JP2003284537A - 酢酸含有飲料 - Google Patents

酢酸含有飲料

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JP2003284537A JP2002090962A JP2002090962A JP2003284537A JP 2003284537 A JP2003284537 A JP 2003284537A JP 2002090962 A JP2002090962 A JP 2002090962A JP 2002090962 A JP2002090962 A JP 2002090962A JP 2003284537 A JP2003284537 A JP 2003284537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新たな機能性を付与し、且つ香味に優れた新
規酢酸含有飲料を提供する。 【解決手段】 発芽玄米の焙炒処理物を少なくとも原料
の一部に用いてなる酢酸含有飲料であって、2、3、5
−トリメチルピラジンを含有することを特徴とする酢酸
含有飲料。該焙炒処理物の焙炒処理温度は、260〜3
50℃であることが好ましい。当該飲料には、常用の添
加物を添加物を加えてもよい。また希釈して用いてもよ
い。添加物の中では、特にγ−アミノ酪酸含有組成物が
有用である。 【効果】 特定の添加物により新たな機能性が付与さ
れ、香ばしい好ましい香気及びまろやかで熟成感のある
香味を有し、従来にない優れた飲用適性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の成分を含有す
る、新たな機能性を付与した酢酸含有飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】酢酸は抗菌作用、カルシウム吸収効率向
上、及び食欲増進等の機能性を有しており、これを含有
してなる酢酸含有飲料は従来より健康飲料として飲用さ
れている。しかし、酢酸含有飲料は酢酸独特の臭気があ
るので飲みにくいものであり、これを改善するために様
々な香味成分で味付を行っているが、現在までに満足で
きる香味を呈するものは得られていないのが現状であ
る。
【0003】食品素材を煎る、炒める等の乾熱加熱処理
により、様々な香気成分が生成され、これらは各食品に
特徴的な好ましい香気を付与している。このような好ま
しい香気成分の一例としてピラジン類がある。加熱食品
におけるピラジン類の生成は、糖類、アスコルビン酸等
から生成されるα−ジカルボニル化合物とα−アミノ酸
との反応であるストレッカー分解によるものと考えられ
ており、様々なモデル系での生成機構の提唱、及び各種
加熱食品中のピラジン類の同定が行われている。
【0004】ピラジン類の一化合物にトリメチルピラジ
ンがあり、これはピラジン環の2、3、及び5位にメチ
ル基が結合したものである。トリメチルピラジンは、血
小板へのカルシウムイオンの流入を防ぐことにより、血
小板の凝集が抑制され、血栓の生成を防ぐ効果があると
考えられている。このため、トリメチルピラジンを酢酸
含有飲料に含有させることにより、好ましい香気と機能
性を付与することが期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況にかんがみて行われたものであり、機能性を付与
し、且つ香味に優れた新規酢酸含有飲料を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すると、第
1の発明は発芽玄米の焙炒処理物を少なくとも原料の一
部に用いてなる酢酸含有飲料であって、2,3,5−ト
リメチルピラジンを含有する酢酸含有飲料に関し、第2
の発明はγ−アミノ酪酸含有組成物を添加してなる第1
の発明の酢酸含有飲料に関する。
【0007】本発明者らは、前記問題点にかんがみ、
2,3,5−トリメチルピラジンを著量含有する新規酢
酸含有飲料の開発に関して鋭意検討を行った。その結
果、発芽玄米を焙炒処理することにより2,3,5−ト
リメチルピラジンが生成されること、及び焙炒処理した
発芽玄米を原料として製造した酢酸含有飲料は香味に優
れていることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明における酢酸含有飲料は、発芽玄米の焙炒処
理物を原料の少なくとも一部に用い、2,3,5−トリ
メチルピラジンを含有することを特徴とする。該酢酸含
有飲料は、飲用に際してはそのまま飲むことができる
が、水で希釈して飲んでもよく、水による希釈の有無及
び希釈倍率は適宜選択すればよい。好適な希釈倍率とし
ては、容量比で5倍以下を挙げることができる。発芽玄
米とは玄米を発芽させる処理を行ったものであり、本発
明においては芽の長さが0.5〜1.0mm程度の発芽
玄米を好適に用いることができる。玄米を発芽させるこ
とにより、遊離アミノ酸等といった栄養成分及び機能性
成分を、玄米及び精白米と比べて著量増加させることが
できる。その結果、後述の焙炒処理により、2,3,5
−トリメチルピラジンの生成量を多くすることができ
る。この機能性成分としては、γ−アミノ酪酸、食物繊
維、イノシトール、フェルラ酸、トコトリエノール、7
−オクタデセニル−7,10−ヘンイコサジエニルケト
ン等を挙げることができる。玄米の発芽方法は公知の方
法で行えばよく、例えば、玄米を浸漬後、発芽温度及び
時間が、それぞれ15〜37℃及び1〜7日の範囲で適
宜選択すればよい。発芽に用いる水は必要に応じて殺
菌、溶存酸素濃度増加、防腐、及び酵素、ミネラル等の
添加、等の処理を行ってもよい。
【0009】玄米としては、日本型米、インド型米、及
びジャワ型米といったイネの形態、生理、生態、交雑不
稔性等の性質、並びに粳米及び糯米といった胚乳中ので
ん粉の性質により限定されるものではない。玄米は2種
類以上のものを併用することができ、併用時の組合せに
は特に限定はない。
【0010】本発明でいう焙炒処理とは乾燥熱風による
加熱処理のことをいう。発芽玄米に焙炒処理を行うこと
により、2,3,5−トリメチルピラジンが著量生成す
るだけでなく、発芽玄米に含まれる水分を、栄養分及び
機能性成分を損うことなく効率的に除去することがで
き、発芽玄米の保存性も高くなる。更に、発芽玄米の水
分量は、発芽玄米に含まれるでん粉を糊化させるには十
分な量であり、焙炒処理によりでん粉を糊化させること
ができる。発芽玄米の焙炒処理物は、粉砕、破砕、造
粒、及びこれらの組合せ等の処理を行ってもよく、これ
らは常法に従って行えばよい。
【0011】(検討例1)焙炒処理温度と2,3,5−
トリメチルピラジン生成量との関係について、検討を行
った。発芽玄米として、業務用発芽玄米〔ドーマー
(株)製〕(水分含量;31w/w%)を用い、表1に
示す焙炒処理温度で2分間焙炒処理を行い、焙炒処理物
を得た。焙炒装置は熱風発生機を具備するものを用い
た。焙炒処理物中の2,3,5−トリメチルピラジンの
測定はガスクロマトグラフィー質量分析法で行った。そ
の結果を表1に示す。
【0012】
【表1】 2)N.D.;検出されず。
【0013】表1より、2,3,5−トリメチルピラジ
ンは、焙炒処理温度が230℃では生成しなかったが、
260℃以上において2,3,5−トリメチルピラジン
の生成がみられ、焙炒処理温度の上昇に伴い、生成量が
急激に増加した。また、290℃超における2,3,5
−トリメチルピラジンの生成量は260〜290℃にお
ける程の増加がみられなかったが、焙炒処理温度の上昇
に伴って2,3,5−トリメチルピラジンの生成量は更
に増加した。したがって、焙炒処理温度は260〜35
0℃で行うことが好ましいことが明らかになった。
【0014】(検討例2)焙炒処理時間と2,3,5−
トリメチルピラジン生成量との関係について、検討を行
った。発芽玄米及び焙炒処理装置は検討例1と同じもの
を用い、焙炒処理温度が290℃で表2に示す時間焙炒
処理を行った。2,3,5−トリメチルピラジンの測定
は検討例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
【0015】
【表2】
【0016】表2より、2,3,5−トリメチルピラジ
ンは焙炒処理時間が1.0分では生成しなかったが、
2.0分以上では、焙炒処理時間の増加に伴い、2,
3,5−トリメチルピラジンの生成量が増加し、焙炒処
理時間が5分では3.2mg/1000g−焙炒処理物
の2,3,5−トリメチルピラジンが生成した。したが
って、焙炒処理時間は1分超〜5分で行うことが好まし
いことが明らかになった。
【0017】本発明の酢酸含有飲料は良好な香ばしい香
気を有するものであるだけでなく、ペプチド、アミノ酸
等の呈味成分によるコクが引立った、熟成感の高いまろ
やかなものであり、優れた香味を有するものである。酢
酸は抗菌作用、カルシウム吸収効率向上、及び食欲増進
等の機能性を有し、2,3,5−トリメチルピラジンは
血小板の凝集を抑え、血栓を防止する機能性を有する。
更に、本発明の酢酸含有飲料は、発芽玄米由来の機能性
成分も含有するものでもある。酢酸含有飲料に含まれる
酢酸濃度は特に限定はないが、酸度で0.5〜4.5w
/v%が好ましい。なお、ここでいう酸度は酢酸含有飲
料を水酸化ナトリウム溶液を用いて中和滴定することに
より算出される数値を酢酸に換算して表示したものであ
り、以下においても同義で用いる。酢酸含有飲料中の
2,3,5−トリメチルピラジン濃度は、香味の点か
ら、0.02mg/リットル以上が好ましく、特に0.
1〜3.0mg/リットルが好適である。
【0018】本発明の酢酸含有飲料は、2,3,5−ト
リメチルピラジンを含有する食品素材、酢酸含有素材等
を混合して製造することができるが、アルコール発酵及
び酢酸発酵を行うことによって得ることが好ましい。ア
ルコール発酵は発酵原料に酵母を接種して行うが、発酵
原料の少なくとも一部に米を用いることが好適な例とし
て挙げることができ、米として焙炒処理を行った発芽玄
米を少なくとも原料の一部に用いることが特に好適な例
として挙げることができる。本発明では、発芽玄米の焙
炒処理物に含まれるでん粉を更に糊化、液化、糖化、又
はこれらを組合せる方法による処理を行うことができ
る。これらは常法に従って行えばよく、でん粉を糊化さ
せる方法としては常圧蒸煮法、加圧蒸煮法等の湿熱処理
を挙げることができる。液化又は糖化方法としては、酵
素処理、酸処理いずれのものでもよく、酵素処理時にプ
ロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ等
のアミラーゼ系以外の酵素を併用してもよい。また、液
化及び/又は糖化後にろ過法、遠心分離法等による固液
分離を行ってもよい。
【0019】酵母はアルコール発酵能を有するものであ
れば、特に限定はない。この例として、サッカロミセス
(Saccharomyces)属に属する酵母を挙げ
ることができる。この中でもサッカロミセス セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisia
e)に属する酵母が好ましく、この例として、清酒酵
母、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母、アルコール酵
母、ウイスキー酵母、パン酵母等を挙げることができ
る。アルコール発酵の際に麹及び/又はアミラーゼ等の
酵素剤を用いてもよい。麹は常法に従って製造されたも
のを用いることができる。発酵工程は常法に従って行え
ばよく、例えば、10〜30℃の発酵温度でもろみ中の
全糖が1w/v%になるまで行えばよい。通常は25℃
で5日間アルコール発酵を行う。アルコール発酵終了
後、固形分を有する場合は固液分離を行ってもよく、こ
れはろ過法、遠心分離法等、常法に従って行えばよい。
【0020】酢酸発酵は、エタノールを酢酸に酸化する
能力を有する微生物を用いて行うものであれば特に限定
はない。該微生物の中でアセトバクター(Acetob
acter)属に属するものを用いるのが好ましく、こ
の例としてアセトバクターアセティ(Acetobac
ter aceti)に属するものを挙げることができ
る。発酵工程は常法に従って行えばよい。発酵方法の例
としては、表面発酵法、充填塔発酵法、及び深部発酵法
を挙げることができ、深部発酵法においては、バッチ式
又は連続式のどちらも用いることができる。酢酸発酵の
原料であるエタノールは前述のアルコール発酵液を変性
処理して用いることができるが、エタノールに変性剤を
添加した変性アルコールを用いてもよい。変性処理は常
法に従って行えばよいが、一例として米酢を酸度が1.
5w/v%以上になるように添加する方法を挙げること
ができる。その他の変性剤としては常法により用いられ
ているものを添加すればよい。変性処理後に固形分を含
有する場合は固液分離を行えばよいが、これは前述のよ
うに行えばよい。変性処理後、必要に応じて他の栄養源
との混合、エタノール濃度の調整、及び/又は酸度の調
整を行い、これにエタノールを酢酸に酸化する能力を有
する微生物を植菌する。他の栄養源としては、炭素源、
窒素源、無機塩、ビタミン類等を含有するものであれば
特に限定はないが、例として、酒粕を水と混合してアル
コール発酵後、固液分離して得られる発酵液を挙げるこ
とができる。アルコール濃度及び酸度の調整は常法に従
って行えばよい。植菌方法としては、純粋培養した該微
生物をもろみに接種する方法、酢酸発酵中のもろみの一
部と原料もろみとを混合する方法、酢酸発酵中のもろみ
表面に生じる皮膜を原料もろみに移植する方法、等を挙
げることができる。発酵温度は、用いる微生物がエタノ
ールから酢酸に酸化する能力を失わない温度であれば特
に限定はないが、一般的には25〜40℃前後で行うこ
とができる。発酵期間は、もろみ中のエタノール濃度が
0.4v/v%になるまで発酵を行うが、好適な酢酸発
酵温度及び期間の例として、それぞれ30℃及び21日
を挙げることができる。酢酸発酵終了後、ろ過法、遠心
分離法等による固液分離を行って酢酸含有飲料を得るこ
とができる。固液分離の方法としては、例えば、表面発
酵法によるもろみではけいそう土ろ過を行えばよい。
【0021】固液分離後、必要に応じて、熟成工程、お
り下げ工程、酸度調整工程、殺菌工程等の後処理工程を
行ってもよい。これらの方法は常法に従って行えばよ
く、このときに各種添加物を加えてもよい。例えば、常
温で30日程熟成行程を行うことにより、更にまろやか
な味の酢酸含有飲料となる。また、おり下げ工程では、
寒天、柿渋、けいそう土、ゼラチン、酸性白土、ベント
ナイト等のおり下げ剤を加え、常温で静置後ろ過法等に
より、おりを除く工程である。殺菌工程では、例えば、
加熱殺菌を行うのが好ましい。
【0022】本発明の酢酸含有飲料は、機能性成分とし
て発芽玄米由来のγ−アミノ酪酸を含有しているが、必
ずしも有効量を満たしていない。そこで、前述の方法に
より得られた酢酸含有飲料にγ−アミノ酪酸含有組成物
を添加することにより、γ−アミノ酪酸を強化した酢酸
含有飲料にすることができる。γ−アミノ酪酸含有組成
物は、食品素材として市販されているものを用いてもよ
いが、酒類の製造により得られる副産物又はその処理物
(以下、総称して副産物という)から選択される原料
に、γ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌を作用させて
得られるγ−アミノ酪酸高含有培養物を用いることがで
きる。このγ−アミノ酪酸高含有培養物を用いることに
より、γ−アミノ酪酸を強化した酢酸含有飲料とするこ
とができる。また、乳酸菌由来の好ましい香味を付与す
ることができる。酒類の製造により得られる副産物とし
ては、特に限定はないが、蒸留酒の蒸留廃液が好まし
く、特に焼酎蒸留廃液が好ましい。また、該副産物の処
理物としては、殺菌、固液分離、アルコール除去、濃
縮、及びこれらの組合せ等の処理により得られるものが
あり、これらは常法に従って行えばよい。
【0023】本発明で用いることができる乳酸菌はγ−
アミノ酪酸生成能を有するものであれば特に限定はない
が、ラクトバチルス属(Lactobacillus)
属に属するものが好ましく、ラクトバチルス ブレビス
(Lactobacillus brevis)に属す
るものがより好ましい。特に好適な例として、ラクトバ
チルス ブレビス IFO12005を挙げることがで
きる。該乳酸菌はあらかじめ前培養したものを用いるの
が好ましい。前培養に用いる培地としては乳酸菌が増殖
できるものであれば特に限定はないが、該培地にグルタ
ミン酸及び/又はその塩を添加した培地を用いることが
好ましい。その他の前培養条件は、用いる菌株、初発細
胞数等に応じて適宜選択すればよい。
【0024】副産物にγ−アミノ酪酸生成能を有する乳
酸菌を作用させる方法は特に限定はないが、作用させる
菌数が少ないと乳酸菌の増殖に時間を要するために雑菌
汚染が起りやすくなる。一方、作用させる菌数が多いと
前培養に手間がかかり、要する費用も高くなる。このた
め、副産物1ml当り1×105〜2×109個作用させ
ることが好ましい。作用させる方法としては、通気、か
くはん、静置、若しくはこれらの組合せによるバッチ
法、又はγ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌を固定化
し、これをカラムに充填して作用させる連続法等により
実施すればよい。作用させる温度は20〜45℃、好ま
しくは30〜37℃で、作用させる時間は1時間〜10
日間で適宜選択すればよい。作用させている間に起こる
pH変化に対しては酸又はアルカリでpH調整すればよ
く、これは常法に従って行えばよい。
【0025】このようにして得られる培養物は後処理を
行ってもよい。後処理法としては、沈降分離法、遠心分
離法、若しくはろ過法等を用いた固液分離による未分解
顆粒及び乳酸菌菌体等の除去、常圧若しくは減圧下での
濃縮、膜分離法、活性炭処理法、若しくは合成吸着剤処
理法等による脱色及び/又は脱臭、凍結乾燥法、真空乾
燥法、泡沫層乾燥法、若しくは噴霧乾燥法等による乾
燥、圧縮破砕法、剪断破砕法、衝撃破砕法、衝撃式粉砕
法、爆砕処理法、若しくは超音波粉砕法等による粉末
化、又はこれらの組合せ等を挙げることができる。これ
らの方法は常法に従って実施すればよい。
【0026】本発明の酢酸含有飲料は、前述の方法によ
り得られるγ−アミノ酪酸高含有培養物を添加して得る
ことが好ましい。この添加は酢酸含有飲料の製造工程に
おける任意の時期に行えばよいが、固液分離を行ってい
ない培養物は酢酸含有飲料の製造工程における固液分離
工程を行う直前に添加することが好ましい。このように
行うことにより、培養物に含有する固形分を該製造工程
において行う固液分離工程時に除くことができる。固液
分離を行った培養物の後処理物を添加する場合は、酢酸
発酵終了後に固液分離を行って熟成工程を経たものに添
加する方法を挙げることができる。このように行うこと
により培養物の後処理物由来の好ましい風味の損失を少
なくすることができる。
【0027】本発明の酢酸含有飲料は、更に必要に応じ
て様々なものを添加することができる。この例として、
呈味成分、着色料、ビタミン類、香料、果汁等を挙げる
ことができる。呈味成分の例としては甘味料及び酸味料
が好適に用いることができ、甘味料の例として、黒糖、
果糖ぶどう糖液糖、上白糖、グラニュー糖、果糖、ぶど
う糖、オリゴ糖等の糖質及び/又はアスパルテーム、ス
テビア、フコース、ミラクリン、ラカンカ等を挙げるこ
とができ、特に黒糖を含有してなるものを添加すること
が好適な一例である。酸味料の例としては、クエン酸、
クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、乳酸、リン酸、酒石
酸、フィチン酸等を挙げることができる。着色料として
は赤キャベツ、アナトー、カロチノイド、フラボノイ
ド、アントシアニン等を、ビタミン類としてはビタミン
A、カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミン
B6、ビタミンB12、ビタミンC等を挙げることがで
きる。酢酸含有飲料に添加することができる果汁として
は特に限定はなく、好適な一例としてはりんご果汁を挙
げることができる。これらの他に食品素材から、でん
粉、蛋白質等の加水分解、抽出、発酵、ろ過、及びこれ
らを組合せたもの等により得られるもの等も添加するこ
とができる。
【0028】かくして、本発明により、良好な香ばしい
香気を有し、コクが引立った、熟成感の高い、まろやか
な香味に優れた、2,3,5−トリメチルピラジンを含
有する酢酸含有飲料を提供することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0030】実施例1 発芽玄米の焙炒処理物を用いて酢酸含有飲料を製造した
(本発明1)。発芽玄米は検討例1と同じものを使用
し、290℃で2分間焙炒処理を行って焙炒処理物を得
た。焙炒処理後の発芽玄米1kgを水に浸漬し、水切後
120℃で加圧蒸煮を行った。加圧蒸煮後、水5.7リ
ットル混合して酵素糖化法により糖化、酵素を加熱失活
させて糖化物を得た。次いで、この糖化物のアルコール
発酵を行った。酵母としては、サッカロミセス セレビ
シエK−701株の乾燥酵母(日本醸造協会)0.6g
を接種し、25℃一定で発酵を行った。発酵は、液部の
全糖が1%になるまで行い(所要期間5日)、このとき
のエタノール濃度は7.0v/v%であった。アルコー
ル発酵終了後、酸度7w/v%の米酢液を1430ml
添加してかくはんし、ろ過により固液分離した。米酢液
は定法に従い米より得られたものを用いた。このように
して得られたろ液はエタノール濃度が4.5v/v%、
酸度が1.5w/v%になるように希釈し、次に酢酸発
酵を行った。酢酸菌はアセトバクター アセティIFO
3281株を用いた。酢酸発酵は表面発酵法により30
℃でエタノール濃度が0.3v/v%になるまで行った
(所要期間21日)。酢酸発酵終了後、けいそう土ろ過
による固液分離、次いで室温での1ヶ月間の熟成を行
い、酸度を4.5w/v%に調整して酢酸含有飲料を得
た。対照として、検討例1と同じ発芽玄米及び白米を用
いて酢酸含有飲料を得た(それぞれ対照例1及び対照例
2)。発芽玄米及び白米は焙炒処理を行わずに水に室温
で一晩浸漬後、水切及び加圧蒸煮(120℃)を行い、
以下本発明1と同様に行った。得られた各酢酸含有飲料
について、酸度、可溶性固形分、2,3,5−トリメチ
ルピラジン、γ−アミノ酪酸、遊離アミノ酸、カルシウ
ム、マグネシウム、及び鉄含量の測定、並びに官能検査
を行った。酸度及び2,3,5−トリメチルピラジンの
測定は前述と同様に行い、可溶性固形分の測定は糖度計
により、カルシウム、マグネシウム、及び鉄の測定は原
子吸光分析法により行った。γ−アミノ酪酸及び遊離ア
ミノ酸の測定は測定試料に等量の3%スルホサリチル酸
を加えて生じた沈殿を除去した後、pH2.2のクエン
酸緩衝液で希釈した試料について、アミノ酸自動分析装
置L−5800A〔(株)日立製作所製〕で行い、測定
を行った全アミノ酸の総和を遊離アミノ酸として示し
た。官能検査は味、香、及び総合の各項目について、1
0名のパネラーによる3点法(1点;良、2点;普通、
3点;悪)により評価した。測定結果及びパネラーの各
項目の評価の平均点を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3より、本発明1の酢酸含有飲料は2,
3,5−トリメチルピラジンを含有するものであった
が、対照例1及び2の酢酸含有飲料には2,3,5−ト
リメチルピラジンが検出されなかった。官能検査の結果
は2,3,5−トリメチルピラジンを含有する本発明1
の酢酸含有飲料は、香ばしい香気と熟成感のあるまろや
かな味がよくマッチングし、従来にない好ましいもので
あった。また、本発明1、並びに対照例1及び2を水を
用いて容量比で2、3、及び5倍希釈して飲用したとこ
ろ、本発明1の希釈液はいずれにおいても熟成感のある
まろやかなものであり、優れた香味を呈していた。しか
し、対照例1及び2は希釈により水っぽさを感じ、希釈
倍率の増加に伴って更に水っぽさを強く感じるものであ
った。したがって、発芽玄米の焙炒処理物を原料として
用いてなる2,3,5−トリメチルピラジンを含有する
酢酸含有飲料は、飲用としての好ましい適性を有する従
来にない優れたものであることが明らかになった。
【0033】実施例2 以下の方法により、γ−アミノ酪酸を強化した酢酸含有
飲料を調製した。米焼酎製造における副産物である蒸留
廃液を用い、該蒸留廃液を75℃で5分間殺菌後、圧搾
ろ過、次いでけいそう土ろ過を行って後処理物を得た。
該後処理物1リットルを94℃で20分間殺菌後30℃
まで冷却し、これにラクトバチルス ブレビス IFO
12005株の前培養液を10mlで接種して30℃で
48時間静置培養することにより、培養物を得た。前培
養液は1w/v%L−グルタミン酸含有GYP培地(グ
ルコース、ペプトン、及び酵母エキスをそれぞれ1.0
w/v%、pH6.8)に30℃で48時間培養するこ
とにより得た。該培養物は遠心分離、次いでけいそう土
ろ過により菌体を除去し、ロータリーエバポレーターに
より55℃で濃縮してγ−アミノ酪酸高含有濃縮液を得
た。該濃縮液の可溶性固形分、グルタミン酸、及びγ−
アミノ酪酸の濃度は、それぞれ70.0、0.3、及び
1.2w/v%であった。γ−アミノ酪酸高含有濃縮
液、本発明1、及び黒糖として特製黒糖USK〔上野砂
糖(株)製〕を表4に示す配合で混合し、酸度が4.5
w/v%になるように酸度調整を行って酢酸含有飲料を
得た(本発明2)。本発明2の2,3,5−トリメチル
ピラジン及びγ−アミノ酪酸含量は、それぞれ0.1m
g/リットル及び67mg/100mlであり、γ−ア
ミノ酪酸が本発明1より134倍強化されたものであっ
た。本発明2について官能検査を行ったところ、熟成感
が高く、まろやかな好ましい香味を有していた。特に、
γ−アミノ酪酸高含有濃縮液及び黒糖由来の好ましい風
味の特徴がバランスよくマッチングした上品なものであ
った。また、本発明2を水を用いて容量比で2、3、及
び5倍希釈して飲用したところ、本発明2の希釈液はい
ずれの希釈倍率おいても熟成感のあるまろやかさ及び前
述の添加物由来の好ましい風味を失うことなく、水っぽ
さのない優れた香味を呈していた。したがって、本発明
2の酢酸含有飲料は飲用に非常に優れたものであること
が明らかになった。
【0034】
【表4】
【0035】実施例3 本発明1の酢酸含有飲料、実施例2と同様に行って得た
γ−アミノ酪酸高含有濃縮液、及び濃縮りんご透明果汁
を表5に示す組成で混合し、酢酸含有飲料を得た(本発
明3)。本発明3の酢酸含有飲料の酸度、可溶性固形
分、pH、2,3,5−トリメチルピラジン、及びγ−
アミノ酪酸は、それぞれ2.8w/v%、22.4w/
v%、3.8、0.1mg/リットル及び67mg/1
00mlであった。本発明3について、官能検査を行っ
たところ、香ばしい好ましい香気、まろやかで熟成感の
ある香味、及びりんご果汁がよくマッチングした優れた
酢酸含有飲料であった。また、本発明3を水を用いて容
量比で2、3、及び5倍希釈して飲用したところ、本発
明3の希釈液はいずれの希釈倍率おいても熟成感のある
まろやかさ及び前述の添加物由来の好ましい風味を失う
ことなく、水っぽさのない優れた香味を呈していた。し
たがって、本発明3の酢酸含有飲料は飲用に非常に優れ
たものであることが明らかになった。
【0036】
【表5】
【0037】実施例4 本発明1の酢酸含有飲料、実施例2と同様に行って得た
γ−アミノ酪酸高含有濃縮液、及び果糖ぶどう糖液糖、
濃縮りんご透明果汁、はちみつ、L−アスコルビン酸、
香料を表6に示す組成で混合し、酢酸含有飲料を得た
(本発明4)。本発明4の酢酸含有飲料の酸度、可溶性
固形分、pH、2,3,5−トリメチルピラジン、及び
γ−アミノ酪酸は、それぞれ0.45w/v%、12.
5w/v%、3.6、0.02mg/リットル及び17
mg/100mlであった。本発明4について、官能検
査を行ったところ、香ばしい好ましい香気、まろやかで
熟成感のある香味を有し、非常に口当たりのよい、優れ
た酢酸含有飲料であった。本発明4を水を用いて容量比
で2、3、及び5倍希釈して飲用したところ、本発明4
の希釈液はいずれの希釈倍率おいても熟成感のあるまろ
やかさ及び口当たりのよさを失うことなく、水っぽさの
ない優れた香味を呈していた。したがって、本発明4の
酢酸含有飲料は飲用に非常に優れたものであることが明
らかになった。
【0038】
【表6】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、発芽玄米の焙炒処理物
を原料の少なくとも一部に用いることにより、2,3,
5−トリメチルピラジンを含有する酢酸含有飲料を得る
ことができる。該酢酸含有飲料は、香ばしい好ましい香
気及びまろやかで熟成感のある香味を有し、従来にない
優れた飲用適性を示す酢酸含有飲料である。また、本発
明の酢酸含有飲料は、抗菌作用、カルシウム吸収効率向
上、及び食欲増進等の機能性を示す酢酸、血小板の凝集
を抑え、血栓を防止する機能性を示す2,3,5−トリ
メチルピラジンを含有するものである。
【0040】更に、本発明の酢酸含有飲料の1例では、
γ−アミノ酪酸が強化されたものがある。γ−アミノ酪
酸は血圧降下作用脳機能改善、肥満解消、肝臓及び腎臓
の機能強化等の機能性を示す機能性物質である。特に、
酒類の製造により得られる副産物又はその処理物から選
択される原料に、γ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌
を作用させて得られるγ−アミノ酪酸含有組成物を添加
してなる酢酸含有飲料はγ−アミノ酪酸が強化されたも
のであるだけでなく、組成物由来の好ましい風味も含有
する更に優れた酢酸含有飲料となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝端 和成 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内 (72)発明者 松岡 聰 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾 町20番地 寳酒造株式会社本社事務所内 Fターム(参考) 4B017 LC03 LG09 LK06 LK08 LK14 LP04 LP05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発芽玄米の焙炒処理物を少なくとも原料
    の一部に用いてなる酢酸含有飲料であって、2,3,5
    −トリメチルピラジンを含有することを特徴とする酢酸
    含有飲料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の焙炒処理物の焙炒処理温
    度が、260〜350℃であることを特徴とする請求項
    1に記載の酢酸含有飲料。
  3. 【請求項3】 γ−アミノ酪酸含有組成物を添加してな
    ることを特徴とする請求項1に記載の酢酸含有飲料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のγ−アミノ酪酸含有組成
    物が、酒類の製造により得られる副産物又はその処理物
    から選択される原料に、γ−アミノ酪酸生成能を有する
    乳酸菌を作用させて得られる培養物であることを特徴と
    する請求項3に記載の酢酸含有飲料。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5584346B1 (ja) * 2013-11-22 2014-09-03 實 國吉 ニンニク臭打破遮断役ドリンク用品
JP2017184697A (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 アサヒビール株式会社 風味が改善された非発酵アルコールテイスト飲料および非発酵アルコールテイスト飲料の風味改善剤
JP2017189163A (ja) * 2016-04-08 2017-10-19 高砂香料工業株式会社 酢酸含有飲食品組成物
JP2021171027A (ja) * 2020-04-30 2021-11-01 サントリーホールディングス株式会社 ピラジン類及びナトリウムを含有する飲料
JP2021193978A (ja) * 2020-06-18 2021-12-27 株式会社Mizkan Holdings 酢酸含有飲食品

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