JP2003252821A - シクロドデカノンを製造する方法 - Google Patents
シクロドデカノンを製造する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 原料エポキシシクロドデカンから、高純度の
シクロドデカノンを製造する方法の提供。 【解決手段】 エポキシシクロドデカンを、ハロゲン化
アルカリ金属塩触媒の存在下に異性化してシクロドデカ
ノンを製造するに際し、原料エポキシシクロドデカンに
不純物として含まれるジエポキシ化合物の含有量を、原
料エポキシシクロドデカンの質量に対して、0.5質量
%以下にコントロールする。
シクロドデカノンを製造する方法の提供。 【解決手段】 エポキシシクロドデカンを、ハロゲン化
アルカリ金属塩触媒の存在下に異性化してシクロドデカ
ノンを製造するに際し、原料エポキシシクロドデカンに
不純物として含まれるジエポキシ化合物の含有量を、原
料エポキシシクロドデカンの質量に対して、0.5質量
%以下にコントロールする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化アルカリ
金属塩(アルカリ金属ハロゲン化物)の存在下にエポキ
シシクロドデカンを異性化させて高純度のシクロドデカ
ノンを製造する方法に関するものである。本発明方法に
より製造されるシクロドデカノンは、ポリアミドなど合
成樹脂の原料として有用な化合物である。 【0002】 【従来の技術】ハロゲン化アルカリ金属塩を触媒として
用い、エポキシシクロドデカンを異性化してシクロドデ
カノンを製造する方法については、いくつかの報告がな
されている。例えば、ドイツ特許DE3744094に
は、溶媒としてN−メチルピロリドン又はN,N’−ジ
メチルエチレン尿素を使用し、塩化リチウム触媒存在化
に、エポキシシクロドデカンを異性化し、94%の収率
でシクロドデカノンが得られたことが記載されている。
また、ソ連特許SU407874には、無水臭化リチウ
ムを触媒とするエポキシシクロドデカンの異性化反応が
開示されている。さらに、Zh.Org.Khim.
(1990),26(7),1497−1500には、
沃化リチウムを触媒として使用するエポキシシクロドデ
カンの異性化反応が記載されている。 【0003】しかしながら、これらの文献には原料中の
不純物のシクロドデカノン製造に及ぼす影響については
全く記載されていない。本発明の方法において、原料と
して使用されるエポキシシクロドデカンは、一般的に
は、ブタジエンを三量化してシクロドデカトリエンを製
造し、これをエポキシ化してその二重結合に水素添加し
て得られている。しかし、前記エポキシ化工程におい
て、ジエポキシ化合物が副生し、これがシクロドデカノ
ン製造用原料として用いられるエポキシシクロドデカン
中に混入してくることがある。このジエポキシ化合物は
蒸留により目的化合物シクロドデカノンから分離するこ
とは可能であるが、ジエポキシ化合物の含有量を減らそ
うとすれば、蒸留精製の程度を高めなければならず、そ
うすると、経済性が悪くなる。このため、ジエポキシ化
合物の蒸留分離の程度を、シクロドデカノンの品質が悪
くならない程度にコントロールすることが必要となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン化
アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロド
デカンを異性化させシクロドデカノンを製造する方法に
おいて、高品質のシクロドデカノンを、工業的に安定
に、かつ経済的に製造することができる方法を提供しよ
うとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは目的製品と
してのシクロドデカノンの品質を低下せしめる要因を鋭
意検討した結果、原料エポキシシクロドデカン中に含ま
れるジエポキシ化合物は、ハロゲン化アルカリ金属塩を
触媒としてエポキシシクロドデカンの異性化反応に伴っ
てジケトン化合物を生成し、このジケトン化合物の一部
は分子内アルドール縮合により二環性の不飽和ケトン化
合物を生成することを見出した。例えば、原料エポキシ
シクロドデカン中に不純物として含まれるジエポキシシ
クロドデカンは、その異性化により、シクロドデカ―
1,5―ジオンを生成し、さらに分子内アルドール縮合
によりビシクロ〔640〕ドデセン―9―オンが生成す
る、このビシクロ〔640〕ドデセン―9―オンは、目
的化合物シクロドデカノンから蒸留による分離が困難な
ものであり、その混在は、シクロドデカノンの品質を低
下させるだけでなく、このシクロドデカノンを原料とし
てラウロラクタムを製造する場合には、その品質をも低
下させることが判明した。すなわち、ビシクロ〔64
0〕ドデセン―9―オンを多量に含むシクロドデカノン
を原料として使用した場合には、得られたラウロラクタ
ムを蒸留精製しても、優れた特性すなわち光透過率差
(以下、LT.Diffと呼ぶ)が小さく、好ましくは
15%以下という特性を有すラウロラクタムが得られな
いのである。本発明方法においては、原料エポキシシク
ロドデカン中に含まれるジエポキシ化合物の含有量を一
定量以下にコントロールし、それによって得られるシク
ロドデカノンの不純物含有量を低減し、さらにそれによ
って、それから製造されるラウロラクタム中の、分離困
難な不純物の生成を防止及び低減することを可能にした
ものである。 【0006】本発明のシクロドデカノンを製造する方法
は、エポキシシクロドデカンを、ハロゲン化アルカリ金
属塩の存在下に異性化してシクロドデカノンを製造する
際に、原料エポキシシクロドデカン中に不純物として含
まれるジエポキシ化合物の含有量を、原料エポキシシク
ロドデカンの質量に対して、0.5質量%以下にコント
ロールすることを特徴とするものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明方法において原料として使
用されるエポキシシクロドデカンは、通常エポキシシク
ロドデカジエンを、Pt,Pd,又はNiなどの水素還
元触媒の存在下に、その二重結合に対する水素添加を施
して得ることができる。前記エポキシシクロドデカジエ
ンは、ブタジエンの三量化によってシクロドデカトリエ
ンを製造し、これをエポキシ化して得られる。しかし、
このエポキシ化の際に、副生物としてジエポキシシクロ
ドデセンが生成する。このジエポキシシクロドデセン
は、エポキシシクロドデカジエンから蒸留分離すること
ができるが、この蒸留精製度を高めることは経済的不利
を生ずる。このジエポキシシクロドデセンは、水素添加
によりジエポキシシクロドデカンとなり、これに異性化
反応が施されると、シクロドデカノンと分離困難な副生
物を生成する。このため、原料エポキシシクロドデカン
中のジエポキシ化合物の含有量を0.5質量%以下にコ
ントロールする必要がある。本発明方法において原料エ
ポキシシクロドデカン中のジエポキシ化合物、代表的に
はジエポキシ化合物、例えばジエポキシシクロドデカン
の含有量は0.5質量%以下であり、好ましくは0.3
質量%以下である。原料エポキシシクロドデカン中のジ
エポキシ化合物の含有量をコントロールする方法には特
に制限はないが、蒸留による方法が好ましい。具体的に
はシクロドデカトリエンをエポキシ化して得られるエポ
キシシクロドデカジエンを分離精製する過程でジエポキ
シシクロドデセンの含有量を0.5質量%以下にコント
ロールすることが好ましい。エポキシシクロドデカジエ
ンの蒸留条件としては、蒸留圧力533〜33330P
a、蒸留温度110〜220℃が好ましく、蒸留圧力2
665〜17332Pa、蒸留温度150〜200℃がよ
り好ましい。 【0008】本発明の方法において、異性化反応に用い
られる触媒は、塩化リチウム、臭化リチウム及び沃化リ
チウムなどのハロゲン化金属塩が使用される。これらの
ハロゲン化金属塩としては、その無水物または水和物が
使用される触媒は固体状態で異性化反応に使用されても
よいが、エポキシシクロドデカン又はシクロドデカノン
に溶解させた状態、あるいは水溶液の状態で異性化反応
に供してもよい。また、これらの触媒化合物の2種以上
を混合して使用してもよい。前記異性化反応触媒の使用
量には、特に制限はなく、それは溶媒への溶解度などの
反応条件を考慮して設定されるが、原料中のエポキシシ
クロドデカン1モルに対して0.01〜20モル%の触
媒を用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜5
モル%である。触媒の使用量が0.01モル%未満であ
ると、異性化反応を完了するための所要時間が長くな
り、工業的に不利なことがある。一方、触媒使用量が2
0モル%より多くなると、触媒費用が増大し経済的に不
利になることがある。 【0009】本発明方法における異性化反応は、不活性
ガス雰囲気内で行われることが好ましく、使用する不活
性ガスとしては、窒素、水素、二酸化炭素、ヘリウム、
アルゴンなどの1種以上からなるものが好ましく、窒素
及びアルゴンの1種以上からなることがより好ましい。
本発明方法の異性化反応における反応温度は、好ましく
は100℃〜350℃であり、より好ましくは120〜
300℃であり、さらに好ましくは150〜250℃で
あり、さらにより好ましくは160〜240℃である。
反応温度が100℃未満であると、反応速度が遅く工業
的に不利になることがある。またそれが350℃を越え
ると、不純物の生成量が増大することがある。 【0010】本発明方法におけるエポキシシクロドデカ
ンの異性化反応は、通常は無溶媒で実施される。この場
合には、原料エポキシシクロドデカンあるいは生成した
シクロドデカノンが反応溶媒としての役割を果たす。し
かしながら、本発明方法の異性化反応に無極性溶媒の使
用を妨げるものではない。前記無極性溶媒としては、炭
素原子数6〜12の環状炭化水素を挙げることができる
が、その使用量は原料エポキシシクロドデカンの使用量
を超えないことが望ましい。 【0011】 【実施例】本発明を下記実施例により更に詳細に説明す
る。 【0012】実施例1 撹拌機、温度計、ガス吹き込み口、冷却管、及び滴下ロ
ートを具備し、内容積が1000mlのフラスコ中に、不
純物としてジエポキシシクロドデカン50ppmを含む原
料エポキシシクロドデカン50gと、触媒としての沃化
リチウム3.7gとを仕込み、アルゴンガスでフラスコ
内を置換した後、フラスコを油浴に浸し、撹拌しながら
油浴の温度を常温からゆっくりと昇温し、フラスコ内の
温度が200℃になった後この温度に20分保った。次
に滴下ロートより、不純物としてジエポキシシクロドデ
カン50ppm を含む原料エポキシシクロドデカン450
gを、2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに反応
系を200℃に1.5時間保持して反応を完了させた。
反応液を冷却しGCに供して分析した結果、未反応エポ
キシシクロドデカンは検出されなかった。得られた反応
液にトルエン300mlを加え、100mlの水で2回水洗
した後、有機層をロータリーエバポレーターで濃縮し、
理論段数10段のスルーザー式充填蒸留塔により精留し
た。その結果、主留分のGC分析によるシクロドデカノ
ンの純度は99.88%であった。 【0013】このようにして得られたシクロドデカノン
を使用して、下記方法によりラウロラクタムを製造し
た。1000mlの反応槽中に15wt%硫酸ヒドロキシル
アミン水溶液77gを張り込み、その温度を60℃以下
に調節しながらpHが5.5になるまで、25wt%アンモ
ニア水をポンプによりフィードした。さらに反応槽中に
100gのシクロヘキサノンオキシムを投入し、槽内温
度を90℃に調節した。さらに反応槽中にシクロドデカ
ノン95gを投入し、pHを5.5に、かつ温度を95℃
に調節しながら、反応混合液を上部有機層と下部水性層
とに分離させ、25wt%アンモニア水をさらにフィード
した。反応混合液を温度95℃において4時間反応させ
た後、静置して反応混合液を上部有機層と下部水性層と
に分離させ、反応槽の下部より水性層を抜き出した。反
応槽内に残留した有機層オキシム化反応液を、36g/
hrのフィート速度で、また発煙硫酸13部と濃硫酸9部
の混合液を40g/hrのフィード速度でベックマン転位
反応槽にフィードした。この間槽内温度を90〜100
℃に保持した。上記ベックマン転位反応の完了後、保た
れた反応混合物を飽和硫安溶液を張った中和槽に76g
/hrのフィート速度でフィードし、槽内pHを5.5に保
つように、14wt%アンモニア水をフィードした。反応
混合液中の有機層を分離し、これをトルエンによる抽出
処理に供し、抽出物を水洗した後、0.2KPa の減圧下
で蒸留して、精製ラウロラクタムを得た。こうして得ら
れた精製ラウロラクタムの光透過率差(L.T.dif
f.)は5.4%であった。なお、光透過率差(LT.
diff)は下記の方法により求めた。 【0014】光透過率差(LT.diff)の測定 ラウロラクタムの2%メタノール溶液100ml中に20
℃において、0.01N過マンガン酸カリ溶液10mlを
混合し、それから200秒後に前記混合液を光透過率測
定用50mmセルに移し、240秒後に透過率%(波長4
10nm)を読み取った(T1)。なお、このときの対照
液としてラウロラクタムの2%メタノール溶液100ml
にメタノール20mlを加えたものを使用した。次にメタ
ノール100mlに20℃で0.01N過マンガン酸カリ
溶液10mlを混合し、それから200秒後に前記混合液
を光透過度測定用に50mmセルに移し、240秒後に蒸
留水を対照液として透過率(波長410nm)を読み取っ
た(T2)。次式により光透過率差(LT.diff)
を求めた。 光透過率差(LT.diff)(%)=T1−T2 【0015】比較例1 不純物としてジエポキシシクロドデカン1.0wt%を含
む原料エポキシシクロドデカンを使用したことを除き、
それ以外は実施例1と同様に反応し、同様に処理した結
果、主留分のGC分析によるシクロドデカノンの純度は
99.53%であった。このシクロドデカノンを使用
し、実施例1と同様にラウロラクタムを製造した。その
結果、得られた精製ラウロラクタムのL.T.dif
f.は18.2%であった。 【0016】 【発明の効果】本発明方法により、原料エポキシシクロ
ドデカンから、純度の高いシクロドデカノンを製造する
ことが可能になり、この高純度シクロドデカノンは、光
透過率差(LT.diff)の小さな高純度ラウロラク
タムの製造を可能にするものである。
金属塩(アルカリ金属ハロゲン化物)の存在下にエポキ
シシクロドデカンを異性化させて高純度のシクロドデカ
ノンを製造する方法に関するものである。本発明方法に
より製造されるシクロドデカノンは、ポリアミドなど合
成樹脂の原料として有用な化合物である。 【0002】 【従来の技術】ハロゲン化アルカリ金属塩を触媒として
用い、エポキシシクロドデカンを異性化してシクロドデ
カノンを製造する方法については、いくつかの報告がな
されている。例えば、ドイツ特許DE3744094に
は、溶媒としてN−メチルピロリドン又はN,N’−ジ
メチルエチレン尿素を使用し、塩化リチウム触媒存在化
に、エポキシシクロドデカンを異性化し、94%の収率
でシクロドデカノンが得られたことが記載されている。
また、ソ連特許SU407874には、無水臭化リチウ
ムを触媒とするエポキシシクロドデカンの異性化反応が
開示されている。さらに、Zh.Org.Khim.
(1990),26(7),1497−1500には、
沃化リチウムを触媒として使用するエポキシシクロドデ
カンの異性化反応が記載されている。 【0003】しかしながら、これらの文献には原料中の
不純物のシクロドデカノン製造に及ぼす影響については
全く記載されていない。本発明の方法において、原料と
して使用されるエポキシシクロドデカンは、一般的に
は、ブタジエンを三量化してシクロドデカトリエンを製
造し、これをエポキシ化してその二重結合に水素添加し
て得られている。しかし、前記エポキシ化工程におい
て、ジエポキシ化合物が副生し、これがシクロドデカノ
ン製造用原料として用いられるエポキシシクロドデカン
中に混入してくることがある。このジエポキシ化合物は
蒸留により目的化合物シクロドデカノンから分離するこ
とは可能であるが、ジエポキシ化合物の含有量を減らそ
うとすれば、蒸留精製の程度を高めなければならず、そ
うすると、経済性が悪くなる。このため、ジエポキシ化
合物の蒸留分離の程度を、シクロドデカノンの品質が悪
くならない程度にコントロールすることが必要となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲン化
アルカリ金属塩を含む触媒の存在下にエポキシシクロド
デカンを異性化させシクロドデカノンを製造する方法に
おいて、高品質のシクロドデカノンを、工業的に安定
に、かつ経済的に製造することができる方法を提供しよ
うとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは目的製品と
してのシクロドデカノンの品質を低下せしめる要因を鋭
意検討した結果、原料エポキシシクロドデカン中に含ま
れるジエポキシ化合物は、ハロゲン化アルカリ金属塩を
触媒としてエポキシシクロドデカンの異性化反応に伴っ
てジケトン化合物を生成し、このジケトン化合物の一部
は分子内アルドール縮合により二環性の不飽和ケトン化
合物を生成することを見出した。例えば、原料エポキシ
シクロドデカン中に不純物として含まれるジエポキシシ
クロドデカンは、その異性化により、シクロドデカ―
1,5―ジオンを生成し、さらに分子内アルドール縮合
によりビシクロ〔640〕ドデセン―9―オンが生成す
る、このビシクロ〔640〕ドデセン―9―オンは、目
的化合物シクロドデカノンから蒸留による分離が困難な
ものであり、その混在は、シクロドデカノンの品質を低
下させるだけでなく、このシクロドデカノンを原料とし
てラウロラクタムを製造する場合には、その品質をも低
下させることが判明した。すなわち、ビシクロ〔64
0〕ドデセン―9―オンを多量に含むシクロドデカノン
を原料として使用した場合には、得られたラウロラクタ
ムを蒸留精製しても、優れた特性すなわち光透過率差
(以下、LT.Diffと呼ぶ)が小さく、好ましくは
15%以下という特性を有すラウロラクタムが得られな
いのである。本発明方法においては、原料エポキシシク
ロドデカン中に含まれるジエポキシ化合物の含有量を一
定量以下にコントロールし、それによって得られるシク
ロドデカノンの不純物含有量を低減し、さらにそれによ
って、それから製造されるラウロラクタム中の、分離困
難な不純物の生成を防止及び低減することを可能にした
ものである。 【0006】本発明のシクロドデカノンを製造する方法
は、エポキシシクロドデカンを、ハロゲン化アルカリ金
属塩の存在下に異性化してシクロドデカノンを製造する
際に、原料エポキシシクロドデカン中に不純物として含
まれるジエポキシ化合物の含有量を、原料エポキシシク
ロドデカンの質量に対して、0.5質量%以下にコント
ロールすることを特徴とするものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明方法において原料として使
用されるエポキシシクロドデカンは、通常エポキシシク
ロドデカジエンを、Pt,Pd,又はNiなどの水素還
元触媒の存在下に、その二重結合に対する水素添加を施
して得ることができる。前記エポキシシクロドデカジエ
ンは、ブタジエンの三量化によってシクロドデカトリエ
ンを製造し、これをエポキシ化して得られる。しかし、
このエポキシ化の際に、副生物としてジエポキシシクロ
ドデセンが生成する。このジエポキシシクロドデセン
は、エポキシシクロドデカジエンから蒸留分離すること
ができるが、この蒸留精製度を高めることは経済的不利
を生ずる。このジエポキシシクロドデセンは、水素添加
によりジエポキシシクロドデカンとなり、これに異性化
反応が施されると、シクロドデカノンと分離困難な副生
物を生成する。このため、原料エポキシシクロドデカン
中のジエポキシ化合物の含有量を0.5質量%以下にコ
ントロールする必要がある。本発明方法において原料エ
ポキシシクロドデカン中のジエポキシ化合物、代表的に
はジエポキシ化合物、例えばジエポキシシクロドデカン
の含有量は0.5質量%以下であり、好ましくは0.3
質量%以下である。原料エポキシシクロドデカン中のジ
エポキシ化合物の含有量をコントロールする方法には特
に制限はないが、蒸留による方法が好ましい。具体的に
はシクロドデカトリエンをエポキシ化して得られるエポ
キシシクロドデカジエンを分離精製する過程でジエポキ
シシクロドデセンの含有量を0.5質量%以下にコント
ロールすることが好ましい。エポキシシクロドデカジエ
ンの蒸留条件としては、蒸留圧力533〜33330P
a、蒸留温度110〜220℃が好ましく、蒸留圧力2
665〜17332Pa、蒸留温度150〜200℃がよ
り好ましい。 【0008】本発明の方法において、異性化反応に用い
られる触媒は、塩化リチウム、臭化リチウム及び沃化リ
チウムなどのハロゲン化金属塩が使用される。これらの
ハロゲン化金属塩としては、その無水物または水和物が
使用される触媒は固体状態で異性化反応に使用されても
よいが、エポキシシクロドデカン又はシクロドデカノン
に溶解させた状態、あるいは水溶液の状態で異性化反応
に供してもよい。また、これらの触媒化合物の2種以上
を混合して使用してもよい。前記異性化反応触媒の使用
量には、特に制限はなく、それは溶媒への溶解度などの
反応条件を考慮して設定されるが、原料中のエポキシシ
クロドデカン1モルに対して0.01〜20モル%の触
媒を用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜5
モル%である。触媒の使用量が0.01モル%未満であ
ると、異性化反応を完了するための所要時間が長くな
り、工業的に不利なことがある。一方、触媒使用量が2
0モル%より多くなると、触媒費用が増大し経済的に不
利になることがある。 【0009】本発明方法における異性化反応は、不活性
ガス雰囲気内で行われることが好ましく、使用する不活
性ガスとしては、窒素、水素、二酸化炭素、ヘリウム、
アルゴンなどの1種以上からなるものが好ましく、窒素
及びアルゴンの1種以上からなることがより好ましい。
本発明方法の異性化反応における反応温度は、好ましく
は100℃〜350℃であり、より好ましくは120〜
300℃であり、さらに好ましくは150〜250℃で
あり、さらにより好ましくは160〜240℃である。
反応温度が100℃未満であると、反応速度が遅く工業
的に不利になることがある。またそれが350℃を越え
ると、不純物の生成量が増大することがある。 【0010】本発明方法におけるエポキシシクロドデカ
ンの異性化反応は、通常は無溶媒で実施される。この場
合には、原料エポキシシクロドデカンあるいは生成した
シクロドデカノンが反応溶媒としての役割を果たす。し
かしながら、本発明方法の異性化反応に無極性溶媒の使
用を妨げるものではない。前記無極性溶媒としては、炭
素原子数6〜12の環状炭化水素を挙げることができる
が、その使用量は原料エポキシシクロドデカンの使用量
を超えないことが望ましい。 【0011】 【実施例】本発明を下記実施例により更に詳細に説明す
る。 【0012】実施例1 撹拌機、温度計、ガス吹き込み口、冷却管、及び滴下ロ
ートを具備し、内容積が1000mlのフラスコ中に、不
純物としてジエポキシシクロドデカン50ppmを含む原
料エポキシシクロドデカン50gと、触媒としての沃化
リチウム3.7gとを仕込み、アルゴンガスでフラスコ
内を置換した後、フラスコを油浴に浸し、撹拌しながら
油浴の温度を常温からゆっくりと昇温し、フラスコ内の
温度が200℃になった後この温度に20分保った。次
に滴下ロートより、不純物としてジエポキシシクロドデ
カン50ppm を含む原料エポキシシクロドデカン450
gを、2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに反応
系を200℃に1.5時間保持して反応を完了させた。
反応液を冷却しGCに供して分析した結果、未反応エポ
キシシクロドデカンは検出されなかった。得られた反応
液にトルエン300mlを加え、100mlの水で2回水洗
した後、有機層をロータリーエバポレーターで濃縮し、
理論段数10段のスルーザー式充填蒸留塔により精留し
た。その結果、主留分のGC分析によるシクロドデカノ
ンの純度は99.88%であった。 【0013】このようにして得られたシクロドデカノン
を使用して、下記方法によりラウロラクタムを製造し
た。1000mlの反応槽中に15wt%硫酸ヒドロキシル
アミン水溶液77gを張り込み、その温度を60℃以下
に調節しながらpHが5.5になるまで、25wt%アンモ
ニア水をポンプによりフィードした。さらに反応槽中に
100gのシクロヘキサノンオキシムを投入し、槽内温
度を90℃に調節した。さらに反応槽中にシクロドデカ
ノン95gを投入し、pHを5.5に、かつ温度を95℃
に調節しながら、反応混合液を上部有機層と下部水性層
とに分離させ、25wt%アンモニア水をさらにフィード
した。反応混合液を温度95℃において4時間反応させ
た後、静置して反応混合液を上部有機層と下部水性層と
に分離させ、反応槽の下部より水性層を抜き出した。反
応槽内に残留した有機層オキシム化反応液を、36g/
hrのフィート速度で、また発煙硫酸13部と濃硫酸9部
の混合液を40g/hrのフィード速度でベックマン転位
反応槽にフィードした。この間槽内温度を90〜100
℃に保持した。上記ベックマン転位反応の完了後、保た
れた反応混合物を飽和硫安溶液を張った中和槽に76g
/hrのフィート速度でフィードし、槽内pHを5.5に保
つように、14wt%アンモニア水をフィードした。反応
混合液中の有機層を分離し、これをトルエンによる抽出
処理に供し、抽出物を水洗した後、0.2KPa の減圧下
で蒸留して、精製ラウロラクタムを得た。こうして得ら
れた精製ラウロラクタムの光透過率差(L.T.dif
f.)は5.4%であった。なお、光透過率差(LT.
diff)は下記の方法により求めた。 【0014】光透過率差(LT.diff)の測定 ラウロラクタムの2%メタノール溶液100ml中に20
℃において、0.01N過マンガン酸カリ溶液10mlを
混合し、それから200秒後に前記混合液を光透過率測
定用50mmセルに移し、240秒後に透過率%(波長4
10nm)を読み取った(T1)。なお、このときの対照
液としてラウロラクタムの2%メタノール溶液100ml
にメタノール20mlを加えたものを使用した。次にメタ
ノール100mlに20℃で0.01N過マンガン酸カリ
溶液10mlを混合し、それから200秒後に前記混合液
を光透過度測定用に50mmセルに移し、240秒後に蒸
留水を対照液として透過率(波長410nm)を読み取っ
た(T2)。次式により光透過率差(LT.diff)
を求めた。 光透過率差(LT.diff)(%)=T1−T2 【0015】比較例1 不純物としてジエポキシシクロドデカン1.0wt%を含
む原料エポキシシクロドデカンを使用したことを除き、
それ以外は実施例1と同様に反応し、同様に処理した結
果、主留分のGC分析によるシクロドデカノンの純度は
99.53%であった。このシクロドデカノンを使用
し、実施例1と同様にラウロラクタムを製造した。その
結果、得られた精製ラウロラクタムのL.T.dif
f.は18.2%であった。 【0016】 【発明の効果】本発明方法により、原料エポキシシクロ
ドデカンから、純度の高いシクロドデカノンを製造する
ことが可能になり、この高純度シクロドデカノンは、光
透過率差(LT.diff)の小さな高純度ラウロラク
タムの製造を可能にするものである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 河井 譲治
山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部
興産株式会社宇部ケミカル工場内
Fターム(参考) 4H006 AA02 AC44 BA02 BA37 BC40
BD10
4H039 CA62 CH70 CJ10
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 エポキシシクロドデカンを、ハロゲン化
アルカリ金属塩の存在下に、異性化してシクロドデカノ
ンを製造する際に、原料エポキシシクロドデカンにその
不純物として含まれるジエポキシ化合物の含有量を、原
料エポキシシクロドデカンの質量に対して0.5質量%
以下にコントロールすることを特徴とするシクロドデカ
ノンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002053915A JP2003252821A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | シクロドデカノンを製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002053915A JP2003252821A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | シクロドデカノンを製造する方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003252821A true JP2003252821A (ja) | 2003-09-10 |
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ID=28665215
Family Applications (1)
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Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003252821A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103864657A (zh) * | 2010-03-15 | 2014-06-18 | 宇部兴产株式会社 | 制备酰胺化合物的方法 |
-
2002
- 2002-02-28 JP JP2002053915A patent/JP2003252821A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103864657A (zh) * | 2010-03-15 | 2014-06-18 | 宇部兴产株式会社 | 制备酰胺化合物的方法 |
| US9242931B2 (en) | 2010-03-15 | 2016-01-26 | Ube Industries, Ltd. | Method for producing amide compound |
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