JP2003257236A - 高分子固体電解質 - Google Patents

高分子固体電解質

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JP2003257236A
JP2003257236A JP2002052414A JP2002052414A JP2003257236A JP 2003257236 A JP2003257236 A JP 2003257236A JP 2002052414 A JP2002052414 A JP 2002052414A JP 2002052414 A JP2002052414 A JP 2002052414A JP 2003257236 A JP2003257236 A JP 2003257236A
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linear polymer
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cyclic molecule
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Hidekazu Mori
英和 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なイオン伝導性と機械的特性を有し、し
かも柔軟で成形加工性にも優れた高分子固体電解質を提
供する。 【解決手段】 環状分子に線状高分子が包接されてお
り、かつ該線状高分子の両末端に置換基を有する包接化
合物を架橋してなる架橋物(A)と、電解質塩化合物
(B)とを含有する高分子固体電解質。前記環状分子と
してはシクロデキストリンが好ましく、線状高分子とし
てはポリエチレングリコールが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高分子固体電解質に
関し、より詳しくはリチウムイオン二次電池などの電気
化学デバイスのイオン伝導体として有用な高分子固体電
解質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池、キャパシター、センサーな
どの電気化学デバイスを構成する電解質として、溶液ま
たはペースト状のものが用いられている。これらの電解
質は、イオン伝導性が優れるものの、液漏れによる機器
の損傷の恐れがあること、デバイスの実装や加工性に問
題があること、デバイスの小型化や薄型化に限界がある
ことなどの問題点が指摘されている。
【0003】これに対し無機結晶性物質、無機ガラス、
高分子物質などの固体電解質が提案されている。これら
の中でも、高分子物質は一般的に加工性や成形性に優
れ、得られる固体電解質が柔軟性、曲げ加工性を有し、
応用されるデバイスの設計の自由度が高くなることなど
の観点から、高分子固体電解質の開発が期待されてい
る。
【0004】そのような高分子固体電解質としては、例
えば、ポリエーテル系重合体に特定のアルカリ金属塩を
含有させてイオン伝導体とし、電気化学デバイスなどに
応用する試みが既に提案されている(特開昭61−83
249号、特開昭63−136407号、特開平2−2
4975号、特開平2−56870号公報など)。しか
し、かかる高分子固体電解質のイオン伝導性、機械的特
性は、ともに未だ満足できるものとは言い難く、より優
れたものが求められている。
【0005】また、高分子固体電解質を電気化学デバイ
スに広く応用するにあたっては、十分な柔軟性を有する
ことも望まれている。一般的に高分子物質に柔軟性を付
与するには、可塑剤の添加が有利であることが知られて
いるが、前記したようなポリエーテル系重合体とアルカ
リ金属塩とからなる高分子固体電解質に可塑剤を加える
と、イオン伝導性が著しく低下するという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
の実情と問題点に鑑みて、本発明の目的は、十分なイオ
ン伝導性と機械的特性を有し、しかも柔軟で成形加工性
にも優れた高分子固体電解質を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シクロデキ
ストリンなどの環状分子に線状高分子が串刺し状に包接
された化合物、いわゆる、近年「ロタキサン型構造」あ
るいは「ポリロタキサン」として注目されている、ユニ
ークな構造を有する包接化合物およびその架橋物に着目
して、その固体電解質や電気化学デバイスへの適用につ
いて鋭意検討を重ねてきた。
【0008】その結果、前記の包接化合物の架橋物、と
りわけ該架橋物を構成する線状高分子が両末端部に置換
基を有するポリエーテル系重合体であるものと、電解質
塩化合物とを組み合わせて調製した高分子固体電解質
が、前述の課題を解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】かくして本発明によれば、環状分子に線状
高分子が包接されており、かつ該線状高分子の両末端に
置換基を有する包接化合物を架橋してなる架橋物(A)
と、電解質塩化合物(B)とを含有する高分子固体電解
質が提供される。前記環状分子としてはシクロデキスト
リンが好ましい。また、前記線状高分子としてはポリエ
チレングリコールが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の高分子固体電解質は、環
状分子に線状高分子が包接されており、かつ該線状高分
子の両末端に置換基を有する包接化合物を架橋してなる
架橋物(A)と、電解質塩化合物(B)とを含有する。
【0011】前記包接化合物は、環状分子からなる回転
子(rotor)と線状高分子からなる軸(axis)
との二種の分子からなり、かつ該回転子が該軸から脱離
できないように該軸がエンドキャップされているロタキ
サン(rotaxane)型構造を有する。
【0012】前記回転子としては、環状分子であれば特
に限定はなく、例えば、α−シクロデキストリン、β−
シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなどのシ
クロデキストリンや、クラウンエーテル類を挙げること
ができる。中でも、シクロデキストリンが好ましく、α
−シクロデキストリンがより好ましい。
【0013】また、軸としては、線状高分子であれば特
に限定はなく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランなどの
ポリエーテル類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン類;カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
スなどのセルロース類;を挙げることができる。中で
も、ポリエーテル類が好ましく、ポリエチレングリコー
ルがより好ましい。
【0014】本発明で用いる包接化合物は、前記環状分
子に線状高分子を串刺し状に包接させたものである。環
状分子に線状高分子を串刺し状に包接させる方法は特に
限定はなく、公知の方法が適用できる。環状分子として
α−、β−またはγ−シクロデキストリンを用い、線状
高分子としてポリエーテル類を用いる場合は、両成分を
水性媒体中で攪拌・混合して、反応させることで得られ
る。特に線状高分子としてポリプロピレングリコールを
用いる場合は、これが分散状態であることがあるので、
超音波攪拌するのが好ましい。
【0015】前記反応における反応温度は特に限定はな
く、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜80℃で
ある。反応時間も特に限定はなく、通常1秒〜10日、
好ましくは10秒〜1日である。反応生成物(包接化合
物)は、再沈殿、濾過、遠心分離、限外濾過膜等を使用
した膜分離などにより単離できる。
【0016】本発明に用いる包接化合物においては、環
状分子が架橋点となって包接化合物間のネットワークを
形成する一方、該環状分子が線状高分子上で自由に動け
ることが必要である。そのため、線状高分子はある程度
高分子量である必要があり、また、環状分子が疎に包接
していること、すなわち線状高分子がある程度むき出し
の状態にあることが好ましい。線状高分子の数平均分子
量は好ましくは1,000〜1,000,000、より
好ましくは5,000〜500,000、特に好ましく
は10,000〜300,000である。
【0017】包接化合物における線状高分子と環状分子
の割合は、(線状高分子を構成する単量体単位のモル
数):(環状分子の数)の比で、好ましくは100:1
〜100:50、より好ましくは100:2〜100:
40、特に好ましくは100:3〜100:30であ
る。
【0018】環状分子の数の割合が少なすぎると架橋が
不十分となって形態保持性が低下したり、高温で液化し
やすくなるなどのおそれがある。また、環状分子の割合
が多すぎると、線状高分子上での環状分子の動きが妨げ
られるため、架橋が不均一になって機械強度が低下する
場合がある。線状高分子と環状分子の割合は、1H−お
よび13C−NMRスペクトル、光吸収、元素分析など
により測定できる。
【0019】本発明に用いる包接化合物は、線状高分子
の両末端に置換基を有する。置換基は嵩高いものが好ま
しい。上記のように環状分子に線状高分子を包接させた
後に該線状高分子の両末端を嵩高い置換基で置換するこ
とで、環状分子が線状高分子から脱離できないようにす
ることができる。
【0020】嵩高い置換基は、環状分子の開口部の大き
さにより適宜選択される。具体的には、例えば、2,4
−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基、
2,4,6−トリニトロフェニル基などのニトロフェニ
ル基類;トリメチルフェニル基(トリチル基)、下記の
「化1」の化学式で表されるダンシル基、などを挙げる
ことができる。
【0021】
【化1】
【0022】線状高分子の両末端を嵩高い置換基で置換
する方法は特に限定されない。例えば、線状高分子とし
てポリエチレングリコールの両末端にアミノ基を有する
ポリエチレングリコールビスアミンを用い、さらに両末
端のアミノ基を2,4−ジニトロフェニルフルオライド
と反応させることにより、前記嵩高い封鎖基としての
2,4−ジニトロフェニル基で末端を置換することがで
きる。また、上記の2,4−ジニトロフェニルフルオラ
イドの代わりに、トリチルブロマイド、ダンシルクロラ
イド、2,4,6−トリニトロフェニルフルオライド等
を使用すれば、それぞれトリチル基、ダンシル基、2,
4,6−トリニトロフェニル基で末端を置換することが
できる。
【0023】本発明に用いる包接化合物の架橋物(A)
は、上記の包接化合物中の環状分子を架橋点として架橋
して得られる。架橋剤は特に限定されず、公知のものを
用いることができる。その具体例としては、塩化シアヌ
ル、トリメシン酸クロリド、テレフタル酸クロリド、エ
ピクロロヒドリン、ジブロモベンゼン、グルタールアル
デヒド、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、1,1’−カルボニルジイミダゾール、ジ
ビニルスルホン、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシランなどを挙げることができる。
【0024】架橋反応の条件も公知の方法を採用でき
る。例えば、環状分子としてα−シクロデキストリンを
用い、線状高分子として両末端が置換されたポリエチレ
ングリコールを用いた包接化合物を架橋する場合は、包
接化合物をアルカリ水溶液に溶解し、この水溶液にエピ
クロルヒドリンまたは塩化シアヌルを添加し、室温で攪
拌することにより、架橋反応を行うことができる。ま
た、溶媒としてジメチルスルホキシドを用い、架橋剤と
して1,1’−カルボニルジイミダゾールまたはトリレ
ンジイソシアネートを用いても、同様に架橋反応を行う
ことができる。
【0025】このように架橋して得られる包接化合物の
架橋物(A)は、そのまま高分子固体電解質の製造に供
することもできるが、透析などにより架橋物中に残留し
ている未反応の架橋剤や副生成物を除去して精製するこ
とが好ましい。また、減圧加熱乾燥など公知の方法で架
橋反応や精製に用いた溶媒を除去することも好ましい。
そのように架橋物を精製、乾燥して用いることで、高分
子固体電解質のイオン伝導性を高くすることができる。
【0026】本発明において用いられる電解質塩化合物
(B)は、前記包接化合物の架橋物(A)に可溶のもの
であり、該架橋物(A)と組み合わされることにより、
固体電解質としてのイオン伝導性を示すものであれば特
に限定されない。
【0027】そのような電解質塩化合物(B)として
は、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウム
イオンおよびグアニジウムイオンから選ばれた陽イオン
と、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸
イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸
イオン、硝酸イオン、AsF6 −、PF6−、ステアリ
ルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデ
シルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸
イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,
7,8,8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、
X1SO3 −、〔(X1SO2)(X2SO2)
N〕−、〔(X1SO2)(X2SO2)(X3S
O2)C〕−、および〔(X1SO2)(X2SO2)
YC〕−から選ばれた陰イオンとからなる化合物が挙げ
られる。
【0028】但し、前記のX1、X2、X3およびYは
電子吸引性基である。好ましくはX 1、X2およびX3
は、それぞれ独立して炭素数が1〜6のパーフルオロア
ルキル基またはパーフルオロアリール基であり、Yはニ
トロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基、
またはシアノ基である。X1、X2およびX3は、それ
ぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
【0029】前記の金属陽イオンとしては、例えば、遷
移金属の陽イオンを用いることができる。好ましくはM
n、Fe、Co、Ni、Cu、ZnおよびAgから選ば
れた金属の陽イオンである。また、Li、Na、K、R
b、Cs、Mg、CaおよびBaから選ばれた金属の陽
イオンを用いることも推奨され、より好ましくLi、N
aおよびKから選ばれた金属の陽イオンである。
【0030】電解質塩化合物(B)としては、前述の陽
イオンと陰イオンとからなる化合物を単独であるいは2
種類以上を併用することができる。電解質塩化合物
(B)の使用量は、包接化合物の架橋物(A)に対し
て、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%の
範囲である。電解質塩化合物(B)の使用量が多すぎる
と、固体電解質の加工性、成形性または機械的強度が損
なわれることがある。また、イオン伝導性が低下する場
合もある。
【0031】本発明の固体電解質においては、イオン伝
導性をより高めたり、柔軟性をより改善したりするため
に、可塑剤が好ましく用いられる。そのような可塑剤と
しては、公知のものを適宜選択して用いることができる
が、例えば、非プロトン性有機溶媒;直鎖型もしくは分
岐型のポリアルキレングリコールもしくはその誘導体ま
たはそれらの金属塩;などが挙げられる。
【0032】可塑剤として用いられる非プロトン性有機
溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、γ−
ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、3−メチル−
2−オキサゾリン、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テ
トラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチ
レングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。
【0033】直鎖型もしくは分岐型のポリアルキレング
リコールとしては、例えば、重量平均分子量が200〜
5000のポリエチレングリコールまたはポリプロピレ
ングリコールなどが挙げられ、その誘導体としては炭素
数1〜8のアルキル基もしくは炭素数3〜8のアルケニ
ル基を有するエステル誘導体またはエーテル誘導体が挙
げられ、その金属塩としてはナトリウム、リチウム、ジ
アルキルアルミニウム塩などが挙げられる。ポリアルキ
レングリコール誘導体の金属塩としては、例えば、ポリ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレン
グリコールモノエチルエーテルまたはポリエチレングリ
コールモノアリルエーテルのジオクチルアルミニウム塩
などが挙げられる。
【0034】かかる可塑剤の配合割合は適宜選択ででき
るが、包接化合物の架橋物(A)100重量部に対して
0〜2000重量部、好ましくは1〜1000重量部、
より好ましくは2〜500重量部である。
【0035】本発明の固体電解質を使用する際に難燃性
が必要とされる場合には、通常用いられる難燃化法を採
用することができる。例えば、臭素化エポキシ化合物、
テトラブロムビスフェノールA、塩素化パラフィン、三
酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、リン酸エステル、ポリリン酸
塩、ホウ酸亜鉛など公知の難燃剤の有効量を添加すれば
よい。
【0036】本発明の固体電解質の製造方法は特に限定
されないが、例えば、包接化合物の架橋物(A)と電解
質塩化合物(B)とを機械的に混合する方法;適当な溶
剤に電解質塩化合物(B)を溶解させておき、その溶液
中へ包接化合物の架橋物(B)を浸漬させる方法;包接
化合物の架橋物(A)と電解質塩化合物(B)とを溶剤
に溶解または懸濁させて混合した後、溶剤を除去する方
法;などによって製造される。
【0037】包接化合物の架橋物(A)と電解質塩化合
物(B)とを機械的に混合する手段としては、各種のニ
ーダー類、オープンロール、押出機などを任意に使用で
きる。また、溶剤を使用して本発明の固体電解質を製造
する場合は、各種の極性溶媒、例えば、テトラヒドロフ
ラン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール
ジエチルエーテルなどを、それぞれ単独で、あるいは混
合して使用することができる。
【0038】本発明の高分子固体電解質は、高いイオン
伝導性と電極に密着し得る適切な柔軟性と成形加工可能
な強度とを有するので、このような特性を生かす各種用
途、例えば、薄型電池、エレクトロクロミックディスプ
レイ、電気二重層コンデンサー、各種のセンサーなど電
気化学デバイス用の材料として有用である。
【0039】本発明の高分子固体電解質を電池へ適用す
る場合、電池の種類は特に限定されず、例えば、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属系電池、亜
鉛−塩化銀、マグネシウム−塩化銀、マグネシウム−塩
化銅等のハロゲン塩電池、ニッケル−水素電池等のプロ
トン伝導型電池等が挙げられる。これらの中でもリチウ
ム電池は高電圧かつ高エネルギーであり、リチウムイオ
ンの伝導度が本固体電解質中で高いので好適である。
【0040】本発明の高分子固体電解質を用いた電池を
作成する際には、正極材料としてはリチウム−マンガン
複合酸化物、リチウム-バナジウム複合酸化物、コバル
ト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト置換ニッ
ケル酸リチウム、ポリアセン、ポリピレン、ポリアニリ
ン、ポリフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリピロール、ポリフラン、
ポリアズレンなどが用いられる。
【0041】負極材料としては、例えば、リチウムがグ
ラファイトあるいはカーボンの層間に吸蔵された層間化
合物、リチウム金属、リチウム−鉛合金などが挙げられ
る。また、本固体電解質の高いイオン伝導性を利用し
て、アルカリ金属イオン、Cuイオン、Caイオンおよ
びMgイオン等の陽イオンのイオン電極の隔膜としての
利用も考えられる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。これらの例における部および%は、特に
断りのない限り重量基準である。
【0043】高分子固体電解質の評価方法を以下に示
す。 (1)イオン伝導度の測定 30℃、0.1kPa以下で72時間真空乾燥したフィ
ルムを白金電極ではさみ、電圧0.5V、周波数範囲5
Hz〜13MHzの交流法を用い、複素インピーダンス
法により算出した。 (2)高分子固体電解質フィルムの強度測定 幅7mm×長さ30mmのフィルムの両端を手で把持し
て引っ張った。フィルム強度は、破断状況に基づき、次
の3等級基準により評価した。 ○:よく伸び、容易には破断しなかった。 △:比較的容易に破断した。 ×:ほとんど伸びずに破断した。
【0044】(実施例1)以下に示す包接化合物の架橋
物の調製はWO01/83566号公報に記載される方
法に準じて行った。先ず、数平均分子量2万のポリエチ
レングリコールビスアミン0.9部とα−シクロデキス
トリン3.6部とを水30部に加え、80℃に加温して
溶解させた。その溶液を冷却し5℃で12時間静置し
た。生成した白いペースト状の沈殿を分取、乾燥し、
2,4−ジニトロフルオロベンゼン2.4部とジメチル
ホルムアミド10部の混合溶液に加えて室温で15時間
攪拌した。その反応混合物にジメチルスルホキシド(D
MSO)40部を加えて溶解した後、濃度0.1%の食
塩水800部に注いで析出物を分取した。析出物を50
部のDMSOに再溶解した後、再び800部の0.1%
食塩水へ注いで析出物を分取した。その析出物を水とメ
タノールで各3回ずつ洗浄後、50℃で12時間真空乾
燥した。このようにして、ポリエチレングリコールビス
アミンがα−シクロデキストリンに串刺し状に包接さ
れ、かつ両末端アミノ基に2,4−ジニトロフェニル基
が結合した包接化合物3部を得た。1H−NMR測定に
より求めた包接化合物の組成比は、エチレンオキシド単
位のモル数:α−シクロデキストリン分子の数の比で、
100:14であった。
【0045】この包接化合物1部を濃度1モル/リット
ルの水酸化ナトリウム水溶液5部に溶解し、塩化シアヌ
ル(架橋剤)0.35部を濃度1モル/リットルの水酸
化ナトリウム水溶液5部に溶解した溶液と混合した後、
混合液をニッケル板上に均一に流した。室温で10時間
静置後、ニッケル板上に形成された架橋物の薄膜を剥が
し、水中で十分に透析処理したあと100℃で乾燥し
た。このようにして得られた薄膜を、乾燥アルゴンガス
雰囲気下で、LiBF4の3%ジメチルスルホキシド溶
液中に8時間浸漬した。取り出した薄膜からジメチルス
ルホキシドを蒸発除去して、厚さ0.1mmのシート状
の高分子固体電解質を得た。得られた高分子固体電解質
のイオン伝導度は6×10−5(S/cm)であった。
また、強度評価は○であり、イオン伝導度と機械的強度
のバランスが優れていた。
【0046】(実施例2)前記実施例1で得られた架橋
物の薄膜を、LiBF4の3%ジメチルスルホキシド溶
液に浸漬する際、該溶液に可塑剤として分子量250の
ポリエチエチレングリコールを、薄膜の重量に対して1
0%加えたこと以外は実施例1と同様に操作した。得ら
れた高分子固体電解質のイオン伝導度は1.5×10
−4(S/cm)であった。また、強度評価は○であ
り、可塑剤を添加することで強度を維持しつつイオン伝
導度が向上した高分子固体電解質が得られた。
【0047】
【発明の効果】本発明の高分子固体電解質は、イオン伝
導性、機械的強度および柔軟性に優れており、それらの
性質を利用して、例えば大面積の薄膜形状の固体電解質
が容易に得られるという効果を奏する。また、電気化学
デバイスの小型化に対する要求にも十分に応えることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01M 10/40 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状分子に線状高分子が包接されてお
    り、かつ該線状高分子の両末端に置換基を有する包接化
    合物を架橋してなる架橋物(A)と、電解質塩化合物
    (B)とを含有する高分子固体電解質。
  2. 【請求項2】 環状分子がシクロデキストリンである請
    求項1記載の高分子固体電解質。
  3. 【請求項3】 線状高分子がポリエチレングリコールで
    ある請求項1〜2のいずれかに記載の高分子固体電解
    質。
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