JP2003238408A - 組織線維症の治療剤または予防剤 - Google Patents

組織線維症の治療剤または予防剤

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JP2003238408A
JP2003238408A JP2002032670A JP2002032670A JP2003238408A JP 2003238408 A JP2003238408 A JP 2003238408A JP 2002032670 A JP2002032670 A JP 2002032670A JP 2002032670 A JP2002032670 A JP 2002032670A JP 2003238408 A JP2003238408 A JP 2003238408A
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Mizuo Miyazaki
瑞夫 宮▲崎▼
Keiichi Kamoshita
恵一 鴨下
Yoshikazu Sukenaga
義和 助永
Yoko Mashiba
洋子 真柴
Tetsuya Matsumoto
徹也 松本
Ryoichi Suzuki
良一 鈴木
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経口投与も可能な組織線維症の治療または予防
剤の提供。 【解決手段】下記式(II) で表されるピリミドン骨格を有し且つキマーゼ阻害活性
を有する化合物、またはその薬理学上許容される塩を有
効成分とする組織線維症の治療剤または予防剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経口投与等によ
り、生体内で有効にキマーゼ活性を阻害する化合物を用
いた組織線維症の治療剤または予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生体を構成する組織は疾患に伴いしばし
ば線維化という現象を引き起こす。線維化とは、組織で
起こった炎症等の結果、本来不必要な、過度のコラーゲ
ン等の線維性蛋白質の沈着や、線維芽細胞の浸潤増殖を
伴う組織の硬直化である。
【0003】組織の線維化はあらゆる組織で起こりうる
ものであり、その発生部位や引き金となる刺激は異なっ
ても、結果として起こる現象は同一である。線維化の発
症機序に関しては詳細は不明であるが、次の様に考えら
れている。実質細胞の脱落や組織の機能低下が生じた場
合、生体は本来の組織の機能とは関係のない線維芽細胞
を遊走させその補充を行うことがあるが、線維芽細胞は
その組織の機能回復には貢献できず物理的な形態の維持
を担うのみであり、それによる線維芽細胞の蓄積や線維
芽細胞が作り出すコラーゲン等の細胞間マトリックスの
蓄積は組織の硬直化を生じさせる。こうした硬直化が線
維化であり、その線維化した組織は正常に機能すること
が難しくなり、しばしば線維症と呼ばれる病態となる。
一度線維化した組織は元に戻ることはなく、病態はさら
に進行し重篤な障害を引き起こすこともある。
【0004】主要な内蔵組織における線維症について、
以下に簡単に記述する。肺線維症の1つとして、抗癌剤
であるブレオマイシンの投与の副作用として生じる肺線
維症が知られている。これは、ブレオマイシンにより発
生したラジカルが肺組織を傷害し、その傷害を補うため
に線維芽細胞の浸潤増殖が起こり、コラーゲン蛋白質が
沈着し、肺機能を障害したものと考えられている。ま
た、肺線維症の原因となる肺組織の傷害は、制癌剤のよ
うな化学物質によるものとは限らず、肺高血圧症におけ
る血液の圧負荷や喘息における慢性的な炎症反応によっ
ても起こりうる。こうした肺の線維化の結果、肺の換気
能は低下し、更なる病態の悪化をもたらす。これまでブ
レオマイシンにより誘導される肺線維症を抑える治療法
が多々検討されているが、未だ満足な治療法は見出され
ていない。また、肺高血圧症や喘息に起因する肺線維症
の治療等も知られておらず、特に線維化の進んだ肺の機
能を回復させることは難しい。
【0005】膀胱もまた尿道を通じて外界と接する組織
であり、感染を始めとする様々な刺激にさらされてお
り、そうした刺激により惹起された炎症反応により膀胱
の線維化が導かれる場合が知られている。膀胱線維症で
は蓄尿や排尿が困難となり、頻尿や排尿困難を主訴とす
る膀胱炎に至る。即ち、尿路結核や間質性膀胱炎、放射
線性膀胱炎等の膀胱炎において膀胱の線維化が生じるこ
とは「泌尿器科学(栗田孝編、p177(1995
年)、南山堂)」にも述べられている。特に間質性膀胱
炎はキマーゼの亢進を伴う線維化が問題となる疾患であ
ることが明らかになってきている(T.Yamada
et al.,Int.J.Urol.,7,292
(2000))。膀胱組織の線維化による間質性膀胱炎
に対する治療は確立しておらず対症療法的な治療を繰り
返すことになり、最終的に膀胱摘出手術に至る例が少な
くない。
【0006】腎臓においても様々な要因により線維症が
発症する。腎臓疾患は、免疫複合体の沈着が原因である
IgA腎症、糖尿病の結果生じる糖尿病性腎症、腎盂に
生じる腎盂腎炎等、その原因や発症場所により様々な病
名で呼ばれるが、病態形成の過程で組織の線維化に伴っ
た機能低下が観察される。また、腎臓移植後の慢性拒絶
反応の結果、線維化が起こり再び腎機能不全に陥ること
があることも知られている。こうした腎臓における機能
不全を防ぐ効果的な治療は現在存在しない。また、腎機
能の低下を補う手段としては透析が普及しているが、一
度腎臓透析治療を行った患者の腎臓は機能回復すること
がなく、生涯透析治療を続けなければならなくなる。
【0007】抗癌剤であるアドリアマイシンは、心筋症
の副作用を誘導することが知られている。心臓は抗癌剤
に限らず、感染や圧負荷等の刺激を受けた場合、心筋の
脱落や心機能の低下を起こし、代償性に線維芽細胞を遊
走させ、線維症を発症することがある。そして過度に進
行した場合、心臓は硬直化しポンプとしての機能が低下
し線維化を原因とする慢性心不全へと進行する。この治
療として、ACE阻害薬やβ遮断薬が使用されている
が、線維化の抑制や改善に対する満足な治療とはなって
いない。
【0008】肝臓については、ウイルスや腫瘍、アルコ
ール刺激により線維化することが知られている。線維化
により肝臓は急速に機能低下に陥る。ウイルスや腫瘍が
原因の場合、抗ウイルス剤や抗癌剤による治療が行わ
れ、アルコール等の摂取食物が原因の場合は食事療法等
がとられるが、肝臓の線維化に対する積極的な治療法は
知られていない。
【0009】以上の通り、線維化は生体内のあらゆる臓
器で発生し得るものであり、それは組織の機能低下に密
接に関わっている。生体内部の組織の線維化について
は、エコー等の検査や組織の一部を採取し線維化に関わ
る物質を検出することにより確認される。例えば、ハイ
ドロキシプロリンの定量により行われるが、手技的に煩
雑でありサンプル量も必要である。組織標本を作成し病
理的に解析する方法も行なわれている。また、近年遺伝
子操作技術の発展により、線維化に関わる蛋白質の特異
的メッセンジャーRNA(mRNA)の発現量を指標と
することが可能となった。線維化に関わる蛋白質、例え
ばコラーゲン・3のmRNA発現量が組織の線維化に伴っ
て変化することは、S.N.IyerらがJ.Phar
macol.Exp.Therap.,289,211
(1999)に報告している。即ち、コラーゲン・3の
mRNA発現量を測定することは組織線維化を知る方法
として有効である。しかしながら組織の線維化が発見さ
れたとしても、線維化そのものを対象とした有効な治療
法については知られておらず、機能維持のための対症療
法がとられるのみであった。
【0010】肥満細胞の顆粒中に存在するプロテアーゼ
であるキマーゼは、試験管内の実験により、組織の線維
化を誘導することが示唆されている。即ち、マトリック
スメタロプロテアーゼの活性化(J.Saarinen
et al.,J.Biol.Chem.,269,
18134(1994))やその阻害物質であるtis
sue inhibitor of metallop
roteainaseの不活性化(B.T.Frank
et al.,J.Immunol.,166,27
83(2001))を介して細胞間マトリックス蛋白質
を分解し、線維化反応のトリガーとなるとの見方もあ
る。また、キマーゼは脱顆粒していない肥満細胞の脱顆
粒を惹起する作用も有し、インターロイキン1β、c−
kitリガンド、transforming grow
th factor−β(TGF−β;J.Taipa
le et al.,J.Biol.Chem.,27
0,4689(1995))等、多くのサイトカインを
活性化することも報告されており、やはり線維化と関係
があるといわれている炎症反応や組織破壊に関与してい
ると考えられている。こうした反応は線維芽細胞の組織
への遊走を促すことになり、特にTGF−βの活性化は
線維化に関わるコラーゲン等の蛋白質の発現に関与して
いると考えられている。またキマーゼと、1型コラーゲ
ン前駆体の活性化による線維化蛋白質の形成について、
M.W.Kofford等により報告がある(J.Bi
ol.Chem.,272,7127(1997))。
【0011】さらに臨床においても間質性膀胱炎(T.
Yamada et al.,Int.J.Uro
l.,7,292(2000))や拒絶腎(M.Yam
adaet al.,Kidney Int.,59,
1374(2001))等、線維化を伴った疾患でキマ
ーゼの亢進が報告されている。本発明者らもこれまでに
ハムスター気道内にブレオマイシンを投与することで肺
線維症を起こした場合、線維化に先立ちキマーゼ活性の
亢進することを報告した(Jpn.J.Pharmac
ol.,85(Suppl 1),183(200
1))。しかしながら、組織におけるキマーゼ活性を抑
えることで組織の線維化を抑制することが可能であるか
は依然明確ではなかった。また、WO01/62292
号公報には、キナゾリン誘導体を用いた線維症の予防ま
たは治療が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記のように線維症に
対する効果的な治療剤は未だ開発されておらず、線維化
により機能低下した組織への対症療法的な治療剤が使わ
れているのみである。よって、組織の線維化を対象とし
た治療剤または予防剤が望まれている。特に線維症が全
身のあらゆる組織に起こり得るものであることから、何
れの組織へも応用可能で、また、経口投与可能な治療剤
または予防剤への要望が強い。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、経口投与
等により生体内に広く分布し且つ選択的にキマーゼを阻
害する化合物が、副作用のない組織線維症の治療剤また
は予防剤になると考え、動物モデルにより鋭意検討した
結果、本発明を完成するに至った。
【0014】即ち本発明は、次の(1)〜(14)に関
するものである。 (1)下記式(II)
【0015】
【化3】
【0016】で表されるピリミドン骨格を有し且つキマ
ーゼ阻害活性を有する化合物、またはその薬理学上許容
される塩を有効成分とする組織線維症の治療剤または予
防剤。 (2)一般式(I)
【0017】
【化4】
【0018】[式中、R0はアリール基を示し、R1は
水素原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアシ
ル基、単環芳香族基で置換されていてもよい(C1〜C
6)アルキルオキシカルボニル基、アリール基で置換さ
れていてもよい(C1〜C6)アルキルスルホニル基、
アリール基で置換されていてもよい(C1〜C6)アル
キルアミノスルホニル基または飽和複素環カルボニル基
を示し、Dは酸素原子または−NH−を示し、mは0乃
至3のいずれかの整数を示し、R2は置換基を有してい
てもよい(C1〜C6)アルキル基を示す]で表される
化合物またはその薬理学上許容される塩を有効成分とす
る組織線維症の治療剤または予防剤。
【0019】(3)R0におけるアリール基が(C1〜
C6)アルキル基またはハロゲン原子で置換されていて
も良いフェニル基であり、R1における単環芳香族基で
置換されていてもよい(C1〜C6)アルキルオキシカ
ルボニル基が(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル
基またはピリジル(C1〜C6)アルキルオキシカルボ
ニル基であり、アリール基で置換されていてもよい(C
1〜C6)アルキルスルホニル基がフェニル基で置換さ
れた(C1〜C6)アルキルスルホニル基であり、アリ
ール基で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル
アミノスルホニル基がフェニル基で置換された(C1〜
C6)アルキルアミノスルホニル基であり、飽和複素環
カルボニル基が酸素原子を有する飽和複素環カルボニル
基であり、R2における置換基を有していてもよい(C
1〜C6)アルキル基が(C1〜C6)アルキル基、
(C1〜C6)アルキルオキシ(C1〜C6)アルキル
基、アリール基で置換された(C1〜C6)アルキル
基、窒素原子を有する複素環オキシ基で置換された(C
1〜C6)アルキル基または窒素原子を有する複素環基
で置換された(C1〜C6)アルキル基である上記
(2)に記載の組織線維症の治療剤または予防剤。
【0020】(4)R1の飽和複素環カルボニル基にお
ける酸素原子を有する飽和複素環カルボニル基がテトラ
ヒドロフロイル基であり、R2の置換基を有していても
よい(C1〜C6)アルキル基におけるアリール基で置
換された(C1〜C6)アルキル基がフェニル基で置換
された(C1〜C6)アルキル基であり、窒素原子を有
する複素環オキシ基で置換された(C1〜C6)アルキ
ル基が窒素原子を有する6員複素環オキシ基で置換され
た(C1〜C6)アルキル基であり、窒素原子を有する
複素環基で置換された(C1〜C6)アルキル基が窒素
原子を有する6員複素環基で置換された(C1〜C6)
アルキル基である上記(3)に記載の組織線維症の治療
剤または予防剤。 (5)R0がフェニル基または(C1〜C6)アルキル
フェニル基であり、R1が水素原子、(C1〜C6)ア
ルキルオキシカルボニル基、(C1〜C6)アシル基、
フェニル(C1〜C6)アルキルスルホニル基、ピリジ
ル(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基、フェニ
ル(C1〜C6)アルキルアミノスルホニル基または
(C1〜C6)アルキル基であり、mが0または1であ
り、R2がピリジルオキシ(C1〜C6)アルキル基で
ある上記(2)に記載の組織線維症の治療剤または予防
剤。
【0021】(6)R0がフェニル基であり、R1が水
素原子、(C1〜C6)アシル基またはフェニル(C1
〜C6)アルキルアミノスルホニル基であり、Dが−N
H−であり、mが0であり、R2がピリジルオキシ(C
1〜C6)アルキル基である上記(2)記載の組織線維
症の治療剤または予防剤。 (7)R1がホルミル基、アセチル基またはベンジルア
ミノスルホニル基であり、R2が2−ピリジルオキシプ
ロピル基である上記(6)に記載の組織線維症の治療剤
または予防剤。
【0022】(8)一般式(I)で表される化合物が、
2−(5−ホルミルアミノ−6−オキソ−2−フェニル
−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−N−
[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチル−6−(2−
ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミド、2−(5−ヒ
ドロキシメチル−6−オキソ−2−フェニル−1,6−
ジヒドロピリミジン−1−イル)−N−[2,3−ジオ
キソ−1−フェニルメチル−6−(2−ピリジルオキ
シ)]ヘキシルアセタミド、2−(5−アセチルアミノ
−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミ
ジン−1−イル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェ
ニルメチル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルア
セタミドまたは2−(5−ベンジルアミノスルホニルア
ミノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピ
リミジン−1−イル)−N−[2,3−ジオキソ−1−
フェニルメチル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシ
ルアセタミドである上記(2)に記載の組織線維症の治
療剤または予防剤。
【0023】(9)一般式(I)で表される化合物が、
2−(5−ホルミルアミノ−6−オキソ−2−フェニル
−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−N−
[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチル−6−(2−
ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミドまたはその薬理
学上許容される塩である上記(2)記載の組織線維症の
治療剤または予防剤。 (10)組織線維症が、キマーゼ活性の上昇を伴う線維
症である上記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の
組織線維症の治療剤または予防剤 (11)組織線維症が、肺、膀胱、腎臓、心臓または肝
臓の組織に起こる線維症である上記(1)乃至(10)
のいずれか1項に記載の組織線維症の治療剤または予防
剤。
【0024】(12)線維症が化学物質により誘発され
たものである上記(11)に記載の組織線維症の治療剤
または予防剤。 (13)化学物質がブレオマイシンまたはその誘導体で
あり、線維症が肺線維症である上記(12)に記載の組
織線維症の治療剤または予防剤。 (14)上記(2)乃至(9)のいずれか1項に記載の
化合物またはその薬理学上許容される塩を有効成分とす
る組織線維症治療または予防用経口医薬製剤。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、前記式(II)で表さ
れるジケトン部分を有するピリミドン骨格を有し且つキ
マーゼ阻害活性を有する化合物、またはその薬理学上許
容される塩を有効成分とする組織線維症の治療剤または
予防剤である。本発明でいうキマーゼとは、セリンプロ
テアーゼの中のキモトリプシンタイプのプロテアーゼに
属し、肥満細胞中の分泌顆粒に蓄積され、刺激によって
放出される細胞障害性の酵素(蛋白質)である。キマー
ゼの阻害活性は公知の方法で測定可能であるが、例えば
国際公開WO98/09949号公報や国際公開WO9
9/41277号公報において開示した方法で測定でき
る。キマーゼ阻害活性を有するとは、該公報の測定方法
においてIC50が100nM以下のものであり、好ま
しくは50nM以下であり、特に好ましくは20nM以
下である。
【0026】本発明でいう組織線維症には、前記の線維
症を含む通常知られている線維症はすべて含まれる。線
維症は、薬物等の化学的刺激、過度の圧負荷、炎症反応
等のストレスにより組織実質細胞の脱落や組織の機能低
下が起こり、それを補う過程で生じた過剰な線維芽細胞
の遊走増殖や、その後の細胞間マトリックス蛋白質の合
成沈着による組織の機能障害を伴った硬直化を意味し、
誘発刺激や発症部位は特に限定されない。より具体的に
は、肺、膀胱、腎臓、心臓、肝臓等の内臓の線維症が挙
げられ、例えばブレオマイシン投与の副作用で生じる肺
の線維症や間質性膀胱炎の際に生じる膀胱の線維化があ
げられ、その組織線維症を防止するため上記式(II)
で表されるピリミドン骨格を有する化合物を予防的に投
与することも本発明に含まれる。
【0027】また、本発明は、上記一般式(I)で表さ
れる化合物またはその薬理学上許容される塩を有効成分
とする組織線維症の治療剤または予防剤である。上記一
般式(I)において、R0はアリール基を示す。アリー
ル基としては、例えば置換基を有していてもよいフェニ
ル基があげられ、より好ましくは(C1〜C6)アルキ
ル基またはハロゲン原子で置換されていても良いフェニ
ル基であり、さらに好ましくはフェニル基である。
【0028】置換基としての(C1〜C6)アルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、sec−ペンチル基、tert−アミル基、n−ヘ
キシル基、1,2−ジメチル−ブチル基等が挙げられ,
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
tert−ブチル基等の(C1〜C4)アルキル基が好
ましい。ハロゲン原子としては例えばフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等があげられる。(C1〜C6)アルキル基
で置換されたフェニル基としては、例えばトリル基、キ
シリル基等があげられ、具体的には例えば3,4−ジメ
チルフェニル基が挙げられ、ハロゲン原子で置換された
フェニル基としては例えばフルオロフェニル基、好まし
くは2−フルオロフェニル基等があげられる。
【0029】R1は水素原子、C1〜C6のアルキル
基、C1〜C6のアシル基、単環芳香族基で置換されて
いてもよい(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル
基、アリール基で置換されていてもよい(C1〜C6)
アルキルスルホニル基、アリール基で置換されていても
よい(C1〜C6)アルキルアミノスルホニル基または
飽和複素環カルボニル基である。C1〜C6のアルキル
基としては、例えば上記置換基としての(C1〜C6)
アルキル基と同様の基があげられ、上記置換基としての
(C1〜C4)アルキル基と同様の基が好ましい。
【0030】C1〜C6のアシル基としては、例えばホ
ルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、
イソブチリル基、バレリル基等が挙げられ、ホルミル
基、アセチル基が特に好ましい。(C1〜C6)アルキ
ルオキシカルボニル基に置換する単環芳香族基として
は、例えばフェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピ
ラジル基、ピリダジル基、フリル基、ピロリル基等があ
げられ、ピリジル基が好ましい。また、(C1〜C6)
アルキルオキシカルボニル基における(C1〜C6)ア
ルキルとしては、例えば上記置換基としての(C1〜C
6)アルキル基と同様の基があげられ、上記置換基とし
ての(C1〜C4)アルキル基と同様の基が好ましい。
【0031】単環芳香族基で置換されていてもよい(C
1〜C6)アルキルオキシカルボニル基としては、例え
ばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−
プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、
tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシ
カルボニル基、sec−ペンチルオキシカルボニル基、
2,2−ジメチル−プロポキシカルボニル基、n−ヘキ
シルオキシカルボニル基、1,2−ジメチル−ブチルオ
キシカルボニル基、ピリジルメトキシカルボニル基、ピ
リジルエトキシカルボニル基、ピリジルプロポキシカル
ボニル基、ピリジルブトキシカルボニル基、ピリミジル
メトキシカルボニル基、ピリミジルプロポキシカルボニ
ル基、ピラジルメトキシカルボニル基、ピラジルブトキ
シカルボニル基、ピリダジルメトキシカルボニル基、フ
リルメトキシカルボニル基、ピロリルエトキシカルボニ
ル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル
基等の(C1〜C4)アルキルアルキルオキシカルボニ
ル基,ピリジルメトキシカルボニル基等のピリジル(C
1〜C4)アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
単環芳香族基で置換されていてもよい(C1〜C6)ア
ルキルオキシカルボニル基としては、具体的には例えば
4−ピリジルメトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0032】(C1〜C6)アルキルスルホニル基に置
換するアリール基としては、例えばR0のアリール基と
同様の基があげられ、フェニル基が好ましい。また、
(C1〜C6)アルキルスルホニル基における(C1〜
C6)アルキル基としては、例えば上記置換基としての
(C1〜C6)アルキル基と同様の基があげられ、上記
置換基としての(C1〜C4)アルキル基と同様の基が
好ましい。アリール基で置換されていてもよい(C1〜
C6)アルキルスルホニル基としては、例えばベンジル
スルホニル基、フェネチルスルホニル基、フェニルブチ
ルスルホニル基等が挙げられ、ベンジルスルホニル基が
好ましい。
【0033】(C1〜C6)アルキルアミノスルホニル
基に置換するアリール基としては、例えばR0のアリー
ル基と同様の基があげられ、フェニル基が好ましい。ま
た、(C1〜C6)アルキルスルホニル基における(C
1〜C6)アルキル基としては、例えば上記置換基とし
ての(C1〜C6)アルキル基と同様の基があげられ、
上記置換基としての(C1〜C4)アルキル基と同様の
基が好ましい。アリール基で置換されていてもよい(C
1〜C6)アルキルアミノスルホニル基としては、例え
ばフェニル基で置換された(C1〜C6)アルキルアミ
ノスルホニル基が挙げられ、ベンジルアミノスルホニル
基、フェネチルアミノスルホニル基、フェニルプロピル
アミノスルホニル基等のフェニル基で置換された(C1
〜C4)アルキルアミノスルホニル基が好ましく、ベン
ジルアミノスルホニル基がより好ましい。
【0034】飽和複素環カルボニル基としては、例えば
酸素、窒素および硫黄からなるグループから選択される
1から4個の複素原子を含む5または6員環の飽和複素
環カルボニル基が好ましく、例えばチオリルカルボニル
基、ジオキサニルカルボニル基、オキソチアニルカルボ
ニル基、ジチアジニルカルボニル基、オキサチオリルカ
ルボニル基、ピロリジノカルボニル基、ピペリジルカル
ボニル基、4−アルキル−ピペラジニルカルボニル基、
モルホリルカルボニル基、テトラヒドロフロイル基等が
挙げられ、酸素原子を有する飽和複素環カルボニル基が
好ましく、テトラヒドロフロイル基等の酸素原子を含む
飽和5員複素環カルボニル基がより好ましく、特に、3
−テトラヒドロフロイル基が好ましい。
【0035】Dは酸素原子または−NH−、mは0乃至
3のいずれかの整数であり、mは0乃至2が好ましく、
より好ましくはDが酸素原子でmが1、またはDが−N
H−でmが0である。R2は置換基を有していてもよい
(C1〜C6)アルキル基である。(C1〜C6)アル
キル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペン
チル基、sec−ペンチル基、tert−アミル基、n
−ヘキシル基、1,2−ジメチル−ブチル基等が挙げら
れ,メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基等の(C1〜C4)アルキル基
が好ましい。
【0036】R2における置換基を有する(C1〜C
6)アルキル基としては、例えば(C1〜C6)アルキ
ルオキシ(C1〜C6)アルキル基、アリール基で置換
された(C1〜C6)アルキル基、窒素原子を有する複
素環オキシ基で置換された(C1〜C6)アルキル基、
窒素原子を有する複素環基で置換された(C1〜C6)
アルキル基等があげられる。置換基としての(C1〜C
6)アルキルオキシ基としては、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシル基、n
−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基等があげ
られる。
【0037】アリール基で置換された(C1〜C6)ア
ルキル基におけるアリール基としては、例えば置換基を
有していてもよいフェニル基があげられ、より好ましく
は無置換のフェニル基である。好ましいアリール(C1
〜C6)アルキル基としては、例えばベンジル基、フェ
ネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フ
ェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等があげられ、
フェニル置換(C1〜C4)アルキル基がより好まし
い。特に好ましくは、フェネチル基やフェニルプロピル
基が挙げられる。複素環オキシ基で置換された(C1〜
C6)アルキル基における複素環オキシ基としてはヘテ
ロアリールオキシ基が好ましく、例えばピリジルオキシ
基、ピリミジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリダジ
ルオキシ基、フリルオキシ基、ピロリルオキシ基等があ
げられ、窒素原子を有する複素環オキシ基が好ましく、
ピリジルオキシ基等の窒素原子を有する6員複素環オキ
シ基が好ましい。
【0038】複素環オキシ基で置換された(C1〜C
6)アルキル基としては、例えばピリジルオキシメチル
基、ピリジルオキシプロピル基、ピリミジルオキシメチ
ル基、ピリミジルオキシプロピル基、ピラジルオキシメ
チル基、ピラジルオキシブチル基、ピリダジルオキシエ
チル基、フリルオキシメチル基、ピロリルオキシエチル
基等のヘテロアリールオキシ(C1〜C6)アルキル基
があげられ、窒素原子を有する6員複素環オキシ(C1
〜C6)アルキル基が好ましく、ピリジルオキシプロピ
ル基等のピリジルオキシ(C1〜C6)アルキル基が特
に好ましい。具体的には例えば、2−ピリジルオキシプ
ロピル基が好ましい。
【0039】複素環基で置換された(C1〜C6)アル
キル基における複素環基としては、例えばモルホリニル
基、オキソジヒドロピリジニル基、ピペリジニル基、ピ
ペラジニル基、ジオキサニル基等が挙げられ、4−モル
ホリニル基、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−
1−イル基が好ましく、2−オキソ−1,2−ジヒドロ
ピリジン−1−イル基等のヘテロ原子として窒素原子を
有する6員複素環基がより好ましい。複素環基で置換さ
れた(C1〜C6)アルキル基としては、例えば、ピリ
ジルメチル基、ピリジルプロピル基、ピリミジルメチル
基、ピリミジルプロピル基、ピラジルメチル基、ピラジ
ルブチル基、ピリダジルエチル基、フリルメチル基、ピ
ロリルエチル基、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジ
ン−1−イル−メチル基等が挙げられ、2−オキソ−
1,2−ジヒドロピリジン−1−イル−メチル基が好ま
しい。
【0040】R0、R1、D、m、R2の好ましい組み
合わせとしては、作用の強さ等を考慮すると、例えばR
0がフェニル基または(C1〜C6)アルキルフェニル
基であり、R1が水素原子、(C1〜C4)アルキルオ
キシカルボニル基、(C1〜C6)アシル基、フェニル
(C1〜C6)アルキルスルホニル基、ピリジル(C1
〜C4)アルキルオキシカルボニル基、フェニル(C1
〜C6)アルキルアミノスルホニル基または(C1〜C
6)アルキル基であり、Dが酸素原子または−NH−で
あり、mが0または1であり、R2がピリジルオキシ
(C1〜C6)アルキル基である。R0、R1、D、
m、R2のより好ましい組み合わせとしては、ヒトでの
作用等を考慮すると、R0がフェニル基であり、R1が
(C1〜C6)アシル基またはフェニル(C1〜C6)
アルキルアミノスルホニル基であり、Dが−NH−であ
り、mが0であり、R2がピリジルオキシ(C1〜C
6)アルキル基である。R0、R1、D、m、R2のさ
らにり好ましい組み合わせとしては、経口吸収性等を考
慮すると、R0がフェニル基であり、R1がホルミル
基、アセチル基またはベンジルアミノスルホニル基であ
り、Dが−NH−であり、mが0であり、R2が2−ピ
リジルオキシプロピル基である。
【0041】以下に、本発明で使用される一般式(I)
で表せる化合物の代表例を表1に具体的に示すが、本発
明はこれらの化合物に限定されない。なお、表1中Ph
はフェニル基を、Bocはtert−ブトキシカルボニ
ル基を、Acはアセチル基を、Meはメチル基を意味す
る。
【0042】表1
【0043】これらの化合物のうち、より好ましいもの
としては、例えばNo.3、4、8、9、10、11、15、16、1
7、18、19があげられ、さらに好ましいものとしては、
例えばNo.10(2−(5−ホルミルアミノ−6−オキソ
−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イ
ル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチル−
6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミド)、
No.11(2−(5−アセチルアミノ−6−オキソ−2−
フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−
N−[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチル−6−
(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミド)、No.1
5(2−(5−ベンジルアミノスルホニルアミノ−6−
オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−
1−イル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェニルメ
チル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミ
ド)、No.18(2−(5−ヒドロキシメチル−6−オキ
ソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−
イル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチル
−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミド)
が挙げられ、特にNo.10、11があげられる。上記から明
らかなように、、特に上記式(II)で表されるピリミ
ドン骨格構造を有し且つキマーゼ阻害活性を有する化合
物を組織線維症の治療または予防に使用する点に本発明
の特徴がある。
【0044】本発明で使用される化合物は、その薬理学
上許容される塩であってもよく、塩基性化合物の場合は
例えばカルボン酸、スルホン酸、鉱酸等との塩が、酸性
化合物の場合は例えばアルカリ金属、アルカリ土類金
属、有機塩基等との塩が挙げられる。カルボン酸、スル
ホン酸、鉱酸等としては、例えば酢酸、アジピン酸、安
息香酸、クエン酸、フマール酸、アスパラギン酸、乳
酸、リンゴ酸、パルミチン酸、サリチル酸、酒石酸、ベ
ンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、トルエンス
ルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等が挙げら
れる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機塩基等と
しては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カル
シウム、マグネシウム、バリウム、テトラメチルアンモ
ニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0045】本発明で使用される化合物は光学活性体、
あるいはラセミ体、ジアステレオマー、あるいはジアス
テレオマーの混合物、個々のエナンチオマーからエナン
チオマーの混合物までを全て包含するものである。ま
た、置換基の結合位置等は特に限定しない限り、結合可
能な位置異性体すべてを含む。さらに、水和物等の溶媒
和物、溶媒和物の互変異性体等のように様々な多型も本
発明で使用される化合物に含まれる。本発明における前
記一般式(I)で表される一連の化合物群は、国際公開
WO98/09949号公報や国際公開WO99/41
277号公報において開示された製造法によって製造さ
れるが、それらの方法に限定されるものではない。
【0046】また、本発明は、前記式(II)で表され
るピリミドン骨格を有し且つキマーゼ阻害活性を有する
化合物を有効成分とする組織線維症の治療または予防用
の経口医薬製剤である。特に好ましくは上記一般式
(I)で表される化合物を有効成分とする組織線維症の
治療または予防用の経口医薬製剤が挙げられる。
【0047】本発明において前記式(II)で表される
ピリミドン骨格を有し且つキマーゼ阻害活性を有する化
合物を用いる場合は、単独または賦形剤あるいは担体と
混合して注射剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセ
ル剤、貼付剤、軟膏剤、スプレ−剤、溶液剤、徐放剤等
の製剤とし、経口的に、若しくは非経口的に投与する
か、または直接臓器に塗布するか等の投与方法がある
が、経口投与が好ましい。賦形剤または担体等の添加剤
としては薬剤学的に許容されるものが選ばれ、その種類
および組成は投与経路や投与方法によって決まる。例え
ば注射剤の場合、一般に食塩、グルコ−ス、マンニト−
ル等の糖類が望ましく、経口剤の場合、でんぷん、乳
糖、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム等が望
ましい。投与は経口的に若しくは非経口的に全身性に投
与される他、必要に応じて軟膏やスプレー剤により直接
臓器に塗布する等患部に有効に化合物が到達し作用する
方法が選ばれるが、特に経口投与が好ましい。
【0048】製剤中における本化合物の含量は製剤によ
り種々異なるが、通常0.1〜100重量%、好ましく
は1〜98重量%である。例えば注射剤の場合には、通
常0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の有
効成分を含む注射液になるようにすることがよい。経口
剤の場合には、添加剤とともに錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤、液剤、ドライシロップ剤等の形態で用いら
れる。カプセル剤、錠剤、顆粒、散剤は一般に5〜10
0重量%、好ましくは25〜98重量%の有効成分を含
む。投与量は、患者の年令、体重、症状等により決定さ
れるが、治療量は一般に、非経口投与で1〜100mg
/kg・日、経口投与で5〜500mg/kg・日であ
る。溶液で用いる場合は、10〜1000nMの濃度で
用いる。
【0049】本発明で使用する化合物は低毒性であり、
また、いずれの化合物も連続投与による毒性の蓄積性が
小さいことが特徴的である。例えば、本化合物をラット
に1mg/kgの投与量で1日1回、4週間経口投与し
ても何ら毒性の徴候はみられず、また、2−(5−ホル
ミルアミノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒ
ドロピリミジン−1−イル)−N−[2,3−ジオキソ
−1−フェニルメチル−6−(2−ピリジルオキシ)]
ヘキシルアセタミド(化合物No.10)の化合物をラット
に100mg/kgの投与量で1日1回、2週間経口投
与しても何ら毒性の徴候はみられなかった。
【0050】
【実施例】以下に本発明を実施例にてさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない.
【0051】実施例1 ブレオマイシン誘導肺線維症モ
デル(ハムスター)におけるコラーゲン・3を指標とす
るキマーゼ阻害剤の効果 (A)肺線維症モデルの作成 雄ハムスター(6週齢)14匹に1匹当たり10mg/
kgのブレオマイシンを気道内投与した。対照群9匹に
は生理食塩液を気道内投与した。 (B)化合物の投与 ブレオマイシン投与したハムスターを2分し、6匹をキ
マーゼ阻害化合物投与群、8匹を該化合物非投与群とし
た。ブレオマイシン投与3日前より肺摘出日まで合計3
1日間、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム溶液に懸濁した30mg/kgの2−(5−ホルミル
アミノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロ
ピリミジン−1−イル)−N−[2,3−ジオキソ−1
−フェニルメチル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキ
シルアセタミド(化合物No.10)を毎日一回経口投与し
た。非投与群には化合物投与群と同量の0.5%カルボ
キシメチルセルロースナトリウム溶液を経口投与した。
【0052】(C)コラーゲン・3 mRNAの測定 採取した肺組織よりmRNAをAGPC法にて抽出し、ノーザ
ンプロット法によりコラーゲン・3mRNAを検出した。
検出用プローブは32P-dCTPでラベルしたマウスコラーゲ
ン・3のcDNA(Liau et al.,J.Bio
l.Chem.,260,531(1985))を用い
た。検出されたコラーゲン・3のmRNAバンドはbas
2000により数値化し、対照群に対する割合で示し
た。
【0053】 表2 肺組織のコラーゲン・3のmRNA量 群 コラーゲン・3mRNA相対量 対照群(生理食塩液、擬薬) 1.000±0.079 化合物非投与群(ブレオマイシン、擬薬) 1.277±0.077 化合物投与群(ブレオマイシン、化合物No.10) 0.818±0.145 結果は平均値±標準偏差で表した。
【0054】(D)結果 ブレオマイシン投与により発症した肺線維症に伴って上
昇したコラーゲン・3のmRNA発現は、キマーゼ阻害剤
の投与により対照群と同程度まで有意に抑制されたこと
から、キマーゼ阻害剤は組織の線維化を形成する蛋白質
の合成を抑制することが示された。
【0055】実施例2 ブレオマイシン誘導肺線維症モ
デル(ハムスター)における病理解析によるキマーゼ阻
害剤の効果 (A)肺線維症モデルの作成 雄ハムスター(110〜130g)20匹に1匹当たり
0.5mgのブレオマイシンを気道内投与した。 (B)化合物の投与 ブレオマイシン投与したハムスターを10匹ずつ2分
し、キマーゼ阻害化合物投与群および該化合物非投与群
とした。投与群にはブレオマイシン投与日から21日
間、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶
液に懸濁した30mg/kgの2−(5−ホルミルアミ
ノ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリ
ミジン−1−イル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フ
ェニルメチル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシル
アセタミド(化合物No.10)を毎日一回経口投与した。
非投与群には化合物投与群と同量の0.5%カルボキシ
メチルセルロースナトリウム溶液を経口投与した。
【0056】(C)病理解析 ブレオマイシン投与後28日目に各ハムスターより肺を
摘出し、10%ホルマリン中性燐酸緩衝液で固定した。
組織はパラフィン切片を作成し、アザン染色した後にデ
ジタルカメラ(オリンパス社製DP11)にて撮影、画
像解析プログラムImage−Pro(Mediacy
bernetics社)を用いて、染色された線維化面
積を測定した。 表3 肺切片における線維化面積に対する本化合物投与の効果 群 線維化面積(mm2) 対照群(ブレオマイシン、擬薬) 14.319±6.167 化合物投与群(ブレオマイシン、化合物No.10) 9.095±5.440 結果は平均値±標準偏差で表した。
【0057】(D)結果 ブレオマイシン投与により28日後の肺には明らかな線
維化像が観察されたが、キマーゼ阻害剤の投与によりこ
の線維化部分の大きさは縮小された。このことはキマー
ゼ阻害剤が組織線維症を抑えることを示している。
【0058】参考例 本化合物の組織分布の解析 (A)化合物の投与および組織の採取 雄SDラット(0.25kg〜0.35kg)に0.5%
カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液に懸濁した
1mg/kgの2−(5−ホルミルアミノ−6−オキソ
−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イ
ル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチル−
6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミド(化
合物No.10)を経口投与した。該化合物投与後、1、
3、8、18、24時間後にラットを3匹ずつエーテル
麻酔し、血液、心臓、腹部大動脈、肺、肝臓、腎臓、腹
部皮膚および腹筋を採取した。 (B)化合物の抽出 採取した組織は氷上にてハサミを用いてミンスし、湿重
量の4倍容量に当たる67%アセトニトリル水溶液を加
えてホモゲナイズした。血液は血漿にし、2倍容量のア
セトニトリルを加えて攪拌した。全てのサンプルは12
000rpmで10分間遠心し、上清を化合物抽出液と
した。
【0059】(C)化合物の検出 化合物の検出は試験管内における精製イヌキマーゼに対
する阻害活性により行った。イヌキマーゼはKidoら
がAnal.Biochem.,137,449(19
84)に報告した方法を参考に、イヌ心臓より調製した
ものを用いた。適当量の組織抽出サンプルとイヌキマー
ゼ溶液を、5mMのエチレンジアミン4酢酸および10
μMのロイペプチンを含む100mMの燐酸カリウム緩
衝液(pH8.0)中で混合し、25℃で3時間処理した。
その後最終濃度0.1mMのアンジオテンシン・1を加
えて、25℃で1時間反応させた。50%トリクロロ酢
酸の添加により酵素反応を止め、C18逆相カラムを用い
てHPLC分析し、産生されたアンジオテンシン・2量を測
定した。同様の測定系の中にサンプルの代わりに様々な
濃度の化合物No.10を加えて測定したアンジオテンシ
ン・2量から定量曲線を作成し、各サンプル中の化合物
濃度を算出した。算出された化合物濃度は、生体内の代
謝により活性代謝物が生じた場合はそれも含む。その単
位は未変化化合物相当量ng eq/gまたはng e
q/mlとした。
【0060】(D)結果 血漿中の濃度は図1に、心臓および大動脈における濃度
は図2に、肺、肝臓および腎臓における濃度は図3に、
筋肉および皮膚中の濃度は図4に示すように、各組織で
は血漿中とほぼ同程度の化合物が検出され且つそれらは
長時間持続された。よって本化合物は経口投与により速
やかに血液に吸収され、組織に有効に分布することを示
している。それらは持続的に組織キマーゼを阻害するこ
とが期待され、本化合物は1日1回または2回の経口投
与により様々な組織の線維症に有効であると考えられ
る。以上の結果は、経口投与された本化合物が生体内に
広く分布し、いろいろな臓器の組織線維症を治療または
防止することができることを示しており、ヒトの臨床に
おいても多くの線維症に有効であると期待される。
【0061】実施例3 製剤例 50.0mgの2−(5−ホルミルアミノ−6−オキソ
−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イ
ル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチル−
6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミド(化
合物No.10)に対して、低置換度ヒドロキシプロピルセ
ルロース80.0mg、乳糖57.0mg、ヒドロキシ
プロピルセルロース2.0mg、およびステアリン酸マ
グネシウム1.0mgの割合で混合し、3号カプセルに
封入して経口カプセル剤を得た。
【0062】
【発明の効果】本発明により、ピリミドン骨格を有し且
つキマーゼに対する選択性が高く、強い阻害活性能を有
し、特にキマーゼに拮抗阻害活性を有し経口投与により
吸収され、広く組織に分布し、生体内で有効にキマーゼ
阻害活性を示すことを特徴とする化合物、例えば一般式
(I)で表される化合物またはその薬理学上許容される
塩を有効成分とする組織の線維症に対する治療または予
防剤、例えば肺、膀胱、腎臓、心臓、肝臓等の線維症に
対する治療または予防剤が提供された。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】 血漿中の本化合物濃度の時間変化
【図2】 心臓および大動脈中の本化合物濃度の時間変
化
【図3】 肺、肝臓、および腎臓中の本化合物濃度の時
間変化
【図4】 筋肉および皮膚中の本化合物濃度の時間変化
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/12 A61P 13/12 43/00 111 43/00 111 C07D 239/42 C07D 239/42 Z 401/12 401/12 401/14 401/14 405/12 405/12 (72)発明者 松本 徹也 埼玉県さいたま市北袋町2−336 (72)発明者 鈴木 良一 東京都北区田端3丁目13−8 Fターム(参考) 4C063 AA01 AA03 BB09 CC29 CC73 DD12 DD29 EE01 4C086 AA01 AA02 BC42 GA02 GA07 GA08 MA01 MA04 MA52 NA14 ZA36 ZA59 ZA75 ZA81

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(II) 【化1】 で表されるピリミドン骨格を有し且つキマーゼ阻害活性
    を有する化合物、またはその薬理学上許容される塩を有
    効成分とする組織線維症の治療剤または予防剤。
  2. 【請求項2】一般式(I) 【化2】 [式中、R0はアリール基を示し、R1は水素原子、C
    1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアシル基、単環芳
    香族基で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル
    オキシカルボニル基、アリール基で置換されていてもよ
    い(C1〜C6)アルキルスルホニル基、アリール基で
    置換されていてもよい(C1〜C6)アルキルアミノス
    ルホニル基または飽和複素環カルボニル基を示し、Dは
    酸素原子または−NH−を示し、mは0乃至3のいずれ
    かの整数を示し、R2は置換基を有していてもよい(C
    1〜C6)アルキル基を示す]で表される化合物または
    その薬理学上許容される塩を有効成分とする組織線維症
    の治療剤または予防剤。
  3. 【請求項3】R0におけるアリール基が(C1〜C6)
    アルキル基またはハロゲン原子で置換されていても良い
    フェニル基であり、R1における単環芳香族基で置換さ
    れていてもよい(C1〜C6)アルキルオキシカルボニ
    ル基が(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基また
    はピリジル(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基
    であり、アリール基で置換されていてもよい(C1〜C
    6)アルキルスルホニル基がフェニル基で置換された
    (C1〜C6)アルキルスルホニル基であり、アリール
    基で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキルアミ
    ノスルホニル基がフェニル基で置換された(C1〜C
    6)アルキルアミノスルホニル基であり、飽和複素環カ
    ルボニル基が酸素原子を有する飽和複素環カルボニル基
    であり、R2における置換基を有していてもよい(C1
    〜C6)アルキル基が(C1〜C6)アルキル基、(C
    1〜C6)アルキルオキシ(C1〜C6)アルキル基、
    アリール基で置換された(C1〜C6)アルキル基、窒
    素原子を有する複素環オキシ基で置換された(C1〜C
    6)アルキル基または窒素原子を有する複素環基で置換
    された(C1〜C6)アルキル基である請求項2に記載
    の組織線維症の治療剤または予防剤。
  4. 【請求項4】R1の飽和複素環カルボニル基における酸
    素原子を有する飽和複素環カルボニル基がテトラヒドロ
    フロイル基であり、R2の置換基を有していてもよい
    (C1〜C6)アルキル基におけるアリール基で置換さ
    れた(C1〜C6)アルキル基がフェニル基で置換され
    た(C1〜C6)アルキル基であり、窒素原子を有する
    複素環オキシ基で置換された(C1〜C6)アルキル基
    が窒素原子を有する6員複素環オキシ基で置換された
    (C1〜C6)アルキル基であり、窒素原子を有する複
    素環基で置換された(C1〜C6)アルキル基が窒素原
    子を有する6員複素環基で置換された(C1〜C6)ア
    ルキル基である請求項3に記載の組織線維症の治療剤ま
    たは予防剤。
  5. 【請求項5】R0がフェニル基または(C1〜C6)ア
    ルキルフェニル基であり、R1が水素原子、(C1〜C
    6)アルキルオキシカルボニル基、(C1〜C6)アシ
    ル基、フェニル(C1〜C6)アルキルスルホニル基、
    ピリジル(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基、
    フェニル(C1〜C6)アルキルアミノスルホニル基ま
    たは(C1〜C6)アルキル基であり、mが0または1
    であり、R2がピリジルオキシ(C1〜C6)アルキル
    基である請求項2に記載の組織線維症の治療剤または予
    防剤。
  6. 【請求項6】R0がフェニル基であり、R1が水素原
    子、(C1〜C6)アシル基またはフェニル(C1〜C
    6)アルキルアミノスルホニル基であり、Dが−NH−
    であり、mが0であり、R2がピリジルオキシ(C1〜
    C6)アルキル基である請求項2に記載の組織線維症の
    治療剤または予防剤。
  7. 【請求項7】R1がホルミル基、アセチル基またはベン
    ジルアミノスルホニル基であり、R2が2−ピリジルオ
    キシプロピル基である請求項6に記載の組織線維症の治
    療剤または予防剤。
  8. 【請求項8】一般式(I)で表される化合物が、2−
    (5−ホルミルアミノ−6−オキソ−2−フェニル−
    1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−N−[2,
    3−ジオキソ−1−フェニルメチル−6−(2−ピリジ
    ルオキシ)]ヘキシルアセタミド、2−(5−ヒドロキ
    シメチル−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒド
    ロピリミジン−1−イル)−N−[2,3−ジオキソ−
    1−フェニルメチル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘ
    キシルアセタミド、2−(5−アセチルアミノ−6−オ
    キソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1
    −イル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェニルメチ
    ル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタミド
    または2−(5−ベンジルアミノスルホニルアミノ−6
    −オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン
    −1−イル)−N−[2,3−ジオキソ−1−フェニル
    メチル−6−(2−ピリジルオキシ)]ヘキシルアセタ
    ミドである請求項2に記載の組織線維症の治療剤または
    予防剤。
  9. 【請求項9】一般式(I)で表される化合物が、2−
    (5−ホルミルアミノ−6−オキソ−2−フェニル−
    1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル)−N−[2,
    3−ジオキソ−1−フェニルメチル−6−(2−ピリジ
    ルオキシ)]ヘキシルアセタミドまたはその薬理学上許
    容される塩である請求項2記載の組織線維症の治療剤ま
    たは予防剤。
  10. 【請求項10】組織線維症が、キマーゼ活性の上昇を伴
    う線維症である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    組織線維症の治療剤または予防剤
  11. 【請求項11】組織線維症が、肺、膀胱、腎臓、心臓ま
    たは肝臓の組織に起こる線維症である請求項1乃至10
    のいずれか1項に記載の組織線維症の治療剤または予防
    剤。
  12. 【請求項12】線維症が化学物質により誘発されたもの
    である請求項11に記載の組織線維症の治療剤または予
    防剤。
  13. 【請求項13】化学物質がブレオマイシンまたはその誘
    導体であり、線維症が肺線維症である請求項12に記載
    の組織線維症の治療剤または予防剤。
  14. 【請求項14】請求項2乃至9のいずれか1項に記載の
    化合物またはその薬理学上許容される塩を有効成分とす
    る組織線維症治療または予防用経口医薬製剤。
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