JP2003265164A - 力学的刺激負荷が可能な細胞培養装置 - Google Patents

力学的刺激負荷が可能な細胞培養装置

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JP2003265164A
JP2003265164A JP2002025898A JP2002025898A JP2003265164A JP 2003265164 A JP2003265164 A JP 2003265164A JP 2002025898 A JP2002025898 A JP 2002025898A JP 2002025898 A JP2002025898 A JP 2002025898A JP 2003265164 A JP2003265164 A JP 2003265164A
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cell culture
pressure
cells
culture device
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JP2002025898A
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English (en)
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Tetsuya Tateishi
哲也 立石
Takashi Ushida
多加志 牛田
Hideo Niwa
英夫 丹羽
Takeshi Fukuchi
健 福地
Tadao Sato
匡生 佐藤
Kenji Yamashita
憲司 山下
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理的な力学的刺激パターンを再現し、か
つ、長期にわたる無菌性及び種々の細胞に適用できる汎
用性を有する培養システムを提供する。 【解決手段】 カラム様デバイス(1)、バックプレッ
シャーレギュレーター(3)、バルブ(2)及び(1
3)、ポンプ(7)、圧力リザーバー(6)、培地槽
(4)、制御用コンピューター(11)、並びに、圧力
センサー(10)からなる細胞培養装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力学的刺激負荷が
可能な細胞培養装置及び細胞培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内の組織・細胞は、サイトカインな
ど種々の因子による生化学的な刺激だけでなく、静的又
は動的な力学的刺激を受けることにより、分化・増殖、
代謝など、細胞の生化学的そして生理学的な機能を発揮
している。生体における力学的刺激としては部位によっ
て異なるが、大気圧の数十倍という静水圧による刺激
と、静水圧に比べそれ自体の圧力レベルはかなり低いも
のであるが血液、体液の流れによる応力圧による刺激が
その主なものである。
【0003】これまでこのような力学的刺激を利用した
細胞の分化・増殖を目的とする細胞培養システムの検討
はいくつか実施されてきた。
【0004】応力刺激による培養システムとして、Le
ungら(Leungら、Science 191巻、
475−477頁、1976年)が細胞を付着させた膜
を伸縮又は振動させる方法で血管平滑筋の培養例を示
し、Dunkelmanら(Dunkelman N.
S.ら、Biotechnology and Bio
engineering 46巻、299−305頁)
や、Bujiaら(Bujia J.、Laryngo
rhinootologie 73巻、577−580
頁、1994年)がカラム内に支持体に保持された軟骨
細胞を入れ、ポンプで培地を循環させ支持体中の軟骨細
胞へ液の流れによる応力刺激を行う内容の培養例を示し
ている。これは一定の力で一定の方向に刺激を行うもの
で、その刺激の強度そしてその刺激パターンも生体本来
のものとはかけ離れたものである。
【0005】また、静水圧刺激による培養システムとし
て、Wrightら(Wrightら、Clinica
l Science 90巻、61−71頁、1996
年)がガスシリンダー式の圧力負荷による軟骨細胞への
刺激負荷例を示し、Parkkinenら(Parkk
inenら、Archives of Biochem
istry 300巻、458−465頁、1993
年)は油圧シリンダー式ポンプでカラムに関節部内圧力
に相当する5MPaの圧力を負荷するという方法で軟骨
細胞の刺激例を示している。また、Smithら(Sm
ithら、Journal of Orthopaed
ic Research 14巻、53−60頁、19
96年)は、同じく油圧シリンダー式の圧力負荷で関節
部の生理的な圧力である10MPaを中心に30MPa
までの圧力負荷を行い軟骨細胞への刺激を行っている。
【0006】これらの方法は生体内レベルの圧力強度自
体は再現しているが、その負荷パターンは急激な圧力上
昇と下降という凸凹の圧力変化を示すものでやはり生体
本来のものとは異なるものである。さらにこのタイプの
システムでは短時間の刺激例のみ示されており、長期の
培養に耐える十分な無菌性を確保した培養システムであ
ることは示されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように現行の力
学的刺激による細胞培養システムは生体本来の力学的刺
激負荷に近いパターンを再現したものであるとは言いが
たい。細胞の培養の面からも数週間に及ぶ長期培養が可
能であるような無菌性を保つことは困難であり、かつ種
々の細胞への適用を可能とする汎用性を十分確保したも
のでもないと言える。
【0008】本発明は、上記現状に鑑み、生理的な力学
的刺激パターン、特に関節内の静水圧を再現し、かつ、
長期にわたる無菌性及び種々の細胞に適用できる汎用性
を有する培養システムを提供することを目的としたもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、細胞
及び培養担体を保持し、内部で細胞を生育させるための
カラム様デバイス、前記カラム様デバイスの出口に接続
されたバックプレッシャーレギュレーター、前記バック
プレッシャーレギュレーターの作動を操作できるよう前
記カラム様デバイスの出口側に設置された電子制御可能
なバルブ、前記カラム様デバイスの入口側に設置された
電子制御可能なバルブ、前記カラム様デバイスの入口側
に設置された前記バルブを介して前記カラム様デバイス
に接続されたポンプ、前記カラム様デバイスの入口に接
続された前記バルブと前記ポンプとの間に設置された圧
力リザーバー、前記カラム様デバイスの出口に接続され
た前記バルブ及び前記バックプレッシャーレギュレータ
ーと前記圧力リザーバーとの間に設置された培地槽、前
記2つのバルブに電気的に接続されており、前記2つの
バルブを開閉させることで前記バックプレッシャーレギ
ュレーターの作動を操作し、前記カラム様デバイス内の
細胞にかかる圧力パターンを制御するための制御用コン
ピューター、並びに、前記カラム様デバイス内の圧力を
測定できるよう設置され、かつ前記制御用コンピュータ
ーに電気的に接続された圧力センサー、からなる細胞培
養装置である。
【0010】本発明の細胞培養装置においては、細胞に
かかる圧力強度が可変であり、かつ周期的な圧力負荷が
可能である。この場合において、上記圧力強度の可変範
囲が0〜9Mpa(ただし好ましい下限は0.1MPa
であり、好ましい上限は7MPaである)であり、周期
性として10Hzから0.005Hz(ただし好ましい
下限は0.01Hzであり、好ましい上限は1Hzであ
る)の範囲で圧力負荷を制御することが可能である。
【0011】本発明の細胞培養装置は、細胞にかかる圧
力負荷パターンを、生体内部で起こる圧力負荷パターン
に制御するために使用することができる。生体内部で起
こる圧力負荷パターンとは、通常、正弦波型の圧力負荷
パターンのことをいう。また、本発明の細胞培養装置に
おいては、加圧、非加圧時ともにカラム様デバイス内に
培地の移動を生起させることが可能である。
【0012】上記カラム様デバイス中の上記培養担体
は、生体適合性材料からなるものであることが好まし
い。上記カラム様デバイス中の培養担体としては、細胞
等を良好に保持できるものであれば特に限定されず、具
体的には、平板プレート、多孔質体、不織布、メッシ
ュ、組み紐、ゲルが挙げられる。上記生体適合性材料と
しては、例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグ
リコール酸/ポリ乳酸共重合体、ポリεカプロラクト
ン、ポリ乳酸/ポリεカプロラクトン共重合体、アルギ
ン酸、セルロース、ニトロセルロース、ゼラチン、コラ
ーゲン等の分解性材料、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、ポリビ
ニール、ポリカーボネート、ポリウレタン等の非分解性
材料などが挙げられる。
【0013】上記カラム様デバイスは、透明な素材から
なることが好ましい。具体的には、強化ガラス(ホウケ
イ酸ガラスなど)が挙げられる。
【0014】上記ポンプとしては、プランジャー式、油
圧式、又は、ガス圧式のものが好ましい。
【0015】本発明の細胞培養措置は、さらに、カラム
様デバイスの入口側に設置された電子制御可能なバルブ
によって作動を操作できるようカラム様デバイスの入口
に接続されたバックプレッシャーレギュレーターを含む
ことが好ましい。これによって圧力負荷パターンをより
精緻に制御することが可能となる。
【0016】カラム様デバイスの入口にもバックプレッ
シャーレギュレーターを有する場合、2種類のバックプ
レッシャーレギュレーターは、電磁弁方式により連動し
ていることが好ましい。
【0017】上記ポンプは、上記制御用コンピューター
により制御されていることが好ましい。
【0018】上記カラム様デバイス内の培養担体に保持
される細胞は、ほ乳類(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウ
シ、ウマ、ブタなど、好ましくはヒト)由来の細胞であ
ることが好ましく、ほ乳類由来の骨髄若しくは組織由来
の幹細胞又は関節軟骨由来の細胞であることがより好ま
しく、ヒト由来の骨髄若しくは組織由来の幹細胞又は関
節軟骨由来の細胞であることが更に好ましい。
【0019】本発明の細胞培養装置の基本原理は、図1
に示すとおり、ポンプ(7)からの送液により圧力リザ
ーバー(6)を介してカラム様デバイス(1)に加圧
し、さらにバックプレッシャーレギュレーター(3)の
能力に対応した圧力、又は、ポンプ(7)の加圧により
蓄えられた圧力リザーバー(6)の圧力に対応した圧力
を生成させるというものである。圧力負荷パターンの制
御は、カラム様デバイス(1)の入口側及び出口側のバ
ルブ(2)及び(13)のON/OFF、又は、これと
カラム様デバイス(1)の出口に接続されたバックプレ
ッシャーレギュレーター(3)による制御を組み合わせ
ることにより行う。したがって、圧力の上昇パターンは
圧力リザーバー(6)から押し出される培地の流量によ
って規定され、流量を変化させることにより急激な上昇
も緩慢な上昇も任意に作り出すことが可能である。圧力
の維持及び下降パターンは、生成した圧力を開放する経
路に置いたバルブ(2)の開閉及びバックプレッシャー
レギュレーター(3)の制御圧力により規定され、制御
圧力の低いものでは急激な下降、高いものでは緩慢な下
降が得られる。以上のような機構により本発明の細胞培
養装置を用いて生体における圧力の上昇下降を再現する
ことが可能となる。さらに本発明の細胞培養装置は培地
と接触するすべての部分がオートクレーブ又はエチレン
オキサイドガスにより滅菌できる構造、またこのような
滅菌法に耐え得る素材でできており、雑菌等のコンタミ
がない状態で長期にわたって細胞の培養が可能である。
また、カラム構造の工夫により汎用的な培養が可能であ
る。
【0020】なおポンプ(7)についてはより好ましく
はプランジャー式のポンプであるが、従来の油圧又はガ
ス圧による圧力負荷形式のものであっても、バックプレ
ッシャーレギュレーター(3)とバルブ(2)及び(1
3)のON/OFFを組み合わせることにより、正弦波
的な圧力負荷パターンなど種々の負荷パターンを再現で
きる。
【0021】以下で本発明の細胞培養装置の一態様を詳
細に説明する。本発明の細胞培養装置の一態様は、図1
に示すように、基本構造としてポンプ(7)、バックプ
レッシャーレギュレーター(3)及び(14)、カラム
様デバイス(1)、バルブ(2)及び(13)、圧力リ
ザーバー(6)、培地槽(4)、制御用コンピューター
(11)、好ましくは圧力センサー(10)及びpHセ
ンサーからなる。ポンプ(7)からの送液により圧力リ
ザーバー(6)を介してカラム様デバイス(1)に加圧
し、さらにバックプレッシャーレギュレーター(3)及
び(14)の能力に対応した圧力、又は、ポンプ(7)
の加圧により蓄えられた圧力リザーバー(6)の圧力に
対応した圧力を生成させる。圧力負荷パターンの制御
は、カラム様デバイス(1)の入口側及び出口側のバル
ブ(2)及び(13)のON/OFF、又は、これとカ
ラム様デバイス(1)の出口に接続されたバックプレッ
シャーレギュレーター(3)及びカラム様デバイス
(1)の入口に接続されたバックプレッシャーレギュレ
ーター(14)による制御を組み合わせることにより行
う。したがって、圧力の上昇パターンは圧力リザーバー
(6)から押し出される培地の流量によって規定され、
流量を変化させることにより急激な上昇も緩慢な上昇も
任意に作り出すことが可能である。圧力の維持及び下降
パターンは、生成した圧力を開放する経路に置いたバル
ブ(2)の制御用コンピューター(11)制御による開
閉及びバックプレッシャーレギュレーター(3)の制御
圧力により規定され、制御圧力の低いものでは急激な下
降、高いものでは緩慢な下降が得られる。以上のような
機構により本発明の細胞培養装置を用いて生体における
圧力の上昇下降を再現することが可能となる。なお圧力
の上昇下降はバックプレッシャーレギュレーター(3)
を用いず、カラム様デバイス(1)前後のバルブの制御
用コンピューター(11)の制御による開閉操作でも可
能である。ただし実施例でも述べるように、より生理的
な圧力負荷パターンの再現のためにはバックプレッシャ
ーレギュレーター(3)の利用が必要である。
【0022】圧力センサー(10)、さらに必要により
pHセンサーはカラム様デバイス(1)の入口箇所等に
設置しリアルタイムでの測定を行う。この測定シグナル
はモジュレーターを経て制御用コンピューター(11)
に取り込まれる。
【0023】培地槽(4)は、COインキュベーター
内に設置し、フィルター(12)を介してインキュベー
ターの内部環境と接触し培地の温度及びpHが制御され
るようになっている。
【0024】装置内を通液する培地としては、細胞が良
好に培養できるものであれば特に限定されない。
【0025】また本発明の細胞培養装置は、装置全体又
は少なくとも培地槽(4)とカラム様デバイス(1)に
ついては、培養する細胞に適した温度環境に設定し得る
容器内に設置して稼働する。特に、培地槽(4)につい
ては、COインキュベーター等、より細胞に適した環
境を付与し得る容器内に設置し稼働する。
【0026】さらに本発明の細胞培養装置は、培養の途
中で無菌的にサンプリングすることが可能であり、細胞
及び細胞混合物の生化学的、生理学的評価を経時的に行
うことが可能である。
【0027】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0028】(実施例1)以下、実施例2〜4で用いた
個々のユニットについて説明する。ポンプ(7)はプラ
ンジャー式のものを用い、圧力強度として2500ps
i(約16MPa)までの圧力負荷が可能な株式会社ケ
ムコ製のものを用いた。このものはプランジャー部のう
ち培地と接触する部品を分解して個別にオートクレーブ
又はエチレンオキサイドガスにより滅菌できるようにな
っている。バックプレッシャーレギュレーター(3)及
び(14)はアップチャーチ社製を用いた。圧力生成用
バックプレッシャーレギュレーター(3)には、制御圧
力が1000、750又は500psiのものを、生成
させる圧力に応じて用いた。圧力開放用バックプレッシ
ャーレギュレーター(14)には5、20、40、7
5、100又は250psiのものを目的の圧力下降パ
ターンに応じて用いた。
【0029】カラム様デバイス(1)は内部カラム部が
ホウケイ酸ガラス製で外側のシールド部がポリカーボネ
ート製の円筒形二重構造を有し、圧力、熱に対して耐性
があるウォーターズ社製のものを用いた。
【0030】カラム様デバイス(1)、バックプレッシ
ャーレギュレーター(3)、ポンプ(7)及び培地槽
(4)、チュービングポンプ(5)、圧力リザーバー
(6)、滅菌水槽(8)を接続するラインは、熱に対し
て耐性があるアップチャーチ社製のPEEK素材のもの
を用い、各ユニットへの接続はアップチャーチ社製の接
続器具を用いた。
【0031】圧力センサー(10)はゼネレクス社製を
用い、培養カラムの入口箇所に設置した。その測定シグ
ナルをコンピューターに取り込むためのモジュレーター
はバイオラッド社製のものを用いた。
【0032】培地槽はCOインキュベーター内に設置
し、ポアサイズが0.22μmのフィルター(12)を
介してインキュベーターの内部環境と接触し培地の温度
及びpHが制御されるようにした。培地は10%のウシ
胎児血清を含むHam′s F−12培地(Gibco
BRL製)を用い、無菌的にシステムに充填した。
【0033】(実施例2、3及び比較例1、2)実施例
1の細胞培養装置を用いて、培養カラム内への圧力負荷
を行った。圧力負荷の時間、圧力の大きさ、さらにバッ
クプレッシャーレギュレーターの有無により様々な圧力
負荷パターンを生成させることができた。その代表的な
ものを図2のA〜Dに示した。
【0034】5MPaの静水圧を1秒間隔で生成させた
時、バックプレッシャーレギュレーター(3)を用いな
い場合は圧力の降下が急激に起こり、圧力の生成パター
ンが鋭角的であった(図2−A、比較例1)が、バック
プレッシャーレギュレーター(3)を用いると正弦波に
近い圧力パターンが観察された(図2−B、実施例
2)。また、5MPaの静水圧を15秒間隔で生成させ
た時、バックプレッシャーレギュレーター(3)を用い
ない場合は、やはり圧力の降下が急激であった(図2−
C、比較例2)。同じ圧力負荷条件でバックプレッシャ
ーレギュレーター(3)を用いると図2−Dのような圧
力パターンが得られた(実施例3)。これは関節におけ
る生理的な圧力負荷パターンと極めて類似したものであ
った(図3)。
【0035】図2−A:バックプレッシャーレギュレー
ター(3)を用いず、5MPaの静水圧を1秒負荷後0
MPaで1秒保持した場合(比較例1)。 図2−B:バックプレッシャーレギュレーター(3)を
用いて、5MPaの静水圧を1秒負荷後0MPaで1秒
保持した場合(実施例2)。 図2−C:バックプレッシャーレギュレーター(3)を
用いず、5MPaの静水圧を15秒負荷後0MPaで1
5秒保持した場合(比較例2)。 図2−D:バックプレッシャーレギュレーター(3)を
用いて、5MPaの静水圧を15秒負荷後0MPaで1
5秒保持した場合(実施例3)。
【0036】(実施例4)4週令のウシ前肢関節荷重部
より採取した軟骨細胞を直径6.5mm、厚さ3mmの
PLGAスポンジディスクに2x10cells/c
となるように播種し、実施例1の細胞培養装置を用
いた圧力下での培養を実施した。圧力は5MPaの負荷
を5分間加えた後、大気圧(0MPa)下で55分間保
持するというパターンを繰り返した。この条件で2週間
培養後、周期的な静水圧の負荷が軟骨組織の形成に与え
る影響を生化学的及び組織学的に評価した。
【0037】生化学的評価は軟骨細胞が産生するプロテ
オグリカンの量をコンドロイチン−4−硫酸をELIS
Aにより定量することによって評価した。培養後の軟骨
組織を抽出用緩衝溶液(4Mグアニジン塩酸、0.05
M酢酸ナトリウム、0.01Mエチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム、0.1Mアミノヘキサン酸、0.005
Mベンズアミジン塩酸、pH5.8)中で、4℃、48
時間、ゆるやかに振盪して可溶化した後、1.3%酢酸
カリウムを含むエタノール溶液でプロテオグリカンを沈
殿させた。沈殿物をELISA用96穴プレートに吸着
させ、4℃で一晩放置した。ELISA洗浄液(0.0
5%ツィーン20を含むリン酸緩衝液)で各ウェルを洗
浄後、0.1%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝液
を1ウェル当り200μlを加え、2時間放置した。E
LISA洗浄液で洗浄後500倍希釈したビオチン標識
抗コンドロイチン−4−硫酸モノクローナル抗体(生化
学工業)を1ウェル当り100μl加え、2時間放置し
た。ELISA洗浄液で洗浄後1000倍希釈したホー
スラディッシュパーオキシダーゼ−ストレプトアビジン
コンジュゲート(GIBCO/BRL Laborat
ory)を1ウェル当り100μl加え、30分放置し
た。ELISA洗浄液で洗浄後、発色基質(Genzy
me/Techne)を1ウェル当り100μl加え室
温で30分間放置した後、2N硫酸を1ウェル当り50
μl加え反応を停止した。反応停止後オートプレートリ
ーダーにより450nmの吸光度を測定した。以上の方
法により細胞が産生したコンドロイチン−4−硫酸の量
を測定したところ、周期的な圧力負荷を行って培養した
軟骨細胞による産生量は、圧力負荷を行わず大気圧下で
2週間培養した軟骨細胞が産生する量より約1.5倍高
かった(図4)。
【0038】組織学的評価は、作製した軟骨組織をHE
(ヘマトキシリン−エオシン)染色し、生細胞数を計測
することにより評価した。周期的な静水圧を負荷して培
養した軟骨組織及び大気圧下で培養した軟骨組織の凍結
切片1mm当りの生細胞数を表1に示した。表1から
わかるように静水圧を負荷したものの生細胞数は、負荷
しないものの生細胞数の約1.6倍であった。また、静
水圧を負荷した軟骨組織の方が支持体中に細胞がより均
一に分散していた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は生体組織のあらゆる部分の細胞
培養用として応用可能なシステムであるが、その中でも
特に、軟骨細胞の培養への応用が挙げられる。生体の軟
骨細胞は常に高い圧力負荷の中、さらに歩行などによる
周期的な圧力変化を受けている。本発明はまさにこの圧
力負荷を忠実に再現し得る性能を有するものであり、軟
骨細胞の増殖、機能発現、維持ひいては軟骨組織の形成
促進に有効に働くことが強く示唆される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい一態様である細胞培養装置
の模式図
【図2】 本発明の一態様である細胞培養装置又は比較
対照の細胞培養装置により生成された圧力負荷パターン
を示した図
【図3】 生体における生理的圧力負荷パターンと本発
明の一態様である細胞培養装置による圧力負荷パターン
を示した図
【図4】 本発明の一態様である細胞培養装置と比較対
照の細胞培養装置において培養細胞が産生するコンドロ
イチン−4−硫酸の量を示すグラフ
【符号の説明】
1:カラム様デバイス 2:バルブ 3:バックプレッシャーレギュレーター 4:培地槽 5:チュービングポンプ 6:圧力リザーバー 7:ポンプ 8:滅菌水槽 9:フィルター 10:圧力センサー 11:制御用コンピューター 12:フィルター 13:バルブ 14:バックプレッシャーレギュレーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立石 哲也 茨城県つくば市下広丘670−3 (72)発明者 牛田 多加志 茨城県つくば市竹園1−817−204 (72)発明者 丹羽 英夫 兵庫県明石市魚住町2568−3 (72)発明者 福地 健 兵庫県明石市朝霧町3−123セゾン朝霧304 (72)発明者 佐藤 匡生 兵庫県神戸市垂水区塩屋6−31−17 (72)発明者 山下 憲司 香川県高松市神在川窪町332−3 Fターム(参考) 4B029 AA02 AA21 BB11 CC02 CC10 DA04 DF07 4B065 AA90X BA23 BA24 BC05 BC07 BC18 BC42 CA46

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞及び培養担体を保持し、内部で細胞
    を生育させるためのカラム様デバイス、前記カラム様デ
    バイスの出口に接続されたバックプレッシャーレギュレ
    ーター、前記バックプレッシャーレギュレーターの作動
    を操作できるよう前記カラム様デバイスの出口側に設置
    された電子制御可能なバルブ、前記カラム様デバイスの
    入口側に設置された電子制御可能なバルブ、前記カラム
    様デバイスの入口側に設置された前記バルブを介して前
    記カラム様デバイスに接続されたポンプ、前記カラム様
    デバイスの入口に接続された前記バルブと前記ポンプと
    の間に設置された圧力リザーバー、前記カラム様デバイ
    スの出口に接続された前記バルブ及び前記バックプレッ
    シャーレギュレーターと前記圧力リザーバーとの間に設
    置された培地槽、前記2つのバルブに電気的に接続され
    ており、前記2つのバルブを開閉させることで前記バッ
    クプレッシャーレギュレーターの作動を操作し、前記カ
    ラム様デバイス内の細胞にかかる圧力パターンを制御す
    るための制御用コンピューター、並びに、前記カラム様
    デバイス内の圧力を測定できるよう設置され、かつ前記
    制御用コンピューターに電気的に接続された圧力センサ
    ー、からなることを特徴とする細胞培養装置。
  2. 【請求項2】 圧力強度が可変であり、かつ周期的な圧
    力負荷が可能な請求項1記載の細胞培養装置。
  3. 【請求項3】 圧力強度の可変範囲が0〜9Mpaであ
    り、周期性として10Hzから0.005Hzの範囲で
    圧力負荷を制御することが可能な請求項2記載の細胞培
    養装置。
  4. 【請求項4】 圧力パターンを、生体内部で起こる圧力
    パターンに制御するための請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の細胞培養装置。
  5. 【請求項5】 加圧、非加圧時ともにカラム様デバイス
    内に培地の移動を生起させることが可能な請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の細胞培養装置。
  6. 【請求項6】 カラム様デバイス内の培養担体が生体適
    合性材料からなるものである請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の細胞培養装置。
  7. 【請求項7】 カラム様デバイスが透明な素材からなる
    ものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞培
    養装置。
  8. 【請求項8】 ポンプがプランジャー式のものである請
    求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞培養装置。
  9. 【請求項9】 ポンプが油圧式のものである請求項1〜
    8のいずれか1項に記載の細胞培養装置。
  10. 【請求項10】 ポンプがガス圧式のものである請求項
    1〜8のいずれか1項に記載の細胞培養装置。
  11. 【請求項11】 さらに、カラム様デバイスの入口側に
    設置された電子制御可能なバルブによって作動を操作で
    きるようカラム様デバイスの入口に接続されたバックプ
    レッシャーレギュレーターを含む請求項1〜10のいず
    れか1項に記載の細胞培養装置。
  12. 【請求項12】 2種類のバックプレッシャーレギュレ
    ーターが電磁弁方式により連動している請求項11記載
    の細胞培養装置。
  13. 【請求項13】 ポンプが制御用コンピューターにより
    制御されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の
    細胞培養装置。
  14. 【請求項14】 カラム様デバイス内の培養担体に保持
    される細胞がほ乳類由来の細胞である請求項1〜13の
    いずれか1項に記載の細胞培養装置。
  15. 【請求項15】 カラム様デバイス内の培養担体に保持
    される細胞がヒト由来の細胞である請求項1〜13のい
    ずれか1項に記載の細胞培養装置。
  16. 【請求項16】 カラム様デバイス内の培養担体に保持
    される細胞がヒト由来の骨髄又は組織由来の幹細胞であ
    る請求項1〜13のいずれか1項に記載の細胞培養装
    置。
  17. 【請求項17】 カラム様デバイス内の培養担体に保持
    される細胞がヒト関節軟骨由来の細胞である請求項1〜
    13のいずれか1項に記載の細胞培養装置。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか1項に記載
    の細胞培養装置で細胞を培養することからなる細胞培養
    方法。
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