JP2003282983A - ポリウレタンエラストマー圧電素子及び感圧センサー並びに接触センサー - Google Patents

ポリウレタンエラストマー圧電素子及び感圧センサー並びに接触センサー

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタンエラストマーによる圧電素子、
および該圧電素子を有している感圧センサー及び接触セ
ンサーを提供する。 【解決手段】 ポリウレタンエラストマー圧電素子は、
フラレノールが導入されたポリウレタンエラストマーを
具備することを特徴とする。フラレノールが導入された
ポリウレタンエラストマーが、フィルム状の形態であっ
てもよい。感圧センサーや接触センサーは、圧電素子と
して、前記ポリウレタンエラストマー圧電素子が用いら
れていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラレノール導入
ポリウレタンエラストマーの圧電効果を利用したポリウ
レタンエラストマー圧電素子、および感圧センサー並び
に接触センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電歪効果によるポリウレタンエラ
ストマー・アクチュエータは、溶媒中における駆動方法
ではなく、電界印加による大気中駆動を最大の特徴とし
ており、また、セラミックや高分子系材料を用いたアク
チュエータの駆動電圧が数10kV程度の高圧を必要と
するのに対して、ポリウレタンエラストマー・アクチュ
エータは数kVと比較的低電圧で大きい屈曲変位を有し
ていることも特徴としている。
【0003】しかし、実用化の観点から見た場合、ポリ
ウレタンエラストマー・アクチュエータは、高分子ゲル
アクチュエータや導電性高分子を用いたメカノケミカル
素子のように、1kV以下の低電圧で駆動させることが
必要となる。
【0004】しかしながら、このようなポリウレタンエ
ラストマーのアクチュエータ機構は、電圧印加に基づく
電歪効果により生じており、これまでに、電歪効果と表
裏一体をなす圧電効果は、ポリウレタンエラストマーに
おいて発現しているものはなかった。そのため、ポリウ
レタンエラストマーによる圧電素子は開発されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ポリウレタンエラストマーにより構成された圧電素
子を提供することにある。本発明の他の目的は、ポリウ
レタンエラストマーにより構成された圧電素子を有して
いる感圧センサー及び接触センサーを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、電場配向により変形
し得るポリウレタンエラストマーに、フラレノールが硬
化剤として用いられて導入されているポリウレタンエラ
ストマーからなるフィルムは、圧電効果を発揮すること
ができ、且つポリウレタンエラストマーにより構成され
た圧電素子は、圧電素子として有効に利用することがで
きることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、フラレノールが導入
されたポリウレタンエラストマーにより構成されている
ことを特徴とするポリウレタンエラストマー圧電素子で
ある。ポリウレタンエラストマー圧電素子は、フラレノ
ールが導入されたポリウレタンエラストマーにより構成
されたフィルム又はシートであってもよい。
【0008】また、本発明は、圧電素子として、前記ポ
リウレタンエラストマー圧電素子が用いられていること
を特徴とする感圧センサーおよび接触センサーである。
【0009】
【発明の実施の形態】[ポリウレタンエラストマー圧電
素子]本発明のポリウレタンエラストマー圧電素子は、
電場配向により変形し得るポリウレタンエラストマーに
フラレノールが導入されたフラレノール導入ポリウレタ
ンエラストマーにより形成されている。そのため、ポリ
ウレタンエラストマー圧電素子は、加圧や延伸などの圧
力の作用により、表面に電位が発現し、圧電効果を発揮
することができる。これは、前記フラレノールはスター
状に形成されているヒドロキシル基を有しているので、
ポリウレタンエラストマーを構成しているポリマー鎖
が、前記スター状のヒドロキシル基によって立体的に
(3次元的に)架橋され、引張強度が増大しているため
と思われる。具体的には、ポリウレタンエラストマーに
フラレノールが導入されることにより、ポリウレタンエ
ラストマーの架橋が促進されて3次元網目構造の密度が
増大して、ポリウレタンエラストマーの分子鎖間の相互
作用が強固となるため、圧力に対する分子鎖のコンホメ
ーション変化により、秩序が伴った配向が生じて、その
結果として圧電効果が発現されるものと考えられる。
【0010】フラレノールが導入されているポリウレタ
ンエラストマーとしては、例えば、特許3026066
号公報、特開平7−240544号公報、特開平8−3
35726号公報、特開2000−101159号公
報、特開2000−101160号公報、特開2000
−49397号公報などに記載のポリウレタンエラスト
マーの原料としてのポリイソシアネート(特に有機ポリ
イソシアネート)、ポリオール(特に高分子ポリオー
ル)、及び必要に応じて鎖伸長剤などを用いるととも
に、硬化剤としてフラレノールを用いて調製することが
できる。具体的には、ポリウレタンエラストマーは、例
えば、従来公知の方法により、ポリイソシアネートとポ
リオールとを反応させ、次いでこれに鎖伸長剤などを反
応させる方法、或いは、前記成分(ポリイソシアネー
ト、ポリオール、鎖伸長剤など)を所定の割合で同時に
反応させる所謂ワンショット法などにより、ウレタンプ
レポリマーを調製した後、フラレノールを加えて、反応
(特に、硬化反応)を行うことにより、調製することが
できる。
【0011】ウレタンプレポリマーにおいて、ポリイソ
シアネートとポリオールとの割合(NCO/OH)は、
1.5〜9(モル比)の範囲であることが好ましい。
【0012】(ポリイソシアネート)ポリイソシアネー
トとしては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有
するものであればよく、例えば、トリメチレンジイソシ
アネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,
3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロ
ヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジ
イソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)、1−メチル−2,4−シクロヘ
キサンジイソシアネート、1−メチル−2,6−シクロ
ヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネ
ートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシア
ネートメチル)シクロヘキサン、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニメ
タンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−
トルイジンジイソシアネート、ジアニジンジイソシアネ
ート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、1,3−キシリレンジイソシアネート、ω,ω´−
ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、ポリメ
チレンポリフェルニルポリイソシアネート、及びこれら
のポリイソシアネート類のイソシアヌレート化変性品、
カルボジイミド化変性品、ビュレット化変性品等が挙げ
られる。ポリイソシアネートは1種のみを用いてもよく
或いは2種以上を併用してもよい。
【0013】(ポリオール)ポリオールとしてはポリエ
ステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリ
カーボネート系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオー
ルなどの高分子ポリオールを好適に用いることができ
る。ポリオールは単独で又は2種以上組み合わせて使用
することができる。なお、高分子ポリオールとしては、
これら例示の高分子ポリオールに、ポリオレフィン系ポ
リオールを適宜ブレンドしたもの等を使用してもよい。
ポリオールは1種のみを用いてもよく或いは2種以上を
併用してもよい。
【0014】ポリエステル系ポリオールとしては、例え
ば、ポリカルボン酸と低分子ポリオールとの縮合物で、
重量平均分子量500〜10000のものがある。具体
的には、ポリ(エチレンアジペート)(「PEA」)、
ポリ(ジエチレンアジペート)(「PDA」)、ポリ
(プロピレンアジペート)(「PPA」)、ポリ(テト
ラメチレンアジペート)(「PBA」)、ポリ(ヘキサ
メチレンアジペート)(「PHA」)、ポリ(ネオペン
チレンアジペート)(「PNA」)、3−メチル−1,
5−ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリオー
ル、PEAとPDAのランダム共重合体、PEAとPP
Aのランダム共重合体、PEAとPBAのランダム共重
合体、PHAとPNAのランダム共重合体、又はε−カ
プロラクトンを開環重合して得たカプロラクトンポリオ
ール、β−メチル−δ−バレロラクトンをエチレングリ
コールで開環することにより得られたポリオールなど
(これらはいずれも、重量平均分子量が500〜100
00であることが好ましい)が挙げられる。ポリエステ
ル系ポリオールを調製するための各成分(ポリカルボン
酸、低分子ポリオールなど)は、それぞれ単独で使用し
たり又は複数併用したりすることができる。更に、ポリ
エステル系ポリオールとしては、例えば、下記に例示の
酸成分のうち少なくとも1種の酸成分とグリコール成分
のうち少なくとも1種のグリコール成分とによる共重合
体が挙げられる。
【0015】酸成分:テレフタル酸、イソフタル酸、無
水フタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸(混合物)、パラ
オキシ安息香酸、無水トリメリット酸、ε−カプロラク
トン、β−メチル−δバレロラクトン。
【0016】グリコール成分:エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、メチルオクタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ペンタエリスリトール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール。
【0017】ポリエーテル系ポリオールとしては、例え
ば、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドなど)を、活性水素化合物で
ある多価アルコール(例えばジエチレングリコール)を
開始剤として開環付加重合により得ることができる。具
体的には、ポリエーテル系ポリオールには、例えば、ポ
リテトラメチレングリコール(「PTMG」)、ポリプ
ロピレングリコール(「PPG」)、ポリエチレングリ
コール(「PEG」)、ポリオキシメチレン、プロピレ
ンオキサイドとエチレンオキサイドとの共重合体等が含
まれる。また、ポリエーテル系ポリオールとしては、テ
トラヒドロフランのカチオン重合により調製され、重量
平均分子量が500〜5000のものであってもよい。
具体的には、テトラヒドロフランの単独重合体であるポ
リテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMG」)
や、テトラヒドロフランはアルキレンオキシドとの共重
合体(例えば、テトラヒドロフランとプロピレンオキサ
イドとの共重合体、テトラヒドロフランとエチレンオキ
サイドとの共重合体など)が挙げられる。これらのポリ
エーテル系ポリオールは、いずれも、重量平均分子量が
500〜10000であることが好ましい。ポリエーテ
ル系ポリオールを調製するための各成分(アルキレンオ
キシドなど)は、それぞれ単独で使用したり又は複数併
用したりすることができる。
【0018】ポリカーボネート系ポリオールとしては、
従来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、
クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネート又はジア
リルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分子
量のものが知られている。このようなポリカーボネート
系ポリオールとして特に好ましいものはポリオールとし
て、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、又は1,5−ペンタンジオールを使用したものであ
り、その重量平均分子量が約500〜10000の範囲
のものである。ポリカーボネート系ポリオールとして
は、例えば、ポリ(ヘキサンジオールカーボネート)、
ポリ(ノナンジオールカーボネート)などが挙げられ
る。ポリカーボネート系ポリオールを調製するための各
成分は、それぞれ単独で使用したり又は複数併用したり
することができる。
【0019】ポリブタジエン系ポリオールとしては、水
酸基含有液状ジエン系重合体を用いることができる。前
記水酸基含有液状ジエン系重合体としては、重量平均分
子量:600〜3000、平均水酸基数(官能基数):
1.7〜3.0のものが好ましく、例えば、炭素数4〜
12のジエン成分による重合体又は共重合体、更にはこ
れらジエン成分(モノマー)と共重合性モノマー(例え
ば、炭素数2〜22のα−オレフィン性付加重合性モノ
マーなど)との共重合体などのブタジエン系ポリマーの
末端を、ヒドロキシル基に変性したものが挙げられる。
具体的には、ポリブタジエン系ポリオールとしては、ブ
タジエンホモポリマー、イソプレンホモポリマー、ブタ
ジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−イソプレン
コポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマ
ー、ブタジエン−2−エチルヘキシルアクリレートコポ
リマー、ブタジエン−n−オクタデシルアクリレートコ
ポリマーなどのブタジエン系ポリマーの末端を、ヒドロ
キシル基に変性したものを例示することが出来る。これ
らの水酸基含有液状ジエン系重合体において、液状ジエ
ン系重合体は、例えば、液状反応媒体中で共役ジエンモ
ノマーを過酸化水素の存在下で加熱反応させることによ
り製造することが出来る。
【0020】なお、ポリウレタンエラストマーの原料と
してのポリオールとしては、前記の水酸基含有液状ジエ
ン系重合体が水添された(二重結合が飽和された)ポリ
オレフィン系ポリオールを用いることもできる。
【0021】(鎖伸長剤)鎖伸長剤としては、必要に応
じて用いられており、ウレタンプレポリマーを鎖延長さ
せる際に一般的に用いられているものであればいずれで
あってもよい。鎖伸長剤としては、例えば、低分子量の
ポリオール化合物、ポリアミン化合物等などが挙げられ
る。鎖伸長剤は1種のみを用いてもよく又は複数種を併
用してもよい。鎖伸長剤としての低分子量のポリオール
化合物としては、1級ポリオール、2級ポリオール、3
級ポリオールのいずれを用いてもよいが、ジオールが好
ましい。具体的には、低分子量のポリオール化合物とし
ては、トリメチロールプロパン(「TMP」)、エチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタン
ジオール、2,3−ペンタンジオール、2,5−ヘキサ
ンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、
2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロ
パンジオール等が挙げられる。また、ポリアミン化合物
としては、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等、1
級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであっても
用いることができる。具体的には、ポリアミン化合物と
しては、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン、
3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジシクロヘキ
シルメタン等の脂環族アミン、4,4´−メチレンビス
−2−クロロアニリン、2,2´,3,3´−テトラク
ロロ−4,4´−ジアミノフェニルメタン、4,4´−
ジアミノジフェニル等の芳香族アミン、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が挙げられ
る。鎖伸長剤としては、低分子量のポリオール化合物
(特に、ジオール)が好適である。
【0022】なお、本発明では、ウレタンプレポリマー
と、鎖伸長剤とを混合し、前記ウレタンプレポリマーを
鎖延長させるための方法としては、ウレタンプレポリマ
ーに対する鎖伸長剤の混合割合、反応温度、反応時間等
を含めて公知の方法で行うことができる。
【0023】(フラレノール)フラレノール(fulleren
ol)は、フラーレン(C60)にヒドロキシル基が導入さ
れたものであり、前記ヒドロキシル基は、通常、フラー
レンにスター状の形態で導入されている。フラレノール
中のヒドロキシル基の数としては、特に制限されない
が、1分子あたり2以上(例えば、2〜20)であるこ
とが望ましい。本発明では、フラレノールとしては、1
分子あたり5〜18個のヒドロキシル基を有しているこ
とが好ましく、さらには、8〜15(特に、10〜1
2)のヒドロキシル基を有していることが好適である。
なお、フラーレン中のヒドロキシル基が導入されている
部位は、特に制限されない。
【0024】フラレノールは、単独で又は2種以上組み
合わせて使用することができる。
【0025】このようなフラレノールは、例えば、フラ
ーレンに硫酸(特に発煙硫酸)を加えてスルホン化反応
を行うことにより、スルホン化フラーレンを得て、さら
に、該スルホン化フラーレンを加水分解することによ
り、調製することができる。具体的には、スルホン化反
応において、フラーレンと発煙硫酸との割合は、フラー
レン1gに対して、発煙硫酸15ml程度の範囲から選
択することができる。また、スルホン化反応時間は、1
〜4週間の範囲から選択することができる。一方、加水
分解反応時間は、1〜3日の範囲から選択することがで
きる。
【0026】(添加剤)ポリウレタンエラストマーは、
各種添加剤等を含有していてもよい。このような添加剤
としては、例えば、可塑剤、難燃剤、充填剤、安定剤、
着色剤等が挙げられる。可塑剤としては、非イオン性の
可塑剤が好ましい。具体的には、可塑剤としては、例え
ば、フタル酸ジオクチル(「DOP」)、フタル酸ジブ
チル(「DBP」)、アジピン酸ジオクチル(「DO
A」)、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリ
クレジルホスフェート、フタル酸ジオクチル、ペンタエ
リストールの脂肪酸エステル、セバシン酸ジオクチル、
アゼライン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジブトキシエ
トキシエチルなどを用いることができる。
【0027】[フラレノール導入ポリウレタンエラスト
マー]本発明では、ポリウレタンエラストマーにフラレ
ノールが導入されていればよく、例えば、フラレノール
は硬化剤として用いて、ポリウレタンエラストマーに導
入することができる。すなわち、前述のように、ウレタ
ンプレポリマーを、フラレノールと反応させて、フラレ
ノール導入ポリウレタンエラストマーを調製することが
できる。フラレノールの割合としては、ウレタンプレポ
リマー全量(固形分)に対して0.05〜2重量%(好
ましくは0.08〜1重量%、さらに好ましくは0.1
〜0.5重量%)程度の範囲から選択することができ
る。フラレノールの割合が、ウレタンプレポリマー全量
(固形分)に対して0.05重量%より少なくても、2
重量%を超えても、圧電性が低下する。
【0028】フラレノール導入ポリウレタンエラストマ
ーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することが
できる。
【0029】ウレタンプレポリマーとフラレノールとを
反応させることにより、フラレノール導入ポリウレタン
エラストマーを作製する方法としては、特に制限され
ず、例えば、ウレタンプレポリマーと、フラレノールと
の混合物を加熱して、ウレタンプレポリマーとフラレノ
ールとを反応させることにより調製する方法などが挙げ
られる。この反応温度としては、例えば、80〜150
℃(好ましくは85〜100℃)程度の範囲から選択す
ることができる。また、反応時間としては、例えば、3
0分〜2時間(好ましくは1時間30分〜2時間)程度
の範囲から選択することができる。
【0030】なお、本発明では、硬化剤としては、前記
フラレノールとともに、ポリウレタンやポリウレタンエ
ラストマーの硬化剤として公知乃至慣用の硬化剤を用い
ることができる。このような公知乃至慣用の硬化剤とし
ては、前記鎖伸長剤の項で例示の低分子量のポリオール
化合物やポリアミン化合物等などを用いることができ
る。
【0031】[圧電素子の作製方法]本発明のポリウレ
タンエラストマー圧電素子(すなわち、フラレノール導
入ポリウレタンエラストマーを具備するポリウレタンエ
ラストマー圧電素子)の作製方法としては、特に制限さ
れず、例えば、ポリウレタンエラストマー圧電素子がフ
ィルム状或いはシート状又は薄膜状の形態を有している
場合は、フラレノール導入ポリウレタンエラストマーを
フィルム状或いはシート状又は薄膜状に成形することに
より作製することができる。すなわち、本発明のフラレ
ノール導入ポリウレタンエラストマーにより構成される
ポリウレタンエラストマー圧電素子(「フラレノール導
入ポリウレタンエラストマー圧電素子」と称する場合が
ある)は、フィルム状又はシート状(特にフィルム状)
の他、薄膜状の形態であってもよい。
【0032】なお、具体的には、前記フラレノール導入
ポリウレタンエラストマーをフィルム状或いはシート状
又は薄膜状(例えば、厚み0.01〜1mm程度)に成
形する場合、この成形方法において、離型剤が用いられ
ている場合は、成形後、離型剤を除去することができ
る。成形したポリウレタンエラストマーの離型剤の除去
は、通常の湿式洗浄による除去で十分であるが、例え
ば、電極付与のための表面改質として、グロー放電によ
るプラズマ処理やコロナ放電処理などのイオン・オゾン
・電子・紫外線を利用して、離型剤などの不純物を除去
することが好ましい。
【0033】前記フラレノール導入ポリウレタンエラス
トマーによる圧電素子の片面又は両面には、電極(厚み
0.05〜10μm程度)が形成されていてもよい。電
極の材質としては、例えば、金、白金、アルミニウム、
金属インジウム、酸化インジウム、酸化第二錫、IT
O、銀などの金属及び合金などの金属化合物の他、ポリ
アニリンやエラストマーゴム等の導電性樹脂、カーボン
などを用いることができる。また、金や白金などの金属
化合物を樹脂に分散した導電性樹脂や導電性エラストマ
ーも用いることができる。電極を形成する方法として
は、例えば、イオンプレーティング法、プラズマCVD
法、イオンスパッタ被覆法、真空蒸着法、スクリーン印
刷、イオンビームアシスト法、イオン化蒸着法などを採
用することができる。
【0034】[感圧センサーや接触センサー等]本発明
のフラレノール導入ポリウレタンエラストマー圧電素子
では、加圧や延伸により、圧電性が発現し、圧電効果が
有効に発揮される。そのため、本発明のフラレノール導
入ポリウレタンエラストマー圧電素子は、感圧センサー
や接触センサー等の各種センサーにおける圧電素子とし
て好適に用いることができる。
【0035】感圧センサーや接触センサーとしては、例
えば、図4で示されるように、行電極21および行電極
用感圧導電性層22を有する行電極側シート状基材2
と、列電極31および列電極用感圧導電性層32を有す
る列電極側シート状基材3とを、各シート状基材(2,
3)に形成されている感圧導電性層(22,32)の表
面が相互に対向するように積層された形態であってもよ
い。具体的には、行電極21および行電極用感圧導電性
層22を有する行電極側シート状基材2は、行電極側シ
ート状基材2に、一定のピッチ間隔で行電極21を印刷
や蒸着等により形成し、さらに該行電極21を包囲する
ように、フラレノール導入ポリウレタンエラストマーを
印刷等により塗布して行電極用感圧導電性層22を形成
することにより作製することができる。また、列電極3
1および列電極用感圧導電性層32を有する列電極側シ
ート状基材3は、列電極側シート状基材3に、一定のピ
ッチ間隔で列電極31を印刷や蒸着等により形成し、さ
らに該列電極31を包囲するように、フラレノール導入
ポリウレタンエラストマーを印刷等により塗布して列電
極用感圧導電性層32を形成することにより作製するこ
とができる。
【0036】フラレノール導入ポリウレタンエラストマ
ーにより行電極用感圧導電性層22や列電極用感圧導電
性層32を印刷により形成する際には、各種印刷方法
(例えば、スクリーン印刷方法など)を採用することが
できる。もちろん、フラレノール導入ポリウレタンエラ
ストマーにより行電極用感圧導電性層22や列電極用感
圧導電性層32を形成する際には、種々のパターンを形
成することができる方法であれば、印刷以外のいずれの
方法(例えば、蒸着方法など)でも採用することができ
る。
【0037】なお、このように行電極用感圧導電性層2
2や列電極用感圧導電性層32は、フラレノール導入ポ
リウレタンエラストマーを印刷することにより形成する
ことができるので、平面のみならず、3次元的に屈曲し
た曲面にも形成することができる。そのため、本発明の
感圧センサーや接触センサーのセンサーは、線状や平面
状の形態のみならず、3次元的に屈曲した曲面形状を有
する形態として形成することも可能である。従って、本
発明の感圧センサーや接触センサーのセンサーは、例え
ば、ロボットのアーム(腕)における3次元的に屈曲し
た曲面形状を有する部位に貼着して利用することができ
る。
【0038】なお、本発明の感圧センサーや接触センサ
ーとしては、圧力分布を感知する圧力分布センサーとし
ても利用することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリウレタンエラストマー圧電
素子によれば、ポリウレタンエラストマーが用いられて
いても、効果的に圧電効果を発揮することができる。そ
のため、ポリウレタンエラストマー圧電素子は、感圧セ
ンサー及び接触センサーにおける圧電素子として極めて
有用である。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0041】(フラレノールの調製例1)フラーレン3
gと、発煙硫酸45mlとを混合して67℃で1〜4週
間攪拌して、スルホン化反応を行い、さらに、蒸留水を
加え、85℃で3日間攪拌して、加水分解反応を行うこ
とにより、フラレノールを調製した。
【0042】(実施例1)平均分子量が2,945のポ
リ−3メチル−1,5−ペンタンアジペートポリオール
(PMPA、クラレ株式会社製、商品名「クラポールP
3010」)100重量部に、パラフェニレンジイソシ
アネート(PPDI、デュポン社製、商品名「ハイレ
ン」)10.8重量部を加え、窒素気流下において、8
5℃で2時間反応させて末端イソシアネート基を有する
ウレタンプレポリマーを得た。
【0043】前記ウレタンプレポリマーに、前記フラレ
ノールの調製例1により得られたフラレノールを、ウレ
タンプレポリマー(固形分)全量に対して0.25重量
%の割合で加えて混合し、予め110℃に保温しておい
た厚み0.2mmの金型に注ぎ込んで、110℃で24
時間オーブン中に放置して、硬化反応を行うことによ
り、フラレノールが導入されているフラレノール導入ポ
リウレタンエラストマーを調製した。
【0044】前記フラレノール導入ポリウレタンエラス
トマーをキャスティング方により、厚み200μmのフ
ィルムに成形して、フィルム状のフラレノール導入ポリ
ウレタンエラストマーを作製して、フラレノール導入ポ
リウレタンエラストマー圧電素子を作製した。
【0045】(圧電特性の評価)実施例1により作製さ
れたフラレノール導入ポリウレタンエラストマー圧電素
子を加圧し、この加圧した際に生じる誘起電圧を測定し
て、加圧時の圧電性を評価し、その測定結果を図1に示
した。
【0046】具体的には、フラレノール導入ポリウレタ
ンエラストマー圧電素子(フィルム)に、分銅(重さ0
〜3kg)をのせて加圧し、加圧時の荷重(g)に対す
る圧電素子の両表面に生じる電圧(mV)を測定すると
ともに、前記加圧を外した(解除した)際に、圧電素子
の両表面に生じる電圧(mV)を測定して、加圧時の荷
重(g)又は加圧解除時に加圧していた荷重(g)と圧
電素子の両表面に生じる電圧(mV)との関係のグラフ
を図1に示した。
【0047】図1に示されるように、実施例1に係るフ
ィルム状のフラレノール導入ポリウレタンエラストマー
を加圧すると、フィルムの表面に誘起電圧が発生するこ
とが確認された。また、加圧を解除した際にも、フィル
ムの表面に誘起電圧が発生することが確認された。
【0048】また、実施例1により作製されたフラレノ
ール導入ポリウレタンエラストマー圧電素子を延伸し、
この延伸した際に生じる誘起電圧を測定して、延伸時の
圧電性を評価し、その測定結果を図2に示した。
【0049】具体的には、フラレノール導入ポリウレタ
ンエラストマー圧電素子(フィルム)を、1.5倍に延
伸して、延伸時に圧電素子の両表面に生じる電圧(m
V)の時間(秒)変化を測定し、その結果を図2に示し
た。
【0050】図2より、延伸することによっても、応答
の速い電位が図2に示されるように規則正しくフィルム
表面に誘起され、典型的な圧電効果を示すことが確認さ
れた。
【0051】従って、加圧や延伸に伴って発生する電圧
を増幅し、適宜な信号処理を施すことにより、実施例の
フラレノール導入ポリウレタンエラストマー圧電素子
を、ポリウレタンエラストマー特有の柔軟でフレキシビ
リティを有する各種の感圧センサーや接触センサーとし
て、応用することができる。
【0052】(実施例2)フラーレン3gと、発煙硫酸
45mlとを混合して67℃で1〜4週間攪拌して、ス
ルホン化反応を行い、さらに、蒸留水を加え、85℃で
3日間攪拌して、加水分解反応を行うことにより、分子
内に導入されている水酸基数が異なる3種のフラレノー
ルを調製した。
【0053】この水酸基数が異なる3種のフラレノール
を用いて、実施例1と同様にして、それぞれ、フラレノ
ールが導入されているフラレノール導入ポリウレタンエ
ラストマーを調製し、さらに、該フラレノール導入ポリ
ウレタンエラストマーを用いて、実施例1と同様にし
て、フィルム状のフラレノール導入ポリウレタンエラス
トマー圧電素子を作製した。
【0054】このフラレノール導入ポリウレタンエラス
トマー圧電素子(フィルム状)に、一定(200g)の
加圧をかけた際に生じる誘起電圧を測定して、フラレノ
ールが含有している水酸基数の相違による圧電性を評価
し、その測定結果を図3に示した。具体的には、フラレ
ノール導入ポリウレタンエラストマー圧電素子(フィル
ム)に、分銅(重さ200g)をのせて加圧し、該加圧
時(荷重200g)に対する圧電素子の両表面に生じる
電圧(mV)を測定し、フラレノールが含有している水
酸基数と、加圧(200g)により圧電素子の両表面に
生じる電圧(mV)との関係のグラフを図3に示した。
なお、図3で示されるグラフでは、横軸は透過率(%
T)として示しているが、透過率が低い方がフラレノー
ルの水酸基数が多いものによるフラレノール導入ポリウ
レタンエラストマー圧電素子に相当し、一方、逆に透過
率が高い方がフラレノールの水酸基数が少ないものによ
るフラレノール導入ポリウレタンエラストマー圧電素子
に相当している。
【0055】図3より、フラレノールが含有している水
酸基数が多い方が、誘起電圧が大きくなっていることが
確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る圧電素子を加圧した際の、加圧時
の荷重(g)又は加圧解除時に加圧していた荷重(g)
と圧電素子の両表面に生じる電圧(mV)との関係のグ
ラフを示す図である。
【図2】実施例に係る圧電素子を延伸した際に、圧電素
子の両表面に生じる電圧(mV)の時間(秒)変化のグ
ラフを示す図である。
【図3】実施例に係る圧電素子を加圧した際の、フラレ
ノールが含有している水酸基数と、加圧(200g)に
より圧電素子の両表面に生じる電圧(mV)との関係の
グラフを示す図である。
【図4】本発明の感圧センサーの一例を部分的に示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1 感圧センサー 2 行電極側シート状基材 21 行電極 22 行電極用感圧導電性層 3 列電極側シート状基材 31 列電極 32 列電極用感圧導電性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 AA01 AA06 BA02 BA08 CA01 CC02 DC50 DF01 DF02 DF14 DG01 DG02 DP19 HA01 HA06 HA07 HC03 HC11 HC12 HC17 HC35 HC45 HC46 HC52 HC54 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 JA41 QB15 QC04 RA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラレノールが導入されたポリウレタン
    エラストマーにより構成されていることを特徴とするポ
    リウレタンエラストマー圧電素子。
  2. 【請求項2】 フラレノールが導入されたポリウレタン
    エラストマーにより構成されたフィルム又はシートであ
    る請求項1記載のポリウレタンエラストマー圧電素子。
  3. 【請求項3】 圧電素子として、請求項1又は2記載の
    ポリウレタンエラストマー圧電素子が用いられているこ
    とを特徴とする感圧センサー。
  4. 【請求項4】 圧電素子として、請求項1又は2記載の
    ポリウレタンエラストマー圧電素子が用いられているこ
    とを特徴とする接触センサー。
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