JP2003201705A - 舗装体及びその施工方法 - Google Patents

舗装体及びその施工方法

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JP2003201705A JP2002115562A JP2002115562A JP2003201705A JP 2003201705 A JP2003201705 A JP 2003201705A JP 2002115562 A JP2002115562 A JP 2002115562A JP 2002115562 A JP2002115562 A JP 2002115562A JP 2003201705 A JP2003201705 A JP 2003201705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一旦、保水すると、路面温度の上昇を長時間
に亘って抑制することができ、吸水性樹脂のような経時
的な劣化等の問題がなく、施工作業が容易で、かつ施工
時間を短縮することのできる舗装体を提供する。 【解決手段】 舗装体1は、既設のアスファルト舗装2
の上に積層して形成することができる。舗装体1は、多
孔質硬化体(例えば、開粒度アスファルト混合物)3を
形成した後、多孔質硬化体3の連続空隙内に、セメン
ト、粘土系微粉末、水等を含むスラリー状の充填材4を
充填することによって施工される。粘土系微粉末は、5
μm以下の粒径を有する微粉末を主体とする。この微粉
末は、モンモリロナイト等の粘土鉱物と、高炉スラグ微
粉末、フライアッシュ、珪石粉、石灰石粉末、シリカフ
ュームから選択される一種以上の無機粉末とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市部等における
ヒートアイランド現象を低減することのできる、車道、
歩道、屋上等のアスファルト混合物またはコンクリート
の舗装体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市部等において、夏季に、昼間
に上昇した外気温が、夜間も低下せず、熱帯夜となるな
どのヒートアイランド現象が発生するようになってい
る。このヒートアイランド現象は、アルファルト舗装や
コンクリート舗装等の路面付近の温度が太陽熱によって
50〜60℃程度にまで上昇し、この熱が、夜間、放射され
るために生じると言われている。ヒートアイランド現象
によって、日中のみならず夜間においてもエアコンを使
用することが不可欠となり、省エネルギーとは逆の生活
を余儀なくされる家庭が増加している。
【0003】このような状況下において、アスファルト
舗装やコンクリート舗装に起因する大気の温度上昇を抑
制するため、従来より、種々の提案がなされている。例
えば、特開平10−46513号公報には、開粒度アス
ファルト混合物やポーラスコンクリートによって舗装体
の本体を形成し、この本体の連続空隙内に保水性及び透
水性を有するシルト系充填材を充填することによって、
舗装体を完成させ、その後、この舗装体内のシルト系充
填材に雨水または供給水を浸透させることによって、舗
装体を冷却し、舗装体の路面温度の上昇を抑制する技術
が、記載されている。
【0004】しかし、この技術を用いた場合、シルト系
充填材に浸透した水が、比較的短期間に蒸散してしま
い、路面温度の上昇を長時間に亘って抑制することがで
きないという問題がある。この問題を解消するために
は、該公報に記載されているように、給水用有孔管(微
細孔を有する可撓性の硬質ゴムからなる管)を配設し
て、シルト系充填材に対して人為的に水を供給しなけれ
ばならない。
【0005】一方、特開2000−104214号公報
には、セメントと吸水性樹脂とを含む処理材をスラリー
状で舗装面に散布することによって、舗装を低温化する
技術が、記載されている。しかし、この技術を用いた場
合、吸水の繰り返しや日光(紫外線)への曝露によっ
て吸水性樹脂の吸水機能や耐久性が低下すること、吸
水性樹脂を含むスラリーを散布する際に、吸水性樹脂が
吸水してしまい、散布作業が困難になるおそれがあるこ
と、製造元の製造中止等によって吸水性樹脂を入手す
ることが困難になるおそれがあること等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、従来の技
術では、人為的な給水を行なわない限り、路面温度の上
昇を長時間に亘って抑制することができなかったり、あ
るいは、保水のために用いる吸水性樹脂が徐々に劣化す
るなどの問題があり、改善の余地が残されていた。した
がって、本願発明は、このような従来の技術の問題点に
鑑みて、一旦、保水すると、路面温度の上昇を長時間に
亘って抑制することができ、しかも、吸水性樹脂のよう
な原料の入手の問題や経時的な劣化のおそれがなく、さ
らには、施工作業が容易で、かつ施工時間を短縮するこ
とのできる舗装体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、多孔質硬化体(例え
ば、開粒度アスファルト混合物等)の連続空隙内に特定
の充填材を充填することによって、保水効果が優れ、路
面温度の上昇を長時間に亘って抑制することができる等
の特性を有する舗装体を得ることができることを見い出
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本願請求項1に記載の舗装体
は、多孔質硬化体(例えば、開粒度アスファルト混合
物、ポーラスコンクリート等)の連続空隙内に、セメン
トと粘土系微粉末とを含む充填材を充填してなることを
特徴とする。このように構成した舗装体は、一旦、保水
すると、路面温度の上昇を長時間(例えば、10日間程
度)に亘って抑制することができ、しかも、吸水性樹脂
のような原料の入手の問題や経時的な劣化のおそれがな
く、さらには、施工作業が容易で、かつ施工時間を短縮
することができる。
【0009】ここで、上記粘土系微粉末中の5μm以下の
粒径を有する微粉末の重量割合は、例えば、60重量%以
上である(請求項2)。上記5μm以下の粒径を有する微
粉末としては、例えば、粘土鉱物と、高炉スラグ微粉
末、フライアッシュ、珪石粉、石灰石粉末、シリカフュ
ームから選択される一種以上の無機粉末とを含むものが
挙げられる(請求項3)。上記充填材中の上記粘土鉱物
の重量割合は、例えば、1〜30重量%である(請求項
4)。上記セメントと上記粘土系微粉末の重量比は、例
えば、5:95〜30:70である(請求項5)。上記多孔質
硬化体としては、例えば、開粒度アスファルト混合物ま
たはポーラスコンクリートからなるものを用いることが
できる(請求項6)。
【0010】本願請求項7に記載の舗装体の施工方法
は、連続空隙を有する多孔質硬化体(例えば、開粒度ア
スファルト混合物、ポーラスコンクリート等)からなる
舗装体の本体部を形成した後、セメントと粘土系微粉末
とからなり、かつJ10ロート流下時間が4〜6秒であるス
ラリー状の充填材を、上記多孔質硬化体の上記連続空隙
内に充填することを特徴とする。このように特定の充填
材を用いることによって、多孔質硬化体の連続空隙内に
容易かつ迅速に充填材を充填することができ、施工作業
の容易化及び施工時間の短縮化を実現することができ
る。また、この施工方法によって得られる舗装体は、一
旦、保水すると、路面温度の上昇を長時間に亘って抑制
することができ、しかも、吸水性樹脂のような原料の入
手の問題や経時的な劣化のおそれがないなど、従来の舗
装体と比較して種々の面で好適に使用することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の舗装体は、多孔質硬化体の連続空隙内に、セメ
ントと粘土系微粉末とを含む充填材を充填してなるもの
である。多孔質硬化体は、例えば、開粒度アスファルト
混合物、ポーラスコンクリート等から構成される。多孔
質硬化体は、充填材を充填し得る寸法の径及び長さを持
つ連続空隙を有する。連続空隙の空隙率は、例えば、15
〜35%の範囲内に調整される。空隙率をこの数値範囲内
とすることによって、路面温度の低減効果と大きな曲げ
強度を共に確保することができる。
【0012】本発明で用いる充填材は、セメント、粘土
系微粉末、水、減水剤(例えば、高性能減水剤)等を配
合することによって得ることができる。充填材の材料と
して用いられるセメントとしては、例えば、超速硬セメ
ント、普通ポルトランドセメント、超早強セメント、早
強セメント、高炉セメント等が挙げられる。セメントの
種類は、現場の施工条件等を考慮して、適宜、選択され
る。
【0013】粘土系微粉末は、5μm以下の粒径を有する
微粉末を60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より
好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上
の重量割合で含むものである。ここで、5μm以下の粒径
を有する微粉末としては、例えば、粘土鉱物と、高炉ス
ラグ微粉末、フライアッシュ、珪石粉、石灰石粉末、シ
リカフュームから選択される一種以上の無機粉末とを含
むものが挙げられる。
【0014】粘土鉱物は、セメント等と共に混合して充
填材とした場合、長期に亘って徐々に水分を放出するた
め、路面温度の低減効果を長時間(例えば、10日間程
度)持続させることができる。粘土鉱物としては、例え
ば、モンモリロナイト、カオリナイト、イライト等が挙
げられる。中でも、モンモリロナイトは、長期に亘って
徐々に水分を放出する傾向が強く、好ましく用いられ
る。
【0015】セメント及び粘土系微粉末の材料の配合割
合は、例えば、セメント5〜30重量%、粘土鉱物1〜30重
量%、高炉スラグ微粉末0〜50重量%、フライアッシュ0
〜50重量%、珪石粉0〜50重量%、石灰石粉末0〜50重量
%、シリカフューム0〜50重量%(合計で100重量%)で
ある。セメントの重量割合が5重量%未満であると、強
度不足によって充填材が流出するおそれがあり、30重量
%を超えると、セメントの水和反応が進み過ぎて、充填
材中の空隙が少なくなり、保水性が低下するおそれがあ
る。粘土鉱物の重量割合が1重量%未満であると、路面
の温度低減効果を十分に得ることができず、30重量%を
超えると、路面の温度低減効果が頭打ちとなるにもかか
わらず、コストが増大することとなり、好ましくない。
【0016】高性能減水剤としては、ナフタリン系、メ
ラミン系、ポリカルボン酸系等のいずれの種類を用いて
もよい。充填材中の高性能減水剤の配合量は、セメント
100重量部当たり、通常、0〜2重量部である。該配合量
が2重量部を超えると、材料分離と硬化不良が生じ、好
ましくない。充填材中の水(混練水)の配合量は、セメ
ント及び粘土系微粉末の合計量100重量部当たり、60〜1
00重量部である。水の配合量が60重量部未満では、充填
性が不良になるおそれがあり、100重量部を超えると、
材料分離が生じるおそれがある。
【0017】充填材は、スラリー状にして、多孔質硬化
体の表面から連続空隙内に充填される。このスラリー状
の充填材は、J10ロート流下時間で4〜6秒の流動性を有
することが好ましい。、J10ロート流下時間が4秒未満で
あると、材料分離が生じるおそれがあり、6秒を超える
と、セルフレベリング性が低下するおそれがある。
【0018】充填材は、多孔質硬化体の連続空隙中、一
般的には、体積割合で30〜100%、好ましくは50〜100%
となるように充填される。該体積割合が30%未満では、
路面の温度の低減効果を十分に得ることができない。な
お、路面の温度の低減効果と共に、排水性を確保したい
場合には、該体積割合を30〜70%にすることが好まし
い。多孔質硬化体の連続空隙内に充填されたスラリー状
の充填材は、水和して硬化体となり、材齢28日で1.5〜
2.0N/mm2程度の圧縮強度を発現する。
【0019】本発明の舗装体を含む構造物の模式図を図
1に示す。図1中、本発明の舗装体1は、基層部分を形
成する既設のアスファルト舗装(またはコンクリート舗
装)2の上方に、表層部分として、3〜10cm程度の厚さ
となるように積層されている。舗装体1を形成させるに
は、既設のアスファルト舗装(またはコンクリート舗
装)2の上面に、開粒度アスファルト混合物3を層状に
打設して締め固めた後、開粒度アスファルト混合物3の
上方からスラリー状の充填材4を散布し、開粒度アスフ
ァルト混合物3の連続空隙内に充填材4を自然に流下さ
せて充填すればよい。なお、バイブレータ等の充填器具
を用いることによって、充填速度を高めることもでき
る。
【0020】
【実施例】[1.ポーラスコンクリートの作製] (1)材料 以下に示す材料を使用した。 セメント;超速硬セメント(商品名:「スーパージェ
ットセメント」、太平洋セメント社製) 水;水道水 細骨材;茨城県結城市産の陸砂(粒径2.5mm以下) 粗骨材;茨城県岩瀬産の砕石1305(6号)(粒径5〜1
3mm) 高性能減水剤;「マイティー150(商品名)」(花王
社製) 凝結遅延剤;「スーパージェットセッター」(太平洋
セメント社製)
【0021】(2)各材料の配合割合 次の表に示すように、各材料を混合した。
【表1】
【0022】(3)混練及び硬化体の作製 まず、粗骨材と細骨材を二軸式強制混練ミキサ(容積:
100リットル)に投入して、15秒間混練した。次に、
水、高性能減水剤、凝結遅延剤を投入して、さらに15秒
間混練した。最後にセメントを投入し、180秒間混練し
てから混練物を排出した。その後、混練物を型枠内に投
入し、50cm×50cm×10cmの寸法の供試体を得た。
【0023】(4)硬化体の物性 得られたポーラスコンクリート硬化体(試験片No.1
〜3)の物性は、次の通りである。ポーラスコンクリー
ト硬化体の曲げ強度は、JIS A 5308「レディーミクスト
コンクリート」中の舗装用コンクリートの呼び強度を満
たすもので、構造強度上の機能を有することが確認され
た。
【0024】
【表2】
【0025】[2.充填材の作製]高炉セメントB種20
重量部、フライアッシュ30重量部、珪石粉40重量部、モ
ンモリロナイト(ベントナイト)10重量部、高性能減水
剤1重量%(ただし、高炉セメントB種100重量%当たり
の配合量)、水80重量%(ただし、高炉セメントB種と
フライアッシュと珪石粉とモンモリロナイトの合計量10
0重量%当たりの配合量)を混合し、J10ロート流下時間
が4.5秒、材齢28日の圧縮強度が1.5〜2.0N/mm2、吸水率
が40〜50体積%程度のスラリー状の充填材を調製した。
【0026】調製した充填材について、以下のように、
吸水性、セルフレベリング性、保水性の各物性を評価し
た。 充填材の吸水性の評価 この充填材を用いて、次の手順で吸水性繰り返し試験を
行なった。まず、ハンドミキサを用いて、上述の充填材
(グラウト材)を2分間混練した後、型枠内でφ5cm×10
cmの寸法の供試体を作製し、型枠内で7日間養生した。
養生後、脱型し、供試体の容積を測定した。測定後、24
時間の水中養生を行ない、水中養生後の供試体の質量を
測定した。その後、恒温恒湿槽(設定温度40℃、湿度20
%)内で24時間乾燥後、供試体の質量を測定し、逸散し
た水の重量を算出した。吸水率は、 吸水率(容積%)=(逸散水の容積(ml)/供試体の容積
(ml))×100 によって算出した。なお、逸散水の容積(ml)の値は、逸
散水の重量(g)と等しいものとした。吸水性繰り返し試
験中の充填材の吸水率の変化を図2に示す。図2に示す
ように、本発明で用いる充填材は、繰り返し試験を300
回行なった後においても、吸水機能が低下することがな
かった。
【0027】充填材のセルフレベリング性の評価 ポーラスコンクリート硬化体の連続空隙内に、本発明で
用いる充填材を充填する際の速度を測定した。具体的に
は、上記の表1と同様の組成を有する厚さ50mmのポーラ
スコンクリート硬化体を作製後、このポーラスコンクリ
ート硬化体の上面に、400mlの充填材を収容した現場透
水性試験機を立て、充填材が、ポーラスコンクリート硬
化体の連続空隙内に完全に浸透し充填されるまでの流下
時間を測定した。また、比較として、本発明の粘土系充
填材(粘土)の代わりにシルト系充填材(シルト)を用
いた場合の流下時間を測定した。測定は、各々の場合に
ついて3回行なった。結果を表3に示す。表3から、本
発明の充填材は、シルト系充填材と比べて、現場透水性
試験機を用いた試験における流下時間が短く、セルフレ
ベリング性に優れることがわかる。
【0028】
【表3】
【0029】充填材の保水性の評価 上述のスラリー状の充填材を型枠内に注入し、直径5cm
×長さ10cmの円柱状の試験体を作製し、材齢28日まで型
枠内養生した。その後、試験体を脱型し、24時間水中養
生した。水中養生後、試験体を温度20℃、湿度60%の雰
囲気下に21日間放置し、その間の試験体の重量(初期重
量に対する重量割合)を測定した。また、本発明の粘土
系充填材(粘土)の代わりにシルト系充填材(シルト)
を用いた場合についても、同様に測定した。結果を図3
に示す。図3から、シルト系充填材(シルト)では、比
較的初期(材齢5日程度)で水の蒸散がほぼ終わるのに
対し、本発明の粘土系充填材(粘土)では、長時間に亘
って徐々に一定速度で水が蒸散することがわかる。
【0030】[3.舗装体の作製]ポーラスコンクリー
ト硬化体の上面に、スラリー状の充填材を流すことによ
って、ポーラスコンクリート硬化体の連続空隙内に充填
材を注入し、舗装体を作製した。充填材の注入量は、ポ
ーラスコンクリート硬化体の連続空隙中の体積割合で50
%(実施例1)及び100%(実施例2)となるようにし
た。また、本発明の舗装体(実施例1〜2)の他に、比
較例として、ポーラスコンクリート(比較例1)、プレ
ーンコンクリート(比較例2)、アスファルト混合物
(比較例3)の各舗装体を作製した。
【0031】[4.温度変化の測定]得られた舗装体
(実施例1〜2、比較例1〜3)について、8月23日
午前0時から翌日午前0時までの間、これら舗装体の上
面から1cm深さの地点における温度の変化を測定した。
結果を図4に示す。図4から、本発明の舗装体(実施例
1〜2)は、比較例1〜3の舗装体と比べて、日中の温
度の上昇幅が小さいことがわかる。また、舗装体(実施
例2、比較例1〜3)について、8月9日〜8月24日
の間、これら舗装体の上面から1cm深さの地点における
温度の変化を測定した。結果を図5に示す。図5は、プ
レーンコンクリート(比較例2)を基準にした温度差を
示し、充填材を100%充填した場合(実施例2)には、
ポーラスコンクリート(比較例1)等と比べて、温度が
大きく低減されることがわかる。
【0032】[5.透水性の測定]実施例1の舗装体
(充填材を50%充填したもの)について、「排水性アス
ファルト舗装の現場透水試験方法(日本道路公団JHS23
3)」に準じて、透水性を測定した。その結果、5.2秒の
測定値を得、十分な透水性を得ていることを確認した。
【0033】[6.粘土鉱物の量を変化させた場合の温
度測定]上述の粘土鉱物(モンモリロナイト)の量が1
重量部、10重量部、20重量部の各場合について、8月1
0日午前0時から翌日午前0時までの間、舗装体の上面
から1cm深さの地点における温度の変化を測定した。同
時に、アスファルト混合物及びポーラスコンクリートに
ついても測定した。結果を図6に示す。図6に示すよう
に、充填材の量が1%であっても、ある程度の温度低減
効果を得ることができる。また、充填材の量を20%程度
以上としても、温度低減効果が頭打ちとなることがわか
る。
【0034】[7.粘土鉱物の種類を変えた場合の温度
測定]上述の粘土鉱物(モンモリロナイト)の種類を変
えて、8月23日午前0時から翌日午前0時までの間、
舗装体の上面から1cm深さの地点における温度の変化を
測定した。粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ハロ
イサイト、イライトを用いた。同時に、アスファルト混
合物及びポーラスコンクリートについても測定した。結
果を図7に示す。図7から、モンモリロナイトが特に温
度低減効果に優れることがわかる。
【0035】[8.凍結融解抵抗性の評価]10cm×10cm
×40cmの寸法とした他は実施例2と同様に作製した試験
体(連続空隙内の充填材の体積割合:100%)を用い、
コンクリートの凍結融解試験方法(土木学会 コンクリ
ート標準示方書 規準編 2002年制定)B法に準拠し
て、凍結融解抵抗性を評価した。試験は、3本の試験体
(試験体No.1〜3)を1組として1回行なった。な
お、当該試験において、凍結融解サイクル数300回で
相対動弾性係数の値が60%以上であれば、凍結融解抵
抗性の基準を満たしていると評価することができる。結
果を図8に示す。図8に示すように、試験体No.1〜
3の全てにおいて、凍結融解サイクル数300回で相対
動弾性係数の値が75%程度であった。このことから、
本発明の舗装体は、冬期に凍結融解の生じ易い地域にお
いても、好適に用い得ることがわかった。
【0036】
【発明の効果】本発明の舗装体は、一旦、保水すると、
降雨や給水がなくても、路面温度の上昇を長時間(例え
ば、10日間程度)に亘って抑制することができる。具
体的には、本発明の舗装体は、降雨後において、アルフ
ァルト舗装よりも14℃程度、コンクリート舗装よりも7
℃程度、ポーラスコンクリート舗装(例えば、排水性高
機能舗装)よりも11℃程度、温度を低減することができ
る。また、本発明の舗装体は、粘土系微粉末を含む充填
材を用いているため、吸水性に関して十分な繰り返し耐
久性を有し、路面温度の低減効果を長期間に亘って安定
的に得ることができる。また、本発明の舗装体は、充填
材の量を調整することによって、排水性と温度低減性を
共に確保することができる。また、本発明の舗装体を製
造する際、充填材がセルフレベリング性を有することか
ら、舗装体の本体部であるポーラスコンクリート硬化体
の連続空隙内に、バイブレータ等の充填器具を用いなく
ても、自然流下によって充填材を充填することができ、
施工作業を容易かつ迅速に行なうことができる。さら
に、本発明の舗装体は、冬期に凍結融解の生じ易い地域
においても、好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の舗装体を含む構造物を模式的に示す斜
視図である。
【図2】吸水性繰り返し試験の結果を示す図である。
【図3】粘土系充填材及びシルト系充填材の保水性を比
較して示す図である。
【図4】舗装体の本体部の材質を種々変えた場合の温度
変化の相違を示す図である。
【図5】プレーンコンクリートの温度に対する本発明の
舗装体等の温度差を示す図である。
【図6】充填材中の粘土鉱物の量を変えた場合の温度変
化を示す図である。
【図7】充填材中の粘土鉱物の種類を変えた場合の温度
変化を示す図である。
【図8】凍結融解抵抗性の試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 舗装体 2 アスファルト舗装(またはコンクリート舗装) 3 開粒度アスファルト混合物 4 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 達人 東京都台東区柳橋2−17−4 アルプス第 3ビル 小野田ケミコ株式会社内 (72)発明者 久我 比呂氏 東京都台東区柳橋2−17−4 アルプス第 3ビル 小野田ケミコ株式会社内 Fターム(参考) 2D051 AA02 AE05 AF01 AF02 AF03 AF04 AF05 AG01 AH01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質硬化体の連続空隙内に、セメント
    と粘土系微粉末とを含む充填材を充填してなることを特
    徴とする舗装体。
  2. 【請求項2】 上記粘土系微粉末中の5μm以下の粒径を
    有する微粉末の重量割合が、60重量%以上である請求項
    1に記載の舗装体。
  3. 【請求項3】 上記5μm以下の粒径を有する微粉末が、
    粘土鉱物と、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、珪石
    粉、石灰石粉末、シリカフュームから選択される一種以
    上の無機粉末とを含む請求項1又は2に記載の舗装体。
  4. 【請求項4】 上記充填材中の上記粘土鉱物の重量割合
    が、1〜30重量%である請求項3に記載の舗装体。
  5. 【請求項5】 上記セメントと上記粘土系微粉末の重量
    比が、5:95〜30:70である請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の舗装体。
  6. 【請求項6】 上記多孔質硬化体が、開粒度アスファル
    ト混合物またはポーラスコンクリートからなる請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の舗装体。
  7. 【請求項7】 連続空隙を有する多孔質硬化体からなる
    舗装体本体部を形成した後、セメントと粘土系微粉末と
    からなり、かつJ10ロート流下時間が4〜6秒であるスラ
    リー状の充填材を、上記多孔質硬化体の上記連続空隙内
    に充填することを特徴とする舗装体の施工方法。
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