JP2003273682A - 圧電振動片の周波数調整方法、圧電振動片および圧電デバイス - Google Patents

圧電振動片の周波数調整方法、圧電振動片および圧電デバイス

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JP2003273682A
JP2003273682A JP2002073083A JP2002073083A JP2003273682A JP 2003273682 A JP2003273682 A JP 2003273682A JP 2002073083 A JP2002073083 A JP 2002073083A JP 2002073083 A JP2002073083 A JP 2002073083A JP 2003273682 A JP2003273682 A JP 2003273682A
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vibrating piece
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piezoelectric
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Masako Tanaka
雅子 田中
Yukihiro Unno
幸浩 海野
Yuji Kitahara
勇治 北原
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Seiko Epson Corp
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数温度特性の同時調整が可能な、圧電振
動片の周波数調整方法の提供を目的とする。 【解決手段】 圧電振動片の主振動周波数が目標値より
高い場合(S74)であって、周波数温度特性における
一次温度係数が目標値よりも大きい場合(S76)に
は、励振電極における表面中央部に微調膜を付加し(S
80)、一次温度係数が目標値よりも小さい場合(S7
6)には、励振電極における表面周縁部に微調膜を付加
する(S82)構成とした。一方、主振動周波数が目標
値より低い場合(S74)であって、一次温度係数が目
標値よりも小さい場合(S84)には、励振電極におけ
る表面中央部から電極材料を除去し(S86)、一次温
度係数が目標値よりも大きい場合(S84)には、励振
電極における表面周縁部から電極材料を除去する(S8
8)構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚み滑り振動を利
用した圧電振動片の周波数調整方法、圧電振動片および
圧電デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気回路において一定の周波数を得るた
め、圧電振動片を実装した圧電デバイスが広く利用され
ている。圧電振動片は、水晶等の圧電材料から所定角度
で切り出した圧電基板を、小平板に分割して両面に励振
電極を形成したものである。
【0003】特に、厚み滑り振動を利用した圧電振動片
は、周波数安定性に優れているため広く使われている
が、その主振動周波数を目標周波数に高精度で一致させ
る必要がある。その主振動周波数は、圧電材料の厚みに
大きく依存するが、主振動周波数に影響を及ぼす水晶カ
ット角および励振電極の厚さは不可避的にばらつくの
で、圧電振動片の仕上がり周波数のばらつきも避けられ
ない。そこで、圧電振動片の形成後に周波数の微調整を
行っている。周波数の微調整は、励振電極の表面に対し
て、微調膜を付加または励振電極を除去することにより
行われる。圧電振動片の仕上がり周波数が目標周波数よ
り高い場合には、励振電極の表面全体に微調膜を形成す
ることにより、主振動周波数を目標値に一致させてい
る。一方、圧電振動片の仕上がり周波数が目標周波数よ
り低い場合には、励振電極の表面全体から電極材料をわ
ずかに除去することにより、主振動周波数を目標値に一
致させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】温度変化による主振動
周波数のばらつきが小さい圧電振動片が求められている
中で、厚みすべり圧電振動片の周波数温度特性は、図2
に示すような3次曲線となり、一般に次式で表すことが
できる。
【数1】 ただし、α、β、γはそれぞれ1次、2次、3次の温度
係数であり、T0は基準温度(例えば、25℃)であ
る。ここで、常温25℃における温度特性曲線の傾きが
平坦であれば、温度変化による主振動周波数のばらつき
は小さくなる。この温度特性曲線の傾きは、数式1の1
次温度係数αに依存する。
【0005】そして、この1次温度係数αを決定する主
な要因は、圧電基板のカット角とX方向(図1参照)の
長さである。例えば、カット角を減少させると、1次温
度係数αが増加し、図2に示すように温度特性曲線の傾
きも増加する。また、X方向の長さが長くなれば、1次
温度係数αが増加し、図2の場合と同様に温度特性曲線
の傾きも増加する。もっとも、圧電振動片の形成後に、
そのカット角やX方向長さを修正することはできない。
したがって、目標とする1次温度係数αに対して、その
実力値が大きく異なる圧電振動片は、これを選別して廃
棄していた。そのため、無駄なコストが発生していた。
【0006】本発明は上記問題点に着目し、周波数及び
温度特性の同時調整が可能な、圧電振動片の周波数調整
方法の提供を目的とする。また本発明は、一定の周波数
温度特性を有する、圧電振動片および圧電振動片デバイ
スを提供することを目的とする。また本発明は、製造コ
ストの削減が可能な、圧電振動片の周波数調整方法の提
供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、励振電極の形
成部分にエネルギー集中が起こることにより、見かけ上
圧電基板のX方向長さが短くなるのと同様の現象を示
し、一次温度係数が減少すること、および励振電極の厚
さが厚くなると、エネルギー集中の度合いも大きくなる
こと、との知見に基づくものである。
【0008】上記目的を達成するため、請求項1の発明
に係る圧電振動片の周波数調整方法は、厚みすべり圧電
振動片の励振電極における表面中央部に微調膜を付加す
ることにより、前記圧電振動片の主振動周波数を下降さ
せると同時に、前記圧電振動片の周波数温度特性におけ
る一次温度係数の減少を促進する構成とした。すなわ
ち、励振電極の表面中央部に微調膜を付加すれば、エネ
ルギー集中の度合いが大きくなり、見かけ上圧電基板の
X方向長さが短くなって、一次温度係数の減少が促進さ
れる。これにより、周波数および温度特性の同時調整が
可能となる。
【0009】また、請求項2の発明に係る圧電振動片の
周波数調整方法は、厚みすべり振動片の励振電極におけ
る表面周縁部に微調膜を付加することにより、前記圧電
振動片の主振動周波数を下降させると同時に、前記圧電
振動片の周波数温度特性における一次温度係数の減少を
抑制する構成とした。すなわち、励振電極の表面周縁部
に微調膜を付加すれば、エネルギー集中の度合いが軽減
し、見かけ上圧電基板のX方向長さが長くなって、一次
温度係数の減少が抑制される。これにより、周波数およ
び温度特性の同時調整が可能となる。
【0010】また、請求項3の発明に係る圧電振動片の
周波数調整方法は、厚みすべり圧電振動片の励振電極に
おける表面中央部から電極材料を除去することにより、
前記圧電振動片の主振動周波数を上昇させると同時に、
前記圧電振動片の周波数温度特性における一次温度係数
の増加を促進する構成とした。すなわち、励振電極の表
面中央部から電極材料を除去すれば、見かけ上圧電基板
のX方向長さが長くなって、一次温度係数の増加が促進
される。これにより、周波数および温度特性の同時調整
が可能となる。
【0011】また、請求項4の発明に係る圧電振動片の
周波数調整方法は、厚みすべり圧電振動片の励振電極に
おける表面周縁部から電極材料を除去することにより、
前記圧電振動片の主振動周波数を上昇させると同時に、
前記圧電振動片の周波数温度特性における一次温度係数
の増加を抑制する構成とした。すなわち、励振電極の表
面周縁部から電極材料を除去すれば、見かけ上圧電基板
のX方向長さが短くなって、一次温度係数の増加が抑制
される。これにより、周波数および温度特性の同時調整
が可能となる。
【0012】なお、請求項5の発明に係る圧電振動片の
周波数調整方法では、前記周縁部は、前記圧電振動片の
結晶軸におけるX方向両端部である構成とした。これに
より、製造工程が簡略化され、製造コストを削減するこ
とができる。なお、請求項6の発明に係る圧電振動片の
周波数調整方法では、前記電極材料の除去は、レーザに
より行う構成とした。片面からのレーザ照射により表裏
両面の電極膜の除去を行うことができる点から、より効
果的な微調効果を狙うことができる。更に、製造工程が簡
略化され、製造コストを削減することができる。また、
圧電振動片の実装後にも電極材料の除去が可能であり、
高精度の圧電振動片を提供することができる。
【0013】一方、請求項7の発明に係る圧電振動片
は、請求項1ないし6のいずれかに記載の圧電振動片の
周波数調整方法を使用して製造した構成とした。これに
より、一定の周波数温度特性を有する圧電振動片を提供
することができる。
【0014】一方、請求項8の発明に係る圧電デバイス
は、請求項7に記載の圧電振動片を使用して製造した構
成とした。これにより、一定の周波数温度特性を有する
圧電デバイスを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る圧電振動片の周波数
調整方法、圧電振動片および圧電デバイスの好ましい実
施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。なお以
下に記載するのは本発明の実施形態の一態様にすぎず、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】本発明は、ATカット水晶振動片の周波数
特性および温度特性に関する、以下のような知見に基づ
いている。なお、図1にATカット水晶振動片の結晶軸
および外形寸法の定義図を示す。ATカット水晶振動片
は、水晶の結晶軸(X,Y,Z)におけるXZ平面を、
X軸周りに角度θ回転させた平面を想定し、この平面に
沿って水晶から切り出したものである。なお、Y,Z軸
もX軸周りに角度θ回転させることにより、ATカット
水晶振動片の結晶軸を(X,Y′,Z′)で定義する。
【0017】まず、水晶の無限平板における主振動周波
数fIは、次式で表される。
【数2】 ここで、Aは周波数定数であり、次式で表される。
【数3】 ただし、C66は弾性定数であり、ρは水晶の密度であ
る。また、水晶の有限平板における主振動周波数f
Lは、次式で表される。
【数4】 ただし、C11は弾性定数である。数式4に示すように、
有限平板の主振動周波数fLは、X方向の長さaの影響
を受ける。もっとも一般に、数式4の中かっこ内第2項
は非常に小さいので、有限平板の主振動周波数fLは、
無限平板の主振動周波数fIとほぼ同等になる。
【0018】さらに、無限平板に電極が形成された場合
の主振動周波数fPは、次式で表される。
【数5】 ただし、tsは水晶の厚さ(2b)であり、teは電極の
厚さであり、ρeは電極の密度であり、ρは水晶の密度
である。数式5からは、主振動周波数fPが水晶の厚さ
および電極の厚さによって決定されることがわかる。な
お、主振動周波数fPのばらつきも、水晶の厚さおよび
電極の厚さのばらつきによって発生することになる。
【0019】一方、図2にATカット水晶無限平板の周
波数温度特性のグラフを示す。図2示すように、周波数
温度特性は3次曲線となり、一般に次式によって表され
る。
【数6】 ただし、α、β、γはそれぞれ1次、2次、3次の温度
係数であり、T0は基準温度(例えば、25℃)であ
る。ここで、常温25℃における温度特性曲線の傾きが
平坦であれば、温度変化による主振動周波数のばらつき
は小さくなる。この温度特性曲線の傾きは、数式6の1
次温度係数αに依存している。そして、この1次温度係
数αを決定する主な要因は、水晶基板のカット角であ
る。例えば、カット角θを35°21′から35°1
2′まで減少させると、1次温度係数αが増加し、図2
に示すように温度特性曲線の傾きも増加する。また、有
限平板においては、水晶基板のX方向の長さも、温度特
性曲線の傾きを決定する大きな要因となる。すなわち、
X方向の長さが長くなれば、1次温度係数αが増加し、
図2の場合と同様に温度特性曲線の傾きも増加する。
【0020】ところで、水晶基板に電極を形成した場合
には、その部分に励振エネルギーの集中が発生すること
により、見かけ上水晶基板のX方向長さが短くなるのと
同様の現象を示し、1次温度係数αが減少する。そし
て、形成した電極の厚さが厚くなると、エネルギー集中
の度合いも大きくなる。これを利用すれば、厚みすべり
水晶振動片の主振動周波数および周波数温度特性の調整
を、同時に行うことができる。
【0021】まず、励振電極の表面に微調膜(例えば、
Ag/Cr、Au/Ag、Ag、Al等の薄膜)を形成
して、主振動周波数の調整を行う場合について説明す
る。このように微調膜を付加する場合には、数式5のt
sが増加するので、主振動周波数fPが減少する。ここ
で、微調膜を異なる位置に成膜した複数の水晶振動片を
作成する。すなわち、従来と同様に励振電極の表面全体
に均一に微調膜を成膜したものに加えて、図3(1)に
示すように励振電極10の中央部12のみに微調膜を成
膜したもの、および図3(2)に示すように励振電極1
0の周縁部14のみに微調膜を成膜したものを作成す
る。これらの主振動周波数を表1に示し、周波数温度特
性を図4に示す。
【表1】 表1からは、微調膜の形成位置にかかわらず、同等の周
波数に調整されていることがわかる。
【0022】一方、図4からは、微調膜の形成位置によ
って、常温25℃における温度特性曲線の傾きが異なっ
ていることがわかる。これは、微調膜の付加により、エ
ネルギー集中度が大きくなるので、周波数調整前に比べ
て、見かけ上水晶振動片のX方向長さが短くなることに
よるものであり、周波数調整前の温度特性曲線の傾きに
比べて、いずれの温度特性曲線の傾きも小さくなってい
る。一方、中央部のみに微調膜を成膜した場合には、中
央部においてエネルギー集中度が大きくなるので、全体
に均一に微調膜を成膜した場合に比べて、見かけ上のX
方向長さは短くなる。したがって、温度特性曲線の傾き
が特に小さくなっている。また、周縁部のみに微調膜を
成膜した場合には、励振エネルギーが分散されるので、
全体に均一に微調膜を成膜した場合に比べて、見かけ上
のX方向長さは長くなる。したがって、温度特性曲線の
傾きがそれほど小さくなっていない。
【0023】次に、励振電極の表面から電極材料を除去
して、主振動周波数の調整を行う場合について説明す
る。このように電極材料を除去する場合には、数式5の
tsが減少するので、周波数fPが増加する。ここで、
電極材料を異なる位置から除去した複数の水晶振動片を
作成する。すなわち、従来と同様に励振電極の表面全体
から均一に電極材料を除去したものに加えて、図3
(1)に示すように励振電極10の中央部12のみから
電極材料を除去したもの、および図3(2)に示すよう
に励振電極10の周縁部14のみから電極材料を除去し
たものを作成する。これらの主振動周波数を表2に示
し、温度特性曲線を図5に示す。
【表2】 表2からは、電極材料の除去位置にかかわらず、同等の
周波数に調整できていることがわかる。
【0024】一方、図5からは、電極材料の除去位置に
よって、温度特性曲線の傾きが異なっていることがわか
る。これは、電極材料の除去により、エネルギー集中度
が小さくなるので、周波数調整前に比べて、見かけ上水
晶振動片のX方向長さが長くなることによるものであ
り、周波数調整前の温度特性曲線の傾きに比べて、いず
れの温度特性曲線の傾きも大きくなっている。一方、周
縁部のみから除去した場合には、中央部にエネルギー集
中が残るので、全体から均一に除去した場合に比べて、
見かけ上のX方向長さは短くなる。したがって、温度特
性曲線の傾きがそれほど大きくなっていない。また、中
央部のみから除去した場合には、励振エネルギーが分散
されるので、全体に均一に成膜した場合に比べて、逆に
見かけ上のX方向長さが長くなる。これにより、温度特
性曲線の傾きが特に大きくなっている。
【0025】なお、図3(2)では、励振電極10の周
縁部14全体に対して、微調膜の形成および電極材料の
除去を行ったが、上述したように温度特性曲線の傾きに
寄与するのは、主に水晶振動片のX方向における見かけ
上の長さである。そこで、図6に示すように、励振電極
10のX方向の周縁部15のみに対して、微調膜の付加
および電極材料の除去を行ってもよい。X方向周縁部の
電極材料を除去した場合の温度特性曲線を図7に示す。
上述したように、周縁部から電極材料を除去した場合に
は、中央部にエネルギー集中が残るので、全体から均一
に除去した場合に比べて、見かけ上のX方向長さは短く
なる。したがって、X方向周縁部の電極材料を除去した
場合にも、全体から均一に除去した場合に比べて、温度
特性曲線の傾きが小さくなっている。
【0026】次に、本実施形態に係る水晶振動片の周波
数調整方法の、具体的な使用方法について説明する。図
8に本実施形態に係る水晶振動片の周波数調整方法のフ
ローチャートを示す。まず、形成された水晶振動片の仕
上がり周波数を測定する(S70)。次に、形成された
水晶振動片の周波数温度特性を測定する(S72)。周
波数温度特性の測定は、常温25℃の上下各一点を測定
温度として設定し、これらの温度における主振動周波数
を測定して、常温25℃における温度特性曲線の傾きを
推定する。
【0027】次に、常温における測定周波数を目標周波
数と比較する(S74)。そして、測定周波数が目標周
波数より高いと判断した場合には、以下に述べるよう
に、励振電極の表面に微調膜を形成することによる周波
数調整を行う。微調膜の形成は、真空蒸着法等により行
う。真空蒸着法は、真空中で微調膜材料を加熱蒸発さ
せ、それを励振電極表面に付着させて、薄膜を形成する
手法である。微調膜材料には、水晶振動片の励振電極材
料と同じAg/Cr材料を使用する。なお、励振電極表
面の特定位置のみに微調膜を形成する場合には、当該被
膜の形成部分のみに微調膜材料の透過部を有するマスク
を作成し、これを水晶振動片に装着した上で真空蒸着法
等を実施する。
【0028】次に、微調膜の形成位置を決定するため、
測定により求めた温度特性曲線の傾きと、目標とする温
度特性曲線の傾きとを比較する(S76)。そして、測
定により求めた傾きが、目標とする傾きより大きい場合
には、励振電極の中央部のみに微調膜を形成する(S8
0)。これにより、主振動周波数を目標値に一致させる
とともに、温度特性曲線の傾きを目標値に一致させるこ
とができる。また、測定により求めた傾きが目標とする
傾きより小さい場合には、励振電極の周縁部のみに微調
膜を形成する(S82)。これにより、周波数を目標値
に一致させるとともに、温度特性曲線の傾きの減少を抑
制することができる。
【0029】なお、測定により求めた傾きが、目標とす
る傾きよりわずかに大きい場合には、励振電極の中央部
のみに微調膜を形成すると、目標とする傾きを下回って
しまうおそれがある。この場合には、従来と同様に励振
電極の全体にわずかに微調膜を形成するか、または励振
電極の周縁部のみにわずかに微調膜を形成すればよい。
【0030】一方、ステップ74において、測定周波数
が目標周波数より低いと判断した場合には、以下に述べ
るように、励振電極の表面から電極材料を除去すること
による周波数調整を行う。電極材料の除去は、スパッタ
法等により行う。スパッタ法は、加速したイオン等の粒
子を励振電極に衝突させ、その粒子の持つ運動量の一部
を得た励振電極の表面近傍の原子を、空間にたたき出し
て除去する方法である。なお、励振電極表面の特定位置
のみから電極材料を除去する場合には、除去する位置の
みに加速粒子の透過部を有するマスクを作成し、これを
水晶振動片に装着した上でスパッタ法を実施する。
【0031】なお、スパッタ法に代えて、レーザを使用
して電極材料を除去することもできる。レーザは、水晶
振動片の表面側に配置された場合でも、その焦点深度を
変更することにより、水晶振動片の裏面側に形成された
励振電極から電極材料を除去することもできる。これに
より、水晶振動片をパッケージ等に実装した後でも、水
晶振動片の周波数調整を行うことができる。すなわち、
水晶振動片の実装に伴う周波数シフトを、実装後に解消
することが可能となり、高精度の水晶振動片を提供する
ことができる。
【0032】次に、電極材料の除去位置を決定するた
め、測定により求めた温度特性曲線の傾きと、目標とす
る温度特性曲線の傾きとを比較する(S84)。そし
て、測定により求めた傾きが、目標とする傾きより小さ
い場合には、励振電極の中央部のみから電極材料を除去
する(S86)。これにより、周波数を目標値に一致さ
せるとともに、温度特性曲線の傾きを目標値に一致させ
ることができる。また、測定により求めた傾きが目標と
する傾きより大きい場合には、励振電極の周縁部のみか
ら電極材料を除去する(S88)。これにより、周波数
を目標値に一致させるとともに、温度特性曲線の傾きの
増加を抑制することができる。
【0033】なお、測定により求めた傾きが、目標とす
る傾きよりわずかに小さい場合には、励振電極の中央部
のみから電極材料を除去すると、目標とする傾きを上回
ってしまうおそれがある。この場合には、従来と同様に
励振電極の全体からわずかに電極材料を除去するか、ま
たは励振電極の周縁部のみからわずかに電極材料を除去
すればよい。
【0034】上記のように周波数調整を行った水晶振動
片は、パッケージ内に封入することにより、水晶振動子
として使用することができる。図9に水晶振動子の説明
図を示す。同図(1)はE−E線における平面断面図で
あり、同図(2)はD−D線における側面断面図であ
る。図9の水晶振動子1において、パッケージ7はセラ
ミック材料等により形成する。また、キャビティ4の底
面には電極9及び配線パターン(不図示)を形成して、
パッケージ7の裏面に形成した外部端子(不図示)との
導通を可能とする。そして、水晶振動片3を片持ち状態
で実装する。具体的には、電極9の上に導電性接着剤2
を塗布し、その上に水晶振動片3の接続電極18を配置
して固定する。これにより、パッケージ7の底面の外部
端子から、水晶振動片3の励振電極10に通電可能とな
る。なお、パッケージ7の上部には蓋部材5を装着し
て、パッケージ7の内部を窒素雰囲気等に保持する。
【0035】また、本実施形態に係る水晶振動片は、集
積回路素子と組み合わせて発振回路を形成することによ
り、水晶発振器として使用することができる。例えば、
図9に示す水晶振動子1と集積回路素子(不図示)と
を、配線パターンを形成したモジュール基板上に実装す
ることにより、水晶発振器モジュールを形成することが
できる。また、図9に示すパッケージ7の内部に、水晶
振動片3とともに集積回路素子を封入することにより、
更に小型の水晶発振器を形成することができる。
【0036】上述したように、本発明に係る水晶振動片
の周波数調整方法により、温度特性をも同時に調整し
て、コストを削減することが可能となる。この点、従来
は、目標とする温度特性曲線の常温25℃における傾き
に対して、形成された水晶振動片の温度特性曲線の傾き
が大きく異なる場合には、これを選別して廃棄してい
た。そのため、無駄なコストが発生していた。
【0037】しかし、本発明に係る水晶振動片の周波数
調整方法では、微調膜の付加位置または電極材料の除去
位置を、励振電極表面の中央部または周縁部として、周
波数調整を行う構成とした。これにより、主振動周波数
を下降または上昇させると同時に、周波数温度特性にお
ける一次温度係数の減少もしくは増加を促進または抑制
することができる。したがって、温度特性不良による水
晶振動片の廃棄頻度が低下して、無駄なコストを削減す
ることができる。
【0038】なお、本発明は、ATカット水晶振動片に
おける知見に基づくものであるが、BT、FC、IT、
SCカットなどの、ATカット以外の厚みすべり振動片
にも適用することができる。
【0039】
【発明の効果】厚みすべり圧電振動片の励振電極におけ
る表面中央部に微調膜を付加することにより、前記圧電
振動片の主振動周波数を下降させると同時に、前記圧電
振動片の周波数温度特性における一次温度係数の減少を
促進する構成とした。また、厚みすべり圧電振動片の励
振電極における表面周縁部に微調膜を付加することによ
り、前記圧電振動片の主振動周波数を下降させると同時
に、前記圧電振動片の周波数温度特性における一次温度
係数の減少を抑制する構成とした。また、厚みすべり圧
電振動片の励振電極における表面中央部から電極材料を
除去することにより、前記圧電振動片の主振動周波数を
上昇させると同時に、前記圧電振動片の周波数温度特性
における一次温度係数の増加を促進する構成とした。ま
た、厚みすべり圧電振動片の励振電極における表面周縁
部から電極材料を除去することにより、前記圧電振動片
の主振動周波数を上昇させると同時に、前記圧電振動片
の周波数温度特性における一次温度係数の増加を抑制す
る構成とした。これらにより、周波数および温度特性の
同時調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ATカット水晶振動片の結晶軸および外形寸
法の定義図である。
【図2】 ATカット水晶無限平板の温度特性曲線図で
ある。
【図3】 励振電極表面における微調膜の形成位置およ
び電極材料の除去位置の説明図であり、(1)は中央部
であり、(2)は周縁部である。
【図4】 微調膜を形成して周波数調整を行った場合の
温度特性曲線図である。
【図5】 電極材料を除去して周波数調整を行った場合
の温度特性曲線図である。
【図6】 励振電極表面におけるX方向周縁部の説明図
である。
【図7】 励振電極表面におけるX方向周縁部の電極材
料を除去した場合の温度特性曲線図である。
【図8】 実施形態に係る水晶振動片の周波数調整方法
のフローチャートである。
【図9】 水晶振動子の説明図であり、(1)はE−E
線における平面断面図であり、(2)はD−D線におけ
る側面断面図である。
【符号の説明】
1………圧電振動子、2………導電性接着剤、3………
圧電振動片、4………キャビティ、5………蓋部材、7
………パッケージ、9………電極、10………励振電
極、12………中心部、14………周縁部、15………
X方向周縁部、18………接続電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 勇治 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株 式会社内 Fターム(参考) 5J108 AA04 BB02 CC04 DD02 EE03 EE04 EE07 FF03 FF11 GG03 HH04 KK06 KK07 NB05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みすべり圧電振動片の励振電極におけ
    る表面中央部に微調膜を付加することにより、前記圧電
    振動片の主振動周波数を下降させると同時に、前記圧電
    振動片の周波数温度特性における一次温度係数の減少を
    促進することを特徴とする圧電振動片の周波数調整方
    法。
  2. 【請求項2】 厚みすべり圧電振動片の励振電極におけ
    る表面周縁部に微調膜を付加することにより、前記圧電
    振動片の主振動周波数を下降させると同時に、前記圧電
    振動片の周波数温度特性における一次温度係数の減少を
    抑制することを特徴とする圧電振動片の周波数調整方
    法。
  3. 【請求項3】 厚みすべり圧電振動片の励振電極におけ
    る表面中央部から電極材料を除去することにより、前記
    圧電振動片の主振動周波数を上昇させると同時に、前記
    圧電振動片の周波数温度特性における一次温度係数の増
    加を促進することを特徴とする圧電振動片の周波数調整
    方法。
  4. 【請求項4】 厚みすべり圧電振動片の励振電極におけ
    る表面周縁部から電極材料を除去することにより、前記
    圧電振動片の主振動周波数を上昇させると同時に、前記
    圧電振動片の周波数温度特性における一次温度係数の増
    加を抑制することを特徴とする圧電振動片の周波数調整
    方法。
  5. 【請求項5】 前記周縁部は、前記圧電振動片の結晶軸
    におけるX方向両端部であることを特徴とする、請求項
    2または4に記載の圧電振動片の周波数調整方法。
  6. 【請求項6】 前記電極材料の除去は、レーザにより行
    うことを特徴とする、請求項3または4に記載の圧電振
    動片の周波数調整方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の圧
    電振動片の周波数調整方法を使用して製造したことを特
    徴とする圧電振動片。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の圧電振動片を使用して
    製造したことを特徴とする圧電デバイス。
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