JP2003277570A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2003277570A
JP2003277570A JP2002083202A JP2002083202A JP2003277570A JP 2003277570 A JP2003277570 A JP 2003277570A JP 2002083202 A JP2002083202 A JP 2002083202A JP 2002083202 A JP2002083202 A JP 2002083202A JP 2003277570 A JP2003277570 A JP 2003277570A
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JP
Japan
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rubber
thermoplastic resin
resin composition
compound
weight
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Application number
JP2002083202A
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English (en)
Inventor
Katsuro Omura
勝郎 大村
Fusamitsu Kitada
房充 北田
Norifumi Sumimoto
典史 住本
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Techno UMG Co Ltd
Original Assignee
Techno Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃強度などの機械的強度や成形後の表面外
観を損なうことなく、表面の耐傷付き性が改良され、し
かも耐候性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供する。さ
らに、優れた耐傷付性を有する成形品が得られるレーザ
ーマーキング用熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ゴム変性熱可塑性樹脂100重量部に対
して、有機化合物をインターカレートした層状粘土鉱物
0.1〜50重量部を含有することを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物および該組成物からなるレーザーマーキン
グ用熱可塑性樹脂組成物。層状粘土鉱物としては、スメ
クタイト系粘土やモンモリロナイト系粘土または雲母鉱
物などが挙げられ、これにインターカレントさせる有機
化合物としては、炭素原子を6個以上有するアルキル基
を有し、末端にイオン化する極性基を有する構造のもの
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、成形外
観、耐傷付き性、耐候性、成形加工性などの諸物性に優
れた熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに、本発明は、
成形品の樹脂表面にレーザー光を照射することによって
鮮明かつ消えにくいマーキングを呈し、そして、マーキ
ング面の耐傷付性に優れたレーザーマーキング用熱可塑
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性熱可塑性樹脂は衝撃強度に代表
される機械的強度に優れた物性を有し、各方面で使用さ
れている。特に、ゴムに耐候性の良好なエチレン−α−
オレフィン系ゴム、アクリル酸エステル系ゴム、水素添
加ブタジエン系ゴムなどの水素添加系ゴム、シリコン系
ゴムなどを用いた耐候性の良好なゴム変性樹脂は、その
耐候性のため塗装などの表面加飾を行わず使用でき、コ
ストの削減や環境保全に有用である。しかし、使用時間
が長期にわたる場合には表面の傷が問題になることもあ
り、用途によっては耐傷付き性に限界が有り、その結
果、耐候性が良いという特長を十分に生かし切れていな
いことがある。
【0003】耐傷付き性を向上させるために、ゴム量を
下げて表面を硬くしたり、摺動性を付与し表面滑性を持
たせ、物体が接触したとき滑らせて傷を防いだり、無機
フィラーを添加して表面硬度を上げるなどの対策が取ら
れている。ゴム量を低下させると硬度が上がり、ある程
度の効果はあるが、かえって衝撃強度が低下するので、
対策できる範囲には限界があり、耐衝撃強度と耐傷付き
性をバランスさせるには限界があった。
【0004】また、無機フィラーの添加は表面硬度の改
良には効果があり、数%〜数十%の添加量で、表面の耐
傷付き性は格段に良くなる。しかし、表面にフィラーが
出てくることで極端に外観が悪くなり、ほとんど商品価
値がなくなり、対策としても限界があった。特に、耐候
性材料の場合は表面加飾しないため、フィラーを添加す
る手法は成形外観に直接悪影響を与え、特に成形外観が
良好な材料に対しては全く使用できなかった。
【0005】また、摺動性を持たせるために添加剤など
を加えた場合、添加剤が多くなるにしたがってガラス転
移温度(Tg)が低くなり耐熱性に問題が生じたり、衝
撃強度が低くなることもある。さらに、摺動性が良好な
ポリマー、例えば、ポリオキシメチレンや高密度ポリエ
チレン(HDPE)などを添加する方法もあるが、相溶
性に問題があることが多く、実用的ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、衝撃
強度などの機械的強度や成形後の表面外観を損なうこと
なく、表面の耐傷付き性が改良され、しかも耐候性に優
れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。本発明
の他の目的は、レーザーマーキングで印字されるキーボ
ード等の成形品について、優れた耐傷付性を有する成形
品が得られるレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ゴム変
性熱可塑性樹脂100重量部に対して、有機化合物をイ
ンターカレートした層状粘土鉱物0.1〜50重量部を
含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が提供さ
れる。更に、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる
ことを特徴とするレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組
成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳しく説
明する。 〔ゴム変性熱可塑性樹脂〕本発明のゴム変性熱可塑性樹
脂(以下、単に「ゴム変性樹脂」という)は、ゴム状重
合体の存在下に、例えば芳香族ビニル化合物、シアン化
ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物など
のビニル系単量体を重合して得ることができる。
【0009】(ゴム状重合体)ゴム状重合体としては、
天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、
ポリクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンランダム
共重合ゴム(スチレン含量は好ましくは5〜60重量
%)、スチレン−イソプレンランダム共重合ゴム、アク
リロニトリル−ブタジエンランダム共重合ゴム、イソブ
チレン−イソプレンランダム共重合ゴム(ブチルゴ
ム)、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチ
レン−イソプレンブロック共重合ゴム、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合ゴムなどのジエン系ゴ
ム;SEBSなどの上記ジエン系ゴムの水素添加ゴム;
エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム、エチレン−α
−オレフィン−非共役ジエン化合物共重合ゴムなどのエ
チレン−α−オレフィン系共重合ゴム;アクリル酸エス
テルゴム、アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合ゴ
ム、アクリル酸エステル−共役ジエン化合物共重合ゴ
ム、アクリル酸エステル化合物−共役ジエン化合物−芳
香族ビニル化合物共重合ゴムなどのアクリル系ゴム;そ
の他シリコーンゴムなどが挙げられる。
【0010】これらのゴムのうち、耐候性の良好なゴム
状重合体を用いることが好ましい。耐候性が良好なゴム
は、光、熱、水分、酸素、その他汚染物質などにさらさ
れても安定性が高く、これを用いたゴム変性樹脂は塗装
などの表面加飾や処理をする必要がなく、成形後そのま
ま使用できる。従って、表面処理に必要なコスト削減に
寄与するだけではなく、塗装による有機溶剤の放出がな
く環境に対する負荷が小さい。好ましく使用される耐候
性の良好なゴムとしては、主鎖に実質上二重結合を持た
ないゴムが挙げられる。具体的には、エチレン−α−オ
レフィン系共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−非
共役ジエン化合物共重合ゴムなどのエチレン−α−オレ
フィン系共重合ゴム;アクリル酸エステル−芳香族ビニ
ル共重合ゴム、アクリル酸エステル−共役ジエン化合物
共重合ゴム、アクリル酸エステル化合物−共役ジエン化
合物−芳香族ビニル化合物共重合ゴムなどのアクリル系
ゴムであって、必要に応じて水素添加などの手法を適用
した主鎖に実質上二重結合を持たないアクリル系ゴム;
SEBSなどの上記ジエン系ゴムの水素添加系ゴム;シ
リコーンゴムなどが挙げられる。上記した主鎖に実質上
二重結合を持たないとは、二重結合を有したとしても耐
候性を損なわない程度にしか主鎖に二重結合を有さない
との意味である。許容される二重結合の量の上限はゴム
状重合体の種類によって異なり一義的には決められない
が、種類毎に適宜実験を行うことにより決めることがで
きる。
【0011】これらのゴム状重合体は、1種単独又は2
種以上をブレンドして組み合わせて使用できる。さらに
これらの好ましいゴム状重合体に関して詳細に述べる。
【0012】(a)エチレン−α−オレフィン系共重合
ゴム エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとしては、例え
ばエチレン/炭素数3〜20のα−オレフィン/非共役
ジエン=5〜95/95〜5/0〜30重量%の混合比
からなる単量体を共重合して得られる共重合ゴムが挙げ
られる。ここで言う炭素数3〜20のα−オレフィンと
しては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げら
れる。好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−オクテ
ン、更に好ましくはプロピレンと1−ブテンである。こ
れらのα−オレフィンは1種単独で、または2種以上で
併用することもできる。α−オレフィンの炭素数は3〜
20であるが、好ましくは3〜12、更に好ましくは3
〜8である。炭素数が多すぎると、共重合性が極端に低
下する。エチレンとα−オレフィンの比率(エチレン/
α−オレフィン)は、好ましくは5〜95/95〜5、
更に好ましくは50〜90/50〜10、特に好ましく
は40〜85/60〜15である。
【0013】また、併用されることがある非共役ジエン
化合物は、アルケニルノルボルネン類、環状ジエン類、
脂肪族ジエン類などが挙げられ、好ましくはジシクロペ
ンタジエンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンで
ある。これらの非共役ジエンは1種または2種以上を併
用することができる。エチレン−α−オレフィン系共重
合ゴム中の非共役ジエンの含有量は、0〜30重量%で
あり、好ましくは0〜15重量%である。なお、この共
重合ゴムの不飽和量はヨウ素価に換算して0〜40の範
囲が好ましい。不飽和量が多すぎると、耐候(光)性、
色相が不適合になる。
【0014】これらエチレン−α−オレフィン系共重合
ゴムを得るには、均一系、不均一系いずれの触媒を用い
ても良い。均一系触媒としてはメタロセン系触媒を挙げ
ることができる。不均一系触媒としては、例えばバナジ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせたバ
ナジウム系触媒を挙げることができる。
【0015】なお、エチレン−α−オレフィン系共重合
ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は好まし
くは60以下、さらに好ましくは50以下であり、特に
好ましくは20〜40である。エチレン−α−オレフィ
ン系共重合ゴムのガラス転移温度は好ましくは−110
〜−40℃、さらに好ましくは−70〜−45℃であ
る。
【0016】(b)アクリル系ゴム アクリル系ゴムとしては、アルキル基の炭素数が2〜8
のアクリル酸アルキルエステルの重合体またはこれらの
共重合体である。アクリル酸エステルの具体例として
は、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸へキ
シル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチル
へキシルなどが挙げられる。これらは1種または2種以
上を併用することができる。好ましいアクリル酸エステ
ルとしては、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸2−エチルへキシルである。
【0017】このアクリル系ゴムに使用されるアクリル
酸エステルのうち一部を共重合可能な他のモノマーに置
き換えることができる。かかる他のモノマーとしては、
芳香族ビニル化合物、メタクリル酸エステル化合物、共
役ジエン系化合物などが挙げられるが、好ましくは芳香
族ビニル化合物であり、その中でもスチレンが好まし
い。また、共役ジエン系化合物としてブタジエンを用い
る場合、耐候性を考慮すると全ゴム量の40重量%以下
の範囲で用いることが望ましいが、これ以上多く使用す
る場合は、層状構造をとらせてポリブタジエン層がコア
部となるようすればよい。
【0018】上記アクリル系ゴムは、そのガラス転移温
度が−10℃以下になるように単量体の種類と量を選ぶ
ことが好ましい。また、アクリル系ゴムは、適宜、架橋
性単量体と共重合させることが好ましい。架橋性単量体
の使用量はアクリル系ゴム中に、好ましくは0〜10重
量%、より好ましくは0.01〜10重量%、さらに好
ましくは0.1〜5重量%である。好適な架橋性単量体
としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリ
レートなどのモノまたはポリエチレングリコールジアク
リレート;エチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレートなどのモノまたはポリエチレングリコー
ルジメタクリレート;ジビニルベンゼンなどのポリビニ
ル芳香族化合物;、ジアリルフタレート、ジアリルマレ
エート、ジアリルサクシネート、トリアリルトリアジン
などのポリアリル化合物;アリルメタクリレ−ト、アリ
ルアクリレートなどのアリル(メタ)アクリレート;
1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合
物などが挙げられる。上記アクリル系ゴムは公知の重合
法で製造されるが、乳化重合法、懸濁重合法が好まし
い。
【0019】(c)シリコーン系ゴム シリコーン系ゴムは、グラフト重合の容易さから乳化重
合でラテックスの状態で得られるポリオルガノシロキサ
ン系ゴム状重合体が好ましい。上記ポリオルガノシロキ
サン系ゴム状重合体のラテックスは、公知の方法、例え
ば米国特許第3,294,725号明細書などに記載され
た方法で得ることができる。好ましい方法としては、オ
ルガノシロキサンをアルキルベンゼンスルホン酸、アル
キルスルホン酸などのスルホン酸系乳化剤の存在下にホ
モミキサーまたは超音波混合機などを用いて水と剪断混
合して縮合させることによって製造することができる。
このとき、アルキルベンゼンスルホン酸などは、オルガ
ノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に、重合開
始剤ともなるので好適に用いられる。なかでも、アルキ
ルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属
塩は、グラフト重合する際にポリマーを安定に維持する
のに効果があるので好ましい。また、必要に応じて、グ
ラフト交叉剤および架橋剤を本発明の目的の性能を損な
わない範囲で共縮合させても良い。
【0020】オルガノシロキサンは、例えば、下記一般
式(1)で表される構造単位を有するものであり、直鎖
状、分岐状または環状構造、好ましくは環状構造を有す
るオルガノシロキサンである。 一般式(1):RSiO(4−m)/2 (式中、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であ
り、mは0〜3の整数を示す) このオルガノシロキサンの置換または非置換の1価の炭
化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、フェニル基、およびそれらをシアノ基などで置
換した置換炭化水素基などを挙げることができる。
【0021】オルガノシロキサンの具体例としては、ヘ
キサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサ
ン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチル
トリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状オルガノ
シロキサンのほかに、直鎖状オルガノシロキサン、分岐
状オルガノシロキサンなどを挙げることができる。これ
らのオルガノシロキサンは、単独であるいは2種以上を
組み合わせて用いることもできる。また、このオルガノ
シロキサンは、予め縮合された、例えばポリスチレン換
算の重量平均分子量が500〜10,000程度のポリ
オルガノシロキサンであってもよい。オルガノシロキサ
ンがポリオルガノシロキサンの場合、その分子末端に
は、例えば水酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル
基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシ
リル基、メチルジフェニルシリル基などで封鎖されてい
てもよい。上記オルガノシロキサンは、単独でまたは2
種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0022】また、本発明の目的の達成を損なわない範
囲でグラフト交叉剤を使用することができる。用いられ
るグラフト交叉剤としては、例えば次のものを挙げるこ
とができる。 (イ)CH=C(R)−(Ph)− (式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基を示し、Phはフェニレン基を示す)で表される不飽
和基と、アルコキシシリル基とを併せ持つグラフト交叉
剤。 (ロ)R SiO(3−p)/2(式中、Rはビニ
ル基またはアリル基、pは0〜2の整数を示す。) 具体例;ビニルメチルジメトキシシラン、テトラビニル
テトラメチルシクロシロキサン、アリルメチルジメトキ
シシラン。 (ハ)HSRSiR (3−q)/2(式中、R
は炭素数1〜18の2価または3価の飽和脂肪族炭化
水素基、Rは炭素数1〜6の脂肪族不飽和基を含有し
ない1価の炭化水素基であり、qは0〜2の整数を示
す。) 具体例;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン。 (ニ)CH=C(CH)−COO−(CH
iR (3−s)/ (式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基またはフェニル基、rは1〜6の整数、sは0〜2
の整数を示す。) 具体例;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン。
【0023】これらのグラフト交叉剤のうち、特に好ま
しくは前記(イ)で表される不飽和基とアルコキシシリ
ル基とを併せ持つ化合物である。上記(イ)の化合物と
しては、具体的にはp−ビニルフェニルメチルジメトキ
シシラン、1−(m−ビニルフェニル)メチルジメチル
イソプロポキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エ
チルメチルジメトキシシラン、3−(p−ビニルフェノ
キシ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(p−ビ
ニルベンゾイロキシ)プロピルメチルジメトキシシラ
ン、1−(o−ビニルフェニル)−1、1,2−トリメ
チル−2,2−ジメトキシジシラン、1−(p−ビニル
フェニル)−1,1−ジフェニル−3−エチル3,3−
ジエトキシジシロキサン、m−ビニルフェニル−〔3−
(トリエトキシシリル)プロピル〕ジフェニルシラン、
〔3−(p−イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピ
ル〕フェニルジプロポキシシラン、2−(m−ビニルフ
ェニル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(o−ビ
ニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−
(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラ
ン、1−(o−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキ
シシランなどのほか、これらの混合物を挙げることがで
きる。これらのグラフト交叉剤のうち、好ましくはp−
ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−(p−ビ
ニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、3−
(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチルジメトキ
シシランであり、さらに好ましくはp−ビニルフェニル
メチルジメトキシシランである。
【0024】このグラフト交叉剤を使用する場合の使用
量は、オルガノシロキサンと交叉剤の合計量中、好まし
くは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.2〜2
0重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。グ
ラフト交叉剤量が多いとグラフトしたポリマーの分子量
が低下し、十分な耐衝撃性が得られない。0.1重量%
未満であると、その成形品に層状剥離が生じやすく、十
分な成形品の表面外観性、成形品の強度が得られにく
い。
【0025】ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合体の
粒子径は、好ましくは500nm以下であり、更に好ま
しくは400nm以下、特に好ましくは100〜400
nmである。この粒子径は乳化剤、水の量、ホモミキサ
ーもしくは超音波混合機などを用いて混合したときの分
散の程度、または、オルガノシロキサンの添加方法によ
って制御することができる。粒子径が500nmより大
きくなると光沢が低下し外観が悪くなる。
【0026】また、このようにして得られるポリオルガ
ノシロキサン系ゴム状重合体のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーで測定されたポリスチレン換算重量平
均分子量は、3万〜100万、好ましくは5万〜30万
である。平均分子量が低すぎると、得られるグラフト共
重合体およびこれを用いた本発明の樹脂組成物の耐衝撃
性が劣る。平均分子量が大きすぎると、高分子鎖の絡み
合いが強いため、ゴム粒子のゴム弾性が低下し、耐衝撃
性が低下する。この重量平均分子量の調整はポリオルガ
ノシロキサン系ゴム状重合体調製時の縮合重合温度と時
間を変更することにより、容易に調整することができ
る。すなわち、縮合重合温度が低いほど、冷却時間が長
いほど、高分子量化する。また、架橋剤を少量添加する
ことで、高分子量化することができる。
【0027】必要に応じて使用する架橋剤は、オルガノ
シロキサン系ゴム状重合体の製造の際に添加することが
できる。これにより、オルガノシロキサン系ゴム状重合
体をゴム状重合体として用いて得られるグラフト共重合
体の耐衝撃強度を改良することができる。この架橋剤と
しては例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどの3
官能性架橋剤、テトラエトキシシランなどの4官能性架
橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤は、単独で
または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、これら架橋剤を予め縮合重合させた架橋プレポリ
マーを架橋剤として用いてもよい。架橋剤を使用する場
合の添加量は、オルガノシロキサン、グラフト交叉剤お
よび架橋剤の合計量中、好ましくは0.01〜20重量
%、更に好ましくは0.02〜5重量%である。20重
量%を越えると、ポリオルガノシロキサン系ゴム状重合
体の柔軟性が損なわれるため、摺動性、耐衝撃性が低下
する。
【0028】(d)水素添加系ゴム 水素添加系ゴムは、共役ジエン系ゴム状重合体の水素化
物である。この共役ジエンゴム状重合体の水素化物とし
ては、共役ジエン重合体の水素添加物、共役ジエンと芳
香族ビニル化合物との共重合体の水素添加物などが挙げ
られ、後者の中には共役ジエン化合物と芳香族ビニル化
合物のランダム共重合体、ブロック共重合体などが含ま
れる。ブロック共重合体の水素添加物のブロック構造に
は、芳香族ビニル化合物重合体ブロック、芳香族ビニル
化合物−共役ジエンランダム共重合体ブロック、共役ジ
エン化合物がブタジエンの場合、ポリブタジエン中の
1,2ビニルの含量が20重量%以下のブロック、1,
2ビニルの含量が20重量%を越えるポリブタジエンブ
ロック、ポリブタジエンと芳香族ビニル化合物との共重
合体の場合、ランダムブロック以外にそれぞれの成分が
徐々に多くなるテーパーブロックなどの各ブロックの水
素添加構造が含まれる。ブロック共重合体の形として
は、AB型、ABA型、(AB)n型、(AB)nAテ
ーパー型、ラジアルテレブロック型などの構造を有する
ものが含まれる。ブロック共重合体のうち共役ジエン部
分の水素添加率は、好ましくは95モル%以上、より好
ましくは97モル%以上である。水素添加率が少な過ぎ
ると、十分な耐候性、耐変色性のゴム変性熱可塑性樹脂
組成物が得られない。
【0029】ブロック共重合体の製造に使用される共役
ジエンとしては、1、3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、クロロプレンなどが挙げられる
が、工業的に利用でき、物性の優れた水添ジエン系ゴム
状重合体を得るには、1、3−ブタジエン、イソプレン
が好ましい。ブロック共重合体の製造に使用される芳香
族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチ
レン、ジクロロスチレン、モノブロムスチレン、ジブロ
ムスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチ
レン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどがあり、
これらは一種または二種以上で使用される。好ましい芳
香族ビニル単量体は、スチレンまたは芳香族ビニル単量
体中にスチレンを50重量%以上含んだものである。こ
のブロック共重合体の芳香族ビニル化合物と共役ジエン
化合物の割合は、最終的な樹脂の要求性能によって変更
出来るが、芳香族ビニル化合物の共重合体中の割合は好
ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは、
13〜40重量%である。芳香族ビニル単量体の単位が
少なすぎると、ゴム変性熱可塑性樹脂組成物の成形品表
面外観が低下し好ましくなく、多すぎると、十分な耐衝
撃性が得られない。
【0030】本発明で使用されるブロック共重合体の代
表的な製造方法として以下の方法が挙げられる。すなわ
ち、シクロヘキサンなどの不活性溶媒中において、重合
触媒として、n−ブチルリチウムなどの有機リチウムな
いし他のアルカリ金属化合物を用い、必要に応じてビニ
ル結合含量を調節するために、テトラヒドロフラン、ヘ
キサメチルホスホリルトリアミド、チオエーテル、その
他の三級アミンなどの極性有機化合物が用いられる。ビ
ニル結合含量は、重合温度によっても制御できる。上記
方法で得られた活性末端を有するブロック重合体鎖を、
四塩化珪素、四塩化スズなどの多官能性化合物によっ
て、カップリングするなどして、分岐状のブロック重合
体が得られる。これらのブロック重合体は、単独である
いは他のブロック共重合体に混合して用いることができ
る。
【0031】以上、好ましいゴム状重合体(a)〜
(d)を説明した。いずれにせよ、ゴム状重合体の分子
量分布、すなわち重量平均分子量/数平均分子量(Mw
/Mn)は、好ましくは1.1〜3であり、より好まし
くは1.15〜2.5である。Mw/Mnが3を超える
と、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品表
面にフローマークが発生することなどにより、成形品外
観悪化の原因となる。
【0032】これらゴム状重合体は、ゴム変性樹脂の重
合工程時に単独で使用してもよいし、あるいは目的に応
じて2種以上の異なるゴム状重合体を混合して使用して
も良い。2種以上使用することでそれぞれのゴム状重合
体の長所を生かして、高性能を有するゴム変性熱可塑性
樹脂組成物が得られる。
【0033】これらゴム状重合体の併用は、目的に応じ
て適宜の態様で行なうことができる。例えば、ゴム変性
樹脂を製造する重合工程で併用することもできるし、そ
れぞれのゴムに別々に用いて重合して得たゴム変性樹脂
をブレンドし、押出機やバンバリーミキサーなどの混練
り機で配合することもできる。
【0034】〔ゴム変性樹脂の製造に用いられる単量
体〕ゴム変性樹脂を調製するに当たって、上記ゴム状重
合体の存在下に重合する単量体として、例えば芳香族ビ
ニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル
酸エステル化合物、マレイミド系単量体等のビニル系単
量体が用いられる。さらに必要に応じてポリエン系化合
物を用いることもできる。以下、上記単量体について説
明する。
【0035】(a')芳香族ビニル化合物 芳香族ビニル化合物としては、上記ブロック共重合体の
製造に使用する芳香族ビニル化合物と同様のものが使用
できる。これらの芳香族ビニル化合物は、単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いることができる。 (b')シアン化ビニル化合物 シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどが挙げられ、特に、好ましくはア
クリロニトリルである。これらのシアン化ビニル化合物
は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。 (c')(メタ)アクリル酸エステル化合物 (メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル(メ
タ)アクリレートが好ましく、例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなど
のアルキルアクリレート類;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートな
どのアルキルメタクリレート類が挙げられる。好ましく
はメチルメタクリレート、ブチルアクリレートであり、
特に好ましくはメチルメタクリレートである。
【0036】(d')マレイミド系化合物としては、マ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが
挙げられ、好ましくはN−フェニルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミドである。 (e')不飽和酸としては、アクリル酸、メタクリル酸
などが挙げられる。 (f')エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシ
ジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが
挙げられ、好ましくはグリシジルメタクリレートであ
る。 (g')ヒドロキシル基含有不飽和化合物としては、3
−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブ
テン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−
4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げら
れる。好ましくは2−ヒドロキシエチルメタクリレート
である。 (h')酸無水物基含有不飽和化合物としては、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙
げられ、好ましくは無水マレイン酸である。
【0037】ゴム状重合体の存在下で重合される単量体
は、上記各種のビニル系単量体から選ばれた1種又は2
種以上で使用される。使用される好ましい単量体を以下
に示す。 (M1)上記(a')(c')(d')から選ばれた少な
くとも1種の単量体。 (M2)上記(M1)単量体と上記(b')(e')
(f')(g')から選ばれた少なくとも1種の単量体と
からなる単量体混合物。 上記単量体の使用量については、(M2)において
(a')(c')(d')から選ばれた少なくとも1種の
単量体は、単量体全量に対して、好ましくは40〜99
重量%、さらに好ましくは50〜98重量%、一方
(b')(e')(f')(g')から選ばれた少なくとも
1種の単量体は、単量体全量に対して、好ましくは1〜
60重量%、さらに好ましくは2〜50重量%である。
この単量体使用量の範囲にあると物性の優れたゴム変性
熱可塑性樹脂組成物が得られる。
【0038】上記単量体の好ましい具体的な組合せを以
下に示す。 (1)(a')と(b')。 (2)(a')と(b')と(c')。 (3)(a')と(c')。 (4)(a')と(d')。 (5)(a')と(b')と(d')。 (6)(a')と(b')と(c')と(d')。 (7)(b')と(c')と(d')。 (8)(c')と(d')。 上記組合せにおいて、各単量体の性能を十分に得るた
め、各単量体の占める割合は、単量体全量に対して、好
ましくは5重量%以上である。また、上記組合せにおい
て、(b')成分についてはその上限量は、単量体全量
に対して、好ましくは60重量%、さらに好ましくは5
0重量%である。しかしながら、これらの組成は目的の
物性を発現させるために、自由に変更することができ
る。
【0039】(ゴム変性樹脂の製法)本発明のゴム変性
樹脂の製法としては、上記ゴム状重合体の存在下、ビニ
ル単量体をラジカル重合する方法を採用できる。好まし
い重合操作として、ゴム状重合体を有機溶媒に溶解後、
高速攪拌しながら乳化剤などを添加して再乳化し、その
後、一般的な乳化重合を行うことが挙げられる。また、
ゴム状重合体を有機溶媒に溶解後ラジカル重合する溶液
重合、あるいは単量体にゴム状重合体を溶解後ラジカル
重合する塊状重合、単量体にゴム状重合体を溶解後懸濁
剤を添加してラジカル重合する塊状懸濁重合などであ
る。本発明のゴム変性樹脂のグラフト率は、20〜20
0%が好ましく、より好ましくは25〜150%、さら
に好ましくは30〜110%である。グラフト率が高す
ぎると、ゴム弾性がなくなり衝撃吸収能力が低下し、耐
衝撃性が低下する。一方、グラフト率が低すぎると、成
形時に層状に剥離する現象などが生じ、成形品の表面外
観が不良になり、耐衝撃性が低下する。なお、ここで述
べたグラフト率の測定法は実施例の項に記載されてい
る。
【0040】既に述べたように、ゴム変性樹脂の製造
は、上記ゴム状重合体の存在下に単量体を重合すること
により行われ、ゴム状重合体を幹ポリマーとして、これ
に該単量体の(共)重合体が化学的及び/又は物理的に
結合したものと、結合しない遊離の(共)重合体とが生
成する。本発明では、幹ポリマーに、単量体の(共)重
合体が化学的及び/又は物理的に結合したグラフトポリ
マーと遊離の(共)重合体との混合物を「グラフト重合
体」と称する。
【0041】(ゴム変性樹脂)本発明のゴム変性樹脂
は、上記グラフト重合体単独からなるか、または、グラ
フト重合に用いられる単量体をゴム状重合体の非存在下
に(共)重合して得られる(共)重合体(以下、「非グ
ラフト重合体」ともいう)を上記グラフト重合体にブレ
ンドしたいわゆるグラフト−ブレンド型ゴム変性樹脂の
形態とすることができる。ゴム状重合体の非存在下で
(共)重合する単量体としては、先にゴム状重合体の存
在下で重合する単量体について説明したものと同様のも
のをそのまま使用できる。本発明のゴム変性樹脂中のゴ
ム含量は、好ましくは2〜70重量%、より好ましくは
5〜40重量%であり、特に好ましくは5〜30重量%
である。ゴム量が少なすぎると衝撃吸収能が不足し耐衝
撃性が低下し、一方多すぎると成形品の成形外観に劣
る。
【0042】(ゴム変性樹脂の諸物性)ゴム変性樹脂の
アセトン可溶分の固有粘度[η](溶媒アセトン、30℃
で測定)は、好ましくは0.1〜0.7dl/g、より
好ましくは0.2〜0.65dl/g、さらに好ましく
は0.25〜0.6dl/gである。固有粘度が高すぎ
ると、本発明の樹脂組成物の成形加工性が低下し、金型
への密着性が悪く、光沢が低下したり、ウェルド部に色
ムラが生じたりして、成形品外観が不良となる。一方、
低すぎる場合、衝撃強度が低下し実用的な耐衝撃性を得
ることができなくなる。
【0043】〔有機化合物をインターカレートした層状
粘土鉱物(有機層状粘土鉱物)〕次に、有機化合物をイ
ンターカレートした層状粘土鉱物について説明する。か
かる粘土鉱物としては、層状構造を有し、有機化合物を
インターカラントとして層間に取り込む(インターカレ
ートする)ことによりに膨潤する特性をもった層状無機
化合物を用いることができる。例えばモンモリロナイ
ト、特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモ
ンモリロナイトおよびカルシウムモンモリロナイトが挙
げられ、その他、カオリナイト、ノンライト、バイデラ
イト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、
サウコナイト、ソボカイト、スティブンサイト、スビン
フォルダイト、バーミキュライトなどのスメクタイト粘
土などと言った、フィロシリケート類が挙げられる。他
の有用な層状無機化合物には、イライトおよびイライト
/スメクタイトの混合物(レクトライト、タロソバイ
ト、レディカイトおよび前記粘土化合物とイライトとの
混合物など)などの雲母鉱物類またはアタパルジャイト
およびセピオライトハイドロタルサイト系層状化合物な
どが含まれる。これら層状無機化合物の中ではスメクタ
イト系粘土が好ましく、特にモンモリロナイト系粘土が
好ましい。これらの粘土鉱物は一般には天然鉱物を採取
して所定の精製操作を経て得られる。また、最近は、ス
メクタイト系粘土やモンモリロナイト系粘土または雲母
鉱物のように多くの種類の粘土が無機合成法で生産され
ているので容易に入手できる。これらの合成粘土は区別
なく使用できる。
【0044】本発明においては、この層状粘土鉱物に有
機化合物をインターカレートさせて層間距離を一定以上
にして用いる。インターカレートにより十分に膨潤した
層状粘土鉱物またはインターカレートに誘発される剥離
物を形成するためには、例えば炭素数6以上のアルキル
基を含む有機化合物をインターカラントとして層状粘土
鉱物の層間に取り込ませることが好ましい。
【0045】インターカレートする方法としては、各種
提案されている方法を採用することができる。例えばフ
ィロシリケート系粘土鉱物とインターカラントとを接触
させるために、予め粘土鉱物にその重量の10重量%か
ら20倍程度の水を含ませて、その後インターカラント
とフィロシリケート系粘土鉱物とを接触させる方法など
がある。層状粘土鉱物は十分なインターカレートにより
剥離が促進される。
【0046】このようにして有機化合物をインターカレ
ートした層状粘土鉱物とゴム変性樹脂とをそのまま混合
して、所望物性の本発明の組成物を得ることができる。
さらに、このインターカレートした層状粘土鉱物の存在
下にラジカル重合性のモノマーをラジカル重合すること
で、更に該層状粘土鉱物の層間距離を大きくし、樹脂中
での分散性をより大きくすることができ、これをゴム変
性樹脂に配合することにより、一層良好な結果が得られ
る。この場合、例えばインターカレートした層状粘土鉱
物を芳香族化合物溶媒中に分散させ、これに芳香族ビニ
ル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸
エステル化合物などを目的に応じて添加し、ラジカル重
合したものを使用することができる。重合可能なモノマ
ーはインターカラントと共に、層状粘土鉱物の層間の一
部または全てに導入することが望ましい。
【0047】本発明においてインターカラントとして使
用できる有機化合物としては、イオン化しやすい極性基
を分子内に有する有機化合物が挙げられる。有極性の有
機化合物は、スメクタイト系粘土鉱物の酸素イオンなど
負イオンで覆われた層の表面との間で強い相互作用を起
こし、層状粘土の層間を押し拡げて(膨潤して)有機分
子が層をなして挿入されるすなわちインターカレートす
るものと考えられている。かかる有機化合物としては、
炭素原子を6個以上有するアルキル基を有し、末端にイ
オン化する極性基を有する構造をしたものが好ましい。
代表的には、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有
するものや、アルデヒド類、アミン類、アミド類が挙げ
られる。具体的には、ヒドロキシル基を有するものとし
ては、オクチルアルコール、ノニルアルコールなどの脂
肪族アルコール、アルキル基が置換した芳香族アルコー
ルなどのアルコール類の他、フェノール類などがある。
また、カルボキシル基を有するものとしては、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの直鎖状脂肪酸、
オレイン酸などの直鎖状アルケン酸、リノールエライジ
ン酸などのジエン酸、リノレン酸などのトリエン酸など
のポリ不飽和脂肪酸などがある。また、アルデヒド類と
してはヘキシルアルデヒドなどがある。更に、アミン類
またはアミド類としては、1以上のアミンまたはアミド
を有する極性有機化合物、例えばアルキルアミン、アミ
ノシクロアルカンおよびアミノシクロアルカン置換体、
環状脂肪族ジアミン、脂肪族アミン、アルキル芳香族ア
ミン、アルキルジアリールアミン、脂肪族アミドなどが
挙げられ、一級、二級、および/または三級アミンまた
はアミドが含まれる。この中でも、アミン類またはアミ
ド類が好適であり、特にアルキルアミン、脂肪族アミ
ン、アルキル芳香族アミン、アルキルジアリールアミン
などが好ましい。上記有機化合物は単独でもまたは2種
以上混合しても使用できる。
【0048】好ましいアミン類としては、1−ヘキシル
アミン、1−へプチルアミン、1−オクチルアミン、1
−ノニルアミン、1−ドデシルアミン、1−ヘキサデシ
ルアミン、1−オクタデシルアミン、オレイルアミンな
どの一級アミンの他、ジ−n−ドデシルアミン、ジ−n
−ヘキサデシルアミン、ジ−n−オクタデシルアミンな
どの二級アミン、さらに、ジメチル−n−オクチルアミ
ン、ジメチル−n−デシルアミン、ジメチル−n−デシ
ルアミン、ジメチル−n−テトラデシルアミン、ジメチ
ル−n−ヘキサデシルアミン、ジメチル−n−オクタデ
シルアミン、ジメチルオレイルアミンなどの三級アミ
ン、ジ−n−デシルメチルアミン、ジココアルキルメチ
ルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリーn−オク
チルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ヘキ
サデシルアミンなどの脂肪族アミンが挙げられる。好ま
しい脂肪族アミド類としては、ヘキシルアミド、ヘプチ
ルアミド、オクチルアミド、ノニルアミド、ラウラミ
ド、ミリスタミド、パルミタミド、ステラミド、パルミ
アミド、オレアミド、リノレアミドなどが挙げられる。
【0049】そのほか極性を有する有機化合物としてニ
トリル基またはラクタム基を有するもの、ピリジン類、
エステル類、界面活性剤類、エーテル類などを使用する
こともできる。
【0050】〔熱可塑性樹脂組成物〕本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、既知の混練機、例えば、単軸または2軸
のベントエクストルーダーなどの各種押出機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ロールなどを用い、各成分を混
練することによって得られる。好ましい製造法は押出機
を用いる方法である。また各成分を混練するに際して各
成分を一括して混練りしてもよく、多段添加方式で混練
してもよい。配合割合に関しては、ゴム変性樹脂100
重量部に対して、有機化合物をインターカレートした層
状粘土鉱物0.1〜50重量部である。好ましくは0.
5〜30重量部であり、更に好ましくは1〜20重量
部、特に好ましくは1〜15重量部である。配合量が
0.1重量部未満の場合粘土鉱物を添加した効果が現れ
ず、50重量部より多く添加した場合、目的とする耐傷
付き性は改良できるものの、衝撃強度が低下する。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐傷付性
に優れていることから、レーザーマーキングで樹脂表面
が印字される成形品の成形材料として有用である。本発
明のレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、上記
本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる熱可塑性樹脂組成
物である。レーザー光で発色させる色が黒色系である場
合、ゴム変性熱可塑性樹脂の製造で使用される上記のビ
ニル系単量体として好ましくは、芳香族ビニル化合物と
シアン化ビニル化合物を必須成分とするものであり、シ
アン化ビニル化合物の含量は、好ましくは20〜45重
量%、さらに好ましくは20〜35重量%である。この
範囲にあると、成形品の成形時の成形加工性、成形品の
耐薬品性、発色性が高水準にあるレーザーマーキング用
熱可塑性樹脂組成物が得られる。一方、レーザー光で発
色させる色が白色系もしくは有彩色である場合、ゴム変
性熱可塑性樹脂の製造で使用される上記のビニル系単量
体として、好ましくは芳香族ビニル化合物、(メタ)ア
クリル酸エステル化合物、シアン化ビニル化合物を必須
成分とするものであり、(メタ)アクリル酸エステル化
合物含量は、好ましくは5〜95重量%、さらに好まし
くは10〜80重量%である。尚、シアン化ビニル化合
物の含量は、白色もしくは有彩色の発色性を低下させな
い範囲で使用することが出来る。(メタ)アクリル酸エ
ステル化合物がこの範囲にあると優れた発色性が得られ
る。
【0052】レーザー光吸収剤を用いることで、レーザ
ーマーキングの鮮明性が向上する。レーザー光吸収剤
は、レーザーマーキング用材料の上記ゴム変性樹脂10
0重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、
より好ましくは、0.005〜3重量部、さらに好まし
くは、0.005〜2重量部配合される。レーザー光吸
収剤の配合割合が上記の範囲にあると、レーザーマーキ
ングの鮮明性に優れる。一方多すぎると、成形品外観お
よび耐衝撃性に劣る原因になる。
【0053】レーザー光吸収剤として、具体的に、カー
ボンブラック、黒色酸化鉄、チタンブラック、黒鉛など
の黒色系化合物を挙げることができる。上記黒色系化合
物は、波長−反射率曲線で表して、400〜700nm
の波長の全領域に対して、反射率が10%以下、好まし
くは5%以下のものである。すなわち、この400〜7
00nmの全領域の波長の光を吸収するものであれば、
黒色系化合物として使用できる。上記黒色系化合物のう
ち、カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、
チャネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブ
ラックなどのいずれも使用可能である。カーボンブラッ
クの好ましい粒径は、10〜80nm、さらに好ましく
は、12〜40nmである。粒径が小さい方が樹脂中で
の分散性が良く、レーザーマーキング発色性が良好であ
る。また、カーボンブラックの好ましい比表面積は20
〜1,500m/g、好ましい吸油量は35〜300
ml/100g、好ましいpHは2〜10である。ま
た、黒色系化合物である黒色酸化鉄は、FeやF
eO・Feで表される黒色の鉄酸化物である。黒
色酸化鉄の好ましい粒径は、0.3〜0.8μm、さら
に好ましくは0.4〜0.6μmであり、その形状とし
ては、球状、立方状、針状などのいずれも使用できる
が、立方状が好ましい。さらに、黒色系化合物であるチ
タンブラックは、二酸化チタンを還元することによって
得られる化合物である。チタンブラックの好ましい粒径
は、0.1〜60μm、さらに好ましくは、1〜20μ
mである。これらの黒色系化合物は、1種単独であるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。レーザ
ー光吸収剤である上記黒色系化合物の配合量は、レーザ
ー光吸収剤に関して既に述べた割合で配合される。
【0054】さらに、レーザー光吸収剤として、上記黒
色系化合物に代えてあるいは組み合わせて下記の無機鉛
化合物以外の金属含有化合物(以下、単に「金属含有化
合物」という)を用いることができる。好ましい上記金
属としては、ビスマス、ニッケル、亜鉛、カルシウム、
銅、チタン、ケイ素、コバルト、鉄などが挙げられ、好
ましい金属含有化合物としてこれらの金属の酸化物、炭
酸塩、水酸化物、有機カルボン酸塩などが挙げられる。
上記金属含有化合物の具体例として、酸化ビスマス、ギ
酸ニッケル、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、リン酸系
亜鉛、ケイ酸カルシウム、水酸化ビスマス、塩基性炭酸
ビスマス、塩基性酢酸ビスマス、水酸化ニッケル、ショ
ウ酸銅、塩基性炭酸銅、炭酸カルシウム、チオシアン酸
銅、クエン酸銅、シュウ酸鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン
などが挙げられる。このような金属含有化合物を配合す
ることでより優れた黒色発色を得ることができる。これ
らの金属含有化合物は、1種単独でまたは2種以上を組
み合わせて用いることができる。金属含有化合物は、レ
ーザー光吸収剤に関して既に述べた量割合で配合され
る。上記黒色系化合物と組み合わせる場合は、これらの
合計量について量割合が適用される。
【0055】〔染料および有機顔料〕本発明のレーザー
マーキング用熱可塑性樹脂組成物をレーザー光照射によ
り、黒色以外の色に発色させる場合、即ち、白色または
黄色、赤、青、緑、紫などの有彩色に発色させる場合、
該樹脂組成物中に染料および/または有機顔料を配合す
ることができる。本発明に用いられる染料および/また
は有機顔料の波長−反射率曲線は、400〜700nm
の波長領域において、部分的に反射率が40%以上の領
域、好ましくは50%以上の領域を有する。本発明のレ
ーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、レーザー光
で照射された部分において、該部分に配合された染料・
有機顔料の色彩に応じて、白色、黄色、赤、青、緑、紫
などの有彩色を明彩に発色する。
【0056】染料としては、ニトロソ染料、ニトロ染
料、アゾ染料、スチルベンアゾ染料、ケトイミン染料、
トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン
染料、キノリン染料、メチン染料、チアゾール染料、イ
ンダミン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン
染料、硫化染料、アミノケトン染料、アントラキノン染
料、インジゴイド染料などが挙げられる。
【0057】これらの染料の具体例としては、Mord
ant Green 4、Disperse Yello
w 14、Disperse Yellow 31、Ac
idYellow 2、Direct Yellow 5
9、Basic Yellow2、Basic Oran
ge 23、Direct Orange 71、Dir
ect Red 28、Acid Red 52、Solv
ent Blue 22、Acid Blue 59、Mo
rdant Blue10、Acid Blue45、V
at Blue 41、トルイジンマルーン、パーマネン
トレッドAG、ハンザエローG、ハンザエロー10G、
ベンジジンオレンジ2Gなどが挙げられる。これらは1
種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0058】有機顔料としては、一般的に用いられるも
のが使用できるが、なかでも、配位している金属がカル
シウム、ニッケル、鉄、バリウム、ナトリウム、銅、モ
リブデン、コバルト、マンガン、亜鉛、チタン、マグネ
シウム、カリウムなどのものが好ましい。具体的な有機
顔料としては、ウオッチングレッド(Ca)、グリーン
ゴールド(Ni)、ピグメントグリーンB(Fe)、ピ
グメントスカーレット3B(Ba)、ファーストスカイ
ブルー(Ba)、フタロシアニングリーン(Fe)、フ
タロシアニンブルー(Cu)、ブリリアントカーミン6
B(Ca)、ボルドー10B(Na)、リソールレッド
R(Na)、レーキレッドD(Na)、ブリリアントス
カーレットG(Ca)、マンガンバイオレット(M
n)、コバルトバイオレット(Co)などが挙げられ
る。有機顔料に含まれる金属元素を、有機顔料の名称の
後の括弧内に示した。なお、これらは1種単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いることができる。また、染
料と有機顔料は、各々単独でまたは組み合わせて用いら
れる。
【0059】本発明のレーザーマーキング用熱可塑性樹
脂組成物において、有彩色を発色する機構は、まだ明ら
かではないが、次のように考えられる。すなわち、ゴム
変性熱可塑性樹脂中に配合されたレーザー光吸収剤は、
カーボンブラックの場合、レーザー光を吸収して、照射
部分に存在するカーボンブラックが気化する。この段階
で、照射部分での黒色成分が無くなる、あるいは、少な
くなる。一方、照射部分に存在していた有彩色を有する
染料や顔料などの着色剤はレーザー光を吸収しないの
で、照射部分にそのまま存在し、照射部分が該着色剤由
来の有彩色に発色する。また、他の機構の説明として
は、レーザー光吸収剤がレーザー光を吸収し、光を熱に
変換する。発生する熱が、ゴム変性熱可塑性樹脂中の
(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する繰り返し
単位を分解し発泡する。発泡した部分と照射されない部
分とでは屈折率が異なるため、黒色とはならず、該着色
剤由来の有彩色を発色する。このような発色機構から分
かるように、レーザー光吸収剤はレーザー光を吸収する
ことが必要であり、一方、着色剤はレーザー光の波長を
吸収しないことが必要となる。なお、チタンブラック
は、光照射時に酸化されると二酸化チタンの白色を呈す
る。したがって、この部分に存在する着色剤由来の色を
認識できる。なお、染料および顔料を配合せず、ゴム変
性熱可塑性樹脂中の単量体に由来する繰り返し単位が分
解、発泡しない場合は、レーザー光の照射部分が熱によ
り炭化して、黒色に発色する。
【0060】次に、上記成分を含有する本発明のレーザ
ーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、その成形品表面
をレーザー光で照射することで、照射部分を黒色または
白色もしくは有彩色に発色させることが可能である。こ
こで、レーザー光としては、He−Ne、Arレーザ
ー、COレーザー、エキシマレーザーなどの気体レー
ザー、YAGレーザーなどの固体レーザー、半導体レー
ザー、色素レーザーなどが挙げられ、なかでも、CO
レーザー、エキシマレーザー、YAGレーザーが好まし
い。YAGレーザー光の波長は、1054nmである。
【0061】本発明のレーザーマーキング用熱可塑性樹
脂組成物の成形表面をレーザー光で照射すると、レーザ
ー光照射部分は、通常、未照射部分よりやや盛り上が
る。この照射部分の好ましい盛り上がり高さは、1〜1
00μm程度であるが、10〜80μm程度が、レーザ
ーマーキング発色、照射(文字)部分の認識が鮮明で好
ましい。また、この文字高さを利用して、点字用の成形
品を作製することも可能である。
【0062】本発明のレーザーマーキング用熱可塑性樹
脂組成物は、既知の混練機、例えば、単軸または2軸の
ベントエクストルーダーなどの各種押出機、バンバリー
ミキサー、ニーダー、ロールなどで、好ましくは160
℃〜300℃の温度範囲で各成分を混練りすることによ
って得ることができる。混練りするに際しては、各成分
を一括混練りしてもよく、また任意の成分を混練りした
のち、残りの成分を添加し混練りする多段分割混練り法
を採用することもできる。好ましい混練り法は、押出機
で行う方法であり、押出機としては、二軸同方向回転押
出機が特に好ましい。なお、例えばゴム変性熱可塑性樹
脂としてグラフト重合体と非グラフト重合体とを併用す
る場合、あらかじめグラフト重合体と非グラフト重合体
をブレンドして調製したゴム変性樹脂にレーザー光吸収
剤、染料および/または顔料、その他の成分を溶融混練
りしてもよい。また、これらの成分を同時に溶融混練り
してもよく、さらにはこれらの成分を任意の割合で多段
階で溶融混練りしてもよい。このように、グラフト重合
体と非グラフト重合体とを併用する場合に限らず、各種
の成分の混合方法には各種のバリエーションがあり、適
切に選択して本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物
を調製することができる。
【0063】本発明の熱可塑性樹脂組成物及び本発明の
レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、所望によ
り下記の他の重合体とブレンドすることができる。例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリ
フッ化ビニリデン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられ
る。これらは一種又は二種以上で使用することができ
る。
【0064】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物及びレ
ーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物に対し、該組成
物の使用目的に応じて、ヒンダードフェノール系、リン
系および硫黄系などの酸化防止剤や、光安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、着色剤、難燃剤、増強剤、充填剤など通
常使用される添加剤を添加することが出来る。このよう
にして得られる本発明の熱可塑性樹脂組成物及びレーザ
ーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、真空
成形、シート成形、押出成形、異形成形、発泡成形、イ
ンジェクションプレス成形、プレス成形、ブロー成形な
どによって各種成形品に成形することができる。そし
て、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記特性を活かし
た種々の用途に広く利用することができ、例えば、車
両、家電、OA機器、建材など外装材として塗装などの
加工をせずそのまま使用することができる。一方、本発
明のレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、OA
製品、家電製品、車両用途などのボタン、ハウジング、
スイッチなどの成形品にすることができる。また、建築
材料として、敷居、窓枠、手すり材料などにも使用でき
る。これらの製品表面をレーザー光照射することで、明
確な黒色または白色もしくは有彩色を発色させることが
できる。また、レーザーマーキングで発色させた文字部
分は、印刷した文字部分よりも、耐候性が優れ、かつ耐
傷付性、耐摩耗性にも優れるので、印刷よりも遙かに実
用上好ましい。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるこ
とはない。なお、実施例中の「部」は特にことわらない
限り「重量部」を意味する。
【0066】熱可塑性樹脂組成物の各種物性の測定、評
価は以下の方法で行った。 (1)シャルピー衝撃強度:ISO179の方法に準拠 ノッチ付き、単位表示 kJ/m (2)耐候性評価 ASTM−D256に従い、カーボンアークを光源とす
るサンシャインウェザオメーター(スガ試験機株式会社
WEL−6XS−DC)に1000時間曝露後、シャル
ピー衝撃強度を測定し、保持率(%)を算出した。 (ウエザオメーター試験条件) ブラックパネル温度 63±3℃ 槽内温度 60±5%RH 降雨サイクル 2時間毎に18分 カーボン交換サイクル 60Hr
【0067】(3)耐傷付き性 熱可塑性樹脂を黒色配合して黒色としたサンプルを型締
圧力90トンの射出成形機で成型し、厚さ3.2mmの
成型品を得た。この成型品上にガーゼを4枚かさねた上
に荷重を300g架け、クロスカット試験機にて20往
復させ、外観を目視で観察した。評価は(優)◎→○→
△→×(劣)で表示した。
【0068】(4)レーザーマーキング性 板状の成形品表面を、カールバーゼル社製のレーザーマ
ーカー(スターマーク65W;YAGレーザー光)を用
いてレーザーマーキングした。照射することにより、発
色する部分の発色性、認識性、鮮明さを目視で判断し
た。 ◎;良好(鮮明でかつ認識性良好な文字発色を呈する場
合) △;やや劣る(鮮明度と認識性の何れかが劣る場合)
【0069】(5)グラフト率の測定 グラフト共重合体の一定量(x)をアセトン中に投入
し、振とう機で2時間振とうし、遊離の共重合体を溶解
させる。遠心分離器を用いて、この溶液を15000r
pmで30分間遠心分離し、不溶分を得る。次に真空乾
燥により、120℃で1時間乾燥し、乾燥した不溶分
(y)を得る。グラフト率を次式より算出した。 グラフト率(%)=〔(y−x×グラフト重合体中のゴ
ム分率)/(x×グラフト共重合体中のゴム分率)〕×
100
【0070】(A)成分:ゴム変性熱可塑性樹脂 (ASA樹脂の調製)スチレン(以下、Stと略記す
る。)73部及びアクリロニトリル(以下、ANと略記
する。)20部を混合して、単量体混合物(I)を調整
した。ガラス製反応器にアクリル系ゴム質重合体ラテッ
クス20部(固形分換算)と水110部を仕込み、撹拌
しつつ、窒素気流下に40℃まで昇温した。40℃に達
した時点で、20部の水に、ブドウ糖0.3部とピロリ
ン酸ナトリウム1.2部、硫酸第一鉄0.01部を溶解
した水溶液(以下、RED水溶液と略記する。)のう
ち、86%分、及び、30部の水にt−ブチルハイドロ
パーオキサイド(以下、BHPと略記する。)0.4
部、不均化ロジン酸カリウム2.4部を溶解した水溶液
(以下、CAT水溶液と略記する。)のうち、30%分
を反応器に仕込み、その直後に単量体混合物(I)およ
び残りのCAT水溶液を、それぞれ3時間および3時間
30分にわたっての連続添加を開始することで、重合を
開始した。重合開始から75℃まで昇温し、その後、7
5℃で保持した。重合を開始して180分後にRED水
溶液の残り14%分を反応器に仕込み、60分間、その
温度で保持した後に重合を終了した。この共重合ラテッ
クスを凝固、水洗、乾燥し、粉末状のASA樹脂を得
た。この重合転化率は97%、グラフト率は79%であ
った。
【0071】(AES樹脂の調製)リボン型攪拌機翼、
助剤連続添加装置、温度計などを装備した容積20リッ
トルのステンレス製オートクレーブに、エチレン・プロ
ピレン系ゴム質重合体(JSR社製商品名「EP8
4」)を20部、スチレン56部、アクリロニトリル2
4部、トルエン110部を仕込み、内温を75℃に昇温
して、オートクレーブ内容物を1時間攪拌して均一溶液
とした。その後、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート0.45部を添加し、内温を更に昇温し、1
00℃に達した後は、この温度を保持しながら、攪拌回
転数100rpmとして重合反応を行った。重合反応を
開始後4時間目から、内温を120℃に昇温し、この温
度を保持しながら更に2時間反応を行って終了した。得
られたAES樹脂のグラフト率は55%であった。内温
を100℃まで冷却した後、オクタデシル−3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プ
ロピオネート0.2部を添加した後、反応混合物をオー
トクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と
溶媒とを留去し、40mmφベント付き押出機でシリン
ダー温度を220℃、真空度を770mmHgに調節し
て揮発分を実質的に脱気させ、AES樹脂をペレット化
した。
【0072】(水素添加ゴム強化熱可塑性樹脂(MX樹
脂)の調製)リボン型攪拌翼を備えた内容積10リット
ルのステンレス製オートクレーブに、水添ブロック共重
合体(JSR社製、商品名「ダイナロン4600P」)
20部、メタクリル酸メチル60部、スチレン10部、
アクリロニトリル10部、トルエン120部を仕込み、
攪拌により溶解させ均一溶液を得た後、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート0.5部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.1部を添加し,攪拌を続けながら昇
温し、100℃に達した後は温度を一定に制御しなが
ら、攪拌回転数を200rpmにて重合反応を行った。
反応を6時間継続して終了した。得られたMX樹脂のグ
ラフト率は42%であった。100℃まで冷却後、2,
2−メチレンビス−4−メチル−6−ブチルフェノール
0.2部を添加した後、反応混合物をオートクレーブよ
り抜き出し、水蒸気蒸留により、未反応物と溶媒を留去
し、細かく粉砕した後、40mmφの真空ベント付き押
出機(220℃、700mmHg真空)にて、実質的に
揮発分を脱気させ、MX樹脂をペレット化した。
【0073】(ABS樹脂の調製)下記の(イ)成分5
0部と(ロ)成分50部を混合し、ABS樹脂を得た。 (イ)成分 ポリブタジエンラテックス(平均粒径:300nm、ゲ
ル含率:85重量%)40部、スチレン45部、アクリ
ロニトリル15部を用いて乳化重合した後、硫酸マグネ
シウムを用いて凝固させ、洗浄、乾燥してゴム強化樹脂
を得た。このゴム強化樹脂のグラフト率は60重量%で
あり、溶媒としてメチルエチルケトンを使用し30℃で
測定したアセトン可溶分の極限粘度は0.45dl/g
であった。 (ロ)成分 結合アクリロニトリル含有量が26重量%、メチルエチ
ルケトン溶媒で測定した極限粘度が0.6dl/gのA
S樹脂
【0074】(B)成分:インターカーレートした層状
粘土鉱物 インターカーレートした層状粘土鉱物として、コープケ
ミカル(株)製の親油性スメクタイト(商品名ルーセン
タイトSTN)の粉末を用いた。
【0075】実施例1〜5および比較例1〜4 表1に示す(A)成分と(B)成分とを用い下記の方法
で混合した。(A)成分をベント付き2軸押出機に投入
し、(B)成分を2軸押出機の途中から添加し、脱揮し
ながら溶融混練した後押し出し成形してペレットを得
た。さらにこのペレットを十分乾燥して射出成形により
各種測定用試験片に成形して評価した。結果を表1に示
した。
【0076】
【表1】
【0077】表1の結果から、(B)成分を添加するこ
とにより、ゴム変性熱可塑性樹脂の耐候性および耐傷付
き性を改善でき、また、その耐衝撃性を実質的に損なう
こともないことがわかる。
【0078】実施例6、7および比較例5、6 表2に示す(A)成分と(B)成分を実施例1で示す方
法で溶融混練し、レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組
成物を得た。この組成物について、各試験のテストピー
スを成形し、評価を行った。尚、耐傷付き性評価方法で
は、黒色配合して黒色としたサンプルを型締圧力90ト
ンの射出成形機で成形となっているが、ここでは上記の
レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物を型締圧90
トンの射出成形機で耐傷付性のテストピースに成形し
た。評価結果は、表2に示す。
【表2】
【0079】実施例6、7は、比較例5、6に比べ、耐
候性、耐傷付性、レーザーマーキング性ともに優れてい
る。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、有機化合物をインター
カレートした層状粘土鉱物をゴム変性熱可塑性樹脂に配
合したため、塗装など表面処理をしないことを前提とし
た耐候性樹脂に求められる、耐衝撃性、成形外観、耐傷
付き性、耐候性、成形加工性などの諸物性をバランス良
く充足する。本発明のレーザーマーキング用熱可塑性樹
脂組成物から成形した成形品は、耐傷付き性、レーザー
マーキング性に優れることから、レーザーマーキングで
発色させたマーキング部分、例えば文字部分は、印刷に
よる文字部分よりも耐候性に優れ、かつ耐摩耗性にも優
れるので、消えにくく印刷よりも遙かに実用上優れてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住本 典史 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2C362 CB67 4F073 AA07 AA13 AA15 AA32 BA06 BA07 BA13 BA15 BA24 BA26 BA29 BA34 BA44 BA52 BB01 BB03 BB08 CA46 4J002 BN021 BN061 BN071 BN121 BN141 BN171 BN211 DA078 DA088 DA118 DE098 DE218 DH048 DJ006 DJ008 DK008 EC037 EF057 EG018 EJ017 EN027 EN037 EP017 FD098 FD207 FD208

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム変性熱可塑性樹脂100重量部に対
    して、有機化合物をインターカレートした層状粘土鉱物
    0.1〜50重量部を含有することを特徴とする熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂からなるこ
    とを特徴とするレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成
    物。
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