JP2003238181A - 光ファイバ及び光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバ及び光ファイバの製造方法

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JP2003238181A
JP2003238181A JP2002035605A JP2002035605A JP2003238181A JP 2003238181 A JP2003238181 A JP 2003238181A JP 2002035605 A JP2002035605 A JP 2002035605A JP 2002035605 A JP2002035605 A JP 2002035605A JP 2003238181 A JP2003238181 A JP 2003238181A
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Fumiaki Sato
佐藤  文昭
Hideyuki Ijiri
英幸 井尻
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/01205Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments
    • C03B37/01211Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments by inserting one or more rods or tubes into a tube

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア−クラッド間での屈折率差が高く、か
つ、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることのできる
光ファイバ用コアロッド、光ファイバ用母材およびこれ
らの製造方法、並びに、光伝送特性に優れた光ファイバ
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバ用コアロッド10は、ドーパン
トの含有量が“純石英に対する比屈折率差が0.5%以
上となる量”であるコア11の外周面上に、Clの含有量
が2重量%以下のSiO2層12が設けられ、SiO2層12
の厚みがコア11の外径に対して1%以上、15%以下と
されている。光ファイバ用母材14は、光ファイバ用コア
ロッド10をクラッド用パイプ13に挿入してコラプスする
ことにより得られる。光ファイバは、光ファイバ用母材
14を線引することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ用コア
ロッド、光ファイバ用母材、光ファイバ、光ファイバ用
コアロッドの製造方法、光ファイバ用母材の製造方法、
及び、光ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信技術の進歩に伴い、光ファ
イバの利用が高まってきている。特にシングルモード用
光ファイバの実用化に伴い大量の光ファイバが利用され
るようになってきたが、量産化、低コスト化を目指して
種々の方法が提案されている。
【0003】通常はプリフォームと呼ばれる成形体を高
速で線引きすることによって所望の口径の光ファイバを
得るという方法がとられている。従って、光ファイバの
形状は、プリフォームの形状および品質をそのまま引き
継いでしまうため、プリフォームとしてのガラス管の形
成に際しては、極めて高精度の形状および品質制御が求
められている。
【0004】そこで、クラッド層と、コアロッドとを別
に形成し、クラッド層を構成するクラッド用パイプの内
に、コアロッドを挿通して加熱し、溶着一体化する(以
下、コラプスともいう)、いわゆるロッドインチューブ
法が提案されており(具体例としては、下記公報を参
照)、光ファイバの高品質化および低コスト化において
一定の成果があるとされている。
【0005】特表2000−510093には、コアロ
ッドをガラス管(クラッド用パイプ)の中に、コアロッ
ドとガラス管とが同軸となるように挿入した後、炉によ
ってガラス管を予熱し、ガラス管が軟化点に至るまでバ
ーナーを用いて加熱することによってコラプスをする技
術が記載されている。特開平8−119656号公報に
は、コア材とコア材との隙間、コア材と石英管(クラッ
ド用パイプ)との隙間を、SiO2を主原料とする物
質、あるいは、屈折率が石英と同程度の物質を充塞させ
た後にコラプスすることによって、マルチコアファイバ
用母材を製造する技術が記載されている。特公平8−5
685号公報には、F−SiO2ガラスからなるクラッ
ド用パイプの内壁に、内付け法により厚さ5〜500μ
mの純SiO2ガラスからなるコアロッドを挿入して、
コラプスする分散シフト光ファイバ用母材を製造する技
術が記載されている。
【0006】しかしながら、分散補償光ファイバや分散
シフト光ファイバなどとしての使用を目的に、コア−ク
ラッド間で高屈折率差を有する光ファイバを得るべく、
ドーパントとしてGeO2が添加されたコアロッドを、
例えば前記した公報に記載のロッドインチューブ法に基
づいて、ガラス管(クラッド用パイプ)にコラプスする
場合においては、コアロッドの軟化温度は、ガラス管の
軟化温度と比較して低くなる。よって、コラプスを確実
に行うためにガラス管の熱溶融させた場合、GeO2
高濃度で添加されたコアロッドは、変形するに十分な熱
を受けて、コアの横断面が楕円形状となり、これに起因
して、最終的に得られる光ファイバの伝送損失が増大す
るという問題があった。
【0007】また、コアロッドは、通常、クラッド用パ
イプの内に挿入される前に、表面に存在する異物の除去
を目的として、フッ酸(HF)によりエッチングがなさ
れるが、GeO2が一定濃度以上で添加されたコアロッ
ドに対してエッチングを施すと、コアロッド中にGeO
2が存在することにより、コアロッドの表面におけるエ
ッチングが均一になされず、表面に凹みを有するコアロ
ッドが得られる。このようなコアロッドをクラッド用パ
イプにコラプスすると、コアとクラッド用パイプとの界
面が平滑でない(以下、界面不整ともいう)光ファイバ
用母材が得られやすい。また、コラプス時において、加
熱温度が低い時にはコアロッドの表面の凹みが残るなど
して、一方、加熱温度が高い時にはGeに起因する発泡
が生じるなどして、コアとクラッド用パイプとの界面に
気泡が残留した(以下、界面気泡ともいう)光ファイバ
用母材が得られやすい。そして、このような界面不整お
よび界面気泡は、光ファイバの伝送損失を増大させると
いう問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであって、コアがドーパ
ントを一定量以上含有することによってコア−クラッド
間での屈折率差が高く、かつ、光伝送特性に優れた光フ
ァイバを得ることのできる光ファイバ用コアロッド、光
ファイバ用母材およびこれらの製造方法、並びに、光伝
送特性に優れた光ファイバおよびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明者らは鋭意検討した結果、コアにおける
ドーパントの含有量が特定量以上とされたコアの外周面
上に特定のSiO2層を設けることによって、コア−ク
ラッド間での屈折率差が高く、かつ、光伝送特性に優れ
た光ファイバが得られることを見出し、本発明を完成し
たものである。すなわち、本発明の技術的構成およびそ
の作用効果は以下の通りである。
【0010】請求項1に係る光ファイバ用コアロッド
は、ドーパントの含有量が“純石英に対する比屈折率差
が0.5%以上となる量”であるコアの外周面上に、C
lの含有量が2重量%以下のSiO2層が設けられ、S
iO2層の厚みが前記コアの外径に対して1%以上、1
5%以下となるように構成されたことを特徴としてい
る。このような構成によれば、コアの外周面上に、Cl
の含有量を2重量%以下とすることによって軟化温度を
コアよりも高く設定したSiO2層が、コアの外径に対
して1%以上の厚みで設けられるので、SiO2層の外
周壁をクラッド用パイプの内周壁にコラプスさせるため
に、クラッド用パイプを熱溶融させても、SiO2層の
円筒形状を維持できる。よって、コアが変形するに十分
な熱を受けても、円筒形状のSiO2層がコアの形状を
保持して、コアの横断面が楕円形状となるのを抑制で
き、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることができ
る。
【0011】また、コアのドーパントの含有量が“純石
英に対する比屈折率差が0.5%以上となる量”である
とともに、SiO2層の厚みがコアの外径に対して15
%以下であるので、コア−クラッド間での屈折率差が高
く、分散補償光ファイバ用や分散シフト光ファイバ用に
適した光ファイバを作製できる。以上により、請求項1
によれば、コア−クラッド間での屈折率差が高く、か
つ、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることのできる
光ファイバ用コアロッドとすることができる。
【0012】請求項2に係る光ファイバ用母材は、ドー
パントの含有量が“純石英に対する比屈折率差が0.5
%以上となる量”であるコアと、クラッド用パイプと
が、Clの含有量が2重量%以下のSiO2層を挟さむ
ように構成され、コアの横断面とクラッド用パイプの横
断面とが同心円状であり、SiO2層の厚みがコアの外
径に対して1%以上、15%以下となるように構成され
たことを特徴としている。このような構成の光ファイバ
用母材は、請求項1に係る光ファイバ用コアロッドとク
ラッド用パイプとをコラプスすることにより好適に得ら
れるものであり、Clの含有量が2重量%以下のSiO
2層の厚みがコアの外径に対して1%以上であるので、
前記したように、コアの横断面が円形状から楕円形状と
なるのが抑制されて、コアの横断面とクラッド用パイプ
の横断面とが高い精度で同心円状となっている。これに
より、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることができ
る。
【0013】また、コアのドーパントの含有量が“純石
英に対する比屈折率差が0.5%以上となる量”である
とともに、SiO2層の厚みがコアの外径に対して15
%以下であるので、コア−クラッド間での屈折率差が高
く、分散補償光ファイバ用や分散シフト光ファイバ用に
適した光ファイバを作製できる。以上により、請求項2
によれば、コア−クラッド間での屈折率差が高く、か
つ、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることのできる
光ファイバ用母材とすることができる。
【0014】請求項3に係る光ファイバは、ドーパント
の含有量が“純石英に対する比屈折率差が0.5%以上
となる量”であるコアと、円筒形状のクラッドとが、C
lの含有量が2重量%以下のSiO2層を挟さむように
構成され、コアの横断面とクラッドの横断面とが同心円
状であり、SiO2層の厚みが前記コアの外径に対して
1%以上、15%以下となるように構成されたことを特
徴としている。このような構成の光ファイバによれば、
請求項2に係る光ファイバ用母材を線引きすることによ
り好適に得られるものであり、Clの含有量が2重量%
以下のSiO2層の厚みがコアの外径に対して1%以上
であるので、前記したように、コアの横断面とクラッド
用パイプの横断面とを高い精度で同心円状とすることが
でき、これにより、光伝送特性に優れた光ファイバとす
ることができる。
【0015】また、コアのドーパントの含有量が“純石
英に対する比屈折率差が0.5%以上となる量”である
とともに、SiO2層の厚みがコアの外径に対して15
%以下であるので、コア−クラッド間で屈折率差が高
く、分散補償光ファイバ用や分散シフト光ファイバ用に
適する。以上により、請求項3によれば、コア−クラッ
ド間での屈折率差が高く、かつ、光伝送特性に優れた光
ファイバとすることができる。
【0016】請求項4に係る光ファイバ用コアロッドの
製造方法は、ドーパントの含有量が“純石英に対する比
屈折率差が0.5%以上となる量”であるコアの周面上
に、Clの含有量が2重量%以下のSiO2層を、Si
2層の厚みがコアの外径に対して1%以上、15%以
下となるように積層する積層工程を有することを特徴と
している。このような構成によれば、コアの外周面上
に、Clの含有量を2重量%以下とすることによって軟
化温度をコアよりも高く設定したSiO2層を、コアの
外径に対して1%以上の厚みで積層するので、光ファイ
バ用コアロッドのSiO2層の外周壁をクラッド用パイ
プの内周壁にコラプスさせるために、クラッド用パイプ
を熱溶融させても、SiO2層の円筒形状を維持でき
る。よって、コアが変形するに十分な熱を受けても、円
筒形状のSiO2層がコアの形状を保持して、コアの横
断面が楕円形状となるのを抑制できる。
【0017】また、コアのドーパントの含有量が“純石
英に対する比屈折率差が0.5%以上となる量”である
とともに、SiO2層をコアの外径に対して15%以下
の厚みで積層するので、コア−クラッド間での屈折率差
が高く、分散補償光ファイバ用や分散シフト光ファイバ
用に適した光ファイバを作製できる。以上により、請求
項4によれば、コア−クラッド間での屈折率差が高く、
かつ、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることのでき
る光ファイバ用コアロッドを製造できる。
【0018】請求項5に係る光ファイバ用コアロッドの
製造方法は、積層工程の後に、透明ガラス化し、その
後、SiO2層の表面をフッ酸によりエッチングするエ
ッチング工程を有することを特徴としている。このよう
な構成によれば、前記したSiO2層の存在によって、
フッ酸がコアにまで至らないので、コア内に高濃度で存
在するドーパントとフッ酸との反応に起因する界面不整
や界面気泡を発生させることなく、光ファイバ用コアロ
ッドの表面に存在する異物を除去できる。ここで、エッ
チングされるSiO2層は、Clの含有量が2重量%以
下であるので、SiO2層の外周壁とクラッド用パイプ
の内周壁との界面において、界面不整や界面気泡は、実
質上発生しない。以上により、請求項5によれば、より
確実に、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることので
きる光ファイバ用コアロッドを製造できる。
【0019】請求項6に係る光ファイバ用母材の製造方
法は、本発明に係る光ファイバ用コアロッドの製造方法
を用いて得られる光ファイバ用コアロッドをクラッド用
パイプに挿入してコラプスするコラプス工程を有するこ
とを特徴としている。このような構成によれば、コラプ
ス工程でクラッド用パイプを熱溶融させても、前記した
ように、コアの横断面が楕円形状となるのを抑制できる
ので、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることができ
る。以上により、請求項6によれば、コア−クラッド間
での屈折率差が高く、かつ、光伝送特性に優れた光ファ
イバを得ることのできる光ファイバ用母材を製造でき
る。
【0020】請求項7に係る光ファイバの製造方法は、
本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法を用いて得ら
れる光ファイバ用母材を線引きする線引き工程を有する
ことを特徴としている。このような構成によれば、線引
き工程を経ても、本発明に係る光ファイバ用母材の製造
方法を用いて得られる光ファイバ用母材の前記した品質
が光ファイバに引き継がれるので、コア−クラッド間で
の屈折率差が高く、かつ、光伝送特性に優れた光ファイ
バを製造できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本発明の実施形態に係る光
ファイバ用コアロッド10は、図1の(a)の斜視図およ
び図1の(b)の模式断面図に示すように、コア11の外
周面上にSiO2層12が設けられ、SiO2層12の厚み
(D1)がコアの外径(D2)に対して1%以上、15
%以下となるように構成されている。ここで、コア11
は、SiO2を主要構成成分とし、ドーパントの含有量
が“純石英に対する比屈折率差が0.5%以上となる
量”とされている。ここで、純石英に対する比屈折率差
Δnが0.5%となるドーパント量が8.4重量%であ
る。コア11に含まれるドーパントとしては、GeO2
どを挙げることができ、通常、30.0重量%以下の含
有量で添加される。また、SiO2層12は、SiO2を主
要構成成分とし、Cl(塩素)の含有量が2重量%以下
とされた層である。SiO2層12には、Clが含まれな
いことが好ましいが、2重量%以下であることによっ
て、本発明の効果が得られる。後に詳述するVAD法や
プラズマCVD法に準じたSiO2層の積層法に従え
ば、通常、Clは、0.01重量%以上の含有量で添加
されている。
【0022】光ファイバ用コアロッド10は、コア11の周
面上にSiO2層12を、D1がD2に対して1%以上、
15%以下となるように積層する積層工程を有する光フ
ァイバ用コアロッドの製造方法を使用することによっ
て、好適に得られる。この積層工程は、VAD(Vapor P
hase Axial Deposition)法に準じて行うのが好ましい。
より具体的には、積層工程は、図2に示すように、Si
Cl4等のガラス原料,GeO2等のドーパント原料,水
素等の燃料ガス,酸素等の助燃性ガス,アルゴン等の不
活性ガスなどを供給してコアを形成するコア形成用バー
ナ22と、ガラス原料,燃料ガス,助燃性ガス,不活性ガ
スなどを供給してSiO2層を形成するSiO2層形成用
バーナ23とが、SiO2層形成用バーナ23がコア形成用
バーナ22の上方に位置するように配置された装置を用い
ることによって好適になされる。すなわち、軸回転する
ターゲットロッド21を垂直方向Pに引き上げながら、タ
ーゲットロッド21に対してコア形成用バーナ22からコア
形成用ガスを吹付けてコア11を堆積させ、次いで、堆積
されたコア11に対してSiO2層形成用バーナ23からS
iO2層形成用ガスを吹付けてSiO2層12を積層させ
る。なお、コア形成用ガスは、形成されるコア中のドー
パントの含有量が“純石英に対する比屈折率差が0.5
%以上となる量”となるように、各成分の混合比が設定
される。
【0023】また、本発明に係る光ファイバ用コアロッ
ドの製造方法としては、SiO2層12をプラズマCVD
(Plasma Chemical Vapor Deposition)法によって積層
する積層工程を有する形態なども例示できる。
【0024】以上のようにして得られる、SiO2層12
を有するコア11は、通常、脱水工程に付される。より具
体的には、脱水工程は、コア形成用ガスおよびSiO2
層形成用ガスの供給を停止するとともに、替わってCl
2ガスを供給する工程であり、この脱水工程により、S
iO2層12の表面に存在する吸着水を除去できる。吸着
水が存在したまま光ファイバを製造すると、光ファイバ
内部に水酸基が生成し易く、1.38μmの伝送損失が
増加する傾向となる。特に、VAD法により作製された
SiO2層においては、SiO2層の表面と水との吸着性
が高くないので、Cl2ガスの気流によって、吸着水が
容易に除去される。なお、本発明において、Cl2ガス
を供給する脱水工程は、SiO2層のClの含有量が2
重量%を超えない範囲で行われる。
【0025】また、本発明に係る光ファイバ用コアロッ
ドの製造方法は、前掲した積層工程の後に(積層工程の
後処理として脱水工程を有する場合にあっては、その脱
水工程の後に)、透明ガラス化し(1400℃〜160
0℃の加熱によって好適になされる)、その後、SiO
2層の表面をフッ酸によりエッチングするエッチング工
程を有するのが好ましく、これにより、表面に存在する
異物を除去でき、より確実に、光伝送特性に優れた光フ
ァイバを得ることのできる光ファイバ用コアロッドを製
造できる。
【0026】本発明の実施形態に係る光ファイバ用母材
14は、図3(a)〜(c)に示すように、光ファイバ用
コアロッド10をクラッド用パイプ13に挿入してコラプス
するコラプス工程を有する光ファイバ用母材の製造方法
によって好適に得られる。コラプスは、光ファイバ用コ
アロッド10とクラッド用パイプ13との間隙を減圧状態に
保ちながら、図3(b)の概略断面図に示すように、コ
ラプス用バーナ24を水平方向Qに移動させて行うのが好
ましい。ここで、クラッド用パイプ13は、一般に、Si
2を主要構成成分とし、また、フッ素原子(F原子)
を含有しても良く、この場合、F原子の含有量は、通
常、5.0重量%以下とされる。
【0027】図5(a)は、従来の光ファイバ用コアロ
ッド(ドーパントとしてGeO2が所定量以上含有さ
れ、かつ、SiO2層を有さない光ファイバ用コアロッ
ド)のコラプス工程前の概略断面図を示し、図5(b)
は、コラプス工程後の概略断面図を示している。これら
の図面に示すように、光ファイバ用コアロッド110の外
周壁をクラッド用パイプの内周壁にコラプスさせるため
に、クラッド用パイプ113を熱溶融させると、横断面が
楕円形状のコア111が得られる。
【0028】また、表面に存在する異物の除去を目的と
してエッチング工程が施された光ファイバ用コアロッド
110は、コアロッド中にGeO2が存在することにより、
コアロッドの表面におけるエッチングが均一になされ
ず、表面に凹みを有する光ファイバ用コアロッドとなっ
ている。よって、光ファイバ用コアロッド110をクラッ
ド用パイプ113にコラプスすると、コア111とクラッド用
パイプ113との界面において、界面不整や界面気泡Fが
発生した光ファイバ用母材114となる。
【0029】これに対して、図4(a)は、本発明の実
施形態に係る光ファイバ用コアロッドのコラプス工程前
の概略断面図を示し、図4(b)は、コラプス工程後の
概略断面図を示している。本発明の実施形態に係る光フ
ァイバ用コアロッド10は、コア11の外周面上に、Clの
含有量を2重量%以下とすることによって軟化温度をコ
アよりも高く設定したSiO2層12が、コアの外径に対
して1%以上の厚みで設けられるので、SiO2層12の
外周壁をクラッド用パイプ13の内周壁にコラプスさせる
ために、クラッド用パイプ113を熱溶融させても、Si
2層12の円筒形状が変化するには至らない。よって、
コア11が変形するに十分な熱を受けても、円筒形状のS
iO2層12がコアの形状を保持して、コア11の横断面
は、高い精度で円形状となっている。
【0030】すなわち、得られた光ファイバ用母材14
は、コア11と、クラッド用パイプ13とが、SiO2層12
を挟さむように設けられ、コア11の横断面とクラッド用
パイプ13の横断面とが同心円状であり、SiO2層12の
厚みがコアの外径に対して1%以上、15%以下となる
ように構成されている。光ファイバ用母材14によれば、
界面不整や界面気泡もなく、コア11の横断面とクラッド
用パイプ13の横断面とが高い精度で同心円状となってい
ることから、光伝送特性に優れた光ファイバを得ること
ができる。
【0031】本発明の実施形態に係る光ファイバは、光
ファイバ用母材14を線引きする線引き工程を有する光フ
ァイバの製造方法によって好適に得られる。線引き工程
を経ても、光ファイバ用母材14の前記した品質が光ファ
イバに引き継がれるので、本発明の実施形態に係る光フ
ァイバは、コアと、円筒形状のクラッドとが、Clの含
有量が2重量%以下のSiO2層を挟さむように設けら
れ、コアの横断面とクラッドの横断面とが同心円状であ
り、SiO2層の厚みが前記コアの外径に対して1%以
上、15%以下となるように構成される。コアの横断面
とクラッドの横断面とが高い精度で同心円状であること
により光伝送特性に優れた光ファイバとなる。
【0032】
【実施例】(実施例1)図2に示す構成で、VAD法に
従い、光ファイバ用コアロッドを製造する。コア形成用
バーナから供給されるコア形成用ガス及びSiO2層形
成用バーナから供給されるSiO2層形成用ガスの成分
・供給速度は以下のように設定する。SiO2層形成
後、SiO2層の表面にCl2ガスを吹付けて脱水工程を
行う。
【0033】(コア形成用ガス) ・SiCl4:0.6リットル/分 ・GeCl4:0.35リットル/分 ・O2:48.8リットル/分 ・H2:24.2リットル/分 ・Ar:12.3リットル/分
【0034】(SiO2層形成用ガス) ・SiCl4:0.05リットル/分 ・O2:22.2リットル/分 ・H2:14.4リットル/分 ・Ar:8.5リットル/分
【0035】コア形成用ガスとSiO2層形成用ガスの
供給量とを変えることによって、(D1/D2)がそれ
ぞれ異なる5種類の光ファイバ用コアロッドを製造す
る。得られた各光ファイバ用コアロッドを1500℃で
加熱して透明ガラス化を行い、次いで、コアロッドの表
面に対して、フッ酸によるエッチングを施す(エッチン
グ工程条件:HF濃度1%,HFエッチング量0.01
mm)。
【0036】(実施例2)円柱状のコアに対して、プラ
ズマCVD法に準じてSiO2層を積層させて、(D1
/D2)がそれぞれ異なる2種類の光ファイバ用コアロ
ッドを製造する。SiO2層形成後、SiO2層の表面に
Cl2ガスを吹付けて脱水工程を行う。
【0037】(比較例1)SiO2層形成用ガスを使用
しない以外は、(実施例1)と同様の手順で、SiO2
層を有さない光ファイバ用コアロッドを100本、製造
する。次いで、各光ファイバ用コアロッドの表面に対し
ても、(実施例1)と同様のエッチングを施す。
【0038】(実施例1),(実施例2),(比較例
1)により作成した光ファイバ用コアロッドの特性を表
1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例1),(実施例2),(比較例
1)により作成した光ファイバ用コアロッドの光ファイ
バ用コアロッドと、F原子を1.0重量%含有するSi
2製クラッド用パイプ(外径:34〜70mm,内
径:3.5〜10mm)とを、図3に示した工程に従っ
てコラプスすることによって、光ファイバ用母材を製造
する(コラプス用バーナ:H2/O2バーナ)。
【0041】各光ファイバ用母材の「母材コア非円率」
について測定する。また、(実施例1),(実施例
2),(比較例1)の各々について、界面気泡が発生し
ている光ファイバ用母材の存在率を「母材気泡発生率」
とする。これらの測定結果を表1に示す。
【0042】次いで、得られた各光ファイバ用母材を線
引きして、外径が125μmの光ファイバを製造する。
各光ファイバの「伝送損失」、「PMD損失」、「水酸
基損失」について測定する。これらの測定結果を表1に
示す。
【0043】実施例1および2の光ファイバ用母材は、
いずれも、母材コア非円率が低く、コアの横断面が高い
精度で円形状となっていることが分かる。また、実施例
1および2において界面気泡が発生したものはない。そ
して、実施例1および2の光ファイバは、伝送損失およ
びPMD損失が少ない。なお、水酸基損失(水酸基の生
成に起因するものと考えられる、波長1.38μmの光
伝送損失)に関しては、実施例1が実施例2と比較して
少ない。これは、実施例1の光ファイバ用コアロッド
は、SiO2層がVAD法で形成されたので、脱水工程
(Cl2ガスを吹付ける工程)の効果が高かったためだ
と考えられる。
【0044】一方、比較例1の光ファイバ用母材は、母
材コア非円率が高く、コアの横断面が楕円形状である。
また、比較例1においては、界面気泡が数多く発生して
いる。そして、比較例1の光ファイバは、伝送損失およ
びPMD損失が大きい。
【0045】
【発明の効果】請求項1に係る光ファイバ用コアロッド
によれば、ドーパントの含有量が“純石英に対する比屈
折率差が0.5%以上となる量”であるコアの外周面上
に、Clの含有量が2重量%以下のSiO2層が設けら
れ、SiO2層の厚みがコアの外径に対して1%以上、
15%以下となるように構成されたので、コア−クラッ
ド間での屈折率差が高く、かつ、光伝送特性に優れた光
ファイバを得ることのできる光ファイバ用コアロッドを
提供できる。
【0046】請求項2に係る光ファイバ用母材によれ
ば、ドーパントの含有量が“純石英に対する比屈折率差
が0.5%以上となる量”であるコアと、クラッド用パ
イプとが、Clの含有量が2重量%以下のSiO2層を
挟さむように構成され、コアの横断面とクラッド用パイ
プの横断面とが同心円状であり、SiO2層の厚みがコ
アの外径に対して1%以上、15%以下となるように構
成されたので、コア−クラッド間での屈折率差が高く、
かつ、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることのでき
る光ファイバ用母材を提供できる。
【0047】請求項3に係る光ファイバによれば、ドー
パントの含有量が“純石英に対する比屈折率差が0.5
%以上となる量”であるコアと、円筒形状のクラッドと
が、Clの含有量が2重量%以下のSiO2層を挟さむ
ように構成され、コアの横断面とクラッドの横断面とが
同心円状であり、SiO2層の厚みが前記コアの外径に
対して1%以上、15%以下となるように構成されたの
で、コア−クラッド間での屈折率差が高く、かつ、光伝
送特性に優れた光ファイバを提供できる。
【0048】請求項4に係る光ファイバ用コアロッドの
製造方法によれば、ドーパントの含有量が“純石英に対
する比屈折率差が0.5%以上となる量”であるコアの
周面上に、Clの含有量が2重量%以下のSiO2
を、SiO2層の厚みがコアの外径に対して1%以上、
15%以下となるように積層する積層工程を有するの
で、コア−クラッド間での屈折率差が高く、かつ、光伝
送特性に優れた光ファイバを得ることのできる光ファイ
バ用コアロッドの製造方法を提供できる。
【0049】請求項5に係る光ファイバ用コアロッドの
製造方法によれば、積層工程の後に、透明ガラス化し、
その後、SiO2層の表面をフッ酸によりエッチングす
るエッチング工程を有するので、より確実に、光伝送特
性に優れた光ファイバを得ることのできる光ファイバ用
コアロッドの製造方法を提供できる。
【0050】請求項6に係る光ファイバ用母材の製造方
法によれば、本発明に係る光ファイバ用コアロッドの製
造方法を用いて得られる光ファイバ用コアロッドをクラ
ッド用パイプに挿入してコラプスするコラプス工程を有
するので、コア−クラッド間での屈折率差が高く、か
つ、光伝送特性に優れた光ファイバを得ることのできる
光ファイバ用母材の製造方法を提供できる。
【0051】請求項7に係る光ファイバの製造方法によ
れば、本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法を用い
て得られる光ファイバ用母材を線引きする線引き工程を
有するので、コア−クラッド間での屈折率差が高く、か
つ、光伝送特性に優れた光ファイバの製造方法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ファイバ用コアロッ
ドを説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る光ファイバ用コアロッ
ドの製造方法を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る光ファイバ用母材の製
造方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光ファイバ用コアロッ
ドのコラプス工程前後における概略断面図である。
【図5】従来の光ファイバ用コアロッドのコラプス工程
前後における概略断面図である。
【符号の説明】
10,110 光ファイバ用コアロッド 11,111 コア 12 SiO2層 13,113 クラッド用パイプ 14,114 光ファイバ用母材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーパントの含有量が純石英に対する比
    屈折率差が0.5%以上となる量であるコアの外周面上
    に、Clの含有量が2重量%以下のSiO2層が設けら
    れ、前記SiO2層の厚みが前記コアの外径に対して1
    %以上、15%以下となるように構成された光ファイバ
    用コアロッド。
  2. 【請求項2】 ドーパントの含有量が純石英に対する比
    屈折率差が0.5%以上となる量であるコアと、クラッ
    ド用パイプとが、Clの含有量が2重量%以下のSiO
    2層を挟さむように構成され、前記コアの横断面と前記
    クラッド用パイプの横断面とが同心円状であり、前記S
    iO2層の厚みが前記コアの外径に対して1%以上、1
    5%以下となるように構成された光ファイバ用母材。
  3. 【請求項3】 ドーパントの含有量が純石英に対する比
    屈折率差が0.5%以上となる量であるコアと、円筒形
    状のクラッドとが、Clの含有量が2重量%以下のSi
    2層を挟さむように構成され、前記コアの横断面と前
    記クラッドの横断面とが同心円状であり、前記SiO2
    層の厚みが前記コアの外径に対して1%以上、15%以
    下となるように構成された光ファイバ。
  4. 【請求項4】 ドーパントの含有量が純石英に対する比
    屈折率差が0.5%以上となる量であるコアの周面上
    に、Clの含有量が2重量%以下のSiO2層を、前記
    SiO2層の厚みが前記コアの外径に対して1%以上、
    15%以下となるように積層する積層工程を有する光フ
    ァイバ用コアロッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記積層工程の後に、透明ガラス化し、
    その後、前記SiO 2層の表面をフッ酸によりエッチン
    グするエッチング工程を有する請求項4に記載の光ファ
    イバ用コアロッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の光ファイバ用
    コアロッドの製造方法を用いて得られる光ファイバ用コ
    アロッドをクラッド用パイプに挿入してコラプスするコ
    ラプス工程を有する光ファイバ用母材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光ファイバ用母材の製
    造方法を用いて得られる光ファイバ用母材を線引きする
    線引き工程を有する光ファイバの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017171555A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 住友電気工業株式会社 マルチコア光ファイバ製造方法
CN116125589A (zh) * 2022-11-18 2023-05-16 南京迈通光电科技有限公司 大截面高分辨率的柔性光纤传像束及制备方法

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