JPH10180969A - 金属ラミネート用白色フィルム及びその製造方法 - Google Patents

金属ラミネート用白色フィルム及びその製造方法

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JPH10180969A
JPH10180969A JP9281577A JP28157797A JPH10180969A JP H10180969 A JPH10180969 A JP H10180969A JP 9281577 A JP9281577 A JP 9281577A JP 28157797 A JP28157797 A JP 28157797A JP H10180969 A JPH10180969 A JP H10180969A
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film
layer
titanium oxide
mol
metal
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JP9281577A
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English (en)
Inventor
Norikazu Matsui
規和 松井
Tetsuo Matsumoto
哲夫 松本
Tomohiro Hamada
知宏 濱田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱ラミネート性と強度を有し、隠蔽
性、白度に優れた金属ラミネート用白色ポリエステルフ
ィルム及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位100〜7
5モル%とエチレンイソフタレート単位0〜25モル%
とからなるポリエステルに酸化チタンが20〜60重量
%配合された組成物からなるB層と、エチレンテレフタ
レート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレート
単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレー
ト単位1〜5モル%からなるポリエステルに酸化チタン
が20重量%以下配合された組成物からなるS層とが、
S/B/Sの構成で積層された二軸延伸フィルムであっ
て、フィルム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%
であることを特徴とする金属ラミネート用白色ポリエス
テルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱ラミネー
ト性、成形性及び引張強度を有し、隠蔽性、白度に優
れ、金属缶成形時に治具へ摩耗の発生が少なく、印刷性
に優れ、金属缶の外面被覆に好適に用いられる金属ラミ
ネート用白色フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、飲料用の包装には、スチール缶、
アルミ缶等の金属缶が大量に使用されており、これらの
金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、
缶の表面に熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗
布して用いられてきた。しかし、このような塗料の塗布
は、生産性が悪く、環境汚染等の問題があり、近時、二
軸延伸されたプラスチックフィルムあるいはこれをベー
スとし、ヒートシール可能なフィルムをラミネートした
積層フィルムを用いて金属ラミネートすることが多くな
ってきた。
【0003】プラスチックフィルムで被覆した金属缶
は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を
施したものを含む)にプラスチックフィルムをラミネー
トし、ラミネート金属板を成形加工して製造される。こ
のような用途に用いられるプラスチックフィルムには、
金属板とのラミネート性がよいこと、缶の成形性に
優れていること、つまり、缶の成形時にフィルムの剥
離、亀裂、クラック、ピンホール等の発生がないこと、
缶内容物の風味を損ねることがないこと(缶の内面に
用いられる場合)、レトルト処理をしたときにウォー
タースポットや白粉が発生しないこと(ウォータースポ
ットとは、ラミネート時に溶融して非晶化したフィルム
がレトルト処理時に水滴が付着して結晶化して白色化す
る現象をいい、商品の美観を損なう。また、白粉とは、
オリゴマー等の低分子量物がフィルム表面に析出したも
のをいい、ラミネートフィルムが缶内面に用いられる場
合には、缶内容物の風味を損ね、缶外面に用いられる場
合には、缶の美麗性を損なう。)などの数々の特性が同
時に要求される。
【0004】通常、缶は表面に印刷が施されるが、その
際、下地の金属色を隠蔽する目的で白色塗料が下塗さ
れ、その上に印刷が施されている。近年、製造工程の簡
略化(低エネルギー化、低コスト化)や、環境問題に対
する対策(非溶剤化)から、白色フィルムをラミネート
した隠蔽性に優れた缶体の製造が進められている。
【0005】このような白色フィルムとしては、ポリエ
ステル樹脂に高濃度の酸化チタンを配合したものが用い
られている。しかし、従来の白色フィルムでは白度や隠
蔽性が不充分であり、チタン量をさらに増大させること
が望まれている。しかし、チタン量の増大によって、フ
ィルム表面が硬くなり、また製缶用治具が磨耗するとい
った問題や、削れた金属や酸化チタンがフィルム表面に
付着して、印刷時に印刷ぬけが発生したり、鋼板との熱
ラミネート性が悪くなったりするという問題がクローズ
アップされている。
【0006】このような金属ラミネート用白色フィルム
としては、例えば、缶の成形加工性を改良するために共
重合ポリエステルに酸化チタンを混合したものが特開平
5−170942に開示されている。また、共重合ポリ
エステルに純度95%以上のルチル型酸化チタンを混合
したものが特開平5−339391に開示されている。
また、缶の加工性と耐衝撃性とを向上するために、高濃
度の酸化チタンのマスターチップと粘度分布の広い希釈
ポリマーとを混合したものが特開平6−271686に
開示されている。また耐衝撃性を向上させるために酸化
チタンのマスターチップに高粘度の希釈ポリマーを混合
したものが特開平6−49234に開示されている。ま
た、顔料濃度の異なる2種類の共重合ポリエステルを積
層させた積層ポリエステルフィルムが特開平6−399
80と特開平7−52351に開示されている。上記の
ように、ポリエステル樹脂に酸化チタンを充填した単層
又は複層のフィルムが種々提案されているが、白度の向
上と製缶治具の磨耗の改善とを同時に満足するものでは
なかった。
【0007】さらに近年、缶用フィルムの白度と隠蔽性
とをさらに高め、しかもコストダウンのためにフィルム
の厚みをさらに薄くしたいという要望がある。この要望
に答えるためには、酸化チタンをさらに高充填に配合し
なければならない。しかし、酸化チタンをさらに高充填
に配合すると、(a)フィルムの製造時、特に延伸時に
破断が発生しやすく操業性が損なわれる、(b)金属板
へのラミネート性が悪化する、(c)ラミネートされた
金属板を成形加工する時に、金属等で形成された治具が
損傷を受けやすい、(d)ラミネートフィルム面への印
刷が難しい(欠点が発生しやすい)という問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
板との熱接着性(熱ラミネート性)、缶への成形性、隠
蔽性及び白度に優れ、しかも製缶時に治具に傷が発生す
ることのない、金属缶の被覆に好適な、金属の表面にラ
ミネートされる白色フィルム及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の化
学構造のポリエステルを原料として用い、互いに原料の
異なる中央の層Bと表裏両側の層Sとでフィルムを3層
構造に構成し、しかも酸化チタンの配合量を中央の層B
に偏在化させることによって、上記課題が解決できるこ
と、さらには白度及び隠蔽性がより高いフィルムが得ら
れること、またこのフィルムの生産時の操業性が著しく
改善されることを見いだし、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、次の通りであ
る。 1.エチレンテレフタレート単位100〜75モル%と
エチレンイソフタレート単位0〜25モル%とからなる
ポリエステルに酸化チタンが20〜60重量%配合され
た組成物からなるB層と、エチレンテレフタレート単位
94〜70モル%とエチレンイソフタレート単位5〜2
5モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレート単位1〜
5モル%からなるポリエステルに酸化チタンが20重量
%以下配合された組成物からなるS層とが、S/B/S
の構成で積層された二軸延伸フィルムであって、フィル
ム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%であること
を特徴とする金属ラミネート用白色ポリエステルフィル
ム。 2.B層及びS層を構成するポリエステルの極限粘度が
0.5以上の原料樹脂を用いて溶融共押出して得られた
未延伸シートを縦方向及び横方向に同時二軸延伸するこ
とを特徴とする、上記1記載の金属ラミネート用白色ポ
リエステルフィルムの製造方法。
【0011】
【発明の実施形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明の白色ポリエステルフィルムは、酸化チタン
濃度の高い中間層(B層)と、その両側に酸化チタン濃
度の低い層(S層)とからなり、S層はエチレンテレフ
タレート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレー
ト単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレ
ート単位1〜5モル%からなるものであり、B層はエチ
レンテレフタレート単位100〜70モル%とエチレン
イソフタレート単位0〜25モル%とからなるものであ
る。
【0012】S層におけるエチレンイソフタレート単位
の割合は、5〜25モル%、好ましくは8〜15モル%
である。5モル%未満の場合には、フィルムと金属とし
てのたとえば金属板との熱ラミネート性や、ラミネート
された金属板から缶への加工性に劣る。25モル%を超
えると、製缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時
の耐熱性に問題が生じるうえに、材料の結晶性がなくな
って、樹脂ペレットの充分な乾燥が困難となり製膜工程
上のトラブルが生じたり、フィルムが非晶性になり、フ
ィルムの強度や耐熱性が不足したり、フィルムがラミネ
ートされた金属板が製缶工程で熱ロールに巻き付いたり
する。
【0013】また、S層のジエチレンテレ(イソ)フタ
レート単位の割合は1〜5モル%、好ましくは、2〜4
モル%である。ジエチレンテレ(イソ)フタレート単位
を上記の範囲内においてポリエステル構成成分として導
入することにより、エチレンイソフタレート単位による
非晶性付与効果とエチレンテレフタレート単位の結晶性
とのバランスを調整することができ、フィルムと金属と
の熱ラミネート性、缶への加工性、耐熱性及び強度が得
られる。
【0014】また、S層におけるエチレンテレフタレー
ト単位とジエチレンテレ(イソ)フタレート単位との合
計は、6〜25モル%の範囲であることが、強度、耐熱
性及び熱ラミネート性の点で好ましい。6モル%未満の
場合は、ポリエステルフィルムと金属との熱ラミネート
性や、ラミネートされた金属板から缶への加工性に劣
る。25モル%より多いと、結晶性がなくなって、ペレ
ットの充分な乾燥が困難となる。また、フィルムの強度
や耐熱性が不足したり、フィルムが非晶性になって、フ
ィルムがラミネートされた金属板が製缶工程で熱ロール
に巻き付いたりする。
【0015】B層におけるエチレンイソフタレート単位
の割合は0〜25モル%、好ましくは5〜15モル%で
ある。25モル%よりも多いと、材料の結晶性がなくな
り、ペレットの充分な乾燥が困難となる。また、フィル
ムが非晶性になって、フィルムの強度や耐熱性が不足し
たり、フィルムがラミネートされた金属板が製缶工程で
熱ロールに巻き付いたりする。
【0016】また、B層のポリエステルにはジエチレン
テレ(イソ)フタレートを5モル%以下、好ましくは1
〜4モル%共重合することによりフィルムの結晶性のバ
ランスを調整することができる。
【0017】本発明において、使用されるポリエステル
は、単一のポリエステルでもよいし、また2種以上のポ
リエステルを溶融混合したものであってもよい。S層及
びB層のポリエステル原料は、極限粘度が0.5以上、
好ましくは0.6〜1.2である。極限粘度が0.5未
満のポリエステルを用いると、フィルム製造時の操業性
が悪化し、また得られるフィルムの強度が不足する。し
かし、極限粘度があまり大きいと、生産コストが上昇し
好ましくない。
【0018】S層とB層のポリエステルの極限粘度の差
は、0.1以下、好ましくは0.09以下がよい。極限
粘度の差が0.1を超えると、製膜時にフィルムにフロ
ーマークが入る。フローマークとは、粘度の異なる2種
以上の樹脂がフィードブロックやTダイで合流する場合
に発生する一種の樹脂の流動変動、すなわち樹脂の流れ
模様のことをいう。
【0019】本発明で用いられるポリエステルは、結晶
性の場合には融点が200〜240℃、非晶性の場合に
はガラス転移温度が50〜85℃のものが好ましい。こ
れらの範囲を外れると、耐熱性が不足したり、熱ラミネ
ート性が低下したりする。
【0020】S層及びB層を構成するポリエステルは、
上記条件を満足する範囲で任意の組み合わせが可能であ
る。その中で、S層のポリエステルの融点(非晶性の場
合はガラス転移温度)がB層のポリエステルのそれと同
じか、それより低いことが特に好ましい態様である。こ
れにより、フィルムの強度、耐熱性、熱ラミネート性を
良好にバランスさせることが可能となる。
【0021】本発明で用いられるポリエステルは、その
特性を損なわない範囲(通常5モル%以下)で、イソフ
タル酸及びジエチレングリコール以外の、別の成分をさ
らに共重合したものであってもよい。この共重合成分の
具体例としては、フタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサ
コン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン
酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンや乳
酸などのオキシカルボン酸があげられる。また、1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフ
ェノールSのエチレンオキシド付加体等のグリコール等
があげられる。さらに、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトール等の3官能化合物等を少量
用いてもよい。
【0022】本発明のフィルムにおける酸化チタンの含
有量は、全フィルム中の平均濃度として20〜50重量
%、好ましくは25〜45重量%、最適には25〜40
重量%である。この含有量が20重量%未満であると、
フィルムの白度及び隠蔽性が不足する。50重量%を超
えると、本発明のような特定の三層構造を有するフィル
ムであってもフィルムの強度が低下してしまい、ラミネ
ート後のフィルムの成形性が劣る。
【0023】B層の酸化チタンの含有量は、20〜60
重量%、好ましくは25〜55重量%、最適には30〜
50重量%である。この配合量が20重量%未満である
とフィルムの白度、隠蔽性が不足する。60重量%を超
えると、フィルムの強度が低下してしまい、ラミネート
後のフィルムの成形性が劣る。
【0024】S層の酸化チタンの含有量は、20重量%
以下、好ましくは15重量%以下、最適には10重量%
以下である。この配合量が20重量%を超えると、金属
板へのラミネート時、もしくはフィルムがラミネートさ
れた金属板の製缶時に、治具の磨耗が発生して、製造プ
ロセスに多大な悪影響を与えたり、磨耗した金属や酸化
チタンが缶加工時にフィルム表面に付着して印刷性に問
題が発生したりすることがある。
【0025】酸化チタン含有量が20重量%程度の公知
の単層の白色フィルムでは、白度や隠蔽性が不十分であ
る。その対策として、白度や隠蔽性を上げるためにチタ
ン含有量をさらに増大させた場合には、製缶用治具が磨
耗するといった問題があるとともに、削れた金属やチタ
ンがフィルム表面に付着して印刷時に印刷ぬけが発生す
る問題があり、さらに金属板との熱ラミネート性が悪く
なるという問題がある。これに対し本発明のフィルムで
は、外層であるS層の酸化チタンを低濃度とし、内層で
あるB層の酸化チタンを高濃度とすることにより、この
ような種々の問題が解決されたのである。
【0026】本発明によれば、B層に配合された酸化チ
タンの濃度Cb(重量%)と、S層に配合された酸化チ
タンの濃度Cs(重量%)との比Cb/Csを、3以
上、さらに好ましくは5以上とすることにより、上記の
各種の問題をより効果的に解決することができる。
【0027】さらに、S層の厚みをTs(μm)、B層
の厚みをTb(μm)として、これらS層とB層とにお
ける酸化チタン濃度と各層の厚みとの関係が下式 3≦(Cb/Cs)×〔Tb/(Tb+Ts)〕 を満足した場合には、フィルムの機械特性や成形性を保
ちながら、その白度及び隠蔽性をより向上させることが
できる。すなわち、外層であるS層のチタン濃度に対し
て、内層であるB層のチタン濃度を相対的に上げること
により、フィルムの隠蔽性と白度を保ちながら内層フィ
ルムの厚みTbを薄くすることが可能となる。上式の右
辺の値が3未満の場合は、フィルムの白度と隠蔽性とを
向上させるためにはフィルムの全厚みを厚くしなければ
ならず、このために成形性が低下するだけでなく経済性
を失う恐れがある。
【0028】酸化チタンは、必要に応じて公知の任意の
表面処理を施して用いることができる。また、酸化チタ
ンは予め練り込み機等で50〜70重量%のマスターバ
ッチ化してもよいし、フィルム化時にダイレクトに添加
してもよい。
【0029】酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.5
μm 、好ましくは0.2〜0.5μm であるのが良い。
0.5μm よりも大きいと、酸化チタンの単位重量あた
りの全表面積が少なくなり、フィルムの隠蔽性や白度が
不足する場合がある。また得られるフィルムの表面に凹
凸ができて、光沢度が低くなったり印刷適性に劣ったり
する。0.1μm 未満の場合は、平均粒径が可視光線の
波長よりも小さくなって、可視光線がフィルムを通過す
るおそれがあり、フィルムの隠蔽性や白度は不足する場
合がある。
【0030】本発明のフィルムは、次の(1)〜(4)
の特性を満足することが好ましい。 (1)引張強度が10 kgf/mm2以上、さらに好ましくは
13 kgf/mm2以上。 (2)150℃、30分におけるフィルムの縦方向(M
D)及び横方向(TD)の熱収縮率が6.0%以下、さ
らに好ましくは0.5〜5.0%。 (3)光学密度が0.3以上、さらに好ましくは0.4
〜0.7。 (4)白度が81.0以上、さらに好ましくは85.0
以上。
【0031】引張強度が10 kgf/mm2未満であると、実
用上の強度が不十分になる傾向がある。熱収縮率が6%
より大きいと、金属板との接着性が悪くなりやすい。光
学密度が0.3未満であると、隠蔽性が不十分になりや
すい。白度が81.0未満であると、実用上白度不足と
なりやすい。下限を規定した特性値はその値が大きい
程、また上限を規定した特性値はその値が小さい程、望
ましい。しかし、過剰品質とすると、コスト高となるば
かりか、かえってフィルム製造時の操業性が悪化するの
で、上記の範囲程度とするのが好適である。
【0032】B層の厚みは5〜20μm 、好ましくは、
10〜15μm であり、S層の厚みは各0.5〜5μm
、好ましくは各1〜3μm であり、全厚みは6〜30
μm であることが好ましい。B層の厚みが5μm 未満の
場合、フィルムの白度と隠蔽性が不足しやすく、また2
0μm を超えると、過剰品質となってコストパフォーマ
ンスを失する恐れがある。また、S層の厚みが0.5μ
m 未満の場合は、製缶時に治具の磨耗を生じたり、印刷
性が低下する場合がある。一方、5μm を超えると、フ
ィルムの機械特性は向上するが、フィルム厚みの割に白
度や隠蔽性は高くなく、また缶の成形時にS層とB層間
の界面で剥離現象が起こり易くなる。フィルムの全厚み
は、絞り、シゴキ加工での成形性を確保するためには、
9〜25μm であるのがさらに好ましく、12〜17μ
m であるのがいっそう好ましい。
【0033】本発明のフィルムの、150℃、30分に
おける熱収縮率は、 TD≦6%、|MD−TD|≧3% であることがさらに好ましく、また TD≦5%、|MD−TD|≧3.5% であることが、鋼板への熱ラミネート時にシワが生じる
ことを防止できるのでより一層好ましい。
【0034】本発明のフィルムを形成するためのポリエ
ステルは、常法によって製造することができる。例えば
イソフタル酸成分とジエチレングリコールとが共重合さ
れたポリエチレンテレフタレート系共重合体は、次のよ
うにして製造することができる。まず、ビス(β−ヒド
ロキシエチル)テレフタレート及び/又はその低重合体
の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチレング
リコールとのスラリーを連続的に供給し、250℃程度
の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が95
%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合缶に
移送し、必要量のイソフタル酸又はそのエチレングリコ
ールエステルとジエチレングリコールとを添加する。そ
して、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の触媒
の存在下、1.3hPa以下の減圧下で280℃程度の
温度で重縮合反応を行う。
【0035】本発明のフィルムは、次の方法によって製
造できる。すなわち、各層を構成する2種の樹脂組成物
を別々の押出機を用いて溶融したうえでフィードブロッ
ク法により重ね合わせてダイスより押し出す方法や、溶
融した2種の樹脂組成物をマルチマニホールドダイス中
で重ね合わせて押し出す方法や、前記両方法を組み合わ
せた方法等を用いて、未延伸シートが製造される。次
に、この未延伸シートを、テンター式二軸延伸法あるい
はインフレーション法を用いて縦方向および横方向に延
伸することにより、本発明のフィルムが得られる。ある
いは、各層を構成する2種の延伸フィルムを貼り合わせ
る方法を用いることもできる。
【0036】テンター式二軸延伸法を用いる場合には、
たとえば、S層及びB層を構成する酸化チタンが配合さ
れた2種のポリエステル組成物を溶融押出機に供給し、
220〜280℃の温度でシート状に押し出し、この押
し出されたシートを室温以下に温度調節した冷却ドラム
上に密着させて冷却し、得られた未延伸シートを必要に
応じてMDに1〜1.2倍程度の予備延伸し、その後に
テンターにより50〜150℃の温度でMD及びTDに
それぞれ2〜4倍程度の延伸倍率となるように二軸延伸
し、さらに、TDの弛緩率を数%として、80〜220
℃で数秒間熱処理を施すことによって、本発明のフィル
ムを製造することができる。
【0037】テンターによる二軸延伸方法としては、同
時二軸延伸法や逐次二軸延伸法がある。酸化チタンが高
充填されている場合には、延伸時にフィルムが破断しや
すくなるが、同時二軸延伸法を用いることにより、この
破断の発生を著しく低減することができるので、同時二
軸延伸法がより好適である。
【0038】延伸後の熱処理は、フィルムの熱収縮率を
小さくするために必要な工程である。この熱処理の方法
としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方
法、マイクロ波を照射する方法等の公知の方法がある。
このうち、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹
き付ける方法が最適である。
【0039】フィルム製造時や製缶時の工程通過性をよ
くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤
を少量添加して製膜してフィルム表面にスリップ性を付
与することが望ましい。さらに、フィルム外観や印刷性
を向上させるため、たとえば、フィルムにシリコーン化
合物等を含有させることもできる。また、金属とのラミ
ネート性を向上させたり、強度をさらに高めるために、
フィルム製造中のインラインコーティングもしくはフィ
ルム製造後のポストコーティングにより、接着層等の任
意のコーティング層を形成させてもよい。
【0040】本発明のフィルムをラミネートする金属板
が鋼板の場合は、クロム酸処理、リン酸処理、電解クロ
ム酸処理、クロメート処理等の化成処理や、ニッケル、
スズ、亜鉛、アルミ、砲金、真鍮、その他の各種メッキ
処理などを施した鋼板を好ましく用いることができる。
【0041】次に実施例によって本発明を具体的に説明
する。以下の実施例及び比較例におけるフィルムの特性
値の測定法は、次の通りであった。
【0042】A.極限粘度 フェノール/四塩化エタンの等重量混合溶媒を用いて、
温度20℃で測定した溶液粘度から求めた。 B.引張強度 ASTM D882に規定される測定方法に準じて、幅
10mm、長さ10cmの試料(n=5枚)で測定した。な
お、データはMDとTDの平均値で示した。 C.熱収縮率 幅10mm、長さ10cmの試料を、約0.4g の荷重で1
50℃雰囲気下に30分間放置し、放置前後の寸法変化
を測定し、原長に対する放置後の長さの百分率で求め
た。なおデータは、MD方向3枚とTD方向3枚の各平
均値と、MD及びTDの平均値とで示した。 D.光学密度 Macbeth社製透過濃度計TD 932を使用し、
透過ノズル径を3mmとし、入射光量I0 と透過光量Iを
求め、透過濃度Dを次式で算出し、これを光学密度とし
た。 D=−log(I0 /I) E.白度 JIS L 1015 7.11 白色度のC法(ハン
ターの方法)により測定した。
【0043】F.接着力(熱ラミネート性) 240℃に加熱した金属ロールと、シリコンゴムロール
との間に、試料フィルムと厚みが0.21mmのティンフ
リースチール板とを重ね合わせて供給し、速度20m/mi
n 、線圧50kgf/cmで加熱接着した。これを水冷した
後、島津製作所社製オートグラフを用い、25mm幅の試
験片で剥離速度10mm/minの条件で180°剥離テスト
を行い、剥離強力を測定した。剥離強力あるいはフィル
ムの破断強力が300gf以上の場合を合格(○印で表
示)、剥離強力あるいはフィルムの破断強力が300gf
未満の場合を不合格(×印で表示)とした。 G.フィルム厚み 延伸フィルムから、ミクロトームを用いて薄切片を採取
し、電子顕微鏡を使用してこの薄切片の各層の厚みを測
定した。
【0044】H.製缶用治具の摩耗性 製缶時の傷の発生状況によって評価した。フィルムをテ
ィンフリースチールと貼り合わせた後、フィルム側を缶
胴外面として、350ミリリットル相当の2ピース缶の
深絞り成形を行った。この操作を100缶分実施し、そ
の際に深絞り成形に使用する治具に発生する傷の有無を
観察し、傷が認められない場合を良(○印で表示)、傷
が微かでも認められれば不良(×印で表示)とした。 I.ポリエステルの組成 バリアン社製の分析装置を用いて、300MHzの条件
1H−NMR分析を行うことにより求めた。エチレン
テレフタレート単位の含有率は全酸成分に占めるテレフ
タル酸の割合で、エチレンイソフタレート単位の含有率
は全酸成分に占めるイソフタル酸の割合で、またジエチ
レンテレ(イソ)フタレート単位の含有率は全グリコー
ル成分に占めるジエチレングリコールの割合で、それぞ
れ算出した。
【0045】実施例1〜14、比較例1〜7 表1及び表2に示されたS層を構成するポリエステル樹
脂組成物を、第1の押出機より温度280℃で溶融押出
した。同様に、B層を構成するポリエステル樹脂組成物
を、第2の押出機より温度280℃で溶融押出した。溶
融した2種の樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね
合わせて、表1及び表2に示された厚さ構成のS/B/
Sの3層構造とし、この3層構造体をTダイからシート
状に押し出し、表面温度18℃の冷却ドラムに密着させ
て冷却し、厚さ70〜300μm の未延伸シートを得
た。得られた未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機
に供給し、温度を90℃、延伸倍率をMD3.0、TD
3.3として、同時二軸延伸した。その後、TDの弛緩
率を5%として、温度155℃で4秒間の熱処理を施し
た。そして冷却して巻き取り、厚さ7〜30μm の白色
複層フィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1
及び表2に示す。表1及び表2において、”IPA”は
イソフタル酸を表わし、”DEG”はジエチレングリコ
ールを表わす。また、表中の記号Aは下記式の値を示
す。 3≦(Cb /Cs )×〔Tb /(Tb +Ts )〕
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1、表2から明らかなように、実施例1
〜14は、いずれも、白度及び隠蔽性に優れ、鋼板への
熱ラミネート性に優れ、また製缶時における治具の傷の
発生も見られなかった。これに対し、比較例1は、S層
のエチレンイソフタレート単位の含有率が4モル%と過
小であったため、熱ラミネート性に劣った。比較例2
は、S層のエチレンイソフタレート単位の含有率が27
モル%と過大であったため、フィルム強度が低いうえに
熱ラミネート性が劣った。比較例3は、B層におけるエ
チレンイソフタレート単位の含有率が27モル%と過大
であったため、フィルム強度が低いうえに熱ラミネート
性に劣った。比較例4は、S層のジエチレンテレ(イ
ソ)フタレート単位の含有率が7.5モル%と過大であ
ったため、フィルム強度が低いうえに熱ラミネート性に
劣った。比較例5は、B層における酸化チタンの含有率
が65重量%と過大であったため、フィルム強度が低か
った。比較例6は、B層における酸化チタンの含有率が
16重量%と過小であり、またフィルム全体の中の酸化
チタンの含有率も15重量%と過小であったため、フィ
ルムの白度が不十分であった。比較例7は、S層におけ
る酸化チタンの含有率が25重量%と過大であったた
め、製缶時に治具に傷の発生が見られた。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、優れた熱ラミネート性
(熱接着性)、成形性及び強度を有し、隠蔽性、白度に
優れた金属缶の被覆に好適に用いられる安価な金属ラミ
ネート用白色複層ポリエステルフィルム及びその製造方
法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/02 C08L 67/02 // B32B 15/08 104 B32B 15/08 104A B29K 67:00 B29L 7:00 9:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位100〜7
    5モル%とエチレンイソフタレート単位0〜25モル%
    とからなるポリエステルに酸化チタンが20〜60重量
    %配合された組成物からなるB層と、エチレンテレフタ
    レート単位94〜70モル%とエチレンイソフタレート
    単位5〜25モル%とジエチレンテレ(イソ)フタレー
    ト単位1〜5モル%からなるポリエステルに酸化チタン
    が20重量%以下配合された組成物からなるS層とが、
    S/B/Sの構成で積層された二軸延伸フィルムであっ
    て、フィルム中の酸化チタン含有量が20〜50重量%
    であることを特徴とする金属ラミネート用白色ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】 B層の酸化チタン濃度Cb 重量%と、S
    層の酸化チタン濃度Cs 重量%との比が下記式を満足し
    てなることを特徴とする請求項1記載の金属ラミネート
    用白色ポリエステルフィルム。 3≦Cb /Cs
  3. 【請求項3】 B層の酸化チタン濃度Cb 重量%と、S
    層の酸化チタン濃度Cs 重量%との比が下記式を満足し
    てなることを特徴とする請求項1記載の金属ラミネート
    用白色ポリエステルフィルム。 5≦Cb /Cs
  4. 【請求項4】 厚みTb μm のB層に配合された酸化チ
    タンCb 重量%と、厚みTs μm のS層に配合された酸
    化チタンCs 重量%との比が下記式を満足してなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属ラミ
    ネート用白色ポリエステルフィルム。 3≦(Cb /Cs )×〔Tb /(Tb +Ts )〕
  5. 【請求項5】 次の(1)〜(4)の特性を有すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属ラミ
    ネート用白色ポリエステルフィルム。 (1)引張強度10 kgf/mm2以上 (2)150℃における熱収縮率6.0%以下 (3)光学密度0.3以上 (4)白度81.0以上
  6. 【請求項6】 B層の厚みが5〜20μm 、S層の厚み
    が1〜5μm であり、全厚みが6〜30μm であること
    を特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の金属ラ
    ミネート用白色ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 150℃における、フィルムの横方向
    (TD)と縦方向(MD)の熱収縮率が下記式を満足す
    ることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の
    金属ラミネート用白色フィルム。 TD≦6%、|MD−TD|≧3%
  8. 【請求項8】 B層及びS層を構成するポリエステルの
    極限粘度が0.5以上の原料樹脂を用いて溶融共押出し
    て得られた未延伸シートを縦方向及び横方向に同時二軸
    延伸することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに
    記載の金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムの製
    造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015214046A (ja) * 2014-05-08 2015-12-03 帝人デュポンフィルム株式会社 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2017105173A (ja) * 2015-11-26 2017-06-15 帝人フィルムソリューション株式会社 金属板貼合せ成形加工用着色二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2019119048A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 ユニチカ株式会社 白色ポリエステルフィルム
JP2022104928A (ja) * 2016-03-18 2022-07-12 東洋紡株式会社 ポリエステル系シーラントフィルム

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