JP2003270419A - 回折光学素子及び画像表示装置 - Google Patents

回折光学素子及び画像表示装置

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JP2003270419A
JP2003270419A JP2002075142A JP2002075142A JP2003270419A JP 2003270419 A JP2003270419 A JP 2003270419A JP 2002075142 A JP2002075142 A JP 2002075142A JP 2002075142 A JP2002075142 A JP 2002075142A JP 2003270419 A JP2003270419 A JP 2003270419A
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light
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polarization
refractive index
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JP2002075142A
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Hiroshi Takegawa
洋 武川
Takuji Yoshida
卓司 吉田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶材料のように屈折率の温度依存性が比較
的大きい材料を構成要素として用いる場合において、プ
ロジェクタ機内など室温に比べて素子温度が高くなる状
況においても、偏光分離特性を最適化する。 【解決手段】 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性が
それぞれ互いに異なる第1の領域と第2の領域6,7と
が交互に配列された構造を有し、特定の偏光方位の入射
光に対する回折効率が極小値をとる素子温度が、摂氏2
5度以上摂氏70度以下の範囲内であることとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の偏光方位の
入射光を選択的に回折させる回折光学素子及びこの回折
光学素子を用いて構成された画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶材料などを用いて構成され、
特定の偏光方位の入射光を選択的に回折させる偏光選択
性の回折光学素子が提案されている。また、このような
回折光学素子を用いた画像表示装置が提案されている。
【0003】液晶材料などは、屈折率の温度依存性が比
較的大きい。そのため、この液晶材料を構成物として用
いた偏光選択性の回折光学素子、たとえば、ホログラフ
ィツク高分子分散液晶(以下、「H−PDLC」とい
う。)素子の回折効率の特性は、その素子温度に大きく
影響を受ける。これは、液晶の見かけの屈折率が、温度
変化による液晶分子のミクロの振動強度の変化のために
変動することが主要な原因である。
【0004】以下、簡単なモデルを参照して本現象を説
明する。図28に示すように、「H−PDLC」偏光選
択性の回折光学素子は、液晶分子の構成比率が高い第1
の領域101と高分子材料の構成比率の高い第2の領域
102とが順次配列されて構成されている。
【0005】ここでは、説明を簡潔にするために、第1
の領域101は、全て正の光学異方性を有する液晶材料
よりなり、液晶の光学軸方向が第1及び第2の領域10
1,102の境界面に垂直に配向しているものとする。
また、第2の領域102は、全て等方性の高分子よりな
っているものとする。そして、室温(摂氏20度)にお
いて、第1及び第2の領域101,102の境界面に対
し平行な方向の偏光方位に対する屈折率が、第1及び第
2領域101,102で互いに等しいと仮定する(図2
8中に示すような紙面に平行で「H−PDLC」偏光選
択性素子に対して斜めに入射する入射光においては、S
偏光光がこの偏光方位に相当する)。
【0006】つまり、液晶材料の常光線屈折率と高分子
材料の屈折率とが室温にて一致しているとする。この場
合、温度上昇に伴い、液晶分子振動が増大し、第1の領
域101の屈折率のうち、液晶分子の光学軸(第1及び
第2の領域101,102の境界面に対して直交する方
向)に沿う偏光に対するものは減少し、これに直交する
方向(第1及び第2の領域101,102の境界面に対
し平行な方向)に沿う偏光に対するものは増加する。一
方、高分子より構成される第2の領域102について
は、この温度上昇に対する屈折率変化は、第1の領域1
01に比べると、図29に示すように、わずかである。
この図29においては、第1及び第2の領域101,1
02の屈折率及びこれら屈折率の差に相当する回折効率
の温度依存性の一例を、第1及び第2の領域101,1
02の境界面に対し直交する偏光方位(図29中のP偏
光)及び平行な偏光方位(図29中のS偏光)の入射光
についてそれぞれ示している。
【0007】このような温度依存性により、特に、この
「H−PDLC」素子を偏光方位による回折の有無を利
用した偏光分離素子として用いる場合には、回折効率が
低くなるように設定した偏光方位に対する回折効率は、
屈折率変調度の微少な変化により大きな変化率を示す。
そのため、偏光分離特性、すなわち、回折効率が大きく
なるよう設定した偏光方位に対する回折効率とこれに直
交し回折効率が小さくなるよう設定した偏光方位に対す
る回折効率の比は、素子温度の上昇に伴って急激に劣化
することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、画像表示装
置であるいわゆる液晶プロジェクタの機内温度は、一般
的に、外界周辺温度に対して摂氏15度から30度程度
上昇することが知られている。
【0009】したがって、「H−PDLC」偏光選択性
素子のような、回折効率が温度依存性をもつデバイス、
特に、最低回折効率を与える偏光方位に対する回折効率
が温度依存性をもつデバイスをプロジェクタ機内で用い
る場合には、室温における特性を最適化しても、例え
ば、上述の偏光分離素子の場合において室温におけるS
偏光回折効率を最小化しても、実使用時には、良好な偏
光分離特性が得られないことになる。
【0010】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、液晶材料のように、屈折率の温
度依存性が比較的大きい材料を構成要素として用いる偏
光選択性屈折率変調型の回折光学素子において、画像表
示装置(プロジェクタ装置)内など室温に比べて素子温
度が高くなる状況においても、偏光分離特性を最適化し
ようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る回折光学素子は、屈折率異方性及び屈
折率の温度依存性がそれぞれ互いに異なる第1の領域と
第2の領域とが交互に配列された構造を有し、入射光を
回折させる偏光選択性屈折率変調型の回折光学素子であ
って、特定の偏光方位の入射光に対する回折効率が極小
値をとる素子温度が、摂氏25度以上摂氏70度以下の
範囲内であることを特長とするものである。
【0012】この回折光学素子においては、素子温度が
摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内において、特定
の偏光方位の入射光に対する回折効率が極小値をとるの
で、画像表示装置などに用いた場合において、使用温度
範囲の全域に亘って特定の偏光方位の入射光に対する回
折効率が低く抑えられ、良好な光学特性を維持すること
ができる。
【0013】また、本発明に係る回折光学素子は、屈折
率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに異な
る第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構造を
有し、入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の回
折光学素子であって、素子温度が摂氏25度以上摂氏7
0度以下の範囲内において、特定の偏光方位の入射光に
対する回折効率が1%以下であることを特長とするもの
である。
【0014】この回折光学素子においては、素子温度が
摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内において、特定
の偏光方位の入射光に対する回折効率が1%以下である
ので、画像表示装置などに用いた場合において、使用温
度範囲の全域に亘って特定の偏光方位の入射光に対する
回折効率が低く抑えられ、良好な光学特性を維持するこ
とができる。
【0015】また、本発明に係る画像表示装置は、照明
光を放射する光源と、屈折率異方性及び屈折率の温度依
存性がそれぞれ互いに異なる第1の領域と第2の領域と
が交互に配列された構造を有し入射光を回折させる偏光
選択性屈折率変調型の回折光学素子と、光源より放射さ
れた照明光を回折光学素子に入射させる照明光学系と、
回折光学素子により回折された照明光、または、回折光
学素子を透過した照明光の偏光状態を変調する反射型空
間光変調素子と、反射型空間光変調素子及び回折光学素
子を経た照明光を実像または虚像に結像する結像光学系
とを備えている。
【0016】そして、本発明は、この画像表示装置にお
いて、回折光学素子は、特定の偏光方位の入射光に対す
る回折効率が極小値をとる素子温度が、摂氏25度以上
摂氏70度以下の範囲内であり、結像光学系は、この回
折光学素子の透過光、または、回折光をスクリーン上ま
たは観察者の瞳に投射することを特徴とするものであ
る。
【0017】この画像表示装置においては、回折光学素
子の素子温度が摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内
において、この回折格子に対する特定の偏光方位の入射
光の回折効率が極小値をとるので、使用温度範囲の全域
に亘って特定の偏光方位の入射光に対する回折効率が低
く抑えられ、良好な光学特性を維持することができる。
【0018】また、本発明は、上述の画像表示装置にお
いて、回折光学素子は、素子温度が摂氏25度以上摂氏
70度以下の範囲内において、特定の偏光方位の入射光
に対する回折効率が1%以下であり、結像光学系は、回
折光学素子の透過光、または、回折光をスクリーン上に
投射することを特徴とするものである。
【0019】この画像表示装置においては、回折光学素
子の素子温度が摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内
において、この回折格子に対する特定の偏光方位の入射
光の回折効率が1%以下であるので、使用温度範囲の全
域に亘って特定の偏光方位の入射光に対する回折効率が
低く抑えられ、良好な光学特性を維持することができ
る。
【0020】さらに、本発明に係る画像表示装置は、照
明光を放射する光源と、屈折率異方性及び屈折率の温度
依存性がそれぞれ互いに異なる第1の領域と第2の領域
とが交互に配列された構造を有し入射光を回折させる偏
光選択性屈折率変調型の回折光学素子と、照明光を互い
に異なる複数の波長帯域成分に分離する色分離手段と、
互いに異なる複数の波長帯域成分に分離された照明光を
上記回折光学素子に入射させる照明光学系と、回折光学
素子により回折された照明光、または、回折光学素子を
透過した照明光のうちの互いに異なる複数の波長帯域成
分の偏光状態をそれぞれ変調する複数の反射型空間光変
調素子と、複数の反射型空間光変調素子によりそれぞれ
変調された互いに異なる波長帯域の照明光を合成する色
合成手段と、この色合成手段を経た照明光を実像または
虚像に結像する結像光学系とを備えている。
【0021】そして、本発明は、この画像表示装置にお
いて、回折光学素子は、特定の偏光方位の入射光に対す
る回折効率が極小値をとる素子温度が、摂氏25度以上
摂氏70度以下の範囲内であり、結像光学系は、回折光
学素子を透過、または、回折光学素子にて回折して色合
成手段を経た照明光をスクリーン上または観察者の瞳に
投射することを特徴とするものである。
【0022】この画像表示装置においては、回折光学素
子の素子温度が摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内
において、この回折格子に対する特定の偏光方位の入射
光の回折効率が極小値をとるので、使用温度範囲の全域
に亘って特定の偏光方位の入射光に対する回折効率が低
く抑えられ、良好な光学特性を維持しつつ、カラー画像
の表示を行うことができる。
【0023】また、本発明は、上述の画像表示装置にお
いて、回折光学素子は、素子温度が摂氏25度以上摂氏
70度以下の範囲内において、特定の偏光方位の入射光
に対する回折効率が1%以下であり、結像光学系は、回
折光学素子を透過、または、回折光学素子にて回折して
色合成手段を経た照明光をスクリーン上または観察者の
瞳に投射することを特徴とするものである。
【0024】この画像表示装置においては、回折光学素
子の素子温度が摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内
において、この回折格子に対する特定の偏光方位の入射
光の回折効率が1%以下であるので、使用温度範囲の全
域に亘って特定の偏光方位の入射光に対する回折効率が
低く抑えられ、良好な光学特性を維持しつつ、カラー画
像の表示を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0026】〔回折光学素子の実施の形態〕本発明に係
る偏光選択性屈折率変調型の回折光学素子として、高分
子分散液晶(以下、「PDLC」という。)を材料とし
た液晶パネルにホログラフィックな手段により干渉縞を
生成して構成した偏光選択性「ホログラフィックPDL
C」(以下、「H−PDLC」という。)光学素子を例
に説明する。この偏光選択性「H−PDLC」回折光学
素子は、図1に示すように、以下のような製造プロセス
によって製造される。
【0027】すなわち、まず、光重合を起こす前の高分
子材料(以下、「プレポリマ」という。)、ネマチック
液晶、開始剤、色素などが混合された「PDLC」をガ
ラス基板1,2間に充填する。このとき、ネマチック液
晶の重量割合は、全体の40%程度とする。また、この
「PDLC」の層厚、すなわち、ガラス基板1,2間の
間隔(セルギャップ)は、2μm乃至15μmの範囲
で、完成されるべき偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子の仕様にあわせて最適値を選ぶことができる。
【0028】この偏光選択性「H−PDLC」回折光学
素子において、「プレポリマ」は、多官能基モノマ、2
官能基モノマ、単官能基モノマから構成され、それぞれ
のモノマの作用はその材料により異なる。一般的には、
単官能基モノマは、他の材料との親和性を良くするため
用いられ、バインダーモノマと呼ばれることもある。2
官能基以上の多官能基モノマは、重合性が良好なため、
ポリマを形成する上での骨格として機能する。この「プ
レポリマ」の組成比は、多官能基モノマと2官能基モノ
マを合わせて40wt%乃至60wt%、単官能基モノ
マを5wt%乃至20wt%、液晶を30wt%乃至5
0wt%、光重合開始剤と増感色素を数wt%以下とす
る。
【0029】一般的に、このような重合性モノマは、エ
チレン性不飽和結合を有する光重合可能な化合物であっ
て、1分子中に、少なくともエチレン性不飽和二重結合
を1個有し、光重合及び光架橋可能なモノマ、オリゴ
マ、プレポリマ及びこれらの混合物である。
【0030】これらの例としては、不飽和カルボン酸及
びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化
合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミ
ン化合物とのアミド等が挙げられる。
【0031】本発明において使用されている多くの重合
性モノマは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
化合物とのエステルである。本発明では、多官能基モノ
マとして、トリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA)、ペンタエリストールトリアクリレート
(PETA)、ジペンタエリスリトールヒドロキシペン
タアクリレート(DPHPA)、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート(DPHA)などを使用すること
ができる。2官能基モノマとしては、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートの付加化合
物を用いる。ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールジアクリレートの付加化合物は、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートの単体に、
例えば、以下の付加物により変性された化合物である。
【0032】ε−カプロラクトン付加物(−(OC
10CO)−) エチレンオキシド付加物(−(OC−) プロピレンオキシド付加物(−(OC−) これらの付加化合物は、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジアクリレート単体の性質を失うことな
く、低皮膚刺激性、耐候性、柔軟性及び低収縮性などの
性質改善がなされている。
【0033】なお、光重合性モノマの組み合わせについ
ては、材料の屈析率、物質拡散に関係する粘度、硬化速
度を考慮した上で選ばなければいけない。
【0034】液晶としては、シアノビフェニル系液晶、
ハロゲン系液晶、トラン系液晶、シアノエステル系液晶
など、一般に用いられている液晶を用いることができる
が、本発明において使用される液晶材料は、屈折率の異
方性Δnが、0.15以上あることが望ましい。これ
は、本発明においては、位相変調型のホログラムを使用
しているため、Δnが直接回折効率に大きく影響するか
らである。また、本発明においては、特に屈折率異方性
の大きいシアノビフェニル系の液晶を用いることによ
り、偏光選択性のよいホログラム光学素子を作製するこ
とが可能となる。
【0035】光重合開始剤は、紫外線(UV光)に対し
て感度を特ち、モノマの光重合開始剤として機能するも
のである。光重合開始剤としては、一般的にチオキサン
トン系、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノ
ン系のものを使用することができる。
【0036】増感色素としては、キサンテン系、クマリ
ン系、ローダミン系、カルボシアニン系などのものを使
用することができる。増感色素は、UV(紫外線)光で
しか励起されない重合開始剤を、可視光において励起さ
せる機能がある。すなわち、増感色素は、可視光レーザ
による光重合過程を経ていることにより、可視光を吸収
し、そのエネルギーを光重合開始剤に伝達する機能を有
している。この機能から、増感色素の許容エネルギーレ
ベル及び光重合開始剤の許容エネルギーレベルには、厳
密な整合性が必要となり、使用する光重合開始剤と増感
色素との組み合わせは重要である。
【0037】本発明においては、緑色レーザに対して
は、光重合開始剤にN−フェニルグリシン(下記、〔化
1〕)及び増感色素に口ーズベンガル(下記、〔化
2〕)の組み合わせをメインに用いた。また、青色のレ
ーザに対しては、光重合開始剤にTAZ−101(下
記、〔化3〕)及び増感色素にBC(下記、〔化4〕)
の組み合わせ、もしくは、N−フェニルグリシンとBC
の組合わせを用いた。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】ここで、光学ガラス基板1,2上に、それ
ぞれ応力緩衝層の形成を行う。これら応力緩衝層は、光
学ガラス基板1,2と「H−PDLC」材料との間に形
成され、「H−PDLC」材料の光重合に伴う収縮応力
の緩和を実現し、また、「H−PDLC」材料のガラス
基板1,2の界面からの剥がれを防止するとともに、
「H−PDLC」材料の熱及び光による劣化を防ぐ。
【0043】この応力緩衝層は、ポリイミド等、有機膜
の材料からなるものを用いることができる。作製方法と
しては、ポリイミドを適当な希釈溶媒で薄め、スピンコ
ート法によって塗布を行い、所定の温度で焼成すること
によって、ポリイミド膜を形成する。この応力緩衝層の
厚さは、10nm乃至50nmとした。
【0044】次に、「PDLC」パネル3に干渉縞を記
録するために、図示しないレーザー光源からの物体光4
及び参照光5を、「PDLC」パネル3に照射し、干渉
による光の強弱Bを発生させる。すると、干渉縞の明る
いところ、すなわち、光子のエネルギーが大きい場所で
は、光子のエネルギーにより、「PDLC」中のプレポ
リマが光重合を起こしてポリマ化する。このため、プレ
ポリマが周辺部から次々に供給され、結果的に、ポリマ
化したプレポリマが密な領域と疎な領域とに分かれる。
プレポリマが疎となった領域では、ネマチック液晶の濃
度が高くなる。このようにして、「PDLC」パネル3
内において、第1の領域である高分子領域6及び第2の
領域である液晶領域7の2つの領域が形成される。これ
ら高分子領域6及び液晶領域7の2つの領域は、物体光
4及び参照光5によって形成された干渉縞に沿って、順
次配列された状態に形成される。
【0045】この実施の形態においては、物体光4と参
照光5とが「PDLC」パネル3に対して同じ側の面か
ら照射されているため、製造される偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子は、透過型の素子となる。物体光
4と参照光5とを「PDLC」パネル3に対して互いに
異なる側の面から照射すれば、反射型の偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子を製造することができる。
【0046】このようにして形成された偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子において、高分子領域6は、
屈折率に関して等方的である。高分子領域6の屈折率
は、例えば、1.5となされている。それに対して、液
晶領域7は、屈折率に関して異方性を特つ。液晶は、一
般に屈折率楕円体を用いて記述される。屈折率楕円体の
短軸側の屈折率を常光線屈折率nlo、長軸側の屈折率
を異常光線屈折率nleとして表現している。液晶領域
7においては、液晶の分子の長軸方向が、高分子領域6
との境界面に対して垂直になるように配向している場合
と、液晶の分子の長軸方向が、高分子領域6との境界面
に対して平行に配向している場合を考えることができ
る。どちらの場合においても、液晶領域7では、屈折率
が入射偏光方位依存性を有している。
【0047】(A)液晶分子の長軸方向がポリマ領域と
の境界面に対して垂直な場合 この場合に、「H−PDLC」パネル3に入射する光線
を考える。入射光は、P偏光成分の光とS偏光線分の光
に分けることができる。ここで、常光線となるS偏光成
分について考える。S偏光光に対する液晶領域7の屈折
率は、常光線屈折率nloであり、高分子領域6におけ
る屈折率は、等方性の屈折率nlpである。そして、こ
の液晶領域7の常光線屈折率nloを高分子領域6の屈
折率nlpにほぼ等しくすれば(例えば、屈折率差を
0.01未満とすれば)、入射光のS偏光成分に対する
屈折率変調が極めて小さくなり、S偏光成分は、回折を
起こさない。
【0048】一方、液晶は、常光線屈折率nloと異常
光線屈折率nleとの差が、0.1から0.2程度あ
る。そのため、入射方向が同じ光線であっても、P偏光
成分にとっては、液晶領域7と高分子領域6において屈
折率差があり、回折する。すなわち、この場合、「H−
PDLC」は、位相変調ホログラムとして機能する。こ
れが偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子の動作原
理である。
【0049】(B)液晶分子の長軸方向がポリマ領域と
の境界面に対して平行な場合 この場合は、液晶分子の長軸方向が高分子領域6との境
界面に対して垂直な場合と比較し、液晶の配向方向が9
0°異なる。すると、P偏光成分に対する液晶領域の屈
折率nloと高分子領域6の屈折率nlpがほぼ等しく
なり、回折効率が0に近づく。一方、S偏光について
は、液晶領域7と高分子領域6とで屈折率に差が生じ、
回折が生じる。
【0050】液晶分子を配向させる技術としては、ポリ
イミドなどの配向膜を2枚のガラス基板1,2上にスピ
ンコートなどの手法により塗布し、加熱、焼成を行い、
ローラなどを用いて一定方向にラビング処理を行い、配
向させる方法が一般的に使用されている。また、ガラス
基板1,2上に透明電極を形成し「H−PDLC」セル
に電界を印加することによる配向方法もある。その他に
も、「H−PDLC」セルの外部から非常に大きい外部
電界や外部磁界をかけることによって液晶の配向を行う
方法がある。本発明では、高分子材料及び液晶の選択と
配合比の最適化を行うことにより、特別な配向処理を行
うことなく、液晶分子を干渉縞に対して垂直な方向に配
列させることができる。
【0051】次に、この偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子における高分子領域6及び液晶領域7の屈折
率の温度依存性について説明する。
【0052】説明を簡単にするために、ここでは、高分
子領域6は、ほぼ完全に屈折率等方性を有していると仮
定する。高分子領域6及び液晶領域7がなす干渉縞に平
行な偏光成分(図28におけるS偏光光)と、干渉縞に
垂直な偏光成分(図28におけるP偏光光)とに対する
高分子領域6及び液晶領域7の屈折率の温度依存性は、
図2に示すように、液晶領域7の屈折率に比較して、高
分子領域6の屈折率が温度上昇により極わずかしか変化
しないという特性となっている。
【0053】これは、高分子領域6においては、存在す
る液晶分子が少なく、ほぼ無秩序に配列しており、屈折
率の温度依存性は主に高分子材料の屈折率の温度依存性
によるものであるためである。
【0054】一方、液晶領域7の屈折率は、温度上昇と
ともに比較的大きく変化し、P偏光光に対しては温度上
昇とともに減少し、S偏光光に対しては温度上昇ととも
に増加する。これは、前述のように、液晶領域7におい
て多く存在する液晶分子は、例えば、干渉縞の壁(高分
子領域6と液晶領域7の境界面)に光学軸方向を垂直と
して配向しており、温度上昇に伴って、図3に示すよう
に、この液晶分子のオーダパラメータ(秩序度)が低下
するので、P偏光光からみた見かけの屈折率が減少し、
S偏光光からみた見かけの屈折率が増加するためであ
る。なお、例えば、液晶領域7をなす液晶材料として使
用されるシアノビフェニル系液晶(4−シアノ−4´−
ペンチルビフェニル)のような等方性液体の場合、屈折
率の温度依存性は、nloよりも若干高い値を示す。
【0055】そして、本発明に係る偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子は、S偏光光に対する回折効率
が、素子温度が素子の使用温度範囲内であるときに極小
値をとることを特徴とするものである。回折効率が極小
値をとるときとは、高分子領域6及び液晶領域7の屈折
率が互いに等しいときに対応する。
【0056】この実施の形態においては、素子使用温度
を、25°C乃至70°Cとしている。したがって、例
えば、図2中の右上のグラフに示すように、素子の使用
温度範囲内、より望ましくは、素子使用温度である25
°C乃至70°Cの中央値45°C近辺において、S偏
光光に対する高分子領域6及び液晶領域7の屈折率が等
しくなればよい。このとき、S偏光回折効率は、図2中
の右下のグラフに示すように、0になる。
【0057】または、図4に示すように、高分子領域6
及び液晶領域7の屈折率が完全には等しくならないまで
も、S偏光光に対する高分子領域6及び液晶領域7の屈
折率の差が、素子の使用温度範囲内、より望ましくは、
図2中の上側のグラフに示すように、素子使用温度であ
る25°C乃至70°Cの中央値45°C近辺におい
て、極小値をとればよい。このとき、S偏光回折効率
は、図2中の下側のグラフに示すように、極小値をと
る。このS偏光回折効率の極小値は、1%以下となるよ
うにするとよい。
【0058】そして、この偏光選択性「H−PDLC」
回折光学素子においては、S偏光光に対する回折効率
は、素子の使用温度範囲である25°C乃至70°Cの
範囲内において、常に1%以下であることが望ましい。
【0059】なお、素子使用温度としては、この回折光
学素子を用いて後述するような画像表示装置を構成した
場合において、室温23°Cにおいて実測した結果で
は、空間光変調素子である液晶パネル付近において、室
温より17.3°C上昇して40.3°C、光源となる
ランプ付近において、室温より27.4°C上昇して5
0.4°Cであった。
【0060】また、液晶領域7のS偏光光に対する屈折
率変化の温度依存性を実測した結果においては、図5に
示すように、室温を20°Cとして、素子温度が室温よ
り60°C上昇した80°において、屈折率は0.00
3の変化、素子温度が室温より80°C上昇した100
°において、屈折率は0.008の変化を示した。この
変化を高分子領域6のS偏光光に対する屈折率変化と比
較すると、図6に示すように、素子温度が室温より60
°C上昇した80°において、屈折率の変化量は、8倍
乃至9倍に達していることがわかる。
【0061】このような特徴を有する偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子を実現するためには、例えば、
使用する高分子材料の重合後の屈折率、または、屈折率
の温度依存性を調整する、液晶と高分子の相分離度を調
整する、液晶分子の常光線屈折率や異常光線屈折率を調
整する、あるいは、液晶ドロップレットと高分子間の相
互作用力を調整するなどの方法がある。
【0062】上述の実施の形態においては、液晶領域7
に存在する正の光学異方性を有する液晶分子が、光学軸
を干渉縞に対して垂直として配向されている場合を中心
として説明しているが、本発明は、液晶分子が光学軸を
干渉縞に平行として配向されている場合についても、あ
るいは、液晶分子が負の光学異方性を有する場合につて
いも、適用可能である。
【0063】さらに、本発明は、必ずしも上述のような
液晶材料及び高分子材料を含む構成でなくとも、屈折率
異方性及び屈折率の温度依存性が異なる2つの領域が交
互に配列された構造の屈折率変調型回折光学素子であれ
ば、適用可能である。
【0064】〔回折光学素子の実施例1〕以下、本発明
に係る回折光学素子について、具体的な実施例を示す。
なお、「H−PDLC」材料の混合物は、可視光の中で
重合反応を始めないように、暗室中で材料の混合を行な
った。
【0065】チッソ(株)社製、シアノビフェニル系液
晶「SY1018XX」(商品名)を約40wt%、光
重合性3官能基モノマとして、束亜合成(株)社製「ア
ロニックスM−309」(商品名)(化学名:トリメチ
ロールプロパントリアクリレート)(下記〔化5〕)を
約22wt%、光重合性2官能基モノマとして、日本化
薬(株)社製「KAYARAD HX−220」(商品
名)(化学名:ε−カプロラクトン変性ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)(下記
〔化6〕)を約22wt%、光重合性単官能基モノマと
して日本化薬(株)社製「KAYARAD R−128
H」(商品名)(化学名:2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピルアクリレート)(下記〔化7〕)を約16
wt%、光重合開始剤としてN−フェニルグリシン(上
記〔化1〕)を約0.5wt%、増感色素としてローズ
ベンガル(上記〔化2〕)を約0.5wt%を秤量し、
混合を行なった。
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【0068】
【化7】
【0069】これらの混合には、撹絆機及び超音波を用
いて行なった。この混合物を、約5μmのギャップをも
って対向させたガラス基板の間に充填した。ギャップの
維持には、ガラス、または、プラスチックからなるスペ
ーサビーズを用いた。ガラス基板上には、応力緩衝層と
して、ポリイミド膜を膜厚30nmにて形成した。
【0070】そして、波長532nmのSHGレーザを
用いて、ガラス基板の同じ面方向から、2光束ホログラ
フィック露光を行ない、干渉縞の形成を行なった。ホロ
グラフィック露光は、振動による揺らぎを防ぐために、
レーザの強度を強くして、できるだけ短時間で露光を行
った。
【0071】レーザ露光を行なったサンプルには、高圧
水銀灯を光源として紫外線を照射し、高分子の未重合部
分を硬化させた。以上の工程により、セル内部で屈折率
が周期的に変化する「H−PDLC」を得た。
【0072】光重合性2官能基モノマは、「HX−22
0」の代わりに、日本化薬(株)社製「KAYARAD
MANDA」(商品名)(化学名:ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)(下記
〔化8〕)を用いてもよい。
【0073】
【化8】
【0074】次に、波長633nmのHe−Neレーザ
を用いて回折効率の測定を行なった。回折効率は、回折
光の強度が最も高い角度で測定を行ない、回折効率の値
は、次式によって計算した。 〔回折効率〕=(〔回折光の強度Id〕/〔入射光の強度
Ii〕)×100(%) 測定結果は、P偏光の回折効率が約80%、S偏光の回
折効率が0.2%であった。偏光分離度は、P偏光回折
効率とS偏光の回折効率の比であるから、400以上と
なっていることがわかる。
【0075】さらに、ポリイミドを塗布してラビングを
行なったガラス基板に、混合した材料を充填して「H−
PDLC」を作成することにより、液晶の配向を制御す
ることができ、偏光分離度を高めることができた。
【0076】〔実施例2〕次に、チッソ(株)社製「シ
アノビフェニル系液晶SY1018XX」(商品名)を
約40wt%、光重合性3官能基モノマとして、東亜合
成株式会社アロニックス「M−309」(商品名)(化
学名:トリメチロールプロパントリアクリレート)を約
25wt%、光重合性2官能基モノマとして、日本化薬
(株)社製「KAYARAD HX−220」(商品
名)(化学名:ε−カプロラクトン変性ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)を約2
5wt%、光重合性単官能基モノマとして「N−ビニル
−ピロリジノン」(下記〔化9〕)を約10wt%、光
重合開始剤としてN−フェニルグリシンを約0.5wt
%、増感色素としてローズベンガルを約0.5wt%を
秤量し、混合を行なった。
【0077】
【化9】
【0078】これらの混合には、撹絆機及び超音波を用
いて行なった。この混合物を、約5μmのギャップをも
って対向させたガラス基板の間に充填した。ギャップの
維持には、ガラス、または、プラスチックからなるスペ
ーサビーズを用いた。ガラス基板上には、応力緩衝層と
して、ポリイミド膜を膜厚30nmにて形成した。
【0079】そして、波長532nmのSHGレーザを
用いて、ガラス基板の同じ面方向から、2光束ホログラ
フィック露光を行ない、干渉縞の形成を行なった。ホロ
グラフィック露光は、振動による揺らぎを防ぐために、
レーザの強度を強くして、できるだけ短時間で露光を行
った。
【0080】レーザ露光を行なったサンプルには、高圧
水銀灯を光源として紫外線を照射し、高分子の未重合部
分を硬化させた。以上の工程により、セル内部で屈折率
が周期的に変化する「H−PDLC」を得た。
【0081】光重合性2官能基モノマは、「HX−22
0」の代わりに、日本化薬(株)社製「KAYARAD
MANDA」(商品名)(化学名:ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート)(上記
〔化8〕)を用いてもよい。
【0082】光重合開始材及び増感色素の組み合わせ
は、ローズベンガル及びN−フェニルグリシンの組み合
わせに限らず、露光を行なう波長に適した材料の組み合
わせを使用することができる。例えば、波長457nm
のSHGレーザ光を露光に使用する場合には、光重合開
始剤としては、N−フェニルグリシン、または、みどり
化学(株)社製「TAZ−101」(商品名)(化学
名:2,4,6トリス(トリクロロメチル)−S−トリ
アジン(上記〔化3〕)、増感色素としては、みどり化
学(株)社製「BC」(商品名)(化学名:3,3´−
カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン(上記
〔化4〕))の組み合わせを使用した。
【0083】次に、波長633nmのHe−Neレーザ
を用いて回折効率の測定を行なった。回折効率は、回折
光の強度が最も高い角度で測定を行ない、回折効率の値
は、次式によって計算した。 〔回折効率〕=(〔回折光の強度Id〕/〔入射光の強度
Ii〕)×100(%) 測定結果は、P偏光の回折効率が約70%、S偏光の回
折効率が0.3%であった。偏光分離度は、P偏光回折
効率とS偏光の回折効率の比であるから、200以上と
なっていることがわかる。
【0084】さらに、ポリイミドを塗布してラビングを
行なったガラス基板に、混合した材料を充填して「H−
PDLC」を作成することにより、液晶の配向を制御す
ることができ、偏光分離度を高めることができた。
【0085】〔画像表示装置の実施の形態(第1乃至第
3の実施の形態)〕以下、上述の偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子及び反射型画像表示素子を有して構
成される画像表示装置の第1の実施の形態について、図
7を参照して説明する。この画像表示装置においては、
上述した「H−PDLC」パネル3に、反射型空間光変
調素子となる反射型FLC液晶パネル10が、界面11
において光学的に密着されて配設されている。
【0086】この画像表示装置において、空間光変調素
子は、この空間光変調素子において反射される光を変調
する反射型空間光変調素子であって、入射光の偏光状態
を変調する偏光変調型空間光変調素子であり、例えば、
入射直線偏光の偏光方向を回転して反射するものであ
る。
【0087】反射型FLC液晶パネル10は、一対のガ
ラス基板12,15間にFLC層(液晶層)13が封入
されて構成されている。この実施の形態における「H−
PDLC」パネル3は、図7に示すように、入射角0°
の物体光4と、入射角θin-airの参照光5によって製造
されたものである。このときの干渉縞の傾き角θintを
求める。
【0088】いま、仮定としてガラス基板1の屈折率を
ngla、「PDLC」の平均屈折率も簡単のために同じ
くnglaとすると、以下の式が成立する。
【0089】 ngla・sin(θin-med)=sin(θin-air) (∵θin-med :媒質中での入射角) この式において、ngla=1.5、θin-air=60°と
すると、θin-med=35.3°となる。これより、干渉
縞の傾き角θintは、以下の式より、 θint=θin-med/2=17.7° となる。
【0090】次に、この画像表示装置の動作原理を説明
する。まず、P偏光成分とS偏光成分両方を含む再生光
5が入射角θin-airで「H−PDLC」パネル3のガラ
ス基板1より入射する。ガラス基板1で屈折された入射
光は、続いてホログラム層9に、入射角θin-medにて入
射する。
【0091】このとき、このホログラム層9において
は、P偏光成分は、回折されて、反射型FLC液晶パネ
ル10に対して略々垂直に入射光51として入射する。
そして、このP偏光成分は、アルミ反射面14で反射さ
れ、FLC層13を往復することにより変調され、ホロ
グラム層9に再入射する。このとき、P偏光成分は、ホ
ログラム層9において再び回折されて射出光53として
再生光5の逆方向に戻り、S偏光成分は、ホログラム層
9にて回折されることなく、射出光52として「H−P
DLC」パネル3から垂直に射出する。
【0092】一方、再生光5のS偏光成分は、「H−P
DLC」パネル3のホログラム層9にて回折されること
なく、そのままθin-medの入射角にて反射型FLC液晶
パネル10に入射する。このとき、S偏光成分は、反射
型FLC液晶パネル10のFLC層13を通過すること
により偏光状態の変調を受けるが、アルミ反射面14で
反射された反射光54は、ホログラム層9が厚いホログ
ラムであるため回折条件に合致せず、S偏光成分はもち
ろんP偏光成分もほとんど回折されることなく「H−P
DLC」パネル3を透過していく。たとえFLC層13
での変調により生じたP偏光成分の一部がホログラム層
9で回折されたとしても、反射光54の射出方向を射出
光52との射出方向に対して十分に異なった方向として
おくか、または、射出光52の光路中に射出光52が主
に有する偏光成分を選択的に透過させる偏光板を設置す
ることにより、これら反射光54と射出光52とを分離
することができる。
【0093】すなわち、この画像表示装置においては、
偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子は、照明光学
系により、照明光受光面の法線に対して30°以上90
°未満の入射角で照明光が入射され、照明光のP偏光成
分もしくはS偏光成分を回折させて反射型空間光変調素
子に向けて出射するとともに、この反射型空間光変調素
子により位相変調されて再入射する照明光のうち、1回
目の入射において回折される偏光成分の偏光方向に直交
する偏光方向である偏光成分に対する回折効率が10%
以下であることにより、この偏光成分を70%以上透過
させるものである。
【0094】ここで、「厚いホログラム」について説明
する。「厚いホログラム」の定義は、次に示すQ値が1
0以上であることとする(参考図書:辻内順平著「ホロ
グラフィー」(裳華房))。Q値は、以下の式により定
義される。
【0095】Q=2πλt/(nΛ) (∵λ:再生波長) (∵t:ホログラム層の厚さ) (∵n:ホログラム層の平均屈折率) (∵Λ:干渉縞のピッチ) そして、干渉縞のピッチΛは、以下のようにして決ま
る。
【0096】 Λ=λc/|2sin{(θs−θr)/2}| (∵λc:製造波長) (∵θs:物体光の入射角) (∵θr:参照光の入射角) 仮に、λc=0.55μm、θs=60°、θr=0
°、λ=0.55μm、t=5μm、n=1.5とする
と、干渉縞のピッチΛ=0.55μm、Q=38.1と
なり、厚いホログラムの定義にあてはまる。
【0097】厚いホログラムは、回折効率が高いが、製
造のときの使用波長、物体光、参照光の入射角などの構
成から、再生光の条件がはずれると回折効率が急激に低
下するという特徴をもつ。つまり、ある再生波長におい
て、回折効率のピークを与える入射角から再生光の入射
角が大きくはずれると、回折効果を現さないということ
になる。そのため、前述のように反射光54は、たとえ
P偏光成分であっても、ホログラム層9にて回折されに
くくなる。
【0098】本発明における偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子は、高い回折効率を目的として干渉縞
のピッチΛを小さくするために、ベンド角|θs−θr
|を30°以上に設定することを特徴としている。ただ
し、ベンド角が大きすぎる(例えば、80°以上であ
る)と、回折効果を発生する波長帯域及び入射角度範囲
が小さくなり、光利用効率が低下してしまう。
【0099】実際の画像表示においては、画素ごとに反
射型FLC液晶パネル10のFLC層13が制御され反
射光の偏光状態が変調されるため、主にS偏光成分を有
する射出光52により画像表示が可能となる。
【0100】ここで、「H−PDLC」パネル3への再
生光入射角θin-airとホログラム層9への入射角θin-m
edについて考える。両者の関係は、上述したように、 ngla・sin(θin-med)=sin(θin-air) となっている。ここで、両者の変化率を見てみると、例
えば、ngla=1.5として、θin-airが55°から6
5°まで10°変化するとき、θin-medは、33.1°
から37.2°と4.1°の変化にとどまる。θin-air
が65°から75°まで10°変わる場合には、θin-m
edは、37.2°から40.1°と2.9°の変化とな
る。これは、sin関数の変化率の大きいところを、ある
倍率(この場合、nglaの逆数)をかけることにより変
化率の小さいところに移動することに他ならない。そし
て、このことは、「H−PDLC」パネル3の回折効率
の再生光入射角依存性による均一性の劣化及び回折効率
の低下を低減することができることを意味している。
【0101】また、このθin-medのθin-airに対する変
化率は、nglaが大きい程小さくできる。例えば、ngla
=1.73の場合、θin-airが55°から65°まで変
化するとき、θin-medは、28.3°から31.6°と
3.3°の変化にとどまる。ただし、「H−PDLC」
パネル3への再生光入射角θin-airが、あまりに大きく
(例えば、75°以上と)なると、S偏光光のみなら
ず、P偏光光の表面反射率も大きくなっていき、これを
反射防止膜などで小さく抑えることが難しくなってく
る。
【0102】そこで、「H−PDLC」パネル3への再
生光入射角θin-airが75°を越えるような場合には、
図8(第2の実施の形態)に示すように、カッブリング
プリズム19を用いることが有効となる。ただし、この
場合には、「H−PDLC」パネル3への再生光入射角
θin-airと、ホログラム層9への再生光入射角θin-med
とが等しくなり、ホログラム層9自体が比較的広い許容
入射角度範囲を持たない場合には、光利用効率が低下し
てしまう。
【0103】この反射型画像表示素子は、カップリング
プリズム19を用いると仮定した場合に、回折光を略々
垂直に反射型空間光変調素子に入射させるときに、ベン
ド角が30°以上となる偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子への入射角、すなわち、30°を最低入射角
として規定している。
【0104】高帯域の再生光に対して高い回折効率を維
持するためには、図9(第3の実施の形態)に示すよう
に、複数の偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3
R、3G、3Bを積層し、反射型空間光変調素子10を
照明する照明光の波長帯域を複数に分け、それぞれの帯
域を1つの偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子で
回折させるようにする。
【0105】この実施の形態の場合には、3層構造とな
っているが、これ以上でも、または、2層構成でもよ
い。また、入射角度範囲の大きい再生光に対して高い回
折効率を維持するためには、入射角度の受容範囲の異な
る複数の偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子を積
層し、それぞれの入射角度範囲を1つの偏光選択性ホロ
グラム光学素予により主に回折させるようにすればよ
い。
【0106】〔投射型画像表示装置に関する実施の形態
(第4の実施の形態)〕上述したような偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子及び反射型空間光変調素子を
備えた投射型の画像表示装置の実施の形態について説明
する。
【0107】本発明に係る画像表示装置の第4の実施の
形態として、図10に示すように、反射型空間光変調素
子として反射型FLCパネルを用いて、カラー投射型画
像表示装置を構成することができる。この画像表示装置
においては、照明光源20より放射される照明光は、光
束断面形状の補正、強度の均一化、発散角制御などの機
能を有する照明光学系21に入射する。照明光学系21
は、図示しない偏光変換手段を有しており、この実施の
形態の場合、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3への入射光がP偏光光となるように、照明光のS偏光
成分の偏光方位を90°回転させることによりP偏光光
に変換して、光利用効率を向上させている。照明光学系
21を通過した照明光は、カラーホイール22を通過
し、補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子2
3へ入射する。カラーホイール22は、照明光源20よ
り放射される白色光を、赤色光、緑色光、青色光のスペ
クトル成分に時分割するもので、これにより、単板の反
射型FLCパネル10を用いて、いわゆる「フィールド
シーケンシャルカラー手法」により、カラー表示が可能
となる。
【0108】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23へ入射した照明光は、ここで、P偏光成分の
みが回折されて射出角約60°で射出される。S偏光成
分は、回折されることなく、補正用偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子23を直進して透過する。補正用
偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23において
回折されるP偏光成分を主とする照明光は、続いて、偏
光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に入射する。
【0109】ここで、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23と偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子3とは、同一の構成のものを用いており、し
かも互いに平行に配置されている。そのため、偏光選択
性「H−PDLC」回折光学素子3への照明光の入射角
は、補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子2
3からの照明光の射出角に等しい。
【0110】これは、以下のような2つの主要なメリッ
トをもたらす。第1に、波長による回折角のばらつきを
相殺できるという点であり、第2に、波長による回折効
率の入射角度依存性の差異を補正するという点である。
【0111】第1のメリットについて説明する。ホログ
ラムの干渉縞における入射角θcと回折角θiとは、次
に示す等式により関係づけられる。
【0112】(sin{θs}−sin{θr})/λ=(sin
{θi}−sin{θc})/λc (∵θs:ホログラム製造時の物体光入射角) (∵θr:ホログラム製造時の参照光入射角) (∵λ :ホログラム製造波長) (∵λc:再生波長) すなわち、ある特定の干渉縞を有するホログラムの回折
角は、入射光線の波長に依存することになる。そして、
干渉縞ピッチΛが小さいほどその変化率は大きい。な
お、干渉縞ピッチΛは、下記の式に示す関係を有する。
【0113】Λ=λ/|sin{θs}−sin{θr}| 例えば、θs=0°、θr=60°、λ=550nm、
θc=60°とすると、λcが450nmから650n
mまで変化すると、回折角θiは、9°から−9°まで
変化する。これは、波長により反射型空間光変調素子へ
の照明光入射角が異なることを意味する。
【0114】投射型画像表示装置のような実像結像系の
場合、このような照明光入射角の変化による主要な問題
の1つに、光利用効率の低下があげられる。つまり、反
射型空間光変調素子への照明光が拡散してしまい、投射
光学系の集光率が低下してしまうという現象が起こる。
また、虚像表示装置の場合には、観察者の瞳移動に伴い
表示画像の色味が変化してしまうという問題につなが
る。これらの問題は、偏光選択性「H−PDLC」回折
光学素子3の回折許容スペクトル幅を小さくして、波長
帯域別に複数の偏光選択性「H−PDLC」回折光学素
子3を用意することで抑制することが可能である。
【0115】ただし、照明光を波長帯域別に限りなく小
さく分割することは現実的ではなく、したがって、完全
に回折角の波長依存性をなくすことは難しい。そこで、
2つの同等の性能を有する偏光選択性「H−PDLC」
回折光学素子3,23を用いてこれを補正することとし
たものである。
【0116】偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3により回折されて反射型空間光変調素子10に入射し
たS偏光の照明光は、この反射型空間光変調素子10に
より位相が変調され、再び偏光選択性「H−PDLC」
回折光学素子3を透過し、S偏光光のみを選択的に透過
する偏光板24を通して、投射光学系25に入射する。
この投射光学系25により、反射型FLCパネル10上
に表示される光学像がスクリーン26上に拡大投影され
る。
【0117】一方、P偏光成分のうち偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子3にて回折されない残りの往路
の照明光は、そのまま偏光選択性「H−PDLC」回折
光学素子3を透過し、反射型空間光変調素子10のアル
ミ反射面14にて正反射され、再び図10中左方向に射
出される。この照明光は、迷光となり、表示画像のコン
トラスト劣化を招く恐れがあるため、光吸収手段27に
てそのエネルギーが吸収されるようにする。
【0118】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23による入射角の補正について、図11を参照
して説明する。上述の式より、補正用偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子23における回折光の射出角θ
i-1は、下記の式で表される。
【0119】sin(θi-1)=λc/λ(sin{θs}−s
in{θr})+sin(θc) ここで、θs=θc=0°とすると、 sin(θi-1)=−λc/λsin(θr) ・・・・式(1) すなわち、再生波長λcが長いほど、θi-1は大きくな
る。いま、再生波長L(例えば赤色),M(例えば緑
色),S(例えば青色)が、L>M>Sの関係を満たす
とき、それぞれの回折射出角θi-1L,θi-1M,θi-1S
は、以下の関係を満たす。
【0120】θi-1L>θi-1M>θi-1S 次に、これを補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23と平行に配置された偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3に適応すると、入射角は、θi-1と
なるためその射出角θi-2は、下記の式を満たす。
【0121】 (sin{θs}−sin{θr})/λ =(sin{θi-2}−sin{θi-1})/λc ・・・・式(2) これら式(1)及び式(2)より、θi-2=θs=0°
となり、再生波長にかかわらず、反射型空間光変調素子
10への照明光入射角を、常に0°とすることが可能と
なる。
【0122】次に、上述した第2のメリットについて説
明する。図12、図13及び図13に、製造波長532
nm、物体光入射角0°、参照光入射角60°、平均屈
折率1.52、ホログラム厚5μmの、偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子の回折効率の入射角度依存性
を示す。図12は、再生波長が450nm、図13は、
再生波長が550nm、図14は、再生波長が650n
mの場合である。
【0123】これらの回折効率の入射角度依存性と再生
波長との関係より、回折効率のピークを与える入射角が
波長によって異なり、長波長側は入射角度が大きい方が
回折効率が高く、短波長側は入射角度が小さい方が回折
効率が高くなっていることがわかる。そして、補正用偏
光選択性「H−PDLC」回折光学素子23を用いるこ
とにより、長波長側の照明光の偏光選択性ホログラム3
ヘの入射角は大きく、短波長側は小さくなっている。こ
のことから、補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23を用いることにより、広い波長帯域において
高い回折効率が得られ、高い光利用効率を維持すること
が可能となる。
【0124】以上のように、偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3と補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23とを組み合わせることにより、広
い波長帯域の照明光においても、高い効率で反射型空間
光変調素子10を同一入射角にて照明することが可能と
なる。
【0125】ただし、この実施の形態においては、反射
型空間光変調素子10に対する主光線の入射角を0°で
はなくθob1に設定している。これは前述のように、厚
い透過型ホログラムの回折効率は、ベント角がある程度
大きくないと高い屈折率が確保できないため、そのベン
ド角を大きく設定するためである。そのため、このθob
1は、入射面内で偏光選択性ホログラム素子3のベント
角を大きくする方向に設定される。このとき、このθob
1を大きくとりすぎると、反射型空間光変調素子10の
コントラストの劣化、投射光学系25の大型化、表示画
像の収差の増大などの問題が発生するため、通常は30
°以内にするのが望ましい。
【0126】ただし、投射光学系25を偏心光学系と
し、反射型空間光変調素子10からの斜め射出光を有効
に利用することにより、表示画像中心を投射光学系25
の光軸からずらしながらも、投射光学系25の有効系を
小さくすることも可能である。
【0127】また、反対に、偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子の屈折率変調度が十分大きい場合(例
えば、0.05以上)には、ベンド角50°程度でも十
分な回折効率が確保できるため、許容波長帯域、許容入
射角度を広げるため、θob1をベンド角を小さくする方
向に設定する方が有利となる。この場合も、上述した理
由から、θob1の絶対値はあまり大きくすることはでき
ず、10°程度が望ましい。
【0128】ベンド角大(θob1=10°)の場合と、
ベンド角小(θob1=−10°)の場合について、回折
効率の再生波長及び入射角依存性を、図15及び図16
に示す。これら図15及び図16より、ベンド角小(θ
obl=−10°)の場合、再生波長及び入射角度による
回折効率劣化が低減されていることがわかる。
【0129】〔画像表示装置の第5の実施の形態〕本発
明に係る画像表示装置の第5の実施の形態として、反射
型空間光変調素子として反射型TN液晶パネルを用いた
カラー投射型画像表示装置について、図17を参照して
説明する。
【0130】この画像表示装置においては、照明光源2
0より放射される照明光は、光束断面形状の補正、強度
の均一化、発散角制御などの機能を有する照明光学系2
1に入射する。この照明光学系21は、図示しない偏光
変換手段を有しており、この実施の形態の場合、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3への入射光がP偏
光光となるように、S偏光成分の照明光の偏光方位を9
0°回転させることによりP偏光光に変換し、光利用効
率を向上させている。
【0131】照明光学系21を通過した照明光は、P偏
光光を選択的に透過させる偏光板28を通過し、青色
用、緑色用、赤色用ダイクロイックミラー29,30,
31へ入射する。これらダイクロイックミラー29,3
0,31は、それらの反射面と照明光の進行方向とのな
す角θb,θg,θrが、θb<θg<θrという関係
を有して配置されている。これにより、これらダイクロ
イックミラー29,30,31は、前述の第4の実施の
形態において示した補正用偏光選択性「H−PDLC」
回折光学素子23と同様の役割を果たす。
【0132】つまり、偏光選択性「H−PDLC」回折
光学素子3への赤色光の入射角度が最も大きく、以下、
緑色光、青色光の順となる。偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3に入射した各色光は、それぞれ各色
光用に設けられた3層のホログラム層9r、9g、9b
により、反射型空間光変調素子の対応する色のアルミ画
素電極14r、14g、14bに集光される。TN液晶
層13を往復した照明光は、位相変調され、そのS偏光
成分は偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3にて
回折されることなく透過し、S偏光成分を選択的に透過
させる偏光板24を経て、投射光学系25に入射する。
投射光学系25に入射した画像光束は、スクリーン26
上に投射される。
【0133】〔画像表示装置の第6の実施の形態〕本発
明に係る画像表示装置の第6の実施の形態として、図1
8に示すように、反射型空間光変調素子として3つの反
射型反強誘電性液晶パネル10r,10g,10bを用
いたカラー投射型画像表示装置について説明する。
【0134】この画像表示装置においては、照明光源2
0より放射される照明光は、光束断面形状の補正、強度
の均一化、発散角制御などの機能を有する照明光学系2
1に入射する。この照明光学系21は、図示しない偏光
変換手段を有しており、この実施の形態の場合、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3への入射光がP偏
光光となるように、照明光のS偏光成分の偏光方位を9
0°回転させることによりP偏光光に変換し、光利用効
率を向上させる。
【0135】照明光学系21を通過した照明光は、補正
用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23へ入射
し、ここで、P偏光成分のみが回折され射出角約60°
で射出される。S偏光光は、回折されることなく補正用
偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23を直進し
て透過する。
【0136】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23にて回折されたP偏光成分である照明光は、
このP偏光成分を選択的に透過させる偏光板28を透過
し、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に入射
する。このとき、補正用偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子23と偏光選択性「H−PDLC」回折光学
素子3とは、同一の構造のものを用いており、しかも互
いに平行に配置されているため、この偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子3への照明光の入射角は、補正
用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23からの
照明光の射出角に等しくなっている。
【0137】偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3に入射する主にP偏光成分からなる照明光は、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3より略々垂直に射
出する方向に回折され、クロスダイクロイックプリズム
32に入射し、このクロスダイクロイックプリズム32
により、赤色光、緑色光、青色光にそれぞれ分光され
る。
【0138】分光された各色光は、対応する反射型空間
光変調素子10r、10g、10bに入射し、ここで各
色光ごとに、また、画素ごとに変調されて反射される。
変調された各色光は、再びクロスダイクロイックプリズ
ム32に入射し、再合成された後、再び偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子3へ入射する。このとき、S
偏光成分は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3において回折されずに透過し、さらに、S偏光成分を
選択的に透過させる偏光板24を透過して、投射光学系
25に入射する。そして、この投射光学系25により、
スクリーン26上に表示画像が結像される。
【0139】〔画像表示装置の第7の実施の形態〕本発
明に係る画像表示装置の第7の実施の形態として、図1
9に示すように、反射型空間光変調素子として2つの反
射型FLCパネルを用いたカラー投射型画像表示装置に
ついて説明する。
【0140】この画像表示装置においては、照明光源2
0より放射される照明光は、光束断面形状の補正、強度
の均一化、発散角制御などの機能を有する照明光学系2
1に入射する。この照明光学系21は、図示しない偏光
変換手段を有しており、この実施の形態の場合、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3への入射光がP偏
光光となるように、照明光のS偏光成分の偏光方位を9
0°回転させることによりP偏光光に変換し、光利用効
率を向上させる。
【0141】照明光学系21を通過した照明光は、この
P偏光成分を選択的に透過する偏光板28を透過した
後、カラーシャッタ22に入射する。このカラーシャッ
タ22は、照明光源20より放射され直線偏光となされ
た白色光のうちの特定の波長帯域の偏光方位を90°回
転させる機能を有している。したがって、カラーシャッ
タ22を透過した照明光を偏光検波することにより、部
分スペクトル成分に時分割することができる。このよう
な時分割により、単板の反射型FLCパネル10によっ
て「フィールドシーケンシャルカラー手法」によりカラ
ー表示が可能となる(参考論文:「Gray D.Sharp and
Kristina M.Johnson,High Brightness Saturated Col
or Shutter Technology,SID Symposium,Vo1.27,p41
1(1996)」)。
【0142】この実施の形態においては、このカラーシ
ャッタ22を、赤色光及び青色光(マゼンタ)、赤色光
及び緑色光(黄色)の2つのスペクトルを時分割で透過
させるように制御する。すなわち、照明光源20より入
射する緑色光と青色光の偏光方向を交互に90°回転さ
せる。カラーシャッタ22を透過した照明光は、補正用
偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23へ入射
し、ここで、P偏光成分のみが回折されて射出角約60
°で射出される。このとき、先程のカラーシャッタ22
にてS偏光光となされた緑色光、または、青色光は、回
折されることなく交互に補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23を直進して透過する。
【0143】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23において回折された主にP偏光成分からなる
照明光は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3
に入射する。このとき、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23と偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子3とは、同一の構成を有しており、しかも互
いに平行に配置されているため、偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子3への照明光の入射角は、補正用偏
光選択性「H−PDLC」回折光学素子23からの照明
光の射出角に等しくなっている。
【0144】偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3に入射する照明光のP偏光成分は、偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子3より略々垂直に射出するよう
に回折されて、ダイクロイックプリズム34に入射す
る。ダイクロイックプリズム34に入射した照明光は、
赤色光のみが進行方向を90°偏向され、残りの、主に
緑色光、青色光の波長帯域の照明光は透過する。分光さ
れた2つの色光は、対応する反射型空間光変調素子10
r,10gbに入射し、これら反射型空間光変調素子1
0r,10gbにおいて、各色光ごとに、また、画素ご
とに変調されて反射される。
【0145】ただし、緑色光、青色光については、「フ
ィールドシーケンシャルカラー手法」により、時分割で
表示される。緑色光、青色光について時分割表示とし、
赤色光について時分割表示としないのは、通常のランプ
光源を用いた場合には、眼の視感度を考慮して白バラン
スをとると、赤色光が最も出力が不足するためである。
【0146】変調された各色光は、再びダイクロイック
プリズム34に入射して再合成され、再度偏光選択性
「H−PDLC」回折光学素子3へ入射する。このと
き、S偏光成分は回折されずに透過し、さらに、S偏光
成分を選択的に透過させる偏光板24を経て投射光学系
25に入射する。そして、この投射光学系25により、
スクリーン26上に表示画像が結像される。
【0147】また、図20に示すように、補正用偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子23と偏光選択性
「H−PDLC」回折光学素子3との間を硝子プレート
20によって充填し、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23及び偏光選択性「H−PDLC」
回折光学素子3のホログラム層の実効的ベンド角を大き
くすることにより、回折効率を向上させることができ
る。
【0148】ただし、このとき、補正用偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子23及び偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子3において回折効果が生ずる波長
帯域、入射角度範囲は減少する。なお、補正用偏光選択
性「H−PDLC」回折光学素子23と硝子プレート2
0との間、及び、偏光選択性「H−PDLC」回折光学
素子3と硝子プレート20との間は、それぞれ光学的に
密着させる必要がある。
【0149】〔画像表示装置の第8の実施の形態〕本発
明に係る画像表示装置の第8の実施の形態として、図2
1に示すように、反射型空間光変調素子として3つの反
射型TN垂直配向液晶パネル10r,10g,10bを
用いたカラー投射型画像表示装置について説明する。
【0150】この画像表示装置においては、照明光源2
0より放射される照明光は、光束断面形状の補正、強度
の均一化、発散角制御などの機能を有する照明光学系2
1に入射する。この照明光学系21は、図示しない偏光
変換手段を有しており、この実施の形態の場合、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3への入射光がP偏
光光となるように、照明光のS偏光成分の偏光方位を9
0°回転させることによりP偏光光に変換し、光利用効
率を向上させる。
【0151】照明光学系21を通過した照明光は、補正
用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23へ入射
し、ここで、P偏光成分のみが回折及び反射され、偏光
選択性「H−PDLC」回折光学素子3に入射する。照
明光のS偏光成分は、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23において回折されることなく、直
進してこの補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学
素子23を透過する。
【0152】ここで、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23は、反射型偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子となっている。反射型の場合、透過
型に比べて回折波長帯域の許容値が小さいため、照明光
源20にはなるべくスペクトルに急峻なピーク値をもつ
ものを用いるか、または、ホログラムを複数の波長帯域
ごとに作成し、これを積層して補正用偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子23とすることが効果的であ
る。
【0153】偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3に入射する主にP偏光成分からなる照明光は、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3より略々垂直に射
出するよう回折され、ダイクロイックプリズムブロック
35に入射する。このダイクロイックプリズムブロック
35は、3つのダイクロイックプリズムからなり、2つ
の境界面35b,35gを有している。ダイクロイック
プリズムブロック35に入射した照明光は、まず、一方
の境界面35bに入射し、青色光のみを反射され、この
境界面35bを透過した青色を除く光が、他方の境界面
35gに入射する。そして、他方の境界面35gにおい
て緑色光のみが反射されることにより、照明光は、R
(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各色に分光され
る。
【0154】このように分光された各色光は、対応する
反射型空間光変調素子10r、10g、10bに入射
し、これら反射型空間光変調素子10r、10g、10
bにより、各色光ごとに、また、画素ごとに変調されて
反射される。変調された各色光は、再びクロスダイクロ
イックプリズムブロック35に入射し再合成され、再度
偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3へ入射す
る。このとき、S偏光成分は回折されずに透過し、さら
に、S偏光成分を選択的に透過する偏光板24を経て投
射光学系25に入射する。そして、この投射光学系25
により、スクリーン26上に表示画像が結像される。
【0155】〔画像表示装置の第9の実施の形態〕本発
明に係る画像表示装置の第9の実施の形態として、図2
2に示すように、反射型空間光変調素子として2つの反
射型FLCパネルを用いたカラー投射型画像表示装置に
ついて説明する。
【0156】この画像表示装置においては、照明光源2
0より放射される照明光は、光束断面形状の補正、強度
の均一化、発散角制御などの機能を有する照明光学系2
1に入射する。この照明光学系21は、図示しない偏光
変換手段を有しており、この実施の形態の場合、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3への入射光がS偏
光光となるように、照明光のP偏光成分の偏光方位を9
0°回転させることによりS偏光光に変換し、光利用効
率を向上させる。
【0157】照明光学系21を通過した照明光は、S偏
光成分を選択的に透過させる偏光板28を透過し、カラ
ーシャッタ22に入射する。カラーシャッタ22は、照
明光源20より放射される白色光を、その部分スペクト
ル成分に時分割するもので、これにより単板の反射型F
LCパネル10で「フィールドシーケンシャルカラー手
法」によりカラー表示が可能となる(参考論文:「Gray
D.Sharp and Kristina M.Johnson,High Brightness
Saturated Color Shutter Technology,SID Symposiu
m,Vo1.27,p411(1996)」)。
【0158】この実施の形態においては、このカラーシ
ャッタ22を、赤色光及び青色光(マゼンタ)と、赤色
光及び緑色光(黄色)との2つのスペクトルを時分割で
透過させるよう制御する。つまり、入射する緑色光成分
と青色光成分の偏光方向を交互に90°回転させてP偏
光光とする。カラーシャッタ22を射出した照明光は、
補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23へ
入射し、ここで、S偏光成分のみが回折され射出角約7
0°で射出される。このとき、先程のカラーシャッタ2
2にてP偏光光となされた緑色光、または、青色光は、
補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23に
おいて回折されることなく直進し、交互に補正用偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子23を透過する。
【0159】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23にて回折された主にS偏光成分からなる照明
光は、この補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学
素子23に光学的に密着接合された第1のカップリング
プリズム37に入射する。補正用偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子23から射出した照明光は、第1の
カップリングプリズム37と補正用偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子23のガラス基板36とが略々等
しい屈折率を有するガラス材にて作製されているため、
これらの接合界面で屈折を生じず、角度を変えることな
く第1のカップリングプリズム37に入射する。
【0160】第1のカップリングプリズム37に入射し
た照明光は、この第1のカップリングプリズム37の光
学面38より略々垂直に射出する。そして、この照明光
は、カラーセレクト33に入射する。このカラーセレク
ト33は、入射直線偏光方位をその波長帯域に応じて9
0°回転させるものである(参考論文:「Gray D.Shar
p andJ.R.Birge,Retarder Stack Technology for Co
lor Manipulation,SID Symposium,Vo1.30,p1072(19
99)」)。
【0161】この実施の形態においては、赤色光は、入
射偏光方位(S偏光光)が保存され、青色光及び緑色光
の偏光方位は、90°回転されてP偏光光となされる。
カラーセレクト33を射出した照明光は、偏光選択性
「H−PDLC」回折光学素子3に光学的に密着接合さ
れた第2のカップリングプリズム19に光学面39より
入射する。この光学面39は、第1のカップリングプリ
ズム37の光学面38と略平行になされている。したが
って、入射照明光は、第2のカップリングプリズム19
の光学面39においてほとんど屈折することなく直進
し、そのまま偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3に入射する。
【0162】この偏光選択性「H−PDLC」回折光学
素子3において、S偏光光である赤色光は、回折される
ことなく第3のカップリングプリズム40を透過し、赤
色光用反射型空間光変調素子10rに入射する。一方、
P偏光光である青色光及び緑色光は、回折されて約70
°進行方向を偏向されて第3のカッブリングプリズム4
0を通して青緑色光用反射型空間光変調素子10gbに
入射する。
【0163】このとき、青色光及び緑色光は、カラーシ
ャッタ22により時分割で交互に送られてくるため、青
緑色光用反射型空間光変調素子10gbはこれに同期し
て制御される。緑色光、青色光について時分割表示と
し、赤色光について時分割表示としないのは、通常のラ
ンプ光源を用いた場合には、眼の視感度を考慮して白バ
ランスをとると、赤色光が最も出力が不足するためであ
る。
【0164】それぞれの反射型空間光変調素子10b、
10gbにて変調された照明光は、偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子3に再入射する。このとき、青緑
色光用反射型空間光変調素子10gbからの反射光のう
ちのS偏光成分は、回折されることなく偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子3より略垂直に射出する。ま
た、赤色光用反射型空間光変調素子10rからの反射光
のうちのP偏光成分は、回折されて偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子3より同じく略垂直に射出する。
【0165】これら2つの反射光は、第2のカッブリン
グプリズム19を透過し、この第2のカップリングプリ
ズム19の光学面に接合されたカラーセレクト33bに
入射する。このカラーセレクト33bにおいて、青緑色
光は、入射偏光方位(S偏光光)が保存され、赤色光の
偏光方位は、90°回転されS偏光光となされる。
【0166】これらの照明光は、S偏光光を選択的に透
過させる偏光板24を経て、投射光学系25に入射す
る。そして、投射光学系25により、スクリーン26上
に表示画像が結像される。
【0167】一方、青緑色光用反射型空間光変調素子1
0gbからの反射光のうちのP偏光成分は、偏光選択性
「H−PDLC」回折光学素子3において回折されて透
過し、往路の照明光路を逆行する。また、赤色光用反射
型空間光変調素子10rからの反射光のうちのS偏光成
分は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3にて
回折されることなく同じく往路の照明光路を逆行する。
【0168】また、この実施の形態は、図23に示すよ
うに、補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
23、第1のカップリングプリズム37、カラーセレク
ト33、第2のカップリングプリズム19、偏光選択性
「H−PDLC」回折光学素子3、第3のカップリング
プリズム40及びカラーセレクト33bを光学的に接合
させて構成してもよい。
【0169】〔画像表示装置の第10の実施の形態〕本
発明に係る画像表示装置の第10の実施の形態として、
図24に示すように、反射型空間光変調素子として反射
型FLCパネルを用いたカラー投射型画像表示装置につ
いて説明する。
【0170】この画像表示装置においては、照明光源2
0より放射される照明光は、光束断面形状の補正、強度
の均一化、発散角制御などの機能を有する照明光学系2
1に入射する。この照明光学系21は、図示しない偏光
変換手段を有しており、この実施の形態の場合、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3への入射光がP偏
光光となるように、照明光のS偏光成分の偏光方位を9
0°回転させることによりP偏光光に変換し、光利用効
率を向上させる。
【0171】照明光学系21を通過した照明光は、カラ
ーホイール22を通過し、補正用偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子23へ入射する。カラーホイール2
2は、照明光源20より放射される白色光を、赤色光、
緑色光、青色光のスペクトル成分に時分割するもので、
この時分割により、単板の反射型FLCパネル10で
「フィールドシーケンシャルカラー手法」によりカラー
表示が可能となる。
【0172】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23へ入射角60°で入射した照明光は、ここ
で、P偏光成分のみが回折され、射出角約0°で射出さ
れる。S偏光成分は、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23で回折されることなく、直進して
補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23を
透過する。
【0173】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23で回折された主にP偏光成分からなる照明光
は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に入射
する。補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
23と偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3と
は、同一の構成のものであり、かつ、これら補正用偏光
選択性「H−PDLC」回折光学素子23及び偏光選択
性「H−PDLC」回折光学素子3に対する照明光の入
射角が略々同一になるように配置されている。ただし、
照明光(入射側)からみた場合、両者の回折方向(ベン
ド角)は逆方向となっている。このような配置により、
前述のように、波長による回折角のばらつきを相殺でき
ること、波長による回折効率の入射角度依存性の差異を
補正できることという2つのメリットが得られる。
【0174】なお、この補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23と偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子3との間は、図24において波線で示すよう
に、カップリングプリズム19にて充填してもよい。た
だし、この場合には、ベンド角が異なるため、補正用偏
光選択性「H−PDLC」回折光学素子23と偏光選択
性「H−PDLC」回折光学素子3とは、同一のホログ
ラム素子であってはならない。
【0175】ここで、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23への入射角を偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子3への入射角と同様に約60°と
するのは、第1の実施の形態において説明したように、
補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23の
回折効率の入射角度依存性を低減させるためである。
【0176】偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3により回折されたP偏光光は、この偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子3より射出角0°で射出し、反
射型空間光変調素子10に入射する。反射型空間光変調
素子10は、図24中矢印aで示す長手方向が照明光入
射角方向と一致するように配置される。これは、補正用
偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子23への回折
方向の入射照明光の有効幅を小さくする必要があるため
で、この有効幅の減少量をできるだけ少なくして光利用
効率を高くするためである。
【0177】また、同様の理由から、照明光源20の発
光部20aの長手方向は、図24において紙面に垂直な
方向となされている。これは、前述のラグランジュ−ヘ
ルムホルツの不変量より、発光部が小さい方が光束径を
絞ったときに拡散角が大きくなりにくいためで、本発明
に係る画像表示装置のように、照明光を空間光変調素子
に対して斜めに入射させる場合には、その入射方向に一
致する方向に発光部の長さを短くすることが光利用効率
を上げるために有効となるためである。
【0178】反射型空間光変調素子10により位相が変
調されて反射されたS偏光光は、偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子3を透過し、S偏光光のみを選択的
に透過する偏光板24を透過して投射光学系25に入射
する。この投射光学系25により、反射型FLCパネル
10上に表示される光学像がスクリーン26上に表示画
像として拡大投影される。
【0179】一方、P偏光成分のうち偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子3にて回折されない往路の残り
の照明光は、そのまま偏光選択性「H−PDLC」回折
光学素子3を透過し、反射型空間光変調素子10のアル
ミ反射面14にて正反射され、再び図24中のCの方向
に射出される。この照明光は、迷光となり、表示画像の
コントラスト劣化を招く恐れがあるため、光吸収手段2
7によりそのエネルギーを吸収される。
【0180】〔画像表示装置の第11の実施の形態〕本
発明に係る画像表示装置の第11の実施の形態として、
図25に示すように、反射型空間光変調素子として反射
型FLCパネルを用いたカラー投射型画像表示装置につ
いて説明する。
【0181】この画像表示装置においては、照明光源2
0より放射される照明光は、光束断面形状の補正、強度
の均一化、発散角制御などの機能を有する照明光学系2
1に入射する。この照明光学系21は、図示しない偏光
変換手段を有しており、この実施の形態の場合、偏光選
択性「H−PDLC」回折光学素子3への入射光がP偏
光光となるように、照明光のS偏光成分の偏光方位を9
0°回転させることによりP偏光光に変換し、光利用効
率を向上させる。
【0182】照明光学系21を通過した照明光は、カラ
ーホイール22を通過し、補正用偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子23へ入射する。カラーホイール2
2は、照明光源20より放射される白色光を、赤色光、
緑色光、青色光のスペクトル成分に時分割するもので、
この時分割により、単板の反射型FLCパネル10によ
る「フィールドシーケンシャルカラー手法」によりカラ
ー表示が可能となる。
【0183】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23に対し入射角θin23で入射した照明光は、こ
こで、P偏光成分のみが回折され、射出角θout23で射
出される。S偏光成分は、補正用偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子23によって回折されることなく、
この補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子2
3を透過して直進する。
【0184】補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光
学素子23にて回折される主にP偏光成分からなる照明
光は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に、
入射角θin3にて入射する。このとき、補正用偏光選択
性「H−PDLC」回折光学素子23と偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子3とは、同一の構造を有し、
しかも、補正用偏光選択性「H−PDLC」回折光学素
子23への入射角θin23、射出角θout23は、偏光選択
性「H−PDLC」回折光学素子3への入射角θin3、
射出角θout3とそれぞれ等しくなされている。ただし、
照明光からみた場合、両者の回折方向(ベンド角)は逆
方向となっている。これより、前述のように、波長によ
る回折角のばらつきを相殺できること、波長による回折
効率の入射角度依存性の差異を補正できることという2
つのメリツトが得られる。
【0185】また、この実施の形態の場合、偏光選択性
「H−PDLC」回折光学素子3と反射型空間光変調素
子10とは、図25に示すように、θholoの開き角を有
して配置される。すなわち、偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3、補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23の回折効率の波長及び入射角依存
性を低減させるためには、ベンド角を少なくすることが
有効であるが、このとき、 (i)入射角を小さくする。 (ii)射出角をベンド角が小さくなる方向に大きくと
る。 という2つの方法が考えられる。(i)の「入射角を小
さくする」という手法の場合、前述のように、ホログラ
ム層への入射角度のばらつきが大きくなり好ましくな
い。そこで、(ii)の「射出角をベンド角が小さくなる
方向に大きくとる」という手法をもちいることが有効と
なる。
【0186】この実施の形態の場合、偏光選択性「H−
PDLC」回折光学素子3、補正用偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子23からの射出角θout3、θout2
3を5°乃至20°程度とし、ベンド角を低減させてい
る。このように、入射照明光、偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3及び補正用偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子23の相対関係を規定した場合におい
て、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3からの
射出回折光を反射型空間光変調素子10に対して垂直に
入射させようとすると、図25に示すように、偏光選択
性「H−PDLC」回折光学素子3と反射型空間光変調
素子10とは、θholo(=θout3)の開き角をとって配
置される必要がある。
【0187】このようにして、偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3により回折されたP偏光光は、反射
型空間光変調素子10に対して略々垂直に入射する。反
射型空間光変調素子10は、図25中矢印aで示す長手
方向が、照明光入射角方向と一致するように配置されて
いる。これは、補正用偏光選択性「H−PDLC」回折
光学素子23への回折方向の入射照明光の有効幅を小さ
くする必要があるためで、この有効幅の減少量をできる
だけ少なくして光利用効率を高くするためである。
【0188】また、同様の理由から、照明光源20の発
光部20aの長手方向は、図25において紙面に垂直な
方向となされている。これは、前述のラグランジュ−ヘ
ルムホルツの不変量より、発光部が小さい方が光束径を
絞ったときに拡散角が大きくなりにくいためで、本発明
に係る画像表示装置のように、照明光を空間光変調素子
に対して斜めに入射させる場合には、その入射方向に一
致する方向に発光部の長さを短くすることが光利用効率
を上げるために有効となるためである。
【0189】反射型空間光変調素子10により位相が変
調されて反射されたS偏光光は、偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子3を透過し、S偏光光のみを選択的
に透過する偏光板24を透過して投射光学系25に入射
する。ここで、偏光板24は、偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3を透過したことにより発生する非点
収差を補正するために、偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子3の反射型空間光変調素子10に対する傾き
角θholoと反対方向に同じ絶対値の傾き角θpolをもっ
て配置される。この偏光板24の傾きにより、変調され
た照明光における非点収差をキャンセルすることができ
る。そして、投射光学系25に入射した照明光により、
反射型空間光変調素子10上に表示される光学像がスク
リーン26上に表示画像として拡大投影される。
【0190】〔虚像表示装置に関する実施の形態(第1
2の実施の形態)〕本発明に係る画像表示装置の第12
の実施の形態として、図26に示すように、反射型空間
光変調素子として反射型FLCパネルを用い虚像結像光
学系を用いた画像表示装置について説明する。
【0191】この画像表示装置においては、赤色光、緑
色光、青色光の3色を順次独立に発光するレンズ付き発
光ダイオード光源41より放射される照明光は、P偏光
成分を選択的に透過させる偏光板42を透過して、偏光
選択性「H−PDLC」回折光学素子3に入射する。こ
の入射光は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3において回折され、略々垂直に反射型FLCパネル1
0に入射する。
【0192】反射型FLCパネル10にて位相を変調さ
れた照明光は、反射型FLCパネル10のアルミ反射面
14において反射され、再び偏光選択性「H−PDL
C」回折光学素子3に入射する。このとき、P偏光成分
は、再び偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に
よって回折されて発光ダイオード光源41の方向に向か
うが、S偏光成分は、偏光選択性「H−PDLC」回折
光学素子3によって回折されることなく、そのまま透過
する。偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3を透
過したS偏光光は、S偏光成分を選択的に透過させる偏
光板43にて検波されたのち、虚像観察光学系を構成す
る自由曲面プリズム44に、自由曲面屈折面45より入
射する。
【0193】自由曲面プリズム44内に入射した光は、
第1の光学面46において全反射され、次いで、第2の
自由曲面反射面47にて反射されたのち、第1の光学面
46を透過して、観察者の観察領域48に導かれる。こ
のとき、観察領域48を大きくするには、発光ダイオー
ド光源41と偏光板42との間に拡散板を配置するか、
または、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に
おいて、この偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3に入射するP偏光成分に対して回折時に拡散作用を起
こす干渉縞を予め記録しておいてもよい。
【0194】〔虚像表示装置に関する実施の形態(第1
3の実施の形態)〕次に、本発明に係る画像表示装置の
第13の実施の形態として、図27に示すように、反射
型空間光変調素子として2つの反射型FLCパネルを用
い虚像結像光学系を用いた画像表示装置について説明す
る。
【0195】この画像表示装置においては、赤色光、緑
色光、青色光の3色を順次独立に発光するレンズ付き発
光ダイオード光源41より放射された照明光は、P偏光
光となる偏光成分を選択的に透過する偏光板42を経
て、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3へ入射
する。この実施の形態においては、偏光選択性「H−P
DLC」回折光学素子3は反射型となっている。この偏
光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に入射された
照明光は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3
において回折され反射されて略々垂直に反射型FLCパ
ネル10に入射する。
【0196】反射型FLCパネル10において位相を変
調された照明光は、反射型FLCパネル10のアルミ反
射面14において反射され、再び偏光選択性「H−PD
LC」回折光学素子3に入射する。このとき、照明光の
P偏光成分は、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素
子3において再び回折され反射されて発光ダイオード光
源42の方向に向かう。S偏光成分は、偏光選択性「H
−PDLC」回折光学素子3により回折されることな
く、そのまま偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3を透過する。
【0197】このように偏光選択性「H−PDLC」回
折光学素子3を透過したS偏光光は、S偏光成分を選択
的に透過させる偏光板43にて検波されたのち、虚像観
察光学系を構成する自由曲面プリズム44に、自由曲面
屈折面45より入射する。
【0198】自由曲面プリズム44内に入射した光は、
第1の光学面46において全反射され、次いで、第2の
自由曲面反射面47にて反射されたのち、第1の光学面
46を透過して、観察者の観察領域48に導かれる。こ
のとき、観察領域48を大きくするには、発光ダイオー
ド光源41と偏光板42との間に拡散板を配置するか、
または、偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子3に
おいて、この偏光選択性「H−PDLC」回折光学素子
3に入射するP偏光成分に対して回折時に拡散作用を起
こす干渉縞を予め記録しておいてもよい。
【0199】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る回折光学素
子においては、素子温度がこの回折光学素子の使用温度
範囲(例えば、摂氏25°Cから摂氏70°C)内であ
るときに、屈折率異方性及び屈折率の温度依存性が互い
に異なる第1の領域と第2の領域の特定の入射偏光方位
に対する屈折率差が極小値をとることにより、高い偏光
分離特性をもつ偏光選択性屈折率変調型の回折光学素子
として構成することができる。
【0200】したがって、本発明により、特に、液晶材
料の如き、屈折率の温度依存性が比較的大きい材料を構
成要素として用いた偏光選択性屈折率変調型の回折光学
素子において、例えば、画像表示装置(プロジェクタ装
置)内など、通常室温に比べて素子温度が高くなる状況
での使用においても、偏光分離特性や非回折偏光光の回
折効率をそれぞれ最適化、最小化することができる。
【0201】すなわち、本発明は、液晶材料のように、
屈折率の温度依存性が比較的大きい材料を構成要素とし
て用いる偏光選択性屈折率変調型の回折光学素子におい
て、画像表示装置(プロジェクタ装置)内など室温に比
べて素子温度が高くなる状況においても、偏光分離特性
を最適化することができるものである。そして、本発明
は、このような回折光学素子を用いて構成された画像表
示装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回折光学素子の製造工程を示す縦
断面図である。
【図2】上記回折光学素子におけるP偏光光及びS偏光
光の各領域における屈折率の温度依存性及び回折効率の
温度依存性を示すグラフである。
【図3】上記回折光学素子における温度変化による液晶
分子の見かけの屈折率の変化を示す平面図である。
【図4】上記回折光学素子におけるS偏光光の各領域に
おける屈折率の温度依存性及び回折効率の温度依存性を
示すグラフである。
【図5】上記回折光学素子における液晶領域のS偏光光
に対する屈折率変化の温度依存性の実測値を示すグラフ
である。
【図6】上記回折光学素子における液晶領域及び高分子
領域のS偏光光に対する屈折率変化の温度依存性の実測
値を示すグラフである。
【図7】本発明に係る画像表示装置の第1の実施の形態
の構成を示す縦断面図である。
【図8】本発明に係る画像表示装置の第2の実施の形態
の構成を示す縦断面図である。
【図9】本発明に係る画像表示装置の第3の実施の形態
の構成を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係る画像表示装置の第4の実施の形
態の構成を示す縦断面図である。
【図11】本発明に係る画像表示装置の第4の実施の形
態における要部の構成を示す縦断面図である。
【図12】上記回折光学素子における青色光の回折効率
の入射角度依存性を示すグラフである。
【図13】上記回折光学素子における緑色光の回折効率
の入射角度依存性を示すグラフである。
【図14】上記回折光学素子における赤色光の回折効率
の入射角度依存性を示すグラフである。
【図15】上記回折光学素子における緑色光の回折効率
の入射角度依存性及び再生波長依存性(ベンド角大(θ
ob1=10°)の場合)を示すグラフである。
【図16】上記回折光学素子における緑色光の回折効率
の入射角度依存性及び再生波長依存性(ベンド角小(θ
ob1=−10°)の場合)を示すグラフである。
【図17】本発明に係る画像表示装置の第5の実施の形
態の構成を示す縦断面図である。
【図18】本発明に係る画像表示装置の第6の実施の形
態の構成を示す縦断面図である。
【図19】本発明に係る画像表示装置の第7の実施の形
態の構成を示す縦断面図である。
【図20】本発明に係る画像表示装置の第7の実施の形
態であってカップリングプリズムを追加した構成を示す
縦断面図である。
【図21】本発明に係る画像表示装置の第8の実施の形
態の構成を示す縦断面図である。
【図22】本発明に係る画像表示装置の第9の実施の形
態の構成を示す縦断面図である。
【図23】本発明に係る画像表示装置の第9の実施の形
態であってカップリングプリズムを追加した構成を示す
縦断面図である。
【図24】本発明に係る画像表示装置の第10の実施の
形態の構成を示す縦断面図である。
【図25】本発明に係る画像表示装置の第11の実施の
形態の構成を示す縦断面図である。
【図26】本発明に係る画像表示装置の第12の実施の
形態の構成を示す縦断面図である。
【図27】本発明に係る画像表示装置の第13の実施の
形態の構成を示す縦断面図である。
【図28】回折光学素子の基本構造を示す縦断面図であ
る。
【図29】従来の回折光学素子におけるP偏光光及びS
偏光光の各領域における屈折率の温度依存性及び回折効
率の温度依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2 ガラス基板、3 「H−PDLC」パネル、4
参照光、5 物体光、6 高分子領域、7 液晶領
域、10 反射型FLC液晶パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 520 G02F 1/1335 520 1/13357 1/13357 // G03F 7/004 521 G03F 7/004 521 Fターム(参考) 2H025 AB14 BC14 BC32 BC42 BH05 2H049 AA25 AA34 AA43 AA50 AA60 BA05 BA45 BB03 BC22 2H088 EA33 EA48 FA21 HA01 HA02 HA03 HA13 HA18 HA21 HA28 JA05 KA06 MA02 MA06 MA20 2H091 FA05X FA07X FA08X FA14Y FA19X FA31X FA37X FA41X FA45X FB02 FB11 FC01 FC10 FC22 FC23 GA01 GA02 GA03 GA06 GA08 HA07 HA12 KA01 LA15 LA17 2H099 AA12 BA09 CA17 DA03

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性が
    それぞれ互いに異なる第1の領域と第2の領域とが交互
    に配列された構造を有し、入射光を回折させる偏光選択
    性屈折率変調型の回折光学素子であって、 特定の偏光方位の入射光に対する回折効率が極小値をと
    る素子温度が、摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内
    であることを特徴とする回折光学素子。
  2. 【請求項2】 上記極小値は、1%以下であることを特
    徴とする請求項1記載の回折光学素子。
  3. 【請求項3】 上記入射光の特定の偏光方位は、上記第
    1及び第2の領域の境界に平行な方位であることを特徴
    とする請求項1記載の回折光学素子。
  4. 【請求項4】 上記第1及び第2の領域の少なくとも一
    方は、液晶材料を含む領域であることを特徴とする請求
    項1記載の回折光学素子。
  5. 【請求項5】 上記特定の偏光方位の入射光に対する上
    記第1の領域の屈折率は、該入射光に対する上記第2の
    領域の屈折率に対し、素子温度が摂氏25度において小
    であって、摂氏70度において大であり、 上記特定の偏光方位に直交する方向の偏光方位の入射光
    に対する上記第1の領域の屈折率は、該入射光に対する
    上記第2の領域の屈折率に対し、素子温度が摂氏25度
    以上摂氏70度以下の範囲において大であることを特徴
    とする請求項1記載の回折光学素子。
  6. 【請求項6】 上記第1及び第2の領域は、少なくとも
    高分子材料及び液晶材料を含んで構成され、上記第1の
    領域は、上記第2の領域よりも液晶材料の含有率が高
    く、かつ、高分子材料の含有率が低くなされて構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の回折光学素子。
  7. 【請求項7】 光重合性多官能基モノマ、光重合性2官
    能基モノマ、光重合性単官能基モノマ及び液晶の混合物
    を一対の光学基板間に所定の厚みの層に形成し、この層
    に対してホログラフィック露光をすることにより形成さ
    れた偏光選択性屈折率変調型の回折光学素子であって、 上記光重合性2官能基モノマは、ヒドロキシピバリン酸
    ネオペンチルグリコールジアクリレート、または、その
    付加化合物であることを特徴とする請求項1記載の回折
    光学素子。
  8. 【請求項8】 光重合性2官能基モノマに、ε−カプロ
    ラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
    ールジアクリレートを含むことを特徴とする請求項7記
    載の回折光学素子。
  9. 【請求項9】 光重合性単官能基モノマに、2−ヒドロ
    キシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを用いたこ
    とを特徴とする請求項7記載の回折光学素子。
  10. 【請求項10】 光重合性単官能基モノマに、N−ビニ
    ル−ピロリジノンを用いたことを特徴とする請求項7記
    載の回折光学素子。
  11. 【請求項11】 光重合性多官能基モノマに、トリメチ
    ロールプロパントリアクリレートを用いたことを特徴と
    する請求項7記載の回折光学素子。
  12. 【請求項12】 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性
    がそれぞれ互いに異なる第1の領域と第2の領域とが交
    互に配列された構造を有し、入射光を回折させる偏光選
    択性屈折率変調型の回折光学素子であって、 素子温度が摂氏25度以上摂氏70度以下の範囲内にお
    いて、特定の偏光方位の入射光に対する回折効率が1%
    以下であることを特徴とする回折光学素子。
  13. 【請求項13】 上記入射光の特定の偏光方位は、上記
    第1及び第2の領域の境界に平行な方位であることを特
    徴とする請求項12記載の回折光学素子。
  14. 【請求項14】 上記第1及び第2の領域の少なくとも
    一方は、液晶材料を含む領域であることを特徴とする請
    求項12記載の回折光学素子。
  15. 【請求項15】 上記特定の偏光方位の入射光に対する
    上記第1の領域の屈折率は、該入射光に対する上記第2
    の領域の屈折率に対し、素子温度が摂氏25度において
    小であって、摂氏70度において大であり、 上記特定の偏光方位に直交する方向の偏光方位の入射光
    に対する上記第1の領域の屈折率は、該入射光に対する
    上記第2の領域の屈折率に対し、素子温度が摂氏25度
    以上摂氏70度以下の範囲において大であることを特徴
    とする請求項12記載の回折光学素子。
  16. 【請求項16】 上記第1及び第2の領域は、少なくと
    も高分子材料及び液晶材料を含んで構成され、上記第1
    の領域は、上記第2の領域よりも液晶材料の含有率が高
    く、かつ、高分子材料の含有率が低くなされて構成され
    ていることを特徴とする請求項12記載の回折光学素
    子。
  17. 【請求項17】 光重合性多官能基モノマ、光重合性2
    官能基モノマ、光重合性単官能基モノマ及び液晶の混合
    物を一対の光学基板間に所定の厚みの層に形成し、この
    層に対してホログラフィック露光をすることにより形成
    された偏光選択性屈折率変調型の回折光学素子であっ
    て、 上記光重合性2官能基モノマは、ヒドロキシピバリン酸
    ネオペンチルグリコールジアクリレート、または、その
    付加化合物であることを特徴とする請求項12記載の回
    折光学素子。
  18. 【請求項18】 光重合性2官能基モノマに、ε−カプ
    ロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
    コールジアクリレートを含むことを特徴とする請求項1
    7記載の回折光学素子。
  19. 【請求項19】 光重合性単官能基モノマに、2−ヒド
    ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを用いた
    ことを特徴とする請求項17記載の回折光学素子。
  20. 【請求項20】 光重合性単官能基モノマに、N−ビニ
    ル−ピロリジノンを用いたことを特徴とする請求項17
    記載の回折光学素子。
  21. 【請求項21】 光重合性多官能基モノマに、トリメチ
    ロールプロパントリアクリレートを用いたことを特徴と
    する請求項17記載の回折光学素子。
  22. 【請求項22】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記光源より放射された照明光を上記回折光学素子に入
    射させる照明光学系と、 上記回折光学素子により回折された照明光の偏光状態を
    変調する反射型空間光変調素子と、 上記反射型空間光変調素子及び上記回折光学素子を経た
    照明光を実像または虚像に結像する結像光学系とを備
    え、 上記回折光学素子は、特定の偏光方位の入射光に対する
    回折効率が極小値をとる素子温度が、摂氏25度以上摂
    氏70度以下の範囲内であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子の透過光をスクリ
    ーン上または観察者の瞳に投射することを特徴とする画
    像表示装置。
  23. 【請求項23】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記照明光を互いに異なる複数の波長帯域成分に分離す
    る色分離手段と、 互いに異なる複数の波長帯域成分に分離された照明光を
    上記回折光学素子に入射させる照明光学系と、 上記回折光学素子により回折された照明光のうちの互い
    に異なる複数の波長帯域成分の偏光状態をそれぞれ変調
    する複数の反射型空間光変調素子と、 上記複数の反射型空間光変調素子によりそれぞれ変調さ
    れた互いに異なる波長帯域の照明光を合成する色合成手
    段と、 上記色合成手段を経た照明光を実像または虚像に結像す
    る結像光学系とを備え、 上記回折光学素子は、特定の偏光方位の入射光に対する
    回折効率が極小値をとる素子温度が、摂氏25度以上摂
    氏70度以下の範囲内であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子を透過して上記色
    合成手段を経た照明光をスクリーン上または観察者の瞳
    に投射することを特徴とする画像表示装置。
  24. 【請求項24】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記光源より放射された照明光を上記回折光学素子に入
    射させる照明光学系と、 上記回折光学素子により回折された照明光の偏光状態を
    変調する反射型空間光変調素子と、 上記反射型空間光変調素子及び上記回折光学素子を経た
    照明光を実像または虚像に結像する結像光学系とを備
    え、 上記回折光学素子は、素子温度が摂氏25度以上摂氏7
    0度以下の範囲内において、特定の偏光方位の入射光に
    対する回折効率が1%以下であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子の透過光をスクリ
    ーン上または観察者の瞳に投射することを特徴とする画
    像表示装置。
  25. 【請求項25】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記照明光を互いに異なる複数の波長帯域成分に分離す
    る色分離手段と、 互いに異なる複数の波長帯域成分に分離された照明光を
    上記回折光学素子に入射させる照明光学系と、 上記回折光学素子により回折された照明光のうちの互い
    に異なる複数の波長帯域成分の偏光状態をそれぞれ変調
    する複数の反射型空間光変調素子と、 上記複数の反射型空間光変調素子によりそれぞれ変調さ
    れた互いに異なる波長帯域の照明光を合成する色合成手
    段と、 上記色合成手段を経た照明光を実像または虚像に結像す
    る結像光学系とを備え、 上記回折光学素子は、素子温度が摂氏25度以上摂氏7
    0度以下の範囲内において、特定の偏光方位の入射光に
    対する回折効率が1%以下であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子を透過して上記色
    合成手段を経た照明光をスクリーン上または観察者の瞳
    に投射することを特徴とする画像表示装置。
  26. 【請求項26】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記光源より放射された照明光を上記回折光学素子に入
    射させる照明光学系と、 上記回折光学素子を透過した照明光の偏光状態を変調す
    る反射型空間光変調素子と、 上記反射型空間光変調素子及び上記回折光学素子を経た
    照明光を実像または虚像に結像する結像光学系とを備
    え、 上記回折光学素子は、特定の偏光方位の入射光に対する
    回折効率が極小値をとる素子温度が、摂氏25度以上摂
    氏70度以下の範囲内であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子の回折光をスクリ
    ーン上または観察者の瞳に投射することを特徴とする画
    像表示装置。
  27. 【請求項27】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記照明光を互いに異なる複数の波長帯域成分に分離す
    る色分離手段と、 互いに異なる複数の波長帯域成分に分離された照明光を
    上記回折光学素子に入射させる照明光学系と、 上記回折光学素子を透過した照明光のうちの互いに異な
    る複数の波長帯域成分の偏光状態をそれぞれ変調する複
    数の反射型空間光変調素子と、 上記複数の反射型空間光変調素子によりそれぞれ変調さ
    れた互いに異なる波長帯域の照明光を合成する色合成手
    段と、 上記色合成手段を経た照明光を実像または虚像に結像す
    る結像光学系とを備え、 上記回折光学素子は、特定の偏光方位の入射光に対する
    回折効率が極小値をとる素子温度が、摂氏25度以上摂
    氏70度以下の範囲内であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子にて回折して上記
    色合成手段を経た照明光をスクリーン上または観察者の
    瞳に投射することを特徴とする画像表示装置。
  28. 【請求項28】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記光源より放射された照明光を上記回折光学素子に入
    射させる照明光学系と、 上記回折光学素子を透過した照明光の偏光状態を変調す
    る反射型空間光変調素子と、 上記反射型空間光変調素子及び上記回折光学素子を経た
    照明光を実像または虚像に結像する結像光学系とを備
    え、 上記回折光学素子は、素子温度が摂氏25度以上摂氏7
    0度以下の範囲内において、特定の偏光方位の入射光に
    対する回折効率が1%以下であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子の回折光をスクリ
    ーン上または観察者の瞳に投射することを特徴とする画
    像表示装置。
  29. 【請求項29】 照明光を放射する光源と、 屈折率異方性及び屈折率の温度依存性がそれぞれ互いに
    異なる第1の領域と第2の領域とが交互に配列された構
    造を有し入射光を回折させる偏光選択性屈折率変調型の
    回折光学素子と、 上記照明光を互いに異なる複数の波長帯域成分に分離す
    る色分離手段と、 互いに異なる複数の波長帯域成分に分離された照明光を
    上記回折光学素子に入射させる照明光学系と、 上記回折光学素子を透過した照明光のうちの互いに異な
    る複数の波長帯域成分の偏光状態をそれぞれ変調する複
    数の反射型空間光変調素子と、 上記複数の反射型空間光変調素子によりそれぞれ変調さ
    れた互いに異なる波長帯域の照明光を合成する色合成手
    段と、 上記色合成手段を経た照明光を実像または虚像に結像す
    る結像光学系とを備え、 上記回折光学素子は、素子温度が摂氏25度以上摂氏7
    0度以下の範囲内において、特定の偏光方位の入射光に
    対する回折効率が1%以下であり、 上記結像光学系は、上記回折光学素子にて回折して上記
    色合成手段を経た照明光をスクリーン上または観察者の
    瞳に投射することを特徴とする画像表示装置。
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