JP2003231231A - 金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱接着性(熱ラミネート性)を有し、
製缶時の絞りしごき加工性に優れ、さらには白度に優れ
た金属缶の被覆に好適に用いられる金属板ラミネート用
白色フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルA層とポリエステルB層と
を積層してなる少なくとも2層以上の積層フィルムであ
って、A層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを
主体とするポリエステル80〜40質量%と、ポリエチ
レンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル
20〜60質量%からなる樹脂組成物で構成され、B層
が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体とする
ポリエステル80〜30質量%と、融点が180〜24
0℃のポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とす
るポリエステル20〜70質量%とからなる組成物に、
酸化チタンを10〜40質量%含有させた樹脂組成物で
構成されている金属板ラミネート用白色積層ポリエステ
ルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板ラミネート
用白色積層ポリエステルフィルムに関するものであり、
詳しくは、優れた熱ラミネート性を有し、成型性、白度
に優れ、製缶工程で摩耗による治具への傷の発生のな
い、金属缶の外面被覆に好適に用いられる二軸延伸白色
積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、飲料用の包装には、スチール缶、
アルミ缶等の金属缶が大量に使用されており、これらの
金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、
熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用い
られてきた。しかし、このような塗料を塗布する方法
は、塗料の乾燥に長時間を要するため、生産性が悪いと
共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延伸された
プラスチックフィルム、あるいはこれをベースとし、ヒ
ートシール可能なフィルムをラミネートしたフィルムを
用いて、金属にプラスチックをラミネートする方法を採
用することが多くなってきた。
【0003】プラスチックフィルムで被覆した金属缶
は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を
施したものを含む)にプラスチックフィルムをラミネー
トし、得られたフィルムラミネート金属板を成型加工し
て製造されている。このような用途に用いられるプラス
チックフィルムには、金属板とのラミネート性がよい
こと、缶の成型性に優れていること、つまり、缶の成
型時にフィルムの剥離、亀裂、クラック、ピンホール等
の発生がないこと、缶内容物の風味を損ねることがな
いこと(缶の内面に用いられる場合)、レトルト処理
をしたときにウォータースポットや白粉が発生しないこ
となどの数々の特性が同時に要求される。なお、ウォー
タースポットとは、ラミネート時に溶融して非晶化した
フィルムがレトルト処理時に水滴が付着して、結晶化し
て白色化する現象をいい、これが発生すると商品の美観
を損なう。また、白粉とは、オリゴマー等の低分子量物
がフィルム表面に析出したものをいい、缶内面に用いら
れたラミネートフィルムに白粉が発生すると、缶内容物
の風味を損ね、缶外面に用いられたフィルムに発生する
と、缶の美麗性を損なう。
【0004】缶外面用フィルムとしては、酸化チタンを
充填したポリエチレンテレフタレートもしくはその共重
合体の二軸延伸フィルムが、物理的、機械的、化学的特
性に優れた素材として用いられている。しかし、熱ラミ
ネート性、白度といった点に改良すべき課題があり、特
に、缶外面に美しい印刷を行う場合には、白度のさらに
高いものが要求される。また、缶の加工変化率が大きい
場合には、最終的に出来上がる缶の表面白度を維持する
ためにも、白度の高いフィルムが要求されてきている。
【0005】このような金属ラミネート用白色フィルム
としては、例えば、缶の成型加工性を改良するために共
重合ポリエステルに酸化チタンを混合したものが特開平
5−170942号公報に開示されている。また、共重
合ポリエステルに純度95%以上のルチル型酸化チタン
を混合したものが特開平5−339391号公報に開示
されている。また、缶の加工性と耐衝撃性とを向上する
ために、高濃度の酸化チタンのマスターチップと粘度分
布の広い希釈ポリマーとを混合したものが特開平6−2
71686号公報に開示されている。また、耐衝撃性を
向上させるために酸化チタンのマスターチップに高粘度
の希釈ポリマーを混合したものが特開平6−49234
号公報に開示されている。また、顔料濃度の異なる2種
類の共重合ポリエステルを積層させた積層ポリエステル
フィルムが特開平6−39980号公報と特開平7−5
2351号公報に開示されている。また、ポリエチレン
テレフタレートとポリブチレンテレフタレートを所定配
合比で配合し、顔料濃度の異なる層を積層させた積層ポ
リエステルフィルムが特開平10−119217号公報
に開示されている。上記のように、ポリエステル樹脂に
酸化チタンを充填した単層又は複層の白色フィルムが提
案されているが、これらのフィルムは、絞りしごき加工
等を要する金属缶の製缶時において、フィルムの剥離、
微小クラック、破断、白化などが発生するため製缶性が
劣り、さらには、深絞り成形に使用する絞りダイスやそ
の他治具を摩耗させるため、生産性に著しい支障を及ぼ
すものであることが指摘されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた熱接
着性(熱ラミネート性)を有し、製缶時の絞りしごき加
工性に優れ、さらには白度に優れた金属缶の被覆に好適
に用いられる金属板ラミネート用白色フィルムを提供し
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、結晶性の異なる2種以上のポリエステル、すな
わち、ポリブチレンテレフタレート主体のポリエステル
とポリエチレンテレフタレート主体のポリエステルが特
定の割合で配合された層(A層)と、ポリブチレンテレ
フタレート主体のポリエステルと特定の融点を保有する
ポリエチレンテレフタレート主体のポリエステルを特定
の割合で配合し、酸化チタンを特定量含有させた組成物
からなる層(B層)を積層することにより、上記課題を
解決できることを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。ポリエステルA層とポリエステルB層とを積層して
なる少なくとも2層以上の積層フィルムであって、ポリ
エステルA層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれ
を主体とするポリエステル(ポリエステルA1)80〜
40質量%と、ポリエチレンテレフタレート又はこれを
主体とするポリエステル(ポリエステルA2)20〜6
0質量%からなる樹脂組成物で構成され、ポリエステル
B層が、ポリブチレンテレフタレート又はこれを主体と
するポリエステル(ポリエステルB1)80〜30質量
%と、融点が180〜240℃のポリエチレンテレフタ
レート又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステ
ルB2)20〜70質量%とからなる組成物に、酸化チ
タンを10〜40質量%含有させた樹脂組成物で構成さ
れていることを特徴とする金属板ラミネート用白色積層
ポリエステルフィルム。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポ
リエステルA層とB層とから構成され、ポリエステルA
層はポリエステルA1とポリエステルA2とからなる樹
脂組成物で構成されている。
【0011】本発明において、ポリエステルA1はポリ
ブチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分
を共重合したものを用いることが必要である。ポリエス
テルA1における共重合成分としては、特に限定されな
いが、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュ
ウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ
安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸などのオキシカル
ボン酸、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレ
ンオキシド付加体等のグリコ−ル等があげられる。さら
に、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール等の3官能化合物等を少量用いてもよい。これら
の共重合体は2種以上併用してもよい。
【0012】ポリエステルA1の固有粘度は、0.8以
上であることが好ましく、より好ましくは0.9以上で
ある。固有粘度が0.8未満であると、2ピース缶等の
深絞り加工時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアル
ミニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがあ
る。
【0013】本発明において、ポリエステルA層の構成
成分であるポリエステルA2としては、ポリエチレンテ
レフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合し
たものを用いることが必要である。ポリエステルA2に
おける共重合成分としては、特に限定されないが、ポリ
エステルA1の場合と同様の化合物を例示することがで
きる。ポリエステルA2の固有粘度は、0.6以上であ
ることが好ましく、より好ましくは0.65以上であ
る。固有粘度が0.6未満であると、2ピース缶等の深
絞り成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミ
ニウム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0014】本発明において、ポリエステルA層を構成
する樹脂組成物は、ポリエステルA1とA2の質量比
が、A1/A2=80/20〜40/60(質量%)で
あることが必要であり、好ましくは70/30〜50/
50、さらに好ましくは65/35〜55/45であ
る。ポリエステルA1が80質量%を超えると、2ピー
ス缶等の深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白
化が発生することがある。ポリエステルA1が40質量
%未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィ
ルムに破断が発生しやすく、缶体がアルミニウム等の軟
らかい金属の場合、破体することがある。
【0015】本発明において、ポリエステルA層は、示
差走査熱分析で二箇所に融解ピークを有し、一方のピー
クが210〜225℃であり、もう一方のピークが24
3℃以上であることが好ましい。210〜225℃に融
解ピークを有しない場合、2ピース缶等の深絞り成形時
に、フィルムに微小クラックや白化が発生しやすい。ま
た、243℃以上に融解ピークを有しない場合、2ピー
ス缶等の深絞り成形時に、缶体がアルミニウム等の軟ら
かい金属の場合、破体することがある。
【0016】本発明において、ポリエステルA層の固有
粘度は、0.70以上であることが好ましく、さらに好
ましくは0.75以上であり、より好ましくは0.80
以上である。ポリエステルA層の固有粘度が0.70未
満の場合、2ピース缶等の深絞り成形時に、フィルムに
破断が発生し、缶体がアルミニウム等の軟らかい金属の
場合、破体することがある。
【0017】本発明の積層ポリエステルフィルムのポリ
エステルA層に、酸化チタンを含有することができる。
ポリエステルA層中にも酸化チタンを含有させると、本
発明の積層ポリエステルフィルムの白度及び隠蔽性を増
加することができるので好ましいが、その含有量は5質
量%以下であることが好ましい。含有量が5質量%より
多いと、2ピース缶の製缶工程で、深絞り成形に使用す
る絞りダイスやその他の治具が摩耗し、生産に著しく支
障を生じることがあり、また、酸化チタン粉が飛散し、
熱ラミネートロールへの付着等の問題が発生することが
ある。
【0018】次に、本発明の積層ポリエステルフィルム
を構成するもう一つの層であるポリエステルB層につい
て説明する。ポリエステルB層は、ポリエステルB1と
B2とからなる組成物に酸化チタンを含有させた樹脂組
成物で構成されている。
【0019】本発明において、ポリエステルB1はポリ
ブチレンテレフタレート又はこれを主体として他の成分
を共重合したものを用いることが必要である。ポリエス
テルB1における共重合成分としては、特に限定されな
いが、ポリエステルA1の場合と同様の化合物を例示で
きる。ポリエステルB1の固有粘度は、0.8以上であ
ることが好ましく、より好ましくは0.9以上である。
固有粘度が0.8未満であると、2ピース缶等の深絞り
成形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウ
ム等の軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0020】本発明において、ポリエステルB層の構成
成分であるポリエステルB2としては、ポリエチレンテ
レフタレート又はこれを主体として他の成分を共重合し
たものを用いることが必要である。ポリエステルB2に
おける共重合成分としては、特に限定されないが、ポリ
エステルA1の場合と同様の化合物を例示することがで
きる。
【0021】なかでも、ポリエステルB2の共重合成分
としては、熱ラミネート時に適度なラミネート適性と結
晶性を有し、さらには、安価に生産されることが好まし
いことから、イソフタル酸が好適に使用される。イソフ
タル酸を共重合する場合、その共重合量は5〜15モル
%であることが好ましい。イソフタル酸成分が5モル%
未満の場合には、熱ラミネートが低下するので好ましく
ない。イソフタル酸成分が15モル%を超える場合に
は、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐
熱性に問題が生じる上に、熱ラミネート時にフィルムが
溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりす
るため、操業上好ましくない。また、ポリエステルB2
には、特性を損なわない範囲で、他の共重合成分を併用
してもよい。
【0022】本発明において、ポリエステルB2の融点
は180〜240℃であることが必要であり、好ましく
は200〜235℃、より好ましくは210〜230℃
である。ポリエステルB2の融点が180℃未満の場
合、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐
熱性に問題が生じたり、熱ラミネート時にフィルムが溶
融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたりする
ことがあるため、操業上好ましくない。ポリエステルB
2の融点が240℃を超える場合、熱ラミネートが困難
となり、好ましくない。
【0023】本発明において、ポリエステルB2の固有
粘度は0.55以上であることが好ましい。固有粘度が
0.55未満であると、2ピース缶等の深絞り成形時
に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム等の
軟らかい金属の場合、破体することがある。
【0024】本発明において、ポリエステルB層を構成
する組成物は、ポリエステルB1とB2の質量比が、B
1/B2=80/20〜30/70(質量%)であるこ
とが必要であり、好ましくは70/30〜40/60、
さらに好ましくは65/35〜50/50である。ポリ
エステルB1が80質量%を超えると、2ピース缶等の
深絞り成形時に、フィルムに微小クラックや白化が発生
することがある。ポリエステルB1が30質量%未満で
あると、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時
の耐熱性に問題が生じたり、熱ラミネート時にフィルム
が溶融し、ラミネートロールへフィルムが巻き付いたり
することがあるため、操業上好ましくない。
【0025】本発明において、ポリエステルB層は、ポ
リエステルB1とB2とからなる組成物に酸化チタンを
含有させた樹脂組成物で構成されている。酸化チタンの
含有量は10〜40質量%であることが必要であり、好
ましくは12〜30質量%、より好ましくは15〜25
質量%である。酸化チタンの含有量が10質量%未満で
あるとフィルムの白度及び隠蔽性が不足する。40質量
%を超えると、フィルム製造時の延伸切断が多発した
り、フィルムの端部をカッティング(トリミング)する
工程や、フィルムを所定製品幅にスリットする際のトリ
ミングする工程で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性
が低下し、さらには、得られるフィルムの強度が低下し
たり、熱ラミネート性が悪化する場合もあり、好ましく
ない。
【0026】本発明において用いられる酸化チタンは、
ルチル型、アナターゼ型、もしくは、ブルカイト型のも
のが用いられ、単独で用いてもよいし、混合使用しても
よい。酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.5μm、
好ましくは0.2〜0.4μmのものであることが望ま
しい。平均粒径が0.5μmより大きいと、酸化チタン
の単位質量あたりの表面積が少なくなり、フィルムの隠
蔽性や白度が不足する場合がある。また、ポリエステル
への分散性も悪くなり、生産安定性が損なわれるのは元
より、得られるフィルムの表面に凹凸ができて光沢度が
低くなったり、印刷適性に劣ったりする。平均粒径が
0.1μm未満の場合は、平均粒径が可視光線の波長よ
りも小さくなって、可視光線がフィルムを透過するおそ
れがあり、フィルムの隠蔽性や白度は不足する場合があ
る。
【0027】本発明において用いられる酸化チタンとし
ては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、チタニ
ア、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛等の無機処理、
あるいは、ペンタトリエリット等のポリオール系有機処
理、アルキルクロロシラン系等のシリコーン系有機処理
等を単独で表面処理、あるいはそれらを複合して表面処
理を施したものが好ましい。
【0028】本発明においては、酸化チタンとともに、
他の白色顔料、例えば、アルミナ、シリカ、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム等を用いることができる。
【0029】ポリエステルB層を構成する樹脂組成物に
酸化チタンを含有させる方法としては、ポリエステル重
合時にスラリーあるいは粉体の形態で添加する方法、溶
融押出し、シート化する際にポリエステルペレットとと
もにスラリーあるいは粉体の形態で溶融混合する方法、
ポリエステルペレットと酸化チタンを溶融混合した高濃
度の酸化チタンを含有するマスターバッチを作製し、溶
融押出し、シート化する際にマスターバッチをポリエス
テルペレットとともに溶融押出する方法等が挙げられ
る。
【0030】本発明の積層ポリエステルフィルムを形成
するポリエステルは、常法によって重合することがで
き、例えば、エステル交換法、直接重合法等で重合する
ことができる。例えばポリエチレンテレフタレートは、
次のようにして製造することができる。まず、ビス(β
−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/又はその低
重合体の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチ
レングリコールのスラリーを連続的に供給し、250℃
程度の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が
95%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合
缶に移送し、必要に応じイソフタル酸又はそのエチレン
グリコールエステルとジエチレングリコールを添加し、
三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、テトラブチル
チタネート等の触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧
下で、280℃程度の温度で重縮合反応を行う。このよ
うにして得られるポリエステルは、オリゴマーやアセト
アルデヒドを比較的多量に含有しているので、これらの
量を減少させるため、減圧もしくは不活性ガス流通下、
温度200〜240℃(ポリエステルの融点を超えない
温度)で固相重合し、さらに必要に応じて水蒸気又は熱
水で処理した後、製膜工程に供することが好ましい。
【0031】また、ポリブチレンテレフタレートを製造
する場合、まず、ジメチルテレフタレートと1,4−ブ
タンジオールをエステル交換槽に仕込み、230℃程度
の温度で5時間程度反応させ、エステル交換反応率が9
5%付近のエステル交換物を得る。これを重合缶に移送
し、テトラブチルチタネートなどの触媒の存在下、1.
3hPa以下の減圧下に250℃程度の温度で所望の粘
度まで溶融重合し、ポリマーを得る。ポリエチレンテレ
フタレートの場合と同様に、ポリブチレンテレフタレー
トにおいてもオリゴマーの量を減少させることが好まし
く、得られたポリエステルを減圧下もしくは不活性雰囲
気下、140℃程度以下の温度で熱処理して製膜工程に
供する。これをより効果的に実施するには、減圧下、も
しくは不活性雰囲気下、160〜200℃の温度で熱処
理(固相重合)するのがより効果的である。
【0032】ポリエステルの重合法においては必要に応
じ添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤等を添加することができる。酸化防止剤
としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒン
ダードアミン系化合物等を、熱安定剤としては、例えば
リン系化合物を、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾ
フェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系の化合物等を
挙げることができる。また、異なるポリエステル間の反
応抑制剤として、従来知られているリン系化合物を重合
前、重合中、重合後に添加することが好ましい。特に、
固相重合する場合、固相重合前の溶融重合終了時に添加
することがさらに好ましい。
【0033】本発明の積層ポリエステルフィルムは、各
層を構成する2種のポリエステル樹脂組成物を220〜
280℃で溶融し、フィードブロック法により重ね合わ
せてダイスより押出す方法、マルチマニホールドダイス
中で重ね合わせて押出す方法、及び前記方法を組み合わ
せた方法等を用いてシート状に押出し、室温以下に温度
調節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、得られた未
延伸シートをテンターで縦及び横方向に二軸延伸する方
法によって製造することができる。二軸延伸方法として
は、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等のテンター式二
軸延伸方法、及びインフレーション法を用いることがで
きる。同時二軸延伸方法は、延伸時の応力が低いため、
切断発生の頻度が少なく、また、延伸時にポリエステル
と酸化チタンの界面から発生するボイドが少ないので、
好適に用いられる。
【0034】この際、得られるフィルムが上記の特性を
満足するように、製膜条件を選定することが必要であ
り、必要に応じて縦方向に1〜1.2倍程度の予備延伸
をし、テンターにより、縦及び横の延伸倍率がそれぞれ
2〜4倍程度となるように二軸延伸した後、横方向の弛
緩率を数%として、80〜220℃で数秒間熱処理を施
し、室温まで徐冷する。テンターでの延伸温度は、同時
二軸延伸の場合、70〜100℃の範囲が好ましい。延
伸温度が70℃未満の場合、未延伸フィルムの厚みの薄
い部分から集中して延伸される不均一な延伸状態(いわ
ゆるネッキング)となり、さらには、延伸時の応力が過
剰なため、フィルム中に多量のボイドが発生し、延伸切
断頻度が高くなり好ましくない。延伸温度が100℃を
超えると、ポリブチレンテレフタレートが高結晶性であ
るため、同様にフィルムにネッキングが発生し、好まし
くない。
【0035】延伸後の熱処理は、フィルムの熱収縮率を
小さくするために必要な工程であり、熱処理は、熱風を
吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を
照射する方法等公知の方法を行うことができるが、均一
に精度良く加熱できることから熱風を吹き付ける方法が
最適である。
【0036】本発明の積層ポリエステルフィルムの厚み
は、特に限定されないが、金属缶体として使用する際の
絞りしごき加工での成型性を確保するためには、9〜3
0μmとするのが適当であり、好ましくは10〜20μ
mである。フィルムの厚みが9μm未満の場合、得られ
るフィルムの白度が劣り、30μmを超えるフィルムを
生産する場合、延伸されたフィルムの端部をカッティン
グ(トリミング)する工程や、フィルムを所定製品幅に
スリットする際のトリミングする工程で、カッター刃の
摩耗が著しく、生産性が悪くなり、好ましくない。
【0037】ポリエステルA層とB層のフィルムの厚み
も、特に限定されないが、A層は2〜25μmが好まし
く、B層は、5〜28μmが好ましい。ポリエステルA
層の厚みが2μm未満の場合、2ピース缶等の深絞り成
形時に、フィルムに破断が発生し、缶体がアルミニウム
等の軟らかい金属の場合、破体することがある。ポリエ
ステルA層の厚みが25μmを超えるとフィルムの隠蔽
性や白度が不足する。また、ポリエステルB層の厚みが
5μm未満の場合には、フィルムの隠蔽性や白度が不足
する。ポリエステルB層の厚みが28μmを超えた場
合、フィルム生産時において、延伸されたフィルムの端
部をカッティング(トリミング)する工程や、フィルム
を所定製品幅にスリットする際のトリミングする工程
で、カッター刃の摩耗が著しく、生産性が悪くなり、好
ましくない。
【0038】本発明の積層ポリエステルフィルムには、
フィルム製造時や製缶時の工程通過性をさらに良くする
ため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤を、必
要量添加して製膜し、フィルム表面にスリップ性を付与
することが望ましい。さらに、フィルムの印刷加工性を
向上させるため、例えば、帯電防止剤等を含有させるこ
ともできる。さらには、フィルムの色調調整のため、蛍
光増白剤等を含有させることもできる。
【0039】また、本発明の積層ポリエステルフィルム
には、金属とのラミネート性をより向上させたり、強度
をさらに高めたりするために、フィルム製造中にインラ
インコーティング、もしくはフィルム製造後のポストコ
ーティングにより、接着層等任意のコーティング層を形
成させてもよい。接着層は、特に限定されないが、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂やこれ
らの各種変性樹脂からなる熱硬化性樹脂層であることが
好ましい。
【0040】本発明の積層ポリエステルフィルムを熱ラ
ミネートする金属板としては、ブリキ、ティンフリース
チール、アルミニウム等が挙げられ、必要に応じて、リ
ン酸塩、クロム酸、電解クロム酸等の化成処理、錫、亜
鉛、ニッケル等の金属メッキが施されているものでもよ
い。
【0041】本発明の積層ポリエステルフィルムを金属
板に熱ラミネートした際、フィルムと金属板の接着力
は、3.0N以上であることが好ましい。フィルムと金
属板の接着力が3.0N未満の場合には、缶を成型する
工程においてフィルムが剥離したり、缶の性能が低下す
ることがある。
【0042】本発明の積層ポリエステルフィルムを金属
板に熱ラミネートする方法としては、たとえば、高温に
加熱した金属ロールと耐熱性のゴムロール(例えばシリ
コンゴムロール)の間を、フィルムと金属板を重ね合わ
せて通過させ、加熱加圧圧着する方法を用いることがで
きる。金属ロールの温度としては、通常、ポリエステル
の(融点−50)℃以上、融点以下の温度が適切であ
る。
【0043】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、本発明におけるフィルムの特性値の測定方
法は、次の通りである。
【0044】固有粘度(IV) フェノール/四塩化エタン等質量混合物に溶解後、遠心
分離機により酸化チタン等の無機物を除去後、温度20
℃、濃度0.5g/dlで測定した溶液粘度から求め
た。ちなみに、A層の固有粘度とは、A層のポリエステ
ルを単独で押出して得られたフィルムの値である。
【0045】熱ラミネート性 試料フィルムのB層側がアルミ板に接するように、試料
フィルムとアルミ板を重ね合わせ、220℃に加熱した
金属ロールと160℃に加熱したシリコンゴムロールの
間に、金属ロール/A層/B層/アルミ板/シリコンゴ
ムロールとなるように、試料フィルムとアルミ板を配置
した。そして、速度20m/min、線圧4.9×10
4N/mで加熱圧着し、2秒後に氷水中に浸漬し、フィ
ルムラミネート板を得た。得られたフィルムラミネート
板から、幅18mmの短冊状の試験片(端部はラミネー
トせず、ラミネートされた部分がMDに80mm以上確
保されるようにする)をTDに11枚切り出した。次
に、この試験片のフィルム面に、PET粘着テープ(日
東電工社製#31B)を貼り付け、島津製作所社製オー
トグラフで、10mm/minの速度で180°剥離試
験を行い、剥離強力を測定することにより、次の基準に
したがって接着性を評価した。 ○:10枚以上の試験片の剥離強力が3.0N以上であ
るか、3.0N以上でフィルムが破断。 ×:剥離強力が3.0未満の試験片が10枚以上。 ××:熱ラミネート時に金属ロールにフィルムが融着。
【0046】融解ピーク 示差走査熱分析計(パーキンエルマー社製DSC−7)
を用いて、試料3〜12mgを昇温速度20℃/min
で50℃から280℃まで昇温して得られるピーク温度
を測定した。なお、ポリエステルA層の融解ピークの測
定においては、フィルムラミネート板のフィルム面を深
さ2.5μm程度までを剃刀で削り取り、試料を採取し
た。
【0047】白度 フィルムを日本電色工業社製SZ−Σ80COLOR
MEASURINGSYSTEMを用いて、反射法によ
り測定し、得られた値L*を白度とした。白度において
は、82以上の数値が好ましい。
【0048】成型性 280℃に加熱したオーブン中にフィルムラミネート板
を60秒間熱処理を施した後、円形状に切り取り、絞り
ダイスとポンチを用いて深絞り成形し、500ml相当
の2ピース缶を製缶した。1000缶以上の2ピース缶
の製缶工程で、製缶された缶の外観検査を行い、成型性
の評価とした。 ◎:フィルムに異常がなく加工され、フィルムに剥離、
微小クラックや破断、白化が認められない個数が全体の
98%以上。 ○:フィルムに異常がなく加工され、フィルムに剥離、
微小クラックや破断、白化が認められない個数が全体の
95%以上。 ×*1:フィルムに破断が発生するか、缶体が破体する個
数が全体の5%以上。 ×*2:フィルムに微小クラックや白化が発生する個数が
全体の5%以上。
【0049】耐摩耗性 2ピース缶の製缶工程で、深絞り成形に使用する絞りダ
イスやその他治具に摩耗が僅かでも認められれば×とし
た。
【0050】実施例1 ポリエステルA1として固有粘度1.00のポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)と、ポリエステルA2とし
て固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート(P
ET)とを質量比60/40で配合し、酸化チタンを添
加せずに、押出機Aを使用して押出温度275℃でポリ
エステルA層用の溶融樹脂組成物を押出した。ポリエス
テルB1として固有粘度1.00のPBTと、ポリエス
テルB2として融点228℃のイソフタル酸12モル%
共重合PET(IPA12−PET)とを質量比60/
40で配合し、ポリエステル成分に対し、平均粒径0.
26μmのルチル型酸化チタンを15質量%添加し、押
出機Bを使用して押出温度260℃でポリエステルB層
用の溶融樹脂組成物を押出した。溶融したポリエステル
A層用とB層用の樹脂組成物をTダイから共押出しし、
表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて、冷却し、A
層厚さ25μmとB層厚さ135μmとからなる積層未
延伸シートを得た。得られた未延伸シートをテンター式
同時二軸延伸機で縦方向3.2倍、横方向3.2倍に二
軸延伸した後、横方向の弛緩率を5%として、温度15
5℃で4秒間の熱処理を施した後、冷却して捲き取り、
厚さ16μmの白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた積層ポリエステルフィルムの熱ラミネート性
(熱ラミ性)、白度、成型性、耐摩耗性を表2に示し
た。なお、ポリエステルA層は、示差走査熱分析によ
り、二箇所に融解ピークを有し、低温側の一方(Tm
1)が215℃で、高温側(Tm2)が247℃であっ
た。また、A層の固有粘度は、0.80であった。
【0051】実施例2〜19、比較例1〜10 表1、2に示した条件に変更した以外は実施例1と同様
にして、積層ポリエステルフィルムを得た。なお、用い
たポリエステルIPA5−PBTはイソフタル酸5モル
%共重合PBTを、IPA3−PET、IPA5−PE
T、IPA8−PET、IPA16−PET、IPA3
0−PETはそれぞれ、イソフタル酸3モル%、5モル
%、8モル%、16モル%、30モル%共重合PET
を、またSEA14−PETはセバシン酸14モル%共
重合PETを表し、またPBT、PETとともにその固
有粘度、融点を表1に示した。得られた積層ポリエステ
ルフィルムの熱ラミネート性(熱ラミ性)、白度、成型
性、耐摩耗性を表2に示した。比較例4と比較例8にお
いては、熱ラミネート時にフィルムがラミネートロール
に巻き付きが生じ、成型性と耐摩耗性の評価ができなか
った。比較例6においては、フィルムは一部得られるも
のの、すぐに延伸切断が発生したり、トリミング時にカ
ッター刃の摩耗が著しく、フィルムを巻き取ることが困
難であったため、熱ラミ性、成型性、耐摩耗性の評価が
できなかった。比較例9においては、熱ラミ時の剥離強
力不足のため、アルミ板からフィルムが剥がれるため、
成型性と耐摩耗性の評価ができなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、白度、熱ラミネート
性、2ピース缶等を製造する際の絞りしごき加工性に優
れ、また、絞りしごき成型時に絞りダイスやその他の治
具が摩耗することない、金属缶の外面被覆に好適に用い
ることができる金属板ラミネート用白色積層ポリエステ
ルフィルムが提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E061 AA16 AB06 AB07 AB08 AC09 AD06 BA01 4F100 AA21B AB05A AK42A AK42B BA02 BA07 BA16 BA27 GB16 JA04B JA06A JL01 JL10 YY00A YY00B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルA層とポリエステルB層と
    を積層してなる少なくとも2層以上の積層フィルムであ
    って、ポリエステルA層が、ポリブチレンテレフタレー
    ト又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA
    1)80〜40質量%と、ポリエチレンテレフタレート
    又はこれを主体とするポリエステル(ポリエステルA
    2)20〜60質量%からなる樹脂組成物で構成され、
    ポリエステルB層が、ポリブチレンテレフタレート又は
    これを主体とするポリエステル(ポリエステルB1)8
    0〜30質量%と、融点が180〜240℃のポリエチ
    レンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル
    (ポリエステルB2)20〜70質量%とからなる組成
    物に、酸化チタンを10〜40質量%含有させた樹脂組
    成物で構成されていることを特徴とする金属板ラミネー
    ト用白色積層ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルB2がイソフタル酸成分を
    5〜15モル%共重合したポリエステルであることを特
    徴とする請求項1記載の金属板ラミネート用白色積層ポ
    リエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルA層が示差走査熱分析で二
    箇所に融解ピークを有し、一方のピークが210〜22
    5℃で、もう一方のピークが243℃以上であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の金属板ラミネート用白
    色積層ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルA層の固有粘度が0.70
    以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の金属板ラミネート用白色積層ポリエステルフィル
    ム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルA層中の酸化チタン含有量
    が0〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の金属板ラミネート用白色積層ポリエス
    テルフィルム。
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JP2014210363A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 Jfeスチール株式会社 ラミネート金属板、ラミネート金属板の製造方法および食品用缶詰容器
CN115353754A (zh) * 2022-09-26 2022-11-18 福建乐钛科技有限公司 涤纶色母粒用钛白粉的制备方法

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