JP2003238583A - フラノース誘導体の製造方法 - Google Patents

フラノース誘導体の製造方法

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JP2003238583A
JP2003238583A JP2002040952A JP2002040952A JP2003238583A JP 2003238583 A JP2003238583 A JP 2003238583A JP 2002040952 A JP2002040952 A JP 2002040952A JP 2002040952 A JP2002040952 A JP 2002040952A JP 2003238583 A JP2003238583 A JP 2003238583A
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furanose
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Yuuki Takuma
勇樹 詫摩
Kyoko Endo
恭子 遠藤
Yoichi Matsumoto
陽一 松本
Tomoko Maeda
智子 前田
Tomoko Sasaki
智子 佐々木
Takeshi Murakami
健 邑上
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラノース類を工業的に簡便にアシル化させ
る方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) (式中、R1は、置換されていても良いアルキル基、又
は置換されていても良いアリール基を示す。)で表され
るフラノース類を相間移動触媒存在下、水相と有機溶媒
相の2相系で水酸基のアシル化を行うことを特徴とする
フラノース誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラノース誘導体
の製造方法、詳しくは、水溶性のフラノース類を相間移
動触媒存在下、水相と有機溶媒相の2相系中で水酸基を
アシルすることによるフラノース誘導体の製造方法に関
する。フラノース誘導体は、薬理活性物質である核酸誘
導体の合成中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】フラノース類の水酸基のアシル化方法と
しては、一般的には、Helv.Chim.Acta,
42,1171(1959)に記載されているように、
アシル化剤に対して過剰量のピリジン存在下で反応を行
う方法が用いられている。
【0003】
【化2】
【0004】しかしながら、上記の方法は過剰量のピリ
ジンを反応に使用するために、反応後の取り出しが困難
であり、抽出後、濃縮操作のみでは、未反応のアシル化
剤やその分解物等を取り除くのが難しく、高純度の生成
物を得ることが出来なかった。また反応に使用したピリ
ジンを回収、再利用する事は、工業的な観点から見て困
難である。
【0005】また、Synthesis,821(19
79)には、一部の水酸基を保護することにより脂溶性
を増加させた6員環糖誘導体をベンゼンと40%水酸化
ナトリウム水溶液中で、テトラブチルアンモニウムクロ
ライド存在下、ベンゾイルクロライドを用いて、ベンゾ
イル化した例が報告されている。
【0006】
【化3】
【0007】しかしながら、この場合には、反応基質は
反応試剤であるベンゾイルクロライドの存在する有機相
であるベンゼン相中に多く存在することになる。従っ
て、本発明におけるような、1位の水酸基のみがアルキ
ル化された水溶性フラノース類を反応基質とする場合と
は、反応基質及びベンゾイル化の挙動が基本的に異な
る。
【0008】そして、このような挙動の違いは、反応基
質と反応試剤及び触媒との接触といった工業的製造プロ
セスにとって重要な点に大きく影響を与える。従って、
本願発明が対象とするような水溶性フラノースのベンゾ
イル化反応の工業的製造について何ら示唆を与えるもの
ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように本発明にお
けるような1位の水酸基のみがアルキル化された様な水
溶性フラノース類に対して、簡便且つ効率的な工業的製
造方法は知られておらず、その出現が望まれていた。
【0010】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、水溶性フラノース
類のベンゾイル化反応において、過剰量のピリジンを使
用すること無しに、高純度のフラノース誘導体が高収率
で製造できることを見い出した。すなわち、本発明の要
旨は、下記一般式(1)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1は、置換されていても良いア
ルキル基、又は置換されていても良いアリール基を示
す。)で表されるフラノース類を相間移動触媒存在下、
水相と有機溶媒相の2相系で水酸基のアシル化を行うこ
とを特徴とするフラノース誘導体の製造方法に存する。
【0013】
【発明実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明の方法は、フラノース類の水酸基を相間移動触媒存
在下、水相と有機溶媒相の2相系で水酸基のアシル化を
行うことを特徴とする。 (フラノース類)本発明に用いられるフラノース類は、
一般式(1)で表される。
【0014】
【化5】
【0015】ここで、上記式中、R1は置換されていて
も良いアルキル基又は置換されていても良いアリール基
であり、ここで、上記アルキル基としては炭素数1〜1
0のものが、上記アリール基としては炭素数6〜10の
ものが好ましい。上記アルキル基及びアリール基の置換
基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基等の反応に不活性な置換基であれば特に限
定されない。
【0016】置換されていても良いアルキル基の具体例
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、ベンジル基等が挙げられ、置換されていて良
いアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基
キシリル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基等が
挙げられる。このうち好ましくは、このうち好ましくは
炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、特に
好ましくはメチル基である。
【0017】上記フラノース類は、水酸基が無保護のフ
ラノース類から通常のアノマー位の水酸基の保護方法、
例えば、リボース、アラビノース、キシロース、リキソ
ース等のアルドースとR1OH(R1は、式(1)と同
義)を酸触媒存在下で反応させる方法により合成でき、
生成物は、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈
殿、蒸留等で、精製した物を本反応の原料として使用し
ても、粗生成物のまま使用しても構わない。
【0018】ここで、フラノース類は、目的に応じて、
D体単独、L体単独、D、L体の混合物のいずれであっ
ても任意に用いることができ、またそのアノマー位の立
体も、α体、β体、又はこれらが任意の比で混合してい
てもよい。 (相間移動触媒)本発明に用いられる相間移動触媒は、
一般に相間移動触媒として使用されている物であれば特
に限定されないが、具体的には、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウ
ムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマ
イド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイド、
テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、N−ベン
ジルキニニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニ
ウムハライド類;テトラブチルアンモニウムハイドロオ
キサイド等のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキ
サイド類;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイ
ド、トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロマ
イド等のテトラアルキルホスホニウムハライド類;12
−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン
−6等のクラウンエーテル類等が挙げられ、このうち反
応後の触媒の除去等の取り扱い易さの点でテトラアルキ
ルアンモニウムハライド類が好ましく、特には工業的に
安価に入手できるテトラ−n−ブチルアンモニウムブロ
マイド又はテトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド
が好ましい。
【0019】相間移動触媒の量は、フラノース類に対し
て、通常、0.0001モル倍量以上、好ましくは0.
005モル倍量以上用いられるが、相間移動触媒を過剰
に用いすぎると反応終了後の単離、精製工程が困難にな
るため、通常、5モル倍量以下、好ましくは、等モル量
以下の範囲で用いられる。 (溶媒)本発明では、水及び有機溶媒といった2種類の
液体媒体を溶媒として用いる。
【0020】上記有機溶媒としては、アシル化されたフ
ラノース誘導体とアシル化剤とを溶解し、非水溶性であ
れば特に限定されず、その具体例としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、
ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロエ
タン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
類;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、te
rt−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチ
ル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブ
チル等のエステル類が挙げられ、このうち好ましくは、
芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類及びハロゲン化炭
化水素類であり、特に好ましくは、アシル化されたフラ
ノース誘導体の溶解性が高く、安価で毒性の低いトルエ
ンである。
【0021】尚、上記有機溶媒は、2種類以上を混合し
て用いても良い。 液体媒体の使用量としては攪拌可能な量があれば良く、
通常は、フラノース類(1)に対して、1〜100重量
倍量用いられ、好ましくは2〜30重量倍量である。こ
こで、有機溶剤の使用量は、水に対して、1〜30重量
倍量用いられ、好ましくは、1〜10重量倍量用いられ
る。 (アシル化剤)本発明に用いられるアシル化剤として
は、反応性の点から通常アシルハライドが用いられ、こ
のうち好ましくはアリールカルボニルハライド類であ
り、具体的にはベンゾイルハライド類が挙げられる。
【0022】上記ベンゾイルハライド類の具体例として
は、ベンゾイルクロライド、メチルベンゾイルクロライ
ド、エチルベンゾイルクロライド等のアルキル置換され
たベンゾイルハライド類;クロロベンゾイルクロライ
ド、ジクロロベンゾイルクロライド、ブロモベンゾイル
クロライド、ジブロモベンゾイルクロライド、フルオロ
ベンゾイルクロライド等のハロゲン化されたベンゾイル
ハライド類;ヒドロキシベンゾイルクロライド、メトキ
シベンゾイルクロライド、エトキシベンゾイルクロライ
ド、アセトキシベンゾイルクロライド等の含酸素置換基
を有するベンゾイルハライド類が挙げられる。
【0023】これらの中でも、水酸基の脱保護が容易で
あり、工業的に安価に入手できるベンゾイルクロライド
が最も好ましい。アシルハライドの使用量は、フラノー
ス類、溶媒、相間移動触媒等の組み合わせによって最適
値は異なるが、通常、フラノース類の水酸基1つに対し
て、通常、等モル量以上(すなわち、フラノース類に対
して3モル倍量以上)用いられる。ここで、アシルハラ
イドが過剰すぎると精製やコスト等の問題があるため、
通常フラノース類の水酸基1つに対して10モル倍量以
下、好ましくは2モル倍量以下(すなわち、フラノース
類に対して30モル倍量以下、好ましくは6モル倍量以
下)である。
【0024】(塩基)本反応では、アシル化反応時に発
生する酸を中和するために、塩基を共存させる。ここ
で、塩基としては反応終了後の精製時に容易に分離でき
る無機塩基が好ましい。上記無機塩基としては、水に溶
解できるものであれば特に限定されないが、具体的に
は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸
化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸
塩、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム等のアルカ
リ土類金属重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等
のアルキル金属炭酸塩、炭酸カルシウム、炭酸バリウム
等のアルカリ土類炭酸塩類が挙げられる。
【0025】使用量は、アシル化剤に対して、通常、等
モル量前後以上用いられるが、塩基が過剰すぎると生成
物の加水分解が起こる可能性があるので、通常10モル
倍量以下、好ましくは5モル倍量以下、特に好ましくは
3モル倍量以下で用いられる。また反応には、無機塩基
の水溶液として用いる。その濃度は、5〜60重量%、
好ましくは20〜45重量%である。
【0026】(反応条件)フラノース類のアシル化反応
の反応形式としては任意に行うことができるが、好まし
くは、フラノース類、相間移動触媒、無機塩基水溶液及
び有機溶媒の混合物にアシル化剤を攪拌下で加えて反応
させる方法が挙げられる。反応温度は、アシル化剤及び
生成物の加水分解を防ぐため、通常、100℃以下、好
ましくは50℃以下で行う。但し、反応温度が低すぎる
と反応速度が遅くなり効率的でないため、通常、−20
℃以上、好ましくは0℃以上で行う。
【0027】反応時間については、フラノース類、相間
移動触媒、無機塩基、アシル化剤及び溶媒の種類によっ
て異なるが、混合直後から速やかに反応し、通常、12
時間以内に終了する。また反応は、通常、常圧で行われ
るが、必要に応じて加圧下で行っても減圧下で行っても
よく、さらに反応は空気中でも、窒素、アルゴンなどの
不活性ガスの雰囲気下で行ってもよい。
【0028】(フラノース誘導体の単離方法)生成物の
フラノース誘導体は、アシル化反応後、分液した有機層
を水、飽和食塩水等で洗浄した後、濃縮を行い単離する
ことができる。単離したフラノース誘導体は、再結晶、
再沈殿、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製方法
によって、さらに高純度のフラノース誘導体としてもよ
い。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこの範囲に限定される物ではない。 比較例1
【0030】
【化6】
【0031】反応容器に、メチル−D−リボフラノシド
(α体とβ体の混合物)1.43g、ピリジン24m
L、クロロホルム12mLを仕込み、氷冷しながら、ベ
ンゾイルクロライド12mLをゆっくりと滴下した。氷
冷しながら、6時間攪拌後、冷蔵庫に2日間に放置し
た。得られた黒色反応溶液を濃縮し、過剰のピリジンを
除去した。クロロホルム200mL、水40mLを加
え、分液操作を行った。得られた有機層を水200m
L、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mL、飽和食
塩水200mLの順で洗浄を行い、硫酸ナトリウムで乾
燥し、濾過、濃縮を行い、茶色シロップ状物を14.8
g得た。HPLC分析を行い、1−O−メチル−2,3,5
−トリ−O−ベンゾイル−D−リボフラノースの純度を
測定したところ、28%であった。
【0032】実施例1
【0033】
【化7】
【0034】反応容器に、メチル−D−リボフラノシド
0.50g、25重量%水酸化ナトリウム水溶液1.2
g、トルエン4mL、テトラ−n−ブチルアンモニウム
クロライド26mgを仕込み、氷冷下、良く攪拌しなが
ら、ベンゾイルクロライド1.08mLを滴下し、その
まま80分反応させた。氷水10mL、酢酸エチル20
mLを加え分液操作を行った。得られた有機層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液14mL、飽和塩化アンモニウ
ム水溶液14mL、飽和食塩水7mLの順で洗浄を行
い、硫酸ナトリウムで、乾燥し、濾過、濃縮を行い、淡
黄色シロップ状物を1.46g得た。HPLC分析を行
い、1−O−メチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−
D−リボフラノースの純度を測定したところ、95%で
あり、目的物が収率90%と高収率でかつ純度高く得ら
れた。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、医薬中間体の合成原料
として有用であるフラノース誘導体を簡便に製造するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 陽一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 前田 智子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 佐々木 智子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 邑上 健 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 4C057 AA03 AA18 AA19 BB02 DD03 HH04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、置換されていても良いアルキル基、又
    は置換されていても良いアリール基を示す。)で表され
    るフラノース類を相間移動触媒存在下、水相と有機溶媒
    相の2相系で水酸基のアシル化を行うことを特徴とする
    フラノース誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アシル化剤がベンゾイルクロライドであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 相間移動触媒がテトラアルキルアンモニ
    ウムハライド類であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 フラノース類がメチルリボフラノシドで
    あること特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製
    造方法。
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