JP2003264946A - モータのステータ鉄心 - Google Patents

モータのステータ鉄心

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JP2003264946A JP2002063866A JP2002063866A JP2003264946A JP 2003264946 A JP2003264946 A JP 2003264946A JP 2002063866 A JP2002063866 A JP 2002063866A JP 2002063866 A JP2002063866 A JP 2002063866A JP 2003264946 A JP2003264946 A JP 2003264946A
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Takashi Mogi
尚 茂木
Takeaki Wakizaka
岳顕 脇坂
Tsutomu Kaido
力 開道
Masao Yabumoto
政男 籔本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータのステータに磁壁間隔の狭い磁区構造
を実現するため一方向性電磁鋼板の溝の深さを規定し、
鉄損を低減したモータのステータ鉄心を提供すること。 【解決手段】 ヨークとティースとを分割し、さらにヨ
ークについては周方向に分割して打ち抜いた一方向性電
磁鋼板を積層して形成するモータのステータ鉄心におい
て、周期的に並ぶ溝の底部の鋼板組織中に微細粒を有す
る場合および微細粒がない場合、それぞれの最適な溝の
深さを設計磁束密度にしたがって決定し、制御した一方
向性電磁鋼板によってモータのステータ鉄心を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、効率改善を図った
各種電磁モータのステータ鉄心、ティース片およびヨー
ク片に関し、詳しくはモータのステータに磁壁間隔の狭
い構造を有する一方向性電磁鋼板を用いる技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のモータ、例えば三相同期
モータのステータは、電磁鋼板の薄板を回転軸の軸方向
に積層して構成されている。積層される鋼板は、表面に
絶縁層と一部の例において接着層が形成されており、組
立後に機械的にかしめたり、接着層を加熱溶融すること
で積層・固定される。こうしたモータの一例としては、
特開平2−119561号公報に示された「可変リラク
タンスモータ」などが知られている。
【0003】こうしたステータの材料として通常は無方
向性電磁鋼板が採用されている。これは、次の理由によ
る。ステータ側に形成される磁束を考えると、ティース
の部位では磁束はモータの径方向となり、ヨークの部位
では周方向となる。このようにティースとヨークで磁束
の方向はほとんど90度異なる上、更に隣接するティー
ス同士を較べても、各ティース毎に磁束の方向はティー
ス間の中心角分だけヨークの流れる磁束方向は異なるこ
とになる。磁束の方向がバラバラなステータにおいて、
全体として鉄損を小さくしようとすると、磁化の容易な
方向が存在する一方向性電磁鋼板では鉄損や磁束を効率
よく流す組み合わせは高度な技術を必要とするため、無
方向性電磁鋼板を使用することが採用されている。
【0004】一方、モータのステータ構造において、別
体とされたティース片とヨーク片のうち、少なくともテ
ィース片を一方向性電磁鋼板により形成し、しかも一方
向性電磁鋼板の磁化容易方向を径方向としているものが
特開平7−067272号公報において開示されてい
る。無方向性電磁鋼板により形成されている場合と較べ
て、ティースにおける鉄損を大きく低減できることが開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電磁モータの効率の向
上、例えば三相同期モータの出力トルクの増大、形状の
小型化などを図るためには、ティースやヨークでの鉄損
を一層低減しなければならない。ところで、例えばティ
ースに着目すると、磁束の方向は径方向に限られるか
ら、径方向を磁化の容易方向となるように一方向性電磁
鋼板が使用でき、鉄損をかなり低減できることは知られ
ている。上記の問題は、同期モータに限らず、同期発電
機などにも共通であるが、さらなるモータの小型化と高
効率化のために、より一層の鉄損低減化が課題であり、
これが本発明の課題でもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の具体的な手段は
以下の通りである。 (1)ヨークとティースとを分割し、さらにヨークにつ
いては周方向に分割して打ち抜いた一方向性電磁鋼板を
積層して形成するモータのステータ鉄心において、ヨー
ク片あるいはティース片はその表面に、ヨーク片あるい
はティース片の長さ方向に対して直角に近い角度で周期
的に並ぶ溝を有することを特徴とするモータのステータ
鉄心。 (2)前記の周期的に並ぶ溝の底部の鋼板組織中に微細
粒を有する場合、溝の深さをDm(μm)、設計磁束密
度をBd(T)としたときに、 −12.5Bd+26.25<Dm<−12.5Bd+
36.25 を満足することを特徴とする(1)記載のモータのステ
ータ鉄心。 (3)前記の周期的に並ぶ溝の底部の鋼板組織中に微細
粒が存在しない場合、溝の深さをDg(μm)、設計磁
束密度をBd(T)としたときに、 −12.5Bd+36.25<Dg<−12.5Bd+
46.25 を満足することを特徴とする(1)記載のモータのステ
ータ鉄心。 (4)ヨーク片あるいはティース片における一方向性電
磁鋼板の圧延方向を、ヨーク片あるいはティース片の長
さ方向に対して、0°〜60°の範囲に設定したことを
特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のモー
タのステータ鉄心。 (5)前記ティース片は、ヨーク片と接続する端部の両
側に突起を有することを特徴とする(1)ないし(4)
のいずれかに記載のモータのステータ鉄心。
【0007】
【発明の実施の形態】すでに述べたように、現在までモ
ータの効率向上、出力トルクの増大、形状の小型化等を
図るためには、ティースやヨークでの鉄損が低減されて
いる。本発明者らはこれらの部位の材料に注目し、鉄損
を下げる手法を効果的に実現するため鋭意研究を行っ
た。
【0008】以下実験にもとづき説明する。本発明者ら
はヨーク片やティース片に従来の一方向性電磁鋼板より
も鋼板の圧力方向に対し直角に近い角度で深さ数十ミク
ロンの溝を周期的に形成した一方向性電磁鋼板を用いて
ステータを構成したところ、従来の溝のない電磁鋼板で
作られたステータより鉄損の低減が確認された。
【0009】図1にティース1とヨーク2が一体となっ
たコアブロックを示す。一方向性電磁鋼板の結晶粒の中
には0.2〜2mm幅の棒磁石が互いにNSが反転するよ
うに並んでおりこれを磁区と呼び、その境界を磁壁と呼
んでいるが、磁束の流れと同じ方向の磁化を持つ磁区の
面積が増加するよう磁壁が移動する。磁壁の間隔が広い
と磁壁の移動速度が速くなるため磁壁を核とした渦電流
が多く流れ、鉄損が増大する。直角に近い角度で溝を形
成するとこの磁区が細かくなるため渦電流が小さくなり
鉄損が下がる(図2)。
【0010】次に本発明の限定理由について述べる。テ
ィースおよびヨークに一方向性電磁鋼板を用いた理由
は、この圧延方向の鉄損は無方向性電磁鋼板を用いた場
合の1/3に鉄損が低くなるからである。また、磁化容
易方向に対して直角に近い角度で周期的に並ぶ溝を持た
せると更に約7%鉄損低減が見込めるからである。
【0011】ここで用いる鋼板のグラス被膜の有無は問
わない。その理由は、グラス被膜を有する場合は鉄損が
さらに低減する効果が見られ、グラス被膜がない場合は
打ち抜き性が良く、金型の製造コストが低減するからで
ある。ステータ鉄心の製造においてどちらの利点を取る
か製造者が適宜決めることができる。
【0012】設計磁束密度をBdとしたとき上記の周期
的に並ぶ溝において溝の底に細かな0.1mm径程度の微
細粒を持った溝の深さDm(μm)を −12.5Bd+26.25<Dm<−12.5Bd+
36.25 の式で定義した理由は実験結果に基づいたものである。
Bd=1.3Tでは15μmの深さ(図3)、Bd=1.
7Tでは10μmの深さ(図4)で鉄損低減が大きかっ
たからである。
【0013】また微細粒のない溝の深さDg(μm)を −12.5Bd+36.25<Dg<−12.5Bd+
46.25 の式で定義した理由も実験結果に基づいたもので、Bd
=1.3Tでは25μmの深さ(図5)、Bd=1.7T
では20μmの深さ(図6)で鉄損低減が大きかったか
らである。
【0014】ここで微細粒の有無について個々に条件を
規定しているが、それぞれ異なる製造工程を対象として
いるためである。例えば、機械的に鋼板に歪を加えて溝
を形成する方法は、この後、700〜800℃で焼鈍を
行なうと溝近傍の歪により微細な結晶粒が発生する工程
である。歪を与えずエッチングなど化学的に溝を形成す
る方法は、歪がないため微細な結晶粒が発生しない工程
である。したがって、両工程にとってそれぞれ最適溝深
さをここで規定している。
【0015】また、一方向性電磁鋼板の圧延方向とヨー
ク片、ティース片の長手方向の関係は0〜60°の角度
範囲とする理由は次の通りである。この角度を変えたテ
ィース片で構成されたステータにおいてコギングトルク
を測定したところ、傾き角30°付近で最も小さかっ
た。これらの範囲を詳細に調べると0から60°の範囲
内であればコギングトルクを40%低減できる効果を知
見したからである。さらに、この角度を変えたヨーク片
で構成されたステータにおいては、磁束は透磁率の高い
方に流れる性質があるので、空隙からヨークに入る磁束
は90°曲がった場合、曲がり易い角度に透磁率の高い
方向が向いていると磁束が通り易い。この角度は0から
60°の範囲内で鉄損低減の効果が現れた。サーボモー
タのような左右どちらにも回転する場合においては奇数
枚目と偶数枚目では角度の符号を変えると良く、一方向
回転の場合よりはその効果が半減するが、鉄損は低い。
【0016】更に、例えば図8に示すように、前記ティ
ース片1がヨーク片2と接続する端部の両側に突起を有
する理由は、ティース片からヨーク片への磁束の流れ込
みを緩やかにして、回転鉄損を低減するためである。
【0017】ここで用いる鋼板のグラス被膜の有無は問
わない。その理由は、グラス被膜を有する場合は鉄損が
さらに低減する効果が見られ、無い場合は打ち抜き性が
良く、金型の製造コストが低減するからである。ステー
タ鉄心の製造においてどちらの利点を取るか製造者が適
宜決めることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明を説明する。 [実施例1]図7に本発明を適用した永久磁石モータの
ステータの断面図である。図7において、モータの鉄心
は分割面5により磁極数と同数の積層鉄心個片に分割さ
れており、積層鉄心個片は一方向性電磁鋼板で構成され
ている。積層鉄心個片には絶縁部3を介して巻線部4が
巻かれている。一方向性電磁鋼板は、磁化容易方向が図
7に示すように、ティースでは径方向に対して、ヨーク
では円周方向に対して平行になるように使用されてい
る。また、積層鉄心個片は一方向性電磁鋼板の磁化容易
方向がすべて同じ図中の矢印の方向になるように積層さ
れている。また、ティース部、ヨーク部に平均溝深さ1
2μmの微細粒を有する一方向性電磁鋼板を用いてい
る。
【0019】上記構成のモータの鉄心において、ティー
スおよびヨークとも設計磁束密度1.7Tにおいて従来
以上のステータの低鉄損化が実現した。さらに、積層鉄
心個片を通る磁束は常に高い透磁率を持つ一方向性電磁
鋼板の磁化容易方向に流れ、磁束密度を増やすことがで
き、誘起電圧が大きくなる効果があった。
【0020】また、積層鉄心個片のティース端部付近で
は磁束が積層鉄心個片のティース部へと曲げられ、空隙
部からティースに流れ込む磁束を磁化容易方向の一定の
方向に集中することができた。磁化容易方向は、永久磁
石の磁極の位置が変わっても、空隙部内の磁束は一方向
性電磁鋼板の磁化容易方向へ流す働きがあるのでスロッ
ト開口部の影響を受けにくくなり、コギングトルクや誘
起電圧の歪みやトルクリップルを低減できる効果があっ
た。
【0021】[実施例2]以下本発明の第2の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。図8は積層鉄心
個片7の断面図であり、一方向性電磁鋼板材による鉄心
個片6を所定枚数積層して構成されている。各鉄心個片
の磁化容易方向は奇数枚目と偶数枚目とで互いに直交す
るように積層する。ただし、傾き角は0度以上60度以
下の範囲にしている。
【0022】上記構成において、ティースおよびヨーク
とも平均溝深さ20μmの微細粒がない一方向性電磁鋼
板を用いることで、設計磁束密度1.3Tにおいて従来
以上のステータの低鉄損化が実現した。磁束は透磁率が
高い方へ流れる性質があるので空隙部から積層鉄心個片
に入る磁束は右側では奇数枚目の電磁鋼板へ、反対に左
側では偶数枚目の電磁鋼板へと流れやすくなった。
【0023】このような本発明の実施例によれば、サー
ボモータのように左右どちらにも回転する場合におい
て、第1の実施例の効果が得られる。なお、本発明はモ
ータの構造がインナーロータタイプやアウターロータタ
イプにかかわらず適用できる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、モータの
鉄心を分割し、設計磁束密度に対応した深さの溝を圧延
方向に対して直角に近い角度に入っている一方向性電磁
鋼板を用いて積層することにより、鉄損が低く、コギン
グトルクや誘起電圧歪みを小さくしながら誘起電圧を大
きくし、さらにトルクリップルや回転むらが小さい小型
でかつ高出力のモータを得ることができる。また、鉄心
内の磁束が流れる方向に合わせて一方向性電磁鋼板の磁
化容易方向を決めることで励磁電流をおさえ、鉄心内の
鉄損を低減でき高効率化が図れる。
【0025】また、一方向性電磁鋼板の磁化容易方向を
鉄心内の磁束の流れる方向にそろえることは、無方向性
電磁鋼板の場合よりも磁束の流れる方向が固定しやすく
なり、量産しても常に一定の磁気回路を形成するものを
製造しやすく、製品の特性のばらつきがおさえられる効
果がある。更に、積層鉄心の分割細分化によりプレス設
備が小型化され、生産効率を著しく向上させる効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来発明の鉄心個片における磁区模様を示す図
である。
【図2】本発明の溝を形成した場合の鉄心個片とその磁
区模様を示す図である。
【図3】Bd=1.3Tにおける微細粒ありの溝深さと
鉄損の関係を示す図である。
【図4】Bd=1.7Tにおける微細粒ありの溝深さと
鉄損の関係を示す図である。
【図5】Bd=1.3Tにおける微細粒なしの溝深さと
鉄損の関係を示す図である。
【図6】Bd=1.7Tにおける微細粒なしの溝深さと
鉄損の関係を示す図である。
【図7】実施例における積層鉄心個片を組み合わせてス
テータを形成した図である。
【図8】積層鉄心個片を形成の仕方を示した図である。
【符号の説明】
1 ティース片 2 ヨーク片 3 絶縁部 4 巻線部 5 分割面 6 鉄心個片 7 積層鉄心個片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 開道 力 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 籔本 政男 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 5H002 AA03 AB01 AB04 AC02 AC04 AC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨークとティースとを分割し、さらにヨ
    ークについては周方向に分割して打ち抜いた一方向性電
    磁鋼板を積層して形成するモータのステータ鉄心におい
    て、ヨーク片あるいはティース片はその表面に、ヨーク
    片あるいはティース片の長さ方向に対して直角に近い角
    度で周期的に並ぶ溝を有することを特徴とするモータの
    ステータ鉄心。
  2. 【請求項2】 前記の周期的に並ぶ溝の底部の鋼板組織
    中に微細粒を有する場合、溝の深さをDm(μm)、設
    計磁束密度をBd(T)としたときに、 −12.5Bd+26.25<Dm<−12.5Bd+
    36.25 を満足することを特徴とする請求項1記載のモータのス
    テータ鉄心。
  3. 【請求項3】 前記の周期的に並ぶ溝の底部の鋼板組織
    中に微細粒が存在しない場合、溝の深さをDg(μ
    m)、設計磁束密度をBd(T)としたときに、 −12.5Bd+36.25<Dg<−12.5Bd+
    46.25 を満足することを特徴とする請求項1記載のモータのス
    テータ鉄心。
  4. 【請求項4】 ヨーク片あるいはティース片における一
    方向性電磁鋼板の圧延方向を、ヨーク片あるいはティー
    ス片の長さ方向に対して、0°〜60°の範囲に設定し
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記
    載のモータのステータ鉄心。
  5. 【請求項5】 前記ティース片は、ヨーク片と接続する
    端部の両側に突起を有することを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1項記載のモータのステータ鉄心。
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