JP2003282993A - 積層圧電体の分極方法およびこの分極方法を用いて分極した積層圧電体 - Google Patents

積層圧電体の分極方法およびこの分極方法を用いて分極した積層圧電体

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JP2003282993A JP2002082213A JP2002082213A JP2003282993A JP 2003282993 A JP2003282993 A JP 2003282993A JP 2002082213 A JP2002082213 A JP 2002082213A JP 2002082213 A JP2002082213 A JP 2002082213A JP 2003282993 A JP2003282993 A JP 2003282993A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分極後に残留する積層圧電体の変形を少なくす
るとともに、割れや欠けの発生を少なくできる積層圧電
体の分極方法を提供する。 【解決手段】2層以上の圧電セラミックス層2,3を内
部電極6を間にして積層するとともに、その表裏主面に
外部電極4,5を設けた積層圧電体1Aであって、外側
の2層の圧電セラミックス層2,3を厚み方向にかつ同
一方向に分極する分極方法において、内部電極6がグラ
ンド電位、一方の外部電極4がプラス電位、他方の外部
電極5がマイナス電位となるように、一方の外部電極4
と内部電極6との間に第1の直流電界E1を印加すると
同時に、内部電極6と他方の外部電極5との間に第2の
直流電界E2を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電受話器,圧電サ
ウンダ,圧電スピーカ,圧電ブザーなどの圧電型電気音
響変換器に用いられる積層圧電体の分極方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電受話器や圧電ブザーなどの圧
電型電気音響変換器は、円形の圧電セラミック板の片面
に円形の金属板を貼り付けたユニモルフ型振動板を用
い、この振動板の周縁部を円形のケースの中に支持し、
ケースの開口部をカバーで閉鎖した構造のものが一般的
である。しかしながら、ユニモルフ型振動板の場合、電
圧印加によって外径が伸縮するセラミック板を、寸法変
化しない金属板に接着して屈曲振動を得るものであるか
ら、その変位量つまり音圧が小さいという欠点がある。
【0003】これに対し、複数の圧電セラミックス層か
らなる積層構造のバイモルフ型振動板が提案されている
(特開2001−95094号公報,特開2002−1
0393号公報)。この振動板は、2層以上の圧電セラ
ミックス層を内部電極を間にして積層するとともに、そ
の表裏主面に外部電極を設けた積層圧電体であって、少
なくとも外側の2層の圧電セラミックス層を厚み方向に
かつ同一方向に分極したものである。上記外部電極と内
部電極との間に交番信号を印加することで、積層圧電体
を全体として屈曲振動させることができる。この場合に
は、厚み方向に順に配置された第1および第2の振動領
域を相互に逆方向に振動させることで、ユニモルフ型に
比べて大きな変位量つまり大きな音圧を得ることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図8に一般的な積層圧
電体20の分極方法を示す。積層圧電体20の表裏の外
部電極21,22間に直流電圧Eを印加することによ
り、積層圧電体20の厚み方向において同一方向に分極
している。分極時に発生する積層圧電体20の変形(反
り)は、積層圧電体20を導電体よりなる加圧治具3
0,31の間で加圧することにより抑制している。
【0005】しかし、上記のような分極方法では、音圧
向上のために圧電体20を薄板化した場合に、圧電体2
0の変形が厚みの減少に反比例して助長され、20mm
×30mm×0.04mmの大きさの圧電体1の場合、
図9のように反りは数mmにも達する。また、加圧治具
30,31によって加圧分極を行った場合でも、分極後
の圧電体20に大きな変形が残留している。さらに、分
極中に異常に大きな変形が生じるにも拘わらず、加圧治
具30,31により強制的に変形を押さえ込んでいるた
め、圧電体20に非常に大きな負荷がかかり、割れや欠
けを生じてしまうという問題を有している。特に、圧電
体20の厚みが50μm以下に薄板化すると、割れ・欠
け不良率は極端に高くなる結果となっていた。
【0006】そこで、本発明の目的は、分極後に残留す
る積層圧電体の変形を少なくするとともに、割れや欠け
の発生を少なくできる積層圧電体の分極方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、2層以上の圧電セラミッ
クス層を内部電極を間にして積層するとともに、その表
裏主面に外部電極を設けた積層圧電体であって、少なく
とも外側の2層の圧電セラミックス層を厚み方向にかつ
同一方向に分極する分極方法において、上記内部電極が
グランド電位、一方の外部電極がプラス電位、他方の外
部電極がマイナス電位となるように、上記一方の外部電
極と内部電極との間に第1の直流電界を印加すると同時
に、上記内部電極と他方の外部電極との間に第2の直流
電界を印加することを特徴とする積層圧電体の分極方法
を提供する。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、2層以上
の圧電セラミックス層を内部電極を間にして積層すると
ともに、その表裏主面に外部電極を設けた積層圧電体で
あって、上記内部電極がグランド電位、一方の外部電極
がプラス電位、他方の外部電極がマイナス電位となるよ
うに、上記一方の外部電極と内部電極との間に第1の直
流電界を印加すると同時に、上記内部電極と他方の外部
電極との間に第2の直流電界を印加し、外側の2層の圧
電セラミックス層を厚み方向にかつ同一方向に分極した
ことを特徴とする積層圧電体を提供する。
【0009】本発明の分極方法では、表裏の外部電極間
に直流電界を印加するのではなく、各圧電セラミックス
層に個別の電界を印加して分極している。例えば2層の
圧電セラミックス層を持つ積層圧電体の場合、内部電極
の影響により各層の絶縁抵抗にバラツキが発生し、特に
薄層なセラミックス層を用いた場合、各層のばらつきが
顕著となる。そのため、従来のように表裏の外部電極間
に直流電界を印加すると、一方の層に偏った電圧が印加
され、反りの原因となる。本発明では、それぞれの層に
個別に電界を印加するので、各層の絶縁抵抗にばらつき
があっても、各層に印加される電圧がほぼ等しくなる。
しかも2つの層を同時に分極するので、2つの層のバラ
ンスを取ることができる。そのため、残留変形を少なく
できるだけでなく、分極途中の変形も抑制できる。
【0010】請求項2のように、積層圧電体の厚さを5
0μm以下とした場合に、本発明の効果が顕著となる。
厚みが50μmより厚い場合には、内部電極による各層
の絶縁抵抗のばらつきは比較的小さいが、50μm以下
の厚みの積層圧電体の場合には、各層の絶縁抵抗のばら
つきが非常に大きくなり、例えば数十倍程度になる。そ
のため、このような薄層の積層圧電体を分極した時の変
形が非常に大きくなるからである。
【0011】請求項3のように、直流電界の印加を、積
層圧電体の両主面を対向方向に加圧しながら行うのが望
ましい。積層圧電体を加圧せずに分極することも可能で
あるが、加圧した場合には、残留変形量を無加圧に比べ
て数分の1に低減させることができる。また、本発明で
は分極途中の変形も小さいので、加圧による圧電体の割
れや欠けを少なくすることができる。
【0012】本発明の積層圧電体は、2層構造に限るも
のではなく、3層以上であってもよい。例えば3層構造
の場合には、内部電極に挟まれた中間層は分極されない
ダミー層となる。3層構造の場合、中間層の厚みを外側
の2層に比べて厚くしてもよい。この場合には、外側の
2層を薄くできるので、同一電圧でもより大きな変位量
が得られ、より大きな音圧を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかる積層圧電体
の一例を示す。本実施例の積層圧電体1は、屈曲振動を
利用した圧電型電気音響変換器の振動板として用いられ
るものである。積層圧電体1は、PZT系の2層の圧電
セラミックス層2,3を積層したものであり、積層圧電
体1の表裏主面には外部電極4,5が形成され、セラミ
ックス層2,3の間には内部電極6が形成されている。
2つのセラミックス層2,3は、図1に矢印Pで示すよ
うに厚み方向において同一方向に分極されている。積層
圧電体1の端面には、外部電極4,5を接続する端面電
極7と、内部電極6を外部に引き出すための端面電極8
とが形成されている。
【0014】上記構造の積層圧電体1において、外部電
極4,5と内部電極6との間に交番電圧を印加すると、
表側および裏側のセラミックス層2,3に働く電界方向
が厚み方向において逆方向になる。一方、両セラミック
ス層2,3の分極方向は厚み方向において同一方向であ
る。圧電セラミックスは、分極方向と電界方向とが同一
方向であれば平面方向に縮む性質を有し、分極方向と電
界方向とが逆方向であれば平面方向に伸びる性質を有す
る。したがって、上記のように交番電圧を印加すれば、
一方のセラミックス層が伸びた時、他方のセラミックス
層が縮み、全体として積層体1は周期的な屈曲振動を生
じることになる。この変位量はユニモルフ型振動板に比
べて大きくなるので、音圧も増大する。
【0015】上記積層圧電体1は次のようにして製造さ
れる。まず裏側セラミックス層3になる圧電セラミック
スのグリーンシートを準備し、その片面に内部電極とな
る導電ペースト6を塗布した後、表側セラミックス層2
になる圧電セラミックスのグリーンシートを積層した。
なお、導電ペースト6の印刷パターンは、例えば図2の
(a)のようにした。そして、この積層体を約1100
℃で一体的に焼成し、縦×横×厚み=20mm×30m
m×0.040mmの圧電体ユニット1Aを得た。焼成
後、圧電体ユニット1Aの表裏面に、図2の(b)のよ
うに薄膜形成法により外部電極4,5を形成するととも
に、端面に内部電極6を外部に引き出すための引出電極
6a(図3参照)を形成した。
【0016】次に、外部電極4,5と内部電極6の引出
電極6aとを用いて、図3のように、圧電体ユニット1
Aの層ごとに個別に直流電界E1,E2を印加し、分極
処理を行った。具体的には、電源E1のプラス側を一方
の外部電極4に、電源E2のマイナス側を他方の外部電
極5に接続し、電源E1のマイナス側と電源E2のプラ
ス側とを内部電極6に接続された引出電極6aと共にグ
ランドに接続した。そして、加圧治具10,11を用い
て圧電体ユニット1Aを全面加圧しながら分極した。表
側のセラミックス層2の分極条件は、図4のように最大
電圧までの傾斜時間:60sec、電界:2.50kV
/mm(50V/20μm)、保持時間×保持温度=3
0sec×50℃で一定とした。一方、裏側のセラミッ
クス層3の分極条件は、最大電圧までの傾斜時間:60
sec、電界:−2.5kV/mm(50V/20μ
m)、保持時間×保持温度=30sec×50℃で一定
とした。また、加圧治具10,11は約15g/cm2
の荷重を付加した。分極された圧電体ユニット1Aを素
子に切り出した後、その端面に外部電極4,5同士を接
続する端面電極7と内部電極6を外部に引き出すための
端面電極8とを形成することで、図1に示す積層圧電体
1を得た。
【0017】一方、比較例として、次のような方法で積
層圧電体を製造した。まず、圧電セラミックスのグリー
ンシートを準備し、その片面に導電ペーストを図2の
(a)と同様な印刷パターンで塗布した後、印刷してい
ないグリーンシートを積層した。この積層体を約110
0℃で一体的に焼成し、20mm×30mm×0.04
0mmの圧電体ユニットを得た。焼成後、圧電体ユニッ
トの表裏面に薄膜形成法により外部電極4,5を形成し
た。次に、外部電極4,5を用いて、図8と同様に、圧
電体ユニット全体に直流電界Eを印加し、分極処理を行
った。分極条件は、最大電圧までの傾斜時間:60se
c、電界:2.50kV/mm(100V/40μ
m)、保持時間×保持温度=30sec×50℃で一定
とした。また、加圧治具30,31の間に約15g/c
2 の荷重を付加し、加圧を行った。分極された圧電体
ユニットを素子に切り出した後、その端面に外部電極
4,5同士を接続する端面電極7と内部電極6を外部に
引き出すための端面電極8とを形成することで、図1と
同様な積層圧電体1を得た。
【0018】図5は分極後のユニットの残留そり量を測
定したものである。本発明では、0.08〜0.57m
mの範囲で分布しており、平均そり量は0.26mmで
あった。一方、比較例では、0.15〜1.40mmの
範囲で分布しており、平均そり量は0.63mmであっ
た。上記結果から明らかなように、本発明方法による分
極後の残留そり量は、比較例に比べて約1/3に低減し
ていることがわかる。素子として完成品工程で不良を出
さないためには、素子でのそり量を0.2mm以下、つ
まりユニットのそり量を0.60mm以下とする必要が
ある。本発明ではほぼ全量が良品となったが、比較例で
は約50%が不良となった。
【0019】図5は圧電体ユニットの全面を加圧治具に
よって加圧した状態で分極を行い、その後の残留そり量
を比較したものであるが、分極中における圧電体ユニッ
トの変形量を求めるため、図6にほぼフリー状態でのユ
ニットのそり量の変化を示す。図6は本発明方法と従来
方法による比較例との分極中のそりの変化を示したもの
である。測定温度は50℃である。本発明方法では、8
gの分銅をユニットの中央部に配置し、電圧を2層個別
に50Vまで60secの傾斜をつけて印加し、等間隔
(8点)での最大そりを逐次測定した。そして、最大電
圧50Vで30sec保持し、そりを測定した。その
後、電圧を取り去り、残留そり量を測定した。一方、従
来方法でも同様に、8gの位置決め用分銅をユニットの
中央部に配置し、電圧を2層同時に100Vまで60s
ecの傾斜をつけて印加し、等間隔(8点)での最大そ
りを逐次測定した。そして、最大電圧100Vで30s
ec保持し、そりを測定した。その後、電圧を取り去
り、残留そり量を測定した。図6の横軸は、本発明では
1層当たりの電圧であり、比較例では2層の合計電圧で
ある。したがって、本発明における50Vは比較例の1
00Vに相当する。
【0020】図6から明らかなように、本発明では10
〜25Vで約2mmの最大そりを生じる。しかし、電圧
をさらに増大させても、そりは増大しない。電圧を取り
去った条件では、約0.5mmの残留そりがある。一
方、比較例の場合には、電圧を増大させるにつれてそり
量も単純増大しており、100Vで約5mmの最大そり
を生じる。また、各試料によってそり量のばらつきも大
きい。電圧を取り去った条件では、約3mmの大きなそ
りが残留する。以上の結果から、本発明方法では、分極
中における変形量も従来方法に比べて小さいことがわか
る。そのため、分極中、加圧治具10,11により強制
的に押さえ込んでも、圧電体ユニット1Aにかかる負荷
が小さく、割れや欠けを少なくすることができる。な
お、全面加圧した場合には、加圧しない場合に比べて、
残留そりを約半分に低減できた。
【0021】上記実施例では、表側のセラミック層2に
直流電界を印加する電源E1と、裏側のセラミック層3
に直流電界を印加する電源E2とを同一電圧(50V)
としたが、両方のセラミック層2,3の絶縁抵抗比率を
予め測定しておき、その絶縁抵抗比率に応じて電源E
1,E2の電圧比率を調整してもよい。この場合には、
積層圧電体の変形量をさらに小さくすることができる。
【0022】図7は本発明にかかる積層圧電体の分極方
法の第2実施例を示す。この実施例は、3層構造よりな
る積層圧電体1’の分極方法を示すものである。セラミ
ックス層2a,2b,2cの間には内部電極6b,6c
が形成され、表裏主面には外部電極4,5が形成されて
いる。電源E1のプラス側を外部電極4に、電源E2の
マイナス側を外部電極5に接続し、電源E1のマイナス
側と電源E2のプラス側とを、内部電極6b,6cに接
続された引出電極6aと共にグランドに接続すると、外
側の2つのセラミックス層2a,2cは、矢印Pで示す
ように厚み方向において同一方向に分極される。なお、
内部電極6b,6cに挟まれた中間層2bは分極されな
いダミー層となる。
【0023】3層構造の場合、圧電体1’としての強度
上必要な厚みを確保しながら、外側の2層2a,2cを
2層構造の場合に比べて薄くできるので、同一電圧を印
加した場合でも、圧電体1’の大きな変位量が得られ、
より大きな音圧を得ることができる。なお、3層のう
ち、中間層2bの厚みを外側の2層2a,2bと同一厚
みとしてもよいし、厚くしてもよい。厚くした場合に
は、外側の2層2a,2bの厚みをさらに薄くできる。
【0024】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能
である。上記実施例では、圧電セラミック層が2層また
は3層の構造の例について説明したが、4層以上であっ
てもよい。ただし、分極時、内部電極は全てグランドに
接続されるので、外側の2層以外はすべて分極されない
ダミー層となる。上記実施例では、積層圧電体の端面に
内部電極と導通する端面電極を形成し、この端面電極を
介して外部へ引き出すようにしたが、これに限るもので
はない。すなわち、特開昭61−205100号公報の
ようにスルーホールを介して内部電極を外部へ引き出し
てもよいし、スリット状の溝あるいは穴を介して外部へ
引き出してもよい。上記実施例の積層圧電体の製造方法
は、セラミックグリーンシートを電極膜を介して積層
し、この積層体を同時焼成して焼結積層体を得た後、こ
の焼結積層体を分極処理するものであるが、この方法に
代えて、予め焼成した2枚以上の圧電セラミックス板を
積層接着した後、分極処理してもよい。ただし、積層後
に焼成する前者の製造方法は、予め焼成したものを積層
する後者の方法に比べて、圧電体の厚みを格段に薄くで
き、音圧を大きくできるので、音響変換効率に優れた振
動板を得ることが可能である。本発明の積層圧電体は、
圧電セラミックス層のみで構成されたものに限らず、圧
電体の片面または両面に樹脂フィルムなどの補強シート
を貼り付けてもよい。但し、この補強シートはユニモル
フ型振動板の金属板とは異なり、積層体の割れなどを防
止するためのものであり、積層体の屈曲振動を阻害しな
いものが望ましい。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に係る発明によれば、2層以上の圧電セラミックス層を
内部電極を間にして積層するとともに、その表裏主面に
外部電極を設けた積層圧電体に対し、内部電極がグラン
ド電位、一方の外部電極がプラス電位、他方の外部電極
がマイナス電位となるように、一方の外部電極と内部電
極との間に第1の直流電界を印加すると同時に、内部電
極と他方の外部電極との間に第2の直流電界を印加する
ことで、外側の2層の圧電セラミックス層を厚み方向に
かつ同一方向に分極するものであるから、従来のような
外部電極間に電界を印加する方法に比べて、分極後に残
留する積層圧電体の変形を小さくすることができ、良質
の積層圧電体を得ることができる。また、本発明ではそ
れぞれの層に個別に電界を印加するので、分極途中の変
形も抑制でき、加圧による圧電体の割れや欠けを少なく
することができる。そのため、残留変形量を無加圧に比
べて数分の1に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる積層圧電体の第1実施例の断面
図である。
【図2】内部電極および外部電極のパターン図である。
【図3】図1に示す積層圧電体の分極方法を示す図であ
る。
【図4】分極時における電圧印加プロファイル図であ
る。
【図5】本発明と比較従来例との分極後の残留そり量の
分布図である。
【図6】本発明と比較従来例との無加圧分極時における
電圧−そり量の変化図である。
【図7】本発明にかかる積層圧電体の第2実施例の分極
方法を示す図である。
【図8】従来の積層圧電体の分極方法を示す図である。
【図9】従来の積層圧電体の残留そりを示す図である。
【符号の説明】
1A 圧電体ユニット 1,1’ 積層圧電体 2,3,2a〜2c セラミックス層 4,5 外部電極 6,6b,6c 内部電極 E1,E2 直流電源 10,11 加圧治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井山 清司 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 吉野 芳正 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2層以上の圧電セラミックス層を内部電極
    を間にして積層するとともに、その表裏主面に外部電極
    を設けた積層圧電体であって、少なくとも外側の2層の
    圧電セラミックス層を厚み方向にかつ同一方向に分極す
    る分極方法において、上記内部電極がグランド電位、一
    方の外部電極がプラス電位、他方の外部電極がマイナス
    電位となるように、上記一方の外部電極と内部電極との
    間に第1の直流電界を印加すると同時に、上記内部電極
    と他方の外部電極との間に第2の直流電界を印加するこ
    とを特徴とする積層圧電体の分極方法。
  2. 【請求項2】上記積層圧電体の厚さは50μm以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の積層圧電体の分極
    方法。
  3. 【請求項3】上記直流電界の印加を、積層圧電体の両主
    面を対向方向に加圧しながら行うことを特徴とする請求
    項1または2に記載の積層圧電体の分極方法。
  4. 【請求項4】2層以上の圧電セラミックス層を内部電極
    を間にして積層するとともに、その表裏主面に外部電極
    を設けた積層圧電体であって、上記内部電極がグランド
    電位、一方の外部電極がプラス電位、他方の外部電極が
    マイナス電位となるように、上記一方の外部電極と内部
    電極との間に第1の直流電界を印加すると同時に、上記
    内部電極と他方の外部電極との間に第2の直流電界を印
    加し、外側の2層の圧電セラミックス層を厚み方向にか
    つ同一方向に分極したことを特徴とする積層圧電体。
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