JP2003253041A - 熱硬化性樹脂の分解処理方法およびリサイクル方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂の分解処理方法およびリサイクル方法

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物中に大量に含まれている熱硬化性樹脂
を、高速で大量に分解処理し、分解処理する際に、スラ
リー中に含まれる固体成分の凝集・沈降を抑制して、高
い分解率を達成する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂を、スラリー化して、単核
フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物と
の混合物を反応溶媒として、超臨界又は亜臨界状態にお
いて、オリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の
化合物に分解する方法であって、熱硬化性樹脂が、該反
応溶媒と、フェノール樹脂からなる分散剤とを混合して
スラリー化されることを特徴とする熱硬化性樹脂の分解
処理方法、前記分解処理方法により、オリゴマーを主体
とする低分子量から中分子量の化合物を、熱硬化性樹脂
の原料として再利用する熱硬化性樹脂のリサイクル方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂の分
解処理方法およびリサイクル方法に関するものである。
更に詳しくは、工場などから大量に廃棄されている産業
廃棄物や、一般廃棄物中に大量に含まれていながら、こ
れまでリサイクルが実現できていない熱硬化性樹脂を高
速に大量に分解処理することができる熱硬化性樹脂の分
解処理方法、及びその分解処理方法により得られる低分
子量から中分子量の化合物を熱硬化性樹脂の原料として
再利用する熱硬化性樹脂のリサイクル方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの中でも熱硬化性樹脂は、
優れた電気絶縁性・耐熱性・機械的強度を示すため、電
気・電子部品、自動車部品等の材料として広く用いられ
ている。しかし、熱硬化性樹脂は、一旦、硬化すると、
熱により軟化・融解せず、溶剤にも溶解しないため、そ
の硬化物をプラスチック原料として再生することは技術
的に困難であった。
【0003】近年、これらの課題を克服するための、超
臨界流体を用いて熱硬化性樹脂を分解処理する方法が検
討されている。例えば、超臨界水単独では難分解性な熱
硬化性樹脂を分解処理およびリサイクルするために、超
臨界又は亜臨界状態の、単核フェノール類化合物又は水
/単核フェノール類化合物の溶液中で可溶化処理する方
法が検討されている(特開2001−151933号公
報)。この方法では、酸触媒やアルカリ触媒などを加え
ることなく、10分間程度の短い反応時間で熱硬化性樹
脂が可溶化して、分子量200〜10,000のオリゴ
マー成分を回収できるとしている。
【0004】上記の方法による熱硬化性樹脂のリサイク
ルにおいては、熱硬化性樹脂の分解効率の問題があり、
分解効率を向上させるために、あらかじめ熱硬化性樹脂
と反応溶媒を混合して高濃度スラリーとして分解処理す
る方法が考えられるが、加熱中や反応中にスラリー中の
固体分の凝集や沈降が起こることで、分解効率が低下し
て重合物が生成したり、重合物が反応管の内壁に付着し
て、熱伝導効率を低下させるなどの問題が発生する。さ
らに、流通式装置で連続的に分解処理する場合には、ス
ラリー中の固体分の凝集や沈降により、スラリー供給配
管や反応管が閉塞して、分解処理を行うことができない
場合が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、昇温過程お
よび分解反応過程における高濃度スラリー中の固体分の
凝集・沈降を抑制して、安定して高い分解率を達成でき
る、熱硬化性樹脂の分解処理方法及びリサイクル方法を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スラリー
安定性を向上させることが可能な分散剤を用いて、熱硬
化性樹脂と反応溶媒からなるスラリーを形成し、超臨界
又は亜臨界状態下で熱硬化性樹脂の分解処理を行うこと
により分解効率を向上させることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1) 熱硬化性樹
脂を、スラリー化して、単核フェノール類化合物又は水
と単核フェノール類化合物との混合物を反応溶媒とし
て、超臨界又は亜臨界状態において、200〜10,0
00の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量
から中分子量の化合物に分解する方法であって、熱硬化
性樹脂が、該反応溶媒と、フェノール樹脂からなる分散
剤とを混合してスラリー化されることを特徴とする熱硬
化性樹脂の分解処理方法、(2) フェノール樹脂から
なる分散剤が、フェノール類とアルデヒド類とを縮重合
反応させて合成される、分子量200〜100,000
のノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノ
ール樹脂であり、スラリー100重量部に対して0.0
5〜20重量部で添加される、前記第(1)項に記載の
熱硬化性樹脂の分解処理方法、(3) 単核フェノール
類化合物が、フェノール、クレゾール、キシレノール、
レゾルシン、及びアルキル置換フェノールの中から選ば
れる、前記第(1)項又は第(2)項記載の熱硬化性樹
脂の分解処理方法、(4) 単核フェノール類化合物又
は水と単核フェノール類化合物との混合物が、分解処理
して生成した200〜10,000の分子量を有するオ
リゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物か
ら分離、精製して得られたものである、前記第(1)項
〜第(3)項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂の分解処
理方法、(5) 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、メラミン樹脂、及びユリア樹脂の中から選択された
1種又は2種以上である、前記第(1)項〜第(4)項
のいずれかに記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法、
(6) 前記第(1)項〜第(5)項のいずれかに記載
の分解処理方法により、熱硬化性樹脂を分解して得られ
た200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを
主体とする低分子量から中分子量の化合物を、熱硬化性
樹脂の原料として再利用する熱硬化性樹脂のリサイクル
方法、を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂の分解処理
方法は、分解処理される熱硬化性樹脂をスラリー化し、
単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合
物との混合物を反応溶媒として、超臨界又は亜臨界状態
下で分解処理して、200〜10,000の分子量を有
するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化
合物に分解する方法であり、スラリー化においては、分
解処理される熱硬化性樹脂と、該反応溶媒と、フェノー
ル樹脂からなる分散剤とを混合してスラリー化されるこ
とを特徴とするものである。
【0009】本発明において、スラリー化における分散
剤に用いるフェノール樹脂としては、フェノール類とア
ルデヒド類とを縮重合反応させて合成されるノボラック
型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂が好
適に挙げられる。フェノール類としては、フェノールの
他、レゾルシン,カテコール等の2価フェノール、クレ
ゾール,キシレノール等のアルキル置換フェノール、ビ
スフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールS
等の2核フェノールなどが挙げられ、いずれを用いたも
のでも良い。また、アルデヒド類としては、ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセト
アルデヒド等が挙げられ、いずれを用いたものでも良
い。これらの内、コストの面で、フェノールとホルマリ
ンから合成したノボラック型フェノール樹脂が好まし
い。
【0010】スラリー化における分散剤に用いるフェノ
ール樹脂の分子量は、重量平均で200〜 100,0
00程度の範囲であるが、好ましくは200〜50,0
00であり、更に好ましくは400〜20,000の範
囲である。上記範囲よりも低分子量の場合は、スラリー
安定性に与える効果が得られなくなる恐れがある。ま
た、上記範囲よりも高分子量の場合は、反応溶媒へのフ
ェノール樹脂の溶解性が劣る恐れがあり、その場合、均
一なスラリーを調整するために必要な混合時間が長くな
る。
【0011】また、スラリー化における分散剤に用いる
フェノール樹脂の添加量は、スラリー100重量部に対
して、好ましくは0.05〜20重量部の範囲であり、
さらに好ましくは、0.1〜5重量部の範囲である。上
記の添加量の範囲より少ないとスラリー安定性に与える
効果が得られなくなる恐れがある。また、添加量が上記
範囲よりも多いと、好ましい上限値の効果と比べ格段の
効果が得られずにコスト高となり、さらに、スラリーの
粘度が増加しすぎることで、その流動性が低下して、分
解反応に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0012】本発明においてスラリーの形成は、リボン
型混合機、ボールミル、湿式粉砕攪拌機などの混合装置
を用いて、熱硬化性樹脂、反応溶媒、分散剤を混合する
ことで行う。混合前は、熱硬化性樹脂は固形、液状、ペ
ースト状等、反応溶媒は液状であり、分散剤は、固形、
半固形、液状、ワニス、いずれの状態でもよい。また、
熱硬化性樹脂、反応溶媒、分散剤それぞれを混合する順
番に特に限定はないが、通常は、あらかじめ分散剤を反
応溶媒に溶解させた溶液を調整してから、熱硬化性樹脂
を加えてスラリー化すると効率がよい。さらに、スラリ
ー化する際に、40〜100℃程度で加熱しながら処理
すると効率がよい。
【0013】本発明において反応溶媒として用いる単核
フェノール類化合物は、フェノール、クレゾール、キシ
レノール、レゾルシン、及びアルキル置換フェノールが
好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられ
る。これらの内、コスト面および分解反応に与える効果
から、フェノールが好ましい。
【0014】本発明において、反応溶媒として用いる、
水と単核フェノール類化合物の混合溶媒の組成は、単核
フェノール類化合物100重量部に対して水0〜500
重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、単核フェノ
ール類化合物100重量部に対して水5〜50重量部の
範囲である。
【0015】本発明において、分解処理される熱硬化性
樹脂に対して用いる単核フェノール類化合物又は水と単
核フェノール類化合物との混合物の使用割合は、熱硬化
性樹脂100重量部に対して、50〜1000重量部の
範囲が好ましく、更に好ましくは100〜400重量部
の範囲である。単核フェノール類化合物又は水と単核フ
ェノール類化合物との混合物が上記の範囲よりも少なく
なると、熱硬化性樹脂の分解反応を円滑に進行させるの
が困難になる恐れがある。一方、上記の範囲よりも多く
なると、好ましい上限値の効果と比べ格別の効果は得ら
れず、その場合、溶媒を加熱するために要する熱量が増
加するため、熱エネルギーの消費が多くなる。
【0016】本発明の方法で分解される熱硬化性樹脂
は、硬化した樹脂、未硬化もしくは半硬化の樹脂、樹脂
を含有するワニスなどを含むものとする。また、単独の
熱硬化性樹脂の他に、シリカ微粒子、ガラス繊維等の無
機質系や、木粉等の有機質系の充填剤を含む成形材料も
しくは成形品、ガラス布のような無機質系や、紙、布等
の有機質系基材を用いた積層板、これに銅箔等の金属箔
を張り合わせた金属張り積層板、さらには銅張り積層板
などを加工して得られるプリント回路板のような熱硬化
性樹脂製品も含むものとする。また、熱硬化性樹脂の種
類としては、特に限定されるものではないが、本発明
は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂に
ついて、特に効果的に適応できる。
【0017】本発明で熱硬化性樹脂から回収できる20
0〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体と
する低分子量から中分子量の化合物は、通常、熱硬化性
樹脂製品を製造する際に用いられるプレポリマーと同程
度の分子量であるため、必要に応じて精製を行うことに
より、熱硬化性樹脂製品の化学原料(プレポリマー)と
して再利用することができる。
【0018】また、分解処理に供する熱硬化性樹脂の大
きさには特に制限はなく、粉砕に要するコスト、分解速
度、スラリーの安定性を考慮して、最適な大きさを選択
すればよい。安定したスラリ―を調整するために、通常
は粒子径500μm以下であり、好ましくは250μm
以下、更に好ましくは100μm以下である。
【0019】本発明において、分解条件としては、温度
及び圧力を、通常、温度が200〜500℃、圧力が1
〜60Mpaの範囲で、超臨界又は亜臨界の条件に調製
すれば良いが、望ましくは、温度が300〜450℃、
圧力が2〜40MPa範囲で温度および圧力を設定すれ
ば良い。温度が上記の範囲よりも低くなると、熱硬化性
樹脂の分解反応速度が小さいため、短時間での処理が困
難になる。一方、上記の範囲よりも高くなると、熱分解
などの副反応が併発して回収したオリゴマーの化学構造
が変化するため、熱硬化性樹脂製品の化学原料としての
再利用が困難になる。また、反応時間は、1〜60分の
範囲で調製できるが、通常は3〜30分程度で分解処理
が終了する。
【0020】本発明の熱硬化性樹脂の分解処理方法及び
リサイクル方法は、酸、アルカリ触媒を用いることな
く、超臨界あるいは亜臨界状態の単核フェノール類化合
物又は水と単核フェノール類化合物との混合物からなる
溶媒中で、熱硬化性樹脂を分解処理することで、分子量
200〜10,000のオリゴマーを主体とする低〜中
分子量化合物を回収することができる。さらに、上記方
法で回収した200〜10,000の分子量を有するオ
リゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物
を、熱硬化性樹脂の原料として再利用することができ
る。これらの工程の例としては、図1のフローチャート
のように示すことができる。また、分散剤として添加し
たフェノール樹脂も分解するが、その生成物は200〜
10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする
低分子量から中分子量の化合物であるため、熱硬化性樹
脂に由来する分解生成物と分離する必要がなく、そのま
ま熱硬化性樹脂の原料として再利用することができるこ
とが大きな利点である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は、これによって何ら限定されるものでは
ない。
【0022】[実施例1]フェノール樹脂成形材料の分
解 熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂成形材料(ノボラ
ック型フェノール樹脂:44wt%、有機フィラー(木
粉など):42wt%、無機フィラー(炭酸カルシウム
など):14wt%含有)を粉砕ふるいわけして、粒子
径を250μm以下に調整したものを用いた。上記フェ
ノール樹脂成形材料58.3gと、フェノール85.6
gと水21.3gの混合物からなる反応溶媒とを混合す
る際に、系内を60℃に加熱しながら、フェノールとホ
ルムアルデヒドとを反応させて合成された、数平均分子
量(以下、Mn)1000、重量平均分子量(以下、M
w)10,000のノボラック型フェノール樹脂(住友
デュレズ(株)製 PR−50731)1.0gを添加
してスラリー化した。上記のスラリーを、オートクレー
ブ(内容積200cm3)に仕込んだのち、加熱して内
温を400℃とすることで、反応器内圧を15MPaま
で上昇させ高温高圧状態とした。400℃、15MPa
で5分間保ったのち、冷却して常温常圧に戻した。反応
終了後、分解生成物と反応溶媒の混合物から、常圧およ
び減圧条件下で加熱することで、溶媒(フェノール、
水)を除去して分解生成物64gを得た。この生成物を
テトラヒドロフラン(THF)に溶解させたのち、孔径
1.0μmのフィルターでろ過して、ろ液をTHF可溶
分とした。ろ過した後のフィルターに残った水不溶分
は、フィルターに残ったTHF不溶残渣は、100℃で
12時間乾燥させたのち秤量した。その結果、THF不
溶残渣のほとんどはフェノール樹脂成形材料中の無機フ
ィラーであり、樹脂および有機フィラーは、ほぼ100
%がTHF可溶分まで分解したことを確認した。このT
HF可溶分の分子量を、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(以下、GPCと略す)により分析したとこ
ろ、Mn:750、Mw:2800のオリゴマーである
ことを確認した。
【0023】[実施例2]フェノール樹脂成形材料の分
解 実施例1において、分散剤として、フェノールとホルム
アルデヒドとを反応させて合成されたMn:760、M
w:1,300のノボラック型フェノール樹脂(住友デ
ュレズ(株)製 PR−51714)を用いた以外は、
実施例1と同様な操作を行い、分解反応を行った。分解
処理結果を表1にまとめて示す。
【0024】
【表1】
【0025】[実施例3]フェノール樹脂成形材料の分
解 実施例1において、分散剤として、フェノールとホルム
アルデヒドとを反応させて合成されたMn:240、M
w:440のレゾール型フェノール樹脂(住友デュレズ
(株)製 PR−51501B)を用いた以外は、実施
例1と同様な操作を行い、分解反応を行った。分解処理
結果を表1にまとめて示す。
【0026】[実施例4]フェノール樹脂成形材料の分
解 実施例1において、分散剤として加えるノボラック型フ
ェノール樹脂の量を0.3gとした以外は、実施例1と
同様な操作を行い、分解反応を行った。分解処理結果を
表1に示す。
【0027】[比較例1]実施例1において、分散剤を
全く加えない以外は、実施例1と同様な操作を行い、分
解反応を行った。分解処理結果を表1に示す。
【0028】[比較例2]実施例1において、分散剤と
して、アニオン性の界面活性剤である、ナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(日本乳化剤
(株)製 デスロールSH)を添加した以外は、実施例
1と同様な操作を行い、分解反応を行った。分解処理結
果を表1に示す。
【0029】表1に示した結果からわかるように、実施
例1〜4に示した分解処理方法では、樹脂成分と有機フ
ィラーの分解率は、ほぼ100%であり、反応容器内壁
に重合物の付着はなかった。それに対して、比較例1,
比較例2の分解処理方法では、樹脂成分と有機フィラー
の分解率は80〜85%程度であり、反応容器内壁に黒
色の重合物が付着していた。比較例1,比較例2では、
スラリーの安定性が不十分のために、加熱中および反応
中にスラリー中の固体成分が沈降・凝集して、反応溶媒
との接触が不十分となり、分解反応が十分に進行しなか
ったものである。それに対して、実施例1〜3では、分
散剤としてスラリーに添加したフェノールノボラックの
効果でスラリーの安定性が向上したために、効率的に分
解反応が進行したものである。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、スラリー中の固体分の
凝集・沈降を抑制して、高い分解率の達成と、重合物生
成の抑制を実現することができる。また、上記方法で回
収した分子量200〜10,000のオリゴマーを主体
とする低〜中分子量化合物を含む分解生成物を、熱硬化
性樹脂の原料として再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分解処理方法及びリサイクル方法の
例を示すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:06 C08L 67:06 75:00 75:00 79:00 79:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を、スラリー化して、単核
    フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物と
    の混合物を反応溶媒として、超臨界又は亜臨界状態にお
    いて、200〜10,000の分子量を有するオリゴマ
    ーを主体とする低分子量から中分子量の化合物に分解す
    る方法であって、熱硬化性樹脂が、該反応溶媒と、フェ
    ノール樹脂からなる分散剤とを混合してスラリー化され
    ることを特徴とする熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  2. 【請求項2】 フェノール樹脂からなる分散剤が、フェ
    ノール類とアルデヒド類とを縮重合反応させて合成され
    る、分子量200〜100,000のノボラック型フェ
    ノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂であり、ス
    ラリー100重量部に対して0.05〜20重量部で添
    加される、請求項1に記載の熱硬化性樹脂の分解処理方
    法。
  3. 【請求項3】 単核フェノール類化合物が、フェノー
    ル、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、及びアル
    キル置換フェノールの中から選ばれる、請求項1又は2
    記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  4. 【請求項4】 単核フェノール類化合物又は水と単核フ
    ェノール類化合物との混合物が、分解処理して生成した
    200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主
    体とする低分子量から中分子量の化合物から分離、精製
    して得られたものである、請求項1〜3のいずれかに記
    載の熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポ
    キシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
    メラミン樹脂、及びユリア樹脂の中から選択された1種
    又は2種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の
    熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の分解処
    理方法により、熱硬化性樹脂を分解して得られた200
    〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とす
    る低分子量から中分子量の化合物を、熱硬化性樹脂の原
    料として再利用する熱硬化性樹脂のリサイクル方法。
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