JP2003221421A - 多層構造グラフト共重合体及びそれを用いたメタクリル樹脂組成物 - Google Patents

多層構造グラフト共重合体及びそれを用いたメタクリル樹脂組成物

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JP2003221421A
JP2003221421A JP2002021801A JP2002021801A JP2003221421A JP 2003221421 A JP2003221421 A JP 2003221421A JP 2002021801 A JP2002021801 A JP 2002021801A JP 2002021801 A JP2002021801 A JP 2002021801A JP 2003221421 A JP2003221421 A JP 2003221421A
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layer polymer
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graft copolymer
phosphoric acid
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JP2002021801A
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Toshio Nagasaka
俊夫 長坂
Masahiro Osuga
正宏 大須賀
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐衝撃性に優れるとともに耐候性、
加工性の良好なメタクリル樹脂組成物を得るための多層
構造グラフト共重合体の提供。 【解決手段】 C14アルキルメタクリレート、C18
アルキルアクリレート、他の単量体及び多官能単量体か
ら得られる最内層重合体Aと、Aの存在下にC18アル
キルアクリレート、芳香族ビニル化合物、他の単量体及
び多官能単量体を重合して得られる中間層重合体Bと、
Bの存在下にC14アルキルメタクリレート、C18
ルキルアクリレート及び他の単量体重合して得られる最
外層重合体Cとからなり、Bまでの粒子径及びC/(A
+B)が特定範囲内にあり、A、B及びCのいずれもが
水溶性無機系重合開始剤を用いて乳化重合することによ
り得られたものである多層構造グラフト共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、耐衝撃性
に優れた多層構造グラフト共重合体及びそれを用いたメ
タクリル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は透明性、耐候性、成型
加工性に優れており、自動車部品、照明用品、各種パネ
ル等に広く用いられている。しかし、一般にメタクリル
樹脂は耐衝撃性が十分でないためその用途を狭めてい
る。そこで、メタクリル樹脂の耐衝撃性を改良するため
の手段が数多く提案されている。
【0003】例えば特公昭55−27576号公報に
は、特定の硬質―軟質―硬質の三段階を基本構造とする
多段階重合体を添加することにより、メタクリル樹脂等
の硬質樹脂の耐衝撃性を向上させることが提案されてい
る。しかしながら、この方法でも耐衝撃性の改良は不十
分である。また、特開平9−309938号公報には特
定の重合開始剤を用いてヘイズの温度依存性を改良する
方法が提案されている。しかし、この方法においても透
明性に関しては改善の効果は見られるものの、耐衝撃性
は不十分であり、メタクリル樹脂の優れた透明性を損な
うことなく十分な耐衝撃性を有する樹脂組成物が求めら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のメタクリル系樹脂では不十分であった耐衝撃性に関し
て改良を行い、透明性、耐衝撃性に優れるとともに耐候
性、加工性の良好な樹脂組成物を提供する多層構造グラ
フト共重合体およびこれを含有したメタクリル樹脂組成
物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
現状に鑑み、鋭意検討した結果、多層構造グラフト共重
合体を重合する際に用いる重合開始剤を適切に選択し、
適当な最内層の組成、各層の比率、粒子径と組み合わせ
ることによって上記問題が解決することを見いだし本発
明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、アルキル基の炭素数
が1〜4のアルキルメタクリレート40〜70質量%、
アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート3
0〜60質量%およびその他の共重合可能な単量体0〜
20質量%からなる単量体混合物100質量部と、多官
能単量体0.1〜10質量部との混合物を重合して得ら
れる最内層重合体(A)と、該最内層重合体(A)の存
在下に、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリ
レート70〜90質量%、芳香族ビニル化合物10〜3
0質量%およびその他の共重合可能な単量体0〜20質
量%からなる単量体混合物100質量部と、多官能単量
体0.1〜5質量部との混合物を重合して得られる中間
層重合体(B)と、該中間層重合体(B)の存在下に、
アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレート
50〜100質量%、アルキル基の炭素数が1〜8のア
ルキルアクリレート0〜50質量%およびその他の共重
合可能な単量体0〜20質量%からなる単量体混合物を
重合して得られる最外層重合体(C)とからなり、中間
層重合体(B)までの粒子径が200〜300nmであ
り、最内層重合体(A)の質量(a)および中間層重合
体(B)の質量(b)の和に対する最外層重合体(C)
の質量(c)の比(c)/((a)+(b))が0.2
〜1.0であり、最内層重合体(A)、中間層重合体
(B)および最外層重合体(C)のいずれもが水溶性無
機系重合開始剤を用いて乳化重合することにより得られ
たものである多層構造グラフト共重合体である。
【0007】また、本発明は、メタクリル酸メチルを主
成分とする硬質メタクリル樹脂50〜95質量%と、上
記多層構造グラフト共重合体5〜50質量%とからなる
メタクリル樹脂組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の多層構造グラフト共重合
体は、最内層重合体(A)、中間層重合体(B)および
最外層重合体(C)からなる少なくとも3層の重合体か
らなるものであり、各層は以下に示される組成からなる
単量体によって構成される。
【0009】最内層重合体(A)は、アルキル基の炭素
数が1〜4のアルキルメタクリレート40〜70質量
%、より好ましくは50〜65質量%、アルキル基の炭
素数が1〜8のアルキルアクリレート30〜60質量
%、より好ましくは35〜50質量%、およびその他の
共重合可能な単量体0〜20質量%、より好ましくは1
〜10質量%からなる単量体混合物100質量部と、多
官能単量体0.1〜10質量部、より好ましくは1〜5
質量%との混合物を重合して得られる。単量体組成を上
述の各範囲内にすることにより優れた耐衝撃性、透明性
が得られ、特にアルキル基の炭素数が1〜8のアルキル
アクリレートの使用量が30質量%未満では、高度な耐
衝撃性が得られない。
【0010】ここで用いられるアルキル基の炭素数が1
〜4のアルキルメタクリレートとしては、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート等があげられ、これら
は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレ
ートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等があげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いること
ができる。また、その他の共重合可能な単量体として
は、これらと共重合可能なビニル系単量体であれば特に
制限されないが、例えばフェニルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、
メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸ヒドロキシエ
チル、アクリルアミド、グリシジルメタクリレートなど
の他、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
等の芳香族ビニル化合物等があげられ、これらも単独で
または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】また、多官能単量体は、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレ
ート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、マレイン酸ジアリル、ジビニルベンゼン、フタル酸
ジアリル、フマル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリ
ル等があげられ、これらは単独でまたは2種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0012】中間層重合体(B)は、最内層重合体
(A)の存在下に、アルキル基の炭素数が1〜8のアル
キルアクリレート70〜90質量%、より好ましくは7
5〜85質量%、芳香族ビニル化合物10〜30質量
%、より好ましくは15〜25質量%、およびその他の
共重合可能な単量体0〜20質量%からなる単量体混合
物100質量部と、多官能単量体0.1〜5質量%、よ
り好ましくは1〜3質量%との混合物を重合して得られ
る。この中間層(B)に用いられるアルキルアクリレー
ト、芳香族ビニル化合物および多官能単量体としては、
上述した最内層重合体(A)に用いうる単量体の例とし
てあげたものと同様のものが使用できる。
【0013】最外層重合体(C)は、上述した中間層重
合体(B)の存在下、より正確に表現すれば最内層重合
体(A)および中間層重合体(B)を含んでなる重合体
の存在下に、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメ
タクリレート50〜100質量%、より好ましくは80
〜97質量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキル
アクリレート0〜50質量%、より好ましくは3〜20
質量%、およびその他の共重合可能な単量体0〜20質
量%からなる単量体混合物を重合して得られる。この最
外層重合体(C)に用いられる単量体としては、上述し
た最内層重合体(A)に用いうる単量体の例としてあげ
たものと同様のものが使用できる。
【0014】また、マトリックス樹脂との相溶性、流動
性、耐衝撃性を良好にするためにアルキルメルカプタン
等の連鎖移動剤を用いることが好ましい。アルキルメル
カプタンとしては、n−ブチルメルカプタン、n−オク
チルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ド
デシルメルカプタン等があげられ、最外層重合体(C)
に用いられる単量体混合物100質量部に対して、好ま
しくは0.1〜2質量部用いる。
【0015】中間層重合体(B)までの粒子径は200
〜300nm、より好ましくは220〜270nmであ
る。中間層重合体(B)までの粒子径が200nm未満
の場合には耐衝撃強度を十分なものにするのが困難とな
り、300nmを超える場合には透明性が低下しやす
い。
【0016】各層の構成比率としては、最内層重合体
(A)の質量(a)と中間層重合体(B)の質量(b)
との比は、20:80〜60:40であることが好まし
い。なお、各層の重合体の質量は各層を構成する単量体
の質量の総和とする。
【0017】また、最内層重合体(A)の質量(a)と
中間層重合体(B)の質量(b)の和に対する最外層重
合体(C)の質量(c)の比(c)/((a)+
(b))は0.2〜1.0であり、より好ましくは0.
5〜0.7である。この比が0.2未満の場合には耐衝
撃性を十分なものにするのが困難となり、1.0を超え
る場合も耐衝撃性を十分なものにするのが困難となる。
【0018】本発明の多層構造グラフト共重合体は、最
内層重合体(A)、中間層重合体(B)および最外層重
合体(C)のいずれもが水溶性無機系重合開始剤を用い
て乳化重合されたものであることが必要である。水溶性
無機系重合開始剤を用いない場合には耐衝撃強度を十分
なものにすることが困難である。本発明にいう水溶性無
機系重合開始剤とは、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過ほう酸カリウ
ム、過ほう酸ナトリウム、過ほう酸アンモニウム等の過
ほう酸塩、過酸化水素等の水溶性無機系重合開始剤を意
味する。これらの中でも、経済性、取り扱い性の点から
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムおよび過硫酸アンモ
ニウムから選ばれる過硫酸塩の使用が好ましい。
【0019】用いる水溶性無機系重合開始剤の量は、開
始剤の種類によって若干異なるが、最内層重合体
(A)、中間層重合体(B)、最外層重合体(C)を形
成する単量体100質量部に対して、0.03〜2質量
部が好ましく、より好ましくは0.05〜1質量部であ
る。
【0020】本発明の多層構造グラフト共重合体の製造
において使用される乳化剤は、アニオン系、カチオン
系、ノニオン系のいずれの乳化剤も使用できるが、特に
アニオン系の乳化剤が好ましい。アニオン系の乳化剤と
してはオレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、
ミリスチン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸
ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム等のカルボ
ン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテル
ジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等があげら
れるが、より好ましくは下記一般式(1)で表される
【0021】
【化2】 [R1−O(R2O)mn−P(=O)−(OM)q (1) (式中、R1は炭素数10〜18の直鎖または分岐アル
キル基を示し、R2は炭素数2または3の直鎖あるいは
分岐アルキレン基、Mはアルカリ金属またはアルカリ土
類金属、mは1〜20の整数、nは1または2であり、
qは1または2であり、n+qは3である。) モノ−n−デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、
ジ−n−デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、モ
ノ−n−ドデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、
ジ−n−ドデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、
モノ−n−テトラデシルオキシテトラオキシエチレンリ
ン酸、ジ−n−テトラデシルオキシテトラオキシエチレ
ンリン酸、モノ−n−ヘキサデシルオキシテトラオキシ
エチレンリン酸、ジ−n−ヘキサデシルオキシテトラオ
キシエチレンリン酸、モノ−n−オクタデシルオキシテ
トラオキシエチレンリン酸、ジ−n−オクタデシルオキ
シテトラオキシエチレンリン酸、モノ−n−デシルオキ
シヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−n−デシルオキシ
ヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−n−ドデシルオキ
シヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−n−ドデシルオキ
シヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−n−テトラデシ
ルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−n−テトラ
デシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−n−
ヘキサデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−
n−ヘキサデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、
モノ−n−オクタデシルオキシヘキサオキシエチレンリ
ン酸、ジ−n−オクタデシルオキシヘキサオキシエチレ
ンリン酸、モノ−n−デシルオキシオクタオキシエチレ
ンリン酸、ジ−n−デシルオキシオクタオキシエチレン
リン酸、モノ−n−ドデシルオキシオクタオキシエチレ
ンリン酸、ジ−n−ドデシルオキシオクタオキシエチレ
ンリン酸、モノ−n−テトラデシルオキシオクタオキシ
エチレンリン酸、ジ−n−テトラデシルオキシオクタオ
キシエチレンリン酸、モノ−n−ヘキサデシルオキシオ
クタオキシエチレンリン酸、ジ−n−ヘキサデシルオキ
シオクタオキシエチレンリン酸、モノ−n−オクタデシ
ルオキシオクタオキシエチレンリン酸、ジ−n−オクタ
デシルオキシオクタオキシエチレンリン酸等の直鎖アル
キルオキシポリオキシエチレンリン酸のアルカリ金属塩
あるいはアルカリ土類金属塩や、モノ−イソデシルオキ
シテトラオキシエチレンリン酸、ジ−イソデシルオキシ
テトラオキシエチレンリン酸、モノ−イソドデシルオキ
シテトラオキシエチレンリン酸、ジ−イソドデシルオキ
シテトラオキシエチレンリン酸、モノ−イソテトラデシ
ルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−イソテトラ
デシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、モノ−イソ
ヘキサデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、ジ−
イソヘキサデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸、
モノ−イソオクタデシルオキシテトラオキシエチレンリ
ン酸、ジ−イソオクタデシルオキシテトラオキシエチレ
ンリン酸、モノ−イソデシルオキシヘキサオキシエチレ
ンリン酸、ジ−イソデシルオキシヘキサオキシエチレン
リン酸、モノ−イソドデシルオキシヘキサオキシエチレ
ンリン酸、ジ−イソドデシルオキシヘキサオキシエチレ
ンリン酸、モノ−イソトリデシルオキシヘキサオキシエ
チレンリン酸、ジ−イソトリデシルオキシヘキサオキシ
エチレンリン酸、モノ−イソテトラデシルオキシヘキサ
オキシエチレンリン酸、ジ−イソテトラデシルオキシヘ
キサオキシエチレンリン酸、モノ−イソヘキサデシルオ
キシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−イソヘキサデシ
ルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、モノ−イソオク
タデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−イソ
オクタデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸、モノ
−イソデシルオキシオクタオキシエチレンリン酸、ジ−
イソデシルオキシオクタオキシエチレンリン酸、モノ−
イソドデシルオキシオクタオキシエチレンリン酸、ジ−
イソドデシルオキシオクタオキシエチレンリン酸、モノ
−イソトリデシルオキシオクタオキシエチレンリン酸、
ジ−イソトリデシルオキシオクタオキシエチレンリン
酸、モノ−イソテトラデシルオキシオクタオキシエチレ
ンリン酸、ジ−イソテトラデシルオキシオクタオキシエ
チレンリン酸、モノ−イソヘキサデシルオキシオクタオ
キシエチレンリン酸、ジ−イソヘキサデシルオキシオク
タオキシエチレンリン酸、モノ−イソオクタデシルオキ
シオクタオキシエチレンリン酸、ジ−イソオクタデシル
オキシオクタオキシエチレンリン酸等の分岐アルキルオ
キシポリオキシエチレンリン酸のアルカリ金属塩あるい
はアルカリ土類金属塩が挙げられる。アルカリ金属とし
てはナトリウムまたはカリウム、アルカリ土類金属とし
てはカルシウムまたはバリウムが挙げられる。これらの
リン酸エステル塩類は1種を単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。
【0022】本発明の多層構造グラフト共重合体の製造
においては、単量体及び重合開始剤等は一括添加法、分
割添加法、連続添加法あるいはモノマー添加法、エマル
ション添加法等各種の方法で添加することができる。反
応を円滑に進めるために反応系を窒素置換するとか残存
単量体を除去するために反応終了後に特別な触媒を添加
するなどの方法をとっても良い。
【0023】ラテックスから多層構造グラフト共重合体
を回収する方法としては酸凝固法、塩凝固法、凍結凝固
法、噴霧乾燥法等の各種の方法を用いることができる。
塩凝固法で用いる回収剤としては、塩化アルミニウム、
硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、硝酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどの無機塩が挙
げられるが、回収される多層構造グラフト共重合体の着
色性を抑えるためには酢酸カルシウムが特に好ましい。
【0024】回収剤水溶液の濃度は0.1〜20質量%
が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。濃度が低
すぎると安定して樹脂を回収できない場合があり、濃度
が高すぎると回収した樹脂に多量の回収剤が残存して、
着色性などの成形物の性能を低下させることがあり望ま
しくない。ラテックスを回収剤水溶液に接触させるとき
の温度は30℃〜100℃が好ましい。析出した樹脂は
各種の方法で洗浄、脱水、乾燥される。
【0025】本発明の多層構造グラフト共重合体は、メ
タクリル酸メチルを主成分とする硬質メタクリル樹脂
(マトリックス樹脂となる)にブレンドすることによ
り、透明性、耐衝撃性に優れたメタクリル樹脂組成物が
得られる。多層構造グラフト共重合体と硬質メタクリル
樹脂との混合割合は用途により異なるが、多層構造グラ
フト共重合体5〜50質量%と硬質メタクリル樹脂50
〜95質量%の割合で混合することが好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、ヘイ
ズ%以外の「%」は「質量%」をそれぞれ表す。中間層
重合体(B)の粒子径は、Matec Applied
sciences社製CHDF2000型粒度分布測
定装置を用いて、カラム温度35℃、キャリア液流速
1.4ml/minで測定した。また、得られたメタク
リル樹脂組成物は下記の条件で射出成形した後、諸特性
を測定した。
【0027】アイゾット衝撃強度試験片の射出成形 装置:日精樹脂(株)製PS−60E型射出成型機 シリンダー温度:260℃ 試験片サイズ:100mm×50mm×2mm厚 127mm×12.7mm×6.35mm厚 アイゾット衝撃強度 ASTM−D−256に準拠して測定した。 ヘイズ ASTM−D1003に準拠して測定した。 イエローインデックス(YI) ASTM−D1925に準拠して測定した。
【0028】実施例1 攪拌機、還流冷却器、窒素吹き込み口、単量体追加口、
温度計を備えた5口フラスコに脱イオン水300部、炭
酸ナトリウム0.1部およびほう酸1.0部を仕込ん
だ。次に系を窒素置換しながら80℃に昇温し、下記の
組成の混合物(1−a)の1/10を加え、重合開始剤
として過硫酸カリウム(KPS)0.075部を添加し
て15分保持し、その後混合物(1−a)の残りを2時
間かけて投入し、80℃に保ったまま1時間保持して重
合を完結させた。得られたラテックス(1−A)の重合
率は99%以上であった。
【0029】 混合物(1−a) メタクリル酸メチル 32.0部 スチレン 4.0部 アクリル酸ブチル 24.0部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 1.0部 メタクリル酸アリル 0.2部 モノ−イソトリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸ナトリウムとジ−イソ トリデシルオキシヘキサオキシエチレンリン酸ナトリウムとイソトリデシルオキ シペンタオキシエチレンオキシエタノールの1:1:0.1質量比の混合物(フ ォスファノールRS−610NA、商品名、東邦化学(株)製)(以下、乳化剤 Aという) 0.9部
【0030】引き続き、上記1−Aに重合開始剤KPS
0.2部を加え、下記組成の混合物(1−b)を3時間
かけて滴下し、3時間保持して重合を完結させた。得ら
れたラテックス(1−B)の重合率は99%以上で、粒
子径は220nmであった。
【0031】 混合物(1−b) スチレン 17.0部 アクリル酸ブチル 73.0部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 0.2部 メタクリル酸アリル 1.0部 乳化剤A 0.9部
【0032】引き続き、ラテックス(1−B)に重合開
始剤KPS0.1部を加え、下記組成の混合物(1−
c)を2時間かけて滴下し、1時間保持して重合を完結
させた。得られた最終ラテックス(1−C)の重合率は
99%以上であった。
【0033】 混合物(1−c) メタクリル酸メチル 85.5部 アクリル酸メチル 4.5部 n−オクチルメルカプタン 0.3部
【0034】ステンレス製の容器に回収剤として1.6
%酢酸カルシウム水溶液300部を仕込み、混合攪拌下
90℃に昇温して前記最終ラテックス(1−C)300
部を10分間にわたって連続的に添加し、その後5分間
保持した。室温まで冷却し、脱イオン水で洗浄しながら
遠心脱水(1300G、3分間)でろ別して湿潤状の樹
脂を得、75℃で48時間乾燥させて白色粉体状の樹脂
を得た。
【0035】次に前記粉体状樹脂1600部とメタクリ
ル樹脂(アクリペットVH、商品名、三菱レイヨン
(株)製)2400部との混合物を外形30mmφの2
軸スクリュー型押し出し機((株)池貝製PCM−30
型、L/D=25)を使用し、シリンダー温度230℃
〜260℃、ダイ温度260℃で溶融混練してペレット
を作製した。このペレットを用いて成型体を作製し、ア
イゾット衝撃強度、ヘイズ、YIを評価し、その結果を
表1に示した。
【0036】実施例2 実施例1と同様にして得たラテックス(1−B)に重合
開始剤KPS0.07部を加え、下記組成の混合物(2
−c)を2時間かけて滴下し、1時間保持して重合を完
結させた。その後、実施例1と同様に操作して成型体を
作製した。
【0037】 混合物(2−c) メタクリル酸メチル 57.0部 アクリル酸メチル 3.0部 n−オクチルメルカプタン 0.2部
【0038】実施例3 実施例1と同様にして得たラテックス(1−B)に重合
開始剤KPS0.13部を加え、下記組成の混合物(3
−c)を2時間かけて滴下し、1時間保持して重合を完
結させた。その後、実施例1と同様に操作して成型体を
作製した。
【0039】 混合物(3−c) メタクリル酸メチル 114.0部 アクリル酸メチル 6.0部 n−オクチルメルカプタン 0.4部
【0040】実施例4 実施例1の混合物(1−a)を下記の組成の混合物(4
−a)に変更した以外は実施例1と同様に操作して成型
体を作製した。中間層重合体までの粒子径は280nm
であった。
【0041】 混合物(4−a) メタクリル酸メチル 32.0部 スチレン 4.0部 アクリル酸ブチル 24.0部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 1.0部 メタクリル酸アリル 0.2部 乳化剤A 0.65部
【0042】実施例5 実施例1の回収剤を硫酸マグネシウムに変更した以外は
実施例1と同様に操作して成型体を作製した。
【0043】比較例1 攪拌機、還流冷却器、窒素吹き込み口、単量体追加口、
温度計を備えた5口フラスコに脱イオン水300部、ナ
トリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(以下SF
Sという)0.48部、硫酸第1鉄0.6×10-4部お
よびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム1.8×10
-4部を仕込んだ。次に系を窒素置換しながら80℃に昇
温し、下記の組成の混合物(5−a)の1/10を加
え、15分保持し、その後(5−a)の残りを2時間か
けて投入し、80℃に保ったまま1時間保持して重合を
完結させた。得られたラテックス(5−A)の重合率は
99%以上であった。
【0044】 混合物(5−a) メタクリル酸メチル 32.0部 スチレン 4.0部 アクリル酸ブチル 24.0部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 1.0部 メタクリル酸アリル 0.2部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.1部 乳化剤A 2.0部
【0045】引き続き、上記5−AにSFS 0.2部
および脱イオン水5部を入れ、15分間保持した後、下
記組成の混合物(5−b)を3時間かけて滴下し、3時
間保持して重合を完結させた。得られたラテックス(5
−B)の重合率は99%以上で、粒子径は250nmで
あった。
【0046】 混合物(5−b) スチレン 17.0部 アクリル酸ブチル 73.0部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 0.2部 メタクリル酸アリル 1.0部 クメンハイドロパーオキサイド 0.2部 乳化剤A 2.5部
【0047】引き続き、上記(5−B)にSFS 0.
3部および脱イオン水5.0部を入れ、15分間保持し
た後、下記組成の混合物(5−c)を2時間かけて滴下
し、1時間保持して重合を完結させた。得られた最終ラ
テックス(5−C)の重合率は99%以上であった。
【0048】 混合物(5−c) メタクリル酸メチル 85.5部 アクリル酸メチル 4.5部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.15部 n−オクチルメルカプタン 0.3部
【0049】比較例2 実施例1の(1−B)にSFS 0.2部、脱イオン水
5.0部、硫酸第1鉄0.6×10-4部およびエチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム1.8×10-4部を加え、
15分間保持した後、下記組成の混合物(6−c)を2
時間かけて滴下し、1時間保持して重合を完結させた。
得られた最終ラテックス(6−C)の重合率は99%以
上であった。その後、実施例1と同様に操作して成型体
を作製した。
【0050】 混合物(6−c) メタクリル酸メチル 85.5部 アクリル酸メチル 4.5部 t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.15部 n−オクチルメルカプタン 0.3部
【0051】比較例3 実施例1の混合物(1−a)における乳化剤Aの使用量
を0.45部に変更したことを除き実施例1と同様に操
作して成型体を作製した。このときの中間層重合体まで
の粒子径は350nmであった。
【0052】比較例4 実施例1の混合物(1−a)における乳化剤Aの使用量
を1.8部に変更したことを除き実施例1と同様に操作
して成型体を作製した。このときの中間層重合体までの
粒子径は160nmであった。
【0053】比較例5 実施例1の混合物(1−a)を下記の組成の混合物(7
−a)に変更した以外は実施例1と同様に操作して成型
体を作製した。このときの中間層重合体までの粒子径は
230nmであった。 混合物(7−a) メタクリル酸メチル 57.0部 アクリル酸メチル 3.0部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 1.0部 メタクリル酸アリル 0.2部 乳化剤A 0.9部
【0054】実施例6 実施例1で使用した全ての乳化剤Aをジ(2−エチルヘ
キシル)スルホコハク酸ナトリウムに変更した以外は実
施例1と同様に操作して成型体を作製した。このときの
中間層重合体までの粒子径は240nmであった。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の多層構造グラフト共重合体を配
合することにより、透明性、耐衝撃性に優れるとともに
耐候性、加工性の良好なメタクリル樹脂組成物を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51:00) Fターム(参考) 4J002 BG061 BN122 GN00 GP00 4J011 HA05 KB08 KB13 KB19 KB22 4J026 AA17 AA43 AA45 AA48 AA50 AA55 AA60 BA04 BA27 BB02 BB03 BB04 DA04 DA07 DA17 DB04 DB08 DB17 EA04 FA03 FA07 GA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル
    メタクリレート40〜70質量%、アルキル基の炭素数
    が1〜8のアルキルアクリレート30〜60質量%およ
    びその他の共重合可能な単量体0〜20質量%からなる
    単量体混合物100質量部と、多官能単量体0.1〜1
    0質量部との混合物を重合して得られる最内層重合体
    (A)と、該最内層重合体(A)の存在下に、アルキル
    基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート70〜90
    質量%、芳香族ビニル化合物10〜30質量%およびそ
    の他の共重合可能な単量体0〜20質量%からなる単量
    体混合物100質量部と、多官能単量体0.1〜5質量
    部との混合物を重合して得られる中間層重合体(B)
    と、該中間層重合体(B)の存在下に、アルキル基の炭
    素数が1〜4のアルキルメタクリレート50〜100質
    量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレ
    ート0〜50質量%およびその他の共重合可能な単量体
    0〜20質量%からなる単量体混合物を重合して得られ
    る最外層重合体(C)とからなり、中間層重合体(B)
    までの粒子径が200〜300nmであり、最内層重合
    体(A)の質量(a)および中間層重合体(B)の質量
    (b)の和に対する最外層重合体(C)の質量(c)の
    比(c)/((a)+(b))が0.2〜1.0であ
    り、最内層重合体(A)、中間層重合体(B)および最
    外層重合体(C)のいずれもが水溶性無機系重合開始剤
    を用いて乳化重合することにより得られたものである多
    層構造グラフト共重合体。
  2. 【請求項2】 水溶性無機系重合開始剤が、過硫酸カリ
    ウム、過硫酸ナトリウムおよび過硫酸アンモニウムから
    選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の多層構
    造グラフト共重合体。
  3. 【請求項3】 重合に使用する乳化剤が、下記一般式
    (I)で表されるリン酸エステル塩の少なくとも1種以
    上を含有する請求項1または2記載の多層構造グラフト
    共重合体。 【化1】 [R1−O(R2O)mn−P(=O)−(OM)q (1) (式中、R1は炭素数10〜18の直鎖または分岐アル
    キル基を示し、R2は炭素数2または3の直鎖あるいは
    分岐アルキレン基、Mはアルカリ金属またはアルカリ土
    類金属、mは1〜20の整数、nは1または2であり、
    qは1または2であり、n+qは3である。)
  4. 【請求項4】 乳化重合で得られたラテックスを0.1
    〜20質量%の濃度の酢酸カルシウム水溶液と接触させ
    ることにより回収した請求項1、2または3記載の多層
    構造グラフト共重合体。
  5. 【請求項5】 メタクリル酸メチルを主成分とする硬質
    メタクリル樹脂50〜95質量%と、請求項1、2、3
    または4記載の多層構造グラフト共重合体5〜50質量
    %とからなるメタクリル樹脂組成物。
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