JP2003247201A - 軌道の移動防止構造 - Google Patents

軌道の移動防止構造

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JP2003247201A JP2002049585A JP2002049585A JP2003247201A JP 2003247201 A JP2003247201 A JP 2003247201A JP 2002049585 A JP2002049585 A JP 2002049585A JP 2002049585 A JP2002049585 A JP 2002049585A JP 2003247201 A JP2003247201 A JP 2003247201A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軌道変位を防止するための小型の軌道移動防
止構造を提供する。 【解決手段】 軌道40は、道床10上に平行に設けら
れた複数のまくら木21,…と、これらまくら木21に
締結された複数の平行なレール23,…とを備えてい
る。前記道床10または前記道床10の近傍には、一対
の反力部材(例えば、土留め壁13,13)が前記軌道
40を離間して挟む位置で固定されている。また、前記
反力部材13に取り付けられるとともに前記レール23
と交差する方向への前記まくら木21の移動を前記反力
部材13で反力をとって引っ張り力で拘束する引っ張り
部材32が、前記まくら木21に直接または間接的に取
り付けられている。軌道の移動防止構造100は、上記
のような構造を備え、レール23と交差する方向への軌
道40の移動を防止するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軌道の移動を防止
する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】列車または車両が走るための通路である
軌道は、一般的に、道床の上に平行に設けられたまくら
木と、まくら木に締結され、列車または車両の重量を支
えるとともに車両の走行に対して平滑な走行面を与える
レールなどとを備えている。上記一般的な構成の軌道に
は、例えば、酷暑期に温度が上昇することによりレール
が延び、水平方向に座屈するなどしてレールと交差する
方向にまくら木ごと移動する結果、軌道が移動して所定
の位置からずれる場合がある。
【0003】かかる場合には列車の走行安全性が損なわ
れるため、従来から、軌道の移動を防止する技術が開発
されている。これらの技術の中には、例えば、まくら木
の周囲に敷設される砂利や砕石(バラスト)に粘着性の
薬液を浸透させてバラスト粒子どうしを粘着させ、バラ
スト全体を固結化するという技術がある。この技術によ
れば、固結化したバラストによってまくら木が固定さ
れ、軌道の移動が防止されることとなる。
【0004】また、他には、軌道を離間して挟むように
道床に強固に設置された水平反力部材とまくら木との間
に、優れた剛性および耐力を備える突っ張り部材を設
け、まくら木の移動を拘束するという技術がある。この
技術によれば、突っ張り部材および水平反力部材に生じ
る圧縮応力によってまくら木の移動が拘束される結果、
軌道の移動が防止されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記一
つ目の従来の技術によれば、長期的には列車荷重等によ
って軌道が移動してしまう場合があり、十分な軌道の移
動防止効果が望めなかった。また、上記二つ目の従来技
術では、突っ張り部材に、座屈や変形が発生しないよう
な剛性および耐力が必要であった。そのため、上記二つ
目の従来技術では、突っ張り部材の径が太くなる、即ち
断面積が大きくなるので、突っ張り部材が大型になり、
これにより軌道の移動防止構造が大型になってしまうと
いう問題点があった。本発明は上記事情に鑑みてなされ
たもので、軌道の移動を防止するための小型の軌道の移
動防止構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、例えば図1から図3に示す
ように、道床10上に平行に設けられた複数のまくら木
21,…と、これらまくら木21,…に締結された複数
の平行なレール23,…とを備えた軌道40が、レール
23と交差する方向へ移動するのを防止する軌道の移動
防止構造100であって、前記道床10または前記道床
10の近傍には、一対の反力部材(例えば、土留め壁1
3,13)が前記軌道40を離間して挟む位置で固定さ
れ、前記反力部材13に取り付けられるとともに前記レ
ール23と交差する方向への前記まくら木21の移動を
前記反力部材13で反力をとって引っ張り力で拘束する
引っ張り部材32が、前記まくら木21に直接または間
接的に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】請求項1記載の発明によれば、レールと交
差する方向へまくら木が移動しようとすると、まくら木
が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材
が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるた
め、まくら木の移動が拘束される。従って、軌道の移動
が防止される。
【0008】また、引っ張り部材は、反力部材で反力を
とって引っ張り力によってまくら木の移動を拘束するの
で、従来の突っ張り部材のようにその座屈や変形を防止
するために径を太くする必要がなく、よって、引っ張り
部材の断面積を小さくでき、この結果、軌道の移動防止
構造の小型化を図ることができる。
【0009】ここで、引っ張り部材は、引っ張り力に対
して伸びが少なく、反力部材で反力をとって引っ張り力
でまくら木の移動を拘束するものであれば、フレキシブ
ルなものであってもよい。また、反力部材およびまくら
木への引っ張り部材の取り付けは、レールと交差する方
向へまくら木が移動しようとするとまくら木が引っ張り
部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材
で反力をとるとともに引っ張り力を生じる程度の張力、
つまり引っ張り部材にたるみが生じない程度の張力でな
されることが好ましい。
【0010】また、道床は、まくら木を支持し、まくら
木から伝達される列車荷重を路盤に均等に分布させるも
のであれば砂利や砕石(バラスト)を敷設した道床に限
らず、他の道床でもよい。
【0011】また、まくら木は、列車または車両の荷重
をレールから受けて道床に分布させるとともにレールを
固定しレール間の距離を正確に保持するためのものであ
ればコンクリート製のまくら木に限らず、木製、鉄筋コ
ンクリート製、鉄製または合成樹脂製のまくら木であっ
ても良く、また、周囲にゴム等を付着させたまくら木で
あってもよい。また、横まくら木に限らず、ブロックま
くら木や、縦まくら木であってもよい。更に、軌道の一
般区間に使われる並まくら木に限らず、軌道継ぎ目部に
使われる継ぎ目まくら木や分岐部分に使用される分岐ま
くら木であってもよい。
【0012】また、レールは、列車または車両の重量を
支えるとともに車両の走行に対して平滑な走行面を与え
るものであれば如何なる形状および材料等のレールであ
ってもよい。
【0013】請求項2記載の発明は、例えば図1から図
3に示すように、請求項1記載の軌道の移動防止構造1
00において、前記まくら木21は前記レール23と直
交するようにして設けられ、前記まくら木21の一端部
と、該まくら木21の他端部の外側に位置する前記反力
部材13とに、一方の前記引っ張り部材32が取り付け
られているとともに、前記まくら木21の他端部と、該
まくら木21の一端部の外側に位置する前記反力部材1
3とに、他方の前記引っ張り部材32が取り付けられて
いることを特徴とする。
【0014】請求項2記載の発明によれば、レールの長
手方向と交差する方向にまくら木が移動しようとする
と、まくら木の端部が引っ張り部材を引っ張り、引っ張
られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引
っ張り力を生じるため、まくら木に圧縮力が働く。従っ
て、従来の突っ張り部材を用いてまくら木の移動を拘束
する場合と同方向にまくら木に圧縮力が加わるため、該
従来技術に用いるために用意した所定の圧縮強さを持つ
まくら木を、本発明の軌道の移動防止構造100におけ
るまくら木として利用することができる。
【0015】請求項3記載の発明は、例えば図1から図
3に示すように、請求項1記載の軌道の移動防止構造1
00において、前記まくら木21は前記レール23と直
交するようにして設けられ、前記まくら木21の一端部
と他端部とには、それぞれ取付冶具31が当接されてお
り、前記まくら木21の一端部に当接された一方の前記
取付冶具31と、前記まくら木21の他端部の外側に位
置する前記反力部材13とに、一方の前記引っ張り部材
32が取り付けられるとともに、前記まくら木21の他
端部に当接された他方の前記取付冶具31と、前記まく
ら木21の一端部の外側に位置する前記反力部材13と
に、他方の前記引っ張り部材32が取り付けられている
ことを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明によれば、レールの長
手方向と交差する方向にまくら木が移動しようとする
と、移動するべき方向の端部に当接された取付冶具がま
くら木に押圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張ら
れた引っ張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ
張り力を生じるため、該取付冶具の移動が拘束される。
従って,まくら木の移動が拘束され、軌道の移動が防止
される。
【0017】また、前記引っ張り部材は、前記まくら木
の端部に間接的に取り付けられているので、引っ張り部
材をまくら木に取り付ける際に、まくら木に貫通孔を穿
設するなどの、まくら木の強度を損なう施工を行う必要
がない。また、引っ張り部材をまくら木に取り付ける際
にまくら木の形状に変化が生じないため、道床周辺の工
事の時など、軌道が移動しやすい時に一時的に軌道の移
動防止構造を構築し、その後、元の軌道構造に戻すこと
が可能である。更に、まくら木が移動しようとする時に
は、移動するべき方向の端部の取付冶具とまくら木とが
当接部において互いに押圧し合うので、まくら木端部か
ら取り付け冶具が外れにくい。従って、まくら木端部に
取付冶具を強固に固定する必要がない。
【0018】請求項4記載の発明は、例えば図4に示す
ように、請求項1記載の軌道の移動防止構造101にお
いて、前記まくら木21は前記レール23と直交するよ
うにして設けられ、前記複数のまくら木21,…のそれ
ぞれの一端部には、前記レール23の長手方向に長尺な
一方の長尺取付冶具41が前記複数のまくら木21,…
を繋ぐようにして当接されており、前記複数のまくら木
21,…のそれぞれの他端部には、前記レール23の長
手方向に長尺な他方の長尺取付冶具41が前記複数のま
くら木21,…を繋ぐようにして当接されており、前記
一方の長尺取付冶具41と、前記まくら木21の前記他
端部の外側に位置する前記反力部材13とに、一方の前
記引っ張り部材32が取り付けられるとともに、前記他
方の長尺取付冶具41と、前記まくら木21の前記一端
部の外側に位置する前記反力部材13とに、他方の前記
引っ張り部材32が取り付けられていることを特徴とす
る。
【0019】請求項4記載の発明によれば、長尺取付冶
具に両端部が当接した何れのまくら木がレールと交差す
る方向へ移動しようとしても、移動するべき方向の端部
に当接された該長尺取付冶具が押圧されて引っ張り部材
を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部材で反
力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付
冶具の移動が拘束され、その結果、まくら木の移動が拘
束される。従って、2つの長尺取付冶具によって2つ以
上のまくら木の移動を拘束することができるため、各ま
くら木の端部に対して冶具を当接させる必要がなく、少
ない数の長尺取付冶具によって軌道の移動を防止するこ
とができる。また、引っ張り部材を所定の間隔で長尺取
付冶具に取り付けることができるため、まくら木の本数
よりも少ない数の引っ張り部材によって軌道の移動を防
止することが可能である。よって、軌道の移動を、施工
の手間をかけずに防止することができる。
【0020】請求項5記載の発明は、例えば図5に示す
ように、請求項1記載の軌道の移動防止構造102にお
いて、前記軌道40は複数設けられており、前記まくら
木21は前記レール23と直交するようにして設けられ
ており、各軌道40を構成する前記複数のまくら木2
1,…のそれぞれの一端部には、前記レール23の長手
方向に長尺な一方の長尺取付冶具41が前記複数のまく
ら木21,…を繋ぐようにして当接されており、前記複
数のまくら木21,…のそれぞれの他端部には、前記レ
ール23の長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具41が
前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接され
ており、前記反力部材13間には、前記引っ張り部材3
2が前記長尺取付冶具41を貫通するようにして配置さ
れて各反力部材13に取り付けられており、前記引っ張
り部材13の中途部は、前記長尺取付冶具41に固定さ
れていることを特徴とする。
【0021】請求項5記載の発明によれば、何れの軌道
のまくら木がレールと交差する方向へ移動しようとして
も、まくら木端部に当接した長尺取付冶具がまくら木に
押圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ
張り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を
生じるため、該長尺取付冶具の移動が拘束される。従っ
て、1つの引っ張り部材によって、レールの長手方向と
交差する方向への、何れの軌道を構成するまくら木の移
動も拘束することができる。よって、各軌道のまくら木
の端部に当接した長尺取付冶具に対してそれぞれ別個の
引っ張り部材を取り付ける必要がない分だけ、軌道の移
動防止構造を、施工の手間をかけずに構築できる。
【0022】請求項6記載の発明は、例えば図6に示す
ように、請求項1記載の軌道の移動防止構造103にお
いて、前記軌道40は複数設けられており、前記まくら
木21は前記レール23と直交するようにして設けられ
ており、各軌道40を構成する前記複数のまくら木2
1,…のそれぞれの一端部には、前記レール23の長手
方向に長尺な一方の長尺取付冶具41が前記複数のまく
ら木21,…を繋ぐようにして当接されており、前記複
数のまくら木21,…のそれぞれの他端部には、前記レ
ール23の長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具41が
前記複数のまくら木21,…を繋ぐようにして当接され
ており、一方の前記反力部材13とこれに隣り合う前記
長尺取付冶具41とに一方の前記引っ張り部材32が取
り付けられるとともに他方の前記反力部材13とこれに
隣り合う前記長尺取付冶具41とに他方の前記引っ張り
部材32が取り付けられており、前記レール23の長手
方向と直交する方向において互いに隣り合う別々の前記
長尺取付冶具41どうしが、連結部材44によって連結
されていることを特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明によれば、反力部材と
隣り合う長尺取付冶具が引っ張り部材を引っ張る方向へ
移動しようとすると、引っ張り部材が反力部材で反力を
とるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具
の移動が拘束される。また、移動が拘束された長尺取付
冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付冶具が
連結部材を引っ張る方向へ移動しようとすると、該他の
長尺取付冶具が連結部材を引っ張り、引っ張られた連結
部材が、移動を拘束された長尺取付冶具で反力をとると
ともに引っ張り力を生じるため、該他の長尺取付冶具の
移動が拘束される。よって、移動が拘束された長尺取付
冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付冶具
の、連結部材を引っ張る方向への移動が順次拘束される
ため、各長尺取付冶具の、レールの長手方向と交差する
方向への移動が拘束されることとなる。従って、長尺取
付冶具に当接しているまくら木の、レールの長手方向と
交差する方向への移動が拘束され、軌道の移動を防止す
ることができる。
【0024】また、引っ張り部材を配置するべき位置に
まくら木等の障害物が存在する等、反力部材間に延在さ
せて引っ張り部材を取り付けることができない場合であ
っても、引っ張り部材と連結部材とを組み合わせること
により、軌道の移動を防止することができる。
【0025】請求項7記載の発明は、例えば図1から図
6に示すように、請求項1〜6の何れかに記載の軌道の
移動防止構造100において、前記道床10を支持する
地盤50を更に備え、前記反力部材13は、前記地盤5
0の土留め壁13であることを特徴とする。
【0026】請求項7記載の発明によれば、地盤内にト
ンネルを設けるなど、道床周辺を工事する場合、土留め
壁を反力部材として用いることによって、まくら木の移
動を拘束し、軌道の移動を防止することができる。
【0027】請求項8記載の発明は、例えば図7に示す
ように、請求項1〜6の何れかに記載の軌道の移動防止
構造104において、前記反力部材13は前記道床10
または前記道床10近傍に固定された杭14であること
を特徴とする。
【0028】請求項8記載の発明によれば、杭という単
純な形状の反力部材を用いることによって、請求項1か
ら6記載の発明の効果を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を参照して本発
明を適用した軌道の移動防止構造について詳細に説明す
る。 〔第一の実施の形態〕図1は、本発明を適用した軌道の
移動防止構造100の斜視図である。また、図2は本発
明を適用した軌道の移動防止構造100の縦断面図であ
る。
【0030】軌道の移動防止構造100は、図1および
図2に示すように、地盤50と、地盤を施工した基面1
1上に敷設された道床10と、まくら木21,…および
レール23,23等を備えた軌道40と、まくら木21
の先端面に当接した取付冶具31,…と、道床10の側
面の崩壊を防ぐ土留め壁13,13と、引っ張り力でま
くら木21の移動を拘束する複数の引っ張り部材32,
…等とを主に備える。
【0031】地盤50には、下部にトンネルを構築する
ため、レール23の長手方向(以下、X方向とする)お
よび鉛直方向(以下Z方向とする)に延在する土留め壁
13が固設されている。土留め壁13は、鋼製であると
ともに平面視略コの字状でZ方向に延在する形状の鋼製
の矢板を互いに噛み合わせてX方向に連続させたもので
あり、凹凸部分を備えるとともにXZ方向に延在する板
状に形成されている。土留め壁13は、道床の上面にお
いて軌道40を離間して挟む位置で地盤50に固設され
ている。
【0032】土留め壁13の側面の上端部には、X方向
に延在した鋼製のH形鋼38,38が上下に配置されて
固設されている。H形鋼38,38に挟まれた土留め壁
13の側面には、引っ張り部材32を挿通させるための
挿通孔が穿設されている。
【0033】道床10は、地盤50を施工した基面11
上に砂利やバラスト(砕石)等を敷設することで、上下
面がほぼ水平であるとともにX方向に延在する両側面が
下方に向かってテーパー状に広がる縦断面視略台形状に
形成されている。
【0034】軌道40は、道床10の上に平行に設けら
れたまくら木21,…と、これらまくら木21,…に締結
され、列車又は車両の重量を支えるとともに車両の走行
に対して平滑な走行面を与える1対の平行なレール2
3,23等とを備えている。レール23は、鋼製で、断
面視略H形のものであり、まくら木21,…の上面にお
いてX方向に2本平行に載置され、図示しない犬くぎに
よってまくら木21,…に締結されている。また、2本
のレール23,23は、図中右奥行き側および左手前側
において、それぞれ図示しないレールと溶接されてい
る。
【0035】まくら木21は、コンクリート製であり、
直方体の形状に形成されている。また、複数のまくら木
21,…は、基面11において所定の間隔をおいてX方
向に配列されており、各まくら木21はXおよびZ方向
と直交する方向(以下,Y方向とする)と平行に配置さ
れている。各まくら木21の両端部には、それぞれ取付
冶具31,31が当接されている。
【0036】取付冶具31は、鋼製であり、縦断面視略
コの字型に形成され、凹部を外側に向けた状態でまくら
木21先端面と当接している。取付冶具31の凹部の底
部分には貫通孔が設けられており、後述のように、該貫
通孔に引っ張り部材32が挿通されるとともに取り付け
られている。
【0037】引っ張り部材32は、鋼線(例えばPC鋼
線)であり、先端部外周面に図示しないねじ山を備えて
いる。引っ張り部材32の一端部は、まくら木21の一
端部の取付冶具31に設けられた貫通孔から反まくら木
側に向かって突出している。
【0038】そして、引っ張り部材32の一端部は、こ
の一端部にワッシャ―39を外挿した上で、第一ナット
33を引っ張り部材32のねじ山に螺合させて締め付け
ることで取付冶具31の凹部底面にワッシャ―39を介
して当接させることで、取付冶具31に取り付けられて
いる。
【0039】また、引っ張り部材32の他端部は、まく
ら木21の他端部の外側に位置する土留め壁13に設け
られた挿通孔および2つのH形鋼38,38の間から、
反まくら木側に向かって突出している。
【0040】そして、引っ張り部材32の他端部は、こ
の他端部にワッシャ―39を外挿した上で、第2ナット
36を引っ張り部材32のねじ山に螺合させて締め付け
ることでH形鋼の反まくら木側の側面にワッシャ―35
を介して当接させることで、土留め壁13に取り付けら
れている。
【0041】また、まくら木21の他端部の取付冶具3
1と、まくら木21の一端部の外側に位置する土留め壁
13とへの引っ張り部材32の取り付けも、同様になさ
れている。更に、引っ張り部材32は、他のまくら木2
1の一端部の取付冶具31と、他端部の外側の土留め壁
13とに同様に取り付けられている。
【0042】上記のような取付冶具31および土留め壁
13への引っ張り部材32の取り付けは、レール23と
交差する方向へまくら木21が移動しようとするとまく
ら木21が引っ張り部材32を引っ張り、引っ張られた
引っ張り部材32が土留め壁13で反力をとるとともに
引っ張り力を生じる程度の張力、つまり、引っ張り部材
32にたるみが生じない程度の張力でなされている。
【0043】次に、上記のように構築された軌道の移動
防止構造100がレール23の移動を防止する仕組みを
説明する。まず、まくら木21がY方向に移動しようと
すると、移動するべき方向のまくら木21先端面に当接
された取付冶具31がまくら木21に押圧されて引っ張
り部材32をY方向に引っ張る。次に、Y方向に引っ張
られた引っ張り部材32が、地盤50に固設された、Y
方向と逆方向側の土留め壁13で反力をとるとともに引
っ張り力を生じるため、取付冶具31の移動が拘束され
る。従って、まくら木21のY方向への移動が拘束さ
れ、軌道40の移動が防止されるのである。
【0044】上記軌道の移動防止構造100によれば、
レール23と交差する方向へまくら木21が移動しよう
とすると、移動するべき方向の先端面に当接された取付
冶具31がまくら木21に押圧されるとともに引っ張り
部材32を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材32が
土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を生じる
ため、該取付冶具31の移動が拘束される。従って,ま
くら木21の移動が拘束され、軌道40の移動が防止さ
れる。
【0045】また、従来の突っ張り部材のようにその座
屈や変形を防止するために径を太くする必要がなく、よ
って、引っ張り部材32の断面積を小さくでき、この結
果、軌道の移動防止構造100の小型化を図ることがで
きる。
【0046】また、レール23の長手方向と交差する方
向にまくら木21が移動しようとすると、移動するべき
方向のまくら木21の端部に当接された取付冶具31が
まくら木21に押圧されて引っ張り部材32を引っ張
り、引っ張られた引っ張り部材32が土留め壁13で反
力をとるとともに引っ張り力を生じるため、まくら木2
1に圧縮力が働く。従って、従来の突っ張り部材を用い
てまくら木21の移動を拘束する場合と同方向にまくら
木21に圧縮力が加わるため、該従来技術に用いるため
に用意した所定の圧縮強さを持つまくら木21を、本発
明の軌道の移動防止構造100におけるまくら木21と
して利用することができる。また、まくら木21はコン
クリート製であるので、圧縮強さに優れている。従っ
て、まくら木21の移動が拘束される際に、まくら木2
1に破損が生じにくい。
【0047】また、引っ張り部材32は、まくら木21
の端部に間接的に取り付けられているので、引っ張り部
材32をまくら木21端部に取り付ける際に、まくら木
21に貫通孔を穿設するなどの、まくら木21の強度を
損なう施工を行う必要がない。また、引っ張り部材32
をまくら木21端部に取り付ける際にまくら木21の形
状に変化が生じないため、道床10周辺の工事の時な
ど、軌道40が移動しやすい時に一時的に軌道の移動防
止構造100を構築し、その後、元の構造に戻すことが
可能である。更に、まくら木21が移動しようとする時
には、移動するべき方向の端部の取付冶具31とまくら
木21とが当接部において互いに押圧し合うので、まく
ら木21端部から取付冶具31が外れにくい。従って、
まくら木21端部に取付冶具31を強固に固定する必要
がない。
【0048】また、地盤50内にトンネルを設けるな
ど、道床10周辺を工事する場合に設けられた土留め壁
13を用い、反力をとることによって、まくら木21の
移動を拘束し、軌道40の移動を防止することができ
る。
【0049】〔第一の実施の形態の変形例〕次に、図3
を参照し、上記軌道の移動防止構造100における引っ
張り部材32の取り付け部分の変形例について説明す
る。なお、上記第一の実施の形態と同様の構成要素には
同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】取付冶具31Aは、鋼製であり、図3
(a)に示すように、まくら木21の先端面との当接面
に凹部を備えた箱状に形成されている。取付冶具31A
の凹部はまくら木21の先端部と嵌合し、凹部の底面、
すなわち、まくら木21の先端面と対向する面は該先端
面に当接する。取付冶具31Aには、まくら木21先端
面との当接部より下部に引っ張り部材32が取り付けら
れている。
【0051】上記のような取付冶具31Aによれば、ま
くら木21の先端部と取付冶具31の凹部とが嵌合して
いるので、まくら木21が移動しようとする時にも、ま
くら木21の端部から取付冶具31Aが外れにくい。
【0052】図3(b)は、取付冶具31Bを用いて引
っ張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。取
付冶具31Bは、鋼製であり、縦断面視略L字状の形状
に形成されている。取付冶具31Bの該L字内側の面
は、まくら木21の上面の端部および先端面と当接す
る。
【0053】また、取付冶具31Bには、まくら木21
先端面との当接部より下部に引っ張り部材32が取り付
けられている。上記のような取付冶具31Bによれば、
まくら木21が移動しようとする時には、まくら木21
上面との当接部分がまくら木21の端部に取付冶具31
Bを留める働きをする。従って、取付冶具31Bは、ま
くら木21の端部から外れにくい。
【0054】図3(c)は、取付冶具31Cを用いて引
っ張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。取
付冶具31Cは、鋼製であり、縦断面視略コの字状の形
状に形成されている。取付冶具31Cの該コの字内側の
面は、まくら木21の上面および下面の端部ならびに先
端面と当接する。
【0055】また、取付冶具31Cには、まくら木21
先端面との当接部より下部に引っ張り部材32が取り付
けられている。上記のような取付冶具31Cによれば、
まくら木21が移動しようとする時には、まくら木21
上下面との当接部分がまくら木21の端部に取付冶具3
1Cを留める働きをする。従って、取付冶具31Cは、
まくら木21の端部から外れにくい。
【0056】図3(d)は、取付冶具31Dを用いて引
っ張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。取
付冶具31Dは、鋼製であり、縦断面視略コの字状の形
状に形成されている。取付冶具31Dの該コの字内側の
面は、まくら木21の上面および両側面の一部に当接
し、取付冶具31Dの図中左側の側面は、レール23の
図中右側の側面に当接している。
【0057】また、取付冶具31Dには、まくら木21
先端面との当接部より図中手前側の部分に引っ張り部材
32が取り付けられている。上記のような取付冶具31
Dによれば、まくら木21が移動しようとする時には、
取付冶具31Dがレール23に当接しているのでまくら
木21の端部に取付冶具31Dが留められる。従って、
取付冶具31Dは、まくら木21の端部から外れにく
い。
【0058】以上のような取付冶具31A,B,Cおよ
びDによっても、上記第一の実施の形態における取付冶
具31と同様にまくら木21の移動が拘束されるため、
軌道40の移動を防止することができる。
【0059】図3(e)は、引っ張り部材32を直接ま
くら木21端部に取り付けた例を示す斜視図である。こ
の場合、上述したような取付冶具31A〜31Dが不要
であるという利点がある。
【0060】図3(f)は、まくら木21の両端部にそ
れぞれ当接された取付冶具31C,31Cに一本の引っ
張り部材32を取り付けた例を示す斜視図である。2つ
の取付冶具31C,31Cのまくら木21先端面との当
接部より下部には、同一の引っ張り部材32が貫通する
とともに貫通部分において取付冶具31C,31Cにそ
れぞれ取り付けられている。また、引っ張り部材32の
図示しない両端部は、土留め壁13,13に固定されて
いる。
【0061】上記引っ張り部材32の取り付け方によれ
ば、例えば、まくら木21が図中右方向に移動しようと
すると、まず、まくら木21の先端面によって右側の取
付冶具31Cが右方向に押圧されて引っ張り部材32を
右方向に引っ張る。次に、右方向に引っ張られた引っ張
り部材32が図示しない左側の土留め壁13で反力をと
るとともに引っ張り力を生じるため、該右側の取付冶具
31の移動が拘束される。従って、まくら木21の右方
向への移動が拘束される。
【0062】また、まくら木21が図中左方向に移動し
ようとしても、同様に、引っ張り部材32が図示しない
右側の土留め壁13で反力をとるとともに引っ張り力を
生じるにより、まくら木21の移動が拘束される。従っ
て、一本の引っ張り部材32によって、図において左右
何れの方向に向かってまくら木21が移動しようとして
も、まくら木21の移動を拘束し、軌道40の移動を防
止することができる。よって、複数の引っ張り部材32
を取り付ける必要がない分だけ、施工の手間をかけずに
軌道40の移動を防止することができる。
【0063】〔第二の実施の形態〕次に、本発明を適用
した第二の実施の形態を、図4を参照して説明する。図
4は、本発明を適用した軌道の移動防止構造101の斜
視図である。なお、上記第一の実施の形態と同様の構成
要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0064】軌道の移動防止構造101は、図4に示す
ように、上記取付冶具31の代わりに、複数のまくら木
21,…の先端面に当接する長尺取付冶具41を備える
等の点で上記軌道の移動防止構造100と異なる。以
下、主にこの点について、詳しく説明する。
【0065】長尺取付冶具41は、鋼製であり、X方向
に延在するとともに断面視略コの字状に形成され、凹部
を外側に向けた状態で複数のまくら木21,…の先端面
と当接している。長尺取付冶具41の鉛直方向における
中央部付近には、引っ張り部材32を挿通させるための
貫通孔が、所定の間隔ごとに設けられている。
【0066】引っ張り部材32の一端部は、まくら木2
1の先端部の長尺取付冶具41に設けられた貫通孔から
反まくら木側に向かって突出している。そして、引っ張
り部材32の一端部は、この一端部にワッシャ―39を
外挿した上で、第1ナット33を引っ張り部材32のね
じ山に螺合させて締め付けることで長尺取付冶具41の
凹部底面にワッシャ―39を介して当接させることで長
尺取付冶具41に取り付けられている。
【0067】引っ張り部材32他端部の土留め壁13へ
の取り付けは、上記第一の実施の形態における引っ張り
部材32の土留め壁13への取り付けと同様である。ま
た、上記のような長尺取付冶具41および土留め壁13
への引っ張り部材32の取り付けは、所定の間隔をあけ
てなされている。
【0068】上記のように長尺取付冶具41および土留
め壁13に取り付けられた引っ張り部材32の中途部
は、まくら木21の該他端面に当接された長尺取付冶具
41の貫通孔を貫通している。
【0069】上記軌道の移動防止構造101によれば、
長尺取付冶具41に両端部が当接した何れのまくら木2
1がレール23と交差する方向へ移動しようとしても、
移動するべき方向の端部に当接された該長尺取付冶具4
1が押圧されて引っ張り部材32を引っ張り、引っ張ら
れた引っ張り部材32が土留め壁13で反力をとるとと
もに引っ張り力を生じるため、該長尺取付冶具41の移
動が拘束され、その結果、まくら木21の移動が拘束さ
れる。従って、2つの長尺取付冶具41,41によって
2つ以上のまくら木21,…の移動を拘束することがで
きるため、各まくら木21の端部に対して冶具を当接さ
せる必要がなく、少ない数の長尺取付冶具41によって
軌道40の移動を防止することができる。また、引っ張
り部材32を所定の間隔で長尺取付冶具41に取り付け
ることができるため、まくら木21の本数よりも少ない
数の引っ張り部材32によって軌道40の移動を防止す
ることが可能である。よって、軌道40の移動を、施工
の手間をかけずに防止することができる。
【0070】〔第三の実施の形態〕次に、上記第三の実
施の形態を、図5を参照して説明する。なお、上記第一
および第二の実施の形態と同様の構成要素には同一の符
号を付し、その説明を省略する。図5(a)は、第三の
実施の形態の軌道の移動防止構造102の平面図であ
り、図5(b)は、軌道の移動防止構造102の縦断面
図である。
【0071】軌道の移動防止構造102は、図5に示す
ように、平行に設けられた2つの軌道40,40を備え
る等の点で上記第二の実施の形態における軌道の移動防
止構造101と異なる。以下、主にこれらの点について
詳しく説明する。
【0072】図5において、長尺取付冶具41,…は、
図中左側および右側に配列されたまくら木21,…の左
右両先端面にそれぞれ当接されている。また、土留め壁
13,13は、2つの軌道40,40を離間して挟むよ
うに地盤50に固設されている。
【0073】本変形例における引っ張り部材32A,…
は、中途部の外周面にもねじ山を備え、まくら木21の
両先端部の外側に位置する土留め壁13,13間に所定
の間隔ごとに配置されている。引っ張り部材32Aの両
先端部は、各土留め壁13,13に取り付けられてい
る。また、引っ張り部材32の中途部は、まくら木21
の両先端面に当接した2つの長尺取付冶具41,41の
貫通孔を貫通しており、貫通部分において長尺取付冶具
41,41に取り付けられている。引っ張り部材32A
の中途部の長尺取付冶具41への取り付けは、第一ナッ
ト33を外周面のねじ山に螺合させて締め付けることで
長尺取付冶具41の凹部底面に当接させることでなされ
ており、これにより、長尺取付冶具41はまくら木21
先端面に当接されている。
【0074】上記のような軌道の移動防止構造102に
よれば、例えば、図5中において右方向へまくら木21
が移動しようとすると、まず、まくら木21の端部と当
接している長尺取付冶具41,41のうち右側の長尺取
付冶具41がまくら木21に押圧されて引っ張り部材3
2Aを右方向に引っ張る。次に、引っ張られた引っ張り
部材32Aが左側の土留め壁13で反力をとるとともに
引っ張り力を生じるため、該右側の長尺取付冶具41の
移動が拘束され、その結果まくら木21の移動が拘束さ
れる。
【0075】また、図中において左方向へまくら木21
がしようとする時も、同様にまくら木21の移動が拘束
される。従って、1つの引っ張り部材32Aによって、
左右何れの方向への何れの列に配置されたまくら木21
の移動も拘束することができる。よって、各列のまくら
木21の端部に当接した長尺取付冶具41に対してそれ
ぞれ別個の引っ張り部材32Aを取り付ける必要がない
分だけ、施工の手間をかけず軌道40の移動が防止でき
る。
【0076】〔第四の実施の形態〕次に、図6を参照
し、第四の実施の形態における軌道の移動防止構造10
3について説明する。なお、上記第一および第二の実施
の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説
明を省略する。図6(a)は、軌道の移動防止構造10
3の平面図であり、図6(b)は、軌道の移動防止構造
103の縦断面図である。
【0077】軌道の移動防止構造103は、図6に示す
ように、レール23の長手方向と直交する方向において
隣り合う他の長尺取付冶具41どうしを連結する連結部
材44を更に備える等の点で、上記軌道の移動防止構造
102と異なる。以下、主にこの点について詳しく説明
する。
【0078】軌道の移動防止構造103においては、引
っ張り部材32の一端部は、第二ナット36を引っ張り
部材32外周面のねじ山に螺合させて締め付けることで
H形鋼38に当接させることにより土留め壁13に取り
付けられている。また、引っ張り部材32の他端部は、
引っ張り部材32の一端部が取り付けられた土留め壁1
3と隣り合う長尺取付冶具41に、第一ナット33を外
周面のねじ山に螺合させて該長尺取付冶具41に当接さ
せることにより取り付けられている。引っ張り部材32
は、上記のように土留め壁13および長尺取付冶具41
に所定の間隔をあけて取り付けられている。
【0079】連結部材44は、鋼線(例えばPC鋼線)
であり、先端部外周面に図示しないねじ山を備えてい
る。連結部材44の一端部は、1つの長尺取付冶具41
に設けられた貫通孔から突出している。そして、引っ張
り部材32の一端部は、この一端部に第一ナット33を
連結部材44のねじ山に螺合させて締め付けることで長
尺取付冶具41に隣接させることで前記1つの長尺取付
冶具41に取り付けられている。連結部材44の他端部
は、レール23の長手方向と直交する方向において前記
1つの長尺取付冶具41と隣り合う他の長尺取付冶具4
1に、同様に取り付けられている。連結部材44は、上
記のように1つの長尺取付冶具41と、レール23の長
手方向と直交する方向において前記1つの長尺取付冶具
41と隣り合う他の長尺取付冶具41とに、所定の間隔
をあけて取り付けられている。
【0080】上記軌道の移動防止構造103において
は、土留め壁13と隣り合う長尺取付冶具41が引っ張
り部材32を引っ張る方向へ移動しようとすると、引っ
張り部材32が土留め壁13で反力をとるとともに引っ
張り力を生じるため、長尺取付冶具41の移動が拘束さ
れる。更に、移動が拘束された長尺取付冶具41と連結
部材44によって連結された他の長尺取付冶具41が連
結部材44を引っ張る方向へ移動しようとすると、該他
の長尺取付冶具41が連結部材44を引っ張り、引っ張
られた連結部材44が移動を拘束された長尺取付冶具4
1で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該他
の長尺取付冶具41の移動が拘束される。よって、移動
が拘束された長尺取付冶具41と連結部材44によって
連結された他の長尺取付冶具41の、連結部材44を引
っ張る方向への移動が順次拘束されるため、各長尺取付
冶具41の、レール23の長手方向と交差する方向への
移動が拘束されることとなる。従って、長尺取付冶具4
1に当接しているまくら木21の、レール23と交差す
る方向への移動が拘束され、軌道40の移動を防止する
ことができる。
【0081】また、引っ張り部材32を配置するべき位
置にまくら木21等の障害物が存在する等、土留め壁1
3間に延在させて引っ張り部材32を取り付けることが
できない場合であっても、引っ張り部材32と連結部材
44とを組み合わせることにより、軌道40の移動を防
止することができる。
【0082】〔第五の実施の形態〕次に、本発明を適用
した第五の実施の形態を、図7を参照して説明する。図
7は、本発明を適用した軌道の移動防止構造104の斜
視図である。軌道の移動防止構造104は、土留め壁1
3の代わりに杭14を備え、引っ張り部材32が土留め
壁13の代わりに杭14に取り付けられている等の点で
上記軌道の移動防止構造100,101,102および
103と異なる。以下、主にこの点について詳しく説明
する。なお、上記第一の実施の形態と同様の構成要素に
は同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0083】杭14は、鉄筋コンクリートによって円筒
状の形状に形成されており、地盤50に固設されてい
る。また、杭14には、貫通孔が貫通して設けられ、貫
通孔には前記第一の実施の形態と同様に引っ張り部材3
2が取り付けられている。以上のような軌道の移動防止
構造104によれば、単純な形状の杭14を用い、反力
をとることによって、軌道40の移動が防止できる。
【0084】尚、上記実施の形態および実施の形態の変
形例においては、レール23は、まくら木21に犬くぎ
を用いて締結されているとして説明したが、レール23
をまくら木21に締結するものであれば犬くぎに限ら
ず、タイプレートや板ばね、線ばね等で締結されていて
もよい。
【0085】また、取付冶具31および長尺取付冶具4
1は、鋼製であるとして説明したが、まくら木21先端
面に当接し、まくら木21が移動しようとする時にまく
ら木21先端面によって押されるとともに引っ張り部材
32、引っ張り部材32または連結部材44を引っ張る
ものであれば鋼製に限らず、他の金属製、木製または樹
脂製であってもよい。さらに、取付字具31および長尺
取付字具41は、他の形状のものであっても良い。
【0086】また、引っ張り部材32、引っ張り部材3
2および連結部材44は、PC鋼線などの鋼線であると
して説明したが、他の材料によるものであっても良い
し、また、他の形状のものであっても良い。
【0087】また、土留め壁13を構成する矢板を鋼製
の矢板であるとして説明したが、板状の杭であって、互
いに隙間無く打ち込まれて連続した壁面をつくるもので
あれば、鋼製の矢板に限らず、木製やコンクリート製、
鉄筋コンクリート製、プレストレストコンクリート製等
の矢板であってもよい。また、杭14は鉄筋コンクリー
ト製であるとして説明したが、鉄鋼製、木製であっても
よい。
【0088】また、軌道の移動防止構造100、10
1、102、103および104は、主にレール23の
長手方向と交差する水平方向へのまくら木21の移動を
拘束するものとして説明したが、引っ張り部材32また
は連結部材44をレール23長手方向に垂直な平面内に
おいて斜めに取り付けることによって、鉛直方向へのま
くら木21の移動を拘束するものとしても良い。更に、
軌道の移動防止構造102および103は、2つの軌道
40,40を備えるものとして説明したが、2つ以上の
軌道40,…を備えるものであってもよい。
【0089】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、レールと
交差する方向へまくら木が移動しようとすると、まくら
木が引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部
材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じる
ため、まくら木の移動が拘束される。従って、軌道の移
動が防止される。また、従来の突っ張り部材のようにそ
の座屈や変形を防止するために径を太くする必要がな
く、よって、引っ張り部材の断面積を小さくでき、この
結果、軌道の移動防止構造の小型化を図ることができ
る。
【0090】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、レー
ルの長手方向と交差する方向にまくら木が移動しようと
すると、まくら木の端部が引っ張り部材を引っ張り、引
っ張られた引っ張り部材が反力部材で反力をとるととも
に引っ張り力を生じるため、まくら木に圧縮力が働く。
従って、従来の突っ張り部材を用いてまくら木の移動を
拘束する場合と同方向にまくら木に圧縮力が加わるた
め、該従来技術に用いるために用意した所定の圧縮強さ
を持つまくら木を、本発明の軌道の移動防止構造におけ
るまくら木として利用することができる。
【0091】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、レー
ルの長手方向にまくら木が移動しようとすると、移動す
るべき方向の端部に当接された取付冶具がまくら木に押
圧されて引っ張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張
り部材が反力部材で反力をとるとともに引っ張り力を生
じるため、該取付冶具の移動が拘束される。従って,ま
くら木の移動が拘束され、軌道の移動が防止される。ま
た、引っ張り部材をまくら木端部に取り付ける際に、ま
くら木に貫通孔を穿設するなどの、まくら木の強度を損
なう施工を行う必要がない。更に、引っ張り部材をまく
ら木端部に取り付ける際にまくら木の形状に変化が生じ
ないため、道床周辺の工事の時など、軌道が移動しやす
い時に一時的に軌道の移動防止構造を構築し、その後、
元の軌道構造に戻すことが可能である。更に、まくら木
が移動しようとする時には、移動するべき方向の端部の
取付冶具とまくら木とが当接部において互いに押圧し合
うので、まくら木端部から取り付け冶具が外れにくい。
従って、まくら木端部に取付冶具を強固に固定する必要
がない。
【0092】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、長尺
取付冶具に両端部が当接した何れのまくら木がレールと
交差する方向へ移動しようとしても、移動するべき方向
の端部に当接された該長尺取付冶具が押圧されて引っ張
り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力部
材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長
尺取付冶具の移動が拘束され、その結果、まくら木の移
動が拘束される。従って、2つの長尺取付冶具によって
2つ以上のまくら木の移動を拘束することができるた
め、各まくら木の端部に対して冶具を当接させる必要が
なく、少ない数の長尺取付冶具によって軌道の移動を防
止することができる。また、引っ張り部材を所定の間隔
で長尺取付冶具に取り付けることができるため、まくら
木の本数よりも少ない数の引っ張り部材によって軌道の
移動を防止することが可能である。よって、軌道の移動
を、施工の手間をかけずに防止することができる。
【0093】請求項5記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、何れ
の軌道のまくら木がレールと交差する方向へ移動しよう
としても、まくら木端部に当接した長尺取付冶具が引っ
張り部材を引っ張り、引っ張られた引っ張り部材が反力
部材で反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該
長尺取付冶具の移動が拘束される。従って、1つの引っ
張り部材によって、レールの長手方向と交差する方向へ
の、何れの軌道を構成するまくら木の移動も拘束するこ
とができる。よって、各列のまくら木の端部に当接した
長尺取付冶具に対してそれぞれ別個の引っ張り部材を取
り付ける必要がない分だけ、軌道の移動防止構造を、施
工の手間をかけずに構築できる。
【0094】請求項6記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、反力
部材と隣り合う長尺取付冶具が引っ張り部材を引っ張る
方向へ移動しようとすると、引っ張り部材が反力部材で
反力をとるとともに引っ張り力を生じるため、該長尺取
付冶具の移動が拘束される。また、移動が拘束された長
尺取付冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付
冶具が連結部材を引っ張る方向へ移動しようとすると、
該他の長尺取付冶具が連結部材を引っ張り、引っ張られ
た連結部材が、移動を拘束された長尺取付冶具で反力を
とるとともに引っ張り力を生じるため、該他の長尺取付
冶具の移動が拘束される。よって、移動が拘束された長
尺取付冶具と連結部材によって連結された他の長尺取付
冶具の、連結部材を引っ張る方向への移動が順次拘束さ
れるため、各長尺取付冶具の、レールの長手方向と交差
する方向への移動が拘束されることとなる。従って、長
尺取付冶具に当接しているまくら木の、レールの長手方
向と交差する方向への移動が拘束され、軌道の移動を防
止することができる。また、引っ張り部材を配置するべ
き位置にまくら木等の障害物が存在する等、反力部材間
に延在させて引っ張り部材を取り付けることができない
場合であっても、引っ張り部材と連結部材とを組み合わ
せることにより、軌道の移動を防止することができる。
【0095】請求項7記載の発明によれば、請求項1〜
6の何れかに記載の発明と同様の効果が得られるのは勿
論のこと、地盤内にトンネルを設けるなど、道床周辺を
工事する場合、土留め壁を反力部材として用いることに
よって、まくら木の移動を拘束し、軌道の移動を防止す
ることができる。
【0096】請求項8記載の発明によれば、杭という単
純な形状の反力部材を用いることによって、請求項1か
ら6記載の発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軌道の移動防止構造の第一の実施
の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る軌道の移動防止構造の第一の実施
の形態の縦断面図である。
【図3】本発明に係る軌道の移動防止構造における引っ
張り部材の取り付け部分の変形例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る軌道の移動防止構造の第二の実施
の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る軌道の移動防止構造の第三の実施
の形態を示す図であり、(a)は、軌道の移動防止構造
の平面図であり、(b)は、軌道の移動防止構造の縦断
面図である。
【図6】本発明に係る軌道の移動防止構造の第四の実施
の形態を示す図であり、(a)は、軌道の移動防止構造
の平面図であり、(b)は、軌道の移動防止構造の縦断
面図である。
【図7】本発明に係る軌道の移動防止構造の第5の実施
の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 道床 13 土留め壁(反力部材) 14 杭(反力部材) 21 まくら木 23 レール 31 取付冶具 32 引っ張り部材 40 軌道 41 長尺取付冶具 44 連結部材 50 地盤 100 軌道の移動防止構造 101 軌道の移動防止構造 102 軌道の移動防止構造 103 軌道の移動防止構造 104 軌道の移動防止構造
フロントページの続き (72)発明者 古山 章一 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 佐藤 豊 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 初貝 隆一 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道床上に平行に設けられた複数のまくら
    木と、これらまくら木に締結された複数の平行なレール
    とを備えた軌道が、前記レールと交差する方向へ移動す
    るのを防止する軌道の移動防止構造であって、 前記道床または前記道床の近傍には、一対の反力部材が
    前記軌道を離間して挟む位置で固定され、 前記反力部材に取り付けられるとともに前記レールと交
    差する方向への前記まくら木の移動を前記反力部材で反
    力をとって引っ張り力で拘束する引っ張り部材が、前記
    まくら木に直接または間接的に取り付けられていること
    を特徴とする軌道の移動防止構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軌道の移動防止構造にお
    いて、 前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けら
    れ、 前記まくら木の一端部と、該まくら木の他端部の外側に
    位置する前記反力部材とに、一方の前記引っ張り部材が
    取り付けられているとともに、 前記まくら木の他端部と、該まくら木の一端部の外側に
    位置する前記反力部材とに、他方の前記引っ張り部材が
    取り付けられていることを特徴とする軌道の移動防止構
    造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軌道の移動防止構造にお
    いて、 前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けら
    れ、 前記まくら木の一端部と他端部とには、それぞれ取付冶
    具が当接されており、 前記まくら木の一端部に当接された一方の前記取付冶具
    と、前記まくら木の他端部の外側に位置する前記反力部
    材とに、一方の前記引っ張り部材が取り付けられるとと
    もに、 前記まくら木の他端部に当接された他方の前記取付冶具
    と、前記まくら木の一端部の外側に位置する前記反力部
    材とに、他方の前記引っ張り部材が取り付けられている
    ことを特徴とする軌道の移動防止構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の軌道の移動防止構造にお
    いて、 前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けら
    れ、 前記複数のまくら木のそれぞれの一端部には、前記レー
    ルの長手方向に長尺な一方の長尺取付冶具が前記複数の
    まくら木を繋ぐようにして当接されており、 前記複数のまくら木のそれぞれの他端部には、前記レー
    ルの長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具が前記複数の
    まくら木を繋ぐようにして当接されており、 前記一方の長尺取付冶具と、前記まくら木の前記他端部
    の外側に位置する前記反力部材とに、一方の前記引っ張
    り部材が取り付けられるとともに、 前記他方の長尺取付冶具と、前記まくら木の前記一端部
    の外側に位置する前記反力部材とに、他方の前記引っ張
    り部材が取り付けられていることを特徴とする軌道の移
    動防止構造。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の軌道の移動防止構造にお
    いて、 前記軌道は複数設けられており、 前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けら
    れており、 各軌道を構成する前記複数のまくら木のそれぞれの一端
    部には、前記レールの長手方向に長尺な一方の長尺取付
    冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されて
    おり、 前記複数のまくら木のそれぞれの他端部には、前記レー
    ルの長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具が前記複数の
    まくら木を繋ぐようにして当接されており、 前記反力部材間には、前記引っ張り部材が前記長尺取付
    冶具を貫通するようにして配置されて各反力部材に取り
    付けられており、 前記引っ張り部材の中途部は、前記長尺取付冶具に固定
    されていることを特徴とする軌道の移動防止構造。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の軌道の移動防止構造にお
    いて、 前記軌道は複数設けられており、 前記まくら木は前記レールと直交するようにして設けら
    れており、 各軌道を構成する前記複数のまくら木のそれぞれの一端
    部には、前記レールの長手方向に長尺な一方の長尺取付
    冶具が前記複数のまくら木を繋ぐようにして当接されて
    おり、 前記複数のまくら木のそれぞれの他端部には、前記レー
    ルの長手方向に長尺な他方の長尺取付冶具が前記複数の
    まくら木を繋ぐようにして当接されており、 一方の前記反力部材と、これに隣り合う前記長尺取付冶
    具とに、一方の前記引っ張り部材が取り付けられるとと
    もに、 他方の前記反力部材と、これに隣り合う前記長尺取付冶
    具とに、他方の前記引っ張り部材が取り付けられてお
    り、 前記レールの長手方向と直交する方向において互いに隣
    り合う別々の前記長尺取付冶具どうしが、連結部材によ
    って連結されていることを特徴とする軌道の移動防止構
    造。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の軌道の
    移動防止構造において、 前記道床を支持する地盤を更に備え、 前記反力部材は、前記地盤の土留め壁であることを特徴
    とする軌道の移動防止構造。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の軌道の
    移動防止構造において、 前記反力部材は前記道床または前記道床の近傍に固定さ
    れた杭であることを特徴とする軌道の移動防止構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4973105U (ja) * 1972-10-12 1974-06-25
JPH04119802U (ja) * 1991-04-09 1992-10-27 財団法人鉄道総合技術研究所 レール横圧補強支持装置

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