(クーリングタワー)の室内供給風の殺菌方法
は、比較例1の空調システム(クーリングタワー)の殺
菌方法に対して殺菌液の使用量が少なく好ましかった。
また、比較例2の空調システム(クーリングタワー)の
殺菌方法に対しては殺菌効果がはるかに大きく好ましか
った。
【0020】(レジオネラ属菌の検出試験方法)試料水
400mLを6000rpm、30分間の冷却遠心沈殿処理
により100倍に濃縮し、50℃、20分間の加熱処理
をする。その後、その50μL を表1に示した配合組成
を有するWYOα培地に塗布し、37℃で好気的に培養
する。培養7日目にコロニーの状況からレジオネラ属菌
と判断されたコロニーを数個釣菌して、各コロニー毎に
BCYEα平板培地と5%血液寒天培地の2種類の培地
に植え継ぎ、37℃で好気的に培養する。培養2日目に
BCYEα平板培地に生育し、5%血液寒天培地に生育
しなかったコロニーを、L−システイン要求性からレジ
オネラ属菌と確定し、WYOα培地上の同種のコロニー
数を計数する。この方法による検出限界は、20個/10
0mL である。
【0021】 WYOα培地 純水 1000 mL 酵母エキス 10.0 g ACESバッファー 10.0 g L−システイン1塩酸塩 0.4 g 可溶性ピロ燐酸鉄 0.25g αケトグルタル酸 1.0 g グリシン 3.0 g アンホテリシンB 80.0 mg ポリミキシンB 100000 U バンコマイシン 5.0 mg 活性炭粉末 1.5 g 寒天 15.0 g pH 6.9
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 46/54 B01D 46/54 C02F 1/50 531 C02F 1/50 531M 531P 540 540B 550 550C 550D 560 560F 560Z F24F 3/16 F24F 3/16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空調システムの室内供給風に殺菌水を噴霧
    して殺菌することを特徴とする、空調システムの殺菌方
    法。
  2. 【請求項2】空調システムの室内供給風をフィルターで
    濾過する空調システムで、該フィルターに殺菌水を噴霧
    もしくは湿潤させることにより空調システムの室内供給
    風を殺菌することを特徴とする、空調システムの殺菌方
    法。
  3. 【請求項3】該殺菌液が塩素含有の水溶液であることを
    特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の空調システ
    ムの殺菌方法。
  4. 【請求項4】該殺菌液が有効塩素濃度が0.2〜100
    0ppmで、かつpHが2.0〜8.0に調整された次
    亜塩素酸含有水溶液であることを特徴とする請求項3に
    記載の空調システムの殺菌方法。
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